JP2000236798A - 過熱蒸気を使用する焼成物の製造方法及びその焼成装置 - Google Patents

過熱蒸気を使用する焼成物の製造方法及びその焼成装置

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JP2000236798A
JP2000236798A JP11040131A JP4013199A JP2000236798A JP 2000236798 A JP2000236798 A JP 2000236798A JP 11040131 A JP11040131 A JP 11040131A JP 4013199 A JP4013199 A JP 4013199A JP 2000236798 A JP2000236798 A JP 2000236798A
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Manabu Inoue
学 井上
Tadashi Ono
正 小野
Yoshihiko Iwasaki
義彦 岩崎
Hiko Nakahara
飛香 中原
Daigo Maeda
大悟 前田
Yoshinori Komatsu
恵徳 小松
Kazuhiro Iwashita
和広 岩下
Yasuyuki Takahashi
康之 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、大方の日本人消費者の嗜好に合
うしっとりとして且つ弾力性を併せ持つ新規な組織及び
風味を持つ焼成品を得ることを目的としたものである。 【解決手段】 この発明の方法の発明は、焼成品の製造
において、焼成室内の酸素濃度を3〜15%とすること
を特徴とする過熱蒸気を使用する焼成品の製造方法であ
る。また、この発明の装置の発明は、焼成機において、
焼成室内に、焼成物を移送する為のベルトコンベアーと
圧縮空気の噴出孔を任意の数設けてある圧縮空気の噴出
孔付きパイプと、過熱蒸気の噴出孔が任意の数設けてあ
る過熱蒸気の噴出孔付きパイプとを備えたことを特徴と
する焼成装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、過熱蒸気を使用
して焼成し、新規な組織及び風味を持つ、焼成物、所謂
ベーカリー製品を製造することを目的とした過熱蒸気を
使用する焼成物の製造方法及びその焼成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、焼成物、所謂ベーカリー製品の焼
成には、電気オーブンやガスオーブンが使用されるのが
一般的である。
【0003】また、この発明のように、過熱蒸気を使用
する焼成物の製造方法も、パン、菓子等の加熱、焼成方
法及び装置に関する発明が既に知られている(特開昭5
5−156545号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に焼成物を製造
するときは、当然のことではあるが、表面が内部より早
く焼けて、内部まで十分に焼こうとする場合には表面の
部分に過剰な熱が加えられることになり、表面が焦げ気
味になる問題点があった。また表面が焦げないように低
い温度でゆっくり時間をかけて焼くと、内部がうまく焼
けても今度は、表面から水分を奪われて、必要以上に乾
燥して、焼成物の表面が硬くなって劣化する恐れがあっ
た。この二律背反的な現象を解決するのは難しい課題で
ある。
【0005】この発明は、この二律背反的な現象を解決
し、従来の焼成法よりも、焼成時間を短縮して、焼成時
の過剰な熱を加えることによる焼成物の劣化を最小限に
止めて、従来の技術では実現できなかった大方の日本人
消費者の嗜好に合うしっとりとし、且つ弾力性を併せ持
つ新規な組織及び風味を持つ焼成物の製造方法及びこれ
を焼成する装置を得ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明者等は、前記問
題点を解決すべく研究を行った結果、焼成室内で過熱蒸
気を使用して、且つ酸素濃度を3〜15%の雰囲気下で
焼成することによりこの課題を解決できることを見出し
た。
【0007】この発明によれば、従来の技術では実現で
きなかった今までにない新規な組織及び風味を持つ焼成
物が得られる。
【0008】この発明の方法の発明は、焼成物の製造方
法において、焼成室内の酸素濃度を3〜15%とするこ
とを特徴とする過熱蒸気を使用する焼成物の製造方法で
ある。またこの発明の装置の発明は、焼成室内に、焼成
物を移送する為のベルトコンベアーと、圧縮空気の噴出
孔が設けてある噴出孔付きパイプと、過熱蒸気の噴出孔
が設けてある噴出孔付きパイプとを備えたことを特徴と
する過熱蒸気を使用する焼成物の焼成装置である。
【0009】大気圧下の空気には水蒸気を除き、平均し
て酸素は約20%含まれているので、通常の電気オーブ
ン等で常圧下で焼成するときは約20%の酸素濃度の雰
囲気下で、焼成されることになる。この発明は、酸素濃
度約20%の大気圧下よりも遙かに少ない3〜15%の
酸素濃度の雰囲気下で、過熱蒸気により焼成するので、
焼成時の酸化による焼成物の品質劣化を防止することが
できて、焼上がりの色を美しく保つことができる。
【0010】この発明の焼成方法に依れば、電気オーブ
ン等で焼成する場合よりも、短時間で焼成物の温度を上
昇させることが出来るため、焼成物が過剰な熱により劣
化することを最小限に止めることができるので、仕上り
の良好な焼成物ができる。
【0011】この発明で使用する過熱蒸気とは、1気圧
下で100℃以上に熱せられた水蒸気をいう。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明は、焼成室内の酸素濃度
を3〜5%にして通常の温度で焼成することにより、比
較的短時間に、しっとりとした風味の良好な焼成物を得
ることができるようにした過熱蒸気を使用する焼成物の
製造方法である。
【0013】またこの発明は、焼成室内に焼成物の搬送
手段を敷設し、その上方に圧縮空気の噴出手段及び過熱
蒸気の噴出手段を設置した過熱蒸気を使用する焼成物の
焼成装置である。
【0014】前記搬送手段は、ベルトコンベアーその他
の搬送装置を使用し、前記噴出手段は、例えば下側面に
任意数の噴出孔を穿設したパイプの一端を圧縮空気又は
過熱蒸気の供給パイプと連結して構成する。
【0015】この発明において、酸素濃度を3%未満に
すると、焼色及び弾力性に劣り、総合的にみてこの発明
の目的を達成できない(表1、2参照)。また酸素濃度
が15%を超えると、しっとり感が悪化する傾向になっ
て、総合評価は低下する。
【0016】
【実施例1】以下、フローシート図に従って説明する。
【0017】通常の飽和蒸気発生ボイラー1で発生させ
た120℃の飽和蒸気は、常圧下の水蒸気である為に、
前記飽和蒸気発生ボイラー1内の空気を全て追い出し、
水蒸気のみに置換されて無酸素の状態となる。これを飽
和蒸気送出パイプ2で、蒸気加熱器3に送入し、該蒸気
加熱器3で加熱して、500℃まで温度を上昇させ過熱
蒸気供給パイプ4で、過熱蒸気調節器5に送入する。該
過熱蒸気調節器5で焼成対象物にあわせて過熱蒸気の温
度調節を行う。温度調節された過熱蒸気を、過熱蒸気供
給パイプ6で焼成室8へ供給する。この過熱蒸気は、酸
素を含まないままの状態で、温度のみ過熱蒸気調節器5
で調節される。
【0018】次に焼成室内の酸素濃度をコントロールす
る為に、コンプレッサー12から圧縮空気を供給パイプ
13で焼成室8に供給する。
【0019】この過熱蒸気による焼成加熱の特徴は、水
蒸気の対流加熱に、放射加熱(輻射熱)が加わると共
に、水蒸気であるため焼成物に対する伝熱速度が極めて
高くなる特徴がある。
【0020】更に過熱蒸気には、逆転点の存在すること
から、焼成物に対して、乾燥空気よりも、乾燥が速いと
いう現象が生じる。また過熱蒸気による加熱のため、空
気を追い出した無酸素状態で、焼成物の加熱ができるの
も大きな特徴である。この発明の構成要素である焼成室
内の低い濃度の酸素雰囲気下での焼成を実現する為に
は、無酸素状態の過熱蒸気に、酸素を供給するため、コ
ンプレッサー12で圧縮空気の供給パイプ13により強
制的に注入する必要がある。
【0021】前記焼成物の加熱温度は、過熱蒸気の温度
と投入する過熱蒸気の量によりコントロールすることが
できる。加熱時間はベルトコンベアー11の進行速度を
調整することによりコントロールすることができる。
【0022】また加熱蒸気による焼成である為、焼成物
に与える熱効率が格段に優れ、従来の焼成方法に比べ
て、加熱時間を大幅に短縮することができる。この結
果、熱による焼成物の劣化を最小限に止めることができ
る。
【0023】過熱蒸気を使用して、焼成物を焼成するに
当たり、焼成温度、焼成時間と共に焼成室8内の酸素濃
度を3〜15%に制御することによって、従来の技術で
は実現できなかった大方の日本人消費者の嗜好に合致し
たしっとりとしていて、且つ弾力性を併せ持つ新規な組
織及び風味を有する焼成物が提供できるものである。
【0024】この発明者等は、しっとりさと弾力性を併
せ持つ新規な組織を作る上で、焼成温度、焼成時間及び
焼成時の焼成室内の酸素濃度が、とりわけ重要な要素で
あることを見い出した。
【0025】焼成室8内に設けられた過熱蒸気の噴出孔
付きパイプ7は、焼成物の上方に、焼成室内に設置され
ているベルトコンベアー11の進行方向と平行に固定し
て設置されている。前記ベルトコンベアーの形状・種類
等は、焼成する焼成物に応じて、これに適したものを適
宜選択することが出来る。
【0026】この発明で用いる過熱蒸気は、焼成室内の
焼成物の上方から過熱蒸気を噴出して焼成物を焼成す
る。前記過熱蒸気の噴出孔付きパイプ7には、下向きに
噴出孔が適宜の個数設けられている。前記過熱蒸気の噴
出孔付きパイプ7に設けられた噴出孔は、過熱蒸気を噴
出して焼成するものであるから、焼成室8の広さに応じ
て、過熱蒸気が焼成物に対し、平均して効率よく分散
し、噴出できるものであれば良い。また、前記過熱蒸気
の噴出孔付きパイプ7に設けられた噴出孔は、必ずしも
正確に真下を向いていなくとも、過熱蒸気を焼成物の上
方からに吹き付ける作用をするものであれば目的を達す
ることが出来る。又過熱蒸気の噴出孔付きパイプ7及び
圧縮空気の噴出孔付きパイプ14を焼成室内にそれぞれ
設置する位置は、コンベアー11上の焼成物が所定の位
置から、過熱蒸気又は圧縮空気の噴出流の風圧よって、
焼成物がベルトコンベアー11上を移動したり、又は風
圧による変形を受けないように、それぞれのパイプから
の噴出流を考慮して焼成室内に固定する。
【0027】更に、圧縮空気の噴出孔付きパイプ14
は、過熱蒸気の噴出孔付きパイプ7よりも少し下の位置
に設置するようにして、焼成物に向けて上方から圧縮空
気が噴出するように配置する。
【0028】製造する焼成物は、焼成室8の焼成原料搬
入口9から、図示していないベルトコンベアーにより、
区画された焼成室内のベルトコンベアー11上に連続し
て搬入され、焼成室8内のベルトコンベアー11で設定
された速度で移動しながら焼成されて、焼成加工終了後
に、焼成室8の焼成物搬出口10から焼成室外に図示し
ていないベルトコンベアーで連続して搬出されるので、
焼成物は連続して製造できる。
【0029】次に、焼成の際の酸素濃度の調節は、ベル
トコンベアー11上を移送される焼成物を上方から、焼
成物に向けた圧縮空気の噴出孔から圧縮空気を噴出させ
て調節する。その圧縮空気の噴出量を調整することによ
り、焼成室内の酸素濃度を制御して、所定の酸素濃度が
焼成の間中維持されるようにする。圧縮空気を焼成物か
ら噴出して、高温の空気の流れを焼成中の焼成物の周囲
に作り出すことで、焼成物からの水分の蒸発量が制御で
きる。これにより適当にしっとり感を持つ好ましい焼成
物ができる。
【0030】区画された焼成室8には、焼成原料搬入口
9と焼成物搬出口10が設けられているので、完全密閉
されては居ないものの、過熱蒸気の噴出孔付きパイプ7
と圧縮空気の噴出孔付きパイプ14の2本の噴出孔から
間断なく、過熱蒸気と圧縮空気が噴出供給されているの
で、焼成室8内は常時陽圧の状態となって、所定の焼成
温度と酸素濃度を維持することができる。
【0031】酸素濃度の測定方法は、CHINO社製
「湿度酸素測定センサー」(HN/ZS040S)によっ
て測定しながら、圧縮空気の噴出量を調整する。
【0032】圧縮空気の噴出孔付きパイプ14の噴出孔
から間断なく、圧縮空気が供給されるので、焼成室内の
酸素濃度は、短時間で速やかに設定された所定の濃度に
調整され、且つ所定の酸素濃度が焼成工程の間中維持さ
れる。
【0033】圧縮空気を焼成物の上方から噴出すると、
焼成物の表面は、熱伝達率の高い、高温の空気の流れを
焼成物の周囲に作り出すことで、焼成時間が短縮され、
焼成物の表面から素早く水分を蒸発させ、表面はしっと
りとして弾力性があり、内部はトロリとした好ましい新
規な組織及び風味を持った焼成物ができる。
【0034】更に、高温の空気の流れにより、焼成する
焼成物に熱が素早く均一に伝わるので、焼けムラによる
焼成物の上面の陥没及び変形等を防止し、好ましい形状
のものができる。また焼成温度の調節は、主として供給
する過熱蒸気の過熱温度の調節により制御が行われる。
【0035】具体的には、対象とする焼成物の性質によ
って、焼成時間、焼成温度及び酸素濃度の諸条件を設定
する為に試行を繰り返し、焼成物の表面及び内部の焼き
あがり具合を吟味して、最適の組み合わせの焼成条件等
を設定することが出来る。
【0036】また、この発明は、焼成物を過熱蒸気を使
用して、焼成室内の酸素濃度を3〜15%の雰囲気下で
焼成し、また焼成の際に過熱蒸気及び圧縮空気を噴出し
て、高温の空気の流れを焼成中の焼成物の周囲に作り出
せば、目的を達せられるので、焼成室内のそれぞれのパ
イプを配置する位置は、上方及び下方から、上方のみ、
又は下方のみ、側方から、両側方から、斜め上方、斜め
下方等の位置からであっても目的を達成することが出来
るので、過熱蒸気の噴出孔付きパイプ及び圧縮空気の噴
出孔付きパイプを固定する位置はフローシート図に示し
た型式に限定されるものではない。
【0037】更に、この発明は、実施例以外の焼成物に
も適用することができる。この場合には、焼成物の性質
に応じて、焼成物に適した焼成時間、焼成温度及び焼成
室内の酸素濃度等の条件を設定することができ、幅広く
一般的な他の食品の焼成、例えば焼き鳥、骨付き腿肉、
穴子、真鯛、水産練り製品、鯖、他の生魚、魚の切り身
等のいわゆる焼き物の焼成にも適用することが出来る。
【0038】
【実施例2】(スポンジケーキの焼成例)下記の配合表
1により、全卵200部に砂糖100部を加えて、これ
を泡立てた後、小麦粉100部を添加し、湯煎で溶かし
た無塩バター30部を混合し、スポンジケーキ用原料生
地を調整した原料生地330gを直径18cmのケーキ
型枠に流し込み、焼成室の焼成原料搬入口から搬入し
た。
【0039】過熱蒸気の噴出量を調整して焼成温度を制
御し、また圧縮空気の噴出量を調整して酸素濃度を制御
し、コンベアーの進行速度を調整して加熱時間を制御し
て試験を実施した。
【0040】配合表1 全卵 200部 砂糖 100部 小麦粉 100部 無塩バター 30部
【0041】前記配合表1に示すように、電気オーブン
で焼成した場合と比較して、概ね焼成時間が短縮され
た。
【0042】酸素濃度が0%のものは、原料生地の水分
が十分飛ばされず、弾力はあってもべたべたした仕上り
であった。
【0043】焼成温度150〜200℃、焼成室内の酸
素濃度3〜15%範囲内で且つ焼成時間が7〜9分で焼
成したものが、従来の技術では実現できなかった大方の
日本人消費者の嗜好に合うしっとりとし、且つ弾力性を
合わせ持つ新規な組織及び風味を持つスポンジケーキが
得られた。対照の電気オーブンでは焼成時間が35分と
長く、できたスポンジケーキも弾力だけが強く、しっと
り感のない乾いた食感のものとなり、総合評価も不良で
あった。
【0044】圧縮空気を焼成物の上方から噴出して、高
温の空気の流れを焼成中のスポンジケーキの周囲に作り
出すことで、スポンジからの水分の蒸発量が制御でき
る。これにより適当にしっとり感を持つ好ましいスポン
ジケーキができる。
【0045】スポンジケーキの焼成温度、焼成時間及び
酸素濃度の条件等の焼成結果及び総合評価は表1−1、
表1−2記載の通りである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【実施例3】(ショコラモアレの焼成例)下記の配合表
2により、全卵250部、薄力粉100部、グラニュー
糖100部を混合したものに、湯煎で溶かしたスイート
チョコレート150部と無塩バター150部を添加、混
合して原料生地を調整した。
【0049】原料生地60gを通常のプリンの成形型に
流し込み、焼成室の焼成原料搬入口から搬入した。
【0050】過熱蒸気の噴出量を調整して温度を制御
し、圧縮空気の噴出量を調整して酸素濃度を制御し、コ
ンベアーの進行速度を調整して加熱時間を制御して試験
を実施した。
【0051】配合表2 全卵 250部 無塩バター 150部 スイートチョコレート 150部 薄力粉 100部 グラニュー糖 100部
【0052】前記、配合表2に示すように、焼成温度2
00℃、焼成室内酸素濃度3〜15%の範囲内で、且つ
焼成時間が5〜7分で焼成した結果、従来の技術ではで
きなかった大方の日本人消費者の嗜好にに合うしっとり
とし、且つ弾力性を併せ持つ新規な組織及び風味を持つ
焼成物が得られた。外側が弾力があり、同時にしっとり
した、もちもちした食感で、しかも、内側がトロリとし
た好適なショコラモアレが得られた。特に焼成温度20
0℃、焼成室内の酸素濃度が15%で、5分間の焼成で
良好な物性のショコラモアレが得られた。
【0053】また、焼成温度が230℃では、内側が固
くなり過ぎるか、外側の弾力が強く、しっとり感のない
乾いた食感のものしか得られなかった。
【0054】対照の電気オーブンでは、外側が弾力があ
り、内側がトロリとした良好なものは得られなかった。
【0055】圧縮空気を焼成物の上方に設置された圧縮
空気の噴出孔付きパイプから噴出すると、外側は高温の
空気の流れを原料生地の周囲に作り出すことで、調理時
間が短縮され、原料生地の表面から素早く水分を蒸発さ
せ、しっとりとして弾力性があり、内部はトロリとした
好ましい組織を持ったショコラモアレができる。
【0056】更に、高温の空気の流れにより、焼成する
原料生地に熱が素早く均一に伝わるので、焼けムラによ
るショコラモアレの上面の陥没及び変形を防止し、好ま
しい形状のものができる。
【0057】対照の電気オーブンでは、200〜230
℃で、且つ焼成時間を5〜10分のものは、何れも総合
評価は不良であった。
【0058】ショコラモアレの焼成温度、焼成時間及び
酸素濃度の条件等の焼成結果及び総合評価は表2−1、
表2−2の通りである。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】この発明によれば、過熱蒸気を使用し
て、焼成時間、焼成温度及び焼成室内の酸素濃度を3〜
15%と極めて低い濃度に制御する構成としたので、焼
成時間を短縮して、焼成時の熱による焼成物の劣化を最
小限に止めることができる。従って仕上がりの良好な焼
成物を得ることができる。また従来の技術では実現でき
なかったしっとりとし、且つ弾力性を併せ持つ、新規な
組織及び風味を持つ焼成物が得られる。次に焼成時の酸
化による焼成物の劣化を防止することができるので、焼
成物の陥没及び変形のない焼成物が得られ、且つ焼き上
がりの色を美しく保つ焼成物が得られるなどの諸効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のフローシート図
【符号の説明】
1 飽和蒸気発生ボイラー 2 飽和蒸気流入パイプ 3 蒸気加熱器 4 過熱蒸気送出パイプ 5 過熱蒸気調節器 6 過熱蒸気供給パイプ 7 過熱蒸気の噴出孔付きパイプ 8 焼成室 9 焼成原料搬入口 10 焼成物搬出口 11 ベルトコンベアー 12 コンプレッサー 13 圧縮空気の供給パイプ 14 圧縮空気の噴出孔付きパイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 義彦 宮崎県延岡市鶴が丘1の26の5 (72)発明者 中原 飛香 宮崎県宮崎市北権現町110の9 (72)発明者 前田 大悟 宮崎県児湯郡高鍋町大字北高鍋218の3 (72)発明者 小松 恵徳 宮崎県宮崎市神宮東3の10の29の201 (72)発明者 岩下 和広 宮崎県宮崎郡清武町大字木原52の1の110 (72)発明者 高橋 康之 宮崎県宮崎市丸山1の175の801 Fターム(参考) 4B032 DB06 DP46 4B040 AA01 AB01 AC01 AC14 AD04 AD11 AD22 AE04 AE20 CA02 CA04 CB30 EB20 GD01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成物の製造方法において、焼成室内の
    酸素濃度を3〜15%とすることを特徴とする過熱蒸気
    を使用する焼成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 焼成室内に、焼成物を移送する為のベル
    トコンベアーと、圧縮空気の噴出孔が設けてある噴出孔
    付きパイプと、過熱蒸気の噴出孔が設けてある過熱蒸気
    の噴出孔付きパイプとを備えたことを特徴とする過熱蒸
    気を使用する焼成物の焼成装置。
JP11040131A 1999-02-18 1999-02-18 過熱蒸気を使用する焼成物の製造方法及びその焼成装置 Pending JP2000236798A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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