JP2000241074A - 生ゴミの乾燥方法 - Google Patents

生ゴミの乾燥方法

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JP2000241074A
JP2000241074A JP11043968A JP4396899A JP2000241074A JP 2000241074 A JP2000241074 A JP 2000241074A JP 11043968 A JP11043968 A JP 11043968A JP 4396899 A JP4396899 A JP 4396899A JP 2000241074 A JP2000241074 A JP 2000241074A
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bag
garbage
paper
drying
odor
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JP11043968A
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Kozo Aoyama
耕三 青山
Hiroshi Iijima
飯島  弘
Shoji Kikuchi
章二 菊地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集合住宅の狭いベランダや室内等に放置して
も臭気を発散させずに、更に外部からエネルギーや高価
な添加物を加えることなく、各家庭単位で生ゴミを臭気
を感じさせないカサカサな乾燥物にする技術を提供す
る。 【解決手段】 生ゴミに生石灰、セメント或いはセメン
トと生石灰の混合物からなる乾燥助剤を混合し、更に紙
の裁断片、好ましくはシュレッダー処理紙を混合した
後、ポリビニルアルコールフィルムやセロハン等の透湿
性、臭気遮断性フィルムからなる袋に装入し、袋口を開
閉自在に密封し、外気に曝して乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、一般家庭や飲食店
から排出される生ゴミを、各家庭或いは事業所ごとに臭
気を発散させることなく、有償のエネルギーを消費する
ことなく、簡易に乾燥保存できる生ゴミの乾燥方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、生ゴミは各家庭において土に還元
させていた。しかしながら、近時、各家庭の庭も狭く土
のない集合住宅の比率が増加し、各家庭から排出される
生ゴミは自治体が収集し焼却処理や埋めたて処理を行っ
ている。生ゴミは腐敗し易いため頻繁に収集せねばなら
ず、収集、処理に要する費用も大きく、各自治体はゴミ
の総量の減少に腐心している現状である。
【0003】さらに水分を大量に含む生ゴミは焼却の
際、焼却温度を低下させダイオキシンなどの有害物質の
発生を誘発する。
【0004】本発明者らは特開平10−59502号公
報において、生ゴミを乾燥させるにあたり、ポリビニル
アルコール(以下PVAとする)やセロハン等の透湿
性、且つ臭気遮断性のフィルムを外壁とする容器内に生
ゴミを収納し、室内で乾燥させる方法を試みた。透湿
性、臭気遮断性フィルムに生ゴミが直接接触するとフィ
ルムに生ゴミが付着し、袋が汚れて不潔感を増大するば
かりでなく、フィルムを通過して逸散する臭気の量も増
加するため、袋と生ゴミを接触させずに乾燥させる手段
を検討した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は集合住宅の狭
いベランダや室内等に放置しても臭気を発散せず、外部
からエネルギーや高価な添加物を加えることなく、各家
庭単位で生ゴミをカサカサな乾燥物にする技術を提供す
るものである。更に、容器を用いず、生ゴミを袋に直接
収納するものであるが、臭気を発散させることなく、袋
を汚染することなく生ゴミを乾燥させるものである。乾
燥された生ゴミは焼却を目的とし、臭気、取扱い等に不
都合が生じることなく各家庭に長期間保存することがで
きる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明上記課題を解決す
ることを目的とし、生ゴミにセメント或いはセメントと
生石灰の混合物からなる乾燥助剤を混合し、更に紙の裁
断片を混合した後、透湿性、臭気遮断性フィルムからな
る袋に装入し、袋口を開閉自在に密封し、外気に曝して
乾燥させることを特徴とする。
【0007】本発明者は紙、特に2mm×20〜30m
m程度に裁断され、嵩高であるシュレッダー処理紙を生
ゴミと混合することにより、生ゴミをジメジメさせてい
る遊離の水分を吸収し、乾燥用の袋素材に付着せず、直
接袋に収納しても臭気の発散が抑制され、乾燥時間が短
縮される事実を見出した。更に生ゴミに生石灰やセメン
トを混合すると臭気の発散が更に抑制され、乾燥時間が
更に短縮される事実を見出して完成したものである。
【0008】PVAやセロハン等からなるフィルムは他
の素材からなるフィルムと比して透湿度が格段に高く、
しかも酸素や炭酸ガス及び他の悪臭気体の透過性が極度
に小さいため、乾燥用の袋素材として使用した。紙の裁
断片を混合することにより生ゴミの濡れてジメジメした
感触が消失し、取扱い性を向上させる。この状態で乾燥
袋に詰め、袋口を密封して室内或いは室外に放置するこ
とにより数日或いは1週間前後で乾燥し、そのまま貯蔵
しても臭気を発生したり、周辺を汚染したりしない。更
に、乾燥した袋は生ゴミの量が減少しているため、この
乾燥物と生ゴミを更に混合して同一の袋に詰めて乾燥を
繰返すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、透湿性、臭気遮断性袋
内において生ゴミを自然乾燥させるものである。フィル
ムの透湿度及び透気度はPVAフィルムとセロハンフィ
ルムが優れているが、この他の優れた透湿性、臭気遮断
性を有するフィルムは全て使用することができる。
【0010】本発明においては、袋に生ゴミと紙片を挿
入した後、袋口を密封することが重要である。袋口を密
封することにより乾燥途中の生ゴミから発生する臭気を
遮断することができる。袋口を密封した袋は懸架するこ
とが水分蒸発面積を増大させるため好ましいが、網状や
柵状の架台上に載せても、場合によっては通常の台に載
せても本発明の目的は達成される。本発明においては袋
からの臭気の発散を防止しているため室内でも室外でも
よいが、手間、外観、気温等を配慮して適宜決定する。
【0011】本発明の特徴は生ゴミを紙片と混合するこ
とである。裁断した紙片は生ゴミの水分を吸収して生ゴ
ミをやや乾燥させた状態にし、その後、紙片及び生ゴミ
の表面から水分が蒸発していく。生ゴミは日々の食事内
容によって異なり、その成分を特定することができな
い。時には魚の骨、カニの爪等袋を破き易い素材もあ
り、また楊枝、竹串等も混入する。嵩にして生ゴミとほ
ぼ等量(重量にして5〜20%)の紙片と生ゴミを混合
すると魚の骨、カニの爪等の鋭利な先端も紙片に包まれ
て袋が破れ難くなる。
【0012】また、紙片と混合することにより生ゴミ自
体がよく分散し、その蒸発面積が増大すると同時に紙片
自体からも水分が蒸発する。更に、紙片を混合すること
により、臭気の逸散を防止し袋素材が生ゴミにより汚染
されず、その後の取扱いが容易であると共に、袋を繰返
し使用することもできる。
【0013】紙の裁断片としては、一般に吸水性がよい
と言われている新聞紙よりも事務用紙が好ましい。事務
用紙とはサイジングされた筆記用の紙、近時大量に使用
されるようになったプリンター用紙、コピー用紙等のO
A機器対応用紙である。これらの用紙はサイジングさ
れ、筆記及びプリンターへの適応性を向上させてあるた
め表面の吸湿性は低下している。この表面の吸湿性の低
下が本発明にとって好ましい特性である。すなわち、紙
片が直接フィルムと密着し難く、紙片と紙片同士が密着
し難く、結果的に蒸発面積を増大させる。裁断片を使用
するため、裁断面からの水分の吸収が速やかに行われる
ため、全体としての吸水性、蒸発性に支障はない。
【0014】使用済みの紙を秘密保持のために断裁した
シュレッダー処理紙は幅約2mm、長さ約20〜30m
m程度に裁断されていて、本発明に適した紙の裁断片で
ある。多くは事務用紙の裁断片であるが、その中に多少
の新聞紙片や化粧紙片が混入していても差支えない。紙
の裁断片は生ゴミの3〜30重量%、好ましくは5〜2
0重量%を混合する。混合物は生ゴミの水分が紙の裁断
片に吸い取られてパサパサになり取扱いが容易になる。
【0015】本発明においては、更に生ゴミに乾燥助剤
として生石灰を混合することが好ましい。生石灰を混合
することにより臭気の発生が一段と減少して室内におけ
る乾燥を可能にした。また、生石灰に代えて、或いは生
石灰と共にセメントを混合することが好ましい。セメン
トを混合すると、臭気の発生を抑制しながら生ゴミの乾
燥速度を加速させる効果を有する。乾燥助剤である生石
灰、セメント或いは生石灰とセメントの混合物の使用量
は生ゴミの3〜30重量%好ましくは5〜20重量%で
ある。
【0016】生ゴミに紙の裁断片と乾燥助剤を混合して
乾燥させると生ゴミの嵩が減少している。この乾燥生ゴ
ミの中に新しく発生した生ゴミを混合して再び同一の袋
内で同様にして乾燥させることができる。この場合には
新たな袋も紙の裁断片も乾燥助剤も必要がなく、袋が一
杯になるまで何回でも繰返すことができる長所を有す
る。袋素材に接触する生ゴミがすでに余分な水分を紙片
や乾燥助剤に吸収された後の生ゴミであるため、袋に生
ゴミの浸出液が付着して汚れることがなく、繰返し使用
に耐えることができる。
【0017】上記の方法で処理した生ゴミはそのまま貯
えることができるので、自治体としても収集回数を削減
することができ、乾燥させてあるため焼却するにあたっ
てはダイオキシンの発生を憂慮する必要がなく良質の燃
料として利用できる。
【0018】更に本発明の方法で処理した生ゴミの焼却
灰は、セメント及び生石灰を含有するため乾燥助剤とし
て再使用することができる。
【0019】
【実施例】実施例1 一般家庭から毎日排出される生ゴミを試料とした。大き
な生ゴミは2〜3cm以下に切断した。市販のプラスチ
ック製の小型バケツ(内径20cm、内部深さ18c
m)内で、1日量の生ゴミに対し表1に示す量の乾燥助
剤を加えて混合した。次いでこの混合物にシュレッダー
処理紙を加えて更に混合すると生ゴミ周辺の水分は紙片
と乾燥助剤に吸収されてパサパサになり取扱いが容易に
なった。この混合物をPVA製の袋(厚さ25μm、大
きさ300×400mm)に挿入し、口を図1に示す雌
雄のクリップで気密に密封し、室内に懸架して室内で感
じる臭気及び乾燥速度を測定して表1に示した。
【0020】
【表1】 図1はクリップの斜視図、図2は乾燥状態の生ゴミ袋の
斜視図である。1はオスクリップであり、環状の外部密
着面2を有する。3はメスクリップであり、オスクリッ
プ1の外部密着面と密着し得る内部密着面4を有する。
外部密着面2上に生ゴミを装入した袋の袋口を被せ、そ
の上からメスクリップ3を内部密着面4を袋口上に被せ
て嵌合させる。図2は乾燥のために袋口を密封した状態
の生ゴミ入りの袋であり、5は袋、6は生ゴミ、7は懸
架用の紐である。
【0021】クリップは図1に示す形状に限らず、袋口
を確実に密封し、乾燥後に開封できるなら袋口をワゴム
で止めたり、紐で縛ったりしてもよい。
【0022】本実施例は特に機械を用いずに混合した
が、簡単な用具を用いることもできる。図3は機械的混
合手段の1例を示す断面図である。8はスタンドであ
り、スタンド8の上部から延出する架台9にモーター1
0を固定する。11は混合容器であり、この中に生ゴ
ミ、乾燥助剤、紙の裁断片を装入する。12はモーター
10により駆動される混合裁断翼であり、13は混合裁
断翼12のシャフトである。各種混合物の充分な撹拌を
行うと同時に生ゴミを断裁するため、生ゴミが小型に分
断され乾燥を一層速めることができる。14はストッパ
ーであり、撹拌中に容器を固定する。15は高さ調整リ
ンクであり、スタンド8の高さを調整することにより混
合裁断翼12を混合容器11に出し入れすることができ
る。混合裁断翼12の出し入れはモーター10を載置す
る架台9とスタンドとの接触部において行うことも可能
であり、更にシャフト13に長さ調整機能を持たせるこ
ともできる。
【0023】生ゴミの最初の重量(A)を測定し、以後
毎日重量を測定した。Aの重量の30〜40%に達する
までに蒸発した水分の量(W)とAの重量の30〜40
%に達するまでに要した日数(D)から生ゴミの乾燥速
度を次式により算出した。
【0024】 乾燥速度(%/日)=W/(A×D)×100 生ゴミから毎日水分が蒸発するが、生ゴミの初期重量の
60〜80%が蒸発したとき、生ゴミの重量の減少率が
極端に低下する。この時の重量の初期重量に対する割合
を最終減量率とする。最終減量率は生ゴミの種類により
異なるが、どの生ゴミであってもAの重量の30〜40
%(減量率60〜70%)になれば、放置しても悪臭を
発生したり周囲を汚染したりするおそれがなく、安心し
て貯蔵できるのでAの重量の30〜40%に達するまで
に要した日数(D)を計算に使用した。すなわち乾燥速
度(%/日)が10であれば、6日で乾燥できることを
意味する。
【0025】臭気は10人のパネラーによりテストし、
生ゴミを収容した袋の側に居て感じた臭気を下記の5点
法で表現し、点数とその点数を入れた人の数を掛け合わ
せ、その総和を10で除した数値を表1〜3に示した。
【0026】 全く臭気を感じない …… 5点 ほとんど感じない …… 4点 感じる …… 3点 明らかに感じる …… 2点 顕著に感じる …… 1点として評価し
た。4.8以上であれば室内における乾燥に耐えると判
定した。実施例2 約500gの生ゴミに対し表2に示す量のシュレッダー
処理紙及びセメント、生石灰及びセメントと生石灰の等
量混合物を混合して実施例1と同様にして乾燥させた。
この乾燥物に更に表2に示す量の生ゴミを加えて混合
し、実施例1と同様にして乾燥させて2回繰返し試験を
行った。2回繰返し試験の乾燥物に表2に示す量の生ゴ
ミを加えて混合し、実施例1と同様にして乾燥させて3
回繰返し試験を行った。同様にして、4回繰返し試験を
行いその結果を表2に併記した。
【0027】4回の繰返し実験で得られた乾燥物は、平
均して生ゴミ乾燥物80重量%、乾燥助剤10重量%、
紙片10重量%の組成であり、最初の生ゴミの状態での
重量の1/5程度に減量し、無臭であった。
【0028】
【表2】 実施例3 実験No.19として、生ゴミ500gに対し、シュレッ
ダー処理紙及びセメントと生石灰の等量混合物を10%
になるようにそれぞれ添加混合し、実施例2の試験を4
回繰返して得られた乾燥物をガスバーナーで完全燃焼さ
せ、得られた残灰を乾燥助剤として使用して試験を行っ
た。その条件及び結果を表3に示した。
【0029】更に、2mm×25mmのシュレッダー処
理紙を紙片として用いて試験を行った場合を実験No.2
0とし、3mm×25mmに切断した新聞紙を紙片とし
て試験を行った場合を実験No.21とし、これらの結果
を表3に示した。
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明により、室内や狭い場所でも臭気
を発散させずに、外部からエネルギーを加えること少な
く、各家庭単位で生ゴミを数日でカサカサの状態になる
まで乾燥して水分と重量を激減させ、輸送を容易にし、
良質の燃料にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はクリップの斜視図である。
【図2】図2は乾燥状態の生ゴミ袋の斜視図である。
【図3】図3は機械的混合手段の1例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 オスクリップ 2 内部密封面 3 メスクリップ 4 外部密封面 5 袋 6 生ゴミ 7 懸架用の紐 8 スタンド 9 架台 10 モーター 11 混合容器 12 混合断裁翼 13 シャフト 14 ストッパー 15 高さ調整リンク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生ゴミに紙の裁断片を混合し、透湿性、
    臭気遮断性フィルムからなる袋に装入し、袋口を開閉自
    在に密封し、外気に曝して乾燥させることを特徴とする
    生ゴミの乾燥方法。
  2. 【請求項2】 紙の裁断片が事務用紙の裁断片であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の生ゴミの乾燥方法。
  3. 【請求項3】 筆記用紙の裁断片がシュレッダー処理紙
    であることを特徴とする請求項2記載の生ゴミの乾燥方
    法。
  4. 【請求項4】 生ゴミに、セメント或いはセメントと生
    石灰の混合物からなる乾燥助剤と紙の裁断片を配合する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載す
    る生ゴミの乾燥方法。
  5. 【請求項5】 透湿性、臭気遮断性のフィルムが、セロ
    ハンフィルム又はポリビニルアルコールフィルムである
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載す
    る生ゴミの乾燥方法。
JP11043968A 1999-02-22 1999-02-22 生ゴミの乾燥方法 Pending JP2000241074A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004065052A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Kochi Prefecture 多量の血液等を吸収できる吸収性物品とその使用方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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