JP2000236813A - 香材入りコーヒーの製法及び香材入りコーヒー - Google Patents

香材入りコーヒーの製法及び香材入りコーヒー

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JP2000236813A
JP2000236813A JP11041010A JP4101099A JP2000236813A JP 2000236813 A JP2000236813 A JP 2000236813A JP 11041010 A JP11041010 A JP 11041010A JP 4101099 A JP4101099 A JP 4101099A JP 2000236813 A JP2000236813 A JP 2000236813A
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coffee
coffee beans
herb
beans
herbs
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Wataru Shimano
渉 島野
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Shimano Coffee KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な製造工程にも拘わらずハーブ等の乾燥
した香材から香りや成分を十分に抽出でき、しかもコー
ヒー本来の香りや風味を十分に満喫することの可能な香
材入りコーヒー及びその製法を提供すること。 【解決手段】 ハーブ等の乾燥した香材にアルコール水
溶液を含浸させて含浸ハーブHを作成する。コーヒー豆
Cを焙煎し、このコーヒー豆Cが熱い間に含浸ハーブH
をこのコーヒー豆Cと撹拌により混合する。含浸ハーブ
H及びコーヒー豆Cの撹拌時にコーヒー豆Cの上側又は
側方から冷却用の風Wを送るとよい。アルコール水溶液
及びコーヒー豆の余熱を巧みに用いることにより、ハー
ブ等の香材の香りや成分が十分に浸透し且つ乾燥状態の
良い香材入りコーヒーを得ることができる。アルコール
水溶液としては、ウォッカ、焼酎、ワイン等の酒類を用
いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、カモミー
ル、ミント、ラベンダー等のハーブと称されるような香
材をコーヒー豆に添加した香材入りコーヒーの製法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、薬草やハーブ等を添加したコ
ーヒーとしては、例えば特開昭55−164628号公
報や特開平3−259040号公報に記載のものが知ら
れている。第一の従来技術では、薬草入りコーヒーを製
造するにあたり、あらかじめ薬草等を焙煎し、コーヒー
豆又は粉砕したコーヒーに加えている。また、後者の公
報にあっては、熱湯にコーヒー粉末を加えて加熱するこ
とで作成したコーヒー液と、熱湯にハーブ粉末を加えて
加熱することで作成したハーブ抽出液とを混合して、液
状の最終製造物を得ている。
【0003】しかし、第一の従来技術にかかる製法にあ
っては、薬草を単にコーヒーと混合しているに留まり、
薬草の成分を抽出することに主眼が置かれて、むしろ香
りを際だたせない点が強調されている。また、第二の従
来技術にかかる製法にあっては、コーヒー液やハーブ抽
出液を加熱する等の工程が必要で、その製造工程が煩雑
となる。また、後者の製法では、ハーブの成分は十分に
抽出されるかも知れないが、加熱抽出の際にコーヒー本
来の香りや風味が損なわれてしまう。
【0004】一方、ハーブの香りを抽出した香料をコー
ヒーに添加することで、ハーブ入りコーヒー等を製造す
る可能性も考えられる。しかし、香料は香り成分の揮発
性が高く、コーヒー豆の表面にふりかけたのでは、コー
ヒー豆を挽いた際に発生する熱により香料の香りが揮発
して損なわれてしまうことが懸念される。よって、香料
を用いる場合には、挽かれて粉状になったコーヒーにふ
りかけざるを得ず、本物のハーブの味わいがない上にハ
ーブの成分が抽出されず、しかも、コーヒー本来の風味
も得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術の実状
に鑑みて、本発明の目的は、簡易な製造工程にも拘わら
ずハーブ等の乾燥した香材から香りや成分を十分に抽出
でき、しかもコーヒー本来の香りや風味を十分に満喫す
ることの可能な香材入りコーヒー及びその製法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る香材入りコーヒーの製法の特徴は、ハ
ーブ等の乾燥した香材にアルコール水溶液を含浸させ、
コーヒー豆を焙煎機で焙煎し、このコーヒー豆が熱い間
に前記香材をこのコーヒー豆と撹拌により混合すること
にある。
【0007】同特徴によれば、「ハーブ等の乾燥した香
材」に「アルコール水溶液」を「含浸」させることで、
含浸したアルコール水溶液にはハーブ等の香りや各種成
分が含まれることとなる。この「アルコール水溶液が含
浸」した「香材」をコーヒー豆と混合することで、ハー
ブ等の香りや各種成分が含まれる「アルコール水溶液」
がコーヒー豆の表面に付着する。
【0008】この撹拌による混合は「焙煎」後の「コー
ヒー豆が熱い間」に行われるので、コーヒー豆表面に付
着したアルコール水溶液の香りや各種成分は、コーヒー
豆自身の余熱により加熱された状態で焙煎されたコーヒ
ー豆の内側にまで浸透する。加えて、香材に残留するア
ルコール水溶液は、コーヒー豆の余熱により加熱されて
蒸発し、蒸発したアルコール水溶液の香りや各種成分が
コーヒー豆に浸透する。しかも、含浸ハーブは蒸発し易
いアルコール水溶液を用いて作られているので、水分が
香材又はコーヒー豆に殆ど残留することなく、コーヒー
豆が湿るという不都合もない。
【0009】また、香材及びコーヒー豆の撹拌時に前記
コーヒー豆の上側又は側方から冷却用の風を送ることが
望ましい。通常のコーヒー焙煎後の豆冷却においては、
豆の下側に対して吸引を行うことが多いのであるが、本
発明のようにコーヒー豆の上側又は側方から冷却用の風
を送ることで、香材等が吸引により通常底板に設けられ
ている吸引用の孔に詰まることを防止することができ
る。
【0010】このようにしてコーヒー豆に浸透したハー
ブ等の香りや各種成分は、揮発性の高い香料等がコーヒ
ー豆の表面に付着している状態とは異なり、コーヒー豆
を香材と共に挽いたとしても、香りが揮発等して損なわ
れることもない。また、熱湯を注いでコーヒーを抽出す
る際にも、香材自体から抽出される香り等のほか、アル
コール水溶液を介してコーヒー豆に浸透した香りや各種
成分が濃厚に抽出されることとなる。さらに、アルコー
ル水溶液を介して香材の香りや各種成分があらかじめコ
ーヒー豆に浸透しているので、ハーブ等の成分とコーヒ
ーの成分とが融合し、単にハーブ等とコーヒー豆とを混
合しただけのものと比較して、味に落ち着きがある。
【0011】また、前記アルコール水溶液として、ウォ
ッカ、焼酎、ワイン等の酒類を用いると、非常に風味の
よい香材入りコーヒーとなることが、発明者の実験によ
り明らかとなった。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、図1、2を参照しながら、
本発明の実施形態を説明する。撹拌機1は本発明に係る
香材入りコーヒーを製造するための撹拌機であって、円
筒形の枠2の底部が底板3で塞がれて容器を形成する。
底板3の中心には台座5に支持された回転軸4が突出し
ており、この先端に棒支持体6に支持された四本の撹拌
棒7が取り付けられている。各撹拌棒7の下側には例え
ば支持具8aを介して形状及び設置位置の異なる複数の
撹拌板8が取り付けられている。そして、回転軸4をモ
ーター等で駆動回転させることにより、複数種の撹拌板
8をもって容器内のコーヒー豆Cを強制的に撹拌する。
【0013】香材入りコーヒーを製造するに先立ち、ま
ず、後述するような配分でハーブ等をアルコール水溶液
に漬け込み、含浸ハーブを作成する。次いで、焙煎が完
了した熱いコーヒー豆を撹拌機1内に広げる。その後、
含浸ハーブHを同図の如くコーヒー豆Cの上に載置し、
撹拌棒7,撹拌板8による撹拌を続ける。これらの撹拌
により含浸ハーブHは自然にコーヒー豆Cと適切に混合
される。
【0014】この撹拌時において、コーヒー豆Cの冷却
及び含浸ハーブHからのアルコール水溶液除去を促進す
るため、コーヒー豆Cに風を当てるとよい。風は符号W
の如くコーヒー豆Cの上方から吹き付ける他、コーヒー
豆Cの側方から吹き付けてもよい。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。香材の一
例であるラベンダー、カモミール、ミント、レモングラ
ス、ジンジャー、桜等のハーブとアルコール水溶液たる
ウォッカとを例えば次の重量比で混合し、ウォッカのを
含浸させた含浸ハーブを作成した。これらのハーブに
は、天然の香草を乾燥させたドライハーブを用いてい
る。また、ウォッカは40度のものを用いている。 含浸ハーブ1) ラベンダー 1 : ウォッカ 5 含浸ハーブ2) カモミール 1 : ウォッカ 4 含浸ハーブ3) ミント 1 : ウォッカ 4
【0016】かかる混合比によれば、ウォッカはほぼ大
半がハーブに吸収され、ハーブは表面に適度な湿り気を
有する程度となる。そして、これらの含浸ハーブを摂氏
2〜10度、望ましくは摂氏5度の冷蔵庫で24〜72
時間程度貯蔵し、ハーブとウォッカとをなじませる。
【0017】次いで、生のコーヒー豆を通常の方法で焙
煎した。約60kgの生豆を焙煎機の庫内温度が摂氏約
200度になりコーヒー豆が褐色になるまで約15分間
程度焙煎した。
【0018】そして、焙煎したコーヒー豆を焙煎機から
取り出し1〜1.5分後、このコーヒー豆をウォッカ等
のアルコール水溶液が蒸発し易い熱いうち、望ましくは
摂氏100度以上の間に上記含浸ハーブと混合した。上
記含浸ハーブは重量比で混合すべき生コーヒー豆の3〜
8%、望ましくは3〜5%程度とした。
【0019】コーヒー豆と含浸ハーブとの混合は、まず
撹拌容器にあらかじめ焙煎済みのコーヒー豆を広げ、そ
の上に含浸ハーブを載置すると、含浸ハーブはコーヒー
豆と自然に混合される。このように撹拌することで、効
率よくコーヒー豆に含浸ハーブの成分を浸透させること
ができる。もちろん、攪拌機を用いずに手作業で攪拌を
行ってもよい。
【0020】含浸ハーブをコーヒー豆に混合しながら、
このコーヒー豆に常温風をファン等により当てて強制冷
却させた。コーヒー豆の余熱によりハーブの成分がコー
ヒー豆に含浸すると共にウォッカは蒸発し、冷却後は乾
燥した風味のよいハーブコーヒーが得られた。なお、風
は上記実施形態の如く容器の上、又は側方からコーヒー
豆に当てられる。
【0021】上記含浸ハーブ1を利用して上記工程によ
り作成したハーブコーヒー(以下、「本願品」と称す
る。)との比較のためのハーブコーヒーを2種類作成し
た。その一例は、上記ウォッカの代わりに水を用いて上
記手法により作成したもの(以下、「比較例1」と称す
る。)であり、他の比較例はドライーハーブを焙煎した
コーヒー豆と単に混ぜ合わせただけのもの(以下、「比
較例2」と称する。)である。
【0022】比較例1,2に比べ、本願品はハーブの香
りの面で優れていた。比較例1は湿り気が若干残りやす
く、味覚的にもまろやかさに欠けている。また、比較例
2はハーブの香りとコーヒーの味、香りとの調和に乏し
く、この点でも本願品が優れていた。
【0023】加えて、上記各コーヒーを乾燥剤(シリカ
ゲル)と共にポリエチレンの袋に封入し、常温で6月間
の経時変化を観察した。比較例1は残存する湿り気によ
って風味がさらに損なわれた。これに対し、本願品には
このような不都合はなく、本願品の保存適性が確認され
た。
【0024】なお、本願品は通常のコーヒーに比べても
風味が維持されていた。経時変化によりコーヒー豆自体
から本来発生する炭酸ガス等をできるだけ発生しないよ
うにハーブが抑制しているものと考えられる。
【0025】次に、アルコール水溶液を用いた含浸ハー
ブの水分除去に対する寄与度を検証するための比較実験
を行ったので、これを例示する。
【0026】比較例Aは上述の如く焙煎及び冷却された
通常のコーヒー豆、比較例Bはウォッカ含有含浸ハーブ
を用いた上記実施例に示す本願品、比較例Cはアルコー
ル水溶液にアルコール度数14度未満の白ワインを使用
した含浸ハーブを用いたもの、比較例Dはただの水を使
用した含浸ハーブを用いたものである。高周波容量式の
水分計を用いた水分含有率に関する測定結果は次の通り
となった。
【表1】 ハーブの種類 比較例A 比較例B 比較例C 比較例D カモミール 1.8% 2.7% 3.0% 3.9% ミント 1.8% 2.4% 2.6% 3.3%
【0027】このように、比較例B、Cに相当する本発
明に係る香材入りコーヒーは、比較例Dに比べて格段に
水分量が少なく、アルコールによる水分の除去効果が確
認された。なお、上記測定結果は含浸ハーブの混合及び
冷却完了直後における測定であるが、実際には経時によ
りさらに本発明に係る香材入りコーヒーの含有水分率は
低下するものと考えられる。
【0028】最後に、さらに他の実施の可能性について
説明する。上記実施例では、香材としてドライハーブを
用いたが、粒状又は固形状の乾燥スパイス等を香材とし
て用いてもよい。
【0029】アルコール水溶液としては、ウォッカやワ
インに限らず、焼酎、ジン、日本酒、ウイスキー、ブラ
ンディー等をも使用できる。
【0030】アルコール水溶液のアルコール濃度は、コ
ーヒー豆の温度や含浸ハーブにおけるアルコール水溶液
の重量比等により適宜変更するとよい。
【0031】
【発明の効果】このように、上記本発明の特徴によれ
ば、アルコール水溶液及びコーヒー豆の余熱を巧みに用
いることにより、ハーブ等の香材の香りや成分が十分に
浸透し且つ乾燥状態の良い香材入りコーヒーを非常に簡
易な工程で得ることができた。しかも、香材の香りは長
期にわたっても損なわれ難く、ハーブ等の成分とコーヒ
ーの成分とが融合し、落ち着きのある調和のとれた味わ
い、風味や香りを実現することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る香材入りコーヒーを製造するため
の撹拌機の平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【符号の説明】
1 撹拌機 2 枠 3 底板 4 回転軸 5 台座 6 棒支持体 7 撹拌棒 8 撹拌板 8a 支持具 C コーヒー豆 H 含浸ハーブ W 風。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハーブ等の乾燥した香材にアルコール水
    溶液を含浸させ、コーヒー豆を焙煎し、このコーヒー豆
    が熱い間に前記香材をこのコーヒー豆と撹拌により混合
    することを特徴とする香材入りコーヒーの製法。
  2. 【請求項2】 前記香材及びコーヒー豆の撹拌時に前記
    コーヒー豆の上側又は側方から冷却用の風を送ることを
    特徴とする請求項1に記載の香材入りコーヒーの製法。
  3. 【請求項3】 ハーブ等の乾燥した香材にアルコール水
    溶液を含浸させ、コーヒー豆を焙煎機で焙煎し、このコ
    ーヒー豆が熱い間に前記香材をこのコーヒー豆と撹拌に
    より混合することで製造したことを特徴とする香材入り
    コーヒー。
  4. 【請求項4】 前記アルコール水溶液がウォッカ、焼
    酎、ワイン等の酒類である請求項1若しくは2に記載の
    香材入りコーヒーの製法又は請求項3に記載の香材入り
    コーヒー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009542224A (ja) * 2006-06-28 2009-12-03 ボヤヴァ・リパブリック・エルエルシー コーヒー豆を強化するための冷含浸方法
KR20180079119A (ko) * 2016-12-31 2018-07-10 김도현 코어-쉘 구조의 와인 커피 원두 및 그 제조방법
KR102726047B1 (ko) * 2018-06-22 2024-11-06 스타벅스 코포레이션 스피릿트 주입된 커피 원두

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