JP3190923B2 - 加速器の磁石アライメント調整方法及び装置 - Google Patents

加速器の磁石アライメント調整方法及び装置

Info

Publication number
JP3190923B2
JP3190923B2 JP12040293A JP12040293A JP3190923B2 JP 3190923 B2 JP3190923 B2 JP 3190923B2 JP 12040293 A JP12040293 A JP 12040293A JP 12040293 A JP12040293 A JP 12040293A JP 3190923 B2 JP3190923 B2 JP 3190923B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
alignment
accelerator
orbit
adjusting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12040293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06310300A (ja
Inventor
横山  稔
鉄夫 山崎
卓 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP12040293A priority Critical patent/JP3190923B2/ja
Publication of JPH06310300A publication Critical patent/JPH06310300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3190923B2 publication Critical patent/JP3190923B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Accelerators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、半導体の集積回路技
術や医療施設等に利用されるSR(放射光)やFEL
(自由電子レーザ)に用いられる陽電子等の電子ビーム
に対するリング型加速器やその入射器に用いられる線型
加速器やビーム輸送子の磁石のアライメントを初期設置
時に正確に調整する技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、近時の各種産業の隆盛は見
るべきものがあり、かかる隆盛は高度に発達して科学技
術に負うところが大であって、就中電子工学等,物理化
学にバックアップされているところが大である。
【0003】したがって、当然のことながら、電子工学
や物理学による更なる発達が強く期待されている。
【0004】しかしながら、科学の発達は産業の発達と
提携するところが大であって、例えば、物理学の発達は
単に理論物理ばかりでなく、実験物理の支持を待たなけ
れば不可能であると言い得るものである。
【0005】ところで、半導体産業における高集積度回
路等の開発にはデータのより精細で超高速の演算処理を
行うコンピュータ等のデバイスのハイテク化,ダウンサ
イジング化等がますます求められ、シリコンウエハ等に
対する精密なドライエッチング技術等が必要となってき
ている。
【0006】又、外科医療等の分野においても電子ビー
ムやレーザ等ではサイズがミクロン単位を超えてサブミ
クロン単位の高精密さを必要としている。
【0007】このため、これらに使用可能なSR(放射
光)やFEL(自由電子レーザ)は物理学,化学の研究
における単なる実験用のみならず、産業用の加速器とし
て開発,実使用が物理化学や各種の研究機関、更には産
業施設で盛んに行われるようになってきている。
【0008】したがって、該種加速器自体の性能向上が
強く求められるようになってきている。
【0009】特に、線型加速器や電子ビームの電磁石の
アライメントは、例えば、特開平4−249897号公
報発明に見られる如く、当該加速器の立ち上がり時は勿
論のこと、電子ビームの性能に極めて重要であり、した
がって、加速器の構築時における電磁石のアライメント
調整は加速器の性能を左右する決定的な事項として極め
て重要視されている。
【0010】そこで、これまで図10に略示する様に、
周回軌道を有する加速器1にあっては、その電子ビーム
の周回軌道2を設計軌道に合致させるべく、RFキャビ
ティ3、偏向磁場4,4…、及び、それらの間にセット
される4極型の電磁石5,5…の該電子ビーム周回軌道
2を設計軌道に一致するように、高精度に設置するには
精度0.1mm程度の極めて高精度のトランシット6や
レベラー7を用い、研究者や作業者が目視確認によりそ
のアライメントの調整を手作業的に行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、、かか
るリング型加速器1あっては、偏向電磁石4の曲率半径
がメートル単位であり、当該図10に図示する様に、そ
の数も多く、又、他の電磁石(4極,6極,8極)5,
5…のセット数も多く、各電磁石5のセットの度ごとに
トランシット6、及び、レベラー7を介しての目視によ
る手作業的アライメント調整(当該図10参照)では極
めて長時間を要し、全周的に周回軌道2を設計デザイン
に合致するように各偏向電磁石4,電磁石5の配列、及
び、アライメント調整を行うとすると数週間,数ケ月等
の長期間を要し、更に図示しない補正電磁石を介しての
調整等を必要とし極めて非能率的であり結果的にコスト
高になるという不具合があるものであった。
【0012】そして、研究者や作業者の高度な熟練も厳
しく要求され、前記0.1mm程度の精度はケガキ線の
幅程度であり、それ以上の精度要求は実質的不可能であ
るという欠点もあった。
【0013】そして、当然のことながら、著しく作業性
が悪く、熟練を要することから、実作業がスケジュール
通りにいかない場合には、かなりの長期に亘る施工期間
を要し、完成後の調整試験や本番実験のスケジュールを
大きく変更せざるを得ないという難点もあった。
【0014】又、上述の如く、単に各偏向電磁石4,電
磁石5の設置やアライメント調整の不都合さばかりでな
く、搬入セットする複致の偏向電磁石4,5自体の製作
上,組み付け上の精度誤差も不可避的に潜在的に存在
し、そのため、取り付け,セットに際し、磁場中心の芯
出し等も著しく煩瑣であるというネックがあった。
【0015】そして、よしんば、とりあえずの据え付
け,セットが行われたとしても、テスト運転を行って各
個、及び、全体としてアライメント調整を行うには実際
に周回軌道を辿る電子ビームは数百MeV以上の高エネ
ルギーを有した相対論領域にあり、研究者や作業者に対
する放射能による危険性もあった。
【0016】即ち、周回する電子ビームが高エネルギー
を有してガンマ線や中性子等の放射能をセットゾーンに
放散するために、研究者や作業員にとって極めて危険で
あり、したがって、据え付けセットされた領域に中に於
ける各種の作業、特に、周回軌道内に於ける検査や測定
作業,アライメント調整作業はほぼ不可能であるという
デメリットがあった。
【0017】そして、仮に全周的な電磁石4,5のセッ
ト状態でのアライメント調整が可能であって、とりあえ
ず終了したとしても、テスト段階、或いは、その後の本
番実験等においては、図11に示す様に、上記偏向電磁
石4,電磁石5のアライメント調整不良に基づいて周回
軌道2に対し蓄積する電子ビーム周回軌道2´ は蛇行
したりする等の偏倚した周回軌道を辿り、したがって、
蓄積された電子ビームは、例えば、ウイグラー(アンジ
ュレーター)等におけるSR(放射光)やFEL(自由
電子レーザ)との共振不良を起こし、設計通りに該SR
(放射光)やFEL(自由電子レーザ)が発振不可にな
りかねないという致命的な障害を引き起しかねず、その
ため、蓄積された周回軌道に対する電子ビームに対する
アライメント調整を再三に亘って行い、その結果、初期
セットから運転開始まで数ケ月に及ぶ長期間を必要と
し、実験計画に重大な支障を及ぼし、又、ランニングコ
ストは勿論のこと、メンテナンスコスト等経済的にも大
きな負担を必要とする不利点があった。
【0018】当該図11に示す様に、このようにして生
ずる閉周回軌道のずれ、即ち、COD(Cloded
Orbit Distortion)を最小限にくい止
めるには極めて煩瑣な作業を重複して長期に亘って行わ
ざるを得ないというネックがあった。
【0019】このようなことは、産業上の不利点を生ず
るばかりでなく、研究等の学問的発達にも大きな足枷と
なる不都合さがあった。
【0020】そして、トランシット6やレベラー7の限
界精度である0.1mm精度に偏向電磁石4,電磁石5
のアライメント調整が行われたとしても、電子ビームを
投射して周回軌道を実周回させてみると、全体的に数ミ
リに亘るようにアライメント不良を生じていることが分
るという実際の不具合もあった。
【0021】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づくストレージリング等を有する加速器に於ける磁石
のアライメント調整の問題点を解決すべき技術的課題と
し、それらの基本設計の周回軌道を付与する磁石の初期
セットにおいて、研究者や作業者に何ら放射能による危
険性を及ばせることなく、オンラインでリアルタイムに
各磁石ごとに、しかも、周回軌道全体に亘り速やかに正
確なアライメント調整が行え、安全で作業性も良く、高
能率で諸作業が行え、周辺機器との取り合い性も良く、
可及的に短期間の設計期間で加速器の構築が出来るよう
にしてハイテク産業における電子技術利用分野に益する
優れた加速器の磁石アライメント調整方法及び装置を提
供せんとするものである。
【0022】
【発明の原理的背景】ところで、例えば、Au- イオン
等の重金属イオンを数keVのエネルギーのイオン源か
ら周回軌道に投射し、磁石を通過させてイオン検出器に
よって検出させると、重金属イオンビームが検出され、
しかも、当該重金属イオンビームは、放射線を放射しな
いために危険性がないことが経験的に知られており、か
かる重金属イオンビームを磁石に通過させて検出器によ
りそのピークの中心軸からの軸ずれを測定し、自動的
(或いは、半自動的、もしくは、手動により)にモニタ
を介し中心軸側に移行するようにすることにより、リン
グ状の周回軌道を形成している加速器では各磁石につい
て個別に、或いは、全周的にアライメント調整が可能で
あり、前述COD(Cloded Orbit Dis
tortion)を可及的に最小限に抑えることが出来
る。
【0023】この出願の発明はかかる原理的背景に基づ
くものである。
【0024】
【課題を解決するための手段・作用】上述原理的背景に
基づき、先述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とす
るこの出願の発明の構成は、前述課題を解決するため
に、素粒子実験用、陽電子実験用,SR用,FEL用等
に供する線型加速器のリング型加速器、そして、ビーム
トランスファー素子において、電子ビームに対する磁石
を所定に初期セット,組み付けし、そのアライメントを
調整するに際し、例えば、電磁石間にAu- 等の重金属
イオンを数keVにするイオン源を設け、又、該電磁石
の反対側に検出器を設けて測定装置に電気的に接続さ
せ、又、測定装置にはモニタが設けられると共に当該磁
石の微動調整装置に電気的に接続させ、予め作製された
該磁石の磁場中心を測定することなく、該磁石が可及的
に設計通りに高精度に作製されているとの前提におい
て、イオン源から数keVのエネルギーのイオンビーム
を周回軌道に投射して磁石を通過させ、検出器によりそ
のピークが中心軸に対し、水平方向、及び、垂直方向に
ずれていること、及び、その量を検出し、該検出された
データを測定装置に入力し、該測定装置のモニタにより
自動的、半自動的に、或いは、作業者が目視して手動に
より検出器におけるイオンビームのピークの中心軸と磁
石の中心とのずれを調整するように、即ち、そのピーク
が中心軸に一致するように磁石の微動装置を操作してイ
オンビームが電子ビームの周回軌道に一致するようにア
ライメント調整を行い、かかる操作は加速器設置ゾーン
に於て行われても、該イオンビームが数keVであるこ
とから、ガンマ線や中性子等の放射線による被爆を作業
者や研究者が受けないように安全状態で作業が成され、
しかも、リング型加速器では最終的にCOD(Clod
ed Orbit Distortion)が可及的に
少くなるように調整が行われ、オンラインでリアルタイ
ム的に複極の偏向電磁石や電磁石のアライメント調整が
高精度に成され、設計通りの電子ビームの周回軌道に沿
う周回が成され、加速器の初期目的が確実に行われるよ
うにした技術的手段を講じたものである。
【0025】
【実施例】次に、この出願の発明の1実施例を図1〜図
9に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0026】尚、図10,図11と同一態様部分は同一
符号を用いて説明するものとする。
【0027】図示実施例はレーストラックタイプのスト
レージリングを有する加速器1´の態様であり、該レー
ストラックタイプの電子ビームの周回軌道2がRFキャ
ビティ3を介装して設けられるようにされ、2極電磁石
の偏向電磁石4,4…、及び、4極電磁石5,5…が所
定位置に介設され、その一側側にはウイグラー(アンジ
ュレーター)9が介設されている。
【0028】そして、11はこの出願の発明の要旨の1
つの中心を成すAu- イオン源であって、数keVのエ
ネルギーを付与されて周囲軌道2に投射するようにさ
れ、又、4極電磁石5を間にして周公知のイオンビーム
検出器12が設けられている。
【0029】該イオンビーム検出器12は図3に示され
る垂直方向調整用検出器12と図4に示される水平方向
調整用検出器12´ にされて各々多ピンコネクタ17
を大気側に有し、真空導入棒19を介しワイヤグリッド
20,20…(20´ ,20´ )を所定のチャンネル
幅chで付設している。
【0030】したがって、該イオン源11より入射され
るイオンビームは偏向電磁石4及び極電磁石5を通過
後、検出器12に電気的に接続された図2に示す測定装
置15を介しそのモニタ16に図5に示す横軸にch
(mm)、縦軸に出力Fを採る正規分布曲線の様に、中
心軸2に対して出力表示されるようにされている。
【0031】そして、当該図5に示す検出イオンビーム
の中心軸2に対するズレをなくすようにモニタ16を介
して電気的に自動調整、或いは、手動により調整する。
【0032】而して、自動の場合、測定装置15により
ズレの識別装置(コンピュータ等)13と2極電磁石5
に付設された微動移動調整装置14により該2極電磁石
5を軸方向、及び、軸方向に交叉する方向(高さ方向)
を調節して該2極電磁石5のアライメントを調整するこ
とが出来るようにされている。
【0033】而して、イオン源11からのイオンビーム
のエネルギーは数keV程度であって、相対論領域には
入らず、加速器1´ の設置ゾーンに測定装置15が設
けられていても、ガンマ線や中性子等の放射線は発生せ
ず、したがって、該放射線による作業者や研究者の被爆
等の虞れは生じないものである。
【0034】しかしながら、先述した如く、該イオンビ
ームでは実際の電子ビーム2と等価の周回が行われるた
め、実ビームにてリアルタイム的にアライメント調整が
なされる。
【0035】尚、8は電子ビーム入射軌道であり、同じ
くそれぞれ2極型,4極型の偏向電磁石4´ ,電磁石
5´ …を介装し図示しないライナックに接続されてい
る。
【0036】又、イオンビームとしては偏向電磁石4の
曲率半径が2メートル以下程度の小型の周回軌道等の場
合、磁場強度を0.1テスラ程度に設定し、5keV程
度のAu- を用いれば、設計的に充分にアライメント調
整をすることが可能である。
【0037】したがって、この出願の発明においては、
当該態様の如く、各複極偏向電磁石に対するトランシッ
トやレベラーによる水平や垂直のアライメント調整は何
ら必要ではなく(補助的に用いることは可ではある
が)、実ビームによるアライメント調整が行われること
になる。
【0038】上述構成において、磁場中心が製造過程に
おいて、可及的に設計通りに正確になされているとされ
る前提で各偏向電磁石4,電磁石5…を基本設計の周回
軌道に沿って所定位置,所定間隔でセットする(勿論、
この場合、トランシット8やレベラー7を用いて可及的
に正確にアライメント調整を行うことは何ら障害にはな
らない)。
【0039】そして、所定の4極電磁石5,5間に設置
したイオン源11より、例えば、5keV等のエネルギ
ーを付与してAu- イオンビーム21を照射し、4極電
磁石5を通過させてイオンビーム検出器12により図5
に示す様な出力測定を行い、そのデータは測定装置13
に入力され、自動的(半自動的)、或いは、手動的にモ
ニタ16に表示される(当該図6は水平方向のずれを側
方から示している。)。
【0040】尚、イオンビーム21は基本設計の電子ビ
ームの周回軌道2に対しズレてそのアライメントの調整
を必要とする。
【0041】そして、検出器12により測定装置15に
入力され、モニタ16により確認される出力は図7に示
す様に、中心軸2からのズレ(当該図7の態様では右側
にズレている)が確認され、そこで、該モニタ装置16
により該ズレを視認しながら、手動的に、或いは、全自
動的(半自動的)に電気的に行う。
【0042】そして、自動的の場合、図9に示す様に、
出力データ曲線のピークが中心軸2に合致するように軸
ズレ識別機(コンピュータ等)を介し自動調整装置14
を介して4極電磁石5の軸方向移動を行ってアライメン
トを調整する。
【0043】尚、かかる測定装置15やモニタ16、及
び、コンピュータ13の設計や組み合せ,プログラミン
グ等はこの出願の発明の時点において当業者にとり、周
公知の蓄積技術で充分に何ら困難性なく対応することが
出来るものである。
【0044】勿論、高さ方向、即ち、垂直方向に交叉す
る方向についても図4に示す検出器12´ によりこれ
に対処することが出来る。
【0045】そして、この間、測定や検出,調整等のア
ライメント調整作業を周回軌道の内側で行っても、相対
領域に達さないAu- イオンによるガンマ線や中性子等
の放射能放出を伴わないことにより被爆等の支障は何ら
生ぜず、又、熟練を要することなく、リアルタイム的に
オンライン的に実ビームの周回を行いながら、各電磁石
4,5のアライメント調整を行うことが出来、又、リン
グ型の場合、1回のイオンビーム21の周回によりビー
ム軌道のずれ、即ち、COD(ClodedOrbit
Distortion)の可及的最小限の調整も行え
る。
【0046】したがって、各偏向電磁石4,電磁石5の
磁場中心が製作時,組み付け時に芯ズレを生じていて
も、搬入してセットされた当該偏向電磁石4,5のまま
でその磁場中心の検査を行うことなく、アライメント調
整を行うことが出来、又、研究者や作業者が当該アライ
メント調整に対し何ら熟練,高度の技量を有さなくても
テンポラリーにマニアル通りに行うことが出来る。
【0047】したがって、作業時間も短くてすみ、他の
機器とのセット,リセット等との取り合いも何ら支障な
くスムースに行われることになる。
【0048】尚、この出願の発明の実施態様は上述実施
例に限るものでないことは勿論であり、例えば、重金属
イオンについてはAu- のみならず、他の重金属イオン
等も等価のものは使用することが出来ることは勿論のこ
とである。
【0049】そして、例えば、検出器は垂直方向,水平
方向を別々に用いるのではなく、1基で2次元的な検出
が行える検出器を用いることは単なる設計変更の範囲内
である。
【0050】そして、この出願の発明の装置の適用可能
な対象装置としては高エネルギー電子、及び、高エネル
ギー電子、及び、陽電子のエネルギーアップを行うパー
ツはリニアック,マイクロトロン,シンクロトロン等を
含むものであり、又、高エネルギー電子、及び、陽電子
の輸送を行うパーツとしてはビームトランスポート系、
及び、陽電子の輸送パーツ、更にはこれらを貯蔵するパ
ーツとしてアキュームレーションリング,ストレージリ
ング,電子陽電子衝突用のダンピングリング等も対象と
され得るものである。
【0051】それらの使用目的としてはπ中間子、及
び、陽電子発生装置,放射光発生装置,素粒子、及び、
クォーク実験装置がある。
【0052】又、対象とする磁石は電磁石だけでなく、
当然永久磁石を用いたウイグラー,アンジュレータにも
適用可能である。
【0053】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
にSR(放射光),FEL(自由電子レーザ)等のリン
グ型周回軌道を有する加速器や線型加速器に於ける電磁
石のアライメント調整を行うに際し、偏向電磁石に前置
してAu- 等の金属イオン源を設け、数keV等のエネ
ルギーを付与した金属イオンビームを放射し、該偏向電
磁石や電磁石を通過させて検出器により周回軌道軸と検
出器により検出されたピークのズレを測定して自動的
に、或いは、手動によりモニタを介し該ピークが軸芯と
一致するように偏向磁石を微動調節してアライメントを
調整することにより、各偏向電磁石のアライメントを正
確に調整出来るばかりでなく、該金属イオンによる実ビ
ームによって1回の周回による周回軌道、即ち、COD
(Cloded Orbit Distortion)
の可及的最小限のズレ抑制を行うアライメント調整が行
え、従来のトランシットやレベラーによる計測を介して
の煩瑣な調整を不必要とし、しかも、磁石の磁場中心ズ
レがある虞が作製時、組み付け時に存在する前提条件を
有したままの磁石のセットを許容してイオンによる実調
整でオンライン的に、リアルタイムでアライメント調整
が行え、したがって、作業が著しく簡素と簡易となり、
作業工程が少く、コストダウンが図れ、しかも、高精度
に行えるという優れた効果が奏される。
【0054】そして、金属イオンビームを用いることに
より、加速器設置ゾーンに於ける測定や検出や調整を行
っても、ガンマ線や中性子等の放射能による被爆がな
く、安全状態で作業が出来るという効果もある。
【0055】そして、COD(Cloded Orbi
t Distortion)を可及的に小さく抑制する
ことが出来るために、SR(放射光)やFEL(自由電
子レーザ)等の取り出しが正確に行う微粒子実験や半導
体製造,医療等における精度向上等副次的な利点も多い
メリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の全体概略模式平面図である。
【図2】イオンビームによるアライメント調整の模式側
面図である。
【図3】垂直方向検出器の模式側面図である。
【図4】水平方向検出器の模式側面図である。
【図5】検出されたイオンビームの出力特性曲線グラフ
図である。
【図6】イオンビームの4極電磁石通過後の芯ずれ模式
側面図である。
【図7】同、検出イオンビームの特性曲線グラフ図であ
る。
【図8】アライメント調整されたイオンビームの側面図
である。
【図9】同、特性曲線グラフ図である。
【図10】従来技術に基づく磁石アライメントの模式平
面図である。
【図11】閉周回軌道のずれ模式平面図である。
【符号の説明】
1´ 加速器 2 周回軌道 3 RFキャビティ 4,4´ 偏向電磁石 5 4極電磁石 6 レベラー 7 トランジット 8 ビーム入射軌道 9 挿入光源 11 イオン源 12 イオン検出器ヘッド 13 軸ズレ識別機(コンピュータ等) 14 複極電磁石微動装置 15 イオンビーム測定装置(アンプ等) 16 モニタ 17 多ピンコネクタ(真空導入型) 18 真空フランジ 19 真空導入棒 20 ワイヤグリッド 21 金属イオンビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 卓 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院 電子技術総合研究所内 審査官 村田 尚英 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 7/04 H05H 13/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子加速器の軌道を形成する磁石のアライ
    メントを初期セット時に調整する方法において、磁石の
    磁場中心に対しイオン源からの金属イオンを電子ビーム
    と等価のエネルギー付与状態にて上記軌道に投射し、該
    金属イオンのビームをイオン検出器によりそのビーム軸
    を電子ビームの理論軌道に合致するように上記磁石の位
    置を調整することを特徴とする加速器の磁石アライメン
    ト調整方法。
  2. 【請求項2】上記金属イオンが重金属イオンにされてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の加速器
    の磁石アライメント調整方法。
  3. 【請求項3】上記磁石位置の調整方向がビームの軸水平
    方向及び垂直方向にされていることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の加速器の磁石アライメント調整方
    法。
  4. 【請求項4】リング型加速器の電子の軌道を形成する磁
    石のアライメントを初期セット時に調整する装置におい
    て、周回軌道の一部を形成する磁石に前置された金属イ
    オン発生器と後置された金属イオン検出器とから成り、
    該金属イオン検出器に併設されたイオンビーム測定装置
    が磁石微動装置に連係されていることを特徴とする加速
    器の磁石アライメント調整装置。
JP12040293A 1993-04-26 1993-04-26 加速器の磁石アライメント調整方法及び装置 Expired - Lifetime JP3190923B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12040293A JP3190923B2 (ja) 1993-04-26 1993-04-26 加速器の磁石アライメント調整方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12040293A JP3190923B2 (ja) 1993-04-26 1993-04-26 加速器の磁石アライメント調整方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06310300A JPH06310300A (ja) 1994-11-04
JP3190923B2 true JP3190923B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=14785328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12040293A Expired - Lifetime JP3190923B2 (ja) 1993-04-26 1993-04-26 加速器の磁石アライメント調整方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3190923B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7522026B2 (en) 2005-11-25 2009-04-21 Hitachi Plant Technologies, Ltd. Alignment method and system for electromagnet in high-energy accelerator

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5374731B2 (ja) * 2008-11-26 2013-12-25 独立行政法人日本原子力研究開発機構 レーザー駆動粒子線照射装置およびレーザー駆動粒子線照射装置の動作方法
JP6180658B2 (ja) * 2014-11-28 2017-08-16 三菱電機株式会社 粒子線照射設備

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7522026B2 (en) 2005-11-25 2009-04-21 Hitachi Plant Technologies, Ltd. Alignment method and system for electromagnet in high-energy accelerator

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06310300A (ja) 1994-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7141810B2 (en) Particle beam irradiation system
US20050023948A1 (en) Method and apparatus for maintaining alignment of a cyclotron dee
TWI712054B (zh) 用於放射性同位素產生之系統、放射性同位素產生裝置、及用於放射性同位素產生之方法
JP3190923B2 (ja) 加速器の磁石アライメント調整方法及び装置
TWI530310B (zh) 射束輸送系統及粒子射線治療裝置
Zhuravlev et al. Current status of the VEPP-4 Accelerator Facility
Chen et al. A new alignment method for HIMM magnetic field measurement system
Decker et al. Method for reducing x-ray background signals from insertion device x-ray beam position monitors
Racano Review of halo measurements at the Large Hadron Collider with collimator scans
Fischer et al. Some experiences from the commissioning program of the SLC arcs
Brown et al. Fermilab Main Injector collimation systems: design, commissioning and operation
Schryber et al. Upgrading the psi accelerator facility for high intensity operation
Hinode et al. Status of Upgrade Project of the 1.2 GeV Booster Synchrotron at Tohoku University
Hansborough PIGMI: a design report for Pion Generator for Medical Irradiations
Wei et al. Status of the SLS alignment system
Benesch et al. CEBAF Energy Recovery Experiment− Proposal
JP6419345B2 (ja) 電磁石架台、電磁石装置及び粒子線治療装置
Jacobson et al. DESIGN AND COMMISSIONING OF CHASMAN-GREEN DOUBLE BEND ACHROMAT LATTICE LINEAR TRANSPORT LINE AT THE UNIVERSITY OF HAWAI’I MKV ACCELERATOR FACILITY
Dunn Medium-energy physics program. Progress report, August 1--October 31, 1975
Kozanecki Where do we stand on the SLC [SLAC Linear Collider]?
Sheppard et al. Acceleration of high charge density electron beams in the SLAC linac
Dunn et al. Medium-Energy Physics Program. Progress report, May 1--July 31, 1976
Blind et al. Performance of an expanding telescope used to obtain a low divergence H− beam
Pitthan et al. SLC positron source: Simulation and performance
Hamm et al. RFQ’s for Pet Radionuclide Production

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
EXPY Cancellation because of completion of term