JP2000243600A - 加速器機器の据付位置制御装置及び方法並びに記憶媒体 - Google Patents

加速器機器の据付位置制御装置及び方法並びに記憶媒体

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JP2000243600A
JP2000243600A JP11037848A JP3784899A JP2000243600A JP 2000243600 A JP2000243600 A JP 2000243600A JP 11037848 A JP11037848 A JP 11037848A JP 3784899 A JP3784899 A JP 3784899A JP 2000243600 A JP2000243600 A JP 2000243600A
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Toshihiko Takeu
俊彦 竹生
Kiyomi Matsuda
清美 松田
Shoji Mishima
昭二 三島
Keiji Okuma
啓嗣 大熊
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加速器設備を構成する各構成機器の据付工事及
び保守点検の期間を短縮し、安全性を高める。 【解決手段】予め決められた据付基準点の位置及び各構
成機器を据え付ける床面の姿勢を測定する測定手段16
と、得られた据付基準点の位置及び床面の姿勢情報を記
憶する記憶手段23と、各構成機器を据え付ける床面の
姿勢が予め設定した許容誤差範囲内に入る据付可能状態
か否かを判断する判断手段24と、据付可能状態でない
と判断されたときに床面の姿勢の調整を指令する手段
と、据付可能状態であると判断されたとき据付位置に各
構成機器を据え付ける据付手段15を制御する制御手段
25とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射機器,加速空
洞,偏向電磁石,四極電磁石,六極電磁石,補正電磁
石,電磁石電源,出射機器,高周波電源などの機器によ
り構成される加速器機器の据付位置制御装置及び方法並
びに記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、加速器は、電子,陽子,イオン
などの電気を持った荷電粒子に電気的な力を加え、より
高い運動エネルギーの粒子を作り(以下、この状態を加
速という)、その荷電粒子の塊(以下、これをビームと
いう)を利用することを目的とする装置である。
【0003】上記加速器は、加速,偏向,収束の三つの
原理から成り立ち、その中で加速原理は、加速空洞とい
う2枚の電極間に交流の高周波電圧を印加すると、正負
が一定の周期で変化する電界が生成される一方、ビーム
は2枚の電極を通るときに必ず進む方向に力を受けるよ
うにすると加速される。
【0004】また、偏向原理は、ビームを円形に閉じ込
めるために、ビームの向きを変える(偏向する)ことが
必要である。荷電粒子が磁場の中を進むと、磁界の向き
と進行方向に対して直角の方向にローレンツ力が働く。
このローレンツ力を利用してビームを偏向させるものが
偏向電磁石である。
【0005】さらに、収束原理は、同じ電荷を持ったビ
ームの塊が互いに反発する力を有するため、四極電磁石
によりビームを収束させたり、発散させたりすることで
ある。
【0006】以下、図17を参照して加速器設備の従来
例について説明する。
【0007】加速器の種類の一つである円形加速器は、
荷電粒子が円形に複数回周回しながら電極間に印加する
高周波電界に同期して荷電粒子を繰り返し加速する装置
であり、通常以下の機器から構成されている。
【0008】すなわち、円形加速器は、図17に示すよ
うにビームを円形加速器に入射する1台の入射機器1
と、ビームを加速するための2枚の電極を備えた空洞共
振器である1台の加速空洞2と、ビームの進行方向を曲
げる電磁石である12台の偏向電磁石3と、ビームを収
束あるいは発散させる電磁石である18台の四極電磁石
4と、ビームの進行方向を修正する電磁石である6台の
補正電磁石5と、円形加速器からビームを出射する1台
の出射機器6とを具備し、これらの機器が周方向に多
数、繰り返して配置されている。その他、図示しないが
種々の電磁石、多数のセンサーなどが設置されている。
【0009】図17は周長が30mの加速器設備の例で
あるが、周長が400mクラスの円形加速器の場合に
は、加速空洞2が8台、偏向電磁石3が64台、四極電
磁石4が80台、六極電磁石が60台設置され、その構
成機器数は格段に多い。この六極電磁石は四極電磁石4
のずれを補正する電磁石であり、図17に示す加速器設
備には設置されていない機器である。
【0010】また、加速器設備は放射線設備であるた
め、放射線を遮蔽する壁を備えた建屋内に設置され、円
形加速器の場合はリング状のトンネル(以下、リングト
ンネルという)内に設置される。
【0011】上記偏向電磁石3、四極電磁石4の重量
は、それぞれ約6t、約1tであり、運搬、取扱い時に
は重機が必要であるものの、円形加速器設備のリングト
ンネルで、トンネルの周長が400mもある場合には、
その構成機器を運搬または取扱う天井クレーンなどの重
機がないため、機器の据付時には組立式の門形クレーン
を使用していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、天井ク
レーンを装備することができないと考えられる理由は、
以下の通りである。
【0013】すなわち、加速器設備における電磁石の据
付作業は、ビーム性能上非常に重要なポイントであり、
その据付には極めて高い精度(据付許容誤差:1mm以
下、周長誤差:周長400mに対し5mm以下)が要求
される。このため、リングトンネルの周方向X、周方向
Xと直角のY方向、及び垂直方向Z方向に機器を取扱う
ことの可能な重機が必要である。したがって、リングト
ンネルの天井に天井クレーン用のビームを一本取り付け
ただけでは、上記精度を満たす据え付けが不可能である
という課題がある。
【0014】また、約6tの機器を運搬、取扱い可能な
天井クレーンを装備した場合は、リングトンネルの強度
を高める必要があり、トンネルの建設コストが増加する
という課題がある。
【0015】ところで、加速器設備は、上述の構成機器
がリングトンネル内において周方向に繰り返し配置され
ているため、周長400mの設備の場合には、64個所
で毎回門形クレーンの組立,分解,移動及び計測器の運
搬,設置,計測,据付位置調整,計測を繰り返す必要が
あるため、以下の課題がある。
【0016】すなわち、門形クレーンの組立,分解,移
動を多数回繰り返すため、据付工期が長期に亘るという
課題があった。また、門形クレーンの組立,分解という
高所作業を多数回行うため、安全上における事故発生の
可能性が高いという課題があった。さらに、据付工事を
終了し運転を開始した後の保守において、加速器設備の
据付位置を計測するためには、計測器の運搬,設置,計
測を多数回行う必要があり、調整が必要な場合にはその
度に門形クレーンの組立,分解,移動が必要となり、計
測及び調整期間が長くかかるという課題がある。
【0017】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、加速器設備を構成する各構成機器の据付工事及び保
守点検の期間を短縮し、安全性を高め、工事費用を削減
可能な加速器機器の据付位置制御装置及び方法並びに記
憶媒体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1記載の加速器機器の据付位置制御装置
は、加速器設備を構成する各構成機器の据付位置を制御
して据え付ける加速器機器の据付位置制御装置におい
て、予め決められた据付基準点の位置及び前記各構成機
器を据え付ける床面の姿勢をそれぞれ測定する測定手段
と、この測定手段にて得られた前記据付基準点及び床面
の姿勢情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記各構成
機器を据え付ける床面の姿勢が予め設定した許容誤差範
囲内に入る据付可能状態か否かを判断する判断手段と、
この判断手段により据付可能状態でないと判断されたと
きに前記床面の姿勢の調整を指令する手段と、前記判断
手段により据付可能状態であると判断されたとき据付位
置に前記各構成機器を据え付ける据付手段を制御する制
御手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】請求項1記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、各構成機器を据え付ける床面の姿勢を測
定手段により測定するため、床面の姿勢の測定を正確か
つ効率よく実施することができる。また、床面の姿勢が
予め設定した許容誤差範囲内に入る据付可能状態まで調
整を行うため、各構成機器の正確な据付を容易に行うこ
とができ、据付工事の期間を短縮することができる。
【0020】請求項2記載の加速器機器の据付位置制御
装置は、請求項1記載の加速器機器の据付位置制御装置
において、予め決められた据付基準点の位置及び各構成
機器の据付位置を測定する別の測定手段と、前記各構成
機器の据付位置が予め設定した許容誤差範囲内か否かを
判断する別の判断手段と、前記各構成機器の据付位置が
前記許容誤差範囲内に入るように据付手段を制御する制
御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】請求項2記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、各構成機器の据付状態確認時、各構成機
器の据付位置を別の測定手段により測定するため、各構
成機器の据付位置の変動の有無の確認を短時間で実施す
ることができる。また、各構成機器の据付位置が予め設
定した許容誤差範囲内に入るように制御手段によって据
付手段を制御するため、変動した各構成機器の据付位置
の調整を容易に行うことができる。
【0022】請求項3記載の加速器機器の据付位置制御
装置は、請求項1記載の加速器機器の据付位置制御装置
において、測定手段,記憶手段,判断手段及び調整指令
手段は、各構成機器を据え付ける床面に沿って連続して
実行することを特徴とする。
【0023】請求項3記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、測定手段,記憶手段,判断手段及び調整
指令手段は、各構成機器を据え付ける床面に沿って連続
して実行することにより、各構成機器を据え付ける度
に、床面の姿勢を測定したり調整したりすることがな
く、据付工期を短縮することができる。
【0024】請求項4記載の加速器機器の据付位置制御
装置は、請求項1記載の加速器機器の据付位置制御装置
において、各構成機器を据付位置に搬送する搬送手段を
設けたことを特徴とする。
【0025】請求項4記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、各構成機器を据付位置に搬送する搬送手
段を設けたことにより、据付位置へ各構成機器を容易に
搬送することができる。
【0026】請求項5記載の加速器機器の据付位置制御
装置は、請求項4記載の加速器機器の据付位置制御装置
において、搬送手段は、電動モータを駆動源としたこと
を特徴とする。
【0027】請求項5記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、搬送手段の駆動源として電動モータを用
いたことにより、取扱性を向上させることができる。
【0028】請求項6記載の加速器機器の据付位置制御
装置は、請求項1または2記載の加速器機器の据付位置
制御装置において、据付手段は、各構成機器の据付精度
の粗い粗芯出し用の電動クレーンと、この電動クレーン
より高精度の精密芯出し用の油圧クレーンの二種類を備
えたことを特徴とする。
【0029】請求項6記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、据付手段として電動クレーンと油圧クレ
ーンの二種類を用いたことにより、各構成機器の据付作
業を短時間に行うことができる。
【0030】請求項7記載の加速器機器の据付位置制御
装置は、請求項1または2記載の加速器機器の据付位置
制御装置において、測定手段は、レーザセンサーである
ことを特徴とする。
【0031】請求項7記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、測定手段にレーザセンサーを用いたこと
により、正確な測定が可能となる。
【0032】請求項8記載の加速器機器の据付位置制御
装置は、請求項4または5記載の加速器機器の据付位置
制御装置において、搬送手段を複数設け、これらの搬送
手段は互いに通信媒体を介して通信可能に構成するとと
もに、それぞれ据付情報を処理するコンピュータを搭載
したことを特徴とする。
【0033】請求項8記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、複数の搬送手段は互いに通信媒体を介し
て通信可能としたことで、複数の搬送手段で各構成機器
を搬送することができ、その結果据付工事の期間を大幅
に短縮することができる。
【0034】請求項9記載の加速器機器の据付位置制御
装置は、請求項4または5記載の加速器機器の据付位置
制御装置において、搬送手段を複数設け、これらの搬送
手段は互いにホストコンピュータを介して通信媒体にて
通信可能に構成するとともに、それぞれ据付情報を処理
するコンピュータを搭載したことを特徴とする。
【0035】請求項9記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、複数の搬送手段は互いにホストコンピュ
ータを介して通信媒体にて通信可能に構成したことによ
り、複数の搬送手段で各構成機器を搬送することがで
き、その結果据付工事の期間を大幅に短縮することがで
きる。
【0036】請求項10記載の加速器機器の据付位置制
御方法は、加速器設備を構成する各構成機器の据付位置
を制御して据え付ける加速器機器の据付位置制御方法に
おいて、前記各構成機器の据付時には、予め決められた
据付基準点の位置及び前記各構成機器を据え付ける床面
の姿勢をそれぞれ測定する測定工程と、この測定工程に
て得られた前記据付基準点及び床面の姿勢情報をそれぞ
れ記憶する記憶工程と、前記各構成機器を据え付ける床
面の姿勢が予め設定した許容誤差範囲内に入る据付可能
状態か否かを判断する判断工程と、この判断工程により
据付可能状態でないと判断されたときに前記床面の姿勢
の調整を実行する床面姿勢調整工程と、前記判断工程に
より据付可能状態であると判断されたとき据付位置に前
記各構成機器を据え付ける据付工程とを備えたことを特
徴とする。
【0037】請求項10記載の加速器機器の据付位置制
御方法によれば、各構成機器の据付時に請求項1と同様
の作用、効果が得られる。
【0038】請求項11記載の記載の加速器機器の据付
位置制御方法は、請求項10記載の加速器機器の据付位
置制御方法において、各構成機器の据付状態確認時に
は、予め決められた据付基準点の位置及び各構成機器の
据付位置を測定する別の測定工程と、前記各構成機器の
据付位置が予め設定した許容誤差範囲内か否かを判断す
る別の判断工程と、前記各構成機器の据付位置が前記許
容誤差範囲内に入るように据付手段を制御する制御工程
とを備えたことを特徴とする。
【0039】請求項11記載の記載の加速器機器の据付
位置制御方法によれば、各構成機器の据付状態確認時に
請求項2と同様の作用、効果が得られる。
【0040】請求項12記載の加速器機器の据付位置制
御方法は、請求項10記載の加速器機器の据付位置制御
方法において、測定工程,記憶工程,判断工程及び床面
姿勢調整工程は、各構成機器を据え付ける順序に従って
連続して実行することを特徴とする。
【0041】請求項12記載の加速器機器の据付位置制
御方法によれば、請求項3と同様の作用、効果が得られ
る。
【0042】請求項13記載の記憶媒体は、コンピュー
タを、予め決められた据付基準点の位置及び各構成機器
を据え付ける床面の姿勢をそれぞれ測定する測定手段
と、この測定手段にて得られた前記据付基準点及び床面
の姿勢情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記各構成
機器を据え付ける床面の姿勢が予め設定した許容誤差範
囲内に入る据付可能状態か否かを判断する判断手段と、
この判断手段により据付可能状態でないと判断されたと
きに前記床面の姿勢の調整を指令する手段と、前記判断
手段により据付可能状態であると判断されたとき据付位
置に前記各構成機器を据え付ける据付手段を制御する制
御手段として機能させるためのプログラムを記録したコ
ンピュータ読取り可能なものとしている。
【0043】請求項13記載の記憶媒体によれば、記録
されているプログラムをコンピュータで読み取って実行
すれば、各構成機器の正確な据付を容易に行うことがで
き、据付工事の期間を短縮することができる。
【0044】請求項14記載の記憶媒体は、請求項13
記載の記録媒体において、予め決められた据付基準点の
位置及び各構成機器の据付位置を測定する別の測定手段
と、前記各構成機器の据付位置が予め設定した許容誤差
範囲内か否かを判断する別の判断手段と、前記各構成機
器の据付位置が前記許容誤差範囲内に入るように据付手
段を制御する制御手段として機能させるためのプログラ
ムを記録したコンピュータ読取り可能なものとしてい
る。
【0045】請求項14記載の記憶媒体によれば、記録
されているプログラムをコンピュータで読み取って実行
すれば、変動した各構成機器の据付位置の調整を容易に
行うことができる。
【0046】請求項15記載の記憶媒体は、請求項13
記載の記録媒体において、測定手段,記憶手段,判断手
段及び指令する手段は、各構成機器を据え付ける順序に
従って連続して実行させるためのプログラムを記録した
コンピュータ読取り可能なものとしている。
【0047】請求項15記載の記憶媒体によれば、記録
されているプログラムをコンピュータで読み取って実行
すれば、各構成機器を据え付ける度に、床面の姿勢を測
定したり調整したりすることがなく、据付工期を短縮す
ることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0049】図1は本発明に係る加速器機器の据付位置
制御装置の一実施形態を示す斜視図、図2(A),
(B),(C)は図1の据付位置制御装置を示す正面
図,平面図,側面図である。なお、加速器の各構成機器
は図17と同一の符号を付して説明する。また、図1は
第1実施形態の据付位置制御装置により偏向電磁石3を
吊り上げた状態を示している。
【0050】図1及び図2に示すように、本実施形態に
おける加速器機器の据付装置10は、加速器機器を据え
付けるリングトンネル内の据付基準ラインを跨ぐことが
できるように鋼材がアーチ状に組み付けられたフレーム
構造体11を有し、このフレーム構造体11の底部四隅
には走行車輪12及び駆動車輪13が前後方向に2個づ
つ取り付けられ、これらの駆動車輪13には、それぞれ
電動モータなどを駆動源とした自走装置14が作動連結
されている。これら自走装置14の駆動源は、それぞれ
その電源を分電盤のコンセントから得るようにしてい
る。
【0051】したがって、各自走装置14を駆動して駆
動車輪13を回転させることにより、据付装置10がリ
ングトンネル内の機器据付床面を走行可能となる。これ
らフレーム構造体11,走行車輪12,駆動車輪13及
び自走装置14により各構成機器を据付位置に搬送する
搬送手段が構成される。
【0052】また、フレーム構造体11の上部には、平
面方向(X,Y方向)及び垂直方向(Z方向)に移動可
能で、据付位置に各構成機器を据え付ける据付手段とし
てのクレーン15が取り付けられ、このクレーン15に
は据付精度の粗い粗芯出し用の電動クレーンと、この電
動クレーンより高精度の精密芯出し用の油圧クレーンの
二種類が適用される。
【0053】さらに、フレーム構造体11上部における
長手方向端部には、リングトンネル内において予め決め
られた据付基準点の位置{平面方向(X,Y方向)の位
置及び垂直方向(Z方向)の位置},機器据付床面の姿
勢{平面方向(X,Y方向)の位置及び垂直方向(Z方
向)の位置},各構成機器の据付位置{平面方向(X,
Y方向)の位置及び垂直方向(Z方向)の位置}を測定
する測定手段としてのレーザセンサー16が設置されて
いる。そして、2つの自走装置14のうちのいずれか一
方には、コンピュータ17が搭載されている。
【0054】図3(A)は本発明の一実施形態の制御系
を示すブロック図、図3(B)は図3(A)のCPUを
示す機能ブロック図である。図3(A)に示すように、
コンピュータ17はCPU18と、このCPU18を予
め設定したプログラムに従って実行させる内容を記憶し
たROM19と、CPU18の測定処理内容及び記憶処
理内容をその都度記憶するメモリ20とを有している。
また、コンピュータ17はクレーン駆動装置21及び自
走装置駆動装置22に制御信号を送出することにより、
クレーン15及び自走装置14がそれぞれ駆動制御され
る。
【0055】CPU18は、図3(B)に示すようにレ
ーザセンサー(測定手段)16により測定された上記据
付基準点の位置情報,機器据付床面の姿勢情報,各構成
機器の据付位置情報を記憶する記憶手段23と、各構成
機器を据え付ける床面の姿勢が予め設定した許容誤差範
囲内に入る据付可能状態か否かを判断するとともに、各
構成機器の据付位置が予め設定した許容誤差範囲内(1
mm以下)か否かを判断する判断手段24と、この判断
手段24により据付可能状態であると判断されたとき据
付位置に前記各構成機器を据え付けるクレーン駆動装置
21を制御し、かつ各構成機器の据付位置が上記許容誤
差範囲内に入るようにクレーン駆動装置21を制御する
とともに、自走装置駆動装置22を制御する制御手段2
5とを備えている。そして、判断手段24により床面の
姿勢が据付可能状態であると判断されたときは、クレー
ン15により据付位置に各構成機器を据え付ける。
【0056】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0057】まず、各構成機器を据え付ける床面の姿勢
の測定、床面の姿勢の調整及び各構成機器の据付順序を
図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0058】本実施形態における据付装置10は、自走
装置14を駆動することで円型加速器のリングトンネル
内を周方向にスキャンするように移動し、そのリングト
ンネル内に設置され予め決められた各据付基準点の平面
方向(X,Y方向)の位置及び垂直方向(Z方向)の高
さ、加速器の各構成機器の据付床面の姿勢(平面方向の
位置及び垂直方向の高さ)をレーザセンサー16で測定
し(ステップS1)、その測定データを記憶手段23に
記憶する。
【0059】次いで、ステップS2で各構成機器を据え
付ける床面の姿勢が予め設定した許容誤差範囲内に入る
据付可能状態か否かを判断手段24により判断する。す
なわち、各構成機器を据え付ける床面の平面方向の位置
及び垂直方向の高さの測定結果が床面高さのバラツキの
許容誤差範囲内にあるか否かを判断手段24で判断す
る。
【0060】この判断手段24により据付可能状態でな
いと判断されたときに上記床面の姿勢の調整を指令し
(ステップS3)、手作業でシム、スペーサなどを設置
してX,Y,Z方向のレベルを出し、再度床面の平面方
向の位置及び垂直方向の高さをレーザセンサ16で測定
し、床面高さのバラツキが許容誤差範囲内に入っている
か否かを確認し、許容誤差範囲内に入るまで以上のフロ
ーを繰返す。これにより機器据付床面の姿勢の測定及び
床面の姿勢の調整を正確かつ効率良く実施可能となる。
【0061】この場合、レーザセンサー16による測
定,記憶手段23への記憶,判断手段24による判断及
び姿勢調整指令による手作業での床面の姿勢の調整は、
リングトンネル内において各構成機器の全てを据え付け
る床面の順序に従って連続して実行しておく。
【0062】ここで、各構成機器の据付位置を床面に手
作業で罫書く際は、本実施形態の据付装置10の記憶手
段23に予め記憶させた各機器の据付位置にレーザ反射
板を配置することにより、罫書きを正確かつ効率良く手
作業で実施可能となる。
【0063】そして、判断手段24により据付可能状態
であると判断されたとき、ステップS4で据付位置に各
構成機器をクレーン15により仮設置する。この場合の
クレーン15には、機器の吊上げや平面方向の移動を迅
速に行うため、各構成機器の据付精度の粗い粗芯出し用
の電動クレーンが使用される。
【0064】その後、ステップS5において、予め決め
られた各据付基準点の平面方向(X,Y方向)の位置及
び垂直方向(Z方向)の高さ、加速器の各構成機器の据
付位置の平面方向(X,Y方向)の位置及び垂直方向
(Z方向)の高さをそれぞれレーザセンサー16で測定
する。
【0065】次いで、ステップS6で、加速器の各構成
機器の据付位置の平面方向(X,Y方向)の位置及び垂
直方向(Z方向)の高さが予め設定した許容誤差範囲内
(1mm以下)か否かを判断する。
【0066】機器の据付位置が上記許容誤差範囲内でな
い場合は、ステップS7において、制御手段25により
クレーン15を制御して許容誤差範囲内に入るように微
調整する。この場合のクレーン15には、機器の吊上げ
や平面方向の移動速度が遅いが、電動クレーンと比較し
て高精度で精密芯出し用の油圧クレーンが使用される。
【0067】機器が許容誤差範囲内に入るように据え付
けられると、ステップS8において、判断手段24によ
り全ての機器が据え付けられたかを判断し、据え付けら
れていない場合は、ステップS9で据付装置10に次の
機器を積載し、全ての機器が据え付けられるまで、ステ
ップS4〜ステップS9のフローを繰り返す。
【0068】ところで、周長400mなどの大型の加速
設備では、周長誤差が周長400mに対し5mm以下の
高い精度が要求されているため、地震の際の振動や地殻
変動により各構成機器の据付位置の再調整が必要となる
場合がある。この場合には、地震による地殻変動などに
よる据付位置変動の有無を確認し、変動がある場合は各
構成機器の据付位置を修正する必要がある。
【0069】すなわち、各構成機器の据付後の定期点検
における状態確認時の順序を図5に示すフローチャート
に基づいて説明する。
【0070】まず、ステップS11において、本実施形
態の据付装置10を円型加速器のリングトンネル内を周
方向にスキャンするように移動させ、リングトンネル内
に設置され予め決められた各据付基準点の平面方向
(X,Y方向)の位置及び垂直方向(Z方向)の高さ、
加速器の各構成機器の据付位置の平面方向(X,Y方
向)の位置及び垂直方向(Z方向)の高さをそれぞれレ
ーザセンサー16で測定する。
【0071】次いで、ステップS12おいて、各構成機
器の据付位置の平面方向(X,Y方向)の位置及び垂直
方向(Z方向)の高さを前回の測定時のデータと比較
し、その結果を記憶手段23に記録する(ステップS1
3)。
【0072】そして、ステップS14で、加速器の各構
成機器の据付位置の平面方向(X,Y方向)の位置及び
垂直方向(Z方向)の高さが予め設定した許容誤差範囲
内(1mm以下)か否かを判断する。
【0073】機器の据付位置が上記許容誤差範囲内でな
い場合は、ステップS15において、許容誤差範囲内に
入るように制御手段25によってクレーン15の油圧ク
レーンを制御して機器の据付位置を修正(調整)する。
そして、機器の据付位置が許容誤差範囲内になるまでス
テップS11〜ステップS15のフローを繰り返す。こ
のようにして据付位置変動有無の確認、変動据付位置の
修正作業が従来に比べ極めて短時間で実施可能となる。
【0074】ところで、上記実施形態において、機器の
据付時では概略の据付位置に据え付ける粗芯出し、さら
に高い精度で据え付ける精密芯出しがあり、電動クレー
ンは、機器の吊り上げや平面方向の移動を迅速に行える
ものの、据付位置の微調整は困難である。一方、油圧ク
レーンは、機器の吊上げや平面方向の移動速度が遅いも
のの、精度良く据付けることが可能である。これら電動
クレーンと油圧クレーンの2種類のクレーンを備えた本
実施形態の据付装置では、上述したように各機器を電動
クレーンにより短時間で概略位置に据え付けた後、次い
で油圧クレーンにより高精度で据え付けるようにしてい
る。
【0075】そして、上記実施形態のクレーン15は、
油圧クレーン及び電動クレーンの2種類のクレーンを備
えたものを用いたが、これ以外に油圧クレーンのみを備
えたものや電動クレーンのみを備えたものでもよい。
【0076】また、上記実施形態の自走装置14は、駆
動源として電動モータを用い、この電動モータの電源を
分電盤のコンセントから得るようにしたが、これ以外に
燃料電池,二次電池などの電源を加速器機器の据付装置
10に搭載したものでもよい。そして、自走装置14の
駆動源の他の例としては、ガソリンエンジン,ディーゼ
ルエンジン,メタノールエンジンまたは天然ガスエンジ
ンが挙げられる。
【0077】さらに、加速器機器の据付装置10に設け
た自走装置14で据付装置10のみを搬送し、各機器は
他の駆動源で搬送するようにしてもよい。また、加速器
機器の据付装置10としては自走装置14を設けず、他
の駆動装置により加速器機器の据付装置10や各機器を
搬送するようにしてもよい。
【0078】このように本実施形態によれば、各構成機
器を据え付ける床面の姿勢をレーザセンサー16により
測定するため、床面の姿勢の測定を正確かつ効率よく実
施することができる。また、床面の姿勢が予め設定した
許容誤差範囲内に入る据付可能状態まで調整を行うた
め、各構成機器の正確な据付を容易に行うことができ、
据付工事の期間を短縮することができる。
【0079】また、本実施形態によれば、各構成機器の
据付状態確認時、各構成機器の据付位置をレーザセンサ
ー16により測定するため、各構成機器の据付位置の変
動の有無の確認を短時間で実施することができる。そし
て、各構成機器の据付位置が予め設定した許容誤差範囲
内に入るように制御手段25によってクレーン15を制
御するため、変動した各構成機器の据付位置の調整を容
易に行うことができる。
【0080】さらに、レーザセンサー16による測定,
記憶手段23への記憶,判断手段24による判断及び姿
勢調整指令による手作業での床面の姿勢の調整は、各構
成機器の全てを据え付ける床面の順序に従って連続して
実行することにより、各構成機器を据え付ける度に、床
面の姿勢を測定したり調整したりすることがなくなり、
据付工期を短縮することができる。
【0081】本実施形態によれば、各構成機器を据付位
置に搬送する搬送手段を設けたことにより、据付位置へ
各構成機器を容易に搬送することができる。そして、搬
送手段の駆動源として電動モータを用いたことにより、
取扱性を向上させることができる。
【0082】また、据付手段として電動クレーンと油圧
クレーンの二種類を用い、各機器を電動クレーンにより
短時間で概略位置に据え付けた後、次いで油圧クレーン
により高精度で据え付けるようにしたので、各構成機器
の据付作業を短時間に行うことができる。
【0083】さらに、測定手段にレーザセンサー16を
用いたことにより、予め決められた据付基準点の位置,
機器据付床面の姿勢及び機器の据付位置を正確に測定す
ることが可能となる。
【0084】図6(A),(B),(C)〜図12はそ
れぞれ本発明に係る加速器機器の据付位置制御装置の一
実施形態におけるフレーム構造体の変形例を示してい
る。
【0085】図6(A),(B),(C)はフレーム構
造体の第1変形例を示す正面図,平面図,側面図であ
る。なお、図1と同一の部分には同一の符号を付して説
明する。以下の変形例も同様である。図6(A),
(B),(C)に示す据付装置10aのフレーム構造体
11aは、正面門形に形成されている。
【0086】図7(A),(B),(C)はフレーム構
造体の第2変形例を示す正面図,平面図,側面図であ
る。図7(A),(B),(C)に示す据付装置10b
のフレーム構造体11bは、図1に示すアーチ状のフレ
ーム構造体11の正面ほぼ半分を長手方向に沿って切断
した形状に形成されている。
【0087】図8(A),(B),(C)はフレーム構
造体の第3変形例を示す正面図,平面図,側面図であ
る。図8(A),(B),(C)に示す据付装置10c
のフレーム構造体11cは、図6に示す正面門形のフレ
ーム構造体11aの正面ほぼ半分を長手方向に沿って切
断した形状に形成されている。
【0088】図1及び図6ないし図8に示す変形例は、
いずれも据付装置全体の大きさはリングトンネルとほぼ
同一の場合であり、一旦機器を据え付けると、据え付け
た機器の横及びその上を他の機器を通過させるスペース
がないため、同時に使用できる据付装置の台数は、搬入
ラインの数により制約を受ける。
【0089】図9はフレーム構造体の第4変形例を示す
正面図である。図9に示す据付装置10dのフレーム構
造体11dは、図1に示すアーチ状のフレーム構造体1
1を幅広に形成したものである。図10はフレーム構造
体の第5変形例を示す正面図である。図10に示す据付
装置10eのフレーム構造体11eは、図6に示す正面
門形のフレーム構造体11aを幅広に形成したものであ
る。
【0090】図11はフレーム構造体の第6変形例を示
す正面図である。図11に示す据付装置10fのフレー
ム構造体11fは、図1に示すアーチ状のフレーム構造
体11の高さを高く形成したものである。図12はフレ
ーム構造体の第7変形例を示す正面図である。図12に
示す据付装置10gのフレーム構造体11gは、図6に
示す正面門形のフレーム構造体11aの高さを高く形成
したものである。
【0091】したがって、図9ないし図12に示す第4
〜第7変形例は、それぞれリングトンネルの大きさが据
え付ける機器の大きさに対し相対的に大きく、相対的に
大きな据付装置を使用することが可能な場合に適用可能
である。図9及び図10に示す各変形例では、据え付け
た機器の横を他の機器を通過させることが可能で、図1
1及び図12に示す各変形例では、据え付けた機器の上
に他の機器を通過させることが可能である。
【0092】本発明に係る加速器機器の据付位置制御方
法の一実施形態を図13を用いて説明する。この実施形
態は、円型加速器機器の据付位置制御方法に適用したも
のである。図13に示すように、周長が400mレベル
の大型円型加速器用のリングトンネル30内には、図1
7に示す円型加速器と同様に各構成機器が繰り返し据え
付けられる。このリングトンネル30には、各構成機器
を搬入する搬入ライン31が一個所設けられている。
【0093】図1,図2及び図6〜図8に示す据付装置
10を1台、図13の矢印のように移動させながら、図
4に示すフローチャートと同様の順で各構成機器を据え
付ける。すなわち、まず、予め決められた据付基準点の
位置及び各構成機器を据え付ける床面の姿勢をそれぞれ
測定した後、その測定データを記憶しておく。
【0094】次いで、各構成機器を据え付ける床面の姿
勢が予め設定した許容誤差範囲内に入る据付可能状態か
否かを判断する。この場合、据付可能状態でないと判断
されたときには上記床面の姿勢の調整を実行し、床面高
さのバラツキが許容誤差範囲内に入るようにする。
【0095】ここで、上記測定工程,記憶工程,判断工
程及び床面姿勢調整工程は、各構成機器の全てを据え付
ける順序に従って連続して実行しておく。そして、各構
成機器の据付位置を床面に手作業で罫書きした後、据付
位置に各構成機器を仮設置する。
【0096】次に、予め決められた各据付基準点の位置
及び垂直方向の高さ、加速器の各構成機器の据付位置の
平面方向の位置及び垂直方向の高さをそれぞれ測定した
後、加速器の各構成機器の据付位置の平面方向の位置及
び垂直方向の高さが予め設定した許容誤差範囲内か否か
を判断する。機器の据付位置が上記許容誤差範囲内でな
い場合は、許容誤差範囲内に入るように据付手段として
のクレーン15を制御する。その後、全ての機器が据え
付けられたかを判断し、据え付けられていない場合は、
据付装置10に次の機器を積載し、全ての機器が据え付
けられるまで、上記の各構成機器の据付位置の平面方向
の位置及び垂直方向の高さをそれぞれ測定する以降の工
程を繰り返す。
【0097】このようにして各構成機器を据え付けるこ
とにより、工事期間を短縮するとともに、工事費用を削
減することが可能となる。また、据付作業の機械化によ
り作業品質を向上させ、安全性を確保することができ
る。
【0098】一方、定期点検時などのように各構成機器
の据付状態確認時には、図5に示すフローチャートと同
様に、予め決められた据付基準点の位置及び各構成機器
の据付位置を測定し、各構成機器の据付位置が予め設定
した許容誤差範囲内か否かを判断し、据付位置変動の有
無を確認する。次いで、据付位置が許容誤差範囲外の場
合には、各構成機器の据付位置が許容誤差範囲内に入る
ようにクレーン15を制御して位置の修正を行う。これ
により、正確かつ効率良く短期間で据付位置を修正する
ことができる。
【0099】図14は据付装置による据付作業方法の第
1変形例を示す説明図である。この第1変形例では、図
1,図2及び図6〜図8に示す据付装置10,10a〜
10cのいずれかを2台使用し、図14の矢印のように
2台の据付装置10,10a〜10cを互いに反対方向
に移動させながら前記の作業を行う。これにより、据付
作業期間は、据付装置1台の場合に比べ約半分に短縮す
ることができる。
【0100】図15は据付装置による据付作業方法の第
2変形例を示す説明図である。この第2変形例では、搬
入ライン31が2個所設けられ、図1,図2及び図6〜
図8のいずれかの据付装置10,10a〜10cのいず
れか4台を図15の矢印のように移動させながら前記の
作業を行う。これにより、据付作業時間は、据付装置1
台の場合に比べ約4分の1に短縮することができる。
【0101】図14,図15に示すように据付装置1
0,10a〜10cを複数台同時にシステム化して使用
する変形例では、図示しない有線あるいは無線の通信媒
体を介して各据付装置10のそれぞれのコンピュータ1
7、あるいは各据付装置10,10a〜10cと据付装
置外の図示しない統括(ホスト)コンピュータと通信し
て据付情報を処理する。これにより、複数の据付装置1
0の搬送手段で各構成機器を搬送することができ、その
結果、据付工事の期間を大幅に短縮することができる。
【0102】ところで、図1,図2及び図6〜図8に示
す据付装置10,10a〜10cの場合は、リングトン
ネル30への機器の搬入ライン31の本数により同時に
使用する据付装置の台数に制約を受ける。
【0103】これを解決した例を図16に示す。図16
は据付装置による据付作業方法の第3変形例を示す説明
図である。この第3変形例では、図9〜図12に示した
いずれかの据付装置10d〜10gをn台使用し、図1
6に示すように据付装置10d〜10gのいずれかをn
台同一方向に移動させながら前記と同様の作業を行う。
これにより、据付作業期間は、据付装置1台の場合に比
べ約n分の1に短縮することができる。
【0104】以上のように、前述した実施形態の機能を
実現するコンピュータのソフトウエアをプログラムコー
ドに記録した記憶媒体を、据付装置10,10a〜10
gに搭載したコンピュータ17のメモリ20、あるいは
据付装置外の統括コンピュータに供給し、その据付装置
10あるいは据付装置外の統括コンピュータにて上記記
憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行す
る。
【0105】この場合、プログラムコードを供給するた
めの記憶媒体としては、例えば、フロッピーディスク,
ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−
ROM,磁気テープ,不揮発メモリーカード,ROMま
たはEFPROMなどを用いることができる。
【0106】本発明は上記実施形態に限定されることな
く種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では
周長400mの円型加速器の各機器を取扱う場合につい
て説明したが、本発明はこれに限らず図17に示すよう
な小型の円型加速器についても、据付装置の大きさを対
象の設備の大きさに合わせることにより適用することが
できる。
【0107】また、円型加速器のみならず、直線上に加
速器機器を配置した線形加速器を初め、あらゆる形状の
加速器設備の据付に適用可能である。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の加
速器機器の据付位置制御装置によれば、各構成機器を据
え付ける床面の姿勢を測定手段により測定するため、床
面の姿勢の測定を正確かつ効率よく実施することができ
る。また、床面の姿勢が予め設定した許容誤差範囲内に
入る据付可能状態まで調整を行うため、各構成機器の正
確な据付を容易かつ安全に行うことができ、据付工事の
期間を短縮することができる。
【0109】請求項2記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、各構成機器の据付状態確認時、各構成機
器の据付位置を別の測定手段により測定するため、各構
成機器の据付位置の変動の有無の確認を短時間で実施す
ることができる。また、各構成機器の据付位置が予め設
定した許容誤差範囲内に入るように制御手段によって据
付手段を制御するため、変動した各構成機器の据付位置
の調整を容易に行うことができ、調整作業期間を短縮す
ることが可能となる。
【0110】請求項3記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、測定手段,記憶手段,判断手段及び調整
指令手段は、各構成機器を据え付ける床面に沿って連続
して実行することにより、各構成機器を据え付ける度
に、床面の姿勢を測定したり調整したりすることがな
く、据付工期を短縮することができる。
【0111】請求項4記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、各構成機器を据付位置に搬送する搬送手
段を設けたことにより、据付位置へ各構成機器を容易に
搬送することができる。
【0112】請求項5記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、搬送手段の駆動源として電動モータを用
いたことにより、取扱性を向上させることができる。
【0113】請求項6記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、据付手段として電動クレーンと油圧クレ
ーンの二種類を用いたことにより、各構成機器の据付作
業を短時間に行うことができる。
【0114】請求項7記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、測定手段にレーザセンサーを用いたこと
により、正確な測定が可能となる。
【0115】請求項8記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、複数の搬送手段は互いに通信媒体を介し
て通信可能としたことで、複数の搬送手段で各構成機器
を搬送することができ、その結果据付工事の期間を大幅
に短縮することができる。
【0116】請求項9記載の加速器機器の据付位置制御
装置によれば、複数の搬送手段は互いにホストコンピュ
ータを介して通信媒体にて通信可能に構成したことによ
り、複数の搬送手段で各構成機器を搬送することがで
き、その結果据付工事の期間を大幅に短縮することがで
きる。
【0117】請求項10記載の加速器機器の据付位置制
御方法によれば、工事期間を短縮するとともに、据付作
業の機械化により作業品質を向上させ、安全性を確保す
ることができる。
【0118】請求項11記載の記載の加速器機器の据付
位置制御方法によれば、各構成機器の据付状態確認時
に、正確かつ効率良く短期間で据付位置を修正すること
ができる。
【0119】請求項12記載の加速器機器の据付位置制
御方法によれば、据付工期を短縮することができる。
【0120】請求項13記載の記憶媒体によれば、記録
されているプログラムをコンピュータで読み取って実行
すれば、各構成機器の正確な据付を容易に行うことがで
き、据付工事の期間を短縮することができる。
【0121】請求項14記載の記憶媒体によれば、記録
されているプログラムをコンピュータで読み取って実行
すれば、変動した各構成機器の据付位置の調整を容易に
行うことができる。
【0122】請求項15記載の記憶媒体によれば、記録
されているプログラムをコンピュータで読み取って実行
すれば、各構成機器を据え付ける度に、床面の姿勢を測
定したり調整したりすることがなく、据付工期を短縮す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加速器機器の据付位置制御装置の
一実施形態を示す斜視図。
【図2】(A),(B),(C)は図1の据付位置制御
装置を示す正面図,平面図,側面図。
【図3】(A)は本発明の一実施形態の制御系を示すブ
ロック図,(B)は(A)のCPUを示す機能ブロック
図。
【図4】図1の実施形態において床面の姿勢の測定、床
面の姿勢の調整及び各構成機器の据付順序を示すフロー
チャート。
【図5】図1の実施形態において各構成機器の据付後の
定期点検における状態確認時の順序を示すフローチャー
ト。
【図6】(A),(B),(C)はフレーム構造体の第
1変形例を示す正面図,平面図,側面図。
【図7】(A),(B),(C)はフレーム構造体の第
2変形例を示す正面図,平面図,側面図。
【図8】(A),(B),(C)はフレーム構造体の第
3変形例を示す正面図,平面図,側面図。
【図9】フレーム構造体の第4変形例を示す正面図。
【図10】フレーム構造体の第5変形例を示す正面図。
【図11】フレーム構造体の第6変形例を示す正面図。
【図12】フレーム構造体の第7変形例を示す正面図。
【図13】据付装置による据付作業方法を示す説明図。
【図14】据付装置による据付作業方法の第1変形例を
示す説明図。
【図15】据付装置による据付作業方法の第2変形例を
示す説明図。
【図16】据付装置による据付作業方法の第3変形例を
示す説明図。
【図17】一般の円型加速器設備を示す模式図。
【符号の説明】
10 据付装置 11 フレーム構造体 12 走行車輪 13 駆動車輪 14 自走装置 15 クレーン(据付手段) 16 レーザセンサー(測定手段) 17 コンピュータ 18 CPU 19 ROM 20 メモリ 21 クレーン駆動装置 22 自走装置駆動装置 23 記憶手段 24 判断手段 25 制御手段 30 リングトンネル 31 搬入ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三島 昭二 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 大熊 啓嗣 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 2G085 AA13 BA20 BB20 BE03 BE04 BE05 BE06 CA12 CA27 EA04 EA05 3F204 AA01 BA02 CA01 CA07 DA01 DB04 DC06 DE06 GA01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速器設備を構成する各構成機器の据付
    位置を制御して据え付ける加速器機器の据付位置制御装
    置において、予め決められた据付基準点の位置及び前記
    各構成機器を据え付ける床面の姿勢をそれぞれ測定する
    測定手段と、この測定手段にて得られた前記据付基準点
    の位置及び床面の姿勢情報をそれぞれ記憶する記憶手段
    と、前記各構成機器を据え付ける床面の姿勢が予め設定
    した許容誤差範囲内に入る据付可能状態か否かを判断す
    る判断手段と、この判断手段により据付可能状態でない
    と判断されたときに前記床面の姿勢の調整を指令する手
    段と、前記判断手段により据付可能状態であると判断さ
    れたとき据付位置に前記各構成機器を据え付ける据付手
    段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする加速
    器機器の据付位置制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加速器機器の据付位置制
    御装置において、予め決められた据付基準点の位置及び
    各構成機器の据付位置を測定する別の測定手段と、前記
    各構成機器の据付位置が予め設定した許容誤差範囲内か
    否かを判断する別の判断手段と、前記各構成機器の据付
    位置が前記許容誤差範囲内に入るように据付手段を制御
    する制御手段とを備えたことを特徴とする加速器機器の
    据付位置制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の加速器機器の据付位置制
    御装置において、測定手段,記憶手段,判断手段及び調
    整指令手段は、各構成機器を据え付ける床面に沿って連
    続して実行することを特徴とする加速器機器の据付位置
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の加速器機器の据付位置制
    御装置において、各構成機器を据付位置に搬送する搬送
    手段を設けたことを特徴とする加速器機器の据付位置制
    御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の加速器機器の据付位置制
    御装置において、搬送手段は、電動モータを駆動源とし
    たことを特徴とする加速器機器の据付位置制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の加速器機器の据
    付位置制御装置において、据付手段は、各構成機器の据
    付精度の粗い粗芯出し用の電動クレーンと、この電動ク
    レーンより高精度の精密芯出し用の油圧クレーンの二種
    類を備えたことを特徴とする加速器機器の据付位置制御
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の加速器機器の据
    付位置制御装置において、測定手段は、レーザセンサー
    であることを特徴とする加速器機器の据付位置制御装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4または5記載の加速器機器の据
    付位置制御装置において、搬送手段を複数設け、これら
    の搬送手段は互いに通信媒体を介して通信可能に構成す
    るとともに、それぞれ据付情報を処理するコンピュータ
    を搭載したことを特徴とする加速器機器の据付位置制御
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項4または5記載の加速器機器の据
    付位置制御装置において、搬送手段を複数設け、これら
    の搬送手段は互いにホストコンピュータを介して通信媒
    体にて通信可能に構成するとともに、それぞれ据付情報
    を処理するコンピュータを搭載したことを特徴とする加
    速器機器の据付位置制御装置。
  10. 【請求項10】 加速器設備を構成する各構成機器の据
    付位置を制御して据え付ける加速器機器の据付位置制御
    方法において、前記各構成機器の据付時には、予め決め
    られた据付基準点の位置及び前記各構成機器を据え付け
    る床面の姿勢をそれぞれ測定する測定工程と、この測定
    工程にて得られた前記据付基準点及び床面の姿勢情報を
    それぞれ記憶する記憶工程と、前記各構成機器を据え付
    ける床面の姿勢が予め設定した許容誤差範囲内に入る据
    付可能状態か否かを判断する判断工程と、この判断工程
    により据付可能状態でないと判断されたときに前記床面
    の姿勢の調整を実行する床面姿勢調整工程と、前記判断
    工程により据付可能状態であると判断されたとき据付位
    置に前記各構成機器を据え付ける据付工程とを備えたこ
    とを特徴とする加速器機器の据付位置制御方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の加速器機器の据付位
    置制御方法において、各構成機器の据付状態確認時に
    は、予め決められた据付基準点の位置及び各構成機器の
    据付位置を測定する別の測定工程と、前記各構成機器の
    据付位置が予め設定した許容誤差範囲内か否かを判断す
    る別の判断工程と、前記各構成機器の据付位置が前記許
    容誤差範囲内に入るように据付手段を制御する制御工程
    とを備えたことを特徴とする加速器機器の据付位置制御
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の加速器機器の据付位
    置制御方法において、測定工程,記憶工程,判断工程及
    び床面姿勢調整工程は、各構成機器を据え付ける順序に
    従って連続して実行することを特徴とする加速器機器の
    据付位置制御方法。
  13. 【請求項13】 コンピュータを、予め決められた据付
    基準点の位置及び各構成機器を据え付ける床面の姿勢を
    それぞれ測定する測定手段と、この測定手段にて得られ
    た前記据付基準点及び床面の姿勢情報をそれぞれ記憶す
    る記憶手段と、前記各構成機器を据え付ける床面の姿勢
    が予め設定した許容誤差範囲内に入る据付可能状態か否
    かを判断する判断手段と、この判断手段により据付可能
    状態でないと判断されたときに前記床面の姿勢の調整を
    指令する手段と、前記判断手段により据付可能状態であ
    ると判断されたとき据付位置に前記各構成機器を据え付
    ける据付手段として機能させるためのプログラムを記録
    したコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の記録媒体において、
    予め決められた据付基準点の位置及び各構成機器の据付
    位置を測定する別の測定手段と、前記各構成機器の据付
    位置が予め設定した許容誤差範囲内か否かを判断する別
    の判断手段と、前記各構成機器の据付位置が前記許容誤
    差範囲内に入るように据付手段を制御する制御手段とし
    て機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ
    読取り可能な記憶媒体。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の記録媒体において、
    測定手段,記憶手段,判断手段及び指令する手段は、各
    構成機器を据え付ける順序に従って連続して実行させる
    ためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な
    記憶媒体。
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