JP2000243356A - ホローカソードランプ - Google Patents

ホローカソードランプ

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JP2000243356A
JP2000243356A JP11044583A JP4458399A JP2000243356A JP 2000243356 A JP2000243356 A JP 2000243356A JP 11044583 A JP11044583 A JP 11044583A JP 4458399 A JP4458399 A JP 4458399A JP 2000243356 A JP2000243356 A JP 2000243356A
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JP
Japan
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hollow cathode
lamp
cathode
anode
hood
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JP11044583A
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English (en)
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Takeshige Shimazu
雄滋 嶋津
Toshio Ito
敏夫 伊藤
Junichi Imagama
潤一 今釜
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/02Details
    • H01J61/04Electrodes; Screens; Shields
    • H01J61/06Main electrodes
    • H01J61/09Hollow cathodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/64Cathode glow lamps
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/68Lamps in which the main discharge is between parts of a current-carrying guide, e.g. halo lamp

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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Discharge Lamp (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光出力が高く、バルブの内面が汚れにくいホ
ローカソードランプを提供すること。 【解決手段】 光出射窓3を有するバルブ4内に、当該
光出射窓3と対向する中空陰極14および陽極8を備え
るホローカソードランプにおいて、筒状形状をなし、一
の開放端20aが中空陰極14に接続され、他の開放端
20bが光出射窓3と対向すると共に、その周側面に穴
22が形成された筒状フード20と、穴22に臨む位置
に配置された電子供給源24と、を備え、電子供給源2
4と陽極8との間で熱電子を利用した放電が行われるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子吸光分析、原
子蛍光分析などの光源として使用されるホローカソード
ランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子吸光分析には、分析元素そのものの
原子スペクトル線を出力する光源を用いる必要があり、
このような光源として、ホローカソードランプ(中空陰
極ランプ)が知られている。このホローカソードランプ
は、中空陰極を形成する分析元素を、イオン衝撃に伴う
スパッタリングによって放電空間に原子状態で飛散さ
せ、電子エネルギの授受によってスペクトル線を発生さ
せるものである。
【0003】ところで、従来から、このようなホローカ
ソードランプの使用時に生じる問題として、スペクトル
線の一部が放電空間に存在する励起されていない元素原
子(未励起元素原子)にエネルギを与え、これによりス
ペクトル線の強度が減少してしまう自己吸収という現象
が知られている。この自己吸収率が高いと、ホローカソ
ードランプへ供給する電流値を上げても光出力の向上が
図れない。
【0004】かかる自己吸収に対応する技術として、例
えば特公平7−56781号公報やUSP4,885,
504号公報に掲載されたホローカソードランプがあ
る。これらの各公報に掲載されたホローカソードランプ
は、ともに熱電子を放出する熱電子供給源(熱電子放射
用の補助電極,electron emitter)を備えており、この
熱電子供給源を陰極とした放電により、未励起原子を励
起状態にするものである。このように、熱電子供給源を
陰極とした放電により未励起原子を励起させることで、
未励起原子によるスペクトル線の吸収を防止することが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特公平7
−56781号公報およびUSP4,885,504号
公報に掲載されたホローカソードランプには、次のよう
な問題があった。すなわち、上述のスパッタリングによ
り陰極の元素は飛散するが、ランプへの供給電流をある
程度高くすると、この飛散元素が飛び散ってしまい飛散
元素によりスペクトル線が散乱したり、また、元素が激
しく飛び散ってしまっているので熱電子供給源を陰極と
した放電を行っても未励起元素を励起状態にする効果が
低下してしまう。そのため、ランプの動作電流を上げて
も所望の光出力が得られないという問題があった。ま
た、飛散元素が激しく飛び散ってランプのバルブ内周面
に付着しバルブの汚染原因となり、以後好適な使用が困
難となるだけでなくランプの寿命が著しく短くなるとい
う問題もあった。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、光出力が高く、バルブの内面が汚れにくいホ
ローカソードランプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、光出射窓を有するバルブ内に、当該光出
射窓と対向する中空陰極および陽極を備えるホローカソ
ードランプにおいて、筒状形状をなし、一の開放端が中
空陰極に接続され、他の開放端が光出射窓と対向すると
共に、その周側面に穴が形成された筒状フードと、穴に
臨む位置に配置された電子供給源と、を備え、電子供給
源と陽極との間で熱電子を利用した放電が行われること
を特徴とする。
【0008】本発明に係るホローカソードランプによれ
ば、中空陰極がスパッタリングされる際に飛散する陰極
元素は、筒状フードの内周面に付着するため、バルブの
内周面は殆ど汚れない。また、筒状フードによって、飛
散元素が激しく広範囲に飛び散るという事態を防止でき
る。このため、ランプから出力されるスペクトル線の散
乱が防止され、光出力が向上する。また、筒状フードの
周側面には穴が形成されており、さらに、当該穴に臨む
位置に、陽極との間で熱電子放出を利用した放電を中空
陰極内および筒状フード内で生じさせるための電子供給
源が配置されている。そして、この穴を介して電子供給
源と陽極との間で生じる放電によって、中空陰極内およ
び筒状フード内に存在する未励起原子を予め励起状態に
することができ、当該未励起原子による自己吸収が防止
される。このとき、上述のように、筒状フードによって
飛散元素が激しく広範囲に飛び散るという事態が防止さ
れているため、当該放電により未励起元素が効率良く励
起状態にされる。
【0009】また、本発明に係るホローカソードランプ
において、電子供給源および穴を覆うカバーを更に備え
ることも望ましい。このような構成を採用した場合、中
空陰極がスパッタリングされる際に飛散する上記陰極元
素が、電子供給用の穴から飛び出してバルブの内周面に
付着するという事態が防止される。
【0010】本発明の他の発明に係るホローカソードラ
ンプは、光出射窓を有するバルブ内に、光出射窓と対向
する中空陰極および陽極を備えるホローカソードランプ
において、筒状形状をなし、一の開放端が中空陰極に接
続され、他の開放端が光出射窓と対向すると共に、その
周側面にスリットが形成された筒状フードと、スリット
に臨む位置に配置された電子供給源と、を備え、電子供
給源と陽極との間で熱電子を利用した放電が行われるこ
とを特徴とする。
【0011】このホローカソードランプによれば、中空
陰極がスパッタリングされる際に飛散する陰極元素は、
筒状フードの内周面に付着するため、バルブの内周面は
殆ど汚れない。また、筒状フードによって、飛散元素が
激しく広範囲に飛び散るという事態を防止でき、これに
より、ランプから出力されるスペクトル線の散乱が防止
され、光出力が向上する。また、筒状フードの周側面に
はスリットが形成されており、さらに、当該スリットに
臨む位置に、陽極との間で熱電子放出を利用した放電を
筒状フード内で生じさせるための電子供給源が配置され
ている。そして、スリットを介して電子供給源と陽極と
の間で生じる放電によって、中空陰極内に存在する未励
起原子を予め励起状態にすることができ、当該未励起原
子による自己吸収が防止される。
【0012】また、当該ホローカソードランプにおい
て、電子供給源およびスリットを覆うカバーを更に備え
ることも望ましい。このような構成を採用した場合、中
空陰極がスパッタリングされる際に飛散する上記陰極元
素が、電子供給用のスリットから飛び出してバルブの内
周面に付着するという事態が防止される。
【0013】さらに、本発明に係るホローカソードラン
プにおいて、中空陰極は、内部が貫通した貫通陰極であ
ると共に、光出射窓と陽極との間に位置することが望ま
しい。このような構成を採用した場合、陽極は中空陰極
と光出射窓との間の空間に位置しないため、中空陰極内
の原子が基底状態になる際に当該原子から放出される光
の進行が、陽極の存在によって妨げられることはない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るホローカソードランプの好適な実施形態につい
て詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いる
ものとし、重複する記載は省略する。
【0015】[第1実施形態]まず、図1および図2を
用いて、本実施形態のホローカソードランプ2の構成を
説明する。図1は、本実施形態のホローカソードランプ
を示す断面図であり、図2は、図1に示すホローカソー
ドランプをX方向から見た中空陰極近傍の拡大図であ
る。ホローカソードランプ2は、光出射面(光出射窓)
3を上部に有する石英ガラス製のバルブ4内に、その内
部が図1における上下方向に貫通した中空陰極14と、
この中空陰極14の下方に配置された陽極8と、を備え
ている。なお、バルブ4は気密にされており、その内部
にはネオンガスが封入されている。
【0016】陽極8は、セラミックス製の絶縁碍子管6
によって支持固定され、さらに絶縁碍子管6内を貫通す
るリード線と電気的に接続されている。一方、中空陰極
14は、マイカ(雲母)製の基板10aにそのフランジ
部12fが載置された電気絶縁性の陰極支持部材12に
よって、バルブ4に対して支持固定されている。また、
基板10aの下方には、二本の絶縁碍子管16aが陽極
8を挟むように配置され、さらに、陰極支持部材12の
フランジ部12fと基板10aの上方に配置された基板
10bとの間には、絶縁性碍子管16bが設けられてい
る。そして、絶縁碍子管16aおよび絶縁性碍子管16
b内を貫通するリード線17が基板10b上に突出して
いる。なお、基板10aおよび基板10bは、リング形
状をなしており、その内周部は陰極支持部材12と接触
し、外周部はバルブ4の内周壁に接触しており、絶縁碍
子管16aおよび絶縁性碍子管16bの揺動を防止して
いる。
【0017】中空陰極14は、ステンレス製の円筒状の
外部筒14aと当該外部筒14aの内周面に形成された
バナジウム製の内部筒14bとから構成されている。な
お、中空陰極14の内部筒14bを形成する材料は、バ
ナジウムに限られず分析元素に応じて種々変更すること
ができ、たとえばセレン、ヒ素などがある。また、外部
筒14aを形成する材料もステンレスに限られず、さら
に、内部筒14bを形成する材料によっては外部筒14
aを設けなくてもよい。
【0018】また、中空陰極14の上部には、当該中空
陰極14と同軸に本実施形態の特徴である筒状のフード
20が装着されている。詳しくは、中空陰極14の上部
外周に対してフード20の下部内周が嵌合するようにフ
ード20は中空陰極14に装着されている。また、フー
ド20の下部は、二枚の金属製のフード固定板18によ
って中空陰極14に締め付けられている。なお、図1に
おいては、二枚のフード固定板18のうち中空陰極14
の図中奥側に位置する一方のみが図示されているが、実
際は中空陰極14の図中手前側にもフード固定板18は
配置され、二つのフード固定板18は溶接によって接着
固定されている。また、二つのフード固定板18によっ
て上記リード線17が挟み込まれ、これにより中空陰極
14への導通が図られている。なお、このフード20の
下方の開放端20aは中空陰極14と接触し、上方の開
放端20bはバルブ4の光出射面3と対向している。ま
た、フード20は、熱伝導性が良くスパッタリングされ
にくいニッケルによって形成されている。なお、フード
20を構成する材料はニッケルに限られず、ステンレ
ス、アルミニウム等でもよい。
【0019】さらに、フード20の周側面には、円形の
穴22が形成されている。そして、この穴22に臨む位
置には、フード20内で陽極8との間で熱電子放出を利
用した放電を行うための熱電子放出陰極24が配置され
ている。すなわち、穴22は、熱電子放出陰極24と陽
極8との間で放電を生じさせるために形成されている。
なお、熱電子放出陰極24は、内部にリード線が通って
いる支持管26によって支持されている。以上が、ホロ
ーカソードランプ2の構成である。
【0020】次に、ホローカソードランプ2の作用を説
明する。まず、陽極8と中空陰極14との間に電圧をか
けて、この両者の間で放電を生じさせる。すると、この
放電により、バルブ4に封入されたネオンガス原子が電
離する。このガスの電離作用によって生じた陽イオンは
電界に引っ張られて中空陰極14の内部筒14bの内周
面に衝突し、このときの運動エネルギによって中空陰極
14の内周表面から陰極物質(バナジウム)が原子状に
飛散する。この飛散陰極元素は、基底状態にある単原子
等からなり、中空陰極14の内部空間に熱拡散される。
そして、拡散中の基底状態の飛散陰極元素は、陽極8と
中空陰極14との間の放電により励起され、短時間(約
10-8程度)後に再び基底状態に遷移する。この際、そ
の遷移エネルギに等しいバナジウム固有の単色光(スペ
クトル線)が発せられ、この光が光出射面3より出力さ
れる。なお、上記マイカ製の基板10aおよび基板10
bの内周部が陰極支持部材12と接触し、外周部がバル
ブ4の内周壁に接触しているため、陽極8と中空陰極1
4との間の放電経路が中空陰極14の外側になる事態を
防止することができる。
【0021】ここで、本実施形態では、中空陰極14の
上方に上記フード20が装着されており、中空陰極14
から飛散する飛散陰極元素は当該フード20の内周面に
付着するため、バルブ4の内周面に飛散陰極元素が付着
して汚れるという事態を防止することができる。また、
フード20によって、飛散陰極元素が激しく広範囲に飛
び散るという事態を防止でき、これにより、光出射面3
から出力されるスペクトル線の散乱を防止でき、光出力
が向上する。また、フード20内において飛散陰極元素
の密度が高くなる。さらに、中空陰極14に接続された
フード20は、熱伝導性の良いニッケルから形成されて
おり、中空陰極14の放熱部材としての役割も果たして
いる。このため、ランプ2の動作電流の増加に伴う中空
陰極14の温度上昇率は低くなり、ランプ2の動作電流
を従来よりも高くすることができ、光出力が向上する。
また、中空陰極14がスパッタリングされる前に熱で溶
けるという事態を防止することもできる。またさらに、
陽極8は中空陰極14と光出射面3との間の空間に位置
しないため、中空陰極14内の飛散陰極元素から光出射
面3に向かうスペクトル線が陽極8の存在によって妨げ
られることはない。
【0022】なお、一般的に、光(スペクトル線)出力
過程において、当該スペクトル線のエネルギが、未励起
状態(基底状態)にある飛散陰極元素によって吸収され
る、いわゆる自己吸収という現象が生じる可能性があ
る。自己吸収が生じると、スペクトル線の強度が弱ま
り、さらに、スペクトル線の輪郭がぼやけて分析吸収感
度が低下することになる。しかし、本実施形態では、フ
ード20の周側面に穴22が形成されており、さらに、
この穴22に臨む位置に熱電子放出陰極24が配置され
ている。熱電子放出陰極24に支持管26内の導線を介
して電圧を印加すると、当該熱電子放出陰極24と陽極
8との間で、熱電子放出を利用した放電が行われる。そ
して、この放電によって、未励起原子をスペクトル線と
の衝突前に予め励起状態にすることができ、当該未励起
原子による自己吸収を防止できる。このとき、上述のよ
うに、フード20によって飛散陰極元素が激しく広範囲
に飛び散るという事態が防止されているため、熱電子放
出を利用した放電により未励起元素を効率良く励起状態
にすることができる。
【0023】図3は、本実施形態のホローカソードラン
プ2の動作電流と光出力の関係を示すグラフであり、横
軸を動作電流とし、縦軸を相対出力としている。また、
このグラフ上には、熱電子放出陰極は有するがフード2
0を装備しない従来タイプのホローカソードランプに関
するデータもプロットしてある。本実施形態のホローカ
ソードランプ2のデータは、黒く塗りつぶした丸印、三
角印、四角印のプロットを実線で繋いで示し、従来タイ
プのデータは、白抜きの丸印、三角印、四角印のプロッ
トを破線で繋いで示した。なお、丸印、三角印、四角印
は、それぞれ熱電子放出陰極24に流す電流値を5m
A,15mA,25mAとしたものである。このグラフ
より、熱電子放出陰極24に流す電流値をどの値にして
も、従来タイプのランプよりも本実施形態のランプ2の
方が、光出力が遙かに高いことがわかる。特に、ランプ
の動作電流を約70mA程度まで上げた場合は、本実施
形態のランプ2の出力は、従来タイプのランプの出力の
1.5倍以上になる。
【0024】図4は、本実施形態のホローカソードラン
プ2において、中空陰極の材料としてバナジウムの代わ
りにバナジウムよりもスパッタリングされ易いセレンを
用いた場合のデータを示すグラフである。図3と同様
に、本実施形態のホローカソードランプ2のデータは、
各プロットを実線で繋いで示し、従来タイプのホローカ
ソードランプのデータは、各プロットを破線で繋いで示
した。また、本実施形態の熱電子放出陰極24に流す電
流値は、30mA,60mA,80mA,90mA,1
10mAとし、従来タイプの熱電子放出陰極24に流す
電流値は、20mA,30mA,40mA,50mA,
80mAとした。
【0025】図4に示されているように、従来タイプの
ランプの動作電流を約40mAまで上げると、光出力が
著しく低下した。これは、動作電流が大きくなるとスパ
ッタリングされる陰極元素の量が多くなり、飛散陰極元
素が中空陰極から飛び出し広範囲に飛び散ってしまうこ
とに起因している。さらに、この状態でランプを動作し
続けると、飛散陰極元素がバルブに付着しバルブの内周
面を汚してしまい、以後好適な使用が困難となるだけで
なくランプの寿命が著しく短くなってしまう。一方、本
実施形態のランプでは、動作電流を約80mAまで上げ
ても光出力は低下せずに高出力が得られた。すなわち、
本実施形態のランプによれば、従来のランプでは動作電
流を上げても得られなかった高出力を得ることができ、
その結果広い範囲での光出力を得ることが可能となっ
た。なお、本実施形態のランプでは、動作電流を80m
Aまで上げてもバルブの内周面は殆ど汚れなかった。
【0026】[第2実施形態]次に、本発明に係るホロ
ーカソードランプの第2実施形態について説明する。図
5は、本実施形態のホローカソードランプの特徴部分を
示す図である。本実施形態のホローカソードランプが第
1実施形態のランプ2と異なるのは、フード20の構成
にある。図5に示されているように、本実施形態のフー
ド20には、熱電子放出陰極24と陽極8との間で放電
を生じさせるため、第1実施形態のような円形の穴22
(図2参照)でなく、その周側面にスリット34が形成
されている。スリット34は、フード20の上方の開放
端20bから下方の開放端20aまで延びている。な
お、このスリット34に臨む位置には、スリット34と
直交するように、熱電子放出陰極24が配置されてい
る。
【0027】このような構成を採用した場合も、第1実
施形態と同様に、中空陰極14から飛散する飛散陰極元
素はフード20の内周面に付着するため、バルブ4の内
周面に飛散陰極元素が付着して汚れるという事態を防止
することができる。また、フード20によって、飛散陰
極元素が激しく広範囲に飛び散るという事態を防止で
き、これにより、光出射面3から出力されるスペクトル
線の散乱を防止でき、光出力が向上する。さらに、フー
ド20は、中空陰極14の放熱部材としての役割も果た
し、ランプ2の動作電流の増加に伴う中空陰極14の温
度上昇率は低くなり、ランプ2の動作電流を従来よりも
高くすることができ、光出力が向上する。また、中空陰
極14がスパッタリングされる前に熱で溶けるという事
態を防止することもできる。
【0028】またさらに、スリット34を介して熱電子
放出陰極24と陽極8との間で生じる熱電子放出を利用
した放電によって、中空陰極14内に存在する未励起原
子をスペクトル線との衝突前に予め励起状態にすること
ができ、当該未励起原子による自己吸収を防止できる。
このとき、上述のように、フード20によって飛散陰極
元素が広範囲に飛び散るという事態が防止されているた
め、熱電子放出を利用した放電により未励起元素を効率
良く励起状態にすることができる。
【0029】図6は、第2実施形態の変形例を示す図で
ある。この変形例では、熱電子放出陰極24は、スリッ
ト34と直交せず、スリット34と平行に配置されてい
る。このような構成を採用した場合、熱電子放出陰極2
4からの熱電子を利用する放電を、効率よく発生させる
ことができる。
【0030】[第3実施形態]図7および図8を用い
て、第3実施形態のホローカソードランプを説明する。
図7は、本実施形態のホローカソードランプの特徴部分
を示す図であり、図8は、図7に示すランプのVIII−VI
II方向の断面図である。本実施形態のホローカソードラ
ンプが第1実施形態のランプ2と異なるのは、フード2
0の構成にある。図7および図8に示されているよう
に、フード20には、フード20に形成された穴22と
熱電子放熱陰極24とを覆うカバー40が備えられてい
る。
【0031】このような構成を採用した本実施形態のホ
ローカソードランプによれば、中空陰極14から飛散す
る上述の飛散陰極元素が、電子供給用の穴22から外部
に飛び出してバルブの内周面に付着するという事態を防
止することができ、ランプの寿命が長くなることにな
る。
【0032】なお、本実施形態のホローカソードランプ
は、第1実施形態のランプにカバー40を装着したもの
であるが、このほか第2実施形態のホローカソードラン
プにカバー40を装着することもできる。すなわち、熱
電子放出陰極24とスリット34をカバー40によって
覆うことも望ましい。
【0033】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではない。例えば、フードは、断
面円形の筒に限られず、中空陰極の形状に合わせて、角
筒等にしてもよい。また、フードに形成する穴は円形に
限られず、方形、楕円形などに適宜変更することができ
る。さらに、中空陰極が内部筒と外部筒とから形成され
ている場合に、別途フードを設けずに外部筒を光出射面
方向に延ばし、この外部筒の延在部分をフードとみなし
て当該延在部分に電子供給源と陽極との間で放電を起こ
させるための穴を形成してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るホロ
ーカソードランプによれば、中空陰極がスパッタリング
される際に飛散する陰極元素は、筒状フードの内周面に
付着するため、バルブの内周面は殆ど汚れない。また、
筒状フードによって、飛散元素が激しく広範囲に飛び散
るという事態を防止することができる。このため、ラン
プから出力されるスペクトル線の散乱を防止でき、ラン
プの光出力を向上することができる。
【0035】また、筒状フードの周側面には穴またはス
リットが形成されており、さらに、当該穴またはスリッ
トに臨む位置に、陽極との間で熱電子放出を利用した放
電を中空陰極内および筒状フード内で生じさせるための
電子供給源が配置されている。そして、当該穴またはス
リットを介して電子供給源と陽極との間で生じる放電に
よって、中空陰極内および筒状フード内に存在する未励
起原子を予め励起状態にすることができ、当該未励起原
子による自己吸収を防止することができる。このとき、
上述のように、筒状フードによって飛散元素の広範囲へ
の飛び散りが防止されているため、電子供給源を陰極と
した放電により効率良く未励起元素を励起状態にするこ
とが可能となり、光出力が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のホローカソードランプを示す断
面図である。
【図2】図1に示すホローカソードランプをX方向から
見た中空陰極近傍の拡大図である。
【図3】第1実施形態のホローカソードランプの動作電
流と光出力の関係を示すグラフである。
【図4】第1実施形態のホローカソードランプにおいて
中空陰極をセレンで形成した場合の動作電流と光出力の
関係を示すグラフである。
【図5】第2実施形態のホローカソードランプの特徴部
分を示す図である。
【図6】第2実施形態のホローカソードランプの変形例
を示す図である。
【図7】第3実施形態のホローカソードランプの特徴部
分を示す図である。
【図8】図7に示すホローカソードランプのVIII−VIII
方向の断面図である。
【符号の説明】
2…ホローカソードランプ、3…光出射面(光出射
窓)、4…バルブ、8…陽極、14…中空陰極、16
a,16b…絶縁碍子管、18…フード固定板、20…
フード、22…穴、24…熱電子放出陰極(電子供給
源)、34…スリット、40…カバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今釜 潤一 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA01 EE01 EE12 GG10 JJ21 JJ30 KK01 LL02 NN07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光出射窓を有するバルブ内に、当該光出
    射窓と対向する中空陰極および陽極を備えるホローカソ
    ードランプにおいて、 筒状形状をなし、一の開放端が前記中空陰極に接続さ
    れ、他の開放端が前記光出射窓と対向すると共に、その
    周側面に穴が形成された筒状フードと、 前記穴に臨む位置に配置された電子供給源と、を備え、 前記電子供給源と前記陽極との間で熱電子を利用した放
    電が行われることを特徴とするホローカソードランプ。
  2. 【請求項2】 前記電子供給源および前記穴を覆うカバ
    ーを更に備えることを特徴とする請求項1記載のホロー
    カソードランプ。
  3. 【請求項3】 光出射窓を有するバルブ内に、当該光出
    射窓と対向する中空陰極および陽極を備えるホローカソ
    ードランプにおいて、 筒状形状をなし、一の開放端が前記中空陰極に接続さ
    れ、他の開放端が前記光出射窓と対向すると共に、その
    周側面にスリットが形成された筒状フードと、 前記スリットに臨む位置に配置された電子供給源と、を
    備え、 前記電子供給源と前記陽極との間で熱電子を利用した放
    電が行われることを特徴とするホローカソードランプ。
  4. 【請求項4】 前記電子供給源および前記スリットを覆
    うカバーを更に備えることを特徴とする請求項3記載の
    ホローカソードランプ。
  5. 【請求項5】 前記中空陰極は、内部が貫通した貫通陰
    極であると共に、前記光出射窓と前記陽極との間に位置
    することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか
    一項記載のホローカソードランプ。
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