JP2000234715A - 旋回流溶融炉とその燃焼方法 - Google Patents

旋回流溶融炉とその燃焼方法

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JP2000234715A
JP2000234715A JP11033956A JP3395699A JP2000234715A JP 2000234715 A JP2000234715 A JP 2000234715A JP 11033956 A JP11033956 A JP 11033956A JP 3395699 A JP3395699 A JP 3395699A JP 2000234715 A JP2000234715 A JP 2000234715A
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melting
furnace
pyrolysis
inlet
swirling flow
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JP11033956A
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English (en)
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Mamoru Suyari
護 須鎗
Tadayuki Minoura
忠行 箕浦
Toshiya Tada
俊哉 多田
Itaru Yaso
格 八十
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱分解生成物である熱分解ガスと、チャーや
灰分等の固形分を分離して、溶融部に供給し、再循環渦
を形成させることにより、熱分解生成物の溶融が容易な
旋回流溶融炉を提供する。 【解決手段】 固形廃棄物を流動層式熱分解炉1にて5
00〜600℃で熱分解ガス化し、発生する熱分解生成
物と燃焼空気を溶融炉に導入して、燃焼させて、その熱
で灰分を溶融させる旋回流溶融炉2で、溶融部入口20
をブラフボディー形状とし、再循環渦を形成させる。さ
らに前記熱分解ガスや、チャーや灰分を壁面に沿うよう
に流すことによって、熱分解ガスと、チャーや灰分を分
離し、これらの燃焼を容易にする。さらに、溶融部26
の内径と燃焼空気供給管17の先端径をdした場合、d
/Dが0.3〜0.8とすることにより、炉容積を有効
に利用できる再循環渦を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用廃棄物、都
市ゴミ等を気泡流動層を用いた熱分解炉で熱分解ガス化
し、溶融炉で熱分解ガス、チャーに燃焼空気を導入して
燃焼させ、その熱で灰分を溶融スラグ化して回収する旋
回流溶融炉とその燃焼方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ゴミの発生量は増加の一途を
たどり、最終処分地容量の逼迫や2次公害(地下水汚
染)の問題、法規制の強化等により、廃棄物はそのま
ま、あるいは焼却して埋め立て処分していたが、さらに
溶融を行い減容化、固定化の検討が進められている。ま
た、リサイクル法にみられるように、有効な資源回収、
未利用エネルギーの回収、処理物の資源化等、廃棄物有
効利用への取り組みも強化されつつある。さらに、有害
物質の安定処理についてはDXN等の微量汚染物質の抑
制など、廃棄物処理に要求される課題は多い。
【0003】このような状況の中、前記の課題を解決す
る手段として、熱分解を利用した廃棄物処理が見直さ
れ、開発が活発に進められている。その廃棄物処理に使
用されている代表的な旋回流溶融炉の断面概略図を図4
に示す。
【0004】従来の旋回流溶融炉は焼却済の灰分を、外
部燃料を使用して溶融させる方法が一般的に採用されて
いる。例えば図4において、灰分は灰分導入口31より
投入されて、一次空気と一次空気導入管32内で混合さ
れる。そして、灰分が混合された空気はバーナー33
の、旋回ノズル37を通り、旋回流溶融部34内に投入
される。ここで、灰分は、旋回流の遠心力で、壁面に付
着し、スラグ化する。スラグ化した灰分はスラグ分離部
35で分離され、排出される。
【0005】しかしながら、この方法では、灰分のみを
溶融炉に導入するため、熱分解炉で生成される熱分解ガ
スやチャーの有する発熱量を利用することがないため、
灰分の溶融には外部のエネルギ密度の高い燃料を使用
し、エネルギーの有効利用の観点から問題であった。そ
こで、最近では、熱分解炉によって生成される熱分解ガ
ス、チャー、灰分を同時に溶融炉に導入し、これら熱分
解生成物の持つ発熱量で自己燃焼させて溶融し、スラグ
化しようとする技術も提案されている。例えば、特開平
9−145031号公報では、固体廃棄物を流動層ガス
化炉にて熱分解ガス化し、発生するガスとチャーを分級
装置に導いて粗大粒子を分離したあと、燃焼炉に供給し
てこれらの自己燃焼によって、灰分をスラグ化し回収す
ることが記載されている。
【0006】この方法では、熱分解生成物の自己燃焼を
利用するため、外部からのエネルギ密度の高い燃料を抑
制することが可能となる。しかしながら、熱分解炉から
流入する熱分解ガスの発熱量は数百kcal/Nm3
低カロリーガスであり、固体であるカーボンの発熱量と
合わせても1000kcal/Nm3 以下の燃料であ
る。また、溶融炉入口での温度は750℃前後で、流量
も多い。これに、酸化剤である空気を混合燃焼させて、
灰分を溶融させることは非常に困難である。また、チャ
ー等のカーボンは固体であるため、酸化剤である空気と
は表面反応で燃焼に時間がかかる。そのため、これらチ
ャーや、灰分を完全に燃焼するにはできるだけ長い時間
溶融炉内に滞留させる必要があるが、滞留時間を長くす
ることは炉を大きくすることを意味する。また、この方
法では、熱分解炉によって生成される熱分解生成物を溶
融炉に導入する前に分級装置によって粗大粒子を分離す
るが、この際に、これら熱分解生成物が有する熱が奪わ
れてしまう。このため、灰分を溶融するに十分な熱量を
得ることができない。また、溶融炉に導入される熱分解
生成物の持つ発熱量の低下は、熱分解ガスの着火の遅れ
の原因となり、燃焼速度が低下し炉頂部温度を低下し、
炉全体での燃焼速度を低下させるという悪循環の原因に
もなってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、熱
分解生成物である熱分解ガスと、チャーや灰分等の固形
分を分離して、溶融部に供給し、再循環渦を形成させる
ことにより、熱分解生成物の溶融が容易な旋回流溶融炉
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するため
の手段として、本発明の旋回流溶融炉は、固形廃棄物を
熱分解ガス化して発生する熱分解生成物と、燃焼空気と
を導入し燃焼させ、その熱で熱分解生成物を溶融スラグ
化させる旋回流溶融炉であって、前記熱分解生成物の溶
融部と、前記溶融部入口に連設された前記熱分解生成物
の導入部からなり、前記溶融部入口は末広がりの拡大部
を有し、前記導入部は、前記熱分解生成物が接線方向に
流入する投入口を有し、中心に、先端が前記溶融部入口
付近に位置する前記燃焼空気の供給管を備えた環状通路
を形成していることを特徴とする。
【0009】溶融部入口を非流線形体、すなわち、ブラ
フボディとし、かつ環状通路として、流入ガスに旋回を
与えることによって、溶融部入口の後流に、強度の強い
再循環渦を形成する。ここで、この導入部の環状通路は
溶融部入口に向かって通路面積が徐々に狭まる形状をし
ており、旋回に加えて灰分、チャー等固形分を溶融部炉
壁に供給する。また、熱分解生成物は溶融部内で軸直角
断面に均一に分散する。
【0010】また、本発明の旋回流溶融炉は、前記燃焼
空気導入管の先端部の外径をd、前記溶融部の内径をD
とした場合、d/Dが0.3〜0.8であることを特徴
とする。
【0011】溶融部入口の後流で形成する再循環渦の渦
径、渦強度は、主流の流速や、炉の形状等によって決ま
る。ここでは、前記環状通路の内径及び溶融部の内径の
比、すなわち、前記燃焼空気導入管の先端部の外径を
d、前記溶融部の内径をDとした場合の両者の比、d/
Dが0.3〜0.8、より好ましくは、0.4〜0.6
とすることによって、溶融部で形成される再循環渦領域
が大きくとれ、炉容積を効率よく利用できるように調節
する。
【0012】また、本発明の旋回流溶融炉は、前記熱分
解生成物が、前記熱分解炉から直結する管路を通じて前
記導入部に直接投入されることを特徴とする。
【0013】熱分解炉で生成される熱分解生成物を、直
接溶融炉に導入することができるため、熱分解生成物の
保有する熱を外部に逃がすことなく、効率良く溶融炉に
導入することが可能となる。
【0014】また、本発明の旋回流溶融炉は、前記環状
通路が、前記溶融部の入口に向かうにしたがい、縮小す
ることを特徴とする。
【0015】環状通路は、サイクロン形状同様のジョー
ゴ状となり、投入された熱分解生成物は、壁面を沿うよ
うに旋回流を形成し、サイクロンと同様の強い渦の効果
で、熱分解生成物中のガス分と固形分とが分離される。
【0016】また、本発明の燃焼方法は、固形廃棄物を
熱分解ガス化させ、発生する熱分解生成物を、中心に燃
焼空気の供給管が備えられ環状通路を形成する導入部と
溶融部とからなる旋回流溶融炉に導入し、燃焼させて溶
融スラグ化させる燃焼方法であって、前記熱分解生成物
を、前記導入部の内壁面に沿うように接線方向に投入し
て、旋回流を形成することにより、固形分とガス分が分
離する。
【0017】そして、分離状態の前記熱分解生成物を、
前記溶融部に供給して、前記溶融部の入口に続く拡大部
において、再循環渦を形成させつつ、前記燃焼空気と混
合、燃焼させることを特徴とする。
【0018】熱分解生成物の固形分は、壁面に沿って、
炉の下流方向に進み、壁面のスラグに捕集される。この
際、熱分解生成物中の微小粒子も壁面のスラグに捕集さ
れる。一方、ガス分は、下流に進むにしたがい、旋回流
速を増し、溶融部に入り、通路が拡大されることによ
り、流れも通路に沿って拡大し、中心部の圧力が低下し
て、再循環渦を形成する。
【0019】また、本発明の燃焼方法は、前記再循環渦
が前記溶融部の入口の後流に定在し、前記燃焼空気供給
管の直下流で形成されることを特徴とする。
【0020】これによって、着火源が常に環状通路の後
流に形成され、且つ安定した火炎を保持することが可能
となる。
【0021】なお、ここで、流動層式熱分解炉で生成さ
れる熱分解生成物とは、熱分解ガス、チャー、灰分であ
る。ここで、チャーとは溶融等を経ずに炭素化された炭
素のことである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態例を
図に基づいて説明する。
【0023】図1に本発明における旋回流溶融炉2の導
入部25から溶融部26に到る炉の上部断面図を示す。
この熱分解生成物の溶融を行う部分は、溶融部26と、
この溶融部入口20に連接された導入部25と、前記導
入部25の中心に、その先端が前記溶融部入口20の付
近に位置する前記燃焼空気供給管17とから構成されて
いる。
【0024】溶融部26の入口20は、軸に対して左右
それぞれに15〜60°の角度で、末広がり状に、その
径が拡大している。これによって、入口の下流で圧力が
低下し、再循環渦が形成される。再循環渦を形成させる
に際し、炉の径に対してどれだけの大きさの径の再循環
渦を形成させるかにより、炉を効率良く使用できるかど
うかが決まる。これは、溶融部入口20の上流側の環状
通路の内径と、溶融部26の内径の比によって制御する
ことができる。すなわち、炉の容積を有効に利用するこ
とが出来る再循環渦を形成するには、燃焼空気供給管1
7先端部の外径をd、2次旋回流溶融室の内径をDとし
た場合、この比d/Dを0.3〜0.8とする。さらに
0.4〜0.6とすることが好ましい。ここで、この燃
焼空気供給管17の形状が、例えば、図1に示すような
ストレートの場合や、図2に示すように末広型の場合、
それぞれ、形成される再循環渦の形成領域や再循環渦強
度が異なる。一般に、再循環強度は、図2に示すような
末広型の場合のほうが、環状通路出口、すなわち、溶融
部入口20付近の半径方向の流速が速くなり、逆向きの
圧力勾配が大きくなることから再循環強度が高くなると
考えられる。また、再循環渦強度が高いほど、熱分解ガ
スと空気との混合速度が速くなる。本発明では、このよ
うに、溶融炉形状をブラフボディ形状とすることで、再
循環渦を着火源の直下流で形成させるようにしたが、主
流である旋回流速度や、溶融炉の軸方向の角度を調節す
る等、ブラフボディ形状以外の形状にすることにより再
循環渦を形成させた場合でも、本発明と同様の効果を得
ることが出来る。
【0025】ここで、ブラフボディとは、非流線形物体
のことである。一般に、可燃混合気流中に障害物を置く
と、その物体壁近傍の境界層内で流速が低下し、流れ中
のある領域において、火炎安定化の必要条件である、火
炎速度が流速に一致する可能性が大きくなる。ここで、
この障害物がブラフボディであると、流体は加速してい
きある速度になると、障害物下流の逆向きの圧力勾配が
十分大きくなって境界層の剥離を起こし、再循環渦がブ
ラフボディ後流に形成される。後流と後流を通過した流
れとの間の熱及び物質移動の速度は大きく、この再循環
領域の周囲流れ中で燃焼が進行している場合には、高温
燃焼生成物が渦に進入し、上流方向に運ばれて未燃混合
気と混合してその混合気を着火可能な状態とする。すな
わち、本発明における旋回流溶融炉は、導入部から溶融
部への炉本体の形状、及び炉中心に位置する燃焼空気供
給管が、ここでいうブラフボディの役割をし、溶融部内
に再循環渦が形成される。
【0026】導入部25は、前記燃焼空気供給管17に
よって、環状通路を形成しており、前記溶融部26の入
口に向かってサイクロン状に通路は狭まり、その外形の
角度は0°〜60°のジョーゴ状である。さらに、その
上端には熱分解炉と直結する連結ダクト18を備えてい
る。熱分解生成物はこの連結ダクト18を通り、熱分解
炉から直接投入されるため、この熱分解生成物の保有す
る熱を無駄にすることなく、有効に利用することがで
き、これら熱分解生成物の自己熱溶融を可能とする。そ
の連結ダクト18は前記環状通路の接線方向に備えられ
ている。これによって、熱分解生成物はこの導入部25
に投入されると壁面に沿って、旋回流を形成する。そし
て、溶融部26に近づくにつれて、その径が絞められて
いることにより、熱分解生成物中のガス分は旋回流速を
高める一方で、固形分は、サイクロン同様、壁面に捕集
されて、熱分解生成物中のガス分と固形分は分離され
る。これによって、溶融部26に流入しても固形分は壁
に沿って流れ、最終的なスラグ回収率が向上する。
【0027】燃焼空気供給管17は、点火装置と火炎検
知21を有するパイロットバーナーが設置され、炉の予
熱時、起動時、あるいは処理廃棄物の発熱量が低下し
て、熱分解生成物の発熱量が不足した場合に使用する。
また、燃焼空気は、図3に示すように、1次空気送風機
4から送風されて空気加熱器3で加熱された空気であり
ダクト16を通り、多孔ノズルあるいは環状の旋回ノズ
ルから供給され、急速に混合して燃焼する。なお、空気
加熱器3は、溶融炉2の廃熱を回収して効率よく1次空
気送風機4より送られてくる空気を加熱している。
【0028】次に、本発明における旋回流溶融炉による
燃焼方法を説明する。
【0029】導入部25には、前記流動層式熱分解炉1
で生成された熱分解生成物である熱分解ガス、チャー、
灰分が連結ダクト18を通り、直接、接線方向に、壁面
に沿うように流入される。これによって、熱分解生成物
は壁面に沿って、旋回流を形成し、円周方向に一様に流
入される。溶融部入口20に近づくにつれて、その内径
が絞られているため、熱分解ガスと固形分(チャー、灰
分)が分離し、溶融部入口20の下流側の溶融部26に
壁面を沿って導入される。そして、チャーや灰分の固形
分は壁面のスラグに捕集され、これによって、固形分を
炉内に長時間滞留させることが可能となり、スラグ層内
で時間をかけて燃焼するため、完全に燃焼させることが
可能となる。
【0030】一方、熱分解ガスは、溶融部26に向かう
にしたがって、旋回強度を増し、ブラフボディ形状のた
め、溶融部26に流入するや拡大通路となるため、再循
環渦が形成される。さらに、炉の中心に炉頂部より溶融
部入口付近に至り位置し、導入部25の環状通路を形成
する燃焼空気供給管17も再循環渦を形成するブラフボ
ディの役割をし、再循環渦強度を高める。前述したよう
に、混合速度は再循環渦強度が高いほど速くなる。この
再循環渦はこの燃焼空気供給管17の直下流で形成され
る。そして、この燃焼空気供給管17より供給される高
温空気を酸化剤として、熱分解ガスは激しく燃焼する。
このように、再循環渦が、燃焼空気供給管17の直下流
に定在し、着火源となるため、保炎性が増し、安定な燃
焼が可能となる。また、外部からの助燃燃料の供給を抑
制することができる。さらに、溶融部26は、その上部
が1300℃以上の高温となるため、溶融部26全体が
高温域となり、熱分解生成物は完全に燃焼する。
【0031】本発明の旋回流溶融炉は、以上のような構
成になっている。この旋回流溶融炉を用いた廃棄物処理
施設の一例を図3に示す。ここに示す廃棄物処理設備
は、流動層式熱分解炉1、旋回流溶融炉2、空気加熱器
3、一次空気送風機4、ゴミ供給システム5、ボイラ
9、ガス冷却器10、バグフィルタ11、不燃物排出器
6、スラグ排出器7、重金属回収システム8、排水処理
12、脱硝設備13、再熱器14、誘引送風機15を備
えている。
【0032】上記流動層式熱分解炉1は、底部に多数の
ガス噴射口をもつ分散板19が設けられ、このガス噴射
口を通じて、上向きに流動化ガス(一般には空気)が噴
射されることにより、分散板19の上方に砂粒子等から
なる流動層が形成されるようになっている。この流動層
のさらに上方には廃棄物投入口が設けられ、都市ゴミ等
の廃棄物がゴミ供給システム5より投入される。また、
図示していないが、始動用のメインバーナー、二次空気
導入口が設けられ、流動層温度が500〜600℃で熱
分解される。そして生成される熱分解ガス、チャー、灰
分は連結ダクト18を通じ、旋回流溶融炉2に投入され
る。この際の熱分解生成物の温度は約700〜850℃
になっている。
【0033】前記分散板19の中央には不燃物抜き出し
口が設けられており、その下方に不燃物排出器6が配置
されている。この不燃物排出器6は、スクリューコンベ
ア及び振動ふるいが設けられており、スクリューコンベ
アにより搬送される砂粒子から不燃物を分離するように
構成されている。不燃物が分離された砂粒子はスクリュ
ウーコンベアで、再度流動層式熱分解炉1に戻される。
【0034】前記熱分解炉1で生成される熱分解生成物
は、前述した本発明における旋回流溶融炉2で完全に燃
焼される。熱分解生成物中の灰分は、溶融スラグとな
り、スラグ排出器7により排出される。また、その際に
発生する高温排出ガスは、前述したように空気加熱器3
に導入され、排出ガスが保有する熱は一次空気を加熱す
る熱として利用される。そして、排出ガスは、十分に冷
却されてボイラ9を通り、さらにガス冷却器10を通
り、完全に冷却された状態でバグフィルタ11を通り、
排出される。ボイラ9、ガス冷却器10、バグフィルタ
11は、それぞれ重金属回収システム8が連結されてお
り、排出ガス中に含まれる重金属はこれらボイラ9、ガ
ス冷却器10、バグフィルタ11を通過する際に回収さ
れる。そして、重金属回収システム8中で重金属と排水
が分離され、それぞれ処理される。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
本発明の請求項1の発明によると、溶融部入口の形状を
ブラフボディ形状とすることにより、溶融部入口の後流
で再循環渦が形成され、さらに、炉頂部より下向きに溶
融部入口に到る炉の中心に燃焼空気供給管が備えられて
いることにより、この燃焼空気供給管自身もブラフボデ
ィの役割をし、その直下流で再循環渦が形成され、火炎
の保炎性が増し、安定な燃焼が可能となる。
【0036】また、本発明の請求項2の発明によると、
炉の容積を有効に利用するのに最適な再循環渦を形成す
る効果が得られる。さらに、軸直角断面に均一に熱分解
生成物が分散するため、これらの完全燃焼が可能となる
効果を奏する。
【0037】また、本発明の請求項3の発明によると、
熱分解生成物の保有する熱を外部に逃がすことなく、溶
融炉に導入することができ、これらの熱を有効に利用す
ることにより自己熱溶融が可能となり、外部からの助燃
燃料の供給を抑制することが可能となる。
【0038】また、本発明の請求項4の発明は、熱分解
生成物中の固形物と、微細粒子は壁面のスラグに捕集さ
れ、これによって、炉内滞留時間が長くなり、固形分が
完全に燃焼することが可能となる。さらに、固形分、ガ
ス分が分離されて溶融部に導入されるため、固形分、ガ
ス分の有する熱を無駄にすることなく、利用でき、自己
熱溶融が効率よく行える効果が得られる。
【0039】また、本発明の請求項5と6の発明による
と、チャーや灰分の固形分が壁面のスラグに捕集される
ことにより、炉内滞留時間が長くなり、これらスラグ層
内で長時間かけて反応し完全に燃焼することができる。
さらに、微細な粒子もこれら固形分とともに壁面のスラ
グに捕集され、完全に燃焼するため、未燃スラグが減少
し、灰分のスラグ化率が向上する効果が得られる。さら
には、再循環渦が溶融部入口の後流に定在し、燃焼空気
供給管の直下流に形成されることによって、バーナーの
保炎性が向上し、安定した燃焼が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例の旋回流溶融炉の上部断
面図である。
【図2】本発明の一実施形態例の旋回流溶融炉の上部断
面図である。
【図3】本発明における旋回流溶融炉を使用した廃棄物
処理システムの一例の全体概略図である。
【図4】従来から使用されている代表的な旋回流溶融炉
の断面概略図である。
【符号の説明】
1 流動層式熱分炉 2 旋回流溶融炉 3 空気加熱器 5 ゴミ共有システム 17 燃焼空気供給管 25 導入部 26 溶融部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 俊哉 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 八十 格 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3K061 AA11 AA23 AB02 AB03 AC01 BA04 BA07 BA10 CA07 CA08 DA18 DA19 DB01 DB20 EA01 EB12 EB14 EB18 EB19 LA03 LA06 LA11 LA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形廃棄物を熱分解ガス化して発生させ
    た熱分解生成物と、燃焼空気とを導入して燃焼させ、そ
    の熱で熱分解生成物を溶融スラグ化させる旋回流溶融炉
    であって、前記熱分解生成物の溶融部と、前記溶融部入
    口に連設された前記熱分解生成物の導入部からなり、前
    記溶融部入口は末広がりの拡大部を有し、前記導入部
    は、前記熱分解生成物が接線方向に流入する投入口を有
    し、中心に、先端が前記溶融部入口付近に位置する前記
    燃焼空気の供給管を備えた環状通路を形成していること
    を特徴とする旋回流溶融炉。
  2. 【請求項2】 前記燃焼空気導入管の先端部の外径を
    d、前記溶融部の内径をDとした場合、d/Dが0.3
    〜0.8であることを特徴とする請求項1記載の旋回流
    溶融炉。
  3. 【請求項3】 前記熱分解生成物は、前記熱分解炉から
    直結する管路を通じて前記導入部に直接投入されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の旋回流溶融炉。
  4. 【請求項4】 前記環状通路は、前記溶融部の入口に向
    かうにしたがい、縮小することを特徴とする請求項1乃
    至3いずれか記載の旋回流溶融炉。
  5. 【請求項5】 固形廃棄物を熱分解ガス化させ、発生す
    る熱分解生成物を、中心に燃焼空気の供給管が備えられ
    環状通路を形成する導入部と溶融部とからなる旋回流溶
    融炉に導入し、燃焼させて溶融スラグ化させる燃焼方法
    であって、 前記熱分解生成物を、前記導入部の内壁面に沿うように
    接線方向に投入して、旋回流を形成することにより、固
    形分とガス分を分離し、 分離状態の前記熱分解生成物を前記溶融部に供給して、
    前記溶融部の入口に続く拡大部において再循環渦を形成
    つつ、前記燃焼空気と燃焼させることを特徴とする燃焼
    方法。
  6. 【請求項6】 前記再循環渦が前記溶融部の入口の後流
    に定在し、前記燃焼空気供給管の直下流で形成されるこ
    とを特徴とする請求項5記載の燃焼方法。
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