JP2000240640A - 動圧流体軸受およびその製造方法ならびに前記動圧流体軸受を用いた偏向走査装置 - Google Patents

動圧流体軸受およびその製造方法ならびに前記動圧流体軸受を用いた偏向走査装置

Info

Publication number
JP2000240640A
JP2000240640A JP11045743A JP4574399A JP2000240640A JP 2000240640 A JP2000240640 A JP 2000240640A JP 11045743 A JP11045743 A JP 11045743A JP 4574399 A JP4574399 A JP 4574399A JP 2000240640 A JP2000240640 A JP 2000240640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dynamic pressure
mold
pressure generating
rotating
hydrodynamic bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11045743A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Nakajima
中島  伸夫
Toru Kameyama
徹 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP11045743A priority Critical patent/JP2000240640A/ja
Publication of JP2000240640A publication Critical patent/JP2000240640A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動圧流体軸受のスリーブや回転軸を樹脂成形
するときの型抜きによって動圧発生溝が損傷するのを防
ぐ。 【解決手段】 回転多面鏡1と一体的に回転する回転軸
3は、回転方向が互いに逆向きである上下2組のねじ溝
11,12からなる動圧発生溝3bを有する。回転軸3
の樹脂成形は、ねじ溝11,12の間にパーティングラ
インTを有する上型21aと下型21bを備えた金型2
1を用いて行なう。成形後の離型は、上型21aと下型
21bを逆方向に回転させながら型抜きすることで行な
われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタやバーコード読取装置等の光ビームを高速走査する
ための回転多面鏡等を回転支持する動圧流体軸受および
その製造方法ならびに前記動圧流体軸受を用いた偏向走
査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザビームプリンタやバーコード読取
装置等に用いられる偏向走査装置は、高速回転する回転
多面鏡によってレーザビーム等の光ビームを偏向走査す
る。レーザビームプリンタ等の画像形成装置において
は、回転多面鏡によって得られた走査光を回転ドラム上
の感光体に結像させて静電潜像を形成し、感光体の静電
潜像を現像装置によってトナー像に顕像化し、これを記
録紙の記録媒体に転写して定着装置へ送り、記録媒体上
のトナーを加熱定着させることで印刷(プリント)が行
なわれる。
【0003】近年、このような偏向走査装置ではますま
す高速化や高精度化が進み、これに対応するために、回
転多面鏡の軸受部には、低騒音で回転精度の高い非接触
型の動圧流体軸受が用いられている。特に高速回転のも
のは、動作流体として空気を用いたいわゆる空気式が主
流であるが、装置の小型薄型化や低コスト化が要求され
る今日では、空気の替わりにオイルを用いたオイル式の
動圧流体軸受が採用されつつある。
【0004】図11は、一従来例による動圧軸受装置を
示すもので、これは、複数の反射面101aを有する回
転多面鏡101と一体的に回転する軸102と、これを
回転自在に嵌合させたスリーブ103を有し、スリーブ
103は軸受ハウジング104と一体である。スリーブ
103の下端には、軸102の下端をスラスト方向に支
持する球面部106aを備えたスラスト受け106が固
定され、軸102の上部にはフランジ107が固着され
ている。回転多面鏡101は、押えバネ等を含む弾性押
圧機構108によってフランジ107の上面に押圧され
てこれと一体化され、軸102とともに回転するように
構成されている。
【0005】フランジ107の外周部には、ロータマグ
ネット109を保持するヨーク109aが固着されてお
り、ロータマグネット109は、軸受ハウジング104
に固定されたベース板105上のステータコイル110
に対向するように配設されている。図示しない駆動回路
から供給される駆動電流によってステータコイル110
が励磁されると、ロータマグネット109が軸102お
よび回転多面鏡101とともに高速回転する。
【0006】スリーブ103は、軸102の回転によっ
て軸102との間に流体膜を形成し、該流体膜の動圧に
よって軸102を非接触で回転支持する動圧流体軸受を
構成する。軸102の外周面には、軸102の下端から
上向きに間隔を置いて、第1の動圧発生溝102aと、
第2の動圧発生溝102bが形成されている。また、ス
ラスト受け106の上面にも、軸102の下端と対向す
る部位に動圧スラスト軸受を構成する浅溝(図示せず)
が設けられている。
【0007】軸102の回転とともに、スリーブ103
との間の軸受間隙に充填されたオイル等の動作流体11
1が各動圧発生溝102a,102bの中央部に吸い込
まれ、高圧領域を発生させる。この高圧領域によって軸
102とスリーブ103がラジアル方向に非接触な状態
で支持される。このように非接触で回転するため、例え
ば金属接触を伴なう滑り軸受に比べて低騒音および高い
回転精度などの特性を得られるばかりでなく、組立部品
点数の点からも転がり軸受等に比べて小型化・低コスト
化できるという利点を有する(特開平5−60136号
公報等参照)。
【0008】動圧発生溝を有する軸を製作する方法とし
ては、例えば特開平5−312213号公報に開示され
ている。これは、図12に示すように、回転軸である軸
体201を、金属よりなる中心軸体201aの外周部を
樹脂成形材層203で覆った形にしており、樹脂成形材
層203の表面に動圧発生溝である動圧グルーブ202
が形成されている。樹脂成形材層203が密着固定され
るよう、中心軸体201aの表面にはローレット処理が
施されている。図13は前記軸体201を成形する金型
を示す図である。これは、キャビティ204を有し、前
記中心軸体201aに対向した穴の内周部には動圧グル
ーブを形成するためのヘリングボーン形状をしたリブ2
06が形成されている。205はコアである。
【0009】この状態でゲート部207より樹脂が射出
充填される。樹脂としては、ポリアセタール樹脂を使用
し、例えば、射出樹脂温度が約200℃、金型温度は6
0〜80℃の間で成形条件を設定する。樹脂充填成形
後、キャビティ204とコア205が矢印の方向へ開
き、中心軸体201aはその表面が樹脂に被覆された状
態で金型に残る。そして冷却された後、突き出しピン2
08により矢印方向へ押し出されて成形が完了し、表面
に動圧発生溝であるラジアル動圧グルーブ202を形成
された軸体201が完成する。
【0010】ここで、軸体201がなぜ動圧グルーブ部
分のアンダーカットがあるのに、突き出しピン208に
より無理なく離型させられるかというと、金型とポリア
セタール樹脂の熱膨張率の差および成形前後の温度差に
より、その両者間に収縮差が約20/1000程度発生
することを利用している。例えば樹脂層203の肉厚が
0.5mmであるとすると、20/1000×0.5m
m=0.01mmだけ樹脂層203の外形寸法が収縮す
る。これに対して、アンダーカットになっている動圧グ
ルーブ202の溝深さは0.003〜0.005mmし
かないため、かじることなくスムーズに離型ができる。
【0011】動圧グルーブの溝深さ寸法dが収縮差e×
樹脂層の肉厚fより小、すなわちd<e×fである条件
を満足するならば、どんな樹脂を使っても射出成形でき
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、動圧グルーブ等の動圧発生部を形成し
た樹脂と金型の熱膨張率の差および成形前後の温度差に
より、樹脂が収縮することを利用して型抜きを行なって
いるため、前述のように、〔動圧グルーブ等の溝深さ寸
法<収縮差×樹脂層の肉厚〕の条件を満たさなければな
らず、樹脂層に偏肉厚があった場合は離型ができなくな
るという未解決の課題がある。
【0013】また、射出成形時の温度分布の均一化が難
しいため、金型温度、射出樹脂温度、型内成形圧、冷却
時間等において最適な条件を設定するのが非常に困難で
あり、金型と成形品のクリアランスが僅かしかとれず
に、金型を分離する工程で動圧発生部に接触して傷つけ
ることがある。従って、高精度の位置決めが要求され、
このために高価な設備も必要になる。
【0014】特に、金型との収縮差が小さい樹脂を用い
た場合は、射出成形後の型抜きができなくなるおそれが
あり、選択する樹脂の自由度が少ないという問題もあ
る。
【0015】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、成形材料の選択の自
由度が拡大し、しかも、通常の成形条件で、高精度な位
置決めも必要なく簡単に動圧発生部を加工できる安価で
信頼性のある動圧流体軸受およびその製造方法ならびに
前記動圧流体軸受を用いた偏向走査装置を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の動圧流体軸受は、相対的に回転自在に嵌合
する軸部材およびスリーブ部材と、前記軸部材または前
記スリーブ部材と一体的に回転する回転部材を有し、前
記軸部材および前記スリーブ部材の少なくとも一方に動
圧発生部が設けられている動圧流体軸受であって、前記
動圧発生部が、互いに回転方向が逆向きである2組のね
じ溝によって構成されていることを特徴とする。
【0017】軸部材およびスリーブ部材の少なくとも一
方が、それぞれ動圧発生部を有する短尺部品を継ぎ合わ
せて複数の動圧発生部を有する軸受部材を構成していて
もよい。
【0018】本発明の動圧流体軸受の製造方法は、それ
ぞれ回転方向が逆向きの2組のねじ溝からなる動圧発生
溝形成部を有する一対の金型部材のキャビティに樹脂を
注入して軸受部材を成形する工程と、成形された軸受部
材に対して一方の金型部材を所定の回転方向に回転させ
ながら離型し、他方の金型部材を前記所定の回転方向と
逆向きに回転させながら離型する工程を有することを特
徴とする。
【0019】
【作用】動圧発生部を有する軸部材またはスリーブ部材
を樹脂成形後に離型するとき、動圧発生部の凹凸がある
ために軸方向に型抜きをすると動圧発生部が損傷するお
それがある。そこで、動圧発生部を互いに回転方向が逆
向きである2組のねじ溝によって構成し、樹脂成形後の
離型は、2組のねじ溝の間にパーティングラインをもつ
一対の金型部材を各ねじ溝に沿って互いに逆向きに回転
させて軸方向の型抜きを行なう。
【0020】樹脂成形後の離型が簡単で高精度な位置決
め等も不必要であり、動圧発生部の溝深さ等に対する制
約がなく、また、スリーブ部材や軸部材の成形材料の選
択の自由度も大幅に拡大し、樹脂成形の条件も簡単でよ
い。
【0021】これによって、高精度で信頼性が高く、し
かも安価な動圧流体軸受を実現できる。
【0022】このような動圧流体軸受を回転多面鏡の軸
受部に用いることで、偏向走査装置の高性能化と低価格
化に貢献できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0024】図1の(a)は第1の実施の形態による動
圧流体軸受を軸受部とする偏向走査装置の主要部を示す
もので、これは、多角柱形状の側面に複数の反射面1a
を有する回転多面鏡1と、図10に示す光学箱50と一
体である軸受ハウジングに支持されたスリーブ部材(軸
受部材)であるスリーブ2と、該スリーブ2に回転自在
に嵌合する軸部材(軸受部材)である回転軸3と、該回
転軸3に固着された回転部材であるロータボス4と、そ
の下面に一体的に結合されたロータフレーム5aと、前
記軸受ハウジングと一体であるベース板6に固定された
ステータコイル7を有し、該ステータコイル7はロータ
フレーム5aの内周面に支持されたロータマグネット5
とともに回転多面鏡1を回転させるモータを構成する。
回転多面鏡1は押さえ板8によってロータボス4に押圧
され、ロータボス4とロータフレーム5aとロータマグ
ネット5等を含む回転部と一体化されている。
【0025】ベース板6上の駆動回路と制御回路を経て
供給された駆動電流によってステータコイル7が励磁さ
れると、ロータマグネット5が回転軸3や回転多面鏡1
とともに回転し、回転多面鏡1の反射面1aに照射され
たレーザビーム等の光ビームを偏向走査する。
【0026】スラスト受け9はスリーブ2に固設され、
回転軸3の端部3aが当接するよう配置されている。回
転軸3、スリーブ2およびスラスト受け9の間の軸受間
隙にはオイルが満たされている。回転軸3には、動圧発
生部である動圧発生溝3bが刻設され、回転軸3が回転
すると、軸受間隙のオイルは動圧発生溝3bの中央部に
取り込まれ、オイルの圧力が高まって回転軸3をスリー
ブ2やスラスト受け9から離間して保持する。
【0027】回転軸3の動圧発生溝3bは、互いに逆向
きの回転方向を有する上下2組のねじ溝11,12によ
って構成され、各ねじ溝11,12の有効径D1 、ピッ
チP 1 、リードL1 、リード角α1 、ねじ山の数iは以
下の条件を満足するように設定されている。 tanα1 =L1 /πD1 =iP1 /πD1
【0028】このような動圧発生溝3bを備えた回転軸
3は、図1の(b)に示す金型21を用いた樹脂成形に
よって一体成形される。金型21は、一対の金型部材で
ある上型21aと下型21bを有し、両者は回転軸3の
外形と同じ形状のキャビティC1 を形成する。
【0029】上型21aと下型21bは、成形される回
転軸3の動圧発生溝3bの上下2組のねじ溝11,12
の境界をパーティングラインTとして分割されており、
ねじ溝11,12の逆形状を有する2組のねじ溝からな
る動圧発生溝形成部を有する。また、上型21aにはキ
ャビティC1 に樹脂を注入するためのゲート21cが設
けられる。
【0030】金型21のキャビティC1 にゲート21c
から樹脂が射出充填され、充填された樹脂が充分に冷却
されると、図2に示すように、まず下型21bが時計回
り方向に回転しながら軸方向に型抜きされ、成形された
回転軸3から分離(離型)される。このとき回転軸3は
上型21aに対しては締め付け方向となるため、下型2
1bとともに回転することなく、しっかりと上型21a
に固定されている。
【0031】次に、図示しないチャックにより回転軸3
の下端のチャックしろを抑えて固定する。この状態で上
型21aが反時計回り方向に回転しながら回転軸3から
離間し、離型が完了する。ゲート処理については既存の
方法で処理される。
【0032】図3に示すように、上下2組のねじ溝1
1,12の間にランド部13を設けてもよい。この場合
は、金型21の上型21aと下型21bが端面まで溝を
切っておらず、いわゆるザグリ部が設けられている。上
下のねじ溝11,12を含む動圧発生溝3bの全長を長
くできるため、軸受剛性が高められるという利点があ
る。
【0033】図4は各ねじ溝11,12を形成する上型
21aおよび下型21bの動圧発生溝形状部のねじ溝の
断面形状を示す。図4の(a)に示すように断面形状が
三角ねじ状であれば、金型の溝加工はJIS等の規格で
決められたねじ切りで簡単に行なうことができ、しかも
射出成形後の型抜き作業で金型をスムーズに回転させる
ことができる。
【0034】図4の(b)に示すように四角ねじ状であ
れば、三角ねじ状よりもねじの効率がよいため型抜きに
よる回転中の摩擦が少なくてすみ、樹脂成形後の動圧発
生溝の変形を最小限にすることができる。
【0035】図4の(c)に示すように台形ねじ状であ
れば、自動調心作用があるので回転中心が偏心していて
も無理なく上型と下型を回転して離間することができ、
かつ強度もあるため樹脂成形後の動圧発生溝の変形が少
なくてすむ。
【0036】図4の(d)に示すように丸ねじ形状であ
れば、動圧発生溝の断面形状精度が多少低くても上型と
下型をスムーズに回転して離間することができる。
【0037】図4の(e)に示すようにのこ歯形状であ
れば、四角ねじと台形ねじの特徴をあわせもっているた
め、のこ歯の垂直面を型抜き方向に対して配置すれば、
摩擦も少なく、動圧発生溝の強度も強く、自動調心作用
も働くため型抜き作業が無理なく行なえる。
【0038】ねじ溝の形状はJIS等の規格にはこだわ
る必要はなく、上型と下型を回転して離間することがで
きる形状であれば自由に変更できることはいうまでもな
い。
【0039】本実施の形態によれば、簡単な樹脂成形工
程によって高い形状精度を有する動圧発生溝を備えた回
転軸を製造することができる。これによって、安価で高
精度の動圧流体軸受を実現できる。このような動圧流体
軸受を回転多面鏡の軸受部に用いることで偏向走査装置
の高性能化と低価格化に大きく貢献できる。
【0040】図5は第2の実施の形態を示す。これは、
図1の回転軸3に動圧発生溝3bを設ける替わりに、図
5の(b)に示すように、スリーブ2に上下2組のねじ
溝31,32からなる動圧発生部である動圧発生溝2a
を設けたものである。
【0041】各ねじ溝31,32の有効径D2 、ピッチ
2 、リードL2 、リード角α2 、ねじ山の数iは以下
の条件を満足するように設定されている。 tanα2 =L2 /πD2 =iP2 /πD2
【0042】このような動圧発生溝2aを備えたスリー
ブ2は、図5の(a)に示す金型22を用いた樹脂成形
によって一体成形される。金型22は、一対のコア型の
金型部材である上型22aと下型22bを有し、両者は
外型22cとの間にスリーブ2と同じ形状のキャビティ
2 を形成する。
【0043】上型22aと下型22bは、成形されるス
リーブ2の動圧発生溝2aの上下2組のねじ溝31,3
2の境界をパーティングラインTとして分割されてお
り、外型22cにはキャビティC2 に樹脂を注入するた
めのゲート22dが設けられる。
【0044】外型22cのゲート22dより樹脂が射出
充填される。充填された樹脂が充分に冷却されると、ま
ず下型22bを時計回り方向に回転させながら引き抜
き、スリーブ2から分離する。このとき、スリーブ2は
上型22aに対しては締め付け方向となるため、下型2
2bとともに回転することなく、しっかりと上型22a
に固定されている。次に図示しないチャックでスリーブ
2を固定した状態で、上型22aを反時計回り方向に回
転させてスリーブ2から分離し、離型が完了する。ゲー
ト処理については既存の方法にて処理される。
【0045】この製造方法でスリーブ2を製造すれば、
上型22aの段差22eによってオイルだまり部を形成
することができる。また下型22bの段差22fがあれ
ばスラスト受け9を組込むための形状も同時に製作で
き、動圧流体軸受としてのスリーブ2をより実用的な形
状に仕上げることができる
【0046】図6に示すように、上下2組のねじ溝3
1,32の間にランド部を設けるための平坦部22gを
有する上型22aを用いてもよい。上下2組のねじ溝3
1,32からなる動圧発生溝2aの全長を長くして、軸
受剛性を高めることができる。
【0047】その他の点は第1の実施の形態と同様であ
る。
【0048】図7ないし図9は第3の実施の形態を説明
するもので、図7に示すように上型23aと下型23b
と外型23cからなる金型23を用いて第2の実施の形
態と同様に樹脂成形する工程を2回繰り返して、図5の
動圧発生溝2aと同様の動圧発生溝42aを有する短尺
部品であるスリーブ部品42を2個製作し(図8参
照)、両者をスリーブ基体43の内径部43aに挿入し
て接合し、軸受部材であるスリーブ44を製作する(図
9参照)。スリーブ部品42の端部に近接してスラスト
受けを組込むためのスラスト受け部43bとオイルだま
り43cとニゲ部43dを形成することができる。この
スリーブ44は、上下一対の動圧発生溝42aを有する
ため、動圧流体軸受としての軸受剛性が強化され、か
つ、耐久性を向上させることができる。
【0049】なお、第1の実施の形態と同様の方法で回
転軸を2個成形し、両者を接着等の公知の方法で固着す
ることにより、互いに傾き方向が逆な上下一対の動圧発
生溝を有する回転軸を得ることもできる。
【0050】その他の点は第1の実施の形態と同様であ
る。
【0051】図10は第1の実施の形態による偏向走査
装置全体を示すもので、これは、レーザ光等の光ビーム
(光束)を発生する光源装置である光源51と、前記レ
ーザ光を回転多面鏡1の反射面1aに線状に集光させる
シリンドリカルレンズ51aとを有し、前記光ビームを
回転多面鏡1の回転によって偏向走査し、結像手段であ
る結像レンズ系52を経て回転ドラム上の結像面である
感光体53に結像させる。結像レンズ系52は球面レン
ズ52a、トーリックレンズ52b等を有し、感光体5
3に結像する点像の走査速度等を補正するいわゆるfθ
機能を有する。
【0052】前記モータによって回転多面鏡1が回転す
ると、その反射面1aは、回転多面鏡1の軸線まわりに
等速で回転する。前述のように光源51から発生され、
シリンドリカルレンズ51aによって集光される光ビー
ムの光路と回転多面鏡1の反射面1aの法線とがなす
角、すなわち該反射面1aに対する光ビームの入射角
は、回転多面鏡1の回転とともに経時的に変化し、同様
に反射角も変化するため、感光体53上で光ビームが集
光されてできる点像は回転ドラムの軸方向(主走査方
向)に移動(走査)する。
【0053】結像レンズ系52は、回転多面鏡1におい
て反射された光ビームを感光体53上で所定のスポット
形状の点像に集光するとともに、該点像の主走査方向へ
の走査速度を等速に保つように設計されたものである。
【0054】感光体53に結像する点像は、回転多面鏡
1の回転による主走査と、感光体53を有する回転ドラ
ムがその軸まわりに回転することによる副走査に伴なっ
て、静電潜像を形成する。
【0055】感光体53の周辺には、感光体53の表面
を一様に帯電するための帯電装置、感光体53の表面に
形成される静電潜像をトナー像に顕像化するための現像
装置、前記トナー像を記録紙に転写する転写装置(いず
れも不図示)等が配置されており、光源51から発生す
る光ビームによる記録情報が記録紙等にプリントされ
る。
【0056】検出ミラー54は、感光体53の表面にお
ける記録情報の書き込み開始位置に入射する光ビームの
光路よりも主走査方向上流側において光ビームを反射し
て、フォトダイオード等を有する受光素子55の受光面
に導入する。受光素子55はその受光面が前記光ビーム
によって照射されたときに、走査開始位置(書き出し位
置)を検出するための走査開始信号を出力する。
【0057】光源51は、ホストコンピュータからの情
報を処理する処理回路から与えられる信号に対応した光
ビームを発生する。光源51に与えられる信号は、感光
体53に書き込むべき情報に対応しており、処理回路
は、感光体53の表面において結像する点像が作る軌跡
である一走査線に対応する情報を表す信号を一単位とし
て光源51に与える。この情報信号は、受光素子55か
ら与えられる走査開始信号に同期して送信される。
【0058】なお、回転多面鏡1、結像レンズ系52等
は光学箱50に収容され、光源51等は光学箱50の側
壁に取り付けられる。光学箱50に回転多面鏡1、結像
レンズ系52等を組み付けたうえで、光学箱50の上部
開口に図示しないふたを装着する。
【0059】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
【0060】成形材料となる樹脂等の選択の自由度が増
し、しかも、通常の成形条件で、高精度な位置決めも必
要とせず、簡単かつ高精度にスリーブや回転軸等の軸受
部材の動圧発生部を加工できる。
【0061】これによって、高精度で信頼性が高く、し
かも安価な動圧流体軸受を実現できる。
【0062】このような動圧流体軸受を回転多面鏡の軸
受部に用いることで、偏向走査装置の高性能化と低価格
化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による偏向走査装置を示すも
ので、(a)はその主要部を示す模式部分断面図、
(b)は回転軸を樹脂成形する金型を示す図である。
【図2】回転軸を金型から離型する工程を説明する図で
ある。
【図3】第1の実施の形態の一変形例を説明する図であ
る。
【図4】ねじ溝の断面形状を示す図である。
【図5】第2の実施の形態によるスリーブとこれを成形
する金型を説明する図である。
【図6】第2の実施の形態の一変形例を説明する図であ
る。
【図7】第3の実施の形態によるスリーブ部品を成形す
る金型を説明する図である。
【図8】図7のスリーブ部品のみを示す図である。
【図9】図8のスリーブ部品を2個接合して製作したス
リーブを示す図である。
【図10】偏向走査装置全体を説明する図である。
【図11】一従来例による偏向走査装置の主要部を示す
模式部分断面図である。
【図12】一従来例による軸体の構成を示す図である。
【図13】図12の軸体を製造する工程を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1 回転多面鏡 2,44 スリーブ 2a,3b,42a 動圧発生溝 3 回転軸 4 ロータボス 5 ロータマグネット 7 ステータコイル 11,12,31,32 ねじ溝 13 ランド部 21,22,23 金型 21a,22a,23a 上型 21b,22b,23b 下型 42 スリーブ部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H045 AA24 AA25 AA62 3J011 AA04 AA20 BA02 BA04 CA03 DA02 SC01 5C072 AA03 BA02 BA13 CA06 DA04 DA21 HA02 HA13 HA20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に回転自在に嵌合する軸部材およ
    びスリーブ部材と、前記軸部材または前記スリーブ部材
    と一体的に回転する回転部材を有し、前記軸部材および
    前記スリーブ部材の少なくとも一方に動圧発生部が設け
    られている動圧流体軸受であって、前記動圧発生部が、
    互いに回転方向が逆向きである2組のねじ溝によって構
    成されていることを特徴とする動圧流体軸受。
  2. 【請求項2】 ねじ溝の有効径Dと、ピッチPと、リー
    ドLと、リード角αと、ねじ山の本数iとの間に以下の
    関係が成立することを特徴とする請求項1記載の動圧流
    体軸受。 tanα=L/πD=iP/πD
  3. 【請求項3】 軸部材およびスリーブ部材の少なくとも
    一方が、それぞれ動圧発生部を有する短尺部品を継ぎ合
    わせて複数の動圧発生部を有する軸受部材を構成してい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の動圧流体軸
    受。
  4. 【請求項4】 それぞれ回転方向が逆向きの2組のねじ
    溝からなる動圧発生溝形成部を有する一対の金型部材の
    キャビティに樹脂を注入して軸受部材を成形する工程
    と、成形された軸受部材に対して一方の金型部材を所定
    の回転方向に回転させながら離型し、他方の金型部材を
    前記所定の回転方向と逆向きに回転させながら離型する
    工程を有する動圧流体軸受の製造方法。
  5. 【請求項5】 軸受部材が軸部材またはスリーブ部材で
    あることを特徴とする請求項4記載の動圧流体軸受の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 ねじ溝の断面形状が三角ねじ状であるこ
    とを特徴とする請求項4または5記載の動圧流体軸受の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 ねじ溝の断面形状が四角ねじ状であるこ
    とを特徴とする請求項4または5記載の動圧流体軸受の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 ねじ溝の断面形状が台形ねじ状であるこ
    とを特徴とする請求項4または5記載の動圧流体軸受の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 ねじ溝の断面形状が丸ねじ状であること
    を特徴とする請求項4または5記載の動圧流体軸受の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 ねじ溝の断面形状がのこ歯状であるこ
    とを特徴とする請求項4または5記載の動圧流体軸受の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし3いずれか1項記載の
    動圧流体軸受によって回転支持された回転多面鏡と、該
    回転多面鏡に向かって光ビームを発生させる光源装置
    と、前記回転多面鏡を経て前記光ビームを結像面に結像
    させる結像手段を有する偏向走査装置。
JP11045743A 1999-02-24 1999-02-24 動圧流体軸受およびその製造方法ならびに前記動圧流体軸受を用いた偏向走査装置 Pending JP2000240640A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11045743A JP2000240640A (ja) 1999-02-24 1999-02-24 動圧流体軸受およびその製造方法ならびに前記動圧流体軸受を用いた偏向走査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11045743A JP2000240640A (ja) 1999-02-24 1999-02-24 動圧流体軸受およびその製造方法ならびに前記動圧流体軸受を用いた偏向走査装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000240640A true JP2000240640A (ja) 2000-09-05

Family

ID=12727811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11045743A Pending JP2000240640A (ja) 1999-02-24 1999-02-24 動圧流体軸受およびその製造方法ならびに前記動圧流体軸受を用いた偏向走査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000240640A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7309229B2 (en) 2004-11-26 2007-12-18 Fujitsu Limited Mold die

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7309229B2 (en) 2004-11-26 2007-12-18 Fujitsu Limited Mold die

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000240640A (ja) 動圧流体軸受およびその製造方法ならびに前記動圧流体軸受を用いた偏向走査装置
JP2019082599A (ja) 光偏向器、光走査装置及び画像形成装置
US11703776B2 (en) Light deflector, light scanning apparatus and image forming apparatus
JP2001182740A (ja) 動圧軸受およびその製造方法ならびに光偏向走査装置
JP2000121986A (ja) 動圧軸受装置およびこれを用いた偏向走査装置
US20020037116A1 (en) Dynamic pressure bearing apparatus
US5945752A (en) Shaft-fixed-type motor
JPH10288747A (ja) 偏向走査装置
JP2008040282A (ja) 光偏向装置、走査光学装置及び画像形成装置
JP3472071B2 (ja) 偏向走査装置
JP2006221001A (ja) 偏向走査装置
JP2000275561A (ja) 光偏向装置
JP2003295099A (ja) 偏向走査装置
JP2002039164A (ja) 動圧軸受および光偏向走査装置
JP2003029188A (ja) 動圧軸受および光偏向走査装置
JPH06167665A (ja) 光偏向器およびその製造方法
JP2005173354A (ja) 光偏向器
JP2005092132A (ja) 回転多面鏡の製造方法、回転多面鏡、それを用いた光走査装置及び画像形成装置
JP2009251503A (ja) 回転多面鏡装置
JP5235521B2 (ja) 光偏向装置、光学走査装置及び画像形成装置
JP2000147416A (ja) 光偏向走査装置
JP2000292733A (ja) 偏向走査装置
JPH0654021U (ja) ポリゴンミラー
JPH11326812A (ja) 回転多面鏡モータ、及び光偏向装置
JPH10333075A (ja) 偏向走査装置