JP2000239449A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤInfo
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- JP2000239449A JP2000239449A JP11044934A JP4493499A JP2000239449A JP 2000239449 A JP2000239449 A JP 2000239449A JP 11044934 A JP11044934 A JP 11044934A JP 4493499 A JP4493499 A JP 4493499A JP 2000239449 A JP2000239449 A JP 2000239449A
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Abstract
低燃費性を両立させたゴム組成物、及びこの組成物を用
いた空気入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 (A)共役ジエン/ビニル芳香族炭化水
素共重合体少なくとも50重量%を含むゴム成分、
(B)(イ)有機ケイ素化合物1〜20重量%で表面処
理された特定の性状を有する含水ケイ酸70〜100重
量%と(ロ)カーボンブラック30〜0重量%とからな
る補強用充填剤、及び(C)シランカップリング剤を含
有し、かつ(B)成分の含有量が、(A)成分100重
量部当たり40〜85重量部であり、(C)成分の含有
量が、(B)(イ)成分の表面処理含水ケイ酸に対し2
〜15重量%であって、Tanδが0.25以下のゴム組
成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤであ
る。
Description
れを用いた空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、本
発明は、オールシーズンタイヤや低燃費向けタイヤ用ト
レッドに好適な補強性を有し、特に乾燥路面及び湿潤路
面での操縦安定性と低燃費性(低転がり抵抗)を両立さ
せたゴム組成物、並びにそれをトレッドゴムに用いた空
気入りタイヤに関するものである。
ボンブラックが多用されている。これは、カーボンブラ
ックが他の充填剤に比べて、高い補強性と優れた耐摩耗
性を付与しうるからである。一方、近年の省エネルギー
の社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的と
して、タイヤ用ゴムの低発熱化を図る場合、カーボンブ
ラックの充填量減量、あるいは大粒径のカーボンブラッ
クの使用が考えられるが、いずれの場合も、補強性,耐
摩耗性,湿潤路面でのグリップ性が低下するのを免れな
いことが知られている。
カを配合することにより、ウエット性能と転がり抵抗性
能のバランスを改良した技術が開示されている(特開平
3−252431号公報、特開平5−271477号公
報)。しかしながら、本発明者らの検討によれば、シリ
カを大量に用いることにより、特に乾燥路面での走行に
おいて、操縦安定性が低下することが明かになった。近
年、低燃費向けタイヤにおいては、ますますウエット性
能と転がり抵抗性能を両立させる要求が高く、シリカ比
率(総補強用充填剤に対するシリカの割合)の増加が必
要となってきている。しかしながら、シリカの比率を増
加すると、前記したように、乾燥路面での操縦安定性が
低下するのを免れず、一定比率以上のシリカをトレッド
ゴムに用いることは困難であった。また、有機ケイ素化
合物で表面を処置されたシリカを配合してなるゴム組成
物を用いた空気入りタイヤが提案されているが(特開平
8−245838号公報)、この場合、タイヤの耐摩耗
性及び転がり抵抗の改良を目的としており、本発明とは
異なるものである。
状況下で、オールシーズンタイヤや低燃費向けタイヤ用
トレッドに好適な補強性を有し、特に乾燥路面及び湿潤
路面での操縦安定性と低燃費性(低転がり抵抗)を両立
させたゴム組成物、並びにこのゴム組成物を用いた空気
入りタイヤを提供することを目的とするものである。
を達成するために鋭意研究を重ね、まず、以下に示すこ
とに着目した。操業安定性は、ゴムの動的弾性率の大き
さにほぼ対応していることが知られている。ところが、
補強剤としてシリカを高配合する場合、通常シリカを良
好に分散させることが難しい上、シリカはゴムとの親和
性が低いことから、カーボンブラックに比べて補強性に
劣り、その結果、加硫ゴムの動的弾性率が低くなって、
操業安定性を悪化させる。この動的弾性率を高くするた
めに、微粒状のシリカを用いることも試みられている
が、この場合、Tanδ(60℃)が高くなり、転がり
抵抗性能が低下する上、分散がさらに困難になるため、
逆に走行による性能変化などの操業安定性が低下するな
どの問題が生じる。本発明者らは、上記着目に基づき、
さらに研究を重ねた結果、特定のジエン系ゴムをある値
以上に含むゴム成分に対し、所定量の有機ケイ素化合物
で表面処理した特定の性状を有する含水ケイ酸とカーボ
ンブラック及びシランカップリング剤、さらに場合によ
り軟化剤を、それぞれ所定の割合で含有し、かつ加硫ゴ
ムのTanδ(60℃,1%)がある値以下のゴム組成
物により、その目的を達成しうることを見出した。本発
明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
合物とビニル芳香族炭化水素化合物との共重合体少なく
とも50重量%を含むゴム成分、(B)(イ)有機ケイ
素化合物1〜20重量%(対含水ケイ酸)で表面処理さ
れ、かつ関係式 0.95≧BET(2)/BET(1)≧0.6 1.1≧PO(2)/PO(1)≧0.9 300≧PO(2)≧100 300≧BET(2)≧125 (ただし、BET(1)及びBET(2)は、それぞれ
表面処理前及び表面処理後の含水ケイ酸の窒素吸着比表
面積(m2 /g)、PO(1)及びPO(2)は、それ
ぞれ表面処理前及び表面処理後の含水ケイ酸の水銀圧入
法比表面積(m2/g)を示す。)を満たす表面処理含
水ケイ酸70〜100重量%と(ロ)カーボンブラック
30〜0重量%とからなる補強用充填剤、及び(C)シ
ランカップリング剤を含有し、かつ(B)成分の含有量
が、(A)成分100重量部当たり40〜85重量部で
あり、(C)成分の含有量が、(B)(イ)成分の表面
処理含水ケイ酸に対し2〜15重量%であって、加硫ゴ
ムのTanδ(60℃,1%)が0.25以下であること
を特徴とするゴム組成物、(2)さらに、(A)成分1
00重量部当たり、(D)軟化剤30重量部以下を含有
する上記(1)のゴム組成物、及び(3)上記(1),
(2)のゴム組成物をトレッドゴムに用いた空気入りタ
イヤを提供するものである。
(A)成分であるゴム成分として、共役ジエン化合物と
ビニル芳香族炭化水素化合物との共重合体少なくとも5
0重量%を含有するものが用いられる。このゴム成分中
の上記共重合体の含有量が50重量%未満では、本発明
の目的が達せられない。好ましい含有量は60重量%以
上である。(A)成分に用いられる該共重合体として
は、特にスチレン−ブタジエンゴム(SBR)が好適で
ある。該スチレン−ブタジエンゴムは、乳化重合法,溶
液重合法など、いかなる重合方法によって製造されたも
のも用いることができる。
所望により全ゴム成分の重量に基づき、50重量%以下
の割合で用いられる前記共重合体以外のゴムとしては、
例えば天然ゴム,ポリイソプレン合成ゴム(IR),ポ
リブタジエンゴム(BR),アクリロニトリルブタジエ
ンゴム(NBR),クロロブロンゴム(CR),ブチル
ゴム(IIR)などが挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
分の補強用充填剤として、(イ)有機ケイ素化合物で表
面処理された含水ケイ酸単独,又はこの(イ)成分の表
面処理含水ケイ酸と(ロ)カーボンブラックとを組み合
わせたものが用いられる。前記(イ)成分の表面処理含
水ケイ酸としては、表面処理前の窒素吸着比表面積(m
2 /g)をBET(1)、表面処理後の窒素吸着比表面
積(m2 /g)をBET(2)とし、表面処理前の水銀
圧入法比表面積(m2 /g)をPO(1)、表面処理後
の水銀圧入法比表面積(m2 /g)をPO(2)とした
場合、関係式 0.95≧BET(2)/BET(1)≧0.6 1.1≧PO(2)/PO(1)≧0.9 300≧PO(2)≧100 300≧BET(2)≧125 を満たすものを用いることが必要である。
6未満では、表面処理後の含水ケイ酸の表面積が小さく
なりすぎて、補強性が充分に発揮されず、一方0.95を
超えると水分吸着量が多くなり、押出成形物の形状安定
性及びゴム物性のバラツキの改良効果が充分に発揮され
ず、いずれも本発明の目的が達せられない。補強性,押
出成形物の形状安定性,物性のバラツキなどを考慮する
と、BET(2)/BET(1)の好ましい値は0.7〜
0.9の範囲である。また、含水ケイ酸の水銀圧入法比表
面積(PO)はゴム物性と極めて相関が高く、表面処理
により、このPOが変化すると、耐摩耗性,補強性,粘
弾性などのゴム物性が変化する。したがって、本発明に
おいては、PO(2)/PO(1)の値は0.9〜1.1の
範囲にあることが必要であり、特に0.95〜1.05の範
囲が好適である。
あるいはBET(2)が125m2/g未満では補強性
が充分に発揮されず、またPO(2)あるいはBET
(2)が300m2 /gを超えると含水ケイ酸同士の凝
集力が大きくなり、分散性が悪化して、補強性が低下す
る。補強性,分散性などの面から、このPO(2)の好
ましい範囲は120〜250m2 /gであり、BET
(2)の好ましい範囲は130〜250m2 /gであ
る。また、この(イ)成分として用いられる表面処理含
水ケイ酸は、直径1000Å以下の水銀圧入法細孔容積
が1.1ミリリットル/g以上であり、温度25℃、相対
湿度90%での平衡水分量が6重量%以下で、かつ温度
25℃、相対湿度50%での平衡水分量と、温度25
℃、相対湿度90%での平衡水分量との差が2.5重量%
以下のものが好適である。
量が6重量%を超えると、押出工程において水分が揮発
し、押出成形物中の空隙率が大きくなって、形状安定性
が不充分となるおそれがある。押出成形物の形状安定性
の面から、該平衡水分量は、特に5重量%以下が好適で
ある。また、温度25℃、相対湿度50%での平衡水分
量と温度25℃、相対湿度90%での平衡水分量との差
が2.5重量%を超えると、湿度によってゴム物性がばら
つく原因となる。この平衡水分量の差は、ゴム物性のバ
ラツキ低減の面から、特に2重量%以下が好適である。
処理含水ケイ酸は、以下に示す有機ケイ素化合物を含水
ケイ酸に対して1〜20重量%の割合で用いて、通常2
00℃、好ましくは250〜350℃の温度で含水ケイ
酸の表面処理を行うことによって調製される。有機ケイ
素化合物の使用量が1重量%未満では表面処理による補
強性向上効果が充分に発揮されず、20重量%を超える
とシランカップリング剤が反応する含水ケイ酸のSi−
OHサイトまで覆われるため、シランカップリング剤の
効果の低減をもたらす。補強性向上効果及びシランカッ
プリング剤の配合効果などを考慮すると、この有機ケイ
素化合物の使用量は1〜5重量%の範囲が好ましい。な
お、この有機ケイ素化合物の使用量は、処理する含水ケ
イ酸の表面積、すなわちSi−OHサイト数によって適
宜選定することが好ましい。この表面処理においては、
有機ケイ素化合物として、例えばジメチルポリシロキサ
ン,メチルハイドロジェンポリシロキサン,メチルフェ
ニルポリシロキサンやアミノ変性,アルキル変性,フッ
素変性,カルビノール変性,メルカプト変性,ポリエー
テル変性,エポキシ変性,メタクリル変性等の各種変性
シリコーンオイルなど、更には環状ジメチルシロキサ
ン,トリメチルシラノール,トリメチルモノクロロシラ
ン,ジメチルジメトキシシラン,ジフェニルジメトキシ
シラン,ヘキサメチルジシラン,デシルトリエトキシシ
ランなどが用いられる。これらは単独で用いてもよく、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、処理時に
KOH,(CH3)4 NOH,(n−C4 H9)4 POH等
のアルカリ触媒や硫酸,塩酸などの酸触媒を用いること
ができる。
処理含水ケイ酸は一種用いてもよく、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。一方、(ロ)成分のカーボンブラ
ックは、製造方法によりチャンネルブラック,ファーネ
スブラック,アセチレンブラック及びサーマルブラック
などに分類されるが、いずれのものも用いることができ
る。本発明においては、(B)成分の補強用充填剤とし
て、(イ)成分の表面処理含水ケイ酸70〜100重量
%と(ロ)カーボンブラック30〜0重量%とからなる
ものが用いられる。表面処理含水ケイ酸の配合比率が7
0重量%未満ではウエット性能が不充分となる。ウエッ
ト性能の面から、この(イ)成分と(ロ)成分の配合比
率は、(イ)成分が80〜95重量%で、(ロ)成分が
20〜5重量%の範囲が好ましい。
用充填剤は、前記(A)成分100重量部当たり、40
〜85重量部の範囲で配合される。この配合量が40重
量部未満では耐摩耗性,動的弾性率,ウエット性能に劣
り、タイヤトレッド用のゴム組成物として実用的でな
く、85重量部を超えると低燃費性が低下するととも
に、走行による操縦安定性の変化が生じる。耐摩耗性,
動的弾性率,ウエット性能,低燃費性及び走行時の操縦
安定性のバランスなどの面から、この(B)成分の好ま
しい含有量は60〜85重量部の範囲である。本発明の
ゴム組成物において、前記(B)成分の中の表面処理含
水ケイ酸の効果を、さらに向上させるために、(C)成
分として、シランカップリング剤が配合される。このシ
ランカップリング剤としては、従来公知のシランカップ
リング剤の中から任意のものを用いることができるが、
特に一般式(I) AmB3-mSi-X-Sa-X-SiAmB3-m・・(I) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7
〜15のアリーレン基、mは1〜3の整数、aは1以上
の整数で分布を有することもある。但し、mが1のとき
は二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが
2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異
なっていてもよい。)で表される化合物、一般式(II) AmB3-mSi-X-Y ・・・(II) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7
〜15のアリーレン基、Yはメルカプト基,ビニル基,
アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基、mは1〜3
の整数を示す。但し、mが1のときは二つのBは同じで
あっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二
つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物、及び一般式(III) AmB3-mSi-X-Sa-Z ・・・(III) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7
〜15のアリーレン基、Zはベンゾチアゾリル基,N,
N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル
基、mは1〜3の整数、aは1以上の整数で分布を有す
ることもある。但し、mが1のときは二つのBは同じで
あっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二
つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一
種を用いるのが好ましい。
リング剤の例としては、ビス(3−トリエトキシシリル
プロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリメトキシ
シリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−メチル
ジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス
(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド,
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィ
ド,ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフ
ィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリス
ルフィドなどが、一般式(II) で表されるシランカップ
リング剤の例としては、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン,3−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキシ
シラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−
アミノプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン,γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシランなどが、一般式(III)で表される
シランカップリング剤の例としては、3−トリメトキシ
シリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラ
スルフィド,3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチ
アゾリルテトラスルフィド,3−トリメトキシシリルプ
ロピルメタクリロイルモノスルフィドなどが、それぞれ
挙げられる。本発明においては、この(C)成分のシラ
ンカップリング剤は単独で用いてもよく、二種以上を組
み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、前記
(B)(イ)成分の表面処理含水ケイ酸に対して2〜1
5重量%の範囲で選ばれる。この配合量が2重量%未満
ではゴム組成物の粘度が著しく増加して作業性が悪くな
り、15重量%を超えるとアルコールの発生による押し
出し作業性が悪化する。
どを向上させるために、所望により、さらに(D)成分
として軟化剤を配合することができる。この軟化剤とし
ては特に制限はなく、従来ゴム用軟化剤として慣用され
ているものの中から適宜選択して用いることができる。
この軟化剤には、鉱物油系,植物油系,合成油系などが
あり、鉱物油系としては、例えばナフテン系,パラフィ
ン系などのプロセス油が挙げられ、植物油系としては、
例えばひまし油,綿実油,あまに油,なたね油,大豆
油,パーム油,ヤシ油,落花生油,木ろう,パインオイ
ル,オリーブ油などが挙げられる。また、合成油系とし
ては、例えばポリイソブチレン系オイルなどがある。
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その総配合
量は、前記(A)成分100重量部当たり、通常30重
量部以下、好ましくは10〜30重量部で選ばれる。こ
の総配合量が30重量部を超えると耐摩耗性,低燃費
性,走行による操縦安定性が低下する原因となる。本発
明のゴム組成物は、加硫ゴムのTanδ(60℃,1
%)が0.25以下であることが必要である。該Tanδ
の値は低発熱性の指標となり、この値が0.25を超える
と低発熱性が不充分で、低燃費化をもたらすことができ
ず、本発明の目的が達せられない。なお、上記Tanδ
(60℃,1%)は、加硫ゴムについて、東洋精機
(株)製、スペクトロメーターを用いて、動的引張り歪
み1%、測定温度60℃、測定周波数52Hzで測定し
た値である。
損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用
いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,老化防
止剤,スコーチ防止剤,他の充填剤,亜鉛華,ステアリ
ン酸などを含有させることができる。そして、本発明の
ゴム組成物はタイヤのトレッドゴムに好適に用いられ
る。本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を
用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要
に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明に
係るゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出
し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付
け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加
硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このように
して得られた本発明の空気入りタイヤは、特に乾燥路面
及び湿潤路面での操縦安定性と低燃費性(低転がり抵
抗)がバランスしたものである。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、タイヤの性能は、下記の要領に
従い測定した。 (1)ウエット操縦安定性 湿潤路面のテストコースにおいて、実車評価を行い、駆
動性,制動性,ハンドル応答性,操舵時のコントロール
性をテストドライバーが評価するとともに、80km/
hrの速度からの停止距離の結果を加味して、総合評価
を行った。比較例1を100とし、比較例1に比べてプ
ロの評価ドライバーが差を認識できる場合に±5点を加
え、プロの評価ドライバーが明確に差を認識できる場合
に±10点を加え、指数表示した。数値が大きいほどウ
エット操縦安定性が優れていることを示す。
動性,制動性,ハンドル応答性,操舵時のコントロール
性をテストドライバーが評価した。比較例1を100と
し、比較例1に比べてプロの評価ドライバーが差を認識
できる場合に±5点を加え、プロの評価ドライバーが明
確に差を認識できる場合に±10点を加え、指数表示し
た。数値が大きいほどドライ操縦安定性が優れているこ
とを示す。 (3)耐摩耗性 乗用車に装着し、一般道路を50000km走行後、ト
レッド部の残溝より摩耗1mm当たりの走行距離を算出
し、比較例1のタイヤの値を100として指数表示し
た。この数値が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
2 に調整した供試タイヤを設置し、JIS100%荷重
を負荷させたのち、80km/hrで30分間予備走行
させた。その後、空気圧を調整し、200km/hrの
速度までドラム回転速度を上昇させたのち、ドラムを惰
行させ、185km/hrから20km/hrまでドラ
ム回転速度が低下するまでの慣性モーメントから、下記
の式によって転がり抵抗を算出した。 転がり抵抗=ds/dt(ID/RD2 +It/R
t2 )−ドラム単体の抵抗(ただし、ID:ドラムの慣
性モーメント、It:タイヤの慣性モーメント、RD:
ドラム半径、Rt:タイヤ半径) なお、測定は、24±2℃に調節された室内で測定し
た。上式より求めた60km/hr時の転がり抵抗値を
代表値とし、テストタイヤの転がり抵抗指数RRIを、
式 RRI=100+100×〔(比較例1タイヤ代表値−
テストタイヤ代表値)/比較例1タイヤ代表値〕より求
めた。転がり抵抗値が小さいほど、指数が大きくなり、
良好である。
華3.0重量部、ステアリン酸1.5重量部及び老化防止剤
6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−
p−フェニレンジアミン)1.5重量部を含有するゴム組
成物を調製した。次に、この各ゴム組成物からなるトレ
ッドゴムを備えたタイヤ(185/70R13)を試作
し、それぞれ使用内圧0.2MPaにて性能評価を行っ
た。また、各ゴム組成物を150℃、30分間の条件で
加硫し、得られた加硫ゴムのTanδ(60℃,1%)
を、東洋精機(株)製、スペクトロメーターを用いて、
動的引張り歪み1%、測定温度60℃、測定周波数52
Hzで測定した。これらの結果を第1表に示す。
エンゴム、オイル含有量37.5重量部(ゴム成分100
重部に対して) (2)SBR#1500:JSR社製、スチレンブタジ
エンゴム、オイル含有なし (3)SBR#0120:JSR社製、スチレンブタジ
エンゴム、オイル含有量37.5重量部(ゴム成分100
重量部に対して) (4)SBR#0541:JSR社製、スチレンブタジ
エンゴム、オイル含有量37.5重量部(ゴム成分100
重量部に対して) (5)BR01:JSR社製、ポリブタジエン (6)カーボンブラックN234:東海カーボン社製、
シースト7HM (7)シリカAQ:日本シリカ社製 (8)シリカKQ:日本シリカ社製 (9)表面処理シリカ1:シリカAQをシリコーンオイ
ル(ジメチルシリコーンオイルKF96(信越化学工業
製))5重量%(対シリカ)で表面処理したもの (10)表面処理シリカ2:シリカAQをシリコーンオ
イル(ジメチルシリコーンオイルKF96(信越化学工
業製))23重量%(対シリカ)で表面処理したもの (11)シランカップリング剤:ビス(3−エトキシシ
リルプロピル)テトラサルファイド (12)加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン (13)加硫促進剤NS:N−tert−ブチル−2−
ベンゾチアジルスルフェンアミド (14)加硫促進剤DM:ジベンゾチアジルジサルファ
イド (15)シリカ比率:シリカとカーボンブラックとの合
計量に対するシリカの割合である (16)総充填剤量:カーボンブラックとシリカとの合
計量である (17)総軟化剤量:ゴム成分中のオイルと添加軟化剤
との合計量である
ル1〜20重量%で表面処理したシリカを配合すること
により、ウエット操縦安定性、ドライ操縦安定性、転が
り抵抗性能及び耐摩耗性のバランスのとれたタイヤが得
られる。
タイヤや低燃費向けタイヤ用トレッドに好適な補強性を
有し、特に乾燥路面及び湿潤路面での操縦安定性と低燃
費性(低転がり抵抗)を両立させたタイヤを与えること
ができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)共役ジエン化合物とビニル芳香族
炭化水素化合物との共重合体少なくとも50重量%を含
むゴム成分、(B)(イ)有機ケイ素化合物1〜20重
量%(対含水ケイ酸)で表面処理され、かつ関係式 0.95≧BET(2)/BET(1)≧0.6 1.1≧PO(2)/PO(1)≧0.9 300≧PO(2)≧100 300≧BET(2)≧125 (ただし、BET(1)及びBET(2)は、それぞれ
表面処理前及び表面処理後の含水ケイ酸の窒素吸着比表
面積(m2 /g)、PO(1)及びPO(2)は、それ
ぞれ表面処理前及び表面処理後の含水ケイ酸の水銀圧入
法比表面積(m2/g)を示す。)を満たす表面処理含
水ケイ酸70〜100重量%と(ロ)カーボンブラック
30〜0重量%とからなる補強用充填剤、及び(C)シ
ランカップリング剤を含有し、かつ(B)成分の含有量
が、(A)成分100重量部当たり40〜85重量部で
あり、(C)成分の含有量が、(B)(イ)成分の表面
処理含水ケイ酸に対し2〜15重量%であって、加硫ゴ
ムのTanδ(60℃,1%)が0.25以下であること
を特徴とするゴム組成物。 - 【請求項2】 (C)成分のシランカップリング剤が、
一般式(I) AmB3-mSi-X-Sa-X-SiAmB3-m・・(I) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7
〜15のアリーレン基、mは1〜3の整数、aは1以上
の整数で分布を有することもある。但し、mが1のとき
は二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが
2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異
なっていてもよい。)で表される化合物、一般式(II) AmB3-mSi-X-Y ・・・(II) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7
〜15のアリーレン基、Yはメルカプト基,ビニル基,
アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基、mは1〜3
の整数を示す。但し、mが1のときは二つのBは同じで
あっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二
つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物、及び一般式(III) AmB3-mSi-X-Sa-Z ・・・(III) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7
〜15のアリーレン基、Zはベンゾチアゾリル基,N,
N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル
基、mは1〜3の整数、aは1以上の整数で分布を有す
ることもある。但し、mが1のときは二つのBは同じで
あっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二
つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一
種である請求項1記載のゴム組成物。 - 【請求項3】 (B)(イ)成分の表面処理含水ケイ酸
が、有機ケイ素化合物を用いて200℃以上の温度で表
面処理したものである請求項1記載のゴム組成物。 - 【請求項4】 さらに、(A)成分100重量部当た
り、(D)総軟化剤30重量部以下を含有する請求項
1,2又は3記載のゴム組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組
成物をトレッドゴムに用いた空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11044934A JP2000239449A (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
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JP11044934A JP2000239449A (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
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JP11044934A Pending JP2000239449A (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
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JP (1) | JP2000239449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002155166A (ja) * | 2000-11-20 | 2002-05-28 | Bridgestone Corp | ゴム組成物及びタイヤ |
JP2010509409A (ja) * | 2006-11-07 | 2010-03-25 | クーパー タイヤ アンド ラバー カンパニー | エラストマーを補強するための方法および配合物 |
-
1999
- 1999-02-23 JP JP11044934A patent/JP2000239449A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002155166A (ja) * | 2000-11-20 | 2002-05-28 | Bridgestone Corp | ゴム組成物及びタイヤ |
JP2010509409A (ja) * | 2006-11-07 | 2010-03-25 | クーパー タイヤ アンド ラバー カンパニー | エラストマーを補強するための方法および配合物 |
JP2014062269A (ja) * | 2006-11-07 | 2014-04-10 | Cooper Tire & Rubber Company | エラストマーを補強するための方法および配合物 |
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