JP2000235959A - ドーピング処理方法 - Google Patents

ドーピング処理方法

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JP2000235959A JP2000031356A JP2000031356A JP2000235959A JP 2000235959 A JP2000235959 A JP 2000235959A JP 2000031356 A JP2000031356 A JP 2000031356A JP 2000031356 A JP2000031356 A JP 2000031356A JP 2000235959 A JP2000235959 A JP 2000235959A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積基板に適したドーピング処理方法を提
供する。 【解決手段】 イオン流の断面形状を線状とし、イオン
流を分離し、分離されたイオン流を異なる電圧で加速
し、異なる入射角で基板へ入射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路等
を作製する際に使用されるドーピング装置およびドーピ
ング処理方法に関するものである。特に本発明は大面積
基板を処理する目的に好ましい構成を有するイオンドー
ピング装置およびドーピング処理方法に関する。例え
ば、一部もしくは全部が非晶質成分からなる半導体材
料、あるいは、実質的に真性な多結晶の半導体材料に対
して、イオンビームを照射することによって、該半導体
材料に不純物を付与するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路等の作製において、半導
体中にN型やP型の不純物領域を形成する場合に、N型
やP型の導電型を呈せしめる不純物(N型不純物/P型
不純物)イオンを高い電圧で加速して、照射・注入する
方法が知られている。特に、イオンの質量と電荷比を分
離する方法はイオン注入法と呼ばれ、半導体集積回路を
作製する際に、広く用いられている。
【0003】それ以外にも、N/P型不純物を有するプ
ラズマを発生させ、このプラズマ中のイオンを高い電圧
によって加速し、イオン流として半導体中に注入する方
法が知られている。この方法は、イオンドーピング法も
しくはプラズマドーピング法と呼ばれる。
【0004】イオンドーピング法によるドーピング装置
の構造は、イオン注入法によるドーピング装置に比較し
て簡単である。例えば、P型不純物として硼素を注入す
る場合には、硼素化合物であるジボラン(B2 6 )等
の気体において、RF放電その他の方法によって、プラ
ズマを発生させ、これに高い電圧をかけて、硼素を有す
るイオンを引き出して、半導体中に照射する。プラズマ
を発生させるために気相放電をおこなうので、ドーピン
グ装置内の真空度は比較的高い。
【0005】現在、比較的大面積の基板に対して均一に
不純物を添加するにはイオンドーピング装置が使用され
ることが多い。イオンドーピング装置は質量分離をおこ
なわず、大面積のイオンビームが比較的容易に得られる
ためである。一方、イオン注入装置は質量分離をおこな
う必要があるため、ビームの一様性を保ったまま、ビー
ム面積を大きくすることは難しい。よって、イオン注入
装置は、大面積基板には不適当である。
【0006】近年、半導体素子プロセスの低温化に関し
て盛んに研究が進められている。その大きな理由は、安
価なガラス等の絶縁基板上に半導体素子を形成する必要
が生じたからである。その他にも素子の微小化や素子の
多層化に伴う要請もある。
【0007】ガラス等の絶縁基板は、従来高温プロセス
で使われている石英基板と比較して加工性に富み、大面
積化が容易で、なおかつ、安価である等、様々なメリッ
トがある。しかしながら、基板の大面積化に伴い、従来
の高温プロセスとは性質の異なる装置を開発しなければ
ならないなど、技術的に越えなければならない困難が多
々生じて来ていることも事実である。
【0008】大面積基板を処理する必要のあるアクティ
ブマトリクス型液晶ディスプレー等の作製においては、
イオン注入法は、この点で不利であり、その欠点を補う
という目的で、イオンドーピング法について研究開発が
おこなわれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のイオンドーピン
グ装置の概要を図1および図2に示す。図1は主として
イオン源およびイオンの加速装置の概要を示す。また、
図2はイオンドーピング装置全体の構造を示す。まず、
図1にしたがって説明する。イオンはプラズマ空間4に
おいて発生する。
【0010】すなわち、電極3と網状電極6との間に高
周波電源1およびマッチングボックス2によって高周波
電力を印加することで、減圧されたプラズマ空間4にプ
ラズマを生じさせる。プラズマを発生させる初期には水
素等を雰囲気に導入し、プラズマが安定した後には、ド
ーピングガスであるジボランやホスフィン(PH3 )を
導入する。
【0011】電極3とチャンバーの外壁(網状電極6と
同電位)は絶縁体5によって絶縁される。このようにし
て発生したプラズマからイオン流が取り出されるが、そ
れには、引き出し電極10および引き出し電源8が用い
られる。このようにして引き出されたイオン流は抑制電
極11および抑制電源9によって形状を整えられた後、
加速電極12および加速電源7によって必要とするエネ
ルギーまで加速される。
【0012】次に図2(A)について説明する。イオン
ドーピング装置は大きく分けて、イオン源・加速装置1
3、ドーピング室15、電源装置14、ガスボックス1
9、排気装置20よりなる。図2では、イオン源・加速
装置は、図1のものを横に置いてある。すなわち、図2
では、イオン流は左から右に流れる(図1では上から下
に流れる)。電源装置14は主としてイオンの発生・加
速に用いられる電源を集約したもので、図1の高周波電
源1、マッチングボックス2、加速電源7、引き出し電
源8、抑制電源9を含む。
【0013】ドーピング室15には基板ホルダー17が
設けられ、被ドーピング材16がその上に設置される。
基板ホルダーは一般にイオン流と平行な軸にそって回転
できるように設計される。イオン源・加速装置13とド
ーピング室15は排気装置20によって排気される。も
ちろん、イオン源・加速装置13とドーピング室15と
が独立の排気装置によって排気されてもよい。
【0014】ガスボックス19からはガスライン18を
経由して、ドーピング室15にドーピングガスが送られ
る。図2の装置ではイオン源・加速装置13と被ドーピ
ング材16の間にガス供給口が設けられているが、イオ
ン源のプラズマ空間4の近傍に設けることも可能であ
る。ドーピングガスは水素等で希釈して用いられるのが
一般的である。
【0015】従来のイオンドーピング装置では、処理で
きる基板(被ドーピング材)の面積はイオン源13にお
けるプラズマ空間4の断面積と等しいかそれ以下であっ
た。これはドーピングの均一性によって要求された条件
である。図2(B)は、イオン流に垂直な断面の様子を
示す。すなわち、イオン源・加速装置13はL1 および
2 という大きさであるが、ドーピング室15および被
ドーピング材17はその中におさまる程度の大きさであ
る。そして、L1 とL2 は同程度の大きさである。
【0016】したがって、基板がより大きくなるとプラ
ズマ空間4はさらに大きくなることが要求される。しか
も、プラズマは2次元的に均一であることが要求され
る。しかしながら、プラズマ空間は無限に大きくするこ
とは困難である。なぜなら、プラズマの発生が均一でな
くなるからである。これは主として分子の平均自由工程
がプラズマ空間の断面に比較して十分に小さくなるため
である。このため、プラズマ空間の1辺の長さをを0.
6m以上とすることは困難である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明においては、イオ
ン流の断面を線状もしくは長方形とし、かつ、ドーピン
グ中に被ドーピング材を、イオン流の長尺方向に垂直
(すなわち、短尺方向)に移動させることを特徴とす
る。かくすることにより、プラズマは長尺方向の均一性
が要求されるのみとなり、大面積の基板の処理が可能と
なる。プラズマの長尺方向の均一性のみが問題となり、
2次元的な均一性が問題とならないのは、被ドーピング
材の任意の部分に着目すると、イオン照射が走査により
おこなわれるためである。
【0018】本発明では、原理的には基板の1辺の長さ
はプラズマの長さによって制約されるものの、他の1辺
の長さにはドーピング室の大きさ以外の制約要因がな
い。放電空間の幅が十分に狭ければ、長尺方向の均一性
が2m程度保たれたプラズマは容易に発生できる。もち
ろん、そのときのイオンビームの幅はセンチメートルオ
ーダーでもよい。
【0019】したがって、このような線状イオンドーピ
ング装置は、大面積基板、あるいは、多数の基板を同時
に処理するのに適している。例えば、最大2m×xmの
基板に比較的用意にドーピングをおこなうことができ
る。xはドーピング装置の大きさにより決定される。
【0020】
【発明の実施の形態】図3(A)に本発明の実施形態の
概念を示す。本発明のイオンドーピング装置も従来と同
様、イオン源・加速装置13、ドーピング室15、電源
装置14、ガスボックス19、排気装置20よりなる。
しかしながら、従来のものとは異なって、イオン源・加
速装置13では、断面が線状もしくは長方形となるイオ
ン流を発生する。さらに、基板ホルダー17がドーピン
グ中に移動するような機構を備えている。イオン流の長
尺方向は図の紙面に垂直な方向である。
【0021】本発明のイオンドーピング装置では、処理
できる基板(被ドーピング材)の形状はイオン源13に
おけるプラズマ空間4の断面の形状とは関係がない。た
だし、基板の短い方の1辺の長さはプラズマ空間4の長
尺方向の長さと等しいかそれ以下であることが要求され
る。基板の他の1辺の大きさについては、ドーピング室
の大きさ以外には制約要因がない。
【0022】図3(B)は、イオン流に垂直な断面の様
子を示す。すなわち、イオン源・加速装置13(L1 ×
2 )の形状は、ドーピング室15および被ドーピング
材17の形状に制約されない。イオン流の断面の形状が
線状もしくは長方形であるのでL1 <L2 (=イオン流
の断面の長尺方向の長さ)である。
【0023】イオン流が長尺方向に均一であるのみで、
短尺方向の均一性を問われないということは、短尺方向
にイオン強度、イオン種の分布があっても差し支えない
ということであり、このことはイオン流から特定の軽イ
オン(例えば、H+ 、H2 +等)を除去する上で有効で
ある。イオンの分離には磁気的な作用をイオン流に及ぼ
す必要があったが、その際には、必ず、必要な重いイオ
ンの分布にも影響を与えた。
【0024】従来のイオンドーピング装置では2次元で
の均一性が要求されたので、実質的にイオンを分離する
ことは不可能である。しかしながら、本発明では実施例
2に示すように簡単に分離することが可能である。
【0025】また、イオン流が長尺方向に均一であるの
みで、短尺方向の均一性を問われないということは、イ
オン流を加速・減速する電極の構造にも有利である。従
来のイオンドーピング装置では電極には網状もしくは多
孔のものが用いられたが、このような電極では、一部の
イオンが電極本体に衝突するので、そのことによる電極
の劣化、あるいは電極構成物質の飛散・スパッタリング
が問題となる。
【0026】これに対し、本発明では、実施例1に示す
ように、簡単な形状の電極で、かつ、イオン流から離れ
た位置に設けられるため、上記の問題は解決される。
【0027】なお、従来の半導体製造技術では、イオン
注入技術が知られているが、その際にはイオン流を電磁
的に偏向させて、固定した基板に走査するという技術が
知られている。しかしながら、そのような方法は、本発
明のようにさまざまな質量/電荷比を有するイオンを同
時にドーピングする場合には適切でなく、本発明のよう
にイオン流は固定とし、基板を移動させる方が好まし
い。
【0028】なぜならば、電磁的なイオン流の偏向技術
では、重いイオンに比較して、軽いイオンの方がはるか
に偏向されやすく、したがって、均一に走査することが
できないからである。わずかに質量数は1つ異なるだけ
でも、分布が生じるので、本発明の目的とするイオンド
ーピング技術に適用することは好ましくない。このよう
な電磁的な偏向技術の用いることができるのは、単一イ
オン種のみをドーピングする場合に限られる。
【0029】本発明のイオンドーピング装置には、従来
のイオン技術において公知であるイオン集束装置やイオ
ン質量分離装置を付加してもよい。
【0030】さらに、本発明のような線状イオンドーピ
ング技術において、イオンの質量分離が容易であるとい
う特徴は、その後のアニール処理においても有利となる
場合がある。一般にイオンドーピングをおこなうと、イ
オンの被照射物への入射に伴う被照射物の原子格子の損
傷や結晶格子の非晶質化等が生じる。また、ドーパント
は、ただ半導体材料に打ち込むだけではキャリアとして
働かない。これらの不都合を解消するためのいくつかの
工程が、ドーピング後に必要である。
【0031】上記工程で、最も一般的な方法は熱アニー
ルあるいは光アニールである。これらのアニールにより
ドーパントを半導体材料格子に結合させることができ
る。ただし、光アニールの場合には、その光が前記格子
損傷箇所等に届かなければならない。
【0032】また、前記アニールで解消仕切れない準位
(不結合手)を消すための、水素を添加する工程もかな
り一般的に行われている。該工程を以下水素化と呼ぶ。
水素は350℃程度の温度で容易に半導体材料内に進入
し、上記準位を消す働きをする。
【0033】いずれにせよ、これらのドーピング後の工
程を設けることは、工程数を増やし、コストやスループ
ットの面でよくない。熱アニールと水素化をドーピング
時に同時にやってしまうことにより、あるいは、それら
の工程の一部をドーピング時におこなうことにより、ア
ニール工程・水素化工程の省略もしくは処理時間の短
縮、ないしは処理温度等の低減等を図ることができる。
【0034】水素とドーパントを同時に半導体材料に添
加することは比較的容易である。すなわち、水素で希釈
したドーパントを水素ごとイオン化して、ドーピングを
すればよい。例えば、水素で希釈した、フォスフィン
(PH3 )を用いて図1や図2に示すドーピング装置で
イオンの注入をおこなえば、燐を含むイオン(例えば、
PH3 + やPH2 + 等)と同時に水素イオン(例えば、
2 + やH+ )も注入される。
【0035】しかしながら、水素は、燐・硼素等のドー
パントを含むイオンに対してあまりにも軽く、加速され
やすいため基板奥深くまで入ってしまう。一方、ドーパ
ントを含むイオンは比較的浅い部分にとどまるので、該
水素がドーパント起因の欠陥を修復するには、熱アニー
ル等で水素を移動させなければならない。
【0036】ところで、線状イオンビームを用いると、
上述のように、質量分離器をイオン流の途中において所
望のイオンのみ基板に照射することが可能となる。この
思想をより発展させると、以下のような新規なドーピン
グ方法も可能となる。すなわち、異なる質量のイオンを
分離したのち、それぞれを異なる電圧で加速し、これら
のビームを半導体材料に照射することにより、これらの
イオンをほぼ同じ深さに打ち込むというドーピング方法
である。
【0037】例えば、水素を主成分とするイオン(軽イ
オン)と、ドーパントを含むイオン(重イオン)に分離
し、後者のみを加速することにより、前者と後者の侵入
深さをほぼ同じとすることにより、前者の存在によっ
て、ドーパントに対するアニール工程や水素化工程の一
部もしくは全部を同時におこなうことが可能となる。
【0038】すなわち、水素イオンビームの半導体材料
への入射速度を、ドーパントを含むイオンビームの半導
体材料への入射速度に近づけることにより、半導体膜中
での水素の分布とドーパントの分布が近づく。このと
き、イオンの入射エネルギー(衝突により熱エネルギー
に転化する)と、水素の供給により、ドーパントが直ち
に活性化される。この効果により、後のドーパント活性
化工程が不要となる。
【0039】侵入深さを調整するためにはそれぞれのイ
オンビームの入射角を変えてもよい。すなわち、入射角
が小さいと侵入深さも小さくなる。入射角の変更には磁
気的・電気的効果を用いればよい。あまりに入射角が小
さいと、基板にイオンが入らず反射してしまう。入射角
は40゜以上あればまず問題はない。
【0040】上記の目的には、質量分離装置は、イオン
ビーム発生装置と加速装置の間に設けられるとよい。ま
た、質量分離のためには、イオンビームの長尺方向に平
行な磁場を該イオンビームに印加する装置を用いればよ
い。半導体材料に対しては、先にドーパントを含むイオ
ンが注入された後に、水素を主成分とするイオンが注入
されるようにしてもよいし、その逆となるようにしても
よい。
【0041】本発明のイオンドーピング装置と線状レー
ザー光を利用するレーザーアニール装置を同一チャンバ
ー内に設けることも有効である。すなわち、本発明が線
状イオン流により基板を走査しつつドーピングする工程
を特色とすることと、他の発明である線状レーザー光を
用いたレーザーアニール法が、同様な機構を必要とする
こと、および、両装置を用いる工程が連続することに着
目すれば、両者を別個の装置とするより、同一の装置に
組み込むことは非常に効果的である。
【0042】例えば、特開平7−283151号には、
多チャンバー真空処理装置において、イオンドーピング
チャンバーとレーザーアニールチャンバーとを有するも
のが開示されている。従来のイオンドーピング装置は面
状の断面を有するイオン流の一括照射を基本とし、場合
によっては、基板を回転させる必要があっったので、イ
オンドーピングチャンバーとレーザーアニールチャンバ
ーとを一体化させるという思想はなかった。
【0043】しかしながら、本発明のように、イオンド
ーピング装置も線状レーザーアニール装置と同様な搬送
機構によって基板を移動しつつドーピングをおこなうと
いう場合には、イオンドーピングチャンバーとレーザー
アニールチャンバーを別に設ける必要はなく、むしろ、
一体化した方が量産性の面で有利である。すなわち、イ
オン流の断面の長手方向とレーザー光の断面の長手方向
とを平行に配置し、この間を基板を、上記方向に垂直に
移動させればよい。かくすることによりイオンドーピン
グ工程とレーザーアニール工程を連続的におこなえる。
【0044】線状イオン処理装置に線状レーザーアニー
ル装置を組み合わせることは、2つの工程を同時におこ
なうことによる工程数の短縮の効果に加えて、基板の汚
染の可能性を低減する効果をも有する。
【0045】さらに、本発明のイオンドーピング装置を
用いると以下のような特色を有するドーピング処理をお
こなうことが可能となる。すなわち、本発明によるドー
ピング処理方法の第1は、線状のイオンビームを発生す
る過程と、該イオンビームを質量分離し、少なくとも2
つのイオンビームに分離する過程と、前記イオンビーム
をそれぞれ異なる電圧で加速する過程と、前記イオンビ
ームをそれぞれ異なる角度で基板に照射する過程とを有
する。
【0046】本発明によるドーピング処理方法の第2
は、線状のイオンビームを発生する過程と、該イオンビ
ームを少なくとも2種類のイオンビームに質量分離する
過程と、前記イオンビームの一つを他の一つとは異なる
加速電圧で加速する過程と、前記線状に加工されたイオ
ンビームの線方向と概略直角方向に基板を移動させつ
つ、前記イオンビームの少なくとも二つを照射すること
を特徴とする。
【0047】本発明によるドーピング処理方法の第3
は、水素を含む線状のイオンビームを発生する過程と、
該イオンビームを水素を主成分とするものと、そうでな
いものとに質量分離する過程と、前記イオンビームのう
ち、水素を主成分とするイオンビームおよびそうでない
ものに、それぞれのイオンビームの基板への侵入深さが
概略等しくなるようなエネルギー、入射角度等を付与す
る過程と、前記線状に加工されたイオンビームの線方向
と概略直角方向に基板を移動させつつ、前記イオンビー
ムを照射することを特徴とする。以下に実施例を示し、
より詳細に本発明を説明する。
【0048】
【実施例】〔実施例1〕 図4に本実施例を示す。図4
(A)は本実施例のイオン源・加速装置の構成の概略を
示し、図4(B)は本実施例のイオン源・加速装置の電
極の概略の形状を示す。まず、図4(A)にしたがって
説明する。
【0049】長方形状の断面を有するプラズマ空間24
では、プラズマ発生電極23、26に高周波電源21よ
り高周波電力を印加して、プラズマが発生する。このプ
ラズマは引き出し電極30および引き出し電源28によ
って引き出され、さらに抑制電極31、抑制電源29に
よって形状・分布を整えた後、加速電極32、加速電源
27によって、必要とするエネルギーまで加速される。
なお、プラズマの長尺方向の均一性が十分であれば、抑
制電極31は設けなくてもよい。
【0050】プラズマ発生電極23、26、引き出し電
極30、抑制電極31、加速電極32の形状は、図4
(B)に示される。すなわち、引き出し電極30、抑制
電極31、加速電極32は空洞型であり、イオン流はそ
の中央部を流れる。したがって、イオンが電極と衝突す
ることがない。
【0051】本実施例ではプラズマ発生用電極23と2
6の間隔を1〜10cm、長さを50〜150cm、引
き出し電極30、抑制電極31、加速電極32の空洞部
の断面の短尺方向の長さを1〜15cm、長尺方向の長
さを50〜170cmとするとよい。
【0052】なお、イオンドーピング装置全体の構成は
図3で示されたものと同様にするとよい。本実施例で
は、イオンの質量分離がおこなわれずに導入されるの
で、例えば、ドーピングガスとして、水素で希釈したホ
スフィンを用いた場合には、重いイオン(PH3 + 、P
2 + 等)も軽いイオン(例えば、H+ 、H2 + 等)も
同じ面密度で導入される。同様なことは硼素やアンチモ
ンの注入においても生じる。
【0053】このことは、再結晶化の際に低温で結晶化
するという利点がある。すなわち、材料中のSi−H結
合同士が、水素分子を離脱するような縮合過程を経て、
Si−Si結合を形成するためである。この点で、積極
的に水素分子の注入を防止するという実施例2もしくは
3と異なる。
【0054】ただし、本実施例では、イオンの質量や半
径によって進入深さが異なるという面に注意しなければ
ならない。一般に軽い水素系イオンははるかに深い部分
に集中する。この点を改善する実施例は後述する。(実
施例5〜7)
【0055】〔実施例2〕 本実施例は、実施例1で示
したイオンドーピング装置のイオン源・イオン加速装置
において、質量分離装置を設けた例を示す。本実施例を
図5を用いて説明する。図5(A)は本実施例のイオン
源・加速装置の構成の概略を示す。まず、図5(A)に
したがって説明する。長方形状の断面を有するプラズマ
空間24では、プラズマ発生電極23、26に高周波電
源21より高周波電力を印加して、プラズマが発生す
る。
【0056】このプラズマは引き出し電極30および引
き出し電源28によって引き出され、加速電源27によ
って加速される。次に、イオン流は互いに逆方向の磁場
34、35および、その間のスリット36を通過する。
磁場34によって、イオンは横向きの力を受け、このた
め、軽いイオン(例えば、H+ 、H2 + 等、図の点線)
は重いイオン(例えば、BH3 + 、BH2 + 、P
3 + 、PH2 + 等、図の細線)より左側に曲げられ、
スリット36を通過することができない。すなわち、ス
リット36は質量分離用に設けられたものである。
【0057】図5(B)には、スリットに進入する前の
イオンの分布の概念図を示す。縦軸はイオン密度(イオ
ン強度)であり、横軸はイオン流の断面の短尺方向であ
る。イオンはプラズマの分布を反映し、ガウス分布に近
い形状であるが、磁場34によって、軽いイオンが左に
移動する。図5(C)には、スリットを通過した後のイ
オンの分布を示す。スリット36によって、イオン流の
うち、左側の軽いイオンのピークが削られる。この結
果、イオン流の質量分離をおこなうことができる。
【0058】なお、スリット36を通過したイオン流
も、その短尺方向の分布は磁場34の影響を強く受けて
おり、プラズマ空間での分布とは異なるが、上述したよ
うに、イオン流を移動してドーピングするために何ら問
題はない。
【0059】スリット36を通過したイオン流は、磁場
34とは逆向きの磁場35によって、右向きの力を受
け、軌道が修正される。イオンが磁場34で受ける力と
磁場35で受ける力は、向きが逆で大きさが等しいの
で、結局、イオン流は以前の流れと並行になる。
【0060】その後、抑制電極31、抑制電源29によ
って形状・分布を整えた後、加速電極32、加速電源3
3によって、必要とするエネルギーまで加速される。な
お、プラズマの長尺方向の均一性が十分であれば、抑制
電極31は設けなくてもよい。また、本実施例のような
磁場を印加する装置およびスリットは抑制電極と加速電
極の間でも、また、加速電極と被ドーピング材の間に置
かれてもよい。
【0061】本実施例のように、軽い水素系イオンを除
去する場合には、実施例1で述べたような再結晶化にお
ける水素離脱縮合反応が起こりにくい。この問題を解決
するには、目的とする不純物のドーピング工程の前もし
くは後に、同程度の深さになるような水素のみのドーピ
ングをおこなえばよい。
【0062】〔実施例3〕 本実施例は、簡易型の質量
分析装置を有するイオンドーピング装置のイオン源・イ
オン加速装置において、イオン流の集束装置を設けた例
を示す。本実施例を図6を用いて説明する。図6(A)
は本実施例のイオン源・加速装置の構成の概略を示す。
まず、図6(A)および同図(B)にしたがって説明す
る。なお、図6(A)は、イオン流の断面の長手方向よ
り見た図を、また、図6(B)は、イオン流の断面の長
手方向に垂直な面より見た図を示す。
【0063】本実施例のイオン源は、実施例1や同2と
は異なり、誘導励起型のプラズマ発生方法を採用する。
その目的のためにガスライン58の一部に石英管を使用
し、その周囲を誘導コイル43を巻きつける。コイル4
3は高周波電源41に接続される。なお、コイルの一端
は接地される。実施例1や同2ではイオンの下流で接地
した。これに対し、本実施例ではイオン流の上流で接地
する。
【0064】このようにすることのメリットは、特に細
管での誘導励起のような場合にはガスライン58を接地
準位近辺で使用できることである。ガスラインを実施例
1や同2のようにイオンの中流に設ける場合には、ガス
ラインの電位はそれほど問題ならないが、本実施例のよ
うな装置においてイオンの下流を接地した場合には、ガ
スライン近辺は100kVにも達する高電位となり、ガ
ス配管やガズボンベに導電性の材料を使用するので、ガ
スボックス等までも厳重に絶縁する必要がある。
【0065】本実施例のようにイオンの上流を接地する
ことにより、逆に下流が(負の)高電位となるが、下流
にある物体は外部と連絡するものが少ないので、絶縁は
大して問題とならない。
【0066】誘導コイル43によって生じたプラズマは
加速室44に導入される。加速室への導入口は図6
(B)に示すように、特徴的な形状を有せしめる。ここ
で、細管から大容量の反応室にガスが導入されることに
より、プラズマおよびドーピングガスの圧力・密度は急
激に低下する。
【0067】このことは本実施例のようにイオン流を集
束する場合には好ましい。一般に、誘導コイル部分のガ
スライン58の圧力は加速室44の圧力の1/5〜1/
100となるようにすればよい。プラズマを生じさせる
には10-4Torr以上の圧力が必要である。
【0068】しかしながら、圧力の高い空間では気体分
子やイオンの平均自由行程が小さくなり、イオンを高エ
ネルギーに加速する上で不利である。また、本実施例の
ようにイオン流を集束する場合には、イオンの衝突によ
る散乱により、集束度が低下する。
【0069】本実施例のように、加速室44の圧力を、
プラズマ源(誘導コイル43の近傍)より大幅に低下さ
せると上記の問題は解決できる。なお、イオン流の集束
効果を有効にするためには、集束装置から被ドーピング
物までの距離が、平均自由行程以下であるような圧力と
することが好ましい。
【0070】このようにして加速室に導入されたプラズ
マは引き出し電極50(および引き出し電源48)によ
って引き出され、加速電極52(および加速電源47)
によって加速される。この引き出し電極50と加速電極
52の間にはイオン流の集束用のコイル51を設ける。
コイル51は通常のソレノイドとは異なった形状とす
る。
【0071】すなわち、イオン流を集束させる方向に
は、下流になるほど径を小さくする。一方、それに垂直
な方向では径を変化させない。かくすることにより、イ
オン流を1方向に集束させることができる。コイル51
は同様な形状を有する中空の永久磁石によっても代替で
きる。
【0072】以上は、原理的にはzピンチ法と称される
プラズマ閉じ込めもしくはプラズマ集束技術であるが、
それ以外にも、イオン流の自身の発生する磁場によって
集束させる自己集束法を用いることもできる。その際に
は、多段の加速電極を設け、下流ほど電極径を小さくす
ればよい。また、自己集束法を用いるには、イオン流と
は逆向きに電子流を流すと、電流量が増加し、かつ、イ
オン間の反発が電子により遮蔽される(シールド効果)
ので、より集束する上で効果的である。
【0073】次に、イオン流は互いに逆向きの磁場5
4、55および、その間のスリット56を通過する。磁
場54により、イオンは左向きの力を受ける。このた
め、軽いイオン(図の点線)は重いイオン(図の細線)
より左側に曲げられ、スリット56を通過することがで
きない。このことは実施例2と同じであるが、本実施例
ではイオン流の集束をおこなうため、より顕著な効果が
得られる。
【0074】図6(C)には、加速電極52を通過した
イオンの分布の概念図を示す。縦軸はイオン密度(イオ
ン強度)であり、横軸はイオン流の断面の短尺方向であ
る。イオンはプラズマの分布を反映し、ガウス分布に近
い形状であるが、軽いイオンの方が重いイオンよりもよ
り強く集束され、中央に集まる。
【0075】このような分布のイオン流が磁場54を通
過すると、実施例2と同様に軽いイオンが左に移動す
る。図6(D)は、スリットに進入する前のイオンの分
布の概念図を示す。図6(E)には、スリットを通過し
た後のイオンの分布を示す。スリット56によって、イ
オン流のうち、左側の軽いイオンのピークが削られる。
この結果、イオン流の質量分離をおこなうことができ
る。本実施例で特徴的なことは、軽いイオンはより集積
度が高いため、このスリットによる分離の効果が顕著に
現れる。
【0076】スリット56を通過したイオン流は、磁場
55によって右向きの力を受け、軌道が修正される。イ
オンが磁場54で受ける力と磁場55で受ける力は、向
きが逆で大きさが等しいので、結局、イオン流は以前の
流れと並行になる。このようにして、線状の断面を有す
るイオン流を得ることができる。
【0077】〔実施例4〕 本実施例は、本発明のイオ
ンドーピング装置と線状レーザー光を利用するレーザー
アニール装置を同一チャンバー内に設けた装置に関す
る。すなわち、本発明が線状イオン流により基板を走査
しつつドーピングする工程を特色とすることと、他の発
明である線状レーザー光を用いたレーザーアニール法
が、同様な機構を必要とすることに着目したものであ
る。
【0078】例えば、特開平7−283151には、多
チャンバー真空処理装置において、イオンドーピングチ
ャンバーとレーザーアニールチャンバーとを有するもの
が開示されている。従来のイオンドーピング装置は面状
の断面を有するイオン流の一括照射を基本とし、場合に
よっては、基板を回転させる必要があっったので、イオ
ンドーピングチャンバーとレーザーアニールチャンバー
とを一体化させるという思想はなかった。
【0079】しかしながら、本発明のように、イオンド
ーピング装置も線状レーザーアニール装置と同様な搬送
機構によって基板を移動しつつドーピングをおこなうと
いう場合には、イオンドーピングチャンバーとレーザー
アニールチャンバーを別に設ける必要はなく、むしろ、
一体化した方が量産性の面で有利である。すなわち、イ
オン流の断面の長手方向とレーザー光の断面の長手方向
とを平行に配置し、この間を基板を、上記方向に垂直に
移動させればよい。かくすることによりイオンドーピン
グ工程とレーザーアニール工程を連続的におこなえる。
【0080】本実施例を図7を用いて説明する。図7
(A)は本実施例の装置の断面の概念図であり、また、
図7(B)は本実施例の装置を上(イオン流の導入方向
もしくはレーザー光の導入方向)より見た概念図であ
る。
【0081】本発明のイオンドーピング兼レーザーアニ
ール装置は、他の実施例のイオンドーピング装置と同
様、イオン源・加速装置63、ドーピング室65、電源
装置64、ガスボックス69、排気装置70よりなる。
しかしながら、それに加えて、レーザー装置61、光学
系62を有する。また、予備室68も有する。もちろ
ん、ドーピング室65にはレーザー光を導入するための
窓73を設ける。レーザー光導入用の窓73はイオン流
導入のための窓72と平行に設けられる。
【0082】基板66は基板ホルダー67に保持され、
基板ホルダー67は搬送機構71によって、ドーピング
室65を少なくとも1方向に移動する。基板ホルダー6
7にはヒーター等を設けてもよい。イオン流の長尺方向
は図の紙面に垂直な方向である。
【0083】〔実施例5〕 本実施例では、イオン形成
手段をもつ装置と、イオンを加速する手段をもつ装置に
関しては、図4に示す装置と同様な構成のものを用い
る。図8には本実施例で使用するイオンドーピング装置
の概念図を示す。ドーパントガスは高周波電源81より
高周波電力の印加されたプラズマ発生電極82、83に
よりイオン化される。このイオンは引き出し電極84に
より引き出される。
【0084】さらに、本実施例のドーピング装置は、イ
オンビームに磁場を加える手段85を備えている。その
結果、軽イオン(水素を主成分とするイオン)は大きく
偏向する。一方、重イオン(ドーパントを含むイオン)
の偏向はわずかである。本実施例の装置では、重イオン
の通過路には抑制電極86、加速電極87を設け、該イ
オンビームが選択的に加速され、基板に照射される。し
かしながら、軽イオンに関しては、通路に加速電極が設
けられていないので、引き出し電極84により加速され
たエネルギーのまま図示しないステージ上の基板88に
照射される。
【0085】本実施例では、イオンビームは滝のように
カーテン状をなして、基板88に照射される。基板全体
にまんべんなくドーパントがゆき渡るように、基板88
を走査させながら、ドーピングを行う。ドーズ量は基板
の走査速度と、イオン電流値で制御する。このときの走
査の方向はドーパントにより形成される該カーテン面に
対して概略垂直とする。
【0086】本装置が形成するイオンの滝は幅2mであ
る。本装置はリンまたはボロンをドーパントとして、半
導体材料に添加する目的で使用する。上記イオンにはP
y + またはB2Hx + イオンの他に多量のH2 + イオ
ンが含まれている。本実施例では濃度5%程度に水素で
希釈した半導体用PH3 もしくはB2 6 ガスを使用し
た。
【0087】このイオン流に垂直かつイオンのカーテン
面を含む方向に磁場を形成することにより、該イオン流
に対して垂直方向の力を該イオン流に加える。これは、
ローレンツ力と呼ばれるものである。運動方程式 M a =
q v Bから、イオンの上記磁場 Bに起因する加速度 aは
イオン質量 Mに反比例し、イオンの電荷 qに比例するこ
とが容易に判る。なお、磁場入射前のイオン流の方向
の、磁場入射後のイオン速度成分 vはイオンの質量 Mに
依存する。
【0088】本実施例の場合は、加速されるイオンの大
多数が電荷1のものなので、前述の加速度はイオンの質
量のみに依存すると考えて良い。本実施例に使用するガ
スに含まれるイオン、H2 + イオンの分子量は2、PH
y + イオンの分子量は34程度、B2 x + イオンの分
子量は24〜26程度、である。また、上記速度成分v
の質量依存を考慮に入れると、H2 + イオンは、ドーパ
ントを含むイオンと比較して10〜100倍の加速度
を、該イオン流の垂直方向にうけることがわかる。よっ
て、磁場をイオン流に加えることでイオン流の質量分離
ができる。
【0089】ドーパントを含むイオン流の向きを殆ど変
えることなく、H2 + イオンの流れのみを適当に変える
には、引き出し電圧を1〜10 k V 程度とし、図8に
示した磁場の方向に0. 1から10テスラ程度、好まし
くは0. 5から2テスラ程度の磁場を加えるとよかっ
た。
【0090】磁場を形成する場所は引出電極の直後とす
る。イオンの運動エネルギーがまだ小さいうちにイオン
を曲げれば、少ないエネルギーでイオンを大きく曲げる
ことが可能だからである。引き出し電極84直後で曲げ
られたH2 + イオンは抑制電極86、加速電極87の中
を通過することなくステージ上の基板88に達する。こ
の様にすると、基板入射時のH2 + イオンの速度を抑え
ることができる。
【0091】基板に達したときのH2 + イオンの入射角
は50゜程度であった。前記角度は、イオンが基板内に
入るのに充分な角度であった。一方、ドーパントを含む
イオン流は上記磁場の影響を殆ど受けることなく、抑制
電極、加速電極の中を通過後、基板に照射された。入射
角はほぼ90°であった。
【0092】上記のイオン加速方法により、H2 + イオ
ンの速度を極力抑え、かつ、ドーパントを所望の深さに
打ち込むことが可能となった。等電界中では、イオンは
軽ければ軽いほど、電荷が高ければ高いほど加速されや
すい。よって、イオン流を質量分離しなければ、イオン
は軽イオンほど高速で基板に打ち込まれる。すなわち、
軽イオンほど基板深く打ち込まれてしまう。
【0093】ところが、本実施例の方法をとると、本実
施例では軽イオンに該当するH2 + イオンの基板入射時
の速度と、重イオンに該当するドーパントを含むイオン
の基板入射時の速度とを、同程度もしくは軽イオンの速
度を重イオンのものよりも遅くできた。
【0094】この様な速度コントロールすることによ
り、H2 + イオンとドーパントを含むイオンの基板中で
の深さ方向の分布を似通わせることができる。この結
果、H2 + イオンのもつ運動エネルギーの解放による熱
を、より直接的にドーパントに作用させることができる
ようになった。該熱は、ドーパントを含むイオンの打ち
込みにより形成された格子欠陥の修復と、ドーパントの
活性化に使われた。さらに、該熱と多量の水素が、格子
の不結合手の終端に使われた。
【0095】一般的に言って、ドーピングによるダメー
ジは半導体材料の特性を著しくおとしめるものであるか
ら、何らかの補修を加えなければならない。従来は、熱
を加えたり、光を照射するといったアニール手段で上記
ダメージの回復を図っていた。あるいは、格子欠陥部分
を終端する目的で水素を該ダメージ部分に添加しアニー
ルにより水素を格子欠陥に結合させる手段も効果的であ
った。
【0096】ところで、先に述べた通り、質量分離を行
わずに全てのイオンを垂直に入射させると、重イオンの
入射速度Vαと軽イオンの入射速度Vβには、Vα<<
Vβという関係があるので、比較的軽い水素イオンは半
導体膜深くに分布する(図10(B))のに対し、比較
的重いイオンは該膜の浅い部分に分布する(図10
(A))。
【0097】すなわち、前者の中心深さd2 と後者の中
心深さd1 の間には、d1 <<d2という関係が生じ
る。よって、水素イオンの分布とドーパントによる格子
欠陥の分布にずれが生じ、該水素イオンが該欠陥修復に
効率よく使用されない。
【0098】ところが、本実施例に示した方法でイオン
の質量分離を行い、入射速度を概略等しくすると、該水
素イオンの侵入深さ(図10(D))とドーパントの分
布(図10(C))が近づきあるいは一致し、その結果
著しく上記ダメージの修復効果が向上した。前記修復効
果は、該水素イオンの格子欠陥の終端効果と、該水素イ
オンとドーパントを含むイオンとが膜中で運動エネルギ
ーを失うことにより生じる熱アニール効果である。
【0099】本効果は従来行われてきたドーピング後の
処理(前段に述べたもの)と同程度のものであった。該
効果は、プラズマ中の水素イオンの濃度が高ければ高い
ほど上がるが、スループットを考慮すると該水素イオン
のプラズマ中の濃度は50〜90%が適当であった。
【0100】イオンを照射しながら基板を走査させると
き、本実施例では、最初にH2 + イオンが基板に打ち込
まれてから、PHy + またはB2 x + イオン等のドー
パントを含むイオンが打ち込まれるように、基板走査の
方向を決定した。H2 + イオンは半導体膜を構成する主
な原子と比較して小さくかつ軽いので半導体材料の格子
をあまり壊すことなく、基板に打ち込まれ、該H2 +
オンが失う運動エネルギーにより基板温度が上昇する。
【0101】その後、重いドーパントを含むイオンが打
ち込まれる。このときにできる格子欠陥の修復とドーパ
ントの活性化に上昇した基板温度と水素が使われる。か
くして、ドーピングと同時にアニールおよび水素化をお
こなうことができた。
【0102】〔実施例6〕 本実施例では、実施例5と
全く同様の装置を用い、基板の走査方向のみ変更した。
すなわち、イオンを照射しながら基板を走査させると
き、まず、PHy + またはB2 x + イオン等のドーパ
ントを含むイオンが基板に打ち込まれてから、H2 +
オンが打ち込まれるように、基板を走査した。
【0103】重いドーパントを含むイオンは半導体膜を
構成する主な原子と比較して同程度に重いので、半導体
の特性を著しくおとしめるほどの影響を半導体材料の格
子に与える。その後H2 + イオンが基板に打ち込まれ、
該H2 + イオンが失う運動エネルギーにより基板温度が
上昇する。このときの温度と水素の供給により、格子欠
陥を修復し、ドーパントを活性化させる。
【0104】本実施例は実施例5とほぼ同程度の格子欠
陥修復とドーパントの活性化の効果があった。本実施例
は、水素イオンとドーパントを含むイオンとの基板に打
ち込まれる順序が、本発明の諸効果に影響しないことを
示すものである。
【0105】〔実施例7〕 図9に本実施例で使用する
イオンドーピング装置の概念図を示す。実施例5、6で
述べたドーピング装置と異なる点は、イオン流に磁場を
加えている領域にさらなる電場を与える手段を有してい
る点である。前記手段も実施例1、2の装置と同様に、
該イオン流の質量分離を可能とする。異なる点は、理想
的には全くドーパントを含むイオンの流れを曲げること
なく質量分離ができる点である。本質量分離器はE×B
分離器と呼ばれる。
【0106】ドーパントガスは高周波電源91より高周
波電力の印加されたプラズマ発生電極92、93により
イオン化される。このイオンは引き出し電極94により
引き出される。
【0107】さらに、イオンビームに磁場を加える手段
95および電極96により、イオンは質量分離され、軽
イオン(水素を主成分とするイオン)は大きく偏向す
る。一方、重イオン(ドーパントを含むイオン)の偏向
はわずかである。本実施例の装置では、重イオンの通過
路には抑制電極97、加速電極98を設け、該イオンビ
ームが選択的に加速され、基板に照射される。しかしな
がら、軽イオンに関しては、通路に加速電極が設けられ
ていないので、引き出し電極94により加速されたエネ
ルギーのまま図示しないステージ上の基板99に照射さ
れる。
【0108】本実施例でも、イオンは、滝のようにカー
テン状をなして基板99に照射される。基板全体にまん
べんなくドーパントが行き渡るように、基板を走査させ
ながら、ドーピングを行う。ドーズ量は基板の走査速度
と、イオン電流値で制御する。このときの走査の方向は
ドーパントにより形成される該カーテン面に対して概略
垂直とする。
【0109】本装置が形成するイオンの滝は幅2mであ
る。本装置はリンまたはボロンをドーパントとして、半
導体材料に添加する目的で使用する。上記イオンにはP
y + またはB2 x + イオンの他に多量のH2 + イオ
ンが含まれている。本実施例では濃度5%程度に水素で
希釈した半導体用PH3 もしくはB2 6 ガスを使用し
た。
【0110】このイオン流に垂直かつイオンのカーテン
面を含む方向に磁場を形成することにより、該イオン流
に対して垂直方向の力を該イオン流に加える。これはロ
ーレンツ力と呼ばれるものである。運動方程式 F = q v
B - q E から、イオン流が受ける横向きの力 F がわ
かる。イオン流を曲げないためには Fを0とすればよ
い。
【0111】なお、磁場入射前のイオン流の方向の、磁
場入射後のイオン速度成分v はイオンの質量 Mに依存す
るので、ドーパントを含むイオンの速度v を前述の運動
方程式に代入し、力 Fが0となるように磁場Bと電場E
を調節すればよい。このとき、水素イオンは、ドーパン
トを含むイオンの速度v とは異なる速度を持っているの
で、0でない力 Fを受ける。よって、本装置により、質
量分離ができることが判る。
【0112】H2 + イオンの流れを適当に変えるには、
引き出し電圧を1〜10 k V 程度とし、図9に示した
磁場の方向に0. 1から10テスラ程度、好ましくは
0. 5から2テスラ程度の磁場を加えるとよかった。
【0113】磁場を形成する場所は引出電極94の直後
とする。イオンの運動エネルギーがまだ小さいうちにイ
オンを曲げれば、少ないエネルギーでイオンを大きく曲
げることが可能だからである。引き出し電極94直後で
曲げられたH2 + イオンは抑制電極97、加速電極98
の中を通過することなくステージ上の基板に達する。こ
の様にすると、基板入射時のH2 + イオンの速度を抑え
ることができる。
【0114】基板に達したときのH2 + イオンの入射角
は45゜程度であった。前記角度は、イオンが基板内に
入るのに充分な角度であった。一方、ドーパントを含む
イオン流は上記E×B分離器の影響を殆ど受けることな
く、抑制電極97、加速電極98の中を通過後、基板に
照射された。
【0115】上記のイオン加速方法は実施例5、6で示
した方法と同様の効果をもたらした。本実施例の実施例
5、6に勝る点は、ドーパントを含むイオンがほぼまっ
すぐに基板に到達するため引き出し電極94、抑制電極
97、加速電極98を小さくすることができることであ
る。しかし、E×B分離器は構造がやや複雑であるため
設計保守の面で実施例5、6のほうが優れている。な
お、本実施例は実施例5、6で示したような基板の走査
方向によらず、効果的であった。
【0116】
【発明の効果】本発明によって、大面積の処理が可能な
イオンドーピング装置が得られる。また、アニール工程
・水素化工程を必要としない、もしくは、それらの工程
の処理時間を短縮し、あるいは、処理温度を低減するこ
とも可能となる。本発明によってもたらされる効果は上
述の通りである。このように本発明は工業上、有益なも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のイオンドーピング装置のイオン源・加
速装置の概略を示す図。
【図2】 従来のイオンドーピング装置の構成の概略を
示す図。
【図3】 本発明のイオンドーピング装置の構成の概略
を示す図。
【図4】 実施例1のイオンドーピング装置のイオン源
・加速装置の概略と電極の形状の概略を示す図。
【図5】 実施例2のイオンドーピング装置のイオン源
・加速装置の概略と動作原理等を示す図。
【図6】 実施例3のイオンドーピング装置のイオン源
・加速装置の概略と動作原理等を示す図。
【図7】 実施例4のイオンドーピング装置の構成の概
略を示す図。
【図8】 実施例5および6のイオンドーピング装置の
イオン源・加速装置の概略を示す図。
【図9】 実施例7のイオンドーピング装置のイオン源
・加速装置の概略を示す図。
【図10】 イオンの入射速度と侵入深さの関係を示す
図。
【符号の説明】
1、21 高周波電源 2 マッチングボックス 3、23 プラズマ発生用電極 4、24 プラズマ空間 5 絶縁体 6、26 プラズマ発生用電極 7、27、33 加速電源 8、28 引き出し電源 9、29 抑制電源 10、30 引き出し電極 11、31 抑制電極 12、32 加速電極 13 イオン源・加速装置 14 電源装置 15 ドーピング室 16 被ドーピング材 17 基板ホルダー 18 ガスライン 19 ガスボックス 20 排気装置 34、35 磁場 36 スリット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線状のイオン流を発生し、前記イオン流を
    少なくとも2つのイオン流に分離し、前記分離されたイ
    オン流をそれぞれ異なる電圧で加速して、半導体材料に
    照射するドーピング方法であって、 前記分離されたイオン流の少なくとも2つのイオン流
    を、同じ基板へ異なる角度で入射させることを特徴とす
    るドーピング処理方法。
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JP2011096986A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Tokyo Electron Ltd 成膜装置、成膜方法及び記憶媒体
KR101358252B1 (ko) 2012-06-20 2014-02-06 주식회사 다원시스 플라스마 이온 분리 세정 방법 및 장치
CN103695869A (zh) * 2013-12-20 2014-04-02 上海中电振华晶体技术有限公司 一种石墨烯薄膜的制备方法

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