JP4000033B2 - 旋回流溶融炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物、都市ごみ等をガス化する廃棄物処理設備に適用される旋回流溶融炉に関し、特に流動床炉の後段に好適に設けられる旋回流溶融炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市ごみの処理量は増加の一途をたどり、これに反して埋立処分する用地の確保は年々困難になっている。加えて埋立処理では地下水の汚染が懸念され、環境汚染を防止する法規制が強化されていることもあって埋立処分をさらに困難にしている。
【0003】
これに対応する技術として廃棄物の溶融による減容化、固定化が進められ、また、リサイクル法にみられるように有効な資源の回収、未利用エネルギーの回収、処理物の資源化等も併せて進められ、廃棄物有効利用の取り組みが一層強化されつつある。
【0004】
また、廃棄物を処理する際には有害物質の安定処理として例えばダイオキシン等の微量汚染物質の発生を抑制する必要もあり、廃棄物処理に要求される課題は極めて多い。
【0005】
このような状況下、廃棄物を流動床炉に導入してガス化し、発生した可燃ガスとチャーをその後段の燃焼溶融炉で高温燃焼させ、微量汚染物質を分解し、その燃焼熱を利用することにより、すなわち外部エネルギを使用することなく灰分を溶融するようにしたガス化溶融プロセスが注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
上記ガス化工程に溶融工程を組み合わせる利点としては、(1)廃棄物の持つエネルギを利用して灰を溶融させることができる、(2)溶融炉に導入する燃焼空気は低空気比で足りるため、排ガス量の抑制による環境負荷の低減と装置のコンパクト化が図れる、(3)溶融炉での高温燃焼によってダイオキシン等の微量有害物質の発生量を低減させることができる、等が挙げられる。
【0007】
ガス化溶融プロセスにおいて、廃棄物はガス化炉としての流動層上に投入され、砂等の流動媒体とともに流動層内を循環する過程でガス化される。このとき、生成されるガスが多量の可燃分を含むよう、そのガス化炉に供給される空気量は理論空気量の30〜40%以下とされ、かつ流動層温度は450〜650℃とされている。
【0008】
すなわち、流動層温度は、良好な熱分解を得るのに必要な下限温度以上であって、かつ有価金属としてのアルミニウムが溶融、酸化されずに回収できる上限温度以下の範囲に設定されているのである。
【0009】
そして、ガス化炉で発生した可燃ガス、チャー、灰分は、引き続いて後段の燃焼溶融炉に導入され、空気比1.3程度の低空気比で1250〜1350℃の高温で燃焼され、それにより灰分を溶融しスラグとして分離するとともにダイオキシン等のガス中の有害物質を分解する。
【0010】
この燃焼溶融炉から送出される排ガスは、熱交換器や廃熱ボイラで熱回収され、排ガス冷却工程で冷却され、最終的にバグフィルタで除塵され清浄化された後、大気に放散される。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−173937号公報(第3頁、図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記燃焼溶融炉は長期間、安定して運転を継続できるものでなければならず、そのためには、ガス化炉から燃焼溶融炉に導入される可燃物・ガス(以下、熱分解ガスと呼ぶ)を良好に燃焼させることによって溶融炉内を適性な温度に保ち、溶融スラグを安定して排出させる必要がある。
【0013】
上記熱分解ガスはおよそ1250〜1350℃の高温の炉内に導入されるため基本的には自燃することになるが、廃棄物自体が保有しているエネルギが低い(低カロリー廃棄物)場合には、外部エネルギとして油やガス燃料を別途、外部燃料バーナを介して加えることにより燃焼溶融炉内の温度が適性になるようにしている。
【0014】
しかしながら、燃焼溶融炉内のガスの流れは複雑であり、外部燃料バーナから燃焼溶融炉内にガス燃料を供給した際に燃焼溶融炉内に高速旋回流が発生していると、外部燃料バーナからの火炎が吹き消される場合があり、安定燃焼が得られないという問題があった。
【0015】
本発明は以上のような従来の旋回流溶融炉における課題を考慮してなされたものであり、ガス化炉から燃焼溶融炉に導入される熱分解ガスを安定して燃焼させることによって溶融炉内を適性な温度に保ち、溶融スラグを安定して排出させることのできる旋回流溶融炉を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、耐火物構造からなる円筒状の溶融炉本体と、この溶融炉本体内で旋回流を形成するように上記溶融炉略接線方向から熱分解ガスを導入する導入部と、溶融炉本体下部に設けられ溶融スラグを排出する排出部とを有する旋回流溶融炉において、上記溶融炉略接線方向から熱分解ガスが導入されることで上記旋回流溶融炉の中心より溶融炉径方向に偏心した位置で上記旋回流の渦中心が発生し、この偏心した旋回流の渦中心寄りの位置に外部燃料バーナを配置した旋回流溶融炉である。
また、本発明において、上記溶融炉略接線方向は、上記溶融炉接線方向に対し当該溶融炉の中心方向に傾斜していてもよい。
【0017】
本発明に従えば、溶融炉内の中心から径方向に偏心した位置に発生する熱分解ガスの旋回流中心に向けて外部燃料バーナからの火炎が導入されるため、その火炎が旋回流と衝突してガス流を乱すことがなく、しかも旋回流によって火炎が吹き消される虞れもないため、ガス化炉から燃焼溶融炉に導入される熱分解ガスを安定して燃焼させることができる。
【0018】
本発明において、外部燃料バーナを、旋回流溶融炉本体の横断面中心を通る線で4分割された一つの象限内に配置するとともに、この一つの象限を、導入部の中心線が旋回流溶融炉の外周線と交わる交点と、横断面中心とを結ぶ線を中心線とする象限とすれば、旋回流溶融炉における熱分解ガス導入部の位置を基準として旋回流中心を容易に特定することができるため、それにより外部燃料バーナの配置を定めることができる。
【0019】
また、外部燃料バーナを配置する象限を特定した上で、上記旋回流溶融炉の直径をDとするとき外部燃料バーナを上記旋回流溶融炉の中心から径方向に0.15D〜0.22Dの範囲内に配置すれば、異なる径の旋回流溶融炉に対しても安定した燃焼を得ることができるようになる。
【0020】
また、外部燃料バーナを、溶融炉本体の軸に対して傾斜した状態で配置すれば、旋回流溶融炉の上部で旋回流の中心軸が傾いている場合であっても、その旋回流の中心軸の傾斜に対応させることができる。
【0021】
また、上記旋回流溶融炉において、旋回流の渦中心が溶融炉本体の上部壁面に接触する部位に、その渦中心に向く方向に中心軸を持つように外部燃料バーナを配置することができる。
【0022】
なお、上記上部壁面とは、具体的には溶融炉本体上部に設けられるフラットな天井面および円錐状の天井面が示される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の旋回流溶融炉が適用される廃棄物処理設備の全体構成を示したものである。
【0025】
同図において、廃棄物としてのごみは一旦、ごみピット1に貯留され、図示しないクレーンによって給塵機2のホッパ2aに投入される。給塵機2はごみを定量的にガス化炉としての流動床炉3に供給する。
【0026】
流動床炉3では、空気比0.2〜0.4の条件で部分燃焼が行われ、砂層温度を450〜650℃に維持した低温熱分解が行われる。そして投入されたごみのうち炉床下部より抜き出される不燃物以外はすべて流動床炉3に直結(下流側に)された旋回流溶融炉4に導かれる。
【0027】
一方、炉床下部3aから抜き出された不燃物は、スクリューコンベア5及び振動フィーダ6及び図示しない磁選機を経て不燃物、非鉄金属、鉄分、流動砂にそれぞれ分離され、流動砂は流動床炉3の砂層に戻されて再利用される。
【0028】
流動床炉3で発生した灰分を含む熱分解ガスは旋回流溶融炉4に導かれ、トータル空気比1.3の条件下でさらに燃焼される。この旋回流溶融炉4では約1300℃の高温燃焼が行われ、灰分を溶融してスラグとして分離するとともにダイオキシン等のガス中の有害物質が分解される。7はスラグ排出装置であり、8はスラグを冷却するためのスラグ水さい装置である。
【0029】
この旋回流溶融炉4から排出される溶融炉排ガスは、空気加熱器9及び廃熱ボイラ10でそれぞれ熱回収された後、さらにガス冷却器11で温度が下げられ、バグフィルタ12で除塵される。浄化された排ガスは次いで誘引ファン13を経て脱硝装置14を通り、煙突15から排出される。
【0030】
次に、本発明の特徴部分である旋回流溶融炉4の構成について図2を参照しながら説明する。
【0031】
旋回流溶融炉4は、焼却灰を含む熱分解ガスを旋回流方式で導入部4aから炉内に導いて溶融するものであり、耐火物構造の縦型円筒炉からなり、上部から旋回溶融部4b、スラグ分離部4c、スラグ抜出部4dの順に構成されている。
【0032】
炉内は、燃焼空気によって強い旋回流Sが形成され、外部燃料バーナ4eによる補助燃料の燃焼により、焼却灰の融点より100℃以上高温に維持される。
【0033】
このように旋回エネルギを与えられて炉内に吹き込まれた熱分解ガスは、瞬時に加熱、溶融され、遠心力によって炉壁に衝突し、炉壁を溶融スラグとなって流下し、スラグ抜出部4dから排出される。
【0034】
一般に、溶融スラグの量は焼却灰の供給量、炉内温度などの影響を受けて変化することは知られており、炉内温度が一定で炉内の溶融が安定しているときは、溶融スラグは比較的安定した位置で連続した流れを維持しながら流下するが、炉内が不安定になると途切れがちの不安定な流れに移行する。
【0035】
また、焼却灰の供給が適性な量か、あるいはそれよりも少ないときは流れは安定しているが、焼却灰の供給が適性量を超えると流れが不安定になる傾向がある。そこで、従来は旋回流溶融炉の炉内温度と焼却灰の供給量をコントロールすることが行われている。
【0036】
しかしながら、上記コントロール下であっても外部燃料バーナの燃焼が不安定になることがある。そこで、旋回流と外部燃料バーナによる燃焼空気流の関係を調べてみた。
【0037】
まず図3に示すように、各種旋回流溶融炉の性状として炉径、熱分解ガスを導入する導入部4aの配置をパターン化し、炉径D、ガス導入速度、導入部4aの高さをパラメータとして数値計算を行った。
【0038】
また、同図(a)に示す旋回流溶融炉40を基準形状とし、炉径をD、円錐状の炉頂における天井部高さをL1、天井部の裾から導入部4a中心までの距離をL2、導入部4a中心から導入部4a上面までの距離をL3で示している。
【0039】
同図(b)に示す旋回流溶融炉41は、基準形状の旋回流溶融炉20の導入部4aの高さよりも高い位置に導入部4aを配置したものであり、同図(c)に示す旋回流溶融炉42は、その逆に旋回流溶融炉40の導入部4aの高さよりも低い位置に導入部4aを配置したものである。
【0040】
また、同図(d)に示す旋回流溶融炉43は、炉径を標準よりも小さく(0.9D)したもの、同図(e)に示す旋回流溶融炉44は炉径をさらに小さく(0.8D)したもの、同図(f)に示す旋回流溶融炉45は炉径を標準よりも大きく(1.05D)したもの、同図(g)に示す旋回流溶融炉46は炉径をさらに大きく(1.11D)したものである。なお、旋回流溶融炉を総称する場合には旋回流溶融炉4と呼ぶ。
【0041】
このような各種形態の旋回流溶融炉4における旋回流の状態を示したものが図4であり、旋回流溶融炉4の横断面を示している。
【0042】
同図の各符号は図3に示した旋回流溶融炉の各符号と対応している。ただし、(a)′については比較例として追加したものである。
【0043】
図4において、上記した外部燃料バーナ4eは、旋回流溶融炉4の横断面中心を通る線で4分割された一つの象限内に配置されており、この一つの象限とは、導入部4aの中心線Pが旋回流溶融炉4の外周線Nと交わる交点Oと、横断面中心とを結ぶ線を中心線Mとする象限である。
【0044】
また、導入部4aは、180°の位置から右方向に延ばされた接線に対し10°傾斜した方向から炉内に向けて熱分解ガスを導入するようになっている。
【0045】
このとき、旋回流溶融炉4内に形成される旋回流Sの渦中心Cは、旋回流溶融炉の中心に発生すると考えられていたが、検証結果によれば実際は90°から180°の範囲内、すなわち導入部4a寄りに偏心した第4象限に発生することが確認された。
【0046】
なお、本実施形態では炉平面において直交するx軸とy軸とによって4分割された各部分を象限と呼び、0°〜90°の範囲を第1象限と呼び、以下、反時計まわりに第2、第3、第4象限と呼んでいる。
【0047】
この旋回流の渦中心Cは、旋回流溶融炉40に導入する熱分解ガスの流速には影響されず、具体的には流速μ→1.5μに増加しても、図4(a)′に示すように略同じ位置に発生する(C1参照)。
【0048】
ところが、図3(b)に示したように導入部4aを標準位置よりも高くすると図4(b)に示すように大きく移動し(C2参照)、また、導入部4aを標準位置よりも低くした場合も図4(c)に示すように大きく移動する(C3参照)。なお、図では旋回流の渦中心が移動したことを一つの×印で示しているに過ぎず、移動方向は関係しない。
【0049】
一方、旋回流溶融炉の炉径を変化させた場合の旋回流の中心を調べると、炉径を0.9D(図4(d)参照)と小さくした場合、この逆に炉径を1.05D(図4(f)参照)と大きくした場合には旋回流の渦中心は標準炉径のものに比べて、ほとんど変化しない。(C4,C6参照)
ところが、炉径を0.8Dまで小さくした場合には図4(e)に示すように大きく移動し(C5参照)、炉径を1.11Dまで大きくした場合にも図4(g)に示すように大きく移動する。この場合も、図では旋回流の渦中心が移動したことを一つの×印で示しているに過ぎず、移動方向は関係しない。
【0050】
従来は、旋回流溶融炉4の中心軸上に外部燃料バーナ4eを配置し、その火炎を中心軸に沿って炉内に導入していたため、その火炎が旋回流Sと衝突して吹き消されたり、あるいは助燃燃料の燃焼が不安定になっていた。そこで、本実施形態では、旋回流の渦中心が旋回流溶融炉40の中心から径方向に偏心した位置に形成されることを実験で検証し、その偏心した旋回流の渦中心Cに向けて助燃燃料の火炎を導入するように構成したため、助燃燃料の火炎が旋回流Sによって吹き消される虞れがなく、旋回流溶融炉4の溶融処理を安定させることができるようになる。
【0051】
また、上述した旋回流溶融炉40の中心から径方向に偏心した位置を具体的に数値で表すと、炉径をDとするときに0.15D〜0.22Dのドーナツ状範囲内であって且つ第4象限の範囲内となる。ただし、180°の位置から略接線方向に熱分解ガスを導入し時計まわりに旋回流を形成するものとする。
【0052】
なお、外部燃料バーナ4eを旋回流溶融炉4の炉頂部に配置するにあたっては、上記したように0.15D〜0.22Dの範囲内であれば、外部燃料バーナ4eを垂直方向に配置してもよく、図2に示したように外部燃料バーナ4eを傾斜配置してもよい。
【0053】
外部燃料バーナ4eを傾斜して配置するのは、旋回流溶融炉4の上部4fが円錐状に形成されておりその傾斜面に安定して固定するためであり、また、旋回流の渦中心軸がその傾斜面の影響を受けて僅かに傾斜面側に傾斜するのに追従させるためでもある。
【0054】
図5(a)は本実施形態に従って旋回流の渦中心に外部燃料バーナ4eを配置したときの炉内温度分布を示し、同図(b)は炉頂内の旋回流の速度ベクトルを示したものである。
【0055】
なお、外部燃料バーナ4eは、例えば軸流式ファンを備えることにより空気を旋回させて噴出するようになっているものであり、その旋回方向は熱分解ガス旋回流の旋回方法と一致している。
【0056】
同図(a)において、外部燃料バーナ4eは旋回流溶融炉4の中心からガス導入部4a寄りに配置されており、火炎Fが形成されている。このときの炉内上部には、図5(b)に示すように、旋回流Sと、火炎流Fが認められる。
【0057】
ところが火炎流Fは旋回流Sの渦中心で発生しており、旋回流Sに影響を与えることがなく、上述したように旋回流Sと同じ方向の旋回流であるため、旋回流Sを助長する効果が得られる。それにより、旋回流溶融炉4内は安定燃焼を行うことができる。
【0058】
図6は比較例として示したものであり、(a)は外部燃料バーナ4eを旋回流の渦中心から外れた位置に配置したときの温度分布を示し、同図(b)は炉頂内の旋回流の流れを示したものである。
【0059】
この比較例では外部燃料バーナ4eをガス導入部4aから遠ざかる側、すなわち旋回流Sの渦中心から外れた位置に配置している。
【0060】
このときの炉頂部内面には、図6(b)に示すように、旋回流Sの流れの途中に火炎流F′が存在することになる。従って、図6(a)に示す温度分布に示されるように、助燃火炎による燃焼効果が低く、吹き消えが発生する虞れが見受けられる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1又は2の本発明によれば、旋回流溶融炉の中心より溶融炉径方向に偏心した位置で発生する旋回流の渦中心寄りの位置に助燃燃料の火炎が位置するように外部燃料バーナを配置しため、溶融炉内の中心から径方向に偏心した位置に発生する熱分解ガスの旋回流渦中心に向けて外部燃料バーナからの火炎が導入され、その火炎が旋回流と衝突してガス流を乱すことがなく、しかも旋回流によって火炎が吹き消される虞れもない。それにより、ガス化炉から燃焼溶融炉に導入される熱分解ガスを安定して燃焼させることができる。
【0062】
請求項3の本発明によれば、外部燃料バーナを、旋回流溶融炉本体の横断面中心を通る線で4分割された一つの象限内に配置するとともに、この一つの象限を、導入部の中心線が旋回流溶融炉の外周線と交わる交点と、横断面中心とを結ぶ線を中心線とする象限としたため、旋回流溶融炉における熱分解ガス導入部の位置を基準として旋回流渦中心を容易に特定することができるため、それにより外部燃料バーナの配置を定めることができる。
【0063】
請求項4の本発明によれば、外部燃料バーナを配置する象限を特定した上で、旋回流溶融炉の直径をDとするとき外部燃料バーナを上記旋回流溶融炉の中心から径方向に0.15D〜0.22Dの範囲内に配置することにより、異なる径の旋回流溶融炉に対しても安定した燃焼を得ることができるようになる。
【0064】
請求項5の本発明によれば、外部燃料バーナを、溶融炉本体の軸に対して傾斜した状態で配置することにより、旋回流溶融炉の上部で旋回流の渦中心軸が傾いている場合であっても、その旋回流の渦中心軸の傾斜に外部燃料バーナを対応させることができる。
【0065】
請求項6の本発明によれば、上記旋回流溶融炉において、旋回流の渦中心が溶融炉本体の上部壁面に接触する部位に、その渦中心に向く方向に中心軸を持つように外部燃料バーナを配置したため、外部燃料バーナからの火炎を確実に渦中心に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る旋回流溶融炉が適用される廃棄物処理設備の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の旋回流溶融炉の構成を示す縦断面図である。
【図3】外部燃料バーナの配置を決めるにあたり各種旋回流溶融炉をパターン化した説明図である。
【図4】パターン化した各旋回流溶融炉内の旋回流の中心を示した説明図である。
【図5】 (a)は本発明による炉内温度分布図、(b)は本発明による炉内の旋回流および助燃燃料の燃焼状態を示す平面図である。
【図6】 (a)は従来例による炉内温度分布図、(b)は従来例による炉内の旋回流および助燃燃料の燃焼状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ごみピット
2 給塵機
3 流動床炉
4 旋回流溶融炉
4a 導入部
4b 旋回溶融部
4c スラグ分離部
4d スラグ抜出部
4e 外部燃料バーナ
4f 溶融炉上部
7 スラグ排出装置
10 廃熱ボイラ
11 ガス冷却器
12 バグフィルタ
14 脱硝装置
15 煙突
16 分離装置
S 旋回流

Claims (6)

  1. 耐火物構造からなる円筒状内周面を持つ溶融炉本体と、この溶融炉本体内で旋回流を形成するように上記溶融炉略接線方向から熱分解ガスを導入する導入部と、溶融炉本体下部に設けられ溶融スラグを排出する排出部とを有する旋回流溶融炉において、
    上記溶融炉略接線方向から熱分解ガスが導入されることで上記旋回流溶融炉の中心より溶融炉径方向に偏心した位置で上記旋回流の渦中心が発生し、この偏心した旋回流の渦中心寄りの位置に外部燃料バーナを配置したことを特徴とする旋回流溶融炉。
  2. 上記溶融炉略接線方向は、上記溶融炉接線方向に対し当該溶融炉の中心方向に傾斜していることを特徴とする請求項1記載の旋回流溶融炉。
  3. 上記外部燃料バーナは、上記旋回流溶融炉本体の横断面中心を通る線で4分割された一つの象限内に配置されており、この一つの象限は、上記導入部の中心線が旋回流溶融炉の外周線と交わる交点と、上記横断面中心とを結ぶ線を中心線とする象限である請求項1又は2記載の旋回流溶融炉。
  4. 上記旋回流溶融炉の直径をDとするとき、上記外部燃料バーナは、上記旋回流溶融炉の中心から径方向に0.15D〜0.22Dの範囲内に配置される請求項2又は3記載の旋回流溶融炉。
  5. 上記外部燃料バーナが、上記溶融炉本体の軸に対して傾斜した状態で配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の旋回流溶融炉。
  6. 旋回流の渦中心が上記溶融炉本体の上部壁面に接触する部位に、その渦中心に向く方向に中心軸を持つように上記外部燃料バーナを配置してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の旋回流溶融炉。
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