JP2000236690A - ブラシレスモータの駆動制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの駆動制御装置

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JP2000236690A
JP2000236690A JP11038385A JP3838599A JP2000236690A JP 2000236690 A JP2000236690 A JP 2000236690A JP 11038385 A JP11038385 A JP 11038385A JP 3838599 A JP3838599 A JP 3838599A JP 2000236690 A JP2000236690 A JP 2000236690A
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timing
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JP11038385A
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English (en)
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Yoichi Shukuri
陽一 宿里
Noriyoshi Nagase
徳美 永瀬
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速回転においても、適正な転流のタイミン
グに合わせることができ、適正な転流のタイミングから
かけ離れることのないブラシレスモータの駆動制御装置
を提供することを目的とする。 【解決手段】 ブラシレスモータの駆動電流の相切り換
えを行うためのタイミングを発生する強制同期タイミン
グ発生手段と、強制同期タイミング発生手段の発生する
タイミングで駆動電流の相切り換えを行う駆動電流切換
手段と、全ての固定子巻線に通電される全電流値又は全
電流値の時間変化率の絶対値を検出する全電流検出手
段、又は、少なくとも一つの固定子巻線に通電される相
電流値又は相電流値の時間変化率の絶対値を検出する相
電流検出手段と、全電流検出手段又は相電流検出手段の
検出値により強制同期タイミング発生手段の発生する相
切り換えを行うためのタイミングを補正する位相差補正
手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強制同期信号を発
生することにより固定子巻線に流す駆動電流の相切り換
えを行いブラシレスモータの回転を制御するブラシレス
モータの駆動制御装置、及び固定子巻線に誘起される誘
起電圧のゼロクロス点を検出することでロータの磁極位
置を検出しロータの回転に同期して固定子巻線に流す駆
動電流の相切り換えを行いブラシレスモータの回転を制
御するブラシレスモータの駆動制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のブラシレスモータの駆動制御装置
としては、特開平5−219784号公報(以下、イ号
公報と呼ぶ。)に、ブラシレス直流モータの三相電機子
巻線への電流を通電、遮断するインバータと、起動指令
手段と、上記起動指令手段の起動指令により同期信号を
出力する同期信号発生手段と、上記電機子巻線に誘起さ
れた誘起電圧に基づいて磁石回転子と上記電機子巻線と
の相対位置を検出する位置検出手段と、上記位置検出手
段の出力信号のモードが同期信号のモードに対して所定
の関係にあるか否かを判別するモード判別手段と、上記
同期信号発生手段が出力した同期信号に基づいて上記イ
ンバータの駆動信号を生成する一方、上記モード判別手
段の判定結果をうけ、上記位置検出手段の出力信号のモ
ードが同期信号のモードに対して所定の関係にある状態
が所定期間続いた後は上記位置検出手段の出力信号に基
づいて上記インバータの駆動信号を生成する駆動信号生
成手段とを備えたことを特徴とするブラシレス直流モー
タの駆動装置が開示されている。
【0003】以下に、イ号公報に開示の従来のブラシレ
スモータの駆動制御装置について説明する。
【0004】図35はイ号公報に開示の従来のブラシレ
スモータの駆動制御装置における強制同期運転から定常
センサレス運転に切替える状態を表わす図である。
【0005】図35において、301は固定子巻線に誘
起される電圧による位置検出信号から導き出される転流
のタイミング信号、302は起動時に強制的に出力され
る強制同期信号、303は前記位置検出信号と強制同期
信号との位相差である。
【0006】上記従来のブラシレスモータの駆動制御装
置は、起動時の強制同期信号と、回転状態で検出される
固定子巻線に誘起される電圧のゼロクロス点の位置検出
信号との位相を略一致させてから、強制同期運転から定
常センサレス運転に切替える。前記固定子巻線に誘起さ
れる電圧のゼロクロス点による位置検出信号から導き出
される転流のタイミング信号と起動の強制同期信号の位
相差をなくして、起動の強制同期運転から定常センサレ
ス運転に切替えることにより、起動から安定したセンサ
レス駆動を実現できる。
【0007】また、負荷増大による回転数変化に対して
の転流のタイミングが適正かどうか検知するブラシレス
モータの駆動制御装置として、特開昭63−16189
2号公報(以下、ロ号公報と呼ぶ。)には、モータ端子
電圧からフィルタとコンパレータとを用いて位置検出信
号を得る方式のブラシレス直流モータにおいて、当該モ
ータへの通電を制御する複数個の半導体スイッチよりな
るインバータ部と直流電電部との間に設けられた電流検
出素子と、前記インバータの入力電流である直流電流を
前記電流検出素子により検出し、その電圧の最大値を任
意の時定数で保持する手段と、前記最大値に応じて位相
量を作成する位置検出信号補正手段とを備え、該位置検
出信号補正手段が、前記位置検出信号の位相を、前記最
大値に応じた補正位相量を変化させるようにしたことを
特徴とするブラシレス直流モータが開示されている。
【0008】以下に、従来の技術において、ロ号公報に
開示の従来のブラシレスモータの駆動制御装置について
説明する。
【0009】図36はロ号公報に開示の従来のブラシレ
スモータの駆動制御装置におけるモータ電流波形を示す
図である。
【0010】図36において、304はある負荷トルク
のもとで回転している時のモータ電流を表わし、305
はその時の最大値を保持する為に、ある時定数を持って
変動するピーク電流の波形である。
【0011】上記ロ号公報に開示の従来のブラシレスモ
ータの駆動制御装置では、ピーク電流値に応じて、位相
シフト量の補正を行ない、負荷変動増大による位置検出
信号の位相変化を防止し、適正な転流タイミングを得る
ことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のブラシレスモータの駆動制御装置では、以下のような
問題点を有していた。
【0013】(1)低速回転の状態では、固定子巻線に
誘起される電圧が小さいため、位置検出信号が検出され
ない。そのため、転流のタイミング信号が検出されず、
前述の起動の強制同期運転からセンサレス運転に切り換
える動作の際、固定子巻線に通電する電流の転流のタイ
ミングが適正であるかどうか検知することができない。
【0014】(2)回転数変化に対して、ピーク電流が
負荷によるものか、転流のタイミングによるものか分か
らないため、ピーク電流により一意的に位相シフト量を
補正することになり、更に適正な転流のタイミングから
かけ離れてしまう場合がある。
【0015】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、固定子巻線に誘起される電圧が小さい低速回転にお
いても、適正な転流のタイミングに合わせることがで
き、転流のタイミングが適正な転流のタイミングからか
け離れることのないブラシレスモータの駆動制御装置を
提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のブラシレスモータの駆動制御装置は、三相結
線された固定子巻線に一定のタイミングで切り換わる駆
動電流が通電され駆動されるブラシレスモータの駆動制
御装置であって、(1)ブラシレスモータの駆動電流の
相切り換えを行うためのタイミングを発生する強制同期
タイミング発生手段と、(2)強制同期タイミング発生
手段の発生するタイミングで駆動電流の相切り換えを行
う駆動電流切換手段と、(3)全ての固定子巻線に通電
される全電流値又は全電流値の時間変化率の絶対値を検
出する全電流検出手段、又は、少なくとも一つの固定子
巻線に通電される相電流値又は相電流値の時間変化率の
絶対値を検出する相電流検出手段と、(4)全電流検出
手段又は相電流検出手段の検出値により強制同期タイミ
ング発生手段の発生する相切り換えを行うためのタイミ
ングを補正する位相差補正手段と、を備えた構成より成
る。
【0017】また、本発明のブラシレスモータの駆動制
御装置は、三相結線された固定子巻線に一定のタイミン
グで切り換わる駆動電流が通電され駆動されるブラシレ
スモータの駆動制御装置であって、(1)固定子巻線に
誘起される誘起電圧が一定の基準電圧と交叉する点であ
るゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出手段と、
(2)ゼロクロス点検出手段により検出されるゼロクロ
ス点の発生のタイミングにより駆動電流の相切り換えを
行うためのタイミングを発生する帰還同期タイミング発
生手段と、(3)強制同期タイミング発生手段の発生す
るタイミングで駆動電流の相切り換えを行う駆動電流切
換手段と、(4)全ての固定子巻線に通電される全電流
値又は全電流値の時間変化率の絶対値を検出する全電流
検出手段、又は、少なくとも一つの固定子巻線に通電さ
れる相電流値又は相電流値の時間変化率の絶対値を検出
する相電流検出手段と、(5)全電流検出手段又は相電
流検出手段の検出値により強制同期タイミング発生手段
の発生する相切り換えを行うためのタイミングを補正す
る位相差補正手段と、を備えた構成より成る。
【0018】この構成により、固定子巻線に誘起される
電圧が小さい低速回転においても、適正な転流のタイミ
ングに合わせることができ、転流のタイミングが適正な
転流のタイミングからかけ離れることのないブラシレス
モータの駆動制御装置を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載のブラシ
レスモータの駆動制御装置は、三相結線された固定子巻
線に一定のタイミングで切り換わる駆動電流が通電され
駆動されるブラシレスモータの駆動制御装置であって、
(1)ブラシレスモータの駆動電流の相切り換えを行う
ためのタイミングを発生する強制同期タイミング発生手
段と、(2)強制同期タイミング発生手段の発生するタ
イミングで駆動電流の相切り換えを行う駆動電流切換手
段と、(3)全ての固定子巻線に通電される全電流値又
は全電流値の時間変化率の絶対値を検出する全電流検出
手段、又は、少なくとも一つの固定子巻線に通電される
相電流値又は相電流値の時間変化率の絶対値を検出する
相電流検出手段と、(4)全電流検出手段又は相電流検
出手段の検出値により強制同期タイミング発生手段の発
生する相切り換えを行うためのタイミングを補正する位
相差補正手段と、を備えた構成としたものであり、この
構成により、以下のような作用が得られる。
【0020】(1)位相差補正手段は、全電流検出手段
又は相電流検出手段によりブラシレスモータの固定子巻
線に流れる全電流値や相電流値を検出し、その値により
転流のタイミングが適正か否かを判断するので、位置検
出信号が検出できなくても転流のタイミングが適正かど
うか検知することができる。
【0021】(2)モータの全電流値や相電流値をフィ
ードバックするため、回転数変化に対しても、ピーク電
流が負荷によるものか転流のタイミングが適正でないた
めかを区別することができ、位相差補正手段により、適
正な転流のタイミングに合わせることができる。
【0022】(3)電流をフィードバックするため、駆
動電流切換手段を構成する電気部品の容量の範囲内でモ
ータの起動を行うことができる。
【0023】(4)電流をフィードバックするため、起
動時にブラシレスモータにかかる負荷が変わる場合にも
対応することができる。
【0024】(5)電流をフィードバックするため、駆
動電圧が変動する場合にも対応することができる。
【0025】本発明の請求項2に記載のブラシレスモー
タの駆動制御装置は、三相結線された固定子巻線に一定
のタイミングで切り換わる駆動電流が通電され駆動され
るブラシレスモータの駆動制御装置であって、(1)固
定子巻線に誘起される誘起電圧が一定の基準電圧と交叉
する点であるゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出
手段と、(2)ゼロクロス点検出手段により検出される
ゼロクロス点の発生のタイミングにより駆動電流の相切
り換えを行うためのタイミングを発生する帰還同期タイ
ミング発生手段と、(3)強制同期タイミング発生手段
の発生するタイミングで駆動電流の相切り換えを行う駆
動電流切換手段と、(4)全ての固定子巻線に通電され
る全電流値又は全電流値の時間変化率の絶対値を検出す
る全電流検出手段、又は、少なくとも一つの固定子巻線
に通電される相電流値又は相電流値の時間変化率の絶対
値を検出する相電流検出手段と、(5)全電流検出手段
又は相電流検出手段の検出値により強制同期タイミング
発生手段の発生する相切り換えを行うためのタイミング
を補正する位相差補正手段と、を備えた構成としたもの
であり、この構成により、以下のような作用が得られ
る。
【0026】(1)モータの全電流値や相電流値をフィ
ードバックするため、回転数変化に対しても、ピーク電
流が負荷によるものか帰還同期タイミング発生手段が発
生する転流のタイミングが適正でないためかを区別する
ことができ、位相差補正手段により、適正な転流のタイ
ミングに合わせることができる。
【0027】(2)電流をフィードバックするため、駆
動電流切換手段を構成する電気部品の容量の範囲内でモ
ータを駆動することができる。
【0028】(3)モータの能力(モータに加える電
力)を変える際、急激に駆動電圧等を変えても対応する
ことができる。
【0029】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のブラシレスモータの駆動制御装置であって、位
相差補正手段は、全電流検出手段の検出する全電流の相
切り換えの一周期におけるピーク値が一定の閾値以上と
なることにより強制同期タイミング発生手段又は帰還同
期タイミング発生手段の発生する相切り換えのタイミン
グの位相ずれの発生を検出することを特徴とする構成と
したものであり、この構成により、以下のような作用が
得られる。
【0030】(1)位相が合っていないことを的確に判
断できる。
【0031】(2)電流を検出するタイミングを発生す
る必要がないため、位相差補正手段を簡単な構成とする
ことが可能となる。
【0032】(3)全電流値により位相差検出を行うた
め、ブラシレスモータの固定子巻線の抵抗やインダクタ
ンス等のばらつきがあっても影響がない。
【0033】請求項4に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のブラシレスモータの駆動制御装置であって、全
電流検出手段は、駆動電流切換手段が駆動電流の相切り
換えを行う直前の全電流値を検出し、位相差補正手段
は、全電流検出手段の検出する全電流値が一定の閾値B
1以下となることにより強制同期タイミング発生手段又
は帰還同期タイミング発生手段の発生する相切り換えの
タイミングの位相が進んでいることを検出し、全電流検
出手段の検出する全電流値が一定の閾値B2以上となる
ことにより強制同期タイミング発生手段又は帰還同期タ
イミング発生手段の発生する相切り換えのタイミングの
位相が遅れていることを検出することを特徴とする構成
としたものであり、この構成により、以下のような作用
が得られる。
【0034】(1)位相が合っていないことを的確に判
断できる。
【0035】(2)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、位相差補正手段を簡単な構成とすることが可
能となる。
【0036】(3)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、強制同期タイミング発生手段又は帰還同期タ
イミング発生手段が次に相切り換えを行うタイミングの
位相を進める処理をすべきか遅延させる処理をすべきか
を判定することが可能となる。
【0037】請求項5に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のブラシレスモータの駆動制御装置であって、全
電流検出手段は、駆動電流切換手段が駆動電流の相切り
換えを行った後次の相切り換えを行う前の一定の期間に
おいて全電流値の時間変化率の絶対値を検出し、位相差
補正手段は、全電流検出手段の検出する全電流値の時間
変化率の絶対値が一定の閾値C1以上となることにより
強制同期タイミング発生手段又は帰還同期タイミング発
生手段の発生する相切り換えのタイミングの位相ずれを
検出することを特徴とする構成としたものであり、この
構成により、以下のような作用が得られる。
【0038】(1)位相が合っていないことを的確に判
断できる。
【0039】(2)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、位相差補正手段を簡単な構成とすることが可
能となる。
【0040】請求項6に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のブラシレスモータの駆動制御装置であって、全
電流検出手段は、全電流値の平均電流値又は電流実効
値、及び全電流値の交流成分値を検出し、位相差補正手
段は、全電流検出手段の検出する交流成分値と平均電流
値の比率、又は交流成分値と電流実効値の比率が一定の
閾値D1以上となることにより強制同期タイミング発生
手段又は帰還同期タイミング発生手段の発生する相切り
換えのタイミングの位相ずれを検出することを特徴とす
る構成としたものであり、この構成により、以下のよう
な作用が得られる。
【0041】(1)平均電流値もしくは実効電流値と回
転数により負荷を推定でき、なおかつ比率より転流のタ
イミングの適正度合いを知ることができる。
【0042】(2)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、位相差補正手段を簡単な構成とすることが可
能となる。
【0043】請求項7に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のブラシレスモータの駆動制御装置であって、相
電流検出手段は、少なくとも一つの前記固定子巻線の駆
動電流の通電されていない期間の内のある一定の期間に
おいて相電流値の時間変化率の絶対値を検出し、位相差
補正手段は、相電流検出手段の検出する相電流値の時間
変化率の絶対値が一定の閾値E1以上となることにより
強制同期タイミング発生手段又は帰還同期タイミング発
生手段の発生する相切り換えのタイミングの位相ずれを
検出することを特徴とする構成としたものであり、この
構成により、以下のような作用が得られる。
【0044】(1)最も顕著に転流のタイミングの適正
度合いを知ることができる。
【0045】(2)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、位相差補正手段を簡単な構成とすることが可
能となる。
【0046】以下に本発明の一実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。
【0047】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1のブラシレスモータの駆動制御装置の装置構成を示
すブロック図である。
【0048】図1において、101はブラシレスモータ
のステータ、102u、102v、102wはステータ
101内で駆動磁界を発生させる三相結線された固定子
巻線、103は固定子巻線102u、102v、102
wの発生する磁界により回転駆動される永久磁石回転
子、104は固定子巻線102u、102v、102w
の各端子U、V、Wに接続され各固定子巻線に流す駆動
電流を生成するドライブ回路、105〜110は固定子
巻線102u、102v、102wに流す駆動電流
u、iv、iwの切り換えを行うコミュテータ素子、1
11〜116はコミュテータ素子105〜110のスイ
ッチングにより発生するサージ電圧を解放するフリーホ
イーリングダイオード、117はステータ101を駆動
するための電圧を供給する駆動電源、118は駆動電源
117の電圧に重畳するノイズを除去するバイパスコン
デンサ、RIは全電流値検出抵抗である。
【0049】コミュテータ素子105〜107はNPN
型トランジスタが用いられ、コミュテータ素子108〜
110はPNP型トランジスタが用いられる。固定子巻
線102u、102v、102wの一端子Oは共通に接
続され、他端子U,V,Wはそれぞれ、端子Uはコミュ
テータ素子105及び108の共通接続点(両素子のコ
レクタ側)に接続されており、端子Vはコミュテータ素
子106及び109の共通接続点(両素子のコレクタ
側)に接続されており、端子Wはコミュテータ素子10
7及び110の共通接続点(両素子のコレクタ側)に接
続されている。バイパスコンデンサ118は駆動電源1
17の両極に接続されており、駆動電源117の負極側
は接地されている。また、コミュテータ素子105〜1
07のエミッタ側は駆動電源117の正極側に接続さ
れ、コミュテータ素子108〜110のコレクタ側は全
電流値検出抵抗RIを介して接地されている。
【0050】119U、119Lは固定子巻線102
u、102v、102wの端子に発生する電圧の中性点
の電位(以下、中性電位VNと呼ぶ。)を生成する中性
電位生成抵抗、120は固定子巻線102u、102
v、102wの端子U、V、Wに発生する端子電圧
U、VV、VWと中性電位VNとを比較することによりゼ
ロクロス点検出信号VU0、VV0、VW0を生成し出力する
ゼロクロス点検出部、120u、120v、120wは
それぞれ端子電圧VU、VV、VWと中性電位VNとが入力
されゼロクロス点検出信号VU0、VV0、VW0を出力する
コンパレータ、121はドライブ回路104を制御する
ことにより永久磁石回転子103の回転数の制御を行う
制御部である。
【0051】中性電位生成抵抗119U及び中性電位生
成抵抗119Lとは接続点ONにおいて一端が互いに接
続されており、中性電位生成抵抗119Uの他端はバイ
パスコンデンサ118の正極に接続され、中性電位生成
抵抗119Lの他端は全電流値検出抵抗R1を介して接
地されている。中性電位生成抵抗119Uと中性電位生
成抵抗119Lとは、互いが接続する接続点ONにおい
て中性電位VNを生成するように抵抗値が調整されてい
る。コンパレータ120u、120v、120wの正入
力側は、それぞれ、端子U、V、Wに接続されており、
各々の負入力側は接続点ONに接続されている。コンパ
レータ120u、120v、120wは、入力された各
相の端子電圧VU、VV、VWと中性電位VNとを比較し、
端子電圧V U、VV、VWが中性電位VNより大きいときに
はそれぞれゼロクロス点検出信号V U0、VV0、VW0をH
IGH状態として出力し、端子電圧VU、VV、VWが中
性電位VNより小さいときにはそれぞれゼロクロス点検
出信号VU0、VV0、VW0をLOW状態として出力する。
制御部121は、コミュテータ素子105〜110のベ
ースに接続されており、ドライブ回路104を制御する
ための六相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、W
Lを生成し出力する。また、制御部121は、コンパレ
ータ120u、120v、120wの出力側に接続され
ており、永久磁石回転子103の回転数がある一定値以
上となりフィードバック制御が可能な状態となると、ゼ
ロクロス点検出部120より入力されるゼロクロス点検
出信号V U0、VV0、VW0に基づき各六相制御信号を生成
し出力するフィードバック制御に切り換わる。
【0052】122は、全電流値検出抵抗RIの両端の
電圧(全電流値検出電圧)VR1が入力され、全電流値検
出電圧VR1のピーク電圧VR1Pと一定の閾値電圧Vsh
を比較し、ピーク電圧VR1Pが閾値電圧Vshを越えたと
きに、制御部121に対し位相差検知信号Pinを出力す
る位相差検知回路である。123は全電流値検出電圧V
R1のピーク値をホールドするピークホールド回路であ
る。123aは制御部121から出力されるリセット信
号Routにより、ピークホールド回路123でホールド
された全電流値検出電圧VR1のピーク電圧VR1Pを解放
するリセットスイッチ素子である。123bはダイオー
ド、123c、123eは抵抗器、123dはコンデン
サ、123f、123gがコンパレータである。124
はピークホールド回路123によりホールドされた全電
流値検出電圧VR1のピーク電圧VR1 Pと閾値電圧Vsh
を比較しピーク電圧VR1Pが閾値電圧Vshを越えたとき
に、位相差検知信号Pinを出力する閾値比較回路であ
る。124aはコンパレータ、124bは閾値電圧Vsh
を供給する電圧源である。
【0053】図2は図1の制御部の機能ブロック図であ
る。
【0054】図2において、121は制御部、VU0、V
V0、VW0はゼロクロス点検出信号、UH、UL、VH、
VL、WH、WLは六相制御信号、Pinは位相差検知信
号、Routはリセット信号であり、これらは図1と同様
のものである。
【0055】201は、各相のゼロクロス点検出信号V
U0、VV0、VW0が入力されると各ゼロクロス点の中から
サージパルスのゼロクロス点(後述)を除去し誘起電圧
のゼロクロス点(後述)のみを抽出し、各相それぞれに
対して誘起電圧のゼロクロス点検出信号VU1、VV1、V
W1を出力するゼロクロス点抽出部である。202は、ゼ
ロクロス点検出信号VU1、VV1、VW1により各相のうち
のどれか一つで誘起電圧のゼロクロス点が検出されてか
ら、次に各相のうちのどれか一つでゼロクロス点が検出
されるまでの時間間隔(ゼロクロス点時間間隔TZ)を
検出し出力するゼロクロス点時間間隔計測部である。2
02aはゼロクロス点検出信号VU1、V V1、VW1が入力
され、各相のうちのどれか一つで誘起電圧のゼロクロス
点が検出されたときにゼロクロス点検出信号VZを出力
する波形合成論理部である。202bは、波形合成論理
部202aからゼロクロス点検出信号VZが入力される
と、その時点で、それ以前に最後にゼロクロス点検出信
号VZが入力されてからその時点までに経過した時間
(すなわち、ゼロクロス点時間間隔TZ)を出力する第
一時間計測タイマである。203は波形合成論理部20
2aにより出力されるゼロクロス点検出信号VZをトリ
ガとして時間計測を開始し設定された時間(位相シフト
時間T1)を測定しその時間に達したときにフィードバ
ック制御のための転流パルスVt1を出力する第二時間計
測タイマ、204は波形合成論理部202aより入力さ
れるゼロクロス点時間間隔TZの値から30度位相シフ
ト時間TZ/2又は90度位相シフト時間3TZ/2を算
出し必要に応じてその値を補正し位相シフト時間T1
して第二時間計測タイマ203に設定する位相シフト量
決定部、205は外部より設定された強制同期周期T2
を計測しその時間に達したときに強制同期制御のための
転流パルスVt2を出力する第三時間計測タイマ、206
は第三時間計測タイマ205に設定する複数の強制同期
周期時間Tcが記憶されておりそれらのうちの一つを必
要に応じて補正し強制同期周期T2として第三時間計測
タイマ205に設定することにより第三時間計測タイマ
205の転流パルス出力のタイミングを制御する強制同
期周期制御部、207は第二時間計測タイマ203から
入力される転流パルスVt1又は第三時間計測タイマ20
5から入力される転流パルスVt2により六相制御信号U
0、UL0、VH0、VL0、WH0、WL0の切り換え制
御を行う転流制御部、208は転流制御部207により
出力される六相制御信号UH0、UL0、VH0、VL0
WH0、WL0が入力され電流増幅をし六相制御信号U
H、UL、VH、VL、WH、WLを出力する駆動ベー
ス信号バッファ部である。209は転流制御部207の
入力を転流パルスV t1から転流パルスVt2へ又は転流パ
ルスVt2から転流パルスVt1へ切り換える制御を行う切
換制御部である。
【0056】ゼロクロス点抽出部201には、検出され
たゼロクロス点がサージパルスの立ち上がりにより生じ
たゼロクロス点か、サージパルスの立ち下がりにより生
じたゼロクロス点か、誘起電圧によるゼロクロス点かを
判別するための波形処理フラグJが記憶されている。J
=0はゼロクロス点未検出の状態を表し、J=1はサー
ジパルスの立ち上がりを検出した状態を表し、J=2は
サージパルスの立ち下がりを検出した状態を表し、J=
3は誘起電圧によるゼロクロス点を検出した状態を表
す。
【0057】210は閾値比較回路124より位相差検
知信号Pinが入力されており、位相差検知信号Pinによ
りピーク電圧VR1Pが閾値電圧Vshを越えたことが検出
されたとき、位相が進んでいるか又は位相が遅れている
か若しくは補正の必要はないかの判定を行い、判定結果
を位相シフト量決定部204に出力する位相差判定部で
ある。
【0058】位相差判定部210は位相差検知信号Pin
の信号を受け、位相差検知信号PinがHIGH状態のと
き全電流値検出電圧VR1をA/D入力する。このとき、
ゼロクロス点の時点におけるVR1の値と転流の時点にお
けるVR1の値とを比較し、ゼロクロス点の時点における
R1の値の方が大きい場合には位相が進んでいると判定
し、転流の時点におけるVR1の値の方が大きい場合には
位相が遅れていると判定する。
【0059】211は、位相シフト量決定部204より
位相シフト時間時間が出力されるとリセット信号Rout
を出力するリセット信号発生部である。212は位相差
判定部210に位相差検知信号Pinの検出を許可する電
流値検知許可部である。
【0060】位相シフト量決定部204より位相シフト
時間が出力されると、リセット信号発生部よりリセット
信号が出力され、電流値検知許可部212は、このリセ
ット信号を受け、ピークホールド回路の時定数以上の時
間が経過した後、位相差判定部210に位相差検知信号
inの検出を許可する。
【0061】位相シフト量決定部204は、位相差判定
部210より入力される判定結果が位相が遅れていると
いう判定の場合、30度位相シフト時間をTZ/2−Δ
Z又は90度位相シフト時間3TZ/2−ΔTZとしそ
の値を位相シフト時間T1として第二時間計測タイマ2
03に設定する。また、位相差判定部210より入力さ
れる判定結果が位相が進んでいるという判定の場合、3
0度位相シフト時間をT Z/2+ΔTZ又は90度位相シ
フト時間3TZ/2+ΔTZとしその値を位相シフト時間
として第二時間計測タイマ203に設定する。ここで、
ΔTZはTZの大きさや閾値電圧Vshの大きさにより計算
され決定される値である。
【0062】また、強制同期周期制御部206は、位相
差判定部210より入力される判定結果が位相が遅れて
いるという判定の場合、強制同期周期T2をTc−ΔTc
とし第三時間計測タイマ205に設定する。また、位相
差判定部210より入力される判定結果が位相が進んで
いるという判定の場合、強制同期周期T2をTc+ΔT c
とし第二時間計測タイマ203に設定する。ここで、Δ
cはTcの大きさや閾値電圧Vshの大きさにより計算さ
れ決定される値である。
【0063】以上のように構成された本実施の形態のブ
ラシレスモータの駆動制御装置について、以下その動作
を説明する。
【0064】まず、最初に強制同期制御を行う場合につ
いて説明する。
【0065】図3は実施の形態1のブラシレスモータの
駆動制御装置の強制同期制御状態における動作を表すフ
ローチャートであり、図4は六相制御信号の位相と永久
磁石回転子の回転の位相とが一致した状態における図1
及び図2の各電圧値及び電流値の時間変化を表す図であ
り、図5は六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転
の位相より遅れた状態における図1及び図2の各電圧値
及び電流値の時間変化を表す図であり、図6は六相制御
信号の位相が永久磁石回転子の回転の位相より進んだ状
態における図1及び図2の各電圧値及び電流値の時間変
化を表す図である。
【0066】図4乃至図6において、UH、UL、V
H、VL、WH、WLは六相制御信号、Vtは転流パル
スVt1又は転流パルスVt2、iu、iv、iwは駆動電
流、VR1は全電流値検出電圧、VU0はゼロクロス点検出
信号であり、これらは図1及び図2において説明したも
のと同様のものである。
【0067】AU、AV、AWはそれぞれ、U相、V相、
W相の転流点(サージパルスの立ち上がり点)、BU
V、BWはそれぞれ、U相、V相、W相のサージパルス
の立ち下がり点、CU、CV、CWはそれぞれ、U相、V
相、W相の誘起電圧のゼロクロス点である。また、Sは
サージ電圧パルスであり、コミュテータ素子105、1
06、107、108、109、110の切り換えによ
り固定子巻線102u、102v、102wに誘起され
る逆起電圧がフリーホイーリングダイオード111、1
12、113、114、115、116を通って解放さ
れるときに端子電圧VU、VV、VWに現れる電圧パルス
である。
【0068】最初の状態として、切換制御部209は転
流制御部207の入力を転流パルスVt2となる状態に転
流制御部207を設定しているとする。
【0069】この状態において、強制同期周期時間T1
はTcに設定されているとする(S1)。まず、強制同
期周期制御部206は、強制同期周期時間T1を第三時
間計測タイマ205に設定し(S2)、第三時間計測タ
イマ205をスタートする(S3)。第三時間計測タイ
マ205は、スタートされてからの時間tを計測し、t
≧T2となったとき(S4)転流制御部207及び強制
同期周期制御部206に対し転流パルスVt2を出力し、
転流制御部207は、転流パルスVt2が入力されると六
相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLの相切
り換えを行う(S5)。
【0070】次に、強制同期周期制御部206は位相差
判定部210から入力される判定結果を検出し(S
6)、位相ずれがないという判定の場合、強制同期周期
をT2=Tcのままにして(S6a)、ステップS2に戻
り、以降、上記ステップS2〜ステップS6と同様の動
作を繰り返す。
【0071】ステップS6において、位相ずれがある場
合は、位相が進んでいるという判定の場合(S7)、強
制同期周期をT2=Tc+ΔTcとして第三時間計測タイ
マ205に設定し(S8)、ステップS2に戻る。ま
た、位相が遅れているという判定の場合(S7)、強制
同期周期をT2=Tc―ΔTcとして第三時間計測タイマ
205に設定し(S9)、ステップS2に戻る。以降
は、上記ステップS2〜ステップS6と同様の動作を繰
り返す。
【0072】以上のような動作により、六相制御信号を
ある相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、
六相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換
えまでの時間(強制同期周期T2)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(強制同期周期T2)が短縮されるため、次の六
相制御信号の相切り換えのタイミングはより適正なタイ
ミングに補正される。
【0073】次に、位相ずれの検出を行う動作について
説明する。
【0074】図1において、ピークホールド回路123
には全電流検出抵抗R1の両端電圧VR1が常に入力され
ている。ピークホールド回路123は、全電流検出抵抗
1の両端電圧VR1のピーク値をホールドし、ピーク電
圧VR1Pとして閾値比較回路124に出力している。こ
のとき、RoutはLOW状態であるとする。閾値比較回
路124は、入力されるピーク電圧VR1Pと閾値電圧V
shとを比較し、ピーク電圧VR1Pが閾値電圧Vshを越え
たときは位相差検知信号PinをHIGH状態として出力
し、それ以外の場合には位相差検知信号PinをLOW状
態として出力する。
【0075】六相制御信号の相切り換えのタイミングが
適正な場合、駆動電流iu、iv、i wの電流波形は図4
(h)〜(j)のような波形となり、全電流値検出電圧
R1の波形は図4(k)のようになる。それに対し、六
相制御信号の位相が適正な切り換えのタイミングよりも
遅れている場合、駆動電流iuの電流波形は図5(c)
のような波形となり、全電流値検出電圧VR1の波形は図
5(d)のようになる。また、六相制御信号の位相が適
正な切り換えのタイミングよりも進んでいる場合、駆動
電流iuの電流波形は図6(c)のような波形となり、
全電流値検出電圧VR1の波形は図6(d)のようにな
る。図5(d)及び図6(d)において、実線で示した
波形が六相制御信号の位相が遅れた場合及び進んだ場合
の全電流値検出電圧VR1の波形を表し、点線で示した波
形が六相制御信号の相切り換えのタイミングが適正な場
合の全電流値検出電圧VR1の波形を表す。
【0076】このように、六相制御信号の位相が遅れた
場合及び進んだ場合、転流点AU、AV、AWの直前にお
ける全電流値は、六相制御信号の相切り換えのタイミン
グが適正な場合に比べ大きくなる。従って、閾値電圧V
shを、六相制御信号の相切り換えのタイミングが適正な
場合のピーク電圧VR1Pの最大値より大きい値に設定し
ておくことにより、位相差検知信号Pinによる位相ずれ
の検出が可能となる。
【0077】図7は図1の制御部の位相ずれ検出動作を
表すフローチャートである。
【0078】まず、位相差判定部210は、電流値検知
許可部212が位相差検知信号Pinの検出を許可するま
で待機する(S10)。
【0079】位相シフト量決定部204より位相シフト
時間が出力されると、リセット信号発生部よりリセット
信号が出力され、電流値検知許可部212は、このリセ
ット信号を受け、ピークホールド回路の時定数以上の時
間が経過した後、位相差判定部210に位相差検知信号
inの検出を許可する。
【0080】位相差検知信号Pinの検出が許可されると
(S10)、位相差判定部210は位相差検知信号Pin
がHIGH状態か否かを判定し(S11)、位相差検知
信号PinがLOW状態の場合、位相差判定部210は位
相ずれがないという判定結果を出力する(S12)。位
相差検知信号PinがHIGH状態の場合(S11)、位
相差判定部210は位相が進んでいるか遅れているかを
判定する(S13)。
【0081】このとき、位相差判定部210は位相差検
知信号Pinの信号を受け、位相差検知信号PinがHIG
H状態のとき全電流値検出電圧VR1をA/D入力する。
ゼロクロス点の時点におけるVR1の値と転流の時点にお
けるVR1の値とを比較し、ゼロクロス点の時点における
R1の値の方が大きい場合には位相が進んでいると判定
し、転流の時点におけるVR1の値の方が大きい場合には
位相が遅れていると判定する。
【0082】位相が進んでいる場合、位相差判定部21
0は位相が進んでいるという判定結果を位相シフト量決
定部204及び強制同期周期制御部206に出力し(S
14)、位相が遅れている場合、位相差判定部210は
位相が遅れているという判定結果を位相シフト量決定部
204及び強制同期周期制御部206に出力する(S1
5)。
【0083】その後、リセット信号発生部211がリセ
ットスイッチ素子123a、位相差判定部210、電流
値検知許可部212にリセット信号RoutをHIGH状
態として出力し(S16)一定時間後LOW状態に戻
し、再び、ステップS10の動作に戻り、上記ステップ
S10〜S16と同様な動作を繰り返す。
【0084】リセット信号RoutがHIGH状態となる
と、リセットスイッチ素子123aは、ホールドされて
いたピーク電圧を解放し、位相差判定部210は、判定
結果をクリアし、電流値検知許可部212は位相差検知
信号Pinの検出を不許可状態とする。
【0085】次に、図2のゼロクロス点抽出部201の
動作について説明する。
【0086】図8は図2のゼロクロス点抽出部201の
動作を表すフローチャートである。
【0087】ゼロクロス点抽出部201は、内部のメモ
リにU相、V相、W相のそれぞれに対応して波形処理フ
ラグJが記憶されており、波形処理フラグJの値は、各
相の固定子巻線102u、102v、102wに駆動電
流iu、iv、iwが通電されている時(例えば、図4
(l)に示した時刻t0)には0に設定されているもの
とする。
【0088】例えば、固定子巻線102uにより転流点
Uにおいてゼロクロス点が検出され、ゼロクロス点検
出信号VU0が出力されたとすると、ゼロクロス点抽出部
201は、波形処理フラグJの値を1増加させJ=1と
する(S20)。ここでは、J≠3なので(S21)、
ゼロクロス点抽出部201はなにもせず終了する(S2
4)。次に、固定子巻線102uにより転流点BUにお
いてゼロクロス点が検出され、ゼロクロス点検出信号V
U0が出力されたとすると、ゼロクロス点抽出部201
は、波形処理フラグJの値を1増加させJ=2とする
(S20)。ここでは、J≠3なので(S21)、ゼロ
クロス点抽出部201はなにもせず終了する(S2
4)。次に、固定子巻線102uにより転流点CUにお
いてゼロクロス点が検出され、ゼロクロス点検出信号V
U0が出力されたとすると、ゼロクロス点抽出部201
は、波形処理フラグJの値を1増加させJ=3とする
(S20)。ここでは、J=3なので(S21)、ゼロ
クロス点抽出部201はゼロクロス点検出信号VU1を出
力し(S22)、波形処理フラグJの値を0に戻し(S
23)、終了する(S24)。
【0089】固定子巻線102v、102wによりゼロ
クロス点が検出された場合にも、同様の動作を行う。
【0090】以上の動作により、ゼロクロス点抽出部2
01は、固定子巻線102u、102v、102wによ
り検出されたゼロクロス点からサージ電圧パルスの立ち
上がりのゼロクロス点AU、AV、AW及びサージ電圧パ
ルスの立ち下がりのゼロクロス点BU、BV、BWを除去
し、誘起電圧によるゼロクロス点CU、CV、CWのみを
抽出し、ゼロクロス点検出信号VU1、VV1、VW1を出力
する。
【0091】次に、フィードバック制御を行う場合の動
作について説明する。
【0092】図9は実施の形態1のブラシレスモータの
駆動制御装置のフィードバック制御状態における動作を
表すフローチャートである。ここでは、例として誘起電
圧のゼロクロス点から30度位相シフトさせて六相制御
信号の相切り換えを行う場合について説明する。また、
フードバック制御状態においては、転流制御部207の
入力を転流パルスVt1となる状態に転流制御部207を
設定しているとする。
【0093】まず、ゼロクロス点間隔計測部202はゼ
ロクロス点抽出部201が誘起電圧のゼロクロス点を検
出するまで待機する(S31)。ゼロクロス点抽出部2
01がU相、V相、W相の何れかの相において誘起電圧
のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点検出信号VU1
V1、VW1の何れかを出力した場合(S31)、波形合
成論理部202aはゼロクロス点検出信号VZを第一時
間計測タイマ202b及び第二時間計測タイマ203に
出力する。第一時間計測タイマ202bは、ゼロクロス
点検出信号VZが入力されると位相シフト量決定部20
4に現在の時間計測値TZを出力すると共にタイマ値を
クリアし時間計測を再スタートさせる。第二時間計測タ
イマ203はゼロクロス点検出信号VZが入力されると
タイマ値t2をクリアし時間計測を再スタートさせる
(S32)。
【0094】次に、位相シフト量決定部204は、位相
差判定部210から入力される判定結果を検出し、位相
ずれがないという判定の場合(S33)、位相シフト時
間T 1をTZ/2(30°位相シフトの場合。)とし第二
時間計測タイマ203に設定する(S37)。また、位
相差判定部210から入力される判定の結果、位相ずれ
がある場合であって(S33)、位相が進んでいるとい
う判定の場合(S34)、位相シフト量決定部204は
位相シフト時間をT1=TZ/2+ΔTZとし第二時間計
測タイマ203に設定し(S35)、また、位相が遅れ
ているという判定の場合(S34)、位相シフト量決定
部204は位相シフト時間をT1=TZ/2−ΔTZとし
て第二時間計測タイマ203に設定する(S36)。
尚、位相ずれの検出動作については、すでに説明した通
りである。
【0095】次に、位相シフト量決定部204はリセッ
ト信号発生部211に対してリセット信号Routを出力
するように指令し、リセット信号発生部211はリセッ
トスイッチ素子123a、位相差判定部210、電流値
検知許可部212にリセット信号Routを出力する。
【0096】次に、第二時間計測タイマ203は計測時
間t2が上記設定された位相シフト時間T1に達するまで
待機し(S39)、計測時間t2が位相シフト時間T1
越えると、転流制御部207に転流パルスVt1を出力す
る(S40)。転流制御部207は、転流パルスVt1
入力されると六相制御信号UH、UL、VH、VL、W
H、WLの相切り換えを行う。以下は、ステップS31
に戻り、上記ステップS31〜S40の動作を繰り返
す。
【0097】このような動作により、六相制御信号をあ
る相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、六
相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換え
までの時間(位相シフト時間T1)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(位相シフト時間T1)が短縮される。これによ
り、六相制御信号の相切り換えのタイミングはより適正
なタイミングに補正される。
【0098】(実施の形態2)図10は本発明の実施の
形態2のブラシレスモータの駆動制御装置の装置構成を
示すブロック図である。
【0099】図10において、101はステータ、10
2u、102v、102wは固定子巻線、103は永久
磁石回転子、104はドライブ回路、105〜110は
コミュテータ素子、111〜116はフリーホイーリン
グダイオード、117は駆動電源、118はバイパスコ
ンデンサ、119U、119Lは中性電位生成抵抗、1
20はゼロクロス点検出部、120u、120v、12
0wはコンパレータ、121は制御部、RIは全電流値
検出抵抗、UH、UL、VH、VL、WH、WLは六相
制御信号、VNは中性電位、VU、VV、VWは端子電圧、
U0、VV0、V W0はゼロクロス点検出信号、iu、iv
wは駆動電流、U、V、W、Oは端子であり、これら
は図1と同様のものである。
【0100】220は全電流検出抵抗R1の両端電圧
(全電流値検出電圧)VR1の転流直前の値が下限値電圧
B1(電流下限値B1)より大きいこと及び上限値電圧
B2(電流上限値B2)より小さいことを検出すること
でドライブ回路104に供給する電流値が一定の範囲内
にあるか否かを検出する全電流閾値判定回路、221及
び223はコンパレータ、222は両端電圧VR1の下限
値電圧VB1を供給する電圧源、224は両端電圧VR1
上限値電圧VB2を供給する電圧源である。
【0101】コンパレータ221のプラス側入力端子に
は全電流値検出電圧VR1が入力され、マイナス側入力端
子には下限値電圧VB1が入力され、比較結果DI1が制御
部121に出力される。また、コンパレータ223のマ
イナス側入力端子には全電流値検出電圧VR1が入力さ
れ、プラス側入力端子には上限値電圧VB2が入力され、
比較結果DI2が制御部121に出力される。
【0102】図11は図10の制御部の機能ブロックを
表す図である。
【0103】図11において、121は制御部、201
はゼロクロス点抽出部、202はゼロクロス点間隔計測
部、202aは波形合成論理部、202bは第一時間計
測タイマ、203は第二時間計測タイマ、204は位相
シフト量決定部、205は第三時間計測タイマ、206
は強制同期周期制御部、207は転流制御部、208は
駆動ベース信号バッファ部、209は切換制御部、
U0、VV0、VW0、VU1、VV1、VW1、VZはゼロクロ
ス点検出信号、UH、UL、VH、VL、WH、WL、
UH0、UL0、VH0、VL0、WH0、WL0は六相制御
信号、TZはゼロクロス点時間間隔、Vt1、Vt2は転流
パルスであり、これらは図2と同様のものである。
【0104】230は入力される比較結果DI1、DI2
基づき六相制御信号の切り換えタイミングの位相遅れ又
は位相進みを検出する位相差検出部、231は位相シフ
ト量決定部204又は強制同期周期制御部206により
設定された時間を計測しその時間に達すると位相差検出
部230に対し位相差検出タイミング信号を出力する位
相差検出用タイマである。
【0105】以上のように構成された本実施の形態のブ
ラシレスモータの駆動制御装置において、以下、その駆
動制御方法を説明する。
【0106】強制同期制御状態又はフィードバック制御
状態においてブラシレスモータが駆動制御されている場
合、各部の電圧又は電流波形は図4〜図6に示したよう
な波形となる。
【0107】図12(a)は六相制御信号の位相と永久
磁石回転子の回転の位相とが一致した状態における全電
流検出電圧VR1の時間変化を表す図であり、図12
(b)は六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の
位相より遅れた状態における全電流検出電圧VR1の時間
変化を表す図であり、図12(c)は六相制御信号の位
相が永久磁石回転子の回転の位相より進んだ状態におけ
る全電流検出電圧VR1の時間変化を表す図である。
【0108】図12において、各状態における全電流検
出電圧VR1の波形は転流点A1と次の転流点A2までの間
の1周期分を示す。また、CはU相、V相、W相の何れ
かの相における誘起電圧のゼロクロス点である。
【0109】六相制御信号の位相と永久磁石回転子の回
転の位相とが一致した状態においては、図12(a)に
示したように、誘起電圧のゼロクロス点Cから時間T3
(1/2×(一周期)×0.9<T3<1/2×(一周
期))だけ遅れた点(転流点A2の直前の点)Dにおけ
る全電流検出電圧VR1の値VDは、下限電圧VB1と上限
電圧VB2との中間の値となる。
【0110】なお、図12に示すT3もT4も、何れも位
相差検出タイミング遅延時間であるが、T3はフィード
バック制御モード時におけるゼロクロス点からの遅延時
間を示し、T4は強制同期モード時における転流点から
の遅延時間を示す点で相違する。
【0111】六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回
転の位相より遅れた状態においては、図12(b)に示
したように、転流点A2の直前の点Dにおける全電流検
出電圧VR1の値VDは、上限電圧VB2よりも大きい値と
なる。
【0112】六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回
転の位相より進んだ状態においては、図12(c)に示
したように、転流点A2の直前の点Dにおける全電流検
出電圧VR1の値VDは、下限電圧VB1よりも小さい値と
なる。
【0113】従って、点Dにおける全電流検出電圧VR1
の値VDを下限電圧VB1及び上限電圧VB2で閾値判定す
ることにより六相制御信号の位相の永久磁石回転子の回
転の位相に対する遅れ及び進みを検出することができ
る。
【0114】図13は実施の形態2のブラシレスモータ
の駆動制御装置の強制同期制御状態における動作を表す
フローチャートであり、図14は図11の位相差検出部
の動作を表すフローチャートである。
【0115】切換制御部209により転流制御部207
の入力が転流パルスVt2に設定された強制同期制御状態
において、強制同期周期制御部206は初期状態として
強制同期周期T2をTcに設定し、位相差検出タイミング
遅延時間T4をαT2に設定しているとする(S50)。
【0116】ここで、αは定数であり、0.95<α<
1の範囲で適当な値に設定される。
【0117】まず、強制同期周期制御部206は強制同
期周期T2を第三時間計測タイマ205に設定し時間計
測をスタートさせる(S51)。また、位相差検出タイ
マ231に位相差検出タイミング遅延時間T4を設定し
時間計測をスタートさせる(S52)。
【0118】次に、第三時間計測タイマ205は、その
計測時間t2が設定された強制同期周期T2に達するまで
待機し(S53)、t2≧T2となったときに転流パルス
t 2を転流制御部207及び強制同期周期制御部206
に対して出力する(S54)。転流制御部207は、転
流パルスVt2が入力されると六相制御信号UH0、U
0、VH0、VL0、WH0、WL0の相切り換えを行
い、これにより駆動電流iu、iv、iwの相切り換えが
行われる(S55)。
【0119】強制同期周期制御部206は、転流パルス
t2が入力されると、位相差検出部230に検出結果の
出力要求を行い、位相差検出部230の位相差の検出結
果を入力する。その結果、位相ずれがない場合(S5
6)、強制同期周期T2をTcに設定する(S60)。一
方、位相ずれがある場合(S56)、六相制御信号の転
流のタイミングが適正な位相よりも進んでいるときには
(S57)、T2=Tc+ΔTcに設定し(S58)、六
相制御信号の転流のタイミングが適正な位相よりも遅れ
ているときには(S57)、T2=Tc−ΔTcに設定す
る(S59)。
【0120】次いで、強制同期周期制御部206は位相
差検出タイミング遅延時間T4をαT2に設定し(S6
1)、ステップS51に戻り、上記ステップS51〜S
61と同様の動作を繰り返す。
【0121】ここで、位相差検出部230は図14に示
したような動作を行う。
【0122】まず、位相差検出タイマ231に位相差検
出タイミング遅延時間T4が設定され時間計測がスター
トされると、位相差検出タイマ231は計測時間t4
位相差検出タイミング遅延時間T4に達するまで待機し
(S70)、t4≧T4となった時点で位相差検出タイミ
ング信号を位相差検出部230に出力する(S71)。
【0123】位相差検出部230は、位相差検出タイミ
ング信号が入力されると、コンパレータ221から入力
された比較結果DI1を検出し、DI1がHIGH状態の場
合(S72)、六相制御信号の転流のタイミングが適正
な位相よりも進んでいると判定する(S73)。また、
I1がLOW状態の場合(S72)、位相差検出部23
0はコンパレータ223から入力された比較結果DI2
検出し、DI2がHIGH状態の場合(S74)、六相制
御信号の転流のタイミングが適正な位相よりも遅れてい
ると判定し(S75)、DI1がLOW状態の場合(S7
4)、六相制御信号の転流のタイミングは適正であると
判定する(S76)。
【0124】次いで、判定結果の出力要求を待ち(S7
7)、出力要求があれば、上記判定結果を位相差検出結
果として出力する(S78)。
【0125】以上のような動作により、六相制御信号を
ある相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、
六相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換
えまでの時間(強制同期周期T2)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(強制同期周期T2)が短縮される。これによ
り、次の六相制御信号の相切り換えのタイミングはより
適正なタイミングに補正される。
【0126】次に、フィードバック制御を行う場合の動
作について説明する。
【0127】図15は実施の形態2のブラシレスモータ
の駆動制御装置のフィードバック制御状態における動作
を表すフローチャートである。ここでは、例として誘起
電圧のゼロクロス点から30度位相シフトさせて六相制
御信号の相切り換えを行う場合について説明する。ま
た、フードバック制御状態においては、転流制御部20
7の入力を転流パルスVt1となる状態に転流制御部20
7を設定しているとする。
【0128】まず、ゼロクロス点間隔計測部202はゼ
ロクロス点抽出部201が誘起電圧のゼロクロス点を検
出するまで待機する(S81)。ゼロクロス点抽出部2
01がU相、V相、W相の何れかの相において誘起電圧
のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点検出信号VU1
V1、VW1の何れかを出力した場合(S81)、波形合
成論理部202aはゼロクロス点検出信号VZを第一時
間計測タイマ202bに出力する。またこのとき、第一
時間計測タイマ202bは、位相シフト量決定部204
に現在の時間計測値TZを出力すると共にタイマ値をク
リアし時間計測を再スタートさせる(S82)。
【0129】次に、位相シフト量決定部204は、位相
差検出部230に位相差検出結果を要求し、位相差検出
部230から入力される判定結果を検出し、位相ずれが
ないという判定の場合(S83)、位相シフト時間T1
をTZ/2とし第二時間計測タイマ203に設定する
(S87)。また、位相差検出部230から入力される
判定の結果、位相ずれがある場合(S83)、位相が進
んでいるという判定のときには(S84)、位相シフト
量決定部204は位相シフト時間をT1=TZ/2+ΔT
Zとし第二時間計測タイマ203に設定し(S85)、
また、位相が遅れているという判定のときには(S8
4)、位相シフト量決定部204は位相シフト時間をT
1=TZ/2−ΔTZとして第二時間計測タイマ203に
設定する(S86)。尚、位相差検出部230の位相ず
れの検出動作については、強制同期制御状態の場合に説
明した動作と同様である。
【0130】次に、位相シフト量決定部204は、位相
差検出タイミング遅延時間T3をβT1(0.9<β<
1)に設定し(S88)、位相差検出タイマ231に位
相差検出タイミング遅延時間T3を設定した後、位相差
検出タイマ231の時間計測をスタートさせる(S8
9)。また、位相シフト量決定部204は、第二時間計
測タイマ203のタイマ値t2をクリアし時間計測を再
スタートさせる(S90)。
【0131】次に、第二時間計測タイマ203は計測時
間t2が上記設定された位相シフト時間T1に達するまで
待機し(S91)、計測時間t2が位相シフト時間T1
越えると、転流制御部207に転流パルスVt1を出力す
る(S92)。転流制御部207は、転流パルスVt1
入力されると六相制御信号UH、UL、VH、VL、W
H、WLの相切り換えを行う(S93)。以下は、ステ
ップS81に戻り、上記ステップS81〜S93の動作
を繰り返す。
【0132】このような動作により、六相制御信号をあ
る相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、六
相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換え
までの時間(位相シフト時間T1)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(位相シフト時間T1)が短縮されるため、次の
六相制御信号の相切り換えのタイミングはより適正なタ
イミングに補正される。
【0133】(実施の形態3)図16は本発明の実施の
形態3のブラシレスモータの駆動制御装置の装置構成を
示すブロック図である。
【0134】図16において、101はステータ、10
2u、102v、102wは固定子巻線、103は永久
磁石回転子、104はドライブ回路、105〜110は
コミュテータ素子、111〜116はフリーホイーリン
グダイオード、117は駆動電源、118はバイパスコ
ンデンサ、119U、119Lは中性電位生成抵抗、1
20はゼロクロス点検出部、120u、120v、12
0wはコンパレータ、121は制御部、RIは全電流値
検出抵抗、UH、UL、VH、VL、WH、WLは六相
制御信号、VNは中性電位、VU、VV、VWは端子電圧、
U0、VV0、V W0はゼロクロス点検出信号、iu、iv
wは駆動電流、U、V、W、Oは端子であり、これら
は図1と同様のものである。
【0135】240はアンプであり、全電流検出抵抗R
1の両端にかかる端子電圧VR1を増幅した全電流検出信
号AIを、制御部121に出力する。240aは差動ア
ンプ、204b、204cは抵抗器である。
【0136】図17は図16の制御部の機能ブロックを
表す図である。
【0137】図17において、121は制御部、201
はゼロクロス点抽出部、202はゼロクロス点間隔計測
部、202aは波形合成論理部、202bは第一時間計
測タイマ、203は第二時間計測タイマ、204は位相
シフト量決定部、205は第三時間計測タイマ、206
は強制同期周期制御部、207は転流制御部、208は
駆動ベース信号バッファ部、209は切換制御部、
U0、VV0、VW0、VU1、VV1、VW1、VZはゼロクロ
ス点検出信号、UH、UL、VH、VL、WH、WL、
UH0、UL0、VH0、VL0、WH0、WL0は六相制御
信号、TZはゼロクロス点時間間隔、Vt1、Vt2は転流
パルスであり、これらは図2と同様のものである。
【0138】241はアンプ240より入力される全電
流検出信号AIをデジタル値AIDに変換し出力するA
/D変換部、242はA/D変換部241から出力され
る全電流検出信号AIDを記憶するシフトレジスタから
なる電流値記憶部、243は電流値記憶部242に記憶
された全電流検出信号AIDの時間差分の絶対値を計算
することにより全電流検出値の時間変化率の絶対値A
I’を計算するとともに全電流検出信号AIDの時間差
分の符号を出力する時間変化演算部、244は時間変化
演算部243の出力する時間変化率の絶対値AI’を閾
値C1と比較し六相制御信号の切り換えタイミングが適
正であるか否かを判定し併せて全電流検出信号AIDの
時間差分の符号を検出する位相差検出部である。なお、
位相差検出部244では全電流検出信号AIDの時間差
の符号を検出しているが、これは位相差検出部244内
の位相の進み遅れ検出判定部としての一形態にすぎな
い。そして、位相の進み遅れ検出判定部はこの他のもの
を採用することも可能である。245は、時間計測を開
始すると同時に位相差検出部244に検出開始信号を出
力し、計測時間が外部から設定された検出時間に達する
と位相差検出部244に検出終了信号を出力する検出時
間計測タイマである。246は、強制同期周期制御部2
06により設定される検出開始時間を計測し、検出開始
時間に達すると検出時間計測タイマ245の時間計測を
開始させる検出開始時間計測タイマである。
【0139】位相差検出部244は、検出時間計測タイ
マ245により検出開始信号が入力されると、判定結果
をクリアし、時間変化演算部243の出力する時間変化
率の絶対値AI’の閾値C1による判定を開始する。こ
のとき、時間変化率の絶対値AI’が閾値C1以下であ
れば、六相制御信号の切り換えタイミングが適正である
と判定し、時間変化率の絶対値AI’が閾値C1を越え
た場合、位相ずれが発生したと判定する。この判定結果
は、位相シフト量決定部204又は強制同期周期制御部
206により検出結果出力要求がされたときに、位相差
検出結果として出力する。また、検出時間計測タイマ2
45より検出終了信号が入力されたとき、上記閾値判定
を停止する。
【0140】検出時間計測タイマ245はゼロクロス点
間隔計測部202からゼロクロス点検出信号VZが入力
されたとき又は検出開始時間計測タイマ246の指令に
より時間計測を開始し、位相差検出部244に検出開始
信号を出力する。
【0141】以上のように構成された本実施の形態のブ
ラシレスモータの駆動制御装置において、以下、その駆
動制御方法を説明する。
【0142】強制同期制御状態又はフィードバック制御
状態においてブラシレスモータが駆動制御されている場
合、各部の電圧又は電流波形は図4〜図6に示したよう
な波形となる。
【0143】図18(a)は六相制御信号の位相と永久
磁石回転子の回転の位相とが一致した状態における全電
流検出電圧の時間変化率の絶対値|dVR1/dt|の時
間変化を表す図であり、図18(b)は六相制御信号の
位相が永久磁石回転子の回転の位相より遅れた状態にお
ける全電流検出電圧の時間変化率の絶対値|dVR1/d
t|の時間変化を表す図であり、図18(c)は六相制
御信号の位相が永久磁石回転子の回転の位相より進んだ
状態における全電流検出電圧の時間変化率の絶対値|d
R1/dt|の時間変化を表す図である。
【0144】図18において、各状態における全電流検
出電圧の時間変化率の絶対値|dV R1/dt|の波形は
転流点A1と次の転流点A2までの間の1周期分を示す。
また、CはU相、V相、W相の何れかの相における誘起
電圧のゼロクロス点である。
【0145】六相制御信号の位相と永久磁石回転子の回
転の位相とが一致した状態においては、図18(a)に
示したように、誘起電圧のゼロクロス点Cから時間T5
だけ遅れた点(転流点A2の直前の点)Dまでの全電流
検出電圧の時間変化率の絶対値|dVR1/dt|の値
は、閾値C1よりも小さい値となる。
【0146】六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回
転の位相より遅れた状態においては、図18(b)に示
したように、誘起電圧のゼロクロス点Cから転流点A2
の直前の点Dまでの全電流検出電圧の時間変化率の絶対
値|dVR1/dt|の値は、閾値C1よりも大きい値と
なる。そして、このとき時間変化率の符号は正の値とな
る。
【0147】六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回
転の位相より進んだ状態においては、図18(c)に示
したように、誘起電圧のゼロクロス点Cから転流点A2
の直前の点Dまでの全電流検出電圧の時間変化率の絶対
値|dVR1/dt|の値は、閾値C1よりも大きい値と
なる。そして、このとき時間変化率の符号は負の値とな
る。
【0148】従って、点Cから点Dまでの全電流検出電
圧の時間変化率の絶対値|dVR1/dt|の値を閾値C
1で閾値判定することにより六相制御信号の位相の永久
磁石回転子の回転の位相に対する遅れ及び進みを検出す
ることができる。
【0149】図19は実施の形態3のブラシレスモータ
の駆動制御装置の強制同期制御状態における動作を表す
フローチャートであり、図20は実施の形態3のブラシ
レスモータの駆動制御装置の位相差検出時の動作を表す
フローチャートである。
【0150】切換制御部209により転流制御部207
の入力が転流パルスVt2に設定された強制同期制御状態
で、強制同期周期制御部206は初期状態として強制同
期周期T2をTcに設定し、位相差検出時間T5をαT2
2に設定しているとする(S100)。
【0151】ここで、αは定数であり、0.9<α<1
の範囲で適当な値に設定される。
【0152】まず、強制同期周期制御部206は強制同
期周期T2を第三時間計測タイマ205に設定し時間計
測をスタートさせる(S101)。また、検出時間計測
タイマ245に位相差検出時間T5を設定する(S10
2)。更に、検出開始時間計測タイマ246に検出開始
までの遅延時間T2/2を設定し時間計測をスタートさ
せる(S103)。
【0153】検出開始時間計測タイマ246は、計測時
間t6が設定された遅延時間T2/2に達するまで待機し
(S104)、t6≧T2/2となったときに検出時間計
測タイマ245の時間計測をスタートさせる(S10
5)。このとき、検出時間計測タイマ245は位相差検
出部244に検出開始信号を出力し、位相差検出部24
4の閾値判定が開始される。
【0154】次に、第三時間計測タイマ205は、計測
時間t2が設定された強制同期周期T2に達するまで待機
し(S106)、t2≧T2となったときに転流パルスV
t2を転流制御部207及び強制同期周期制御部206に
出力する(S107)。転流制御部207は、転流パル
スVt2が入力されると六相制御信号UH0、UL0、VH
0、VL0、WH0、WL0の相切り換えを行い、これによ
り駆動電流iu、iv、iwの相切り換えが行われる(S
108)。
【0155】強制同期周期制御部206は、転流パルス
t2が入力されると、位相差検出部244に検出結果の
出力要求を行い、位相差検出部244の位相差の検出結
果を入力し、位相ずれがない場合(S109)、強制同
期周期T2をTcに設定する(S113)。一方、位相ず
れがある場合(S109)、六相制御信号の転流のタイ
ミングが適正な位相よりも進んでいるときには(S11
0)、T2=Tc+ΔT cに設定し(S111)、六相制
御信号の転流のタイミングが適正な位相よりも遅れてい
るときには(S110)、T2=Tc−ΔTcに設定する
(S112)。
【0156】ここで、六相制御信号の転流のタイミング
が適正な位相よりも進んでいるか遅れているかはdVR1
/dtの符号の正負で判定する。すなわち、dVR1/d
t>0のときは六相制御信号の転流のタイミングが適正
な位相よりも遅れていると判定し、dVR1/dt<0の
ときは六相制御信号の転流のタイミングが適正な位相よ
りも進んでいると判定する。
【0157】次いで、強制同期周期制御部206は位相
差検出時間T5をαT2/2に設定し(S114)、ステ
ップS101に戻り、上記ステップS101〜S114
と同様の動作を繰り返す。
【0158】ここで、位相差検出部244は図20に示
したような動作を行う。
【0159】まず、検出時間計測タイマ245はゼロク
ロス点検出信号VZの入力又は検出開始時間計測タイマ
246の指令により位相差検出部244に検出開始信号
を出力し(S120)、時間計測を開始する(S12
1)。
【0160】次に、時間変化演算部243は、電流値記
憶部242に記憶された全電流検出信号AIDの時間差
分の絶対値を計算することにより全電流検出値の時間変
化率の絶対値AI’を計算し、位相差検出部244に出
力する(S122)。時間変化演算部243は、時間変
化演算部243の出力する時間変化率の絶対値AI’を
閾値C1と比較し、AI’>C1となった時に、六相制
御信号の転流のタイミングが適正なタイミングから位相
ずれしたと判定する(S123)。このとき、併せて時
間変化率の符号をみて、これが正なら六相制御信号の転
流のタイミングが適正な位相よりも遅れていると判定
し、これが負なら六相制御信号の転流のタイミングが適
正な位相よりも進んでいると判定する。
【0161】上記ステップS122、S123の動作
は、検出時間計測タイマ245の計測時間t5が位相差
検出時間T5以上となるまで繰り返される(S12
4)。
【0162】t5≧T5となると、検出時間計測タイマ2
45は、位相差検出部244に検出終了信号を出力し、
位相差検出部244は検出終了信号が入力されると、位
相ずれの検出動作を停止する(S125)。
【0163】その後、位相差検出部244は位相シフト
量決定部204又は強制同期周期制御部206から検出
結果の要求があるまで待機し(S126)、検出結果の
要求があると、位相シフト量決定部204又は強制同期
周期制御部206に上記位相ずれの検出結果を出力する
(S127)。
【0164】以上のような動作により、六相制御信号を
ある相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、
六相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換
えまでの時間(強制同期周期T2)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(強制同期周期T2)が短縮されるため、次の六
相制御信号の相切り換えのタイミングはより適正なタイ
ミングに補正される。
【0165】次に、フィードバック制御を行う場合の動
作について説明する。
【0166】図21は実施の形態3のブラシレスモータ
の駆動制御装置のフィードバック制御状態における動作
を表すフローチャートである。ここでは、例として誘起
電圧のゼロクロス点から30度位相シフトさせて六相制
御信号の相切り換えを行う場合について説明する。ま
た、フードバック制御状態においては、転流制御部20
7の入力を転流パルスVt1となる状態に転流制御部20
7を設定しているとする。
【0167】最初に、六相制御信号の相切り換えが行わ
れた直後において、位相シフト量決定部204は、位相
差検出部244に位相差検出結果を要求し、位相差検出
部244から入力される位相差検出結果を得る(S13
0)。尚、位相差検出部230の位相ずれの検出動作に
ついては、すでに説明した。このとき、位相シフト量決
定部204には前のゼロクロス点時間間隔TZが記憶さ
れている。
【0168】次に、位相ずれがないという判定の場合
(S131)、位相シフト時間T1をTZ/2とし第二時
間計測タイマ203に設定する(S135)。また、位
相差検出部244から入力される判定の結果、位相ずれ
がある場合(S131)、位相が進んでいるという判定
のときには(S132)、位相シフト量決定部204は
位相シフト時間をT1=TZ/2+ΔTZとし第二時間計
測タイマ203に設定し(S133)、また、位相が遅
れているという判定のときには(S132)、位相シフ
ト量決定部204は位相シフト時間をT1=TZ/2−Δ
Zとして第二時間計測タイマ203に設定する(S1
34)。
【0169】位相シフト量決定部204は、位相差検出
時間T5をαT1(0.9<α<1)に設定し、検出時間
計測タイマ245に位相差検出時間T5を設定する(S
136)。
【0170】次に、ゼロクロス点間隔計測部202はゼ
ロクロス点抽出部201が誘起電圧のゼロクロス点を検
出するまで待機する(S137)。ゼロクロス点抽出部
201がU相、V相、W相の何れかの相において誘起電
圧のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点検出信号
U1、VV1、VW1の何れかを出力した場合(S13
7)、波形合成論理部202aはゼロクロス点検出信号
Zを第一時間計測タイマ202bに出力する。またこ
のとき、第一時間計測タイマ202bは、位相シフト量
決定部204に現在の時間計測値TZを出力すると共に
タイマ値をクリアし時間計測を再スタートし、検出時間
計測タイマ245をスタートさせる(S138)。位相
シフト量決定部204はTZの値を入力されたTZの値に
更新する。更に、位相シフト量決定部204は第二時間
計測タイマ203に位相シフト時間T1を設定し、第二
時間計測タイマ203の時間計測をスタートさせる(S
139)。
【0171】次に、第二時間計測タイマ203は計測時
間t2が上記設定された位相シフト時間T1に達するまで
待機し(S140)、計測時間t2が位相シフト時間T1
を越えると、転流制御部207に転流パルスVt1を出力
する(S141)。転流制御部207は、転流パルスV
t1が入力されると六相制御信号UH、UL、VH、V
L、WH、WLの相切り換えを行う(S142)。以下
は、ステップS130に戻り、上記ステップS130〜
S142の動作を繰り返す。
【0172】以上のような動作により、六相制御信号を
ある相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、
六相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換
えまでの時間(位相シフト時間T1)が延長され、六相
制御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えま
での時間(位相シフト時間T1)が短縮される。それに
より、次の六相制御信号の相切り換えのタイミングはよ
り適正なタイミングに補正される。
【0173】(実施の形態4)図22は本発明の実施の
形態4のブラシレスモータの駆動制御装置の装置構成を
示すブロック図である。
【0174】図22において、101はステータ、10
2u、102v、102wは固定子巻線、103は永久
磁石回転子、104はドライブ回路、105〜110は
コミュテータ素子、111〜116はフリーホイーリン
グダイオード、117は駆動電源、118はバイパスコ
ンデンサ、119U、119Lは中性電位生成抵抗、1
20はゼロクロス点検出部、120u、120v、12
0wはコンパレータ、121は制御部、RIは全電流値
検出抵抗、UH、UL、VH、VL、WH、WLは六相
制御信号、VNは中性電位、VU、VV、VWは端子電圧、
U0、VV0、V W0はゼロクロス点検出信号、iu、iv
wは駆動電流、U、V、W、Oは端子であり、これら
は図1と同様のものである。
【0175】250は全電流検出抵抗R1の両端電圧
(全電流値検出電圧)VR1の平均値を検出し平均電流検
出信号AI1を制御部121に出力する全電流平均値検
出回路、250a、250bは差動アンプ、251は全
電流値検出電圧VR1の交流成分の平均値を検出し交流分
平均電流検出信号AI2を制御部121に出力する全電
流交流平均値検出回路、251a、251bは差動アン
プ、R2〜R7,R9〜R1 5は抵抗器、C1〜C9はコン
デンサ、D1〜D4はダイオードである。全電流平均値検
出回路250によって平均電流を検出するのに代え、電
流実効値を出力させることもできる。
【0176】C2の静電容量は数pFに設定され、コン
デンサC1の静電容量はコンデンサC2の静電容量より
も十分大きな値に設定されている。
【0177】各抵抗器の抵抗値はR9=R11=R12=R
14=2R13である。また、コンデンサC2の静電容量は
10μF程度とされる。
【0178】全電流平均値検出回路250は、差動アン
プ250aと抵抗器R1〜R4で構成された反転増幅回路
と、差動アンプ250bと抵抗器R5〜R7及びコンデン
サC1で構成された反転増幅回路とからなる。
【0179】コンデンサC9はACカップリング用コン
デンサであり、全電流交流平均値検出回路251に交流
電圧のみを入力する。全電流交流平均値検出回路251
は、最初のアンプ251aで半波整流を行い、負極側入
力端子の電圧VINが正の時には負の電圧を出力をし、V
INが負の時には出力は0となる。アンプ251bは、ア
ンプ251aから負の電圧が入力された場合、極性を反
転させ正の電圧を出力し、アンプ251aからの電圧が
0の場合、利得1倍の反転アンプとなり正の電圧を出力
する。コンデンサC2は10μF程度なので、出力AI
2は、入力された電圧の時間積分となる。
【0180】図23は図22の制御部の機能ブロックを
表す図である。
【0181】図23において、121は制御部、201
はゼロクロス点抽出部、202はゼロクロス点間隔計測
部、202aは波形合成論理部、202bは第一時間計
測タイマ、203は第二時間計測タイマ、204は位相
シフト量決定部、205は第三時間計測タイマ、206
は強制同期周期制御部、207は転流制御部、208は
駆動ベース信号バッファ部、209は切換制御部、
U0、VV0、VW0、VU1、VV1、VW1、VZはゼロクロ
ス点検出信号、UH、UL、VH、VL、WH、WL、
UH0、UL0、VH0、VL0、WH0、WL0は六相制御
信号、TZはゼロクロス点時間間隔、Vt1、Vt2は転流
パルスであり、これらは図2と同様のものである。
【0182】252は全電流平均値検出回路250より
入力される平均電流検出信号AI1をデジタル値に変換
し出力するA/D変換部、253は全電流交流平均値検
出回路251より入力される交流分平均電流検出信号A
I2をデジタル値に変換し出力するA/D変換部、25
4はA/D変換部252から入力されるデジタル値化さ
れた平均電流検出信号AI1とA/D変換部253から
入力されるデジタル値化された交流分平均電流検出信号
AI2との比(交流成分比)AI2/AI1を計算し出
力する電流比率演算部、255は電流比率演算部254
から入力される交流成分比AI2/AI1を閾値D1と
比較するとともに、AI1と閾値D2とを比較すること
により六相制御信号の切り換えタイミングの位相遅れ又
は位相進みを検出する位相差検出部である。尚、AI1
を電流実効値とした場合でも全く同様である。また、A
I1を閾値D2と比較することにより六相制御信号の切
り換えタイミングの位相遅れ又は位相進みを検出するの
は、一形態にすぎず、位相の進み遅れ検出判定部はこの
他のものを採用することも可能である。
【0183】以上のように構成された本実施の形態のブ
ラシレスモータの駆動制御装置において、以下、その駆
動制御方法を説明する。
【0184】強制同期制御状態又はフィードバック制御
状態においてブラシレスモータが駆動制御されている場
合、各部の電圧又は電流波形は図4〜図6に示したよう
な波形となる。
【0185】図24(a)は六相制御信号の位相と永久
磁石回転子の回転の位相とが一致した状態における交流
成分比AI2/AI1と平均電流検出信号AI1の大き
さを表す図であり、図24(b)は六相制御信号の位相
が永久磁石回転子の回転の位相より遅れた状態における
交流成分比AI2/AI1と平均電流検出信号AI1の
大きさを表す図であり、図24(c)は六相制御信号の
位相が永久磁石回転子の回転の位相より進んだ状態にお
ける交流成分比AI2/AI1と平均電流検出信号AI
1の大きさを表す図である。
【0186】図24(a)〜(c)に示したように、交
流成分比AI2/AI1は六相制御信号の位相と永久磁
石回転子の回転の位相とが一致した状態において最も小
さい値となり、六相制御信号の位相が永久磁石回転子の
回転の位相より遅れる又は進むと、交流成分比AI2/
AI1は増加する。
【0187】従って、交流成分比AI2/AI1を上限
比率D1で閾値判定することにより六相制御信号の位相
の永久磁石回転子の回転の位相に対しての適正さを検出
することができる。
【0188】また、平均電流検出信号AI1の大きさを
上限電圧D2で閾値判定することにより、同じく六相制
御信号の永久磁石回転子の回転の位相に対する遅れの存
在の有無を検出することができる。すなわち、AI1が
D2よりも大きければ、六相制御信号の位相が永久磁石
回転子の回転の位相より遅れていることを示し、AI1
がD2よりも小さければ、六相制御信号の位相が永久磁
石回転子の回転の位相より進んでいることを示す。
【0189】図25は実施の形態4のブラシレスモータ
の駆動制御装置の強制同期制御状態における動作を表す
フローチャートである。
【0190】切換制御部209により転流制御部207
の入力が転流パルスVt2に設定された強制同期制御状態
において、強制同期周期制御部206は初期状態として
強制同期周期T2をTcに設定しているとする(S15
0)。
【0191】まず、強制同期周期制御部206は強制同
期周期T2を第三時間計測タイマ205に設定し時間計
測をスタートさせる(S151)。
【0192】次に、第三時間計測タイマ205は、計測
時間t2が設定された強制同期周期T2に達するまで待機
し(S152)、t2≧T2となったときに転流パルスV
t2を転流制御部207及び強制同期周期制御部206に
出力する(S153)。転流制御部207は、転流パル
スVt2が入力されると六相制御信号UH0、UL0、VH
0、VL0、WH0、WL0の相切り換えを行い、これによ
り駆動電流iu、iv、iwの相切り換えが行われる(S
154)。
【0193】強制同期周期制御部206は、転流パルス
t2が入力されると、位相差検出部255の位相差の検
出結果を入力し、位相ずれがない場合(S155)、強
制同期周期T2をTcに設定する(S159)。一方、位
相ずれがある場合(S155)、六相制御信号の転流の
タイミングが適正な位相よりも進んでいるときには(S
156)、T2=Tc+ΔTcに設定し(S157)、六
相制御信号の転流のタイミングが適正な位相よりも遅れ
ているときには(S155)、T2=Tc−ΔT cに設定
する(S158)。
【0194】ここで、平均電流検出信号AI1と交流分
平均電流検出信号AI2との比がAI2/AI1>D1
の場合、六相制御信号の転流のタイミングが不適正であ
ると判定し、その場合、AI1の大きさが、ある閾値D
2よりも大きい場合には六相制御信号の転流のタイミン
グが適正な位相よりも遅れていると判定し、ある閾値D
2よりも小さい場合には六相制御信号の転流のタイミン
グが適正な位相よりも進んでいると判定する。
【0195】次いで、ステップS151に戻り、上記と
同様の動作を繰り返す。
【0196】以上のような動作により、六相制御信号を
ある相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、
六相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換
えまでの時間(強制同期周期T2)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(強制同期周期T2)が短縮されるため、次の六
相制御信号の相切り換えのタイミングはより適正なタイ
ミングに補正される。
【0197】次に、フィードバック制御を行う場合の動
作について説明する。
【0198】図26は実施の形態4のブラシレスモータ
の駆動制御装置のフィードバック制御状態における動作
を表すフローチャートである。ここでは、例として誘起
電圧のゼロクロス点から30度位相シフトさせて六相制
御信号の相切り換えを行う場合について説明する。ま
た、フードバック制御状態においては、転流制御部20
7の入力を転流パルスVt1となる状態に転流制御部20
7を設定しているとする。
【0199】まず、ゼロクロス点間隔計測部202はゼ
ロクロス点抽出部201が誘起電圧のゼロクロス点を検
出するまで待機する(S161)。ゼロクロス点抽出部
201がU相、V相、W相の何れかの相において誘起電
圧のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点検出信号
U1、VV1、VW1の何れかを出力した場合(S16
1)、波形合成論理部202aはゼロクロス点検出信号
Zを第一時間計測タイマ202b及び第二時間計測タ
イマ203に出力する。またこのとき、第一時間計測タ
イマ202bは、位相シフト量決定部204に現在の時
間計測値TZを出力すると共にタイマ値をクリアし時間
計測を再スタートさせる(S162)。
【0200】次に、位相シフト量決定部204は、位相
差検出部255から入力される判定結果を検出し、位相
ずれがないという判定の場合(S163)、位相シフト
時間T1をTZ/2とし第二時間計測タイマ203に設定
する(S167)。また、位相差検出部255から入力
される判定の結果、位相ずれがある場合(S163)、
位相が進んでいるという判定のときには(S164)、
位相シフト量決定部204は位相シフト時間をT1=TZ
/2+ΔTZとし第二時間計測タイマ203に設定し
(S165)、また、位相が遅れているという判定のと
きには(S164)、位相シフト量決定部204は位相
シフト時間をT1=TZ/2−ΔTZとして第二時間計測
タイマ203に設定する(S166)。
【0201】ここで、六相制御信号の位相が適正なタイ
ミングよりも進んでいるのか遅れているのかの判定は、
ステップS156の場合と同様な方法により行われる
(但し、ブラシレスモータの負荷等によりブラシレスモ
ータに流れる電流は変わるため、閾値D1、D2の値は
ステップS156の場合と異なる)。
【0202】次に、位相シフト量決定部204は、第二
時間計測タイマ203のタイマ値t 2をクリアし時間計
測を再スタートさせる(S168)。
【0203】次いで、第二時間計測タイマ203は計測
時間t2が上記設定された位相シフト時間T1に達するま
で待機し(S169)、計測時間t2が位相シフト時間
1を越えると、転流制御部207に転流パルスVt1
出力する(S170)。転流制御部207は、転流パル
スVt1が入力されると六相制御信号UH、UL、VH、
VL、WH、WLの相切り換えを行う(S171)。以
下は、ステップS161に戻り、上記ステップS161
〜S171の動作を繰り返す。
【0204】このような動作により、六相制御信号をあ
る相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、六
相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換え
までの時間(位相シフト時間T1)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(位相シフト時間T1)が短縮されるため、次の
六相制御信号の相切り換えのタイミングはより適正なタ
イミングに補正される。
【0205】(実施の形態5)図27は本発明の実施の
形態5のブラシレスモータの駆動制御装置の装置構成を
示すブロック図である。
【0206】図27において、101はステータ、10
2u、102v、102wは固定子巻線、103は永久
磁石回転子、104はドライブ回路、105〜110は
コミュテータ素子、111〜116はフリーホイーリン
グダイオード、117は駆動電源、118はバイパスコ
ンデンサ、119U、119Lは中性電位生成抵抗、1
20はゼロクロス点検出部、120u、120v、12
0wはコンパレータ、121は制御部、UH、UL、V
H、VL、WH、WLは六相制御信号、VNは中性電
位、VU、VV、VWは端子電圧、VU0、VV0、VW0はゼ
ロクロス点検出信号、iu、iv、iwは駆動電流、U、
V、W、Oは端子であり、これらは図16と同様のもの
である。
【0207】RUは一端がコミュテータ素子108のエ
ミッタ端子に接続され他端が接地されたU相の相電流検
出抵抗、RVは一端がコミュテータ素子109のエミッ
タ端子に接続され他端が接地されたV相の相電流検出抵
抗、RWは一端がコミュテータ素子110のエミッタ端
子に接続され他端が接地されたW相の相電流検出抵抗で
ある。相電流検出抵抗RU、RV、RWは全て同じ抵抗値
のものが用いられる。240u、240v、240wは
アンプであり、それぞれ相電流検出抵抗RU、RV、RW
の両端にかかる端子電圧(相電流検出電圧)VRU
RV、VRWを増幅した全電流検出信号AIU、AIV、
AIWを、制御部121に出力する。240au、24
0av、240awは差動アンプ、204bu、240
bv、240bw、204cu、240cv、240c
wは抵抗器である。
【0208】また、本実施の形態においては、位相シフ
ト量決定部204aのプラス側入力端子は、相電流検出
抵抗RUとコミュテータ素子108のエミッタ端子との
接続点に接続されている。
【0209】この構成により、位相シフト量決定部20
4u、204v、204wは、それぞれコミュテータ素
子108、109、110を流れるU相、V相、W相の
相電流を検出することができる。
【0210】図28は図27の制御部の機能ブロックを
表す図である。
【0211】図28において、121は制御部、201
はゼロクロス点抽出部、202はゼロクロス点間隔計測
部、202aは波形合成論理部、202bは第一時間計
測タイマ、203は第二時間計測タイマ、204は位相
シフト量決定部、205は第三時間計測タイマ、206
は強制同期周期制御部、207は転流制御部、208は
駆動ベース信号バッファ部、209は切換制御部、
U0、VV0、VW0、VU1、VV1、VW1、VZはゼロクロ
ス点検出信号、UH、UL、VH、VL、WH、WL、
UH0、UL0、VH0、VL0、WH0、WL0は六相制御
信号、TZはゼロクロス点時間間隔、Vt1、Vt2は転流
パルスであり、これらは図2と同様のものである。
【0212】241u、241v、241wはアンプ2
40より入力される相電流検出信号AIU、AIV、A
IWをデジタル値AIDU、AIDV、AIDWに変換
し出力するA/D変換部、242はA/D変換部241
u、241v、241wから出力される相電流検出信号
AIDU、AIDV、AIDWを記憶するシフトレジス
タからなる電流値記憶部、243は電流値記憶部242
に記憶された相電流検出信号AIDU、AIDV、AI
DWの時間差分の絶対値を計算することにより相電流検
出値の時間変化率の絶対値AIU’、AIV’、AI
W’を計算するとともに相電流検出信号の時間差分の符
号を出力する時間変化演算部、244は時間変化演算部
243の出力する時間変化率の絶対値AIU’、AI
V’、AIW’のうち選択されたものを閾値E1と比較
し六相制御信号の切り換えタイミングが適正であるか否
かを判定し併せて相電流検出信号の時間差分の符号を検
出する位相差検出部である。245は、時間計測を開始
すると同時に位相差検出部244に検出開始信号を出力
し、計測時間が外部から設定された検出時間に達すると
位相差検出部244に検出終了信号を出力する検出時間
計測タイマである。
【0213】位相差検出部244は、検出時間計測タイ
マ245又は強制同期周期制御部206により検出開始
信号が入力されると、判定結果をクリアし、時間変化演
算部243の出力する時間変化率の絶対値AIU’、A
IV’、AIW’の何れか選択されたものに対して閾値
E1による判定を開始する。このとき、時間変化率の絶
対値AIU’、AIV’、AIW’の何れか選択された
ものが閾値E1以下であれば、六相制御信号の切り換え
タイミングが適正であると判定し、時間変化率の絶対値
AIU’、AIV’、AIW’の何れか選択されたもの
が閾値E1を越えた場合、位相ずれが発生したと判定す
る。併せて、各相電流検出信号の時間差分の符号が参照
され、それが正の場合には六相制御信号の切り換えタイ
ミングが適正なタイミングよりも遅れていると判定さ
れ、それが負の場合には六相制御信号の切り換えタイミ
ングが適正なタイミングよりも進んでいると判定され
る。この判定結果は、位相シフト量決定部204又は強
制同期周期制御部206により検出結果出力要求がされ
たときに、位相差検出結果として出力する。また、検出
時間計測タイマ245より検出終了信号が入力されたと
き、又は波形合成論理部202aよりゼロクロス点検出
信号VZが入力されたとき、上記閾値判定を停止する。
【0214】検出時間計測タイマ245は強制同期周期
制御部206の指令により時間計測を開始し、位相差検
出部244に検出開始信号を出力する。
【0215】以上のように構成された本実施の形態のブ
ラシレスモータの駆動制御装置において、以下、その駆
動制御方法を説明する。
【0216】図29は図27の各部の電圧波形を表す図
であり、図30は六相制御信号の位相ずれと相電流波形
との関係を示す図である。
【0217】図29において、(a)〜(f)は六相制
御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLであり、
(g)〜(i)は、それぞれ、六相制御信号の切り換え
タイミングが永久磁石回転子103の回転に対して適正
な場合における相電流検出電圧VRU、VRV、VRWの波形
を表し、(j)は六相制御信号の切り換えタイミングが
永久磁石回転子103の回転に対して適正な位相よりも
遅れた場合における相電流検出電圧VRUの波形を表し、
(k)は六相制御信号の切り換えタイミングが永久磁石
回転子103の回転に対して適正な位相よりも進んだ場
合における相電流検出電圧VRUの波形を表す。
【0218】図30において、(a)は六相制御信号の
切り換えタイミングが永久磁石回転子103の回転に対
して適正な位相よりも遅れた場合における相電流検出電
圧V RU(又はVRV若しくはVRW)の波形を表し、(b)
は(a)の波形の時間変化率の絶対値と閾値E1との関
係を表す図であり、(c)は六相制御信号の切り換えタ
イミングが永久磁石回転子103の回転に対して適正な
位相よりも進んだ場合における相電流検出電圧VRU(又
はVRV若しくはVRW)の波形を表し、(d)は(c)の
波形の時間変化率の絶対値と閾値E1との関係を表す図
であり、(e)は六相制御信号の切り換えタイミングが
永久磁石回転子103の回転に対して適正な場合におけ
る相電流検出電圧VRU(又はVRV若しくはVRW)の波形
を表し、(f)は(e)の波形の時間変化率の絶対値と
閾値E1との関係を表す図である。
【0219】図29(g)〜(i)に示すように、六相
制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLの転流の
タイミングが永久磁石回転子103の回転に対して適正
な場合、コミュテータ素子108、109、110のオ
フ期間にはU相、V相、W相の相電流は流れない。それ
に対して、六相制御信号UH、UL、VH、VL、W
H、WLの転流のタイミングが永久磁石回転子103の
回転に対して適正なタイミングよりも位相が遅れている
場合又は進んでいる場合には、図29(j)及び(k)
に示したように、コミュテータ素子105、106、1
07のオフの直後からコミュテータ素子108、10
9、110がオンになるまでの間(区間P1)、フリー
ホイーリングダイオード114、115、116を通っ
て逆方向の電流が流れ、相電流検出電圧VRU、VRV、V
RWの波形には逆方向の電圧が発生する。従って、この区
間P1における相電流検出電圧VRU(又はVRV若しくは
RW)の波形の時間変化率の絶対値は図30(b)、
(d)、(f)に示したようになり、この波形の時間変
化率が絶対値を一定の閾値E1で閾値判定することで、
位相ずれを検出することができる。
【0220】図31及び図32は実施の形態5のブラシ
レスモータの駆動制御装置の強制同期制御状態における
動作を表すフローチャートである。
【0221】切換制御部209により転流制御部207
の入力が転流パルスVt2に設定された強制同期制御状態
で、強制同期周期制御部206は初期状態として強制同
期周期T2をTcに設定し、位相差検出時間T5をT2/2
に設定しているとする(S181)。
【0222】まず、強制同期周期制御部206は強制同
期周期T2を第三時間計測タイマ205に設定し時間計
測をスタートさせる(S182)。また、検出時間計測
タイマ245に位相差検出時間T5を設定する(S18
3)。
【0223】次に、第三時間計測タイマ205は、計測
時間t2が設定された強制同期周期T2に達するまで待機
し(S184)、t2≧T2となったときに転流パルスV
t2を転流制御部207及び強制同期周期制御部206に
出力する(S185)。転流制御部207は、転流パル
スVt2が入力されると六相制御信号UH0、UL0、VH
0、VL0、WH0、WL0の相切り換えを行い、これによ
り駆動電流iu、iv、iwの相切り換えが行われる(S
186)。
【0224】強制同期周期制御部206は、転流パルス
t2が入力されると検出時間計測タイマ245の時間計
測をスタートさせる(S187)。
【0225】このとき、 (a)六相制御信号UHがHIGH状態からLOW状態
に切り替わった場合には(S188)、検出時間計測タ
イマ245は位相差検出部244にU相検出開始信号を
出力し、位相差検出部244はU相の相電流検出電圧V
RUの時間変化率の絶対値AIU’の閾値判定と実施の形
態3で説明した符号判定と同様の符号判定を開始する
(S189)。
【0226】(b)六相制御信号VHがHIGH状態か
らLOW状態に切り替わった場合には(S190)、検
出時間計測タイマ245は位相差検出部244にV相検
出開始信号を出力し、位相差検出部244はV相の相電
流検出電圧VRVの時間変化率の絶対値AIV’の閾値判
定と符号判定を開始する(S191)。
【0227】(c)六相制御信号WHがHIGH状態か
らLOW状態に切り替わった場合には(S192)、検
出時間計測タイマ245は位相差検出部244にW相検
出開始信号を出力し、位相差検出部244はW相の相電
流検出電圧VRWの時間変化率の絶対値AIW’の閾値判
定と符号判定を開始する(S193)。
【0228】上記(a)〜(c)以外の場合には、強制
同期周期制御部206は強制同期周期T2をTcに設定し
(S200)、位相差検出時間T5をT2/2に設定した
後(S201)、ステップS182に戻る。
【0229】上記(a)〜(c)の場合には、上記
(a)〜(c)の動作を行った後、検出時間計測タイマ
245は計測時間t5がT5以上となるまで待機し(S1
94)、t5≧T5となったとき、位相差検出部244及
び強制同期周期制御部206に検出終了信号を出力し、
位相差検出部244はこれを受けて相電流検出電圧の時
間変化率の絶対値の検出を終了する(S195)。
【0230】強制同期周期制御部206は、検出時間計
測タイマ245より検出終了信号が入力されると、位相
差検出部244に検出結果出力要求を行い、その結果、
位相ずれがなければ(S196)、強制同期周期T2
cに設定し(S200)、また、位相が進んでいる場
合には(S197)、強制同期周期T2をTc+ΔTc
設定し(S198)、位相が遅れている場合には(S1
97)、強制同期周期T 2をTc−ΔTcに設定する(S
199)。次いで、位相差検出時間T5をT2/2に設定
した後(S201)、ステップS182に戻る。
【0231】ここで、位相ずれがあるかどうかは相電流
の時間変化率の絶対値がE1よりも大きいか否かで判定
し、位相ずれがあると判定された場合には、前記時間変
化率の符号の正負により位相が進んでいるか遅れている
かを判定する。すなわち、前記時間変化率の符号が正の
場合には位相が遅れていると判定し、負の場合には位相
が進んでいると判定する。
【0232】以下、上記ステップS182〜S201と
同様の動作を繰り返す。
【0233】以上のような動作により、六相制御信号を
ある相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、
六相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換
えまでの時間(強制同期周期T2)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(強制同期周期T2)が短縮されるため、次の六
相制御信号の相切り換えのタイミングはより適正なタイ
ミングに補正される。
【0234】次に、フィードバック制御を行う場合の動
作について説明する。
【0235】図33及び図34は実施の形態5のブラシ
レスモータの駆動制御装置のフィードバック制御状態に
おける動作を表すフローチャートである。ここでは、例
として誘起電圧のゼロクロス点から30度位相シフトさ
せて六相制御信号の相切り換えを行う場合について説明
する。また、フードバック制御状態においては、転流制
御部207の入力を転流パルスVt1となる状態に転流制
御部207を設定しているとする。
【0236】六相制御信号の相切り換えが行われた直後
において、位相シフト量決定部204は、 (a)六相制御信号UHがHIGH状態からLOW状態
に切り替わった場合には(S210)、位相シフト量決
定部204は位相差検出部244にU相検出開始信号を
出力し、位相差検出部244はU相の相電流検出電圧V
RUの時間変化率の絶対値AIU’の閾値判定と符号判定
を開始する(S211)。
【0237】(b)六相制御信号VHがHIGH状態か
らLOW状態に切り替わった場合には(S212)、位
相シフト量決定部204は位相差検出部244にV相検
出開始信号を出力し、位相差検出部244はV相の相電
流検出電圧VRVの時間変化率の絶対値AIV’の閾値判
定と符号判定を開始する(S213)。
【0238】(c)六相制御信号WHがHIGH状態か
らLOW状態に切り替わった場合には(S214)、位
相シフト量決定部204は位相差検出部244にW相検
出開始信号を出力し、位相差検出部244はW相の相電
流検出電圧VRWの時間変化率の絶対値AIW’の閾値判
定と符号判定を開始する(S215)。
【0239】上記(a)〜(c)の場合には、上記
(a)〜(c)の動作を行った後、位相差検出部244
は波形合成論理部202aからゼロクロス点検出信号V
Zが入力されるまで相電流検出電圧の時間変化率の絶対
値の閾値判定と符号判定を続ける(S216)。
【0240】波形合成論理部202aは、U相、V相、
W相の何れかの相において、誘起電圧のゼロクロス点が
検出されると、位相差検出部244及び第一時間計測タ
イマ202bにゼロクロス点検出信号VZを出力すると
ともに、第一時間計測タイマ202bは位相シフト量決
定部204にゼロクロス点時間間隔TZを出力しタイマ
をクリアした後再スタートさせる。
【0241】位相差検出部244はゼロクロス点検出信
号VZが入力されると、相電流検出電圧の時間変化率の
絶対値の閾値判定と符号判定を終了する(S216)。
【0242】位相シフト量決定部204は、ゼロクロス
点間隔計測部202よりゼロクロス点時間間隔TZが入
力されると、位相差検出部244に検出結果出力要求を
行い、その結果、位相ずれがなければ(S218)、位
相シフト時間T1をTZ/2に設定し(S222)、ま
た、位相が進んでいる場合には(S219)、強制同期
周期T1をTZ/2+ΔTZに設定し(S220)、位相
が遅れている場合には(S219)、強制同期周期T1
をTZ/2−ΔTZに設定する(S221)。
【0243】ここで、六相制御信号の位相が適正なタイ
ミングよりも進んでいるのか遅れているのかの判定は、
ステップS197の場合と同様な方法により行われる
(但し、ブラシレスモータの負荷等によりブラシレスモ
ータに流れる電流は変わるため、閾値E1の値はステッ
プS197の場合と異なる)。
【0244】上記(a)〜(c)以外の場合には、波形
合成論理部202aは、U相、V相、W相の何れかの相
において、誘起電圧のゼロクロス点が検出されると、位
相差検出部244及び第一時間計測タイマ202bにゼ
ロクロス点検出信号VZを出力するとともに、第一時間
計測タイマ202bは位相シフト量決定部204にゼロ
クロス点時間間隔TZを出力しタイマをクリアした後再
スタートさせる(S223)。位相シフト量決定部20
4は、ゼロクロス点時間間隔TZが入力されると強制同
期周期T1をTZ/2−ΔTZに設定する(S221)。
【0245】以上のように、強制同期周期T1が決定さ
れると、位相シフト量決定部204は第二計測タイマに
位相シフト時間T1を設定しタイマ値t2をクリアし時
間計測を再スタートさせる(S225)。
【0246】次いで、第二時間計測タイマ203は計測
時間t2が上記設定された位相シフト時間T1に達するま
で待機し(S226)、計測時間t2が位相シフト時間
1を越えると、転流制御部207に転流パルスVt1
出力する(S227)。転流制御部207は、転流パル
スVt1が入力されると六相制御信号UH、UL、VH、
VL、WH、WLの相切り換えを行う(S228)。以
下は、ステップS210に戻り、上記ステップS210
〜S228の動作を繰り返す。
【0247】このような動作により、六相制御信号をあ
る相に切り換えたときに位相ずれが検出された場合、六
相制御信号の位相が進んでいる場合には次の相切り換え
までの時間(位相シフト時間T1)が延長され、六相制
御信号の位相が遅れている場合には次の相切り換えまで
の時間(位相シフト時間T1)が短縮されるため、次の
六相制御信号の相切り換えのタイミングはより適正なタ
イミングに補正される。
【0248】
【発明の効果】以上のように本発明のブラシレスモータ
の駆動制御装置によれば以下のような有利な効果が得ら
れる。
【0249】請求項1に記載の発明によれば、 (1)固定子巻線に誘起される電圧が小さい低速回転に
おいても、適正な転流のタイミングに合わせることがで
き、転流のタイミングが適正な転流のタイミングからか
け離れることのないブラシレスモータの駆動制御装置を
提供することができる。
【0250】(2)モータの全電流値や相電流値をフィ
ードバックするため、回転数変化に対しても、ピーク電
流が負荷によるものか転流のタイミングが適正でないた
めかを区別することができ、位相差補正手段により、適
正な転流のタイミングに合わせることが可能なブラシレ
スモータの駆動制御装置を提供することができる。
【0251】(3)電流をフィードバックするため、駆
動電流切換手段を構成する電気部品の容量の範囲内でモ
ータの起動を行うことが可能なブラシレスモータの駆動
制御装置を提供することができる。
【0252】(4)電流をフィードバックするため、起
動時にブラシレスモータにかかる負荷が変わる場合にも
対応することが可能なブラシレスモータの駆動制御装置
を提供することができる。
【0253】(5)電流をフィードバックするため、駆
動電圧が変動する場合にも対応することが可能なブラシ
レスモータの駆動制御装置を提供することができる。
【0254】請求項2に記載の発明によれば、 (1)転流のタイミングが適正な転流のタイミングから
かけ離れることのないブラシレスモータの駆動制御装置
を提供することができる。
【0255】(2)電流をフィードバックするため、駆
動電流切換手段を構成する電気部品の容量の範囲内でモ
ータを駆動することが可能なブラシレスモータの駆動制
御装置を提供することができる。
【0256】(3)モータの能力(モータに加える電
力)を変える際、急激に駆動電圧等を変えても対応する
ことが可能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供す
ることができる。
【0257】請求項3に記載の発明によれば、 (1)位相が合っていないことを的確に判断できるブラ
シレスモータの駆動制御装置を提供することができる。
【0258】(2)電流を検出するタイミングを発生す
る必要がないため、位相差補正手段を簡単な構成とする
ことが可能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供す
ることができる。
【0259】(3)全電流値により位相差検出を行うた
め、ブラシレスモータの固定子巻線の抵抗やインダクタ
ンス等のばらつきがあっても影響がないブラシレスモー
タの駆動制御装置を提供することができる。
【0260】請求項4に記載の発明によれば、 (1)位相が合っていないことを的確に判断できるブラ
シレスモータの駆動制御装置を提供することができる。
【0261】(2)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、位相差補正手段を簡単な構成とすることが可
能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供することが
できる。
【0262】(3)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、強制同期タイミング発生手段又は帰還同期タ
イミング発生手段が次に相切り換えを行うタイミングの
位相を進める処理をすべきか遅延させる処理をすべきか
を判定することが可能なブラシレスモータの駆動制御装
置を提供することができる。
【0263】請求項5に記載の発明によれば、 (1)位相が合っていないことを的確に判断できるブラ
シレスモータの駆動制御装置を提供することができる。
【0264】(2)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、位相差補正手段を簡単な構成とすることが可
能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供することが
できる。
【0265】請求項6に記載の発明によれば、 (1)平均電流値もしくは実効電流値と回転数により負
荷を推定でき、なおかつ比率より転流のタイミングの適
正度合いを知ることが可能なブラシレスモータの駆動制
御装置を提供することができる。
【0266】(2)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、位相差補正手段を簡単な構成とすることが可
能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供することが
できる。
【0267】請求項7に記載の発明によれば、 (1)最も顕著に転流のタイミングの適正度合いを知る
ことが可能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供す
ることができる。
【0268】(2)位相の進み遅れを電流値のみで検出
するため、位相差補正手段を簡単な構成とすることが可
能なブラシレスモータの駆動制御装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のブラシレスモータの駆
動制御装置の装置構成を示すブロック図
【図2】図1の制御部の機能ブロック図
【図3】実施の形態1のブラシレスモータの駆動制御装
置の強制同期制御状態における動作を表すフローチャー
【図4】六相制御信号の位相と永久磁石回転子の回転の
位相とが一致した状態における図1及び図2の各電圧値
及び電流値の時間変化を表す図
【図5】六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の
位相より遅れた状態における図1及び図2の各電圧値及
び電流値の時間変化を表す図
【図6】六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の
位相より進んだ状態における図1及び図2の各電圧値及
び電流値の時間変化を表す図
【図7】図1の制御部の位相ずれ検出動作を表すフロー
チャート
【図8】図2のゼロクロス点抽出部の動作を表すフロー
チャート
【図9】実施の形態1のブラシレスモータの駆動制御装
置のフィードバック制御状態における動作を表すフロー
チャート
【図10】本発明の実施の形態2のブラシレスモータの
駆動制御装置の装置構成を示すブロック図
【図11】図10の制御部の機能ブロックを表す図
【図12】(a)六相制御信号の位相と永久磁石回転子
の回転の位相とが一致した状態における全電流検出電圧
R1の時間変化を表す図 (b)六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の位
相より遅れた状態における全電流検出電圧VR1の時間変
化を表す図 (c)六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の位
相より進んだ状態における全電流検出電圧VR1の時間変
化を表す図
【図13】実施の形態2のブラシレスモータの駆動制御
装置の強制同期制御状態における動作を表すフローチャ
ート
【図14】図11の位相差検出部の動作を表すフローチ
ャート
【図15】実施の形態2のブラシレスモータの駆動制御
装置のフィードバック制御状態における動作を表すフロ
ーチャート
【図16】本発明の実施の形態3のブラシレスモータの
駆動制御装置の装置構成を示すブロック図
【図17】図16の制御部の機能ブロックを表す図
【図18】(a)六相制御信号の位相と永久磁石回転子
の回転の位相とが一致した状態における全電流検出電圧
の時間変化率の絶対値|dVR1/dt|の時間変化を表
す図 (b)六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の位
相より遅れた状態における全電流検出電圧の時間変化率
の絶対値|dVR1/dt|の時間変化を表す図 (c)六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の位
相より進んだ状態における全電流検出電圧の時間変化率
の絶対値|dVR1/dt|の時間変化を表す図
【図19】実施の形態3のブラシレスモータの駆動制御
装置の強制同期制御状態における動作を表すフローチャ
ート
【図20】実施の形態3のブラシレスモータの駆動制御
装置の位相差検出時の動作を表すフローチャート
【図21】実施の形態3のブラシレスモータの駆動制御
装置のフィードバック制御状態における動作を表すフロ
ーチャート
【図22】本発明の実施の形態4のブラシレスモータの
駆動制御装置の装置構成を示すブロック図
【図23】図22の制御部の機能ブロックを表す図
【図24】(a)六相制御信号の位相と永久磁石回転子
の回転の位相とが一致した状態における交流成分比AI
2/AI1と平均電流検出信号AI1の大きさを表す図 (b)六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の位
相より遅れた状態における交流成分比AI2/AI1と
平均電流検出信号AI1の大きさを表す図 (c)六相制御信号の位相が永久磁石回転子の回転の位
相より進んだ状態における交流成分比AI2/AI1と
平均電流検出信号AI1の大きさを表す図
【図25】実施の形態4のブラシレスモータの駆動制御
装置の強制同期制御状態における動作を表すフローチャ
ート
【図26】実施の形態4のブラシレスモータの駆動制御
装置のフィードバック制御状態における動作を表すフロ
ーチャート
【図27】本発明の実施の形態5のブラシレスモータの
駆動制御装置の装置構成を示すブロック図
【図28】図27の制御部の機能ブロックを表す図
【図29】図27の各部の電圧波形を表す図
【図30】六相制御信号の位相ずれと相電流波形との関
係を示す図
【図31】実施の形態5のブラシレスモータの駆動制御
装置の強制同期制御状態における動作を表すフローチャ
ート
【図32】実施の形態5のブラシレスモータの駆動制御
装置の強制同期制御状態における動作を表すフローチャ
ート
【図33】実施の形態5のブラシレスモータの駆動制御
装置のフィードバック制御状態における動作を表すフロ
ーチャート
【図34】実施の形態5のブラシレスモータの駆動制御
装置のフィードバック制御状態における動作を表すフロ
ーチャート
【図35】イ号公報に開示の従来のブラシレスモータの
駆動制御装置における強制同期運転から定常センサレス
運転に切替える状態を表わす図
【図36】ロ号公報に開示の従来のブラシレスモータの
駆動制御装置におけるモータ電流波形を示す図
【符号の説明】
101 ステータ 102u、102v、102w 固定子巻線 103 永久磁石回転子 104 ドライブ回路 105、106、107、108、109、110 コ
ミュテータ素子 105a、106a、107a、108a、109a、
110a スイッチング回路 111、112、113、114、115、116 フ
リーホイーリングダイオード 117 駆動電源 118 バイパスコンデンサ 119u、119v、119w、119U、119L、
119N 中性電位生成抵抗 120 ゼロクロス点検出部 120u、120v、120w コンパレータ 121 制御部 122 位相差検知回路 123 ピークホールド回路 123a リセットスイッチ素子 124 閾値比較回路 201 ゼロクロス点抽出部 202 ゼロクロス点間隔計測部 202a 波形合成論理部 202b 第一時間計測タイマ 203 第二時間計測タイマ 204 位相シフト量決定部 205 第三時間計測タイマ 206 強制同期周期制御部 207 転流制御部 208 駆動ベース信号バッファ部 209 切換制御部 210 位相差判定部 211 リセット信号発生部 212 電流値検知許可部 220 全電流閾値判定回路 221、223 コンパレータ 222、224 電圧源 230 位相差検出部 231 位相差検出タイマ 240 アンプ 241 A/D変換部 242 電流値記憶部 243 時間変化演算部 244 位相差検出部 245 検出時間計測タイマ 246 検出開始時間計測タイマ 250 全電流平均値検出回路 251 全電流交流平均値検出回路 252、253 A/D変換部 254 電流比率演算部 255 位相差検出部 VN 中性電位 VU、VV、VW 端子電圧 R1 全電流検出抵抗 RU、RV、RW 相電流検出抵抗 VR1 全電流値検出電圧 VRU、VRV、VRW 相電流値検出電圧 VR1P ピーク電圧 Vsh 閾値電圧 Pin 位相差検知信号 Rout リセット信号 TZ ゼロクロス点時間間隔 T1 位相シフト時間 T2 強制同期周期 T3、T4 位相差検出タイミング遅延時間 T5 位相差検出時間 AI 全電流検出信号 AI1 平均電流検出信号 AI2 交流分平均電流検出信号 Vt1、Vt2 転流パルス VB1 下限値電圧 VB2 上限値電圧 DI1、DI2 比較結果 VU0、VV0、VW0、VU1、VV1、VW1、VZ ゼロクロス
点検出信号 VRU、VRV、VRW 相電流検出電圧 UH、UL、VH、VL、WH、WL、UH0、UL0
VH0、VL0、WH0、WL0 六相制御信号 iu、iv、iw 駆動電流 Tc 強制同期周期時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 BB04 BB07 BB12 DA13 DA19 DB20 DC02 DC12 EB01 EC10 GG01 SS01 TT01 TT07 TT08 UA02 XA02 XA12 XA15 XB09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相結線された固定子巻線に一定のタイミ
    ングで切り換わる駆動電流が通電され駆動されるブラシ
    レスモータの駆動制御装置であって、(1)前記ブラシ
    レスモータの駆動電流の相切り換えを行うためのタイミ
    ングを発生する強制同期タイミング発生手段と、(2)
    前記強制同期タイミング発生手段の発生するタイミング
    で駆動電流の相切り換えを行う駆動電流切換手段と、
    (3)全ての前記固定子巻線に通電される全電流値又は
    全電流値の時間変化率の絶対値を検出する全電流検出手
    段、又は、少なくとも一つの前記固定子巻線に通電され
    る相電流値又は相電流値の時間変化率の絶対値を検出す
    る相電流検出手段と、(4)前記全電流検出手段又は前
    記相電流検出手段の検出値により前記強制同期タイミン
    グ発生手段の発生する相切り換えを行うためのタイミン
    グを補正する位相差補正手段と、を備えたことを特徴と
    するブラシレスモータの駆動制御装置。
  2. 【請求項2】三相結線された固定子巻線に一定のタイミ
    ングで切り換わる駆動電流が通電され駆動されるブラシ
    レスモータの駆動制御装置であって、(1)前記固定子
    巻線に誘起される誘起電圧が一定の基準電圧と交叉する
    点であるゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出手段
    と、(2)前記ゼロクロス点検出手段により検出される
    ゼロクロス点の発生のタイミングにより駆動電流の相切
    り換えを行うためのタイミングを発生する帰還同期タイ
    ミング発生手段と、(3)前記強制同期タイミング発生
    手段の発生するタイミングで駆動電流の相切り換えを行
    う駆動電流切換手段と、(4)全ての前記固定子巻線に
    通電される全電流値又は全電流値の時間変化率の絶対値
    を検出する全電流検出手段、又は、少なくとも一つの前
    記固定子巻線に通電される相電流値又は相電流値の時間
    変化率の絶対値を検出する相電流検出手段と、(5)前
    記全電流検出手段又は前記相電流検出手段の検出値によ
    り前記強制同期タイミング発生手段の発生する相切り換
    えを行うためのタイミングを補正する位相差補正手段
    と、を備えたことを特徴とするブラシレスモータの駆動
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記位相差補正手段は、前記全電流検出手
    段の検出する全電流の相切り換えの一周期におけるピー
    ク値が一定の閾値以上となることにより前記強制同期タ
    イミング発生手段又は前記帰還同期タイミング発生手段
    の発生する相切り換えのタイミングの位相ずれの発生を
    検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のブラ
    シレスモータの駆動制御装置。
  4. 【請求項4】前記全電流検出手段は、前記駆動電流切換
    手段が駆動電流の相切り換えを行う直前の全電流値を検
    出し、前記位相差補正手段は、前記全電流検出手段の検
    出する全電流値が一定の閾値B1以下となることにより
    前記強制同期タイミング発生手段又は前記帰還同期タイ
    ミング発生手段の発生する相切り換えのタイミングの位
    相が進んでいることを検出し、前記全電流検出手段の検
    出する全電流値が一定の閾値B2以上となることにより
    前記強制同期タイミング発生手段又は前記帰還同期タイ
    ミング発生手段の発生する相切り換えのタイミングの位
    相が遅れていることを検出することを特徴とする請求項
    1又は2に記載のブラシレスモータの駆動制御装置。
  5. 【請求項5】前記全電流検出手段は、前記駆動電流切換
    手段が駆動電流の相切り換えを行った後次の相切り換え
    を行う前の一定の期間において全電流値の時間変化率の
    絶対値を検出し、前記位相差補正手段は、前記全電流検
    出手段の検出する全電流値の時間変化率の絶対値が一定
    の閾値C1以上となることにより前記強制同期タイミン
    グ発生手段又は前記帰還同期タイミング発生手段の発生
    する相切り換えのタイミングの位相ずれを検出すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のブラシレスモータ
    の駆動制御装置。
  6. 【請求項6】前記全電流検出手段は、全電流値の平均電
    流値又は電流実効値、及び全電流値の交流成分値を検出
    し、前記位相差補正手段は、前記全電流検出手段の検出
    する交流成分値と平均電流値の比率、又は交流成分値と
    電流実効値の比率が一定の閾値D1以上となることによ
    り前記強制同期タイミング発生手段又は前記帰還同期タ
    イミング発生手段の発生する相切り換えのタイミングの
    位相ずれを検出することを特徴とする請求項1又は2に
    記載のブラシレスモータの駆動制御装置。
  7. 【請求項7】前記相電流検出手段は、少なくとも一つの
    前記固定子巻線の駆動電流の通電されていない期間の内
    のある一定の期間において相電流値の時間変化率の絶対
    値を検出し、前記位相差補正手段は、前記相電流検出手
    段の検出する相電流値の時間変化率の絶対値が一定の閾
    値E1以上となることにより前記強制同期タイミング発
    生手段又は前記帰還同期タイミング発生手段の発生する
    相切り換えのタイミングの位相ずれを検出することを特
    徴とする請求項1又は2に記載のブラシレスモータの駆
    動制御装置。
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