JP2000238204A - 耐汚染性フッ素樹脂シート - Google Patents
耐汚染性フッ素樹脂シートInfo
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- JP2000238204A JP2000238204A JP11039716A JP3971699A JP2000238204A JP 2000238204 A JP2000238204 A JP 2000238204A JP 11039716 A JP11039716 A JP 11039716A JP 3971699 A JP3971699 A JP 3971699A JP 2000238204 A JP2000238204 A JP 2000238204A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐汚染性に優れたフッ素樹脂からなるシート
を提供する。 【解決手段】フッ素樹脂からなるシートであって、少な
くとも一つの表面に有機シリケート化合物を塗布してな
る耐汚染性表面を有するシート。
を提供する。 【解決手段】フッ素樹脂からなるシートであって、少な
くとも一つの表面に有機シリケート化合物を塗布してな
る耐汚染性表面を有するシート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性表面を有
するフッ素樹脂およびフッ素樹脂積層シートに関する。
するフッ素樹脂およびフッ素樹脂積層シートに関する。
【0002】
【従来技術】樹脂シートは各種の用途に使用されてお
り、繊維クロスを組み合わせた積層シートとしても使わ
れている。塩化ビニル樹脂などの汎用樹脂からなるシー
トでは時間の経過とともに汚染が発生するため、その対
策として、アルキルシリケートをプラスチック物品に直
接塗布、またはシートに練り込むことで耐汚染性を向上
させるという試みが特開昭61−221282に提案さ
れており、何れも優れた耐汚染効果のあることが記載さ
れている。
り、繊維クロスを組み合わせた積層シートとしても使わ
れている。塩化ビニル樹脂などの汎用樹脂からなるシー
トでは時間の経過とともに汚染が発生するため、その対
策として、アルキルシリケートをプラスチック物品に直
接塗布、またはシートに練り込むことで耐汚染性を向上
させるという試みが特開昭61−221282に提案さ
れており、何れも優れた耐汚染効果のあることが記載さ
れている。
【0003】一方、シートにフッ素樹脂を用いたものも
市販されており、例えば、軟質フッ素樹脂とガラス繊維
からなる積層シートでは積層間の剥離、樹脂の黄変また
はひび割れといった現象は起こらず、耐汚染性と長期の
耐候性がともに優れることが知られている。
市販されており、例えば、軟質フッ素樹脂とガラス繊維
からなる積層シートでは積層間の剥離、樹脂の黄変また
はひび割れといった現象は起こらず、耐汚染性と長期の
耐候性がともに優れることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながらフッ素
樹脂を用いた積層シートも長期間屋外に曝露した場合に
は、いわゆる「雨筋汚れ」と呼ばれる筋状の汚れが付着
することも合わせて見出した。この原因についてはいく
つかの説があり、その1つはフッ素樹脂のように比較的
高い水接触角を持つ樹脂では、一定の場所を雨が絶えず
流下するため、その部分は常に汚染物質にさらされる結
果、汚染物質が徐々に堆積し「雨筋汚れ」となるという
ものである。そこで表面の水接触角を低減し、膜面全体
に均一に雨が流下する表面とすることにより「雨筋汚
れ」を防ぐという方法が、塗料関係では提案されている
(特許国際公開 WO 94/06870号)。すなわ
ち塗料液中に有機シリケート化合物を予め添加してお
き、この有機シリケートが徐々に大気中の水分と反応し
て表面が親水化する結果、水接触角が低減し「雨筋汚
れ」が発生しにくい表面になるというものである。ただ
この場合には塗料液中の溶剤が飛散する過程で、表面に
有機シリケート化合物が遍在する結果、水接触角の低減
が図れるといわれており、溶剤のない状態で成型する積
層シートのシートには当てはめることができなかった。
樹脂を用いた積層シートも長期間屋外に曝露した場合に
は、いわゆる「雨筋汚れ」と呼ばれる筋状の汚れが付着
することも合わせて見出した。この原因についてはいく
つかの説があり、その1つはフッ素樹脂のように比較的
高い水接触角を持つ樹脂では、一定の場所を雨が絶えず
流下するため、その部分は常に汚染物質にさらされる結
果、汚染物質が徐々に堆積し「雨筋汚れ」となるという
ものである。そこで表面の水接触角を低減し、膜面全体
に均一に雨が流下する表面とすることにより「雨筋汚
れ」を防ぐという方法が、塗料関係では提案されている
(特許国際公開 WO 94/06870号)。すなわ
ち塗料液中に有機シリケート化合物を予め添加してお
き、この有機シリケートが徐々に大気中の水分と反応し
て表面が親水化する結果、水接触角が低減し「雨筋汚
れ」が発生しにくい表面になるというものである。ただ
この場合には塗料液中の溶剤が飛散する過程で、表面に
有機シリケート化合物が遍在する結果、水接触角の低減
が図れるといわれており、溶剤のない状態で成型する積
層シートのシートには当てはめることができなかった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記の知見に基づき本
発明者らが特定の有機シリケート化合物を直接フッ素樹
脂積層シートの表面に塗布してみたところ、「雨筋汚
れ」が発生しないばかりでなく、汚れそのものもほとん
ど付着しないことを見いだし、本発明に到達した。
発明者らが特定の有機シリケート化合物を直接フッ素樹
脂積層シートの表面に塗布してみたところ、「雨筋汚
れ」が発生しないばかりでなく、汚れそのものもほとん
ど付着しないことを見いだし、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明はフッ素樹脂からなるシ
ートまたは積層シートであって、少なくとも一つの表面
に有機シリケート化合物を塗布してなる耐汚染性表面を
有するシートまたは積層シートである。
ートまたは積層シートであって、少なくとも一つの表面
に有機シリケート化合物を塗布してなる耐汚染性表面を
有するシートまたは積層シートである。
【0007】本発明に使用するフッ素樹脂は柔軟性を有
するフッ素樹脂(以下「軟質フッ素樹脂」という)であ
る。また、軟質フッ素樹脂は、フッ化ビニリデン(VD
F)の共重合体であり、かつ23℃における引張弾性率
が3,000kgf/cm2以下の樹脂をいう。
するフッ素樹脂(以下「軟質フッ素樹脂」という)であ
る。また、軟質フッ素樹脂は、フッ化ビニリデン(VD
F)の共重合体であり、かつ23℃における引張弾性率
が3,000kgf/cm2以下の樹脂をいう。
【0008】かかる共重合体としては、VDFとヘキサ
フルオロプロピレン(HFP)、VDFとクロロトリフ
ルオロエチレン(CTFE)等の二元共重合体、VDF
とHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)との三元
共重合体等、またはこれらの単量体から得られる特定の
グラフト共重合体が挙げられる。
フルオロプロピレン(HFP)、VDFとクロロトリフ
ルオロエチレン(CTFE)等の二元共重合体、VDF
とHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)との三元
共重合体等、またはこれらの単量体から得られる特定の
グラフト共重合体が挙げられる。
【0009】このグラフト共重合体は、少なくとも一種
の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体、例えば、V
DFとCTFEの混合物と、分子内に二重結合とペルオ
キシ結合を含有し、かつそのガラス転移温度が室温以下
である含フッ素共重合体を製造することを第一段階と
し、第二段階において、第一段階で得られた共重合体を
水性乳濁液または分散溶媒中で、融点が130℃以上で
ある結晶性重合体を与える、少なくとも一種の含フッ素
単量体、例えば、VDFを含む一種以上の単量体を、グ
ラフト共重合させたフッ素樹脂である。ここで使用する
分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量
体としては、t−ブチルペルオキシメタアクリレ−ト、
t−ブチルペルオキシクロネート等の不飽和ペルオキシ
エステル類、およびt−ブチルペルオキシアリルカーボ
ネート等の不飽和ペルオキシエステル類、およびt−ブ
チルペルオキシアリルカーボネート、p−メンタンペル
オキシアリルカーボネート等の不飽和ペルオキシカーボ
ネート類が例示できる。
の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体、例えば、V
DFとCTFEの混合物と、分子内に二重結合とペルオ
キシ結合を含有し、かつそのガラス転移温度が室温以下
である含フッ素共重合体を製造することを第一段階と
し、第二段階において、第一段階で得られた共重合体を
水性乳濁液または分散溶媒中で、融点が130℃以上で
ある結晶性重合体を与える、少なくとも一種の含フッ素
単量体、例えば、VDFを含む一種以上の単量体を、グ
ラフト共重合させたフッ素樹脂である。ここで使用する
分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量
体としては、t−ブチルペルオキシメタアクリレ−ト、
t−ブチルペルオキシクロネート等の不飽和ペルオキシ
エステル類、およびt−ブチルペルオキシアリルカーボ
ネート等の不飽和ペルオキシエステル類、およびt−ブ
チルペルオキシアリルカーボネート、p−メンタンペル
オキシアリルカーボネート等の不飽和ペルオキシカーボ
ネート類が例示できる。
【0010】本発明でいうフッ素樹脂は、前記フッ素樹
脂およびそれと相溶性の良好な他の樹脂、例えば、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)やアクリル樹脂等をブレ
ンドしたブレンド樹脂を含むものである。アクリル樹脂
としては、(メタ)アクリル酸の炭素数8以下のアルキ
ルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の一種以上
の単量体構造単位からなるものが使用される。この際、
シートの柔軟性、耐候性等を維持するためには、これら
の相溶性の良好な樹脂の混合割合は、軟質フッ素樹脂1
00重量部当たり、0〜100重量部、好ましくは0〜
50重量部の範囲とするのがよい。
脂およびそれと相溶性の良好な他の樹脂、例えば、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)やアクリル樹脂等をブレ
ンドしたブレンド樹脂を含むものである。アクリル樹脂
としては、(メタ)アクリル酸の炭素数8以下のアルキ
ルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の一種以上
の単量体構造単位からなるものが使用される。この際、
シートの柔軟性、耐候性等を維持するためには、これら
の相溶性の良好な樹脂の混合割合は、軟質フッ素樹脂1
00重量部当たり、0〜100重量部、好ましくは0〜
50重量部の範囲とするのがよい。
【0011】本発明にかかるシートはどのような方法で
製造されたものであってもよい。例えば、押出成型法、
プレス成型法またはカレンダー成型法等によって製造で
きる。これらのうちカレンダー成型法が生産性の点で最
も好ましい。
製造されたものであってもよい。例えば、押出成型法、
プレス成型法またはカレンダー成型法等によって製造で
きる。これらのうちカレンダー成型法が生産性の点で最
も好ましい。
【0012】本発明のシートに塗布する有機シリケート
化合物は、一般式
化合物は、一般式
【0013】
【化1】
【0014】(R1は炭素数1〜8のアルキル基または
アリール基を表し、nは0もしくは11以下の整数を表
す。)で表される化合物である。アルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プ
ロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基、2−エチルヘキシル基など、アリール基として
は、フェニル基、トリル基、パラメトキシ基などを挙げ
ることができる。また、具体的には、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシ
ラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブトキ
シシラン、テトラ−2−メトキシエトキシシラン、テト
ラ−2−エチルヘキシロキシシランなど、またはこれら
の低縮合物を挙げることができる。これらの低縮合物の
構造は明らかではないが、Si−O結合からなる骨格と
アルコキシ基からなるポリ珪酸エステルであって、骨格
は化1では直鎖として表示してあるが分岐を有すること
もあり、また、環状構造をとることもある。その製造方
法はどのようなものであってもよいが、例えば前記した
テトラアルコキシシランに水、酸、および/または溶剤
を加えて部分的に加水分解して縮合させて得ることがで
きる。このような部分加水分解されたアルキルシリケー
トは縮合度、構造、アルコキシ基の種類の異なる各種の
ものが市販されており、例えばMシリケート51、エチ
ルシリケート40、エチルシリケート45(以上、多摩
化学工業(株)製品)、エチルシリケート40、エチル
シリケート48、n−プロピルシリケート、n−ブチル
シリケート、メチルシリケート51(以上、コルコート
(株)製品)などの有効シリカ分を28〜52重量%程
度のもの、またはテトラエトキシシランをエタノールや
イソプロパノールに溶解して加水分解したHAS−1、
HAS−6、HAS−10(以上、コルコート(株)製
品)などがある。また、これらをさらに加水分解してシ
リカ分を57重量%にまで濃縮した有機シリケート化合
物を使用することも可能である。
アリール基を表し、nは0もしくは11以下の整数を表
す。)で表される化合物である。アルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プ
ロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基、2−エチルヘキシル基など、アリール基として
は、フェニル基、トリル基、パラメトキシ基などを挙げ
ることができる。また、具体的には、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシ
ラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブトキ
シシラン、テトラ−2−メトキシエトキシシラン、テト
ラ−2−エチルヘキシロキシシランなど、またはこれら
の低縮合物を挙げることができる。これらの低縮合物の
構造は明らかではないが、Si−O結合からなる骨格と
アルコキシ基からなるポリ珪酸エステルであって、骨格
は化1では直鎖として表示してあるが分岐を有すること
もあり、また、環状構造をとることもある。その製造方
法はどのようなものであってもよいが、例えば前記した
テトラアルコキシシランに水、酸、および/または溶剤
を加えて部分的に加水分解して縮合させて得ることがで
きる。このような部分加水分解されたアルキルシリケー
トは縮合度、構造、アルコキシ基の種類の異なる各種の
ものが市販されており、例えばMシリケート51、エチ
ルシリケート40、エチルシリケート45(以上、多摩
化学工業(株)製品)、エチルシリケート40、エチル
シリケート48、n−プロピルシリケート、n−ブチル
シリケート、メチルシリケート51(以上、コルコート
(株)製品)などの有効シリカ分を28〜52重量%程
度のもの、またはテトラエトキシシランをエタノールや
イソプロパノールに溶解して加水分解したHAS−1、
HAS−6、HAS−10(以上、コルコート(株)製
品)などがある。また、これらをさらに加水分解してシ
リカ分を57重量%にまで濃縮した有機シリケート化合
物を使用することも可能である。
【0015】これらの有機シリケート化合物はアルコー
ル中で安定に存在するため、アルコール溶液として使用
することができる。かかるアルコールの例としては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、nープロピルアル
コール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2
−エチルヘキサノ−ル等が挙げられる。また沈殿等の発
生しない範囲内で、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
イソプロピル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル、
酢酸ヘキシル等のエステル類、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル
等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド等のアミド類等の溶剤を混合して使うことも可
能である。有機シリケート化合物は、それ自体のアルコ
ール溶液または、それに水および/または酸を加えて部
分的に加水分解して調製した溶液として塗布する。
ル中で安定に存在するため、アルコール溶液として使用
することができる。かかるアルコールの例としては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、nープロピルアル
コール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2
−エチルヘキサノ−ル等が挙げられる。また沈殿等の発
生しない範囲内で、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
イソプロピル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル、
酢酸ヘキシル等のエステル類、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル
等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド等のアミド類等の溶剤を混合して使うことも可
能である。有機シリケート化合物は、それ自体のアルコ
ール溶液または、それに水および/または酸を加えて部
分的に加水分解して調製した溶液として塗布する。
【0016】また、フッ素樹脂組成物には、塗布する有
機シリケート化合物との反応を促進するため、硬化触媒
を添加してもよい。かかる硬化触媒としては、アルミニ
ウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属類にアルコキ
シド基が結合した金属アルコキシド類、該金属アルコキ
シド類にケト・エノール互変異性体を構成しうるキレー
ト化合物が配位した金属キレート化合物類、ジブチル錫
ジラウレート等の有機錫化合物、ルイス酸、p−トルエ
ンスルホン酸等の有機プロトン酸、無機プロトン酸等が
挙げられる。
機シリケート化合物との反応を促進するため、硬化触媒
を添加してもよい。かかる硬化触媒としては、アルミニ
ウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属類にアルコキ
シド基が結合した金属アルコキシド類、該金属アルコキ
シド類にケト・エノール互変異性体を構成しうるキレー
ト化合物が配位した金属キレート化合物類、ジブチル錫
ジラウレート等の有機錫化合物、ルイス酸、p−トルエ
ンスルホン酸等の有機プロトン酸、無機プロトン酸等が
挙げられる。
【0017】硬化触媒の配合割合はフッ素樹脂(ブレン
ド樹脂の場合はブレンド樹脂)100重量部当たり、
0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部
である。硬化触媒が0.01重量部未満では耐汚染性の
発現が遅く、また30重量部を上回ると耐水性が低下す
るので好ましくない。
ド樹脂の場合はブレンド樹脂)100重量部当たり、
0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部
である。硬化触媒が0.01重量部未満では耐汚染性の
発現が遅く、また30重量部を上回ると耐水性が低下す
るので好ましくない。
【0018】また、耐汚染性付与剤の塗布方法としては
エアースプレー、エアレススプレー、刷毛、ローラー等
の通常のコーテイングに使用される方法で塗布可能であ
り、特に制限はない。さらに塗布後の乾燥・後処理条件
は、室温でもよく200℃程度まで加熱してもよい。
エアースプレー、エアレススプレー、刷毛、ローラー等
の通常のコーテイングに使用される方法で塗布可能であ
り、特に制限はない。さらに塗布後の乾燥・後処理条件
は、室温でもよく200℃程度まで加熱してもよい。
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって詳細に説明
するが、実施態様はこれらに限られない。
するが、実施態様はこれらに限られない。
【0020】[シ−トの製造例1]フッ化ビニリデン
(VDF)とクロロトリフルオロエチレン(CTFE)
の共重合体にVDFをグラフト重合させた軟質フッ素樹
脂(セントラル硝子(株)製セフラルソフトG150)
100重量部に顔料としてルチル型酸化チタン(大日精
化(株)製)2.0重量部、成形助剤としてPTFE
(デュポン(株)製テフロン6J)0.2重量部、ワッ
クス(東京ファイン(株)製A−720)0.3部を配
合したコンパウンドを用いて、カレンダー成型機で約1
00μm厚みのフィルム成型した。
(VDF)とクロロトリフルオロエチレン(CTFE)
の共重合体にVDFをグラフト重合させた軟質フッ素樹
脂(セントラル硝子(株)製セフラルソフトG150)
100重量部に顔料としてルチル型酸化チタン(大日精
化(株)製)2.0重量部、成形助剤としてPTFE
(デュポン(株)製テフロン6J)0.2重量部、ワッ
クス(東京ファイン(株)製A−720)0.3部を配
合したコンパウンドを用いて、カレンダー成型機で約1
00μm厚みのフィルム成型した。
【0021】[シ−トの製造例2]軟質フッ素樹脂(セ
ントラル硝子(株)製セフラルソフトG150)100
重量部にPVDF(アウジモント(株)製ハイラー46
0)5重量部、顔料としてルチル型酸化チタン(大日精
化(株)製)2.0重量部、成形助剤としてPTFE
(デュポン(株)製テフロン6J)0.2重量部、ワッ
クス(東京ファイン(株)製A−720)0.3部を配
合したコンパウンドを用いて、カレンダー成型機で約1
00μm厚みのシート2を成型した。
ントラル硝子(株)製セフラルソフトG150)100
重量部にPVDF(アウジモント(株)製ハイラー46
0)5重量部、顔料としてルチル型酸化チタン(大日精
化(株)製)2.0重量部、成形助剤としてPTFE
(デュポン(株)製テフロン6J)0.2重量部、ワッ
クス(東京ファイン(株)製A−720)0.3部を配
合したコンパウンドを用いて、カレンダー成型機で約1
00μm厚みのシート2を成型した。
【0022】[シ−トの製造例3]軟質フッ素樹脂(セ
ントラル硝子(株)製セフラルソフトG150)100
重量部にPVDF(アウジモント(株)製ハイラー46
0)5重量部、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製
パラロイドB−44)15重量部、顔料としてルチル型
酸化チタン(大日精化(株)製)2.0重量部、成形助
剤としてPTFE(デュポン(株)製テフロン6J)
0.2重量部、ワックス(東京ファイン(株)製A−7
20)0.3部を配合したコンパウンドを用いて、カレ
ンダー成型機で約100μm厚みのシート3を成型し
た。
ントラル硝子(株)製セフラルソフトG150)100
重量部にPVDF(アウジモント(株)製ハイラー46
0)5重量部、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製
パラロイドB−44)15重量部、顔料としてルチル型
酸化チタン(大日精化(株)製)2.0重量部、成形助
剤としてPTFE(デュポン(株)製テフロン6J)
0.2重量部、ワックス(東京ファイン(株)製A−7
20)0.3部を配合したコンパウンドを用いて、カレ
ンダー成型機で約100μm厚みのシート3を成型し
た。
【0023】[シートの製造例4]軟質フッ素樹脂とし
てVDF/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合
体(ソルベー(株)製SOLEF21508)100重
量部にPVDF(アウジモント(株)製ハイラー46
0)5重量部、顔料としてルチル型酸化チタン(大日精
化(株)製)2.0重量部、成形助剤としてPTFE
(デュポン(株)製テフロン6J)0.2重量部、ワッ
クス(東京ファイン(株)製A−720)0.3部を配
合したコンパウンドを用いて、カレンダー成型機で約1
00μm厚みのシート4を得た。
てVDF/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合
体(ソルベー(株)製SOLEF21508)100重
量部にPVDF(アウジモント(株)製ハイラー46
0)5重量部、顔料としてルチル型酸化チタン(大日精
化(株)製)2.0重量部、成形助剤としてPTFE
(デュポン(株)製テフロン6J)0.2重量部、ワッ
クス(東京ファイン(株)製A−720)0.3部を配
合したコンパウンドを用いて、カレンダー成型機で約1
00μm厚みのシート4を得た。
【0024】[積層シ−トの製造例5]軟質フッ素樹脂
(セントラル硝子(株)製セフラルソフトG150、融
点165℃)100重量部にN,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)511重量部を添加し、室温にてデイス
パーサーを用いて30分撹拌し、固形分濃度18%のD
MF溶液を得た。
(セントラル硝子(株)製セフラルソフトG150、融
点165℃)100重量部にN,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)511重量部を添加し、室温にてデイス
パーサーを用いて30分撹拌し、固形分濃度18%のD
MF溶液を得た。
【0025】ついでDMF溶液100重量部に対し、硬
化剤としてポリイソシアヌレート(日本ポリウレタン
(株)製コロネートHX)2重量部を添加し、充分に撹
拌して接着剤溶液を得た。
化剤としてポリイソシアヌレート(日本ポリウレタン
(株)製コロネートHX)2重量部を添加し、充分に撹
拌して接着剤溶液を得た。
【0026】ついで自動接着剤含浸装置に幅150cm
のポリエチレンテレフタレート製クロス(東レ(株)製
TF61)をセットし、接着剤溶液を浸漬層に投入し
た。予備乾燥炉の温度が120℃に、また本乾燥炉の温
度が180℃になったところで、クロスを10m/分の
速度で走らせ、接着剤の含浸を行った。塗布量は約25
g/m2 であった。
のポリエチレンテレフタレート製クロス(東レ(株)製
TF61)をセットし、接着剤溶液を浸漬層に投入し
た。予備乾燥炉の温度が120℃に、また本乾燥炉の温
度が180℃になったところで、クロスを10m/分の
速度で走らせ、接着剤の含浸を行った。塗布量は約25
g/m2 であった。
【0027】ついでシートの製造例1と同じ組成のコン
パウンドを用いて、カレンダー成型機で約200μm厚
みのフィルム成型し、成型機下部より導入した上記の接
着剤含浸クロスとロール上で一体化させることにより、
片面がクロスに接着した積層シートを得た。同様の方法
で反対側を接着させ、クロスの両面にフッ素樹脂フィル
ムが接着した積層シート(シート5)を得た。得られた
積層シートの平均厚みは650μm、単位面積当たりの
重量は750g/m2 であった。
パウンドを用いて、カレンダー成型機で約200μm厚
みのフィルム成型し、成型機下部より導入した上記の接
着剤含浸クロスとロール上で一体化させることにより、
片面がクロスに接着した積層シートを得た。同様の方法
で反対側を接着させ、クロスの両面にフッ素樹脂フィル
ムが接着した積層シート(シート5)を得た。得られた
積層シートの平均厚みは650μm、単位面積当たりの
重量は750g/m2 であった。
【0028】[実施例1]有機シリケート化合物として
HAS−10(コルコート(株)製テトラエトキシシラ
ンの部分加水分解物)を用いてイソプロピルアルコール
で稀釈し、3.0%濃度(シリカとしての重量%、以下
同じ)の稀釈シリケート溶液を作成した。ついで[シー
トの製造例1]で得られたシート1の表面にエアースプ
レーを用いて塗布し、室温にて7日間放置した。得られ
た塗布シートは、両面テープを用いてアルミ板に貼り付
け、45度面およびそれに続く垂直面双方の汚染の程度
が判定できるように、中央部分を45度に折り曲げた
後、45度に傾けた屋外曝露架台にセットした。45度
面の汚染の程度は未曝露品との色差を測定し、垂直面は
雨筋汚れの状態を目視で観察し、次の基準で評価した。
HAS−10(コルコート(株)製テトラエトキシシラ
ンの部分加水分解物)を用いてイソプロピルアルコール
で稀釈し、3.0%濃度(シリカとしての重量%、以下
同じ)の稀釈シリケート溶液を作成した。ついで[シー
トの製造例1]で得られたシート1の表面にエアースプ
レーを用いて塗布し、室温にて7日間放置した。得られ
た塗布シートは、両面テープを用いてアルミ板に貼り付
け、45度面およびそれに続く垂直面双方の汚染の程度
が判定できるように、中央部分を45度に折り曲げた
後、45度に傾けた屋外曝露架台にセットした。45度
面の汚染の程度は未曝露品との色差を測定し、垂直面は
雨筋汚れの状態を目視で観察し、次の基準で評価した。
【0029】 ◎:雨筋が全く認められない ○:雨筋が認められるが、極めて薄い △:雨筋が認められるが、薄い ×:はっきり認識できる雨筋が認められる また耐久性を評価するため、有機シリケート化合物塗布
シートをメタルハライドランプを光源とする促進耐候性
試験機(ダイプラウインテス(株)製アイスーパーUV
テスター)にセットし、700時間後の引張強度または
引張強力および伸びを測定した。有機シリケート化合物
の塗布条件および耐汚染性、耐久性の評価結果を表1、
2に示した。
シートをメタルハライドランプを光源とする促進耐候性
試験機(ダイプラウインテス(株)製アイスーパーUV
テスター)にセットし、700時間後の引張強度または
引張強力および伸びを測定した。有機シリケート化合物
の塗布条件および耐汚染性、耐久性の評価結果を表1、
2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】[実施例2〜7、比較例1〜3]有機シリ
ケート化合物としてHAS−6、HAS−10(コルコ
ート(株)製テトラエトキシシランの部分加水分解
物)、エチルシリケート48(コルコート(株)製テト
ラエトキシシランの低縮合物)、テトラエトキシシラン
を用いてイソプロピルアルコールで稀釈し、それぞれ
3.0%濃度の稀釈シリケート溶液を作成し、シート1
〜5を用いて実施例1と同様の耐汚染性シートを作成
し、試験を行った。結果を表1、2に示した。
ケート化合物としてHAS−6、HAS−10(コルコ
ート(株)製テトラエトキシシランの部分加水分解
物)、エチルシリケート48(コルコート(株)製テト
ラエトキシシランの低縮合物)、テトラエトキシシラン
を用いてイソプロピルアルコールで稀釈し、それぞれ
3.0%濃度の稀釈シリケート溶液を作成し、シート1
〜5を用いて実施例1と同様の耐汚染性シートを作成
し、試験を行った。結果を表1、2に示した。
【0033】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂組成物を使用する
と、表面の耐汚染性付与剤である有機シリケート化合物
の塗布による効果の耐久性を顕著に延ばすことができる
という効果を奏する。
と、表面の耐汚染性付与剤である有機シリケート化合物
の塗布による効果の耐久性を顕著に延ばすことができる
という効果を奏する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 CA34 DA04 DB39 EB43 4F100 AA21 AH06C AK16 AK17 AK17B AL04 AT00A AT00B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C CA04 CA13 CA19 CC01C EH46 GB07 JL06 4J038 DL021 KA04 NA05 PC08
Claims (3)
- 【請求項1】フッ素樹脂からなるシートであって、少な
くとも一つの表面に有機シリケート化合物を塗布してな
る耐汚染性表面を有するシート。 - 【請求項2】フッ素樹脂からなるシートと少なくとも一
つの他のシートとからなる積層シートであって、該フッ
素樹脂からなるシートの外表面に有機シリケート化合物
を塗布してなる耐汚染性表面を有する積層シート。 - 【請求項3】他のシートが、繊維の織編物である請求項
2記載の積層シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03971699A JP3526231B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 耐汚染性フッ素樹脂シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03971699A JP3526231B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 耐汚染性フッ素樹脂シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000238204A true JP2000238204A (ja) | 2000-09-05 |
JP3526231B2 JP3526231B2 (ja) | 2004-05-10 |
Family
ID=12560722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03971699A Expired - Fee Related JP3526231B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 耐汚染性フッ素樹脂シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3526231B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100848307B1 (ko) * | 2001-04-04 | 2008-07-24 | 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 | 복합수지재료 및 이를 이용한 패널, 조리 기기 |
-
1999
- 1999-02-18 JP JP03971699A patent/JP3526231B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100848307B1 (ko) * | 2001-04-04 | 2008-07-24 | 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 | 복합수지재료 및 이를 이용한 패널, 조리 기기 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3526231B2 (ja) | 2004-05-10 |
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