JP2000238191A - 低汚染性内外装材 - Google Patents

低汚染性内外装材

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JP2000238191A
JP2000238191A JP11043937A JP4393799A JP2000238191A JP 2000238191 A JP2000238191 A JP 2000238191A JP 11043937 A JP11043937 A JP 11043937A JP 4393799 A JP4393799 A JP 4393799A JP 2000238191 A JP2000238191 A JP 2000238191A
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JP
Japan
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coating film
component
oxygen plasma
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JP11043937A
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English (en)
Inventor
Motomasa Haruna
基全 春名
Kazuo Seto
和夫 瀬戸
Hiroshi Tamaru
博 田丸
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーン塗料で塗装されたコンクリートや
スレート、モルタルなどの無機質硬化体、ステンレスな
どの鋼板、アルミニウムなどの非鉄金属基材、ガラス基
材、プラスチック基材等を用いた内外装材について、外
廻りでは外壁等の汚れ、内回りで、浴室の壁に用いた場
合は石鹸垢の汚れ、厨房まわりの壁に用いた場合は油汚
れがとれやすいものとする。 【解決手段】 シリコーン成分を50重量%以上含有
し、酸素プラズマ照射により表面改質された塗膜を最表
面層に有することを特徴とする低汚染性内外装材とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、低汚染性
内外装材に関するものである。さらに詳しくは、この出
願の発明は、シリコーン塗料で塗装されたコンクリート
やスレート、モルタル、ケイ酸カルシウム板などの無機
質硬化体、ステンレスなどの鋼板、アルミニウムなどの
非鉄金属基材、ガラス基材、プラスチック基材等を用い
た建築用内外装材について、外廻りでは外壁等の汚れ、
内回りで、浴室の壁に用いた場合は石鹸垢の汚れ、厨房
まわりの壁に用いた場合は油汚れがとれやすい壁材等を
提供することのできる、新しい内外装材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の傾向として、家の外壁や内壁は、
省施工で仕上げるためサイディングボードが使用される
ことが多くなってきている。なかでも、シリコーン成分
を有す塗料を用いて塗装を施したサイディングボード
は、耐候性が優れている、表面の傷が付きにくい、とい
う特性を持つことから、外壁や内壁に多く用いられるよ
うになっている。
【0003】一方で、一般塗装を施された内外装用壁
は、汚れ、メンテナンス性が問題になっている。外廻り
では、特に都市部では外装材の汚れがひどく、景観上、
問題になっている。原因は、排ガス、タイヤクズ等油性
のカーボンや油状物の付着と言われている。また、内廻
りでは浴室の壁に用いた場合は、石鹸垢の汚れ、厨房ま
わりの壁(キッチンボード)に用いた場合は、油汚れが
ついた場合の掃除のしやすさが問題である。
【0004】このような表面汚れについては、これを比
較的簡単に除去できるように塗装表面を親水性にするこ
とが有効であると考えられている。そこで、シリコーン
成分を有する塗料による塗装を施した内外装材について
もこのような表面親水化のための工夫が試みられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来では、以上のとお
りの事情から、内外装材の表面を親水性にする方法とし
て、親水化成分を表層を形成する塗料中にあらかじめ添
加しておく内部添加法や、表層を形成させた後、親水化
成分を重ね塗りする方法が採用されている。しかしなが
ら、従来の内部添加法の場合には、硬化過程で表面に親
水化成分がブリードアウトしなければならず、均一に表
面に出ることが難しく、ムラになりやすいという問題が
ある。また、強制乾燥させる場合は、硬化が速くなるた
めにさらにコントロールが難しい。また、表面に重ね塗
る場合は、親水化成分を長期にわたって密着させること
が難しく、クラック、剥離が生じる場合があるという問
題がある。
【0006】この出願の発明は、以上のような従来技術
の問題点を解消し、表面を親水化させ、かつ高い塗膜硬
度を有する新しい内外装材を提供することを課題として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
のとおりの課題を解決するものとして、第1には、シリ
コーン成分を50重量%以上含有し、酸素プラズマ照射
により表面改質された塗膜を最表面層に有することを特
徴とする低汚染性内外装材を提供する。また、この出願
の発明は、第2には、次式(I)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1 は各々メチル基、エチル基又
はフェニル基を表し、R2 は各々炭素数1〜8のアルキ
ル基を表す。mは0,1又は2である。)で表されるケ
イ素化合物及び/又はその部分加水分解物を主成分とす
るケイ素アルコキシド系コーティング剤が塗布されて酸
素プラズマ照射により表面改質されている前記の低汚染
性内外装材を、第3には、(a)次式(II)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R3 は各々置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価の炭化水素基を表し、Xは加水分解
性基を表す。nは0〜3の整数である。)で表される加
水分解性オルガノシランを、有機溶媒及び/又は水に分
散されたコロイド状シリカ中で部分加水分解してなる、
オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液と、(b)
平均組成式が次式(III)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R4 は各々置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価の炭化水素基を表し、dおよびeは
それぞれ0.2≦d≦2.0、0.0001≦e≦3、
d+e<4の関係を満たす数である。)で表される、分
子中にシラノール基を含有するポリオルガノシロキサン
と、(c)硬化触媒の、(a),(b),(c)の3成
分を必須成分として含有するケイ素アルコキシド系コー
ティング剤が塗布されて酸素プラズマ照射により表面改
質されている前記の低汚染性内外装材も提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】この出願の発明は以上のとおりの
特徴をもつものであるが以下にその実施の形態について
説明する。この出願の発明においては、酸素プラズマを
照射される塗膜は、シリコーン成分が50重量%以上含
まれる膜としている。50%よりも少ないと所望の硬度
や耐擦傷性が得られなかったり、外廻りの用途に用いた
場合、経年で塗膜劣化を引き起こしたりする場合があ
る。このため、親水性を有し、低汚染性を備えた内外装
材とするためにはシリコーン成分は50重量%以上とす
る。
【0015】酸素プラズマを照射されるシリコーン塗膜
は、例えば、オルガノシラン溶液に水を加えて加水分解
させた後、触媒を添加して得られたオルガノシランオリ
ゴマー溶液や、メチルトリクロロシラン、ジメチルジク
ロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジ
クロロシラン、もしくはこれらに対応するアルコキシシ
ランの1種もしくは2種以上の混合物を公知の方法によ
る大量の水で加水分解することによって得ることができ
るシラノール基含有ポリオルガノシロキサンと、オルガ
ノシランオリゴマーと、触媒とから成る溶液を、スプレ
ー等で内外装の基材に塗布後、乾燥させて得ることがで
きる。
【0016】以上のようなシリコーン塗膜は、前記のと
おりの特有のケイ素アルコキシド系コーティング剤の塗
布により得られたものとすることが有効でもある。第1
のケイ素アルコキシドコーティング剤は、前記の一般式
(I)で表されるケイ素化合物とその部分加水分解物の
うち少なくとも一方を主成分とするものである。次の
(i),(ii),(iii) の化合物を主成分とする混合物
を適当な溶剤で希釈し、硬化剤及び触媒を必要量添加し
て加水分解及び縮重合させて得ることができ、重量平均
分子量Mwがポリスチレン換算で500〜3000で、
且つ分子量分布Mw/Mn(Mnは数平均分子量)が
1.1〜3.0であるものが望ましい。より好ましくは
Mw=600〜3000で且つMw/Mn=1.2〜
1.8である。重量平均分子量及び分子量分布がこの範
囲より小さいときには、縮重合の際の硬化収縮が大きく
なり、焼き付け後に塗膜にクラックが発生し易くなる傾
向がある。また重量平均分子量及び分子量分布がこの範
囲より大きいときには、反応が遅過ぎて硬化し難いか、
硬化しても柔らかい塗膜になったり、塗膜のレベリング
性が非常に悪いものになったりする傾向がある。 (i):一般式(I)においてm=0で示されるケイ素
化合物およびコロイド状シリカ20〜200重量部 (ii):一般式(I)においてm=1で示されるケイ素
化合物100重量部 (iii) :一般式(I)においてm=2で示されるケイ素
化合物0〜80重量部 これらのケイ素化合物としては後述の(II)式における
アルコキシシラン類を用いることができる。また成分
(i)のコロイド状シリカ(コロイダルシリカ)は微粒
子シリカ成分を水、メタノール等の有機溶剤またはこれ
らの混合溶剤中に分散して使用するが、それらがコロイ
ド状である限り、その粒径や溶剤種等は特に制限される
ものではない。尚、成分(i)のコロイド状シリカの配
合量は分散媒も含む重量部である。
【0017】第1のケイ素アルコキシド系コーティング
剤に必要に応じて用いられる前記の硬化剤としては、特
に限定されるものではないが、例えば、塩酸、リン酸、
硫酸等の無機酸や、蟻酸、酢酸、クロロ酢酸等の有機酸
の希薄溶液等の酸性触媒、あるいは後述する塩基性触媒
を単独で又は2種以上を併用して使用することができ
る。また前記成分(i)としてコロイド状シリカを用い
る場合は、コロイド状シリカが酸性を示すのでこれが触
媒となり、酸性触媒として何もいれなくともよい。
【0018】第1のケイ素アルコキシド系コーティング
剤に必要に応じて用いられる前記の触媒としては塩基性
触媒が使用される。この塩基性触媒としては、特に限定
されるものではないが、例えばトリエタノールアミン等
のアミン類;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン等のアミノシラン類;無機酸(例えば
塩酸、硝酸、リン酸等)又は有機酸(例えば蟻酸、酢
酸、プロピオン酸等)のアンモニア、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン等の塩、ある
いは無機酸又は有機酸の塩と第4級アンモニウム塩との
複分解塩等を例示することができる。これらの種類や添
加量については何等限定されない。
【0019】第1のケイ素アルコキシド系コーティング
剤には前記の成分の他に、必要に応じて、コロイド状シ
リカ以外の充填剤(例えばアルミナゾル、ヒュームドシ
リカ等の無機充填剤)、着色剤、希釈溶剤、増粘剤、界
面活性剤等の種々の添加剤を1種以上配合することがで
きる。この希釈溶剤としては特に限定されないが、例え
ばメタノール、エタノール、イソプロパノール(IP
A)等のアルコール類;エチレングリコール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセ
ロソルブ類などを挙げることができ、これらを1種ある
いは2種以上併せて使用することができる。
【0020】第1のケイ素アルコキシド系コーティング
剤は、そのpH値を3.8〜6.0に調整することによ
って前記の分子量の範囲内で安定して使用することがで
きる。pH値がこの範囲外にあると、ケイ素アルコキシ
ド系コーティング剤は安定性が悪くなり、コーティング
剤を調製した後の使用できる期間が限られることがあ
る。ここで、pH値調整方法は特に制限されないが、例
えばケイ素アルコキシド系コーティング剤の原料混合時
にpH値が3.8未満となった場合は、アンモニア等の
塩基性試薬を用いて前記所定範囲内のpH値に調整すれ
ばよく、pH値が6.0を超えた場合は、塩酸等の酸性
試薬を用いて前記所定範囲内に調整すればよい。またp
H値によっては、分子量が小さいまま逆に反応が進ま
ず、前記の分子量範囲に到達させるのに時間がかかる場
合は、ケイ素アルコキシド系コーティング剤を加熱して
反応を促進させるようにしてもよく、酸性試薬でpH値
を下げて反応を進めた後、塩基性試薬で所定のpH値に
戻すようにしてもよい。
【0021】上記のようにpH値を調整した場合、また
は調整しない場合でも、使用に至るまでの間、または少
なくとも使用時に、ケイ素アルコキシド系コーティング
剤に塩基性触媒を添加すれば縮合反応を促進し、塗膜中
の架橋点を増やすことができるので、安定して耐クラッ
ク性の良い塗膜を得ることができるものである。また、
架橋反応を促進することによって、硬化時間を短縮し、
あるいは硬化温度を下げることができるために、経済的
である。
【0022】次に、前記第2のケイ素アルコキシド系コ
ーティング剤について説明する。この第2のケイ素アル
コキシド系コーティング剤は、(a)一般式(II)で表
される加水分解性オルガノシランを、有機溶媒と水のう
ち少なくとも一方に分散されたコロイド状シリカ中で、
X1モルに対し0.001〜0.5モルを使用する条件
下で部分加水分解して得られるオルガノシランのシリカ
分散オリゴマー溶液と、(b)平均組成式が一般式(II
I) で表される、分子中にシラノール基を含有するポリ
オルガノシロキサンと、(c)触媒の(a),(b),
(c)の3成分を必須成分として含有するものであり、
(a)成分においてシリカを固形分として5〜95重量
%含有し、かつ加水分解性オルガノシランの少なくとも
50モル%がn=1のオルガノシランであり、(a)成
分1〜99重量部に対して(b)を99〜1重量部(両
者の合計量を100重量部とする)配合するのが好まし
い。
【0023】第2のケイ素アルコキシド系コーティング
剤に用いられる(a)成分のシリカ分散オリゴマーは、
被膜形成に際して硬化反応に預かる官能性基としての加
水分解性基Xを有するベースポリマーの主成分である。
これは、有機溶媒あるいは水、もしくはこれらの混合溶
媒に分散したコロイド状シリカに、前記一般式(II)式
で表される加水分解性オルガノシランの1種又は2種以
上を加え、コロイド状シリカ中の水あるいは別途添加さ
れた水により加水分解性オルガノシランを部分加水分解
することで得られる。
【0024】前記一般式(II)で表される加水分解性オ
ルガノシラン中のR3 としては、炭素数1〜8の置換又
は非置換の1価の炭化水素基、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペン
チル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2
−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基などのア
ラルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;
ビニル基、アリル基などのアルケニル基;クロロメチル
基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロ
プロピル基などのハロゲン置換炭化水素基;γ−メタク
リロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカ
プトプロピル基などの置換炭化水素基等を例示すること
ができる。これらの中でも合成の容易さ、あるいは入手
の容易さから炭素数1〜4のアルキル基及び、フェニル
基が好ましい。
【0025】前記一般式(II)中の加水分解性基Xとし
ては、アルコキシ基、アセトキシト基、オキシム基、エ
ノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基などが挙
げられる。これらの中でも入手の容易さ及びシリカ分散
オリゴマー溶液(a)を調製し易いことからアルコキシ
基が好ましい。このような加水分解性オルガノシランと
しては、上記一般式(II)中のnが0〜3の整数であ
る、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアル
コキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン
類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシ
ラン類、アミドシラン類などが挙げられる。これらの中
でも入手の容易さ及びシリカ分散オリゴマー溶液(a)
を調製し易いことからアルコキシシラン類が好ましい。
【0026】また一般にシランカップリング剤とよばれ
るオルガノシラン化合物もアルコキシシラン類として用
いることができる。これらの一般式(II)の加水分解性
オルガノシランのうち、50モル%以上がn=1で表さ
れる3官能性のものであることが好ましい。より好まし
くは60モル%以上である、最も好ましくは70モル%
以上である。n=1の3官能性のものが50モル%未満
では、十分な塗膜硬度を得ることが難しいと共に、乾燥
硬化性が劣り易くなるものである。
【0027】(a)成分で使用するコロイド状シリカと
しては、水分散性あるいはアルコールなどの非水系の有
機溶媒分散性コロイド状シリカを使用することができ、
前述の第1のケイ素アルコキシド系コーティング剤に用
いられるコロイド状シリカと同様のものを使用すること
ができる。一般にこのようなコロイド状シリカは固形分
としてのシリカを20〜50重量%含有しており、この
値からシリカ配合量を決定できる。
【0028】水分散性コロイド状シリカを使用する場
合、固形分以外の成分として存在する水は(a)成分の
加水分解に用いることができる。水分散性コロイド状シ
リカは通常水ガラスから作られるが、このようなコロイ
ド状シリカは市販品を容易に入手することができる。ま
た有機溶媒分散性のコロイド状シリカは、前記水分散性
コロイド状シリカの水を有機溶媒と置換することで容易
に調製することができる。このような有機溶媒分散性コ
ロイド状シリカも水分散性コロイド状シリカと同様に市
販品を容易に入手することができる。コロイド状シリカ
を分散する有機溶媒の種類は、例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノールなどの低級脂肪族アルコール類;エチレングリ
コール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸
エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレン
グリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコ
ール誘導体、ジアセトンアルコール等を挙げることがで
きる。これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種
以上のものを使用することができるが、これらの親水性
有機溶剤と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、メチルエチルケトオキシムなども用いることがで
きる。
【0029】(a)成分中のコロイド状シリカは、第2
のケイ素アルコキシド系コーティング剤の硬化被膜の硬
度を高くするために必須のものである。(a)成分中に
おいてコロイド状シリカは、シリカ固形分として5〜9
5重量%の範囲で含有されるのが好ましい。より好まし
くは10〜90重量%、最も好ましくは20〜85重量
%の範囲である。含有量が5重量%未満であると所望の
被膜硬度が得られず、また95重量%を超えるとシリカ
の均一分散が困難となり、(a)成分にゲル化等の不都
合を招来するおそれがある。
【0030】(a)成分のオルガノシランのシリカ分散
オリゴマーは、通常、一般式(II)の加水分解性オルガ
ノシランを水分散性コロイド状シリカまたは有機溶媒分
散性コロイド状シリカの少なくとも一方の中で部分加水
分解して得ることができる。加水分解性オルガノシラン
に対する水の使用量は、加水分解性基X1モルに対して
水0.001〜0.5モルが好ましい。水の使用量が
0.001モル未満であると充分な部分加水分解物を得
ることができず、また水の使用量が0.5モルを超える
と部分加水分解物の安定性が悪くなるおそれがある。部
分加水分解する方法は特に限定されないものであり、加
水分解性オルガノシランとコロイド状シリカとを混合し
て必要量の水を添加配合すればよく、このとき部分加水
分解反応は常温で進行するが、部分加水分解反応を促進
させるために60〜100℃に加温するようにしてもよ
い。さらに部分加水分解反応を促進させる目的で、塩
酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、クエン酸、
安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グ
ルタル酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トル
エンスルホン酸、シュウ酸などの無機酸や有機酸を触媒
として用いてもよい。
【0031】(a)成分のオルガノシランのシリカ分散
オリゴマーは、長期的に安定した性能を得るために、液
のpH値を2.0〜7.0の範囲に、より好ましくはp
H2.5〜6.5の範囲に、さらにより好ましくはpH
3.0〜6.0の範囲に調整するのがよい。pH値がこ
の範囲外であると、特に水の使用量がX1モルに対し
0.3モル以上のときに(a)成分の長期的な性能低下
が著しくなることがある。(a)成分のpH値がこの範
囲外にあれば、この範囲より酸性側のときにはアンモニ
ア、エチレンジアミン等の塩基性試薬を添加してpH値
を調整すればよく、この範囲より塩基性側のときには塩
酸、硝酸、酢酸等の酸性試薬を用いてpH値を調整すれ
ばよい。この調整の方法は特に限定されるものではな
い。
【0032】第2のケイ素アルコキシド系コーティング
剤で用いる(b)成分のシラノール基含有ポリオルガノ
シロキサンは、平均組成式が上記(III) 式で表されるも
のであり、(III) 式中のR4 としては、上記(II)式中
のR3 と同じものを例示することができるが、R4 中の
5〜50重量%はフェニル基である。フェニル基が5重
量%未満では塗膜の伸びが低下しクラックが発生し易く
なり、50重量%を超えると硬化が遅くなり過ぎてしま
うおそれがある。この他のR4 は好ましくは炭素数1〜
4のアルキル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル
基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換
炭化水素基、より好ましくはメチル基およびエチル基の
アルキル基である。また(III) 式中、d及びeはそれぞ
れ0.2≦d≦2.0、0.0001≦e≦3、d+e
<4の関係を満たす数であり、dが0.2未満又はeが
3を超えると、硬化被膜にクラックを生じるなどの不都
合があり、またdが2を超え4以下の場合又はeが0.
0001未満であると、硬化がうまく進行しないもので
ある。
【0033】このような(III) 式のシラノール基含有ポ
リオルガノシロキサンは、例えば、メチルトリクロロシ
ラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシ
ラン、ジフェニルジクロロシラン、もしくはこれらに対
応するアルコキシシランの1種もしくは2種以上の混合
物を公知の方法により大量の水で加水分解することによ
って得ることができる。シラノール基含有ポリオルガノ
シロキサンを得るために、アルコキシシランを用いて公
知の方法で加水分解した場合、加水分解されないアルコ
キシ基が微量に残ることがある。つまりシラノール基と
極微量のアルコキシ基が共存するようなポリオルガノシ
ロキサンが得られることがあるが、このようなポリオル
ガノシロキサンを用いても差支えない。
【0034】またこのような(b)成分のシラノール基
含有ポリオルガノシロキサンの分子量は700〜200
00が好ましい。ここでいう分子量は、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)測定による標準ポ
リスチレン換算による重量平均分子量であり、700未
満の場合、形成された塗膜の硬化性が遅く、またクラッ
クが発生し易くなり、20000を超える場合、顔料を
添加されたケイ素アルコキシド系コーティング剤から形
成された塗膜に光沢がなく、また平滑性も悪くなるおそ
れがある。
【0035】第2のケイ素アルコキシド系コーティング
剤で用いる(c)成分の硬化触媒は、上記の(a)成分
と(b)成分との縮合反応を促進し、被膜を硬化させる
ものである。このような触媒としては、アルキルチタン
酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラウレート、ジ
オクチル錫ジマレート等のカルボン酸の金属塩;ジブチ
ルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテー
ト、エタノールアミンアセテート等のアミン塩;酢酸テ
トラメチルアンモニウム等のカルボン酸第4級アンモニ
ウム塩;テトラエチルペンタミン等のアミン類;N−β
−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;
p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;ア
ルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のア
ルミニウム化合物、水酸化カリウムなどのアルカリ触
媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチ
タニウム化合物、メチルトリクロロシラン、ジメチルジ
クロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲ
ン化シラン等があるが、これらの他にも(a)成分と
(b)成分との縮合反応に有効なものであれば特に制限
されない。
【0036】(a)成分と(b)成分の配合割合は、
(a)成分1〜99重量部に対して(b)成分99〜1
重量部であり、好ましくは(a)成分5〜95重量部に
対して(b)成分95〜5重量部、より好ましくは
(a)成分10〜90重量部に対して(b)成分90〜
10重量部である(但し、(a)成分と(b)成分の合
計量100重量部)。(a)成分が1重量部未満である
と常温硬化性に劣ると共に充分な被膜硬度が得られな
い。逆に(a)成分が99重量部を超えると硬化性が不
安定で且つ良好な被膜が得られないおそれがある。
【0037】また(c)成分の硬化触媒の添加量は、
(a)成分と(b)成分の合計100重量部に対して
0.0001〜10重量部であることが好ましい。より
好ましくは0.0005〜8重量部であり、最も好まし
くは0.0007〜5重量部である。硬化触媒(c)の
添加量が0.0001重量部未満であると常温で硬化し
ない場合があり、また硬化触媒(c)の添加量が10重
量部を超えると被膜の耐熱性や耐候性が悪くなる場合が
ある。
【0038】上記のように調製される第1のケイ素アル
コキシド系コーティング剤あるいは第2のケイ素アルコ
キシド系コーティング剤には顔料やフィラーを添加して
も良い。添加する顔料種としては、カーボンブラック、
キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シ
アニングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料や、酸化
チタン、硫酸バリウム、弁柄、炭酸カルシウム、アルミ
ナ、酸化鉄赤、複合金属酸化物等の無機顔料がよく、こ
れらの群から選ばれる1種もしくは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。なかでも、耐候性を向上さ
せるには無機顔料が好ましい。またフィラーとしてはシ
リカ粉や硫酸バリウム等を用いることができるものであ
り、上記に列挙する群から選ばれる1種もしくは2種以
上を組み合わせて使用することができる。顔料やフィラ
ーの粒径は特に限定されないが、平均粒径で0.01〜
4μm程度が好ましい。
【0039】顔料の添加量は顔料の種類により隠蔽性が
異なるので特に限定されないが、無機顔料の場合、樹脂
固形分100重量部に対して15〜80重量部の範囲が
好ましい。15重量部未満の場合は隠蔽性を十分に得る
ことができず、また80重量部を超えると塗膜の平滑性
が悪くなるおそれがある。顔料の分散は通常の方法でお
こなうことができ、またその際に分散剤、分散助剤、増
粘剤、カップリング剤等を使用することが可能である。
【0040】そして、上記の第1および第2のケイ素ア
ルコキシド系コーティング剤あるいは紫外線吸収剤を添
加することによって、この発明に係る無機コーティング
剤を得ることができる。紫外線吸収剤としては、無機系
または有機系のものを使用することができるが、酸素プ
ラズマ処理での安定性の点においては無機系のものを好
適に用いることができる。微粒子状の酸化亜鉛や酸化チ
タン等である。
【0041】この出願の発明により、親水化が付与され
る塗膜の作成方法は、各種の方法であってよい。また基
材によっては密着性、耐候性、デザイン性を向上させる
目的でプライマー塗装やエナメ塗装を親水化処理される
塗膜の下に密着性を損なわない範囲で行ってもよい。こ
れらの塗装方法は特に限定せず、用途、目的にあわせて
スプレー、ロール、フローコーター等が採用できる。
【0042】基材としては、コンクリートやスレート、
モルタル、ケイ酸カルシウム板などの無機質硬化体、ス
テンレスなどの鋼板、アルミニウムなどの非鉄金属基
材、ガラス基材、プラスチック基材等が挙げられるが、
これら以外でもシリコーン系塗膜との密着性を損なわな
いものであれば、特に制限されない。また、酸素プラズ
マを用いた親水化処理の方法は、常圧あるいは減圧下で
酸素を充満させた雰囲気中で、前記シリコーン系塗膜を
施した基材に高周波をかけることで実現することができ
る。不活性ガスとしてAr(アルゴン)、He(ヘリウ
ム)等を存在させることができる。減圧条件は特に限定
されるものではないが、0.01〜10Torrが実用的と
思われる。周波数は例えば、13.56MHz、処理す
る時間はラインでの適用を想定した場合1〜30分が適
当と思われる。ただし、高周波を照射することで塗膜の
親水化が実現できれば、条件は特に限定されるものでは
ない。
【0043】酸素プラズマ照射の方式、そのための装置
は各種のものであってよい。平行平板型、あるいはRF
アンテナ型、さらにはプラズマ噴出型等の方式、装置の
うちの適宜なものとすることができる。たとえば以上の
とおりのこの出願の発明によって、シリコーン塗料で塗
装されたコンクリートやスレート、モルタルなどの無機
質硬化体、ステンレスなどの鋼板、アルミニウムなどの
非鉄金属基材、ガラス基材、プラスチック基材等を、酸
素プラズマを照射することで表面を親水性に改質するこ
とにより、外廻りでは外壁等の汚れ、内回りで、浴室の
壁に用いた場合は石鹸垢の汚れ、厨房まわりの壁に用い
た場合は油汚れがとれやすい壁剤等として有用な低汚染
性の内外装材が提供される。
【0044】そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく
この出願の発明について説明する。
【0045】
【実施例】(実施例1) 外装材の作成方法及び性能評価 基材として、松下電工(株)製のセメント板「マルチサ
イディング」を使用した。プライマーとしては、アクリ
ルシリコーン樹脂系の「MB−315」(松下電工化研
製)を膜厚が10μmになるように塗装し、60℃のバ
ッチ式乾燥機で5分乾燥させてプライマー層を形成し
た。その上にシリコーン樹脂系のエナメル塗料「MB−
B411」(松下電工化研製)を用いて膜厚が10μm
になるように塗装し、120℃のバッチ式乾燥機で10
分乾燥させてエナメル層を形成した。次にシリコーン樹
脂系のクリア塗料「MC−T556」(松下電工化研
製)を用いて膜厚が5μmになるように塗装し、120
℃のバッチ式乾燥機で10分乾燥させてクリア層を形成
させた。こうして得られた外層材を、酸素流量80cc
/分 雰囲気圧を約0.1Torr 周波数13.56
MHzに調整されたバッチ炉で1分間酸素プラズマ照射
処理することで、親水性に改質された塗膜を有する外装
材を得た。この外層材を下記試験例のようにして、初期
物性を測定した後、外廻り品の試験を行った。 (実施例2) 外装材の作成方法及び性能評価 高周波を照射する条件を雰囲気圧0Torr 処理時間
を3分にしたこと以外は実施例1と同様にして、親水性
に改質された塗膜を有する外装材を得た。この外装材を
実施例1と同様の方法で評価した。 (実施例3) 内装材の作成方法および性能評価 基材として、日光化成製の「ケイ酸カルシウム板」を使
用し、シーラーはDNT製アクリルエマルションシーラ
ー、エナメル塗料としてはシリコーン系樹脂の「MB−
B411」(松下電工化研製)を用いて膜厚が10μm
になるように塗装し、120℃のバッチ式乾燥機で10
分乾燥させてエナメル層を形成した。次に、実施例1に
記載のクリア塗料を用いて膜厚が20μmになるように
フローコーターを用いてコートし、120℃のバッチ式
乾燥機で10分乾燥させてクリア層を形成させた。こう
して得られた内装材を、酸素流量80cc/分 雰囲気
圧を約0.1Torr 周波数13.56MHzに調整
されたバッチ炉で1分間酸素プラズマ照射処理すること
で、親水性に改善された塗膜を有する内装材を得た。こ
の内装材を下記試験例のようにして、初期物性を測定し
た後、台所廻りの壁として下記に示す内廻り品の試験
(油汚れ除去性)を行った。 (実施例4) 内装材の作成方法及び性能評価 高周波を照射する条件を0Torr 処理時間を3分に
したこと以外は実施例3と同様にして、親水化に改質さ
れた塗膜を有する内装材を得た。この内装材を実施例3
と同様の方法で評価した。 (実施例5) 内装材の作成方法及び性能評価 実施例3で得られた基材を浴室の壁として、下記に示す
内廻り品の試験(石鹸垢除去性)を行った。 (比較例1) 外装材の作成方法及び性能評価 実施例1で得られた外装材を、酸素プラズマ親水化処理
を行わずに実施例1と同様の試験を行った。 (比較例2) 外装材の作成方法及び性能評価 クリア塗料「MC−T556」の代わりにシリコーンア
クリル系塗料「ネオシリカ#5000」(イサム塗料
製)(塗膜のシリコン成分9%)を使用した以外は実施
例1と同様にして、親水化成分塗膜を有する無機質硬化
体を得た。この外装材を実施例1と同様の方法で評価し
た。 (比較例3) 内装材の作成方法及び性能評価 実施例3で得られた内装材を、酸素プラズマ親水化処理
を行わずに実施例3と同様の試験を行った。 (比較例4) 内装材の作成方法及び性能評価 クリア塗料としてシリコーンアクリル系塗料「ネオシリ
カ#5000」(イサム塗料製)(塗膜のシリコン成分
9%)を使用した以外は実施例3と同様にして、親水性
に改質された塗膜を有する内装材を得た。この内装材を
実施例3と同様の方法で評価した。 (比較例5) 内装材の作成方法及び性能評価 実施例5で得られた内装材を酸素プラズマ親水化処理を
行わずに実施例5と同様の試験を行った。 (試験例) <A>初期物性の測定 シリコーン成分量の算出 親水化処理する膜のシリコーン量を測定するために、セ
イコー電子工業製の示差熱熱重量測定装置「TG/DT
A220」を用いた。クリアー塗膜を約0.2gけずり
とり、常温〜1000℃まで5℃/minに昇温させ
て、その残存量から塗膜中のシリコーン成分量を算出し
た。
【0046】 親水性の測定 水の接触角を「接触角試験器CA−DT型」(協和界面
化学製)を用いて測定を行った。 塗膜硬度の測定(JISK5400に準拠) 塗膜の耐擦傷性の測定 JISK5400に記載の耐洗浄性の方法を用いて、試
験後の表面の傷つきかたを目視で評価した。 <B>外廻り品の試験 暴露試験 塗膜の汚染性を評価するために、2週間の屋外暴露を行
った。(北面 垂直暴露) 暴露前後の色差を「X−Right SP88」(日本平版機
材製)を用いて測定し、汚染度を算出した。
【0047】 耐候性試験 塗膜の耐候性をサンシャインウェザオメーター(JIS
K5400に準拠)で5000時間照射して、塗膜の状
態を観察した。 <C>内廻り品の試験 油汚れ除去性 油汚れの除去性は、平日8時間天ぷら物を調理している
専門店のレンジフード内の壁にサンプルを6ヶ月間設置
した後、500g/cm2 の荷重をかけて乾いたウェス
で拭き取り、拭き取った後の油の残り具合を目視で評価
した。
【0048】 石鹸垢除去性 浴室汚れに関しては、一般家庭の浴室の壁にサンプルを
1ヶ月設置し、石鹸垢が付着した後、シャワーによる除
去性を目視にて評価した。水は10L/分の量で基材に
対して一定高さから45°の角度であてた。これらの試
験結果を表1および表2に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】(実施例6)実施例1と同様のシリコーン
樹脂系クリア塗料として、次のとおりに調製した前記第
1のケイ素アルコキシド系コーティング剤を用い、親水
性に改質された塗膜を有する外装材を得た。すなわち、
メチルトリメトキシシラン100部、テトラエトキシシ
ラン20部、イソプロピルアルコールオルガノシリカゾ
ル(触媒化学化成工業株式会社製「OSCAL143
2」、SiO2 含有量30%)150部、ジメチルジメ
トキシシラン40部及びイソプロピルアルコール100
部を混合し、さらに水200部を添加して攪拌し、これ
を60℃の恒温槽中で分子量Mwを1200に調整する
ことによって、ケイ素アルコキシド系コーティング剤を
調製した。
【0052】塗膜中のシリコーン成分の割合は85重量
%となるようにしている。実施例1と同様に性能を評価
したところ、水の接触角31°、鉛筆硬度3H、耐擦傷
性は傷なしで、外廻り試験の評価は、汚染度ΔE 0.
32で、耐候性は良好であった。 (実施例7)実施例6において、シリコーン成分の割合
を50重量%となるようにした。汚染度ΔE 0.4
0、鉛筆硬度は2Hであったが、他の性能はほぼ実施例
6と同様であった。 (比較例6)実施例6において、シリコーン成分の割合
を45重量%となるようにした。汚染度ΔEは0.65
で、鉛筆硬度はHとなり、耐擦傷性では傷がついた。 (実施例8)実施例3において、シリコーン樹脂系クリ
ア塗料とした。次のとおりに調製した前記第2のケイ素
アルコキシド系コーティング剤を用いた。 (a)成分の調製 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取
り付けたフラスコ中にイソプロピルアルコール分散コロ
イダルシリカゾル(日産化学工業社製「IPA−S
T」、粒子径10〜20μm、固形分30%、H2
0.5%)100部、メチルトリメトキシシラン68
部、ジメチルジメトキシシラン18部、水2.7部、無
水酢酸0.1部を投入し、攪拌しながら80℃の温度で
約3時間かけて部分加水分解反応を行ない、そして冷却
することによって(a)成分を得た。このものは室温で
48時間放置したときの固形分が36%であった。
【0053】この(a)成分調製条件は次の通りとし
た。 ・加水分解性基X1モルに対す水のモル数 ………… 0.1 ・(a)成分のシリカ分含有量 ………… 40.2% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル% … 77モル% (b)成分の調製 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート及
び温度計を取り付けたフラスコに水1000部、アセト
ン50部を計り取り、その混合溶液中にメチルトリクロ
ロシラン59.7部(0.4モル)、ジメチルジクロロ
シラン51.6部(0.4モル)、フェニルトリクロロ
シラン42.3部(0.2モル)をトルエン200部に
溶解したものを攪拌下に滴下しながら加水分解した。滴
下40分後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに移し入
れて静置した後、2層に分離した下層の塩酸水を分液除
去し、次に上層のオルガノポリシロキサンのトルエン溶
液を減圧ストリッピングにより残存している水、および
塩酸を過剰のトルエンと共に留去して除去し、平均分子
量3000のシラノール基含有オルガノポリシロキサン
のトルエン60%溶液を得た。このものはR4 中のフェ
ニル基量が14%である。 (a)成分、(b)成分、(c)成分の調合 硬化触媒の(c)成分としてN−β−アミノエチル−γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシランを用い、
(a)成分65部、(b)成分50部、(c)成分1部
の割合で混合して攪拌することによって、ケイ素アルコ
キシド系コーティング剤を調製した。
【0054】塗膜中のシリコーン成分の割合は90重量
%となるようにしている。実施例3と同様にして、プラ
ズマ照射親水化処理し、内装材としての性能を評価し
た。その結果、実施例3とほぼ同等の性能が得られた。
水の接触角は33℃であった。
【0055】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、シリコーン塗料で塗装されたコンクリー
トやスレート、モルタルなどの無機質硬化体、ステンレ
スなどの鋼板、アルミニウムなどの非鉄金属基材、ガラ
ス基材、プラスチック基材等を、酸素プラズマを照射す
ることで表面を親水性に改質することにより、外廻りで
は外壁等の汚れ、内回りで、浴室の壁に用いた場合は石
鹸垢の汚れ、厨房まわりの壁に用いた場合は油汚れがと
れやすい壁材等として有用な低汚染性の内外装材が提供
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田丸 博 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DH23 FA03 FA04 FA10 FA42 FA44 GA06 HA01 HA02 HA04 HA11 HA21 HB03 HB04 HD11 2E110 AA65 AB04 AB23 AB42 AB43 BB04 GA06W GB03X GB06X GB23X GB32X GB42X GB53W 4F006 AB39 BA10 BA11 EA03 4F100 AA20B AA20H AH06B AH06K AK52B AK52K AL05B AT00A BA02 CA23B CC00B EJ58B EJ61B GB07 JK12 JL06 YY00B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン成分を50重量%以上含有
    し、酸素プラズマ照射により表面改質された塗膜を最表
    面層に有することを特徴とする低汚染性内外装材。
  2. 【請求項2】 次式(I) 【化1】 (式中、R1 は各々メチル基、エチル基又はフェニル基
    を表し、R2 は各々炭素数1〜8のアルキル基を表す。
    mは0,1又は2である。)で表されるケイ素化合物及
    び/又はその部分加水分解物を主成分とするケイ素アル
    コキシド系コーティング剤が塗布されて酸素プラズマ照
    射により表面改質されている請求項1の低汚染性内外装
    材。
  3. 【請求項3】 (a)次式(II) 【化2】 (式中、R3 は各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8
    の1価の炭化水素基を表し、Xは加水分解性基を表す。
    nは0〜3の整数である。)で表される加水分解性オル
    ガノシランを、有機溶媒及び/又は水に分散されたコロ
    イド状シリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシラ
    ンのシリカ分散オリゴマー溶液と、 (b)平均組成式が次式(III) 【化3】 (式中、R4 は各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8
    の1価の炭化水素基を表し、dおよびeはそれぞれ0.
    2≦d≦2.0、0.0001≦e≦3、d+e<4の
    関係を満たす数である。)で表される、分子中にシラノ
    ール基を含有するポリオルガノシロキサンと、 (c)硬化触媒の、(a),(b),(c)の3成分を
    必須成分として含有するケイ素アルコキシド系コーティ
    ング剤が塗布されて酸素プラズマ照射により表面改質さ
    れている請求項1の低汚染性内外装材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016505081A (ja) * 2013-01-03 2016-02-18 信越化学工業株式会社 親水化されたシリコーン粒子及びその製造方法
KR101848195B1 (ko) * 2017-01-12 2018-04-12 건양대학교산학협력단 아미노실란과 콜로이드 실리카를 이용한 친수성 코팅 도막 및 이의 제조방법

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