JP2003188000A - 加速器設備 - Google Patents

加速器設備

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JP2003188000A
JP2003188000A JP2001388005A JP2001388005A JP2003188000A JP 2003188000 A JP2003188000 A JP 2003188000A JP 2001388005 A JP2001388005 A JP 2001388005A JP 2001388005 A JP2001388005 A JP 2001388005A JP 2003188000 A JP2003188000 A JP 2003188000A
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electromagnet
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equipment
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Koichi Tsuji
光一 辻
Mitsunori Kondo
光昇 近藤
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量機器を限られた狭い場所で比較的短時間
で高精度に移換えできる加速器設備を提供すること。 【解決手段】 各架台22上に偏向用電磁石、収束用電
磁石、加速管など重量機器が多数配列された加速器に沿
って床面28にレールを敷設し、このレールを台車38
を走行させて所望する機器に移動して、台車38に積載
された重量機器の移換え機構39を、対象とする重量機
器の架台22内に侵入させて重量機器を掬い上げ台車3
8に移換えてメンテナンス場に台車を搬送させて移動
し、メンテナンス後再び元の配列位置に戻すもので、移
換え機構39が重量機器を支持したとき、片持ち移換え
機構39が撓むのを支持棒により支える加速器設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速器を構成する
構成機器の備付け、移動を容易にした加速器設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に加速器は電子、陽子、イオン等の
電気を持った荷電粒子に電気的な力を加え、より高い運
動エネルギーの粒子を作り、その荷電粒子の塊を利用す
ることを目的とした装置である。加速器の種類の一つで
ある円形加速器は、その構成要素である機器(荷電粒子
の入射機器、加速空洞、電磁石、出射機器、各種電源な
ど)を円形のリング状に配置して構成し、その中で荷電
粒子を複数回周回させながら加速し、より高い運動エネ
ルギーの荷電粒子を出射する装置である。この円形加速
器は例えば特開平7−14699号公報、特開平9−9
2500号公報、特開平10−64699号公報、特開
平10−321400号公報、特開2000−2436
00公報などに記載されて周知である。
【0003】円形加速器の規模はリング周長が30mか
ら数百mにおよぶものも珍しくない。また、構成要素で
ある電磁石は数十tonfレベルの重量を有し、その搬送に
は大がかりな重量物搬送装置を必要とする。例えば偏向
電磁石や四極電磁石の重量は、夫々約6tonf、約1tonf
である。また、加速器のリングを構成する機器はその据
え付け精度を高くするよう要求があり、搬送装置側でも
その据え付け精度向上への配慮を要していた。加速器の
リングを構成する機器の周長誤差は、例えば周長400
mに対して5mm以下が要求される。
【0004】従来は天井クレーンをリング上に設置して
いたが、加速器のリングは通常地下のトンネル内に配置
されおり、これらの電磁石の搬送用に天井クレーンを設
置することはトンネルの負荷重量を増大せしめ、加速器
の建設費増加の一因となっていた。さらにクレーンでは
その据え付け精度を上げることができないため据付後に
位置を調整すると言う作業が必ず必要であった。これに
対して上記特開2000−243600公報に示されて
いるように機器の搬送用の装置と据付精度を出す方法及
び装置についての提案がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、提案さ
れている搬送用装置は数十tonfと言う重量機器を搬送す
る配慮や工夫がなされておらず強度と剛性確保のため装
置並びに前述のトンネルが大型化し、また、機器を搬送
する床面の耐圧強度を上げる必要があった。
【0006】さらに、円形加速器には荷電粒子ビームを
円形状に偏向させる偏向電磁石と、荷電粒子ビームの周
回加速において拡散する荷電粒子ビームを収束や発散さ
せるための四極電磁石と、荷電粒子ビームの進行方向を
修正するための補正用電磁石など多数の電磁石が配列さ
れている。これらの電磁石は取り外して定期的にメンテ
ナンスする必要がある。
【0007】しかしながら、このメンテナンス作業は数
トンから数十トンの重量がある上、メンテナンス終了
後、荷電粒子ビームの軌道に対して同軸的に配置する必
要があるため高い位置精度が要求され、メンテナンスの
ための加速器停止時間が短時間に行うなければならない
などの課題があった。メンテナンス作業者からは、多数
の重い電磁石について、取り外しが容易で短時間で高精
度に再設置できる電磁石の移換え装置および方法が要求
されていた。
【0008】本発明は、かかる従来の問題を解決すべく
なされたもので、重量機器を限られた狭い場所で比較的
短時間で高精度に移換えできる加速器設備を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次の構成からなる加速器設備を提供するも
のである。
【0010】すなわち、請求項1の加速器設備は、偏向
用電磁石、収束用電磁石など重量機器が配列された加速
器と、配列された前記重量機器列に沿って設けられたレ
ールと、前記重量機器を積載し前記レール上を自走する
重量機器搬送車と、前記重量機器の据付位置で前記重量
機器を前記重量機器搬送車へ移換える重量機器移換え装
置とを具備してなることを特徴とする。
【0011】請求項1の加速器設備によれば、加速器を
構成する重量機器列に沿ってレールを敷設し、このレー
ルを重量機器搬送車が走行して、所定の位置で重量機器
を移換えするので、大規模な設備をすることなく重量機
器を搬入、搬出することができる。
【0012】請求項2の加速器設備は請求項1記載の加
速器設備において、前記重量物搬送車は前記各重量機器
の据付位置を走行距離で記憶し、自動的に備付け位置に
停止することを特徴とする。請求項2の加速器設備によ
れば、重量物搬送車は各重量機器の備付け位置を走行距
離で記憶するので、自動的に所望する重量機器位置に走
行させることができる。
【0013】請求項3の加速器設備は請求項1記載の加
速器設備において、前記重量機器移換え装置は前記重量
機器を上下方向に移動するZステージと、このZステー
ジに設けられ前記重量機器を片持ち支持して伸縮方向に
移動するXステージと、このXステージが伸張方向に移
動し前記重量機器を片持ち支持状態で前記Xステージが
撓んだときXステージの先端部で前記重量機器を支持す
るように設けられる支持棒とを具備してなることを特徴
とする。
【0014】請求項3の加速器設備によれば、伸縮方向
に移動するXステージに重量機器を片持ち支持状態し前
記Xステージが撓んだとき、Xステージの先端部で支持
棒により重量機器を支持するので、重量機器であっても
ロボット操作により移換えでき、比較的短時間で高精度
に移換えできる。
【0015】請求項4の加速器設備は請求項3記載の加
速器設備において、前記Xステージの伸縮方向への移動
は直線軸受けに沿ってシリンダを駆動源として移動させ
ることを特徴とする。請求項4の加速器設備によれば、
Xステージの伸縮方向への移動は直線軸受けに沿ってシ
リンダを駆動源として移動させるので、片持ち支持でも
重量物を支持して移換えすることができる。
【0016】請求項5の加速器設備は請求項3記載の加
速器設備において、前記Zステージの上下方向への移動
はジャッキー機構により上下方向に移動させることを特
徴とする。請求項5の加速器設備によれば、上下方向へ
の移動はジャッキー機構により行うので、重量機器でも
高速に上下動させることができる。
【0017】請求項6の加速器設備は請求項3記載の加
速器設備において、前記支持棒の下端面は曲面であるこ
とを特徴とする。請求項6の加速器設備によれば、支持
棒の下端面は曲面であるであるので、Xステージ上に被
移換え物が搭載された際に発生するXステージのたわみ
に伴い直線軸受を曲面軸受部を中心に回動(回転)させ
ることによりXステージのたわみ角を許容するすること
ができる。さらに、移換えのためにXステージを収縮移
動させた際、床面との接触抵抗を小さくできる。
【0018】請求項7の加速器設備は請求項3記載の加
速器設備において、前記重量機器は複数のXステージに
より支持することを特徴とする。請求項7の加速器設備
によれば、重量物は複数のXステージにより支持するの
で、かなり重いものでもバランス良く支持することがで
き、移換えすることができる。
【0019】請求項8の加速器設備は請求項1記載の加
速器設備において、前記加速器は円形加速器であり、前
記レールを前記円形加速器の内側に沿って敷設したこと
を特徴とする。請求項8の加速器設備によれば、円形加
速器の内側にレールを敷設するので、加速器の所有面積
を拡大することなくメンテナンスやチェックなどをする
ことができる。
【0020】請求項9の加速器設備は請求項1記載の加
速器設備において、移換える重量機器は稼動状態を監視
して検出したメンテナンスが必要な機器であることを特
徴とする。請求項9の加速器設備によれば、移換える重
量機器は稼動状態を監視して検出したメンテナンスが必
要な機器であるので、早期にメンテナンスが必要な機器
を検出し、検出するや否や加速器の稼動を停止して当該
機器をロボットハンドリングによりメンテナンス場に移
動し、再設備することができる。
【0021】重量機器は重い被搬送機器であるほど効果
が得られるが、特に500kg以上の重量機器の搬送に
有効である。レールは重量機器列の外側又は内側に沿っ
て設け、重量機器列に跨って敷設しない。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明加速器設備の実施形
態を図1を参照して説明する。この実施形態は加速器例
えば円形加速器に沿ってレールを敷設し、このレールを
移動させることにより偏向電磁石や収束電磁石などの電
磁石を架台上から台車上に移換えてメンテナンスする実
施例である。
【0023】加速器1は入射機器2、出射機器3、加速
空洞4、電磁石5およびこれらを駆動するための電源か
らなる。入射機器2は加速するための荷電粒子を円形加
速器1に入射させる装置である。出射機器3は円形加速
器1で加速された荷電粒子を出射するための装置であ
る。加速空洞4は荷電粒子を加速するために高電圧が印
加される2枚の電極が設けられた空洞共振器である。
【0024】電磁石5は偏向電磁石、収束・発散電磁
石、修正電磁石などからなる。偏向電磁石は加速された
荷電粒子が軌道に沿って進行するように偏向する磁界を
発生する装置である。収束・発散電磁石は加速された荷
電粒子を収束させたり、又は発散させたりする磁界を発
生する各電磁石である。修正電磁石は加速された荷電粒
子の進行方向を修正するための磁界を発生するための電
磁石である。電磁石5はこのように加速された高エネル
ギの荷電粒子を制御するための磁界を発生させるもので
コイルの巻数が多く重い装置である。
【0025】円形加速器1は図1に示すように、これら
の加速空洞4、電磁石5など夫々数十の機器が同軸的に
円形状に配設されている。図1は変形した円形である
が、真円状でも、楕円状でもよい。このような円形加速
器1は放射線を放射するため周囲が図2に示すように遮
蔽壁11からなるトンネル12内に設置される。
【0026】このトンネル12内には床面13に円形加
速器1が設けられている。この円形加速器1に沿って例
えば円形加速器1の内周側には2本のレール14が敷設
されている。図2は円形加速器1を構成する電磁石5が
架台15上に載置された状態を示している。レール14
には重量機器搬送装置たとえば車輪15が設けられた台
車16が設置されている。台車16は円形加速器1に沿
って周回移動し、所定の位置例えばメンテナンスが必要
な機器の据付位置で自動的に停止するようになってい
る。
【0027】この台車16には重量機器移換え装置17
が固定して積載されている。重量機器移換え装置17上
に点線で示された装置は、重量機器移換え装置17によ
り架台15上に設置された電磁石5を自動的に重量機器
移換え装置17上に移換えた状態を示している。
【0028】トンネル12の天井部には、比較的軽量物
を移動するためのX−Yクレーン18およびトンネル1
2内の温度調整やダスト除去するための空調ダクト19
が設けられている。上記台車16は自走するための装置
と無人搬送車の機能を備えている。自走するための装置
は例えばガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、電気
自動車用エンジン、燃料電池エンジン、メタノールエン
ジンなどである。無人搬送車は位置決め用ターゲットを
監視するためのカメラと、カメラにより位置決め用マー
クを撮像し、コンピュータに記憶された各機器の予め記
憶されたマークと比較して一致する位置で停止するよう
に制御する機構を備えている。
【0029】次に、重量機器移換え装置17の実施例を
説明する。図3は重量機器として電磁石21が架台22
上に設置された状態を説明するための説明図で(A)図
は側面図であり、(B)図は正面図である。架台22は
電磁石21を支持するための支柱24が左右と中間に各
1本、夫々間隔25、26が前後に設けられて構成され
ている。各支柱24のうち夫々前後の支柱24は、横板
27により固定されている。各支柱24の底面には床面
28に安定に接触するように座板29が設けられてい
る。
【0030】電磁石21はコイル31を被うようにハウ
ジング32が設けられた構成である。この電磁石21は
架台22上に支持板33を介して設置されている。この
ように架台22上に設置された電磁石21は、図2の重
量機器移換え装置35により移換えられる。
【0031】次に重量機器移換え装置35および重量機
器移換え装置35による移換え方法を図4を参照して説
明する。重量機器移換え装置35は電磁石21の配列に
沿って走行する。この走行は床面28に敷設されたレー
ル36上をレール36に沿った移動である。この移動は
Y軸方向の移動である。レール36は床面28に形成さ
れたレール敷設用溝37内に頂面が表面に露出するよう
に設けられている。
【0032】重量物移換え装置35は上記レール36上
をY軸方向に移動する。重量物移換え装置35は台車3
8と移換え機構39とからなる。台車38はレール36
上を回転しながら走行するように4個の車輪40が裏面
に取着された台板41とからなる。移換え機構39は上
下(垂直)方向に移動するZステージ45に、伸縮(水
平)方向に移動するXステージ46が一体に設けられて
いる。
【0033】Zステージ45はXステージ46が片持ち
状態で電磁石21を支持し電磁石21を上下方向に移動
させて架台22上から電磁石21を移換えたり、台車3
8から架台22上に移換えたりするための駆動源として
例えば1基又は数基のジャッキー付きシリンダにより構
成できる。Xステージ46は電磁石21を片持ち構造で
支持した状態で伸縮方向の移動を行うための駆動源とし
て例えばシリンダにより構成できる。Zステージ45と
Xステージ46とは、夫々の移動に伴う摩擦抵抗を小さ
くすること、および分離しないように結合させるための
手段として例えば直線軸受により一体に構成されてい
る。Zステージ45とXステージ46とは、互いに側面
で直線軸受を介して結合し一体にしてもよいし、Zステ
ージ45上にXステージ46を直線軸受を介在して載置
する構成にしてもよい。このようにして重量機器移換え
装置35が構成されている。
【0034】次に、重量機器移換え装置35により電磁
石21を移換える方法を図4〜7を参照して説明する。
図4に示すように、台車38は移換えの対象である電磁
石21の予め定められた位置に停止する。位置決めされ
た位置で台車38は、仮固定される。
【0035】台車38が仮固定されたことを検知する
と、移換え機構39はXステージ46を伸張方向に移動
させ、Xステージ46を電磁石21の下方に侵入させ
る。Xステージ46は図3(B)正面図の支柱24間に
侵入する。即ち、上記台車38の位置決めは図3(B)
の各支柱24に接触しないようにXステージ46が侵入
できるように行う。Xステージ46の幅はロボットハン
ドリングにより各支柱24に接触しない幅に選択され
る。
【0036】この実施例において、図3(B)の架台2
2は支柱24間の間隔26が2箇所形成されているの
で、Xステージ46は2つの櫛状ステージが望ましい。
Xステージ46が侵入した状態は図5に示されている。
図5から明らかなようにXステージ46を侵入させたと
きは、電磁石21の底部よりはるか下方に位置して設け
られる。
【0037】次に、電磁石21を架台22上から持ち上
げる。この工程は図6に示すようにZステージ45のジ
ャッキー付きシリンダ54を伸張させることによりXス
テージ46を上昇させる。このとき、Xステージ46は
Zステージ45に片持ち構造になっている。即ち、Xス
テージ46はZステージ45と直線軸受の端部のみで係
合した片持ち構造になっている。従って、Zステージ4
5の上昇駆動は、相当大きなパワーを必要とする。この
ようにXステージ46は片持ち構造となっているため、
Xステージ46により電磁石21を持ち上げたとき、X
ステージ46は下方に撓みが生ずる。
【0038】この撓みは大きくなると直線軸受をXステ
ージ46が移動できなくなる。従って、各Xステージ4
6には夫々支持棒52が設けられており、この支持棒5
2が上記撓みを補償するように電磁石21を支持する作
用をする。この支持棒52は図4の工程では、収縮して
いるが、図5の工程で伸張し、図6のXステージ46上
に電磁石1が載置された状態では、電磁石21の荷重を
支持する長さに伸張する。この実施例では支持棒52の
先端部には曲面加工例えば半球面53が取着されてい
る。伸縮する支持棒52はシリンダにより構成できる。
各Xステージ46を支持する支持棒52は、1本で支持
する図になっているが、2本、3本、4本など荷重やバ
ランスなど必要に応じて選択できる。
【0039】次に、Xステージ46は電磁石21を支持
した状態で収縮方向に移動する。この移動は支持棒52
が電磁石21の荷重を支持しているので、直線軸受を円
滑に移動できる。Xステージ46の収縮移動は半球面5
3が床面28を摺動しながら直線軸受と半分以上の噛み
合わせとなるまで支持棒52による支持を継続する。こ
のようにして台車38上に電磁石21を移換えた状態は
図7に示されている。
【0040】次に、ジャッキー付きシリンダ54を収縮
方向に作用させてZステージ45を台車38上に移動さ
せたのち、台車38の仮固定を解除して、台車38は所
望する位置例えばメンテナンス場所にレール36上を移
動する。メンテナンス場所でメンテナンスを終了した電
磁石21は、台車38を移動させて、元の設置されてい
た位置に移動する。即ち、図7の予め定められた位置に
位置決めされた状態で仮固定される。
【0041】次に、Zステージ45はジャッキー付きシ
リンダ54を伸張方向に移動させて上昇させ、予め定め
られた架台22の上方位置で停止する。その後、Xステ
ージ51を伸張方向に移動させ、Xステージ46と直線
軸受けとの噛み合わせが半分程度になりXステージ46
に撓みが発生しそうになったとき支持棒52を伸張させ
て、この支持棒52が電磁石21の荷重を支持する。支
持棒52が電磁石21の荷重を支持した状態で電磁石2
1を予め定められた架台22の図6に示す位置までXス
テージ46をシリンダ66の伸張により移動させる。こ
の移動時、支持棒52の下端は床面を摺動して移動す
る。支持棒52の下端面は球面になっているので、低抵
抗で移動できる。支持棒52の下端面はローラや車輪に
するとさらに低抵抗で移動させることができる。
【0042】この状態でZステージ45および支持棒5
2を連動させて下方に移動させ、電磁石21が架台22
上に載置されXステージ46を、図5に示すように予め
定められた収縮方向に移動させる位置で停止させる。即
ち、台車38から架台22に電磁石21は、移換えされ
る。
【0043】その後、Xステージ46は収縮方向に移動
してZステージ45に重なった位置で移換え工程を終了
する。
【0044】次に、移換え機構39の他の実施例を図8
〜9を参照して説明する。図3〜7と同一部分には同一
符号を付与し、その詳細な説明を省略する。図8は図7
のジャッキー付きシリンダ34が収縮した状態を示す側
面図であり、図9は図8の断面図である。上記実施例と
この実施例の移換え機構39についての大きな相違点
は、2つ有る。
【0045】第1の相違点は電磁石21を移換える移換
え機構39が異なる。この実施例の移換え機構39はZ
ステージ45とXステージ46が一体に電磁石21の方
向に移動し、電磁石21の下方でXステージ45を上方
に移動させて電磁石21を載置し、電磁石21を移換え
る構成である。この実施例はZステージ45の重量がX
ステージ46に負荷となる点を除けば実質的に上記実施
例と同様なロボット操作である。
【0046】第2の相違点はXステージ45上に電磁石
21を載置し、Xステージ45が撓むのを一体に移動し
たZステージ45を支持棒52により支持して保護し、
横行台車62によりXステージ45のみ台車38方向に
移動させることにより電磁石21も移動させ、支持棒5
2の負荷が軽くなった後支持棒52を再び電磁石52の
方向に移動させて、Zステージ45を台車38方向に戻
す機構になっている点である。即ち、支持棒52はZス
テージ45を支持し電磁石21の荷重を支持することに
より、Xステージ46の撓みの発生を無くし、Xステー
ジ46が直線軸受を円滑に移動できるように作用させた
構成である。この実施例は支持棒52は床面28を摺動
しないので、電磁石21の搬送が容易になる。
【0047】次に、この実施例の構成を具体的に説明す
る。台車38の車輪40は前後に4個づつ8個設けられ
ている。即ち、搬送用台車38は車輪40を4セット有
し、2ヶの車輪40毎にボギー台車59が設けられた構
成である。ボギー台車59のの取着はボギー台車59の
周りの垂直面内で回転可能に取り付けられており、車輪
40に均等に荷重が伝達されるように配慮されている。
2ヶのボギー台車59は主フレーム4に対して水平面内
で回転可能に取り付けられており、台車38は水平面内
で旋回が可能となっている。車輪2は回転検出用のエン
コーダ付きサーボモータ(図示せず)により駆動されて
おり、その回転速度と回転数はサーボ制御(速度/位置
制御)できる構成となっている。これにより、搬送台車
の速度と停止位置は制御できるようになっている。
【0048】これら前後の車輪40間の台板41には、
3個の移換え機構39が設けられている。3個の移換え
機構39は対象とする電磁石21を支持する架台22の
図3(B)の支柱24間の間隔26、3箇所に互いに適
合する間隔で設けられていることである。各移換え機構
39は台板41と直線軸受け61を介して結合されてい
る。直線軸受61のスライド方向は、X軸方向である。
即ち、移換え機構39は車輪40の進行方向に対して垂
直方向に移動する。直線軸受61は台板41に固定され
ている。
【0049】この直線軸受61には移換え機構39が噛
み合って、移動自在に支持されている。移換え機構39
はXステージ46をZステージ45が支持する構成にな
っている。Zステージ45は上下動するジャッキー付き
シリンダ54により構成されている。さらに、Xステー
ジ46のみZステージ45から独立して上記直線軸受6
1に沿って移動させるための横行台車62が設けられて
いる。
【0050】横行台車62は第2の相違点を可能にする
機構である。即ち、移換え機構39が電磁石21を載置
したとき、Xステージ46の撓みをZステージ45を支
持する支持棒52により支持させる。電磁石21の移動
は移換え機構39を移動させるのではなく、Xステージ
46のみ横行台車62の移動により矢印Cの方向に移動
させて実行する。このようにして重量機器を移動させる
方法は、支持棒52の移動の際、床面28の表面荷重を
かけた摺動をさせなくて済む効果がある。このような移
換え機構39は台板41に設置パット63を介して固定
されている。従って、Xステージ46は直線軸受61を
滑動することができる。図9において矢印Aはジャッキ
付きシリンダ34による移動方向を示し、矢印Bは移換
え機構39の移動方向を示している。図8はこのようし
て3個の移換え機構39により電磁石21を移換えた状
態を示している。
【0051】搬送対象物の位置に台車38を移動させる
と移換えするために台車38は、Y軸方向に位置決めさ
れ、仮固定される。位置決めは移換え機構39が架台2
2を構成する支柱24間に侵入するための位置決めであ
る。仮固定は台車38が移換え作業中移動しないように
固定することである。仮固定の実施例は台車38を床面
28に固定することである。この固定は台車38の周縁
部にピン挿入機構55を設け、各搬送対象物に対応して
床面28にピン挿入孔56を設けてピン57により固定
する方法である。即ち、台車38を移動させ、台車38
が予め定められた位置に停止すると、ピン挿入機構55
とピン挿入孔56が同軸線上になり、ピン57をピン挿
入機構55からピン挿入孔56に差込むと、台車38
は、仮固定される。従って、台車38の位置決めは、ピ
ン挿入孔56に位置合わせしてもよい。
【0052】次に、図10〜13を参照して移換え機構
が2台の実施例を説明する。この移換え機構39は図8
の移換え機構と異なる点は横行台車62の機構が無い点
を除けば図8と同様にX、Yステージ46、47一体に
移動させる機構である。各移換え機構39は夫々直線軸
受61のスライドユニットと直線軸受61のレールを介
して台板41に取り付けられている。2台ある移換え機
構39の各移換え機構39の中間部には、中間フレーム
64が各直線軸受61を介して取り付けられている。中
間フレーム64は連結フレーム65を介して台板41と
一体になっている。中間フレーム64および連結フレー
ム65は移換え機構39が電磁石21を受取るために移
動したとき、とり残された状態になる。
【0053】各移換え機構39は各シリンダ66の伸縮
により直線軸受61に沿って移動し、台車38の側方で
出入り可能な構造となっている。各移換え機構39には
Xステージ46を上下動させるためのジャッキ付きシリ
ンダ54が設けられている。このジャッキ付きシリンダ
54は載置物である電磁石21を上下動させる構造とな
っている。移換え機構39には図11、12に示すよう
に電磁石21を支持したときXステージ46が撓むの
で、この撓みを補償するように伸縮する支持棒たとえば
ジャッキ67が各Xステージ46に設けられている。こ
のジャッキ67の床面28に接する下端面には、半球面
53を有するスライドプレート68が取着されている。
図11、12は電磁石21を支持していないのでスライ
ドプレート68の下面が床面28に接触していない。
【0054】図1に示す円形加速器1の稼動において、
円形加速器1内にメンテナンスが必要な機器たとえば電
磁石21が発生すると、円形加速器1の稼動を停止させ
たのち、当該電磁石21は、台車38によりトンネル1
2外のメンテナンス場にレール36上を移動して搬送さ
れる。即ち、図10に示す台車38はメンテナンスの対
象である(被搬送物)電磁石21の予め定められた停止
位置に位置決めされて、図11に示すように停止する。
次に、電磁石21は架台22上に据付けられているので
締結具を取り外し、円形加速器1から分離したのを確認
する。
【0055】次に、図12に示すように移換え機構39
はシリンダ66を伸長させて電磁石21の下方、架台2
2の隙間に侵入する。このとき、移換え機構39を支持
している直線軸受61には、移換え機構39の自重のみ
しか負荷されていないため台車38から片持ち支持され
た移換え機構39のたわみは少なく、スライドプレート
68と床面28との間には隙間が生じるように設定され
ている。この隙間の形成は移換え機構39の移動負荷を
軽くするためである。
【0056】Xステージ46はジャッキ付きシリンダ5
4の伸長により上昇し、図12に示すようにXステージ
46の上面と電磁石21の下面が接するようにする。図
13は図12の正面図を示している。さらにジャッキ付
きシリンダ54を伸長させると次第に移換え機構39に
電磁石21の荷重がかかり、移換え機構39はたわみ始
め、スライドプレート68の下面と床面28が接するよ
うになる。即ち、電磁石21の荷重はジャッキ67によ
り支持され、移換え機構39のたわみは、軽減又はジャ
ッキ67の伸張量を調整することにより回避される。
【0057】さらにジャッキ付きシリンダ54を伸長さ
せると電磁石21は、架台22より分離し持ち上げられ
る。電磁石21を架台22より持ち上げた状態でシリン
ダ66を収縮させると移換え機構39が台車38に引き
込まれると共に電磁石21も台車38側に移動させられ
て、最終的には台車38上に電磁石21が移換えされ
る。この移動はジャッキ67が電磁石21の荷重を支持
しているため、スライドプレート68の下面は、床面2
8を摺動して移動する。
【0058】次に、ジャッキ付きシリンダ54を収縮さ
せると電磁石21は台車38上に搭載される。搭載完了
後、機器のメンテナンス場まで台車38は電磁石21を
積載して移動する。メンテナンス後に電磁石21を元の
円形加速器1の位置に据え付ける手順は、取り外した手
順の逆の手順となる。
【0059】この実施例によれば、電磁石21を持ち上
げるジャッキ付きシリンダ54の直下に荷重を床面28
に伝達するジャッキ67、スライドプレート68を配置
するため、移換え機構39を初め、直線軸受61等の機
器は、電磁石21の荷重が直接かからないため、床面2
8より僅か離れ、低強度、低剛性に設計可能となり、限
られたスペースでも重量機器を搬送できる重量物搬送台
車を得ることができる。
【0060】上記実施例は下面が球面のスライドプレー
ト68を床面28上を摺動させて電磁石21を移動させ
たが、さらに電磁石21の移動力を軽減するためにジャ
ッキ67およびスライドプレート68をローラ69によ
り構成してもよい。このローラ69により電磁石21を
支持した実施例は図14に示されている。このローラ6
9の直径は移換え機構39に被搬送物の重量が負荷され
ていないとき、ローラ69の周面が床面28より僅か浮
いているように設定される。この間隔は移換え機構39
が電磁石21を支持したとき、撓みが発生して直線軸受
61を移動できるように設定する。
【0061】このようにローラ69は移換え機構39が
被搬送物の電磁石21を持ち上げたときの荷重により床
面28に接地するようになっている。移換え機構39が
電磁石21を移動させたときローラ69は回転しながら
電磁石21を支持する。従って、ローラ69の取着は電
磁石21を載置した状態での移換え機構39の移動力が
大幅に軽くなる。ローラ69はジャッキ68を介して取
り付けることにより、荷重に応じた支持力をジャッキ6
8の伸縮により調整することができ、移換え機構39の
移動をさらに軽量化することができる。このようにロー
ラ69の採用は、電磁石21を移換え機構39上に載せ
た状態でシリンダ66を伸縮させた時の床面28からの
摩擦抵抗を低減でき、シリンダ66は小さなシリンダ径
のものを採用できるようなる。
【0062】次に、図8、9の台車38に積載された移
換え機構39により被搬送物である円形加速器1の電磁
石21を架台22上から台車38上に移動させる方法を
図15〜23を参照して説明する。まず図15に示すよ
うに台車38はレール36上を移動して被搬送物である
電磁石21が据え付けられている架台22の予め定めら
れた位置に位置決めされ、台車38に設けられたピン挿
入機構55から床面28に設けられたピン挿入孔56に
ピン57を挿入する。この結果、台車38は架台22に
対する精細な位置合わせが行われ、図16に示すように
仮固定される。仮固定は被搬送物を台車38に移換えす
るために引き込む際に発生する横方向の反力支持を行う
ことができる。
【0063】次に、横行台車62を有する移換え機構3
9は図16に示すようにシリンダ66を伸長させ、被搬
送物である電磁石21の下側に侵入される。この移換え
機構39の侵入の位置は図17に示すように横行台車6
2が電磁石21の重心位置に一致する位置まで侵入す
る。即ち、ジャッキ付きシリンダ54が電磁石21の重
心位置に一致する所まで移換え機構39は移動される。
【0064】次に、電磁石21は図18に示すようにジ
ャッキ付きシリンダ54を伸長させてXステージ46を
上昇させ、架台22上から持ち上げられる。この時、電
磁石21が持ち上がる際、電磁石21の荷重が移換え機
構39にかかると移換え機構39には、たわみが発生す
る。この結果、接触パッド63は床面28に接触して電
磁石21の荷重を支持する。
【0065】次に、図19に示すように接触パッド63
が電磁石21の荷重を支持した状態で、横行台車62の
みが直線軸受61に沿って台車38側に移動する。即
ち、横行台車62の移動は電磁石21を搬送する。次
に、図20に示すように横行台車62の移動が完了する
とジャッキ付きシリンダ54を一端下げて、電磁石21
を架台22と台車38の間に仮置きする。電磁石21の
移動は接触パッド63の負荷が軽くなる。
【0066】次に、接触パッド63の負荷が軽くなった
状態で図21に示すように移換え機構39は仮置きされ
ている電磁石21の重心下に移動して、接触パッド63
が再び電磁石21の荷重を支持する。この時、移換え機
構39上で横行台車62が再び台車38側に最大距離移
動できるよう移換え機構39と横行台車62の相互の位
置を調整する。次に、図22に示すようにジャッキ付き
シリンダ54を再び伸張させて電磁石21を上昇させ
る。この電磁石21を持ち上げた状態で、横行台車62
を台車38側に移動させることにより、台車38側に電
磁石21を移動させる。この状態で再びジャッキ付きシ
リンダ54を収縮させて電磁石21を下げて、電磁石2
1を架台22と台車38の間に仮置きする。
【0067】図21、図22の搬送動作を繰り返し行う
ことにより図23に示すように電磁石21を台車38の
中心位置まで引き込み搬入することが可能となる。引き
込みが完了するとピン57をピン挿入機構55により引
き上げて操作し台車38の仮固定を解除する。、台車3
8は所定の位置たとえばメンテナンス場所まで移動して
電磁石21の搬送作業が完了する。メンテナンス終了後
再び台車38は元の位置に移動する。台車38から架台
22側に電磁石21を移動させて据付ける工程は、取外
す手順と逆の手順にて実施する。
【0068】本実態の形態によると電磁石21の移動
は、移換え機構39上で横行台車62を移動させること
だけで実現でき、床面28との接地点である接触パッド
63は負荷がかかっている状態で床面28上を移動させ
る必要が無く、比較的小さな力で電磁石21を移動させ
ることが出来る。また、電磁石21は横行台車62の移
換え機構39上の移動と移換え機構39の台車38に対
する動作の相互動作で移動させることが出来、円形加速
器1が収納されているトンネル12の寸法制約から台車
38の横幅が十分に確保出来ない場合でも電磁石21の
搬送が可能となる。
【0069】次に、円形加速器1に設置される重量機器
を位置決めして設置する機構の実施例を図24、25を
参照して説明する。図1〜23と同一部分には同一符号
を付与しその詳細な説明を省略する。図24、25は図
3(B)の状態を示している。図24、25は架台22
を構成する支柱24の頂部に位置決め機構71を設け、
重量機器たとえば電磁石21をロボットハンドリングで
自動的に設置できるようにしたものである。
【0070】位置決め機構71は図25に示すように雌
雄の嵌合機構72とロック機構73とからなる。雌雄の
嵌合機構72はたとえば電磁石21の底部で支柱24と
の当接部74に雌部品75が取着されている。支柱24
の頂部には雄部品76が取着されている。この雄部品7
6と雌部品75が嵌合したとき重量機器は、位置決めさ
れた状態となるように取着されている。位置決め対象物
が重量機器であるため嵌合しやすく雄部品76の嵌合部
は円錐状に形成されている。雌部品75の嵌合部は円錐
状突起が位置合わせしなら合致するように円錐状凹部に
形成されている。
【0071】位置決めされた状態を仮固定するためにフ
ック機構77が設けられている。フック機構77は例え
ば支柱側にフック78が設けられ、電磁石21側に突起
79が設けられている。支柱24に取着される雄部品7
6は取付け位置が架台22に対して調整できるように上
下調整ネジ81と水平調整ネジ82が設けられ、微位置
調整が可能となっている。雄部品76は位置調整が完了
後架台に対してボルト(図示せず)にて固定出来る構造
となっている。
【0072】このように構成された重量機器の位置決め
機構71は次のように作用して微位置調整される。電磁
石21 の初期組立時に電磁石21 の雌部品75を雄部
品76上に着座させる。この結果、電磁石21の自重で
円錐状突起のテーパ部分を滑り自動的に嵌合し電磁石2
1の水平方向位置を固定する。この状態でフック78を
回転させて突起79に引っかけて電磁石21の上下方向
を固定する。
【0073】次に、設置された電磁石21は円形加速器
1としての荷電粒子ビームとの軸合わせが行われる。こ
の軸合わせは電磁石21の位置を円形加速器1全体との
アライメントが一致するように上下調整ネジ81と水平
調整ネジ82により位置調整を実施する。位置調整が完
了した段階で架台22に対して雄部品76の位置を固定
する。この固定は例えば固定用ボルトによるネジ止めで
ある。
【0074】また、メンテナンスのために電磁石21を
架台22上から移動させる際には、まずフック78を突
起79から外し、上下方向の拘束を解除する。その後、
台車38に積載された移換え機構39により電磁石21
を上側に持ち上げることにより電磁石21を雄部品76
から引き離し架台22と電磁石21は分割される。
【0075】初期組立時に実施された位置調整結果は、
電磁石21を取り除いたも取付け雄部品76側に残さ
れており、雄部品76に設けられたテーパに電磁石21
側に設けられた円錐状凹部を嵌合させることにより再
度同一電磁石21を取付けた際にも電磁石21 の位置
は再現される。図25(A)はフック73をかけた状態
を示し、(B)図はフック73を外した直後の状態、
(C)図は電磁石21が掬い上げられていく状態を示し
ている。
【0076】次に、重量機器を載置したときの移換え機
構39の撓みを改善する実施例を図26を参照して説明
する。図26は台車38の断面図である。台車38にお
いて、移換え機構39を支持している直線軸受61のス
ライドユニット83が球面軸受84を介して取り付けら
れている。移換え機構39上に被搬送物が搭載された際
には発生する移換え機構39のたわみに伴い球面軸受8
4部を中心にスライドユニット83が移換え機構39に
対して回転することにより移換え機構39のたわみ角を
許容するようになっており、スライドユニット83と直
線軸受62のレール状軸85間に無理な力が負荷されな
いように配慮されている。
【0077】次に、自走可能な台車38に円形加速器1
の稼動状態を監視するための監視装置を積載し、メンテ
ナンスが必要な機器を監視することにより、自動的にメ
ンテナンスが必要な機器を遠隔で検知することができ
る。次にその実施例を説明する。監視装置を積載した台
車38は、円形加速器1に沿って敷設されているレール
36を走行する。円形加速器1を形成する機器たとえば
電磁石や加速器は、多数リング状に配列されている。こ
れらの各電磁石や加速管の監視をするための装置は図2
7に示す通りである。
【0078】図27に加速器監視装置86の断面図を示
す。加速器の構成機器である電磁石21が据付けられて
いる架台22 が並べられている床面28に加速器の構
成機器列に沿った位置に配設されたレール36上を、加
速器監視装置86を積載した台車38が自走するように
なっている。加速器監視装置86には走行装置(図示せ
ず)が取り付けられており自走ができる構成となってい
る。走行装置はたとえば無人搬送車である。各架台22
には各架台22を識別するための架台識別符号が表示
された架台識別符号板87が取付けられている。
【0079】加速器監視装置86に取り付けられた符号
読取装置88たとえばITVカメラは、対象とする電磁
石21の架台識別符号を読みとり、加速器監視装置86
が監視している数多く配置されている電磁石21のうち
どの電磁石21を監視中かを判別できるように構成され
ている。加速器監視装置86には加速器が稼動中に放射
する高エネルギのX線量を測定するための放射線測定器
89、加速器構成機器に放電や火災などの発生を監視す
るための雲台付きカメラ90が取り付けられており、電
磁石21とその据付位置周辺の状況を監視出来るように
なっている。
【0080】符号読取装置88で読みとられた被検査対
象である電磁石21の識別情報と放射線測定器89、雲
台付きカメラ90で取り込んだ監視情報はコンピュータ
91に送られ、架台識別符号に対応付けてデータ記録装
置92に記録される。また、無線送信装置93にてデー
タを他のコンピュータ等に送信し、そのコンピュータに
接続されているCRTにデータを表示するなどしてメン
テナンスの必要な故障機器を観察することができる。
【0081】このようにしてメンテナンスが必要な機器
をアドレスで検出したら、自動的に重量機器を移換え機
構39を積載した台車38を走行させることにより、自
動的に故障機器のメンテナンスを行うことができる。
【0082】以上説明したように上記実施形態によれ
ば、加速器を構成する機器列に沿ってレールを配置し、
そのレール上を台車を走行させることにより、被搬送物
の移動や監視ができるようになる。さらに、被搬送物の
重量を支持できるよう支持棒を設けた移換え機構を設け
ることにより、重量機器を片持ち構造でロボットハンド
リングすることができる。この移換え機構は低強度、低
剛性の構造のステージで上下方向のスペースを必要とし
ない機器構成にて重量機器を搬送台車上に横引きし、所
定の位置に搬送可能な重量物搬送台車を得ることができ
る。
【0083】
【発明の効果】この発明によれば、重量機器を限られた
狭い場所で比較的短時間で高精度に移換えできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明加速器設備の実施形態を説明するため
の重量機器搬送用台車と円形加速器の平面配置図。
【図2】 図1の重量機器搬送用台車による移換え状態
を説明するための断面図。
【図3】 図2の移換えの実施例を説明するための平面
図。
【図4】 図3の移換えの手順を説明するための平面
図。
【図5】 図3の移換えの手順を説明するための平面
図。
【図6】 図3の移換えの手順を説明するための平面
図。
【図7】 図3の移換えの手順を説明するための平面
図。
【図8】 図4移換え機構の他の実施例を説明するため
の平面図。
【図9】 図8移換え機構の図。
【図10】 図4移換え機構の他の実施例を説明するた
めの図。
【図11】 図10の移換え機構を用いた移換え手順を
説明するための図。
【図12】 図10の移換え機構を用いた移換え手順を
説明するための図。
【図13】 図10の移換え機構を用いた移換え手順を
説明するための図。
【図14】 図5の支持棒の他の実施例を説明するため
の図。
【図15】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図16】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図17】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図18】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図19】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図20】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図21】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図22】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図23】 図8の移換え機構を用いた移換え手順を説
明するための図。
【図24】 図3の支持棒と電磁石との位置決め機構の
他の実施例を説明するための図。
【図25】 図24の位置決め機構部を説明するための
図。
【図26】 図10の直線軸受の他の実施例を説明する
ための図。
【図27】 図4の他の実施例を説明するための図。
【符号の説明】 1…円形加速器、2…入射機器、3…出射機器、4…加
速空洞、5,21…電磁石、11…遮蔽壁、12…トン
ネル、13,28…床面、14,36…レール、15,
40…車輪、16,38…台車、17,35…重量機器
移換え装置、18…X−Yクレーン、19…空洞ダク
ト、22…架台、24…支柱、25,26…間隔、27
…横板、29…座板、31…コイル、32…ハウジン
グ、33…支持板、34,54…ジャッキ付きシリン
ダ、39…移換え機構、41…台板、45…Zステー
ジ、46…Xステージ、52…支持棒、53…半球面、
54…ジャッキ付きシリンダ、55…ピン挿入機構、5
6…ピン挿入孔、57…ピン、59…ボギー台車、61
…直線軸受、62…横行台車、3…接触パッド、64…
中間フレーム、65…連結フレーム、66…シリンダ、
67…ジャッキ、68…スライドプレート、69…ロー
ラ、71…位置決め機構、72…雌雄の嵌合機構、73
…ロック機構、74…当接部、75…雌部品、76…雄
部品、77…フック機構、78…フック、79…突起、
81…上下調整ネジ、82…水平調整ネジ、83…スラ
イドユニット、84…球面軸受、85…レール状軸受、
86…加速器監視装置、87…架台識別符号板、88…
符号読取装置、89…放射線測定器、90…雲台付きカ
メラ、91…コンピュータ、92…データ記録装置、9
3…無線送信装置。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏向用電磁石、収束用電磁石など重量機
    器が配列された加速器と、 配列された前記重量機器列に沿って設けられたレール
    と、 前記重量機器を積載し前記レール上を自走する重量機器
    搬送車と、 前記重量機器の据付位置で前記重量機器を前記重量機器
    搬送車へ移換える重量機器移換え装置とを具備してなる
    ことを特徴とする加速器設備。
  2. 【請求項2】 前記重量物搬送車は前記各重量機器の備
    付け位置を走行距離で記憶し、自動的に据付位置に停止
    することを特徴とする請求項1記載の加速器設備。
  3. 【請求項3】 前記重量機器移換え装置は前記重量機器
    を上下方向に移動するZステージと、 このZステージに設けられ前記重量機器を片持ち支持し
    て伸縮方向に移動するXステージと、 このXステージが伸張方向に移動し前記重量機器を片持
    ち支持状態で前記Xステージが撓んだときXステージの
    先端部で前記重量機器を支持するように設けられる支持
    棒とを具備してなることを特徴とする請求項1記載の加
    速器設備。
  4. 【請求項4】 前記Xステージの伸縮方向への移動は直
    線軸受けに沿ってシリンダを駆動源として移動させるこ
    とを特徴とする請求項3記載の加速器設備。
  5. 【請求項5】 前記Zステージの上下方向への移動はジ
    ャッキー機構により上下方向に移動させることを特徴と
    する請求項3記載の加速器設備。
  6. 【請求項6】 前記支持棒の下端面は曲面であることを
    特徴とする請求項3記載の加速器設備。
  7. 【請求項7】 前記重量機器は複数のXステージにより
    支持することを特徴とする請求項3記載の加速器設備。
  8. 【請求項8】 前記加速器は円形加速器であり、前記レ
    ールを前記円形加速器の内側に沿って敷設したことを特
    徴とする請求項1記載の加速器設備。
  9. 【請求項9】 移換える重量機器は稼動状態を監視して
    検出したメンテナンスが必要な機器であることを特徴と
    する請求項1記載の加速器設備。
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Cited By (2)

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