JP2000239155A - 鉄化合物含有内服液剤組成物 - Google Patents

鉄化合物含有内服液剤組成物

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JP2000239155A
JP2000239155A JP11042010A JP4201099A JP2000239155A JP 2000239155 A JP2000239155 A JP 2000239155A JP 11042010 A JP11042010 A JP 11042010A JP 4201099 A JP4201099 A JP 4201099A JP 2000239155 A JP2000239155 A JP 2000239155A
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Kazuhisa Hasegawa
和久 長谷川
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄由来の錆味をマスキングし、服用性良好な
鉄化合物含有内服液剤組成物を提供すること。 【解決手段】 三価の鉄イオンおよび非還元性物質を含
有することを特徴とする内服液剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄化合物を含有す
る内服液剤組成物に関する。さらに詳しくは、非還元性
物質を配合して鉄由来の錆味を抑え、良好な服用性を確
保した鉄化合物含有内服液剤組成物に関し、医薬、食品
の分野に応用できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来から鉄やカルシウム、マグネシウム
の金属味をマスキングする目的で酸味剤や甘味剤が配合
されてきたが、鉄化合物を配合して内服液剤を調製した
場合、経時的に鉄由来の錆味が増し、服用性が悪化する
という問題があった。
【0003】この鉄由来の錆味を改善する技術として、
鉄(II)−糖(スクレート、フルクテート)−カルボキ
シレート複合体を形成させる方法(特開平2−7284
3)などが開示されているが、鉄由来の錆味をマスキン
グするには充分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉄化合物含
有内服液剤組成物に関し、鉄由来の錆味をマスキングし
て、良好な服用性を確保することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鉄化合物
含有内服液剤において、鉄由来の金属味をマスキングす
るために糖類の配合を試みてきたが、かかる液剤に関
し、経時的に増強する鉄由来の錆味が、液剤中に存在す
る二価の鉄イオンに起因するものであることを見出し
た。すなわち、二価の鉄化合物を配合した場合にはそれ
によって生じる二価の鉄イオンの存在によって、また、
三価の鉄化合物を配合した場合には三価の鉄イオンが還
元されて二価の鉄イオンとなることにより、単なる金属
味とは異なる鉄由来の錆味が生じることを見出した。
【0006】本発明者らが、かかる知見に基づき完成す
るに至った本発明は、三価の鉄イオンおよび非還元性物
質からなることを特徴とする内服液剤組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における三価の鉄イオンと
は、三価の鉄化合物を水溶液中に溶解させたときに生じ
る鉄イオン、または、二価の鉄化合物を水溶液中に溶解
させて生じた二価の鉄イオンを酸化させたときに生じる
鉄イオンである。配合する鉄化合物としては、三価の鉄
化合物が好ましく、例えば、クエン酸第二鉄アンモニウ
ム、硫酸第二鉄、塩化第二鉄などが挙げられる。これら
は単独で配合してもよく、また、2種以上を組み合わせ
て配合してもよい。
【0008】また、二価の鉄化合物を配合させたときに
は溶液をエアレーションするなどして二価の鉄イオンを
三価の鉄イオンに酸化させればよい。
【0009】鉄の含量は、栄養摂取量の面から鉄化合物
中の鉄イオンに換算して、1日当たり0.5〜60mg
が好ましい。
【0010】本発明の非還元性物質とは、当該内服液剤
組成物中の三価の鉄イオンを二価の鉄イオンに還元する
性質を有さない物質であれば特に限定されるものではな
いが、例えば、糖アルコールを挙げることができる。
【0011】本発明の糖アルコールとしては、ソルビト
ール、キシリトール、マルチトール、エリスリトールな
どが挙げられる。これらは、単独で配合してもよく、ま
た、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0012】糖アルコールの配合量は、糖アルコールに
は緩下作用があるので、1回服用量は1〜40gで最大
無作用量以下に設定する必要がある。
【0013】本発明にかかる内服液剤組成物のpHは、
好ましくは2.5〜7.0であり、より好ましくは3.
0〜5.5である。pH2.5未満の酸性域では酸味が
強すぎて服用性の点で好ましくなく、pHが7.0を超
える塩基性域では、液剤中の鉄イオンが水酸化鉄となっ
て沈殿するので好ましくないからである。
【0014】したがって、本発明の内服液剤組成物のp
Hを上記範囲に保つために、必要に応じてpH調製剤が
配合される。このようなpH調製剤としては、クエン
酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、コハク酸など
の有機酸およびそれらの塩類、塩酸などの無機酸、水酸
化ナトリウムなどの無機塩基などが挙げられる。
【0015】本発明の内服液剤組成物において、多量の
還元性物質(例えば、還元糖)を配合すると三価の鉄イ
オンが還元されて二価の鉄イオンとなり、鉄由来の錆味
を生じるので好ましくないが、三価の鉄イオンの還元に
実質的に影響を及ぼさない程度の還元性物質の配合は差
し支えない。
【0016】本発明の内服液剤組成物にはその他の成分
として、ビタミン類、他のミネラル類、アミノ酸および
その塩類、生薬、生薬抽出物、ローヤルゼリー、カフェ
イン、γ−オリザノール、コンドロイチン硫酸ナトリウ
ムなどを本発明の効果を損なわない範囲で適宜に配合す
ることができる。
【0017】さらに必要に応じて、抗酸化剤、着色剤、
香料、矯味剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、甘味
料などの公知の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲
で適宜に配合することができる。
【0018】本発明にかかる内服液剤組成物は、常法に
より調製することができ、その方法は特に限定されるも
のではないが、通常、各成分を規定量以下の精製水に混
合し、規定量に容量調整し、必要に応じてろ過、滅菌処
理することにより得られる。
【0019】本発明の内服液剤組成物は、例えばシロッ
プ剤、ドリンク剤などの医薬品や医薬部外の内服液剤、
健康飲料などの各種飲料に適用することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明により、経時的に増大する鉄由来
の不快な錆味が軽減され、服用性良好な鉄化合物含有内
服液剤を提供することが可能となった。
【0021】
【実施例】以下に実施例、比較例および試験例を挙げ、
本発明をさらに詳しく説明する。
【0022】〔実施例1〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.06g ソルビトール 10.00g クエン酸 0.10g 水酸化ナトリウム 適 量 上記成分を精製水に溶解させてpHを3.5に調整し、
全量を100mLとしてガラス瓶に充填した。
【0023】〔実施例2〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.06g キシリトール 10.00g クエン酸 0.10g 水酸化ナトリウム 適 量 上記成分を精製水に溶解させてpHを4.5に調整し、
全量を100mLとしてガラス瓶に充填した。
【0024】〔実施例3〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.06g マルチトール 10.00g クエン酸 0.10g 水酸化ナトリウム 適 量 上記成分を精製水に溶解させてpHを3.0に調整し、
全量を100mLとしてガラス瓶に充填した。
【0025】〔実施例4〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.06g マルチトール 5.00g キシリトール 5.00g クエン酸 0.10g 水酸化ナトリウム 適 量 上記成分を精製水に溶解させてpHを3.0に調整し、
全量を100mLとしてガラス瓶に充填した。
【0026】〔比較例1〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.06g 果糖 5.00g クエン酸 0.10g 水酸化ナトリウム 適 量 上記成分を精製水に溶解させてpHを3.0に調整し、
全量を100mLとしてガラス瓶に充填した。
【0027】〔比較例2〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.06g ブドウ糖 10.00g クエン酸 0.10g 水酸化ナトリウム 適 量 上記成分を精製水に溶解させてpHを4.5に調整し、
全量を100mLとしてガラス瓶に充填した。
【0028】〔比較例3〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.06g 精製白糖 10.00g クエン酸 0.10g 水酸化ナトリウム 適 量 上記成分を精製水に溶解させてpHを3.5に調整し、
全量を100mLとしてガラス瓶に充填した。
【0029】〔比較例4〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.06g 果糖 5.00g ソルビトール 5.00g クエン酸 0.10g 水酸化ナトリウム 適 量 上記成分を精製水に溶解させてpHを3.0に調整し、
全量を100mLとしてガラス瓶に充填した。
【0030】〔試験例〕実施例1〜4および比較例1〜
4で調製した8種の液剤を65℃で1週間保存した後、
風味試験を実施した。評価方法は以下の通りである。
【0031】28〜41歳までの男性8人をパネラーと
して、風味の評価はサンプル10mLを服用してもら
い、鉄由来の錆味について評価してもらった。一つのサ
ンプル液を評価した後は、温湯で口中をすすぎ、30分
以上経過してから次のサンプル液の評価を行った。
【0032】 鉄の錆味がしない 1点 鉄の錆味がほとんどしない 2点 鉄の錆味がややする 3点 鉄の錆味がする 4点 鉄の錆味がやや強い 5点 鉄の錆味がかなり強い 6点
【0033】
【表1】
【0034】〔実施例5〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.10g グルコン酸カルシウム 0.80g アスパラギン酸マグネシウム 0.40g 硝酸チアミン 0.02g リン酸リボフラビンナトリウム 0.02g 塩酸ピリドキシン 0.02g ニコチン酸アミド 0.08g 塩化カルニチン 0.08g 無水カフェイン 0.10g アミノエチルスルホン酸 2.00g ヨクイニン流エキス 2.40g エリスリトール 20.00g 安息香酸ナトリウム 0.06g ソルビン酸カリウム 0.06g クエン酸 2.00g クエン酸ナトリウム 適 量 アップル系フレーバー 微 量 上記成分を精製水に溶解させて全量を200mLとし、
pHを3.0に調製した。調製液をろ紙で濾過し、滅菌
装置を用いて濾液を95℃で1分間加熱滅菌した後、ガ
ラス瓶に充填しキャップを施して内服液剤を得た。
【0035】〔実施例6〕 上記成分を精製水に溶解させて全量を200mLとし、
実施例5に準拠して内服液剤を得た(pH2.5)。
【0036】〔実施例7〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.20g グルコン酸亜鉛 0.20g グルコン酸銅 0.05g グルコン酸カルシウム 1.00g アスパラギン酸マグネシウム 0.50g リボフラビン 0.01g 塩酸ピリドキシン 0.10g アミノエチルスルホン酸 1.00g コンドロイチン硫酸ナトリウム 1.00g エリスリトール 20.00g キシリトール 7.00g ステビア抽出物 0.016g リンゴ酸 0.40g クエン酸ナトリウム 適 量 安息香酸 0.06g ミックスフルーツフレーバー 微 量 上記成分を精製水に溶解させて全量を200mLとし、
実施例5に準拠して内服液剤を得た(pH4.0)。
【0037】〔実施例8〕 クエン酸第二鉄アンモニウム 0.10g リボフラビン 0.01g 塩酸ピリドキシン 0.02g シアノコバラミン 1500μg パンテノール 0.06g アミノエチルスルホン酸 2.00g マルチトール 1.00g キシリトール 4.00g エリスリトール 10.00g クエン酸 0.60g リンゴ酸ナトリウム 適 量 安息香酸 0.06g ミックスフルーツフレーバー 微 量 上記成分を精製水に溶解させて全量を200mLとし、
実施例5に準拠して内服液剤を得た(pH3.5)。
【0038】上記実施例5〜8の内服液剤は鉄由来の錆
味が充分にマスキングされ、服用性のよいものであっ
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三価の鉄イオンおよび非還元性物質から
    なることを特徴とする内服液剤組成物。
  2. 【請求項2】 非還元性物質が糖アルコールである請求
    項1に記載の内服液剤組成物。
  3. 【請求項3】 糖アルコールがソルビトール、マルチト
    ール、キシリトールおよびエリスリトールからなる群か
    ら選ばれる1種または2種以上である請求項1または2
    に記載の内服液剤組成物。
  4. 【請求項4】 pHが2.5〜7.0である請求項1〜
    3のいずれかに記載の内服液剤組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080375A (ja) * 2000-09-04 2002-03-19 Taisho Pharmaceut Co Ltd 鉄化合物配合内服液剤
JP2002097141A (ja) * 2000-09-19 2002-04-02 Nikken Chem Co Ltd ビタミンb類含有水溶液組成物
JP2017508799A (ja) * 2014-03-12 2017-03-30 シールド ティーエックス (ユーケー) リミテッド 組成物

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JP2002097141A (ja) * 2000-09-19 2002-04-02 Nikken Chem Co Ltd ビタミンb類含有水溶液組成物
JP2017508799A (ja) * 2014-03-12 2017-03-30 シールド ティーエックス (ユーケー) リミテッド 組成物

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