JP2015170598A - 磁場閉じ込めを利用したプラズマベースの材料改質 - Google Patents

磁場閉じ込めを利用したプラズマベースの材料改質 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ源からの中性化学種の処理室への流入を防止して、信頼性および制御性を改善したプラズマベースの材料改質システムを提供する。【解決手段】プラズマベース材料改質システム200は、ワークピース206を支持する支持構造体208が設けられた処理室204、および、処理室204に接続されたプラズマ源室202より構成される。プラズマ源室202はプラズマ生成領域232を囲む第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214を含み、第3磁石セット214は、10eVより大きいエネルギーを有するプラズマ220中の電子の大部分をプラズマ生成領域内220に閉じ込める一方、プラズマ220から生成されるイオンビーム234を処理室204へ通過させる。【選択図】図2

Description

本発明は、一般には材料改質に関し、より詳細には磁場閉じ込めを利用したプラズマ源を使用するプラズマベースの材料改質に関する。
イオンベースの材料改質は、半導体の製造に使用される重要な処理である。例えば、イオンベースの材料改質は、結晶性の材料を非晶化するため、金属で合金を作るため、材料の層を高密化または混合するため、材料の除去を容易にするため、または材料に不純物を導入するために使用されてもよい。イオンベースの材料改質の間、イオンは加速され、ワークピース(例えば、半導体基板)の表面に衝撃される。上記イオンは、正または負イオンであってよく、これら正または負イオンは、ワークピースの表面で化学的に反応するまたは不活性の化学種または元素を含むものであってよい。それゆえ、当該イオンは、ワークピース表面の物理的、化学的または電気的な性質を改質することができる。
現今、イオンベース材料改質は、ビームラインイオン注入システムを用いて広く行われている。ビームラインイオン注入システムにおいて、イオンビームは、イオン源から引き出され、ワークピースに向かって加速される前に、磁気分析器を通って質量、電荷およびエネルギーにより選別される。しかし、リウヴィルの定理によって示されたように、イオンビームの運搬効率は、イオンエネルギーの減少と共に減少する。それゆえ、低エネルギーでの処理の場合、ビームラインイオン注入システムは低ビーム電流という欠点を持ち、それゆえ、必要な線量を達成するのに長い処理時間を必要とする。さらに、イオンビームの断面はワークピースの面積より非常に小さく、任意の所定の瞬間においては、ワークピースの表面のほんの一部のみが処理される。そのため、イオンビームまたは基板は、ワークピースの表面全体を均一に処理するために、スキャンされなければならない。その結果として、ビームラインイオン注入システムは、高い線量を低エネルギーで注入する処理について、処理能力が低いという欠点を有する。
プラズマベースの材料改質システムは、ビームラインイオン注入システムの代替物である。図1は、一例としてプラズマベースの材料改質システム100を示す。プラズマベースの材料改質システム100は、処理室104に接続されているプラズマ源室102を備える。イオン、中性化学種および電子を含有するプラズマ106は、プラズマ源室102内で生成される。ワークピース118は、処理室104内の支持構造体116によって支持される。この例では、プラズマベースの材料改質システム100は、プラズマ106とワークピース118との間に位置する、1以上のバイアスを印加された格子120を有する。格子120は、プラズマ106からイオンビーム112を引き出して、イオンビーム112をワークピース118に向けて加速させる。しかしながら、他の例では、プラズマベースの材料改質システム100は、格子120を含んでいなくてもよい。代わりに、ワークピース118は、支持構造体116によって、所定の電位でバイアスを印加されてプラズマ106内に挿入されてもよい。それゆえ、イオンは、プラズマ106とワークピース118との間に形成されたプラズマシースを横切って、プラズマ106からワークピース118に向けて加速される。幾つかの場合では、ワークピース118は、プラズマ106からのイオンおよび中性化学種の両方を用いて処理されることもある。現今、最も一般的なプラズマベースの材料改質システムは格子を有していない。
ビームラインイオン注入システムと異なり、プラズマベースの材料改質システムは、質量またはエネルギーによってイオンを選別するために、磁気分析器を利用しない。むしろ、ワークピースは、きわめて近接のプラズマからの直接のイオンを用いて処理される。それゆえ、プラズマベースの材料改質システムは、ビームラインイオン注入システムと比較して、非常に高いイオン電流でワークピースを処理することができる。さらに、プラズマベースの材料改質システムのプラズマ源は、ワークピースの面積より大きい断面積を有することができる。これにより、ワークピースをスキャンすることなく、ワークピースの表面の大部分または全体を同時に処理することができる。よって、プラズマベースの材料改質システムは、低電流で高い線量を注入する処理について、非常に高い処理能力を提供する。
しかしながら、従来のプラズマベースの材料改質システムは、システムの信頼性および処理制御が不十分であるという欠点を有する。処理室にプラズマが近接するため、プラズマからの中性化学種は、処理室に流入し、ワークピースに衝突する。中性化学種は、処理室の壁面およびワークピースの表面上に、エッチング、酸化および薄膜堆積といった望ましくない寄生効果を引き起こす。一般的なプラズマベースの材料改質システムでは、そのような寄生効果は重大であり、処理の頻繁な暴走および生産効率の低下という結果をもたらすことがあった。
例示の一実施形態では、イオンを用いてワークピースを処理するためのプラズマベースの材料改質システムは、プラズマ源室に接続されている処理室を含む。ワークピースを支持するように形成された支持構造体は、処理室内に配置される。プラズマ源室は、プラズマ源室の第1端に配置された端部壁、および、第1端と当該第1端に対向する、プラズマ源室の第2端との間で室内空間を規定する、少なくとも1つの側壁を含む。プラズマ源室は、端部壁上に設けられた第1磁石群、少なくとも1つの側壁上に設けられ、室内空間を囲む第2磁石群、および室内空間を横切って延伸する第3磁石群をさらに含む。端部壁、少なくとも1つの側壁および第3磁石群は、室内空間内にプラズマ生成領域を規定する。プラズマ源室は、プラズマ生成領域内で、イオンを有するプラズマを生成するように構成される。第3磁石群は、10eVより大きいエネルギーを有するプラズマの電子の大部分をプラズマ生成領域内に閉じ込める一方、プラズマからのイオンは、ワークピースの材料改質のために、第3磁石群を通過して処理室に入るように構成される。
プラズマベースの材料改質システムの一例を示す図である。 磁場閉じ込めを利用したプラズマ源を有するプラズマベースの材料改質システムの一例を示す断面図である。 プラズマ源室の一例を示す断面図である。 プラズマ源室の一例を示す斜視図である。 プラズマ源室の一例を示す断面斜視図である。 プラズマ源室の一例を示す斜視図である。 プラズマ源室の一例を示す断面斜視図である。 プラズマベースの材料改質システムの吸収器の一例を示す図である。 様々な運転圧力における、吸収器を有しない例示のプラズマベースの材料改質システムのドリフト領域を流れるイオンの電流密度特性を示す図である。 様々な運転電圧における、例示のプラズマベースの材料改質システムのドリフト領域内で吸収器から出射されるイオンの電流密度特性を示す図である。 磁場閉じ込めを伴うプラズマ源を有するプラズマベースの材料改質システムを用いたプラズマベースの材料改質のための処理の一例を示す図である。
以下の説明は、当業者が種々の実施形態を製造及び使用できるように提示される。特定のシステム、装置、方法、及び応用の説明は、単に例として提供される。ここに記載された上記例に対する種々の変形は、当業者に容易に理解できるものであり、ここに規定した一般的な原理は、種々の実施形態の精神及び目的から逸脱せずに、他の例及び応用に適用してよい。それゆえ、種々の実施形態は、ここに記載し、示した例を限定する意図はなく、特許請求の範囲と調和するものである。
以下に記載の、例示のプラズマベースの材料改質システムにおいて、プラズマ源室は処理室に接続されている。ワークピースを支持するように構成された支持構造体は、処理室内に配置される。このプラズマ源室は、当該プラズマ源室のプラズマ生成領域内において、イオンを有するプラズマを生成するように構成されている。また、プラズマ源室は、プラズマ生成領域を囲み、プラズマ生成領域内にプラズマの高エネルギー電子を閉じ込める磁石を含む。例えば、上記磁石は、プラズマ生成領域内に、10eVより大きいエネルギーを有するプラズマの電子の大多数を閉じ込めてもよい。高エネルギー電子を閉じ込めることにより、上記磁石は、プラズマが安定して生成され、0.1Pa以下の圧力で維持されることを可能とする。運転圧力を低くすることは、プラズマ源室および処理室内において、イオンの濃度に対する中性化学種の濃度が相対的に減少するため好ましい。中性化学種の濃度低下は、ワークピースの表面上における、寄生的なエッチング、酸化および薄膜堆積を少なくさせる。そのため、優れた処理制御、デバイスの損傷低減、デバイスの歩留まり向上といった結果を生む。さらに、中性化学種の濃度低下は、プラズマ源室および処理室の壁面上に生じる薄膜堆積を少なくさせ、粒子汚染を低減し、処理の反復性を向上させる。よって、以下に記載のプラズマベースの材料改質システムおよび処理は、製造コスト低減およびデバイスの歩留まり向上を達成するために、半導体製造に利用されてもよい。
1.磁場閉じ込めを利用した、プラズマ源を有するプラズマベースの材料改質システム
図2は、磁場閉じ込めを利用したプラズマ源を有するプラズマベースの材料改質システム200の一例を示す。図2に示すように、プラズマベースの材料改質システム200は、処理室204に接続されているプラズマ源室202を含む。プラズマ源室202は、プラズマ生成領域232内で、イオンを含有するプラズマ220を生成するように構成されている。支持構造体208は、処理室204内に配置され、ワークピース206を支持するように構成されている。一連の選択的な格子224は、プラズマ源室202と支持構造体208との間に位置し、プラズマ220からイオンビーム234を引き出し、イオンビーム234をワークピース206に向けて加速させる。これによって、ワークピース206に材料改質を生じさせる。
本実施形態では、プラズマ源室202は、プラズマ源室202の一方の端部217に設けられた端部壁216、および、プラズマ源室202の端部壁216と、その反対側の端部222との間のプラズマ源室202の内部空間を規定する、少なくとも1つの側壁218を含む。この実施例では、側壁218は、円柱形であり、円形の断面を有する。しかしながら、他の場合では、側壁218は、矩形の断面を有していてもよい。
図2に示すように、プラズマ源室202は、内径236を有している。内径236は、プラズマ源室202の断面積を規定し、それゆえ、少なくとも部分的に、プラズマ220およびイオンビーム234の断面積を決定する。側壁218へのイオンのドリフトまたは拡散による損失のため、格子224に入射するイオンの電流密度は、イオンビーム234の中心軸から離れていくにしたがって、すなわち、イオンビーム234の中心軸に近い中心領域より室壁に近い外側領域において非常に低下する。そのため、イオンビーム234の中心軸により近く、電流密度がより一定なイオンビーム234の中心領域のみを使用してワークピース206の全面積に注入することが好ましい。本実施例では、プラズマ源室202の内径236は、ワークピース206の直径より大きい。さらに、格子224の引出面積はワークピース206の面積より大きい。そのため、ワークピースの面積より大きい断面積を有するイオンビーム234が生成される。ある実施例では、内径236は45cmより大きくてもよい。別の実施例では、内径236は、45cm〜60cmであってよい。特定の実施例では、内径236は、ワークピース206の直径より50%〜100%大きくてよい。
プラズマ源室202は、端部壁216上に配置された第1磁石セット210、側壁218上に配置された第2磁石セット212、および、プラズマ源室202の内部を横切って延伸する第3磁石セット214を含む。第3磁石セット214の各磁石は、保護チューブ内に収容されていてよい。端部壁216、側壁218および第3磁石セット214は、プラズマ源室202の内部にプラズマ生成領域232を規定する。この実施例では、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、プラズマ生成領域232内にプラズマ220の高エネルギー電子を閉じ込めるように構成されている。高エネルギー電子は、10eVより大きいエネルギーを有する電子として規定されてもよい。特に、第3磁石セット214は、プラズマ生成領域232内の10eVより大きいエネルギーを有するプラズマ220の電子の大多数を閉じ込める一方、ワークピース206に材料改質を生じさせるために、プラズマ220からのイオンが第3磁石セット214から処理室204へ通過することができるように構成されている。
図2に示すように、プラズマベースの材料改質システム200は、選択的に、第3磁石セット214と支持構造体208との間に位置する一連の格子224を含んでもよい。格子224を構成する1以上の格子は、格子224にバイアス電圧を印加するために、1以上のバイアスパワー源248に接続されていてもよい。バイアスパワー源248は、例えば、DCパワー源、パルスDCパワー源、RFパワー源またはそれらの組み合わせであってよい。この実施例では、格子224は、プラズマ220からイオンビーム234を引き出し、ワークピース206に向けて、所望のエネルギーレベルまでイオンビーム234を加速するように構成されている。さらに、格子224は、イオンビーム234を集束し、それゆえイオンビーム234を平行にするように構成されていてもよい。格子224は、プラズマ220から複数のイオンビームレットを引き出し、それゆえ、イオンビーム234は複数のイオンビームレットを備えてもよいことを認識されたい。
格子224が、第3磁石セット214からどの程度の距離に位置しているかは、イオンビーム234を横切る電流密度の均一性、そしてそれゆえに、ワークピース206へのイオンによる処理の均一性に影響を及ぼす。格子224の位置が第3磁石セット214に近すぎる場合、第3磁石セット214の有効イオン遮蔽効果が大きくなり、イオンビーム234を横切る電流密度の均一性を低下させる結果となる。しかしながら、格子224の位置が第3磁石セット214から遠すぎる場合も、ドリフト領域226をイオンが横切る距離が増加することによって、室壁へのイオンのドリフトまたは拡散による損失がより顕著になるために、イオンビーム234を横切る電流密度の均一性を低下させる結果となる。本実施例では、第3磁石セット214によるイオン遮蔽および室壁へのイオンのドリフトまたは拡散による損失の効果の総和を最小化するために、格子224は、第3磁石セット214から最適な距離228離れた位置にある。ある実施例では、距離228は、0.10D〜0.33Dである。ここで、Dはプラズマ源室202の内径236である。別の実施例では、距離228は、0.2D〜0.3Dである。さらに別の実施例では、距離228は、6cm〜18cmである。
図2に示すように、プラズマベースの材料改質システム200は、選択的に、イオンビーム234の電流密度特性を調整するための吸収器250を含んでいてもよい。吸収器250は、プラズマ220から吸収器250へ流れるイオンの一部を吸収し、吸収されなかったイオンが支持構造体208に向かって通過することができるように構成されている。特に、吸収器250は、吸収器250のイオン透過度が吸収器250の領域によって変化するように構成されている。イオン透過度は、吸収器250に入射するイオンのうち、吸収器を通過することができるイオンの割合として規定される。それゆえ、高いイオン透過度を有する吸収器250の領域は、低いイオン透過度を有する吸収器250の領域と比べて、イオンが通過する割合が高くなる。吸収器250は、低いイオン透過度の領域および高いイオン透過度の領域を有するように構成されていてもよい。本実施例では、低いイオン透過度の領域は、ドリフト領域226のより高い電流密度を有する区域に配置され、高いイオン透過度の領域は、ドリフト領域226のより低い電流密度を有する区域に配置されてもよい。それゆえ、吸収器250は、吸収器250から出射されるイオンの電流密度特性が、プラズマ220から吸収器250に流れるイオンの電流密度特性より均一であるように構成されていてもよい。ある実施例では、吸収器250は、吸収器250の中心から外側の端部に向かってイオン透過度が増加するように構成されている。
吸収器250は、幾つかの実施例では、端部壁216に対してほぼ平行、かつ、側壁218と同心状であってもよい。この実施例では、プラズマ220の断面の中央は、プラズマ源室202の中心軸と整列していてもよい。他の実施例では、吸収器250の中心は、プラズマ220の断面の中心およびワークピース206の中心とほぼ整列していてもよい。この実施例では、吸収器250の直径は、プラズマ源室202の内径236以下であってもよい。例えば、吸収器250の直径は、0.3D〜1.0Dであってよい。ここで、Dはプラズマ源室202の内径236である。ある実施例では、吸収器250の直径は、0.5D〜0.8Dであってよい。ここで、Dはプラズマ源室202の内径236である。
吸収器250は、プラズマ220の中心と支持構造体208との間に位置してもよい。プラズマベースの材料改質システム200が格子224を含む場合、吸収器250は、プラズマ220の中心と第3磁石セット214との間または第3磁石セット214と格子224との間に位置してもよい。他の、プラズマベースの材料改質システム200が格子224を有しない場合、吸収器250は、プラズマ220の中心と第3磁石セット214との間または第3磁石セット214と支持構造体208との間に位置してもよい。いくつかの場合、吸収器250は、支持構造体208から5cmより離れて位置してもよい。いくつかの実施例では、プラズマベースの材料改質システム200は、1以上の吸収器を有してもよいことを認識されたい。
1つの実施例では、吸収器250は、グラウンド電位またはバイアス電圧源(不図示)に接続されていてもよい。バイアス電圧源は、例えば、DC、パルスDC、またはRFパワー源であってよい。バイアス電圧源は、イオンを吸収器250に向けて引き寄せる、または吸収器250から引き離すために、吸収器250に電圧を印加するように機能してもよい。別の実施例では、吸収器250は、浮遊電位を有するように構成されてもよい。例えば、吸収器250は、あらゆるパワー源または受電回路から電気的に切り離され、それゆえに吸収器250の電位は、プラズマ220からの帯電により支配的に決定されてもよい。いくつかの場合、吸収器250は2つ以上の領域を備えていてもよく、かつそれら2つ以上の領域が独立して電圧を印加されるように構成してもよい。吸収器250の複数の領域に独立して電圧を印加することは、吸収器250から出射されるイオンの、より均一な電流密度特性を達成する上で有益である。
処理室204内の支持構造体208は、材料改質のためにワークピース206がイオンビーム234の経路内に位置するように構成されている。ワークピース206は、ICチップまたは太陽電池セルを製造するための、半導体基板(例えばシリコンウェハー)であってよい。他の場合、ワークピース206は、フラットパネルディスプレイまたは薄膜の太陽電池セルを製造するための、半導体薄膜層を有するガラス基板であってもよい。支持構造体208は、ワークピース206を、格子224から距離242離れた位置に位置させるように構成されている。ワークピース206が格子224に近すぎる場合、格子224によるイオン遮蔽効果によって、イオンビーム234の電流密度の均一性が低下するかもしれない。ワークピース206が格子224から遠すぎる場合も、イオンの発散または散乱による損失の効果によって、イオンビーム234の電流密度の均一性が低下するかもしれない。1つの実施例では、距離242は10cm〜100cmである。別の実施例では、距離242は30cm〜40cmである。
いくつかの実施形態では、支持構造体208は、ワークピース206を回転させるように構成されていてもよい。プラズマベースの材料改質の最中にワークピース206を回転させることは、ワークピース206へのイオンによる処理の均一性を向上させる上で有益だろう。加えて、支持構造体208は、ワークピース206の垂線を基準としたイオンビーム234の入射角度を制御するために、ワークピース206を傾斜させることができるように構成されていてもよい。支持構造体208は、ワークピース206を回転させるとともに、所定の角度に傾斜させるように構成されてもよいことを認識されたい。
本実施例では、プラズマベースの材料改質システム200は、選択的な格子224を有するものとして示されているが、他の場合、プラズマベースの材料改質システム200は、選択的な格子224を含まなくてもよい。そのような場合、支持構造体208は、ワークピース206にバイアス電圧を印加するように構成されていてもよい。例えば、支持構造体208は、ワークピース206にバイアス電圧を印加するためのバイアスパワー源254に接続されていてもよい。ワークピース206へのバイアス電圧の印加は、プラズマ220からワークピース206へ向かうイオンを加速するように機能し、それによってワークピース206をイオンによって処理する。加えて、支持構造体208は、ワークピース206が、第3磁石セット214によるイオン遮蔽効果および室壁へのイオン損失を最小化するための、第3磁石セット214からの最適な距離に位置するように構成されていてもよい。1つの実施例では、支持構造体208は、ワークピース206を、第3磁石セット214から0.10D〜0.33D離れた場所に位置させるように構成されていてもよい。ここで、Dはプラズマ源室202の内径236である。別の実施例では、支持構造体208は、ワークピース206を、第3磁石セット214から0.25D〜0.30D離れた場所に位置させるように構成されていてもよい。
上述した通り、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、プラズマ220の高エネルギー電子をプラズマ生成領域232内に閉じ込めるように構成されている。プラズマ220の高エネルギー電子を閉じ込めることは、イオン化効率を向上させ、そしてそれゆえにプラズマベースの材料改質システム200の運転圧力を低くすることができるために有益である。運転圧力が低いと、イオンビーム234がバックグラウンドガスに衝突することによる角度の散乱が低減される。その結果、イオンビーム234が有する入射角度の分布がより狭くなる。加えて、運転圧力が低いと、電子温度が高くなる。それによりプラズマ220のイオン化率が向上し、イオンの濃度に対して中性化学種の濃度が相対的に減少する。中性化学種の濃度が減少することで、一般に、プラズマ源室202および処理室204の壁面上への薄膜堆積を減少させ、そしてそれゆえにガス効率を向上させるという結果を生む。室壁から剥離した薄膜堆積物による粒子汚染もまた低減されるため、システムの信頼性、生産性およびデバイスの歩留まりが向上する。さらに、中性化学種の濃度が減少することで、寄生的なエッチング、酸化およびワークピース206への堆積が低減され、それゆえにデバイスの損傷を低減し、デバイスの歩留まりを向上させるという結果を生む。
本実施例では、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、プラズマベースの材料改質システム200が0.1Pa以下の圧力で運転できるように構成されている。特に、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、プラズマ220を0.1Pa以下の圧力で安定して生成し、維持することができるように構成されていてもよい。別の実施例では、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、プラズマ220を0.02Pa以下の圧力で安定して生成し、維持することができるように構成されていてもよい。さらに別の実施例では、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、プラズマ220を0.1Pa以下の圧力で、添加ガス(例えば水素、アルゴン、キセノン)を用いずに、安定して生成し、維持することができるように構成されていてもよい。一般的なプラズマベースの材料改質システムは、典型的には、約1Paの圧力で運転する。0.1Pa以下の圧力では、一般的なプラズマベースの材料改質システムは、安定したプラズマを生成し、維持することができず、それゆえに信頼性のある材料改質が実行できないだろう。「安定したプラズマ」または「安定して生成され、維持されるプラズマ」とは、材料改質処理における平均電流密度の変動が±5%以下、場合によっては±3%以下であると規定する。加えて、「安定したプラズマ」または「安定して生成され、維持されるプラズマ」においては、20AMUを超える原子量または分子量を有するイオンの濃度変動が10%以下である。
図3は、プラズマ源室202の一例を示す断面図である。図3に示すように、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、極性が互い違いになるように配列されている。この配列により、マルチカスプ磁場(磁力線302により示す)が、プラズマ生成領域232を囲むように発生する。マルチカスプ磁場は、高エネルギー電子を端部壁216、側壁218および第3磁石セット214から引き離すことで、プラズマ220の高エネルギー電子の大部分をプラズマ生成領域232内に閉じ込める。より具体的には、マルチカスプ磁場は、プラズマ220の高エネルギー電子を、端部壁216、側壁218および第3磁石セット214で跳ね返すように機能する。ゆえに、ほとんどの高エネルギー電子は、最終的に端部壁216または側壁218で損失となるまでに、プラズマ生成領域232を少なくとも数回、長さ方向および/または径方向に横切ることが可能になる。高エネルギー電子がプラズマ生成領域232内で移動する距離が増大することで、原子または分子がイオン化される確率が向上する。このように、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、プラズマ220でのイオン化率を、一般的なプラズマ源で生成されたプラズマと比較して向上させることができる。ここで、一般的なプラズマ源とは、磁場閉じ込めを利用しないか、または部分的にのみ磁場閉じ込めを利用するプラズマ源である。
図3では、磁力線310は第2磁石セット212と第3磁石セット214との間に描かれている。しかし、磁力線310により示されるような磁場は、極めて限られた場所でのみ現れるだろうということを認識されたい。ここで、限られた場所とは、第3磁石セット214に隣接する、第2磁石セット212の磁石が、第2磁石セット212に隣接する、第3磁石セット214の直線状の磁石と、ほぼ平行である場所である。他の場所では、第2磁石セット212と第3磁石セット214との間の磁力線の形状は、より複雑かつ3次元的だろう。したがって、一般に、端部壁216および側壁218の近くの磁場はラインカスプであるだろう。一方で、第2磁石セット212と第3磁石セット214との間の磁場はより複雑な形状だろう。
第1磁石セット210および第2磁石セット212により発生する磁場の強さは、プラズマ源室202の運転および信頼性に影響し、そしてそれゆえにプラズマベースの材料改質システム200の生産性および材料改質システム200を所有するコストに影響する。端部壁216または側壁218の内面における磁場強度が強すぎる(例えば1kGを超える)場合、プラズマ220の過剰なパワー密度が、カスプ領域304(すなわち磁極面に直接対面する面)において端部壁216または側壁218の内面に入射する。これにより、端部壁216または側壁218の内面への不均一な薄膜堆積という結果が生じ、薄膜堆積物が剥離してワークピース206を汚染する原因となる。加えて、プラズマ220の過剰なパワー密度により、端部壁216および側壁218の材料がスパッタされ、その材料によっても、ワークピース206が汚染されるかもしれない。このため、本実施例では、第1磁石セット210および第2磁石セット212は、端部壁216および側壁218の内面において1kGを超えるような強さの磁場を発生させないように構成されている。サマリウムコバルト、ネオジム鉄またはニッケル鉄ボロンといった磁石は望ましくないことを認識されたい。なぜなら、そのような磁石は、端部壁216および側壁218の内面において1kGを超えるような強さの磁場を発生させやすいからである。1つの実施例では、第1磁石セット210および第2磁石セット212は、端部壁216および側壁218の内面において0.1kG〜1kGの強さの磁場を発生させるように構成されている。別の実施例では、第1磁石セット210および第2磁石セット212は、端部壁216および側壁218の内面において0.3kG〜0.7kGの強さの磁場を発生させるように構成されている。特別な実施例では、第1磁石セット210および第2磁石セット212は、セラミック永久磁石(例えばフェライト磁石)を備え、端部壁216および側壁218の内面において0.1kG〜1kGの強さの磁場を発生させるように構成されている。
図3に示すように、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214が備えるそれぞれの磁石は、幅306を有する。1つの実施例では、幅306は2mm〜15mmである。別の実施例では、幅306は4mm〜8mmである。第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214が備える磁石の間には、等しく間隔308が空いていてもよい。1つの実施例では、隣接する磁石間の間隔308は、2cm〜15cmである。別の実施例では、間隔308は、4cm〜8cmである。
第3磁石セット214は、第1磁石セット210および第2磁石セット212が有する磁場強度と同様の磁場強度を有していてもよい。例えば、第3磁石セット214は、第3磁石セットを被覆する保護チューブの外面における磁場強度が0.2kG〜2kGであるように構成されていてもよい。第3磁石セット214の磁場強度は、少なくとも部分的には第3磁石セット214の幅および間隔によって決定されてもよい。いくつかの場合、第3磁石セット214は、より小さい幅(例えば2mm〜6mm)およびより大きい間隔(例えば7cm〜15cm)を有していてもよい。このような幅および間隔を有することで、第3磁石セット214によるイオン遮蔽が低減される。このような場合、第3磁石セット214は、第1磁石セット210および第2磁石セット212が有する磁場強度より強い磁場強度を有していてもよい。1つの実施例では、第3磁石セット214は、幅が4mm〜6mm、間隔が7cm〜15cmであるように構成されるとともに、第3磁石セットを被覆する保護チューブの外面における磁場強度が1kG〜2kGであるように構成されていてもよい。
本実施例では、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は永久磁石で構成されていてもよい。しかし、他の場合には、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214のうち、任意の1つまたは全てが電磁石で構成されていてもよいことを認識されたい。この電磁石は、上で図3を参照して説明したものと同様または同一のマルチカスプ磁場を発生させるように構成されている。この電磁石は、強磁性の構造物を含んでいてもよい。それにより、電磁石は、図3に示した第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214と同様の、有効な磁極面を有することができる。1つの実施例では、第1磁石セット210および第2磁石セット212は、端部壁216および側壁218の内面における磁場強度が0.1kG〜1kGであるような磁場を発生させるように構成された電磁石で構成されていてもよい。第3磁石セット214は、第3磁石セットを被覆する保護チューブの外面における磁場強度が0.2kG〜3kGであるような磁場を発生させるように構成された電磁石で構成されていてもよい。
図4Aおよび4Bはそれぞれ、プラズマ源室202の斜視図および断面斜視図である。本実施形態では、図4Aおよび4Bに示すように、第1磁石セット210および第2磁石セット212は円形の構造を有する。一方で、第3磁石セット214は直線状の構造を有する。図4Aに示すように、第1磁石セット210は、端部壁216に沿って分布する同心状の永久磁石の輪を備える。第2磁石セット212は、側壁218の周りに環状に延伸する永久磁石の列を備える。図4Bに示すように、第3磁石セット214は、プラズマ源室202の室内を横切って延伸し、プラズマ源室202の断面にほぼ一様に分布する直線状の磁石を備える。第3磁石セット214が備える直線状の磁石は、端部壁216にほぼ平行な面に対して整列していてもよい。加えて、第3磁石セット214が備える直線状の磁石は、第1磁石セット210および第2磁石セット212が備える磁石に対して整列していてもよいし、していなくてもよい。上述したように、第3磁石セット214が備えるそれぞれの磁石は、プラズマ220に直接曝されることによる損傷を軽減するため、保護チューブで被覆されていてもよい。加えて、プラズマ源室202は、冷却用の流体(例えば水、エチレングリコールなど)が流れるように構成されていてもよい。この場合、冷却用の流体は、それぞれの磁石と保護チューブの内面との間に設けられた流路を流れ、第3磁石セット214を低温に保つ。
本実施例では、上で図3を参照して説明したように、第3磁石セット214が備える直線状の磁石は、それぞれの直線状の磁石の磁極面における磁場の方向が端部壁216にほぼ垂直になるように、極性が互い違いに構成されている。しかし、他の実施例では、第3磁石セット214が備える直線状の磁石は、それぞれの直線状の磁石の磁極面における磁場の方向が端部壁216にほぼ平行になるように、極性が互い違いに構成されていてもよい。
本実施例では、第1磁石セット210および第2磁石セット212は、それぞれ円形の構造を有する。一方で、第3磁石セット214は、直線状の構造を有する。しかし、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、それぞれ他方の構造を有してもよいことを認識されたい。例えば、いくつかの場合では、第1磁石セット210および/または第2磁石セット212が直線状の構造を有していてもよい。加えて、第3磁石セット214が円形の構造を有していてもよい。
図5Aおよび5Bはそれぞれ、第1磁石セット、第2磁石セットおよび第3磁石セットが他方の構造を有するプラズマ源室500の斜視図および断面斜視図である。図5Aおよび5Bに示すように、第1磁石セット502および第2磁石セット504は、直線上の構造を有する。一方で、第3磁石セット506は、円形の構造を有する。図5Aに示すように、第1磁石セット502および第2磁石セット504は、極性が互い違いになるように配列され、端部壁508および側壁510にそれぞれ沿うように分布する複数の直線状の磁石を備える。第2磁石セット504が備える直線状の磁石は、プラズマ源室500の長さ512に平行に配置されてもよい。図5Bに示すように、第3磁石セット506は、極性が互い違いになるように配列された、同心状の永久磁石の輪を備える。図3に示した第3磁石セット214と同様、第3磁石セット506が備えるそれぞれの磁石による磁極面の方向は、端部壁216に平行又は垂直であってよい。加えて、第1磁石セット502および第2磁石セット504は、端部壁および側壁の内面における磁場強度が、上で図3を参照して説明した第1磁石セット210および第2磁石セット212と同様または同一であるように構成されてもよい。第3磁石セット506は、第3磁石セット506を被覆する保護チューブの外面における磁場強度が、上で図3を参照して説明した第3磁石セット214と同様または同一であるように構成されてもよい。
図6は、図2に示したプラズマベースの材料改質システムにおいて、イオンビーム234の電流密度特性を調整するために用いることができる吸収器250の一例を示す正面図である。図6に示すように、吸収器250は、イオン吸収材のパターンを備える。間隙606は、イオン吸収材の間に設けられている。イオン吸収材は、導電体材料、例えば金属であってよい。いくつかの場合では、吸収器250は、不純物がスパッタされ、ワークピース206が汚染されることを防ぐために、外側被覆(例えば半導体材料)を含んでもよい。
本実施例では、イオン吸収材のパターンは、直線状の棒604に取り付けられた、同心状の輪602を備える。直線状の棒604は、吸収器250の中心に対して対称に配列されている。直線状の棒604のうち2本は、吸収器250の中央の輪の中で交差するパターンを形成している。同心状の輪602および直線状の棒604は、同心状の輪602および直線状の棒604に入射するイオンを吸収するように構成されている。一方で、同心状の輪602と直線状の棒604との間の間隙606は、イオンが通過できるように構成されている。イオン透過度を向上または低減させるために、吸収器250が含む同心状のリング602または直線状の棒604を削減または追加してもよいことを認識されたい。
図6に示すように、隣接する輪602の間隔および当該間隔に伴う間隙606の大きさは、吸収器250の中心から離れるにしたがって大きくなる。これにより、吸収器250のイオン透過度は、吸収器250の中央から端部へ向かうにつれて高くなる。つまり、吸収器250の中心に近い領域ほど、吸収器250の中心から離れた領域より低いイオン透過度を有する。図2に示すように、吸収器250は、プラズマ220から流れるイオンの電流密度特性の不均一さを補正するように機能してもよい。室壁へのイオン損失により、プラズマ220から流れるイオンは、プラズマ源室202の中心軸に近い中心領域において、プラズマ源室202の中心軸からより離れた、室壁により近い外側領域より高い電流密度を有することがある。吸収器250はそれゆえに、より均一な電流密度特性を達成するために、中心領域における電流密度を外側領域に対して相対的に減少させるために用いてもよい。これにより、吸収器250から出射されるイオンの電流密度特性は、プラズマ220から吸収器250へと流れるイオンの電流密度特性より均一となるだろう。
図7Aは、吸収器を有しないプラズマベースの材料改質システムの一例について、様々な運転圧力における、ドリフト領域を流れるイオンの電流密度特性702を示したものである。図7Bは、プラズマベースの材料改質システムの一例について、様々な運転圧力における、吸収器から出射されてドリフト領域を流れるイオンの電流密度特性704を示したものである。吸収器を用いない場合、電流密度特性702(図7A)は、不均一である。ドリフト領域の断面の中央におけるイオンの電流密度は、ドリフト領域の断面の端部におけるイオンの電流密度と比較して大きい。しかし、吸収器を用いる場合、電流密度特性704(図7B)は、より均一である。ドリフト領域の断面の中央における、吸収器から出射されるイオンの電流密度は、ドリフト領域の断面の端部における、吸収器から出射されるイオンの電流密度に匹敵する。よって、プラズマベースの材料改質システムにおいて、吸収器を用いることは、ワークピースを処理するイオンの、より均一な電流密度特性を達成する上で有益である。
吸収器250は、電流密度特性を多様な方法で調整するために、別の構成を有してもよいことを認識されたい。一般に、吸収器250は、吸収器250のある領域におけるイオン透過度が、吸収器250の別の領域におけるイオン透過度と異なるように構成されてもよい。ある領域におけるイオン透過度は、少なくとも一部が、当該領域に占めるイオン吸収材の面積に対する、間隙の面積の比率によって決定される。この比率が高い吸収器250の領域は、ゆえにこの比率が低い吸収器250の領域よりイオンがよく透過する。例えば、吸収器250のある領域におけるイオン透過度は、当該領域における間隙606の大きさおよび密度の増大に伴って向上する。
格子224とは異なり、吸収器250においてイオン吸収材のパターンが占める総面積に対する、間隙が占める総面積の比率は、2:1より大きい。この比率が2:1より小さいことは望ましくない。なぜなら、吸収器250がプラズマ220から流れるイオンを吸収する量が過大になり、ゆえにワークピース206におけるイオン電流密度が低下するためである。1つの実施例では、吸収器250においてイオン吸収材のパターンが占める総面積に対する、間隙が占める総面積の比率は、2:1〜20:1であってよい。別の実施例では、この比率は5:1〜15:1であってよい。
吸収器250は、プラズマベースの材料改質システム200と関連付けて説明されている。しかし、吸収器250は、任意のプラズマベースの材料改質システムにおいて、電流密度特性を調整するために用いられてもよいことを認識されたい。例えば、吸収器250は、磁場閉じ込めを利用しないプラズマ源を有する、一般的なプラズマベースの材料改質システムにおいて使用されてもよい。
本実施例では、図2に戻って、格子224は、5つの格子により構成される。格子224を構成するそれぞれの格子は、他のそれぞれの格子に対して平行に配置される。この実施例では、格子224は、端部壁216に対して実質的に平行に配置される。しかし、他の場合では、格子224は、端部壁216に対して所定の角度傾斜していてもよい。格子224は、プラズマ源室202と処理室204との間の領域の、内側断面を占めていてもよい。この実施例では、格子224の直径は、プラズマ源室202の内径236とほぼ等しい。しかし、別の場合では、格子224の直径は、プラズマ源室202の内径236と異なっていてもよい。例えば、プラズマ源室202と処理室204との間の領域における内側断面積は、プラズマ源室202の内側断面積より大きくてもよい。そのような実施例では、格子224の直径は、内径236より大きい。プラズマ源室202と処理室204との間の領域において、より大きい内側断面積を有することは、側壁へのイオン損失を低減し、それにより格子224から出射されるイオンビーム234の電子密度特性をより均一にする上で有益である。
格子224を構成するそれぞれの格子は、イオンを通過させる開口のアレイを含む。それぞれの格子が有する開口は、他の格子が有する開口と整列している。イオンビーム234は、格子224の整列した開口を、直径が小さい複数のビーム(すなわちビームレット)の形で通過する。いくつかの場合には、ビームレットは、格子224から出射された後に発散し、ワークピース206に入射する前に合流して、単一かつ均一なイオンビームを形成する。格子224から出射されるイオンビーム234の特性は、少なくとも部分的には、格子224を構成するそれぞれの格子から出射されるビームレットの特性によって決定される。それぞれの格子から出射されるビームレットの特性は、少なくとも部分的には、それぞれの格子が有する開口の大きさおよび整列の度合い、それぞれの格子の間隔及び厚さ、並びにそれぞれの格子に印加されるバイアス電圧によって決定される。これらの変動要因のそれぞれは、イオンビーム234が望ましい特性を達成するために調整されてもよいことを認識されたい。本実施例では、それぞれの格子が有する開口の直径は1mm〜10mm、隣接する格子間の間隔は2mm〜10mm、そしてそれぞれの格子の厚さは1mm〜10mmである。
本実施例では、格子224は5つの格子を含んでいる。しかし、他の実施例では、望ましいイオンビーム電流、エネルギー及び特性を達成するために、格子224に含まれる格子の数は5つより多くても少なくてもよいことを認識されたい。例えば、格子224は2つ〜6つの格子を含んでいてもよい。いくつかの実施例では、格子224は3つまたは4つの格子を含んでいてもよい。4つまたは5つの格子を有することは、3以下の格子を有する場合と比較して、イオンビーム234の特性を集束および調整する上での自由度が高まるため、有益である。
図2に関連して上述したように、プラズマ源室202は、プラズマ生成領域232内で、イオンを有するプラズマ220を生成するように構成されている。プラズマ220は、処理用ガスをプラズマ源室202に供給し、パワー(例えば電力またはAC電力)をパワー源(例えば電力源またはAC電力源)からプラズマ源室202へ導入することで、処理用ガスをイオン化および解離させることによって生成されてもよい。処理用ガスは、ワークピース206の物理的、化学的または電気的な性質を改質する1つ以上の成分を含有する。この実施例では、プラズマ源室202は、処理用ガスをプラズマ源室202に供給するために、ガス源244に接続されている。パワー源246は、インピーダンス整合ネットワーク(不図示)を通じて、1つ以上のアンテナ230に接続されている。1つ以上のアンテナ230を介して、LF、RFまたはVHFパワーがプラズマ源室202に導入される。導入されたLF、RFまたはVHFパワーは、プラズマ生成領域232内の電子にエネルギーを与え、処理用ガスに順にイオン化および解離を引き起こす。これにより、プラズマ生成領域232にプラズマ220が形成される。アンテナ230は、プラズマ源室202内に設けられ、プラズマ220を、添加ガス(例えば水素、アルゴンなど)を用いることなく0.1Pa以下で、安定的に生成および維持されるように構成されている。
本実施例では、プラズマ源室202は、プラズマ220を形成するために、アンテナ230を通じてLF、RFまたはVHFパワーを供給するように構成されている。しかし、プラズマ源室202にパワーを供給するために、別の構成も可能であることを認識されたい。例えば、アンテナ230の代わりに、プラズマ源室202の外側を囲む誘導コイルが設けられていてもよい。そのような実施例では、パワー源246は、プラズマ源室202にパワー(例えば電力またはAC電力)を供給するために、誘導コイルに接続されていてもよい。別の実施例では、プラズマ源室202は、プラズマ220を形成するために、UHFまたはマイクロ波パワーを供給するように構成されていてもよい。さらに別の実施例では、プラズマ源室202は、プラズマ220を形成するために、プラズマ生成領域232内において高エネルギーの熱電子を生成するように構成されていてもよい。例えば、高エネルギーの熱電子を生成するために、プラズマ生成領域232内でタングステンフィラメントを熱してもよい。
処理室204は、スロットルバルブ238を介して、高速真空ポンプ240に接続されていてもよい。例えば、高速真空ポンプ240は、少なくとも毎秒数百リットルの排気速度で排気するように構成されていてもよい。スロットルバルブ238および高速真空ポンプ240は、プラズマ源室202および処理室204の運転圧力を、0.1Pa以下(いくつかの実施例では0.02Pa以下)に維持するように構成されていてもよい。加えて、プラズマベースの材料改質システムは、1つ以上のクライオパネルが処理室内に設けられていてもよい。1つ以上のクライオパネルは、残留ガスまたは有機物の気体を取り込んで、運転圧力の超低圧化を達成するように作用するかもしれない。1つの実施例では、1つ以上のクライオパネルは、プラズマ源室202および処理室204の圧力を、0.02Pa以下に維持するように構成されていてもよい。
加えて、電子源252が、処理室204に接続されていてもよい。電子源252は、イオンビーム234による空間電荷を中和するために、格子224とワークピース206との間に低エネルギー電子を供給する。1つの実施例では、電子源252は、低エネルギー電子を生成するプラズマ源である。別の実施例では、電子源252は、エレクトロフラッドガンであってもよい。イオンビーム234による空間電荷を中和することは、空間電荷効果によるイオンビーム234の拡散を低減する上で望ましい。加えて、電子源252は、ワークピース206における、過大な、局所的な帯電(例えば10Vを超えるもの)を防止するように作用するかもしれない。過大な、局所的な帯電は、ワークピース206上のデバイスに、閾値電圧の変動またはゲート絶縁体の損傷といった、望ましくない損傷を与える。
2.プラズマベースの材料改質処理
図8は、一例としての、プラズマベースの材料改質の処理800を示す図である。処理800は、磁場閉じ込めを利用したプラズマ源を有するプラズマベースの材料改質システムにおいて実行されてもよい。本実施例では、処理800は、図2に示すプラズマベースの材料改質システム200において実行される。しかし、処理800は、他のプラズマベースの材料改質システムにおいて実行されてもよいことを認識されたい。処理800について、図2および図8を同時に参照して以下に説明する。
処理800は、プラズマ源室202、ドリフト領域226および処理室204が0.1Pa以下または0.02Pa以下の圧力に調節されているような、低圧で実行されてもよい。この圧力は、スロットルバルブ238および高速真空ポンプ240を制御して調節してもよい。上述したように、システムの高い信頼性、優れた処理制御およびデバイスの歩留まり向上を達成する上で、運転圧力が低いことが望ましい。
処理800のブロック802においては、ワークピース206が支持構造体208上に配置される。1つの実施例では、ワークピース206は、少なくとも一部に半導体デバイスが形成されている半導体基板(例えばシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素など)であってよい。別の実施例では、ワークピース206は、少なくとも一部に半導体薄膜が形成されているガラス基板であってよい。
処理800のブロック804においては、プラズマ源室202のプラズマ生成領域232内で、プラズマ220を生成する。プラズマ220は、イオン、中性化学種および電子を含有する。1つの実施例では、プラズマ220に含まれる電子のうち、10eVより高いエネルギーを有する電子の割合は、磁場閉じ込めを利用しないか、または部分的にのみ磁場閉じ込めを利用するプラズマ源で生成されたプラズマより大きいだろう。プラズマ220は、処理用ガスをガス源244からプラズマ源室202へ供給し、パワーをパワー源からプラズマ源室へ供給し、処理用ガスをイオン化および解離させることで生成されてもよい。プラズマ220を生成するために、プラズマ源室202に複数の処理用ガスが供給されてもよいことを認識されたい。
処理用ガスは、ワークピース206の物理的、化学的または電気的な性質を改質する1つ以上の成分を含む、任意の前駆物質のガスであってよい。例えば、処理用ガスは、ホウ素、リンまたはヒ素を含むガス(例えばアルシン、ホスフィン、ジボラン、ヒ素またはリンの蒸気、三フッ化ホウ素等)であってよい。このような処理用ガスによって、ワークピース206に、電荷のキャリア(例えば正孔または電子)が導入される。さらに、処理用ガスは、ヘリウムのような不活性ガスまたは水素のような添加ガスを含んでいてもよい。いくつかの実施例では、処理用ガスは、ワークピース206の表面の、内在応力あるいは他の機械的または化学的な性質を改質するため、炭素、窒素、希ガスまたはハロゲンのような成分を含んでいてもよい。このような処理用ガスは、ワークピース206上のデバイスが有する層状構造の、層間の仕事関数を改質することにも用いることができる。他の実施例では、処理用ガスは、ワークピース206上のデバイスが有する層状構造の、層間のショットキー障壁の高さを改質するために、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、カルコゲンまたはランタノイドといった成分を含有してもよい。
処理用ガスは、パワー源246(例えば電力源またはAC電力源)から、アンテナ230を介して、プラズマ源室202にパワーを供給することによりイオン化または解離されてもよい。本実施例では、LF、RFまたはVHFパワーが、パワー源246からアンテナ230を介してプラズマ源室202に供給されることで、プラズマ生成領域232内に高エネルギー電子が生成される。高エネルギー電子は処理用ガスをイオン化および解離させ、プラズマ220を形成させる。1つの実施例では、パワー源246は、プラズマ源室202内の処理用ガスをイオン化および解離させるために、200W〜10kWのRFパワーを、100kHz〜100MHzの周波数で、アンテナ230を介して供給してもよい。処理用ガスをイオン化および解離させるために、他の形態のパワーが供給されてもよいことを認識されたい。例えば、上述したように、LF、RFまたはVHFパワーの代わりにUHFまたはマイクロ波パワーが供給されてもよい。別の実施例では、処理用ガスをイオン化および解離させるために、プラズマ生成領域232内で、加熱されたフィラメントを用いてもよい。
一つの実施例では、プラズマ220は、圧力が0.1Pa以下であるプラズマ源室202で生成されてもよい。別の実施例では、プラズマ220は、圧力が0.02Pa以下で生成されてもよい。より低い圧力でプラズマ220を生成することは、プラズマ220内の電子の平均エネルギー(例えば電子温度)を増大させるため、有益である。電子の平均エネルギーの増大は、ある範囲内のエネルギーにおいては、プラズマ220内での電子1個当たりのイオン化率を指数関数的に増大させる。イオン化率がより高まることで、プラズマ220内において、イオンがより高濃度になり、中性化学種がより低濃度になるという結果を生む。例えば、同じパワー密度で生成されたプラズマ220内において、イオンに対する中性化学種の比率は、0.1Paで生成されたプラズマ220の方が、1Paで生成されたプラズマ220と比較して、少なくとも一桁小さかった。プラズマ220中の中性化学種の濃度が低下することは、ワークピース206への中性化学種の流束を低下させるため、有益である。さらに、イオン化率が増大することで、イオンビーム234の生成およびワークピース206の処理に必要な処理用ガスが少なくなるため、処理800のガス効率を向上させることができる。
プラズマ220は、プラズマ源室202内のプラズマ生成領域232において生成される。プラズマ生成領域232には、10eVより高いエネルギーを有する電子の大半が、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214により閉じ込められる。図3に関連して上述したように、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214は、プラズマ生成領域232を囲むマルチカスプ磁場を発生させる。マルチカスプ磁場は、高エネルギー電子を端部壁216、側壁218および第3磁石セット214から引き離す。それにより、端部壁216および側壁218から5cmより大きく離隔したプラズマ生成領域232において、プラズマ220を生成する効率が向上する。プラズマ220内の高エネルギー電子を閉じ込めることで、プラズマ220は、0.1Pa以下または0.02Pa以下で安定して生成および維持されるだろう。第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214が存在しない場合、プラズマ220は、0.1Pa以下では不安定になるか、または維持できなくなるだろう。そして、それゆえにプラズマ220は、大量生産のための材料改質を実行するには適さないだろう。
プラズマ220は、ワークピース206の面積より遥かに大きい断面積を有するプラズマ源室202内で生成されてもよい。1つの実施例では、プラズマ源室202の内径236は、45cmより大きくてよい。別の実施例では、内径236は、ワークピース206の直径より50%〜100%大きくてよい。前述したように、内径236が大きいことで、ワークピース206を、電流密度特性がより均一な、イオンビーム234の中心領域だけで処理することができるようになるため、有益である。
処理800のブロック806では、ワークピース206をイオンで処理するため、プラズマ220からワークピース206へ向けてイオンが加速される。1つの実施例では、ブロック806は、イオンをプラズマ220からワークピース206へ加速するために、1つ以上のバイアス電圧を、格子224を構成する格子のうち1つ以上に印加することによって実行されてもよい。1つ以上のバイアス電圧は、DC、パルスDC、RFバイアス電圧またはそれらの組み合わせであってよい。そのような実施例では、プラズマベースの材料改質システム200は、第3磁石セット214と支持構造体208との間に設けられる格子224を含む。上述したように、格子224は、ワークピース206を処理する電流密度特性をより均一にするために、第3磁石セット214から最適な距離228離れた位置にある。1つの実施例では、距離228は、0.10D〜0.33Dである。ここで、Dはプラズマ源室202の内径236である。別の実施例では、距離228は、0.2D〜0.30Dである。さらに別の実施例では、距離228は、6cm〜18cmである。
上記した1つ以上のバイアス電圧は、1つ以上のバイアスパワー源248を用いて、格子224を構成する1つ以上の格子に印加されてもよい。バイアスパワー源248は、DCパワー源、パルスDCパワー源またはRFパワー源であってよい。1つ以上のバイアス電圧を、格子224を構成する格子のうち1つ以上に印加することによって、プラズマ220からイオンビーム234を引き出し、イオンビーム234を、格子224を通過してワークピース206へ加速する。加えて、格子224は、イオンビーム234を集束または平行にしてもよい。例えば、イオンビーム234は、格子224を通り抜ける複数のビームレットから構成されていてもよい。1つ以上のバイアス電圧を格子224に印加することによって、イオンビーム234を構成するビームレットは、集束され、平行になるだろう。
本実施例では、格子224は5つの格子を含む。便宜上、プラズマ源室202に最も近い格子を「第1格子」、処理室204に最も近い格子を「第5格子」として、連続した順番で参照する。1つの実施例では、第1格子は、引出格子として機能してもよく、プラズマ源室202の端部壁216および側壁218に対する電位がほぼ±100Vになるようにバイアス電圧を印加される。第2格子は、加速格子であってよい。第2格子は、プラズマ220からイオンビーム234を引き出すため、第1格子に対して最大で−20kVの負の引出電圧が印加される。第2格子に印加された、第1格子に対する引出電圧は、ほぼチャイルド・ラングミュア則に従わなければならないことを認められたい。チャイルド・ラングミュア則によれば、引き出された電流密度は、格子間の電位差および距離の関数で決定される。第5格子は、ほぼグラウンド電位であってよい。一方、第4格子は、電子をプラズマ源室202に向けて逆加速するために、第5格子に対して負であるような電圧(例えば−200V〜0V)が印加されていてもよい。第3格子および第4格子に印加されるバイアス電圧は、イオンビーム234の望ましいエネルギー及び特性を達成するように選択されてよい。
イオンビーム234を引き出し、加速し、集束させるために、任意の数の格子を用いてよいことを認識されたい。加えて、4つ以上の格子を用いることで、イオンビーム234の望ましいエネルギー及び特性を達成する上で、高い自由度が得られることを認められたい。
いくつかの実施例では、処理800は、格子224を有しないプラズマベースの材料改質システムにおいて実行されてもよい。そのような実施例では、ブロック806は、イオンをプラズマ220からワークピース206へ向けて加速するために、バイアス電圧をワークピース206に印加することで実行されてもよい。バイアス電圧は、支持構造体208を介して、バイアスパワー源254を用いてワークピース206へ印加されてもよい。バイアスパワー源254は、例えば、DCパワー源、パルスDCパワー源またはRFパワー源であってよい。ワークピース206へバイアス電圧を印加することで、イオンがプラズマ220からワークピース206へ向けて加速される。プラズマ220とワークピース206との間にプラズマシースが形成されるだろう。プラズマ220からのイオンは、ワークピース206へ向けてプラズマシースを横切りながら加速される。さらに、低い運転圧力では、プラズマシースで荷電交換が起こりにくく、ゆえにワークピース206に到達するイオンのエネルギー分布はより狭くなる。
ワークピース206全体における、イオンによる均一な処理を達成するために、ワークピース206は、支持構造体208によって、第3磁石セット214から最適な距離離れて配置されてよい。ワークピース206を、第3磁石セット214から近すぎる位置に配置すると、第3磁石セットのイオン遮蔽により、イオンの電流密度は均一にならない。しかし、ワークピース206を、第3磁石セット214から遠すぎる位置に配置すると、側壁へのイオン損失により、イオンの電流密度はやはり均一にならない。1つの実施例では、ワークピース206は、支持構造体208によって、第3磁石セット214から0.10D〜0.33D離れて配置されてよい。ここで、Dはプラズマ源室202の内径236である。別の実施例では、ワークピース206は、支持構造体208によって、第3磁石セット214から0.2D〜0.3D離れて配置されてよい。
上述したように、プラズマ220内の高エネルギー電子は、第1磁石セット210、第2磁石セット212および第3磁石セット214により閉じ込められている。それにより運転圧力をより低圧にでき、ゆえにワークピース206に到達する中性化学種の濃度をより小さくすることができる。ワークピース206に到達する中性化学種の濃度をより小さくすることで、ワークピース206の表面における寄生的なエッチング、酸化または堆積が低減され、ゆえにデバイス歩留まりがより向上する。1つの実施例では、処理800が運転圧力0.1Pa以下で実行された場合において、イオンを1E14cm−2〜1E17cm−2注入したときの、ワークピース206の表面における寄生的な堆積またはエッチングは2nm以下だろう。別の実施例では、処理800を用いてイオンを1E14cm−2〜1E17cm−2注入した場合のイオンの均一性が、1%未満(平均からのワンシグマ変動)を達成するだろう。
いくつかの場合では、処理800は、吸収器250を有するプラズマベースの材料改質システム200で実行されてもよい。そのような場合、吸収器250は、プラズマ220から支持構造体208へ向けて流れるイオンと相互作用し、その一部を吸収するだろう。上述したように、吸収器250の1つの領域は、吸収器250の別の領域とは異なるイオン透過度を有してもよい。本実施例では、吸収器250のイオン透過度は、吸収器250の中央から端部へ向かうにつれて増大する。このため、吸収器250から出射されるイオンは、プラズマ220から吸収器250へ向けて流れるイオンとは異なる電流密度特性を有するだろう。特に、吸収器250から出射されるイオンは、プラズマ220から吸収器250へ向けて流れるイオンより均一な電流密度特性を有するだろう。
吸収器250は、プラズマ220の中心と支持構造体208との間に位置してもよい。プラズマベースの材料改質システム200が格子224を有する場合、吸収器250は、プラズマ220の中心と第3磁石セット214との間、または第3磁石セット214と格子224との間に位置してもよい。他の、プラズマベースの材料改質システム200が格子224を有しない場合、吸収器250は、プラズマ220の中心と第3磁石セット214との間、または第3磁石セット214と支持構造体208との間に位置してもよい。いくつかの場合では、吸収器250は、支持構造体208から5cmより離れて位置してもよい。
格子224と異なり、吸収器250は、プラズマ源室202からのプラズマに囲まれていてもよい。吸収器250が第3磁石セット214と支持構造体208との間に位置する場合、プラズマ源室202からのプラズマは、ドリフト領域226を満たす。そしてそれゆえに、吸収器250は、プラズマ源室202からのプラズマの、イオンおよび電子の両方に囲まれる。対照的に、イオンビーム234を引き出し、加速し、集束させるために、格子224にバイアス電圧が印加されている場合、隣接した格子間の領域には電子が存在しなくなる。
さらに、処理800は、バイアス電圧源を用いて、吸収器250へバイアス電位を印加する工程を含んでいてもよい。1つの実施例では、吸収器250には、DCまたはRFの、吸収器250近傍の局所プラズマ電位または局所浮遊電位とは異なる電位が印加されていてもよい。そのような例の1つでは、吸収器250は、イオンを引き寄せる上で適切な電位を印加されてよい。これにより、吸収器250がイオンを吸収する割合が向上し、そしてそれゆえに、吸収器250を通過することで電流密度特性が調整される度合いが向上するだろう。そのような別の例では、吸収器250は、イオンを引き離す上で適切な電位を印加されてよい。これにより、吸収器250がイオンを吸収する割合が低下し、そしてそれゆえに、吸収器250を通過することで電流密度特性が調整される度合いが低下するだろう。加えて、吸収器250に激突するイオンのエネルギーが減少するため、吸収器250から不純物がスパッタされ、ワークピース206を汚染することを防止する上で有益である。さらに別の例では、吸収器250は、あらゆるパワー源または受電回路から電気的に切り離され、浮遊電位を有していてもよい。その場合、吸収器250は、イオンによる電流と電子による電流とを等しく吸収できる。
いくつかの場合では、吸収器250は、独立してバイアスを印加可能な1以上の領域を備えていてもよい。そのような場合、処理800は、1以上のバイアス電圧を、吸収器250が備える1以上の領域に印加する工程を含んでいてもよい。それぞれの領域は、ワークピース206を処理するイオンの電流密度を均一に制御するため、動的にバイアスを印加される。吸収器250は、望ましい電流密度特性を達成するために、処理800の最中に、任意の時間にバイアス電圧を印加されてよいことを認識されたい。
吸収器250にバイアス電圧を印加することによっては、吸収器250を通過するイオンのエネルギーは実質的に変化しないということを認識されたい。これは、吸収器250の両側を囲むプラズマが存在することによる。このため、吸収器250から出射されるイオンが持つエネルギーの平均は、プラズマ220から吸収器250へ流れるイオンが有するエネルギーの平均とほぼ等しい。これは、格子224とは対照的である。格子224ではイオンが加速されるため、格子224を通過することで、イオンが持つエネルギーは顕著に変化する。
さらに、吸収器250は、様々な他のプラズマベースの処理システムにおいて、ワークピースを処理するイオンの、電流密度特性の均一性を向上させるために用いられてもよいことを認識されたい。例えば、吸収器250は、一般的なプラズマベースの材料改質システム、プラズマエッチング、スパッタシステムまたはプラズマ強化化学蒸着に用いられてよい。したがって、処理800は、吸収器250を有する様々な他のプラズマベースの処理システムにおいて、上述したやり方で実行することができる。
処理800は、ワークピース206全体における、イオンによる処理の均一性を向上させるために、支持構造体208を用いてワークピース206を傾斜および/または回転させる工程を含んでいてもよい。ワークピース206を傾斜させることで、イオンビーム234を、ワークピース206の垂線を基準とした所定の角度でワークピース206に衝突させることができる。一方、ワークピース206を回転させることで、方位角が変化し、ワークピース206上の3次元構造のあらゆる面について、イオンで処理することができる。さらに、処理800は、イオンビーム234による空間電荷を中和するために、電子源252を用いて低エネルギー電子を格子224とワークピース206との間に導入する工程を含んでいてもよい。イオンビーム234による空間電荷を中和することは、空間電荷効果によるイオンビーム234の拡散を低減する上で望ましい。
上述のように、特定の要素、構成、特徴、及び機能が示されたが、他の変形が使用され得ることが当業者によって理解されるであろう。加えて、特徴は、特定の実施形態に関連して説明されていることが明白であるが、説明された実施形態の種々の特徴を組み合わせてもよいことが当業者に認識されるであろう。さらに、ある実施形態に関連して説明された態様は、その実施形態には依存しないものであってよい。
実施形態は、添付の図面を参照して十分に説明されてきたが、種々の変化及び改良が当業者にとって明らかであることに注意すべきである。そのような変化及び改良は、添付の特許請求の範囲によって規定されるように、種々の実施形態の範囲内に含まれることが理解されるであろう。

Claims (34)

  1. ワークピースをイオンで処理するための、プラズマベースの材料改質システムであって、
    処理室と、
    上記処理室内に配置され、上記ワークピースを支持するように構成されている支持構造体と、
    上記処理室に接続されているプラズマ源室とを備え、
    上記プラズマ源室は、
    上記プラズマ源室の第1端に設けられた端部壁と、
    上記第1端と当該第1端に対向する、上記プラズマ源室の第2端との間で室内空間を規定する、少なくとも1つの側壁と、
    上記端部壁に設けられた第1磁石群と、
    上記少なくとも1つの側壁上に設けられ、上記室内空間を囲む第2磁石群と、
    上記室内空間を横切って延伸する第3磁石群とを備え、
    上記端部壁、上記少なくとも1つの側壁および上記第3磁石群は、上記室内空間内にプラズマ生成領域を規定し、
    上記プラズマ源室は、上記プラズマ生成領域内にイオンを有するプラズマを生成するように構成され、
    上記第3磁石群は、10eVより大きいエネルギーを有するプラズマの電子の大部分を上記プラズマ生成領域内に閉じ込める一方、上記プラズマからのイオンが、上記ワークピースの材料改質のために、上記第3磁石群を通過して上記処理室に入るように構成されていることを特徴とするプラズマベースの材料改質システム。
  2. 上記第1磁石群、上記第2磁石群および上記第3磁石群は、上記プラズマ生成領域を囲む複数のマルチカスプ磁場を発生させるように構成され、上記複数のマルチカスプ磁場は、10eVより大きいエネルギーを有するプラズマの電子の大部分を上記プラズマ生成領域内に閉じ込めることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 上記第1磁石群、上記第2磁石群および上記第3磁石群は、上記プラズマを上記プラズマ生成領域内において、0.1Pa以下の圧力で維持することができるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  4. 上記端部壁および上記側壁の内面における磁場強度は、0.1kGから1kGまでの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  5. 上記第1磁石群および上記第2磁石群は、セラミック永久磁石を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  6. 上記第3磁石群を構成するそれぞれの磁石の幅は、3mmから15mmまでの範囲内にあり、上記第3磁石群を構成する磁石間の間隔は、2cmから15cmまでの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  7. 上記第3磁石群は、同心状の永久磁石の輪を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  8. 上記第3磁石群は、直線状の永久磁石を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  9. 上記プラズマ源室の内径は、45cmより大きいことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  10. 上記支持構造体は、上記ワークピースを0.10Dから0.33Dまでの範囲内の距離だけ上記第3磁石群から離れた場所に配置するように構成され、
    Dは、上記プラズマ源室の内径であり、
    上記支持構造体は、イオンを上記プラズマから上記ワークピースへ加速するためのバイアス電圧を上記ワークピースに印加するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  11. 上記第3磁石群と上記支持構造体との間に設けられた複数の格子をさらに備え、
    上記複数の格子は、イオンから成るイオンビームを上記プラズマから引き出し、上記イオンビームを上記複数の格子を通り抜けて上記ワークピースへ向けて加速するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  12. 上記第3磁石群と上記複数の格子との距離は、0.10Dから0.33Dまでの範囲内にあり、
    Dは、上記プラズマ源室の内径であることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  13. 上記複数の格子は、上記イオンビームを、上記複数の格子を通過させることで集束させるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  14. 上記プラズマの中心と上記支持構造体との間に位置する吸収器をさらに備え、上記吸収器は上記プラズマから上記吸収器へ流れるイオンの一部を吸収し、
    上記吸収器は、第1イオン透過度を有する第1領域と、上記第1イオン透過度とは異なる第2イオン透過度を有する第2領域とを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  15. 上記第1領域は、上記吸収器の中心から第1距離離れた場所に位置し、上記第2領域は、上記吸収器の中心から第2距離離れた場所に位置し、上記第1距離は、上記第2距離より短いことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  16. 上記吸収器は、上記プラズマの中心と上記第3磁石群との間に位置することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  17. 上記吸収器は、複数の間隙およびイオン吸収材のパターンを含み、
    上記複数の間隙が占める面積の、上記イオン吸収材のパターンが占める面積に対する比率は、2:1より大きいことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  18. 上記プラズマ源室の直径は、上記ワークピースの直径より大きいことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  19. プラズマベースのイオン注入システムを用いた、ワークピースへの材料改質のための方法であって、
    上記プラズマベースのイオン注入システムは、処理室に接続されているプラズマ源室および上記処理室内に設けられた支持構造体を備え、
    上記プラズマ源室は、
    上記プラズマ源室の第1端に設けられた端部壁と、
    上記第1端と当該第1端の逆側に位置する上記プラズマ源室の第2端との間で室内空間を規定する少なくとも1つの側壁と、
    上記端部壁に設けられた第1磁石群と、
    上記少なくとも1つの側壁に設けられて上記室内空間を囲む第2磁石群と、
    上記室内空間を横切って延伸する第3磁石群とを備え、
    上記端部壁、上記少なくとも1つの側壁および上記第3磁石群は、上記室内空間内にプラズマ生成領域を規定し、
    上記方法は、
    上記ワークピースを上記支持構造体に配置する工程と、
    上記プラズマ源室の上記プラズマ生成領域内で処理用ガスのプラズマを発生させる工程と、
    上記ワークピースをイオンで処理するために、上記プラズマのイオンを上記ワークピースに向けて加速する工程とを含み、
    上記プラズマはイオン、中性化学種および電子を含み、
    上記第1磁石群、上記第2磁石群および上記第3磁石群は、10eVより大きいエネルギーを有する上記プラズマの電子の大部分を上記プラズマ生成領域内に閉じ込めることを特徴とする方法。
  20. 上記ワークピースに入射するイオンの線量は、1E14cm−2から1E17cm−2までの範囲内であり、
    上記線量が入射する間に上記ワークピースの表面に堆積または表面からエッチングされる材料の厚さは2nm以下であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 上記プラズマは、0.1Pa以下の圧力で生成され、
    上記プラズマは、上記ワークピースを処理する間、0.1Pa以下の圧力で維持されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  22. 上記プラズマ源室の内径は、45cmより大きいことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  23. 上記プラズマベースのイオン注入システムは、上記プラズマの中心と上記ワークピースとの間に位置する吸収器をさらに備え、
    上記吸収器は、第1イオン透過度を有する第1領域と、上記第1イオン透過度とは異なる第2イオン透過度を有する第2領域とを含み、
    上記吸収器は、上記プラズマから上記吸収器へ流れるイオンの一部を吸収することを特徴とする請求項19に記載の方法。
  24. 上記第1領域は、上記吸収器の中心から第1距離離れた場所に位置し、上記第2領域は、上記吸収器の中心から第2距離離れた場所に位置し、上記第1距離は、上記第2距離より短いことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 上記吸収器から出射されるイオンの電流密度特性は、上記プラズマから上記吸収器へ流れるイオンの電流密度特性と異なることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  26. 上記吸収器から出射されるイオンの電流密度特性は、上記プラズマから上記吸収器へ流れるイオンの電流密度特性より均一であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  27. 上記吸収器に1つ以上のバイアス電位を印加する工程をさらに含む請求項23に記載の方法。
  28. 上記吸収器の2以上の領域は、異なるバイアス電位を独立して印加されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 上記プラズマ源室からのプラズマは、上記吸収器を囲み、
    上記プラズマから上記吸収器へ流れるイオンの平均エネルギーは、上記吸収器から出射されるイオンの平均エネルギーとほぼ等しいことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  30. 上記プラズマのイオンは、バイアス電源を用いて上記ワークピースにバイアス電圧を印加することにより、上記ワークピースに向けて加速されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  31. 上記ワークピースは、0.10Dから0.33Dまでの範囲内の距離だけ上記第3磁石群から離隔している上記支持構造体に配置され、
    Dは上記プラズマ源室の内径であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
  32. 上記プラズマベースのイオン注入システムは、上記第3磁石群と上記支持構造体との間に位置する複数の格子をさらに備え、
    上記プラズマのイオンは、上記複数の格子の少なくとも1つにバイアス電圧を印加することで上記ワークピースに向けて加速されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  33. 上記複数の格子は、0.10Dから0.33Dまでの範囲内の距離だけ上記第3磁石群から離れた場所に位置し、
    Dは上記プラズマ源室の内径であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. 上記プラズマ源室の直径は、上記ワークピースの直径より大きいことを特徴とする請求項19に記載の方法。
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