JP2000234599A - 送風機用羽根車及びその製造方法 - Google Patents

送風機用羽根車及びその製造方法

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JP2000234599A
JP2000234599A JP11035509A JP3550999A JP2000234599A JP 2000234599 A JP2000234599 A JP 2000234599A JP 11035509 A JP11035509 A JP 11035509A JP 3550999 A JP3550999 A JP 3550999A JP 2000234599 A JP2000234599 A JP 2000234599A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質層の表面を所定径のメッシュ部材でカ
バーすることにより、開口部への塵埃の付着、侵入を防
止し、翼面流れの乱れによる圧力変動を局所的に吸収緩
和させる作用を確保するようにして、翼面との干渉によ
る空力騒音の発生を長期に亘って低減できるようにした
送風機用羽根車及びその製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 この発明の送風機用羽根車は、翼本体4
1の負圧面側に多孔質層45を設け、該多孔質層45を
所定網目径のメッシュ部材46でカバーした。該構成に
よると、上記メッシュ部材46が、多孔質層45の開孔
面への塵埃等の侵入を防ぐとともに、メッシュ部材46
自体も所定網目径の多孔体であるから多孔質層45の圧
力変動吸収作用には影響を与えず、長時間に亘って翼面
流れの乱れによる圧力変動を局所的に吸収緩和し、翼面
との干渉による音の発生を有効に低減することができる
ようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、送風機用
羽根車及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば図3に示されるような空気調和機
用室外機1では、その送風機として、一般に図示のよう
なプロペラファン等の軸流型の羽根車3の回転により熱
交換器を介した風を空気吹出グリル2から外部に吹き出
すようになっている。
【0003】そして、該羽根車3は、複数枚の翼4,
4,4と該複数枚の翼4,4,4を一体化し、ファンモ
ータの駆動軸に固定するハブ5とから構成されている。
【0004】しかし、このような送風機用の羽根車3
は、一般に回転することによって相当の空力騒音を発生
する問題がある。そこで、該空力騒音を低減する方法と
して、これまでに様々な翼形状の改良が施されてきてい
る。そして、それによって翼面流れの乱れを低減した
り、出口部で放出される渦を抑制するようにしている。
そして、そのようにする場合、一般に翼4,4,4を形
成する材料には、主として硬質の合成樹脂材や、金属材
が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な送風機用羽根車の吸い込む気流の状態が安定してお
り、またその前方に流れの分布に影響を与えるような構
造物が存在しない場合には、上述のような硬質性よりな
る翼の形状の改良のみによっても翼面流れを安定させ、
かなりのレベルまで空力騒音を低減させることが可能で
ある。しかし、吸込み気流に乱れがあったり、偏流して
いる場合には、翼形状の改良のみでは十分に空力騒音を
低減することができなかった。つまり、気流の乱れの発
生や増大を抑制することはできるが、すでに存在する乱
れそのものを減少させたり、消滅させることは困難であ
り、この時の気流の乱れと翼面との干渉音をなくすこと
はできなかった。また干渉音を低減させる方法として、
例えば図4のように、翼本体41の負圧面側に凹部44
を形成し、該凹部44内に合成樹脂製の発泡材を充填し
て弾力性のある多孔質層45を形成することにより、気
流の乱れによる圧力変動を吸収緩和して干渉音の発生を
低減することが考えられる。
【0006】なお、符号42は前縁部、43は後縁部を
示す。
【0007】しかし、該構成の場合、長時間運転する
と、気流中の塵埃が多孔質層45表面の開口部を塞ぎ、
上記圧力変動の吸収緩和効果がなくなるばかりか、塵埃
の付着によって翼面が荒れた状態になって、逆に空力騒
音を上昇させる原因となる問題が生ずる。
【0008】この出願の発明は、このような問題を解決
するためになされたもので、上記のような弾力性のある
多孔質層の表面を所定網目径のメッシュ部材でカバーす
ることにより、塵埃による多孔質層開口面の閉塞や荒れ
を防ぎ、翼面流れの乱れによる圧力変動の局所的な吸収
緩和作用を維持させることによって、翼面との干渉によ
る空力騒音の発生を長期に亘って低減できるようにした
送風機用羽根車及びその製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備
えて構成されている。
【0010】(1) 請求項1の発明 この発明の送風機用羽根車は、翼本体41の負圧面側に
弾力性のある多孔質層45を設け、該多孔質層45を所
定網目径のメッシュ部材46でカバーしたことを特徴と
している。
【0011】該構成によると、上記メッシュ部材46
が、弾力性のある多孔質層45の開孔面への塵埃等の侵
入を防ぐとともに、メッシュ部材46自体も所定網目径
の多孔体であるから当該多孔質層45の作用には影響を
与えず、長時間に亘って翼面流れの乱れによる圧力変動
を局所的に吸収緩和し、翼面との干渉による音の発生を
有効に低減することができるようになる。
【0012】(2) 請求項2の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項1記載の発明
の構成において、上記多孔質層45が、合成樹脂製の発
泡材により形成されていることを特徴としている。
【0013】したがって、該構成では、上記合成樹脂製
の発泡材により形成された弾力性のある多孔質層45に
より、上述の請求項1の発明の騒音低減作用が有効に実
現される。
【0014】(3) 請求項3の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項1又は2記載
の発明の構成において、上記メッシュ部材46が、シー
ト状のメッシュ部材であることを特徴としている。
【0015】したがって、該構成では、上記シート状の
メッシュ部材よりなるメッシュ部材46によって上述の
請求項1又は2の発明の騒音低減作用が有効に実現され
る。
【0016】(4) 請求項4の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項2又は3記載
の発明の構成において、上記翼本体41の負圧面側に凹
部44を設け、該凹部44内に合成樹脂製の発泡材を射
出成形して多孔質層45を設けたことを特徴としてい
る。
【0017】したがって、該構成では、翼本体41の負
圧面側に凹部44を形成し、該凹部44内に合成樹脂製
の発泡材を射出成形するのみで、容易に弾力性のある多
孔質層45を設けることができる。
【0018】(5) 請求項5の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項2又は3記載
の発明の構成において、上記翼本体41と該翼本体41
の負圧面側に設けられる合成樹脂製の発泡材よりなる多
孔質層45とを一体に成形したことを特徴としている。
【0019】したがって、該構成では、翼本体41と該
翼本体41の負圧面側に設けられる合成樹脂製の発泡材
よりなる多孔質層45を一体成形することにより、翼本
体41の負圧面側に容易に弾力性のある多孔質層45を
形成することができる。
【0020】(6) 請求項6の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項1,2,3,
4又は5記載の発明の構成において、上記翼本体41の
負圧面側に設けられた多孔質層45をカバーするメッシ
ュ部材46と翼本体41とが、メッシュ部材46の外周
で相互に接合されていることを特徴としている。
【0021】したがって、該構成では、上記メッシュ部
材46を多孔質層45を介して翼本体41側に貼り付け
るか又は相互に溶着することなどの接合方法によって、
容易にメッシュ部材46を翼本体41に一体化すること
ができる。
【0022】(7) 請求項7の発明 この発明の送風機用羽根車の製造方法は、負圧面側に凹
部44を有する翼本体41と、該翼本体41の負圧面側
の凹部44内に設けられる弾力性のある多孔質層45
と、該多孔質層45の上部をカバーするメッシュ部材4
6とを、それぞれ別体に成形し、先ず上記翼本体41の
負圧面側の凹部44に多孔質層45を嵌装し、その後、
該多孔質層45の上部をメッシュ部材46でカバーする
ようにしたことを特徴としている。
【0023】したがって、該構成では、先ず負圧面側に
凹部44を有する翼本体41と、該翼本体41の負圧面
側の凹部44内に設けられる多孔質層45と、該多孔質
層45の上部をカバーするメッシュ部材46とを、それ
ぞれ別体に成形し、次に上記翼本体41の負圧面側の凹
部44に多孔質層45を嵌装し、その後、該多孔質層4
5の上部をメッシュ部材46でカバーすることにより、
容易に翼本体41の負圧面側に目詰まりしない弾力性の
ある多孔質層45を有する送風機用羽根車を製造するこ
とができる。
【0024】(8) 請求項8の発明 この発明の送風機用羽根車の製造方法は、先ず負圧面側
に凹部44を有する翼本体41を成形した後、該成形さ
れた翼本体41の凹部44内に合成樹脂製の発泡材層を
射出成形し、その後、該発泡材層の上部を別途成形した
メッシュ部材46でカバーするようにしたことを特徴と
している。
【0025】したがって、該構成では、先ず負圧面側に
凹部44を有する翼本体41を成形した後、該成形され
た翼本体41の凹部44内に合成樹脂製の発泡材層を射
出成形し、その後、該発泡材層の上部を別途成形したメ
ッシュ部材46でカバーすることにより、容易に翼本体
41の負圧面側に目詰まりしない弾力性のある多孔質層
45を有する送風機用羽根車を製造することができる。
【0026】(9) 請求項9の発明 この発明の送風機用羽根車の製造方法は、負圧面側に多
孔質層45が形成された翼本体41と、該翼本体41の
上記多孔質層45の上部をカバーするメッシュ部材46
とをそれぞれ別々に成形し、それらを、上記メッシュ部
材46の外周で翼本体41側材料を溶融させることによ
り、相互に接合したことを特徴としている。
【0027】したがって、該構成では、負圧面側に多孔
質層45が形成された翼本体41と、該翼本体41の上
記多孔質層45の上部をカバーするメッシュ部材46と
をそれぞれ別々に成形し、それらを、上記メッシュ部材
46の外周で翼本体41側材料を溶融させることによ
り、相互に接合することにより、容易に翼本体41の負
圧面側に目詰まりしない弾力性のある多孔質層45を有
する送風機用羽根車を製造することができる。
【0028】(10) 請求項10の発明 この発明の送風機用羽根車の製造方法は、上記請求項
7,8又は9記載の発明の構成において、翼本体41の
成形は、ハブ部分を含む羽根車全体を一体として成形さ
れるようになっていることを特徴としている。
【0029】したがって、該構成では、ハブ部分を含む
羽根車全体を一体として翼本体41を成形することによ
り、容易に翼本体41の負圧面側に目詰まりしない弾力
性のある多孔質層45を有する送風機用羽根車を製造す
ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上の結果、この出願の発明によると、
運転時間の経過に関係なく、有効な空力騒音低減作用を
有する送風機用の羽根車を提供することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1および図2
は、この出願の発明の実施の形態1に係る送風機用羽根
車の翼構造を示している。
【0032】図中、先ず符号4は、例えば前述したプロ
ペラファン等の軸流型送風機の羽根車に使用される翼で
あり、該翼4は例えば図示のようにファンモータ側の駆
動軸に嵌合固定されるハブ5と合成樹脂材により一体成
形して構成されている。
【0033】該翼4の翼本体41は、前縁部42側で厚
く、後縁部43側で薄いエアホイル構造となっており、
その負圧面側の前縁側端部と後縁部領域を除く流れの乱
れが発生しやすい領域には、所定の深さの凹部44が形
成され、該凹部44内に例えば合成樹脂製の発泡材より
なる連続多孔体構造の弾力性のある多孔質層45が射出
成形して設けられている。
【0034】そして、該多孔質層45の翼負圧面側開口
面部(外面部)には、図示のように所定網目径(例えば
20〜100メッシュ/インチ)のステンレス製金網等
のシート状のメッシュ部材よりなるメッシュ部材46が
被覆状態で設けられ、該メッシュ部材46によって、そ
の開口部を外部に開放した状態で、塵埃等が付着侵入し
ないようにカバーされている。該メッシュ部材46は、
上記翼本体41の負圧面側凹部44外周に上記メッシュ
部材46の外周縁46aの厚さに対応した深さの段部面
47を形成し、該段部面47に上記メッシュ部材46の
外周縁46aを嵌合した後、当該段部面47部分の合成
樹脂材を例えば外部から加熱溶融することにより、上記
メッシュ部材46の外周縁46aに溶融樹脂を含侵付着
させることによって相互に接合して面一な状態で一体化
されている。
【0035】すでに述べたように、上記のような送風機
用羽根車の翼部において、吸い込む気流の状態が安定し
ており、またその前方に流れの分布に影響を与えるよう
な構造物が存在しない場合には、翼形状の改良のみによ
っても翼面の流れを安定させ、かなりのレベルまで空力
騒音を低減させることが可能である。しかし、吸込み気
流に乱れがあったり、偏流している場合には、翼形状の
改良のみでは十分に空力騒音を低減することができな
い。つまり、気流の乱れの発生や増大を抑制することは
できるが、すでに存在する乱れそのものを減少させた
り、消滅させることは困難であり、この時の気流の乱れ
と翼面との干渉音をなくすことはできない。
【0036】そこで、そのような干渉音を低減させる方
法として、前述の図4の構成のように、翼本体41の負
圧面側に凹部44を形成し、該凹部44内に合成樹脂製
の発泡材を充填して弾力性のある多孔質層45を形成す
ることにより、気流の乱れによる圧力変動を局所的に吸
収して干渉音の発生を低減することが考えられる。
【0037】しかし、該構成の場合、多孔質層45外面
の開口部が翼負圧面側にダイレクトに開放されているた
めに、送風機を長時間運転すると、運転時間の経過に従
って気流中の塵埃が付着侵入して当該多孔質層45外面
の開口部を塞ぎ、上記のような圧力変動吸収効果がなく
なるばかりか、塵埃の付着によって翼面が荒れた状態に
なって、逆に空力騒音を上昇させる原因となる。
【0038】ところが、以上の構成の送風機用羽根車の
翼構成では、先ず翼本体41の負圧面側に連続多孔体構
造の弾力性のある多孔質層45を設け、該多孔質層45
を所定網目径のメッシュ部材46でカバーしている。
【0039】したがって、該構成によると、上記メッシ
ュ部材46が、上記多孔質層45外面の開口部への塵埃
等の付着、侵入を防ぐとともに、上記メッシュ部材46
自体も所定網目径の多孔体であるから上記多孔質層45
の干渉音吸収作用には影響を与えず、長時間に亘って翼
面流れの乱れによる圧力変動を局所的に吸収緩和し、翼
面との干渉による音の発生を有効に低減することができ
るようになる。
【0040】その結果、運転時間の経過に関係なく、有
効な空力騒音低減作用を維持することができる送風機用
羽根車を提供することができる。
【0041】また、以上の構成の送風機用羽根車の翼構
成では、上記多孔質層45が、連続多孔体構造で弾力性
がある合成樹脂製の発泡材により形成されている。
【0042】したがって、該構成では、上記発泡材によ
り形成された連続多孔体構造で弾力性のある合成樹脂製
の多孔質層45により、上述の圧力変動吸収による騒音
低減作用が、より効果的に実現される。
【0043】また、以上の構成の送風機用羽根車の翼構
成では、上記メッシュ部材46が、ステンレス金網等の
シート状のメッシュ部材により形成されている。
【0044】したがって、該構成では、上記ステンレス
金網等のシート状のメッシュ部材よりなるメッシュ部材
46によって、上述の塵埃の付着、侵入防止作用が有効
に実現される。
【0045】また、以上の構成の送風機用羽根車の翼構
成では、上記翼本体41の負圧面側に凹部44を設け、
該凹部44内に発泡材を射出成形することによって連続
多孔体構造で弾力性のある多孔質層45を設けている。
【0046】したがって、該構成では、翼本体41の負
圧面側に凹部44を形成し、該凹部44内に発泡材を射
出成形するのみで、容易に連続多孔体構造で弾力性のあ
る多孔質層45を一体に設けることができ、製造が簡単
になる。
【0047】また、以上の構成の送風機用羽根車の翼構
成では、上記翼本体41の負圧面側に設けられた多孔質
層45をカバーするメッシュ部材46と翼本体41と
が、翼本体41側凹部44外周の段部面47とメッシュ
部材46の外周縁46aとの間で上記段部面47を加熱
溶融することによって相互に接合されている。
【0048】したがって、該構成では、上記メッシュ部
材46の外周縁46aを多孔質層45を介して翼本体4
1側凹部44外周の段部面47と相互に加熱溶着して、
容易にメッシュ部材46を翼本体41と一体化すること
ができる。
【0049】ところで、以上の構成の送風機用羽根車の
翼は次のようにして製造される。
【0050】すなわち、先ず負圧面側に凹部44を有す
る翼本体41を成形した後、該成形された翼本体41の
凹部44内に発泡材を射出成形して多孔質層45を形成
し、その後、該多孔質層45の上部を別途成形したメッ
シュ46でカバーし、その外周縁46aを上記凹部44
の段部面47側を加熱溶融して一体化する。
【0051】したがって、該構成では、先ず負圧面側に
凹部44を有する翼本体41を成形した後、該成形され
た翼本体41の凹部44内に発泡材を射出成形して多孔
質層45を形成し、その後、該多孔質層45の上部を別
途成形したメッシュ部材46でカバーすることにより、
容易に翼本体41の負圧面側に目詰まりしない上述のよ
うな多孔質層45を有する送風機用羽根車の翼4を製造
することができる。
【0052】(実施の形態2)以上の実施の形態1の構
成における送風機用羽根車の翼構成では、上記のように
翼本体41の負圧面側に凹部44を形成し、その後、該
凹部44内に発泡材を射出成形するようにしたが、これ
は実施の形態2として、例えば上記翼本体41と該翼本
体41の負圧面側に設けられる発泡材よりなる多孔質層
45とを最初から一体に成形するようにしても良い。
【0053】該構成では、翼本体41と該翼本体41の
負圧面側に設けられる発泡材よりなる多孔質層45を一
体成形するだけで、翼本体41の負圧面側に容易に上述
のような作用を果す多孔質層を形成することができる。
【0054】(実施の形態3)以上の実施の形態1の構
成では、上記シート状のメッシュ部材よりなるメッシュ
部材46の外周縁46aを翼本体41側凹部44外周の
段部面47に対して当該段部面47の方を加熱溶融して
溶着接合するようにしたが、これは、例えば第3の実施
の形態として同部分を接着剤により相互に接合するよう
にしても良い。
【0055】(実施の形態4)また、実施の形態1の送
風機用羽根車の製造方法では、先ず負圧面側に凹部44
を有する翼本体41を成形した後、該成形された翼本体
41の凹部44内に発泡材を射出成形して多孔質層45
を形成し、その後、該多孔質層45の上部を別途成形し
たメッシュ部材46でカバーするようにしたが、これは
例えば負圧面側に凹部44を有する翼本体41と、該翼
本体41の負圧面側の凹部44内に設けられる多孔質層
45と、該多孔質層45の上部をカバーするメッシュ部
材46とを、それぞれ別体に成形して置き、先ず上記翼
本体41の負圧面側の凹部44に多孔質層45を嵌装
し、その後、該多孔質層45の上部を最後にメッシュ部
材46でカバーするようにしても良い。
【0056】該構成では、先ず負圧面側に凹部44を有
する翼本体41と、該翼本体41の負圧面側の凹部44
内に設けられる多孔質層45と、該多孔質層45の上部
をカバーするメッシュ部材46とを、それぞれ別体に成
形し、次に上記翼本体41の負圧面側の凹部44に多孔
質層45を嵌装し、その後、該多孔質層45の上部をメ
ッシュ部材46でカバーすることにより、容易に翼本体
41の負圧面側に目詰まりしない多孔質層45を有する
送風機用羽根車を製造することができる。
【0057】(実施の形態5)また、上記送風機用羽根
車の製造方法は、その他の方法として、例えば負圧面側
に多孔質層45が一体成形された翼本体41と、該翼本
体41の上記多孔質層45の上部をカバーするメッシュ
部材46とをそれぞれ別々に成形し、それらを、上記メ
ッシュ部材46の外周で翼本体41側材料を溶融させる
ことにより、相互に付着接合するようにしても良い。
【0058】該構成では、負圧面側に多孔質層45が一
体成形された翼本体41と、該翼本体41の上記多孔質
層45の上部をカバーするメッシュ部材46とをそれぞ
れ別々に成形し、それらを、上記シート状のメッシュ部
材46の外周で翼本体41側材料を溶融させることによ
り、相互に付着接合することにより、容易に翼本体41
の負圧面側に目詰まりしない多孔質層45を有する送風
機用羽根車を製造することができる。
【0059】(実施の形態6)さらに、また上記送風機
用羽根車の製造方法は、上記何れの製造方法を採用した
場合においても、例えば上記翼本体41の成形は、ハブ
5部分と翼4,4,4とを含む羽根車全体を一体として
成形することができる。
【0060】該構成では、ハブ5および翼4,4,4部
分からなる羽根車全体を一体として翼本体41を成形す
ることにより、容易に翼本体41の負圧面側に目詰まり
しない多孔質層45を有する送風機用羽根車を製造する
ことができる。
【0061】(他の実施の形態)なお、以上の実施の形
態では、メッシュ部材46として、例えばステンレス製
金網の場合を例示したが、これは製造コストやリサイク
ル性を考慮すると、合成樹脂製のメッシュ部材が適して
いる。さらに、その場合において、屋外での使用である
ことを考慮すると、発水性のある合成樹脂製のメッシュ
部材であることがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の実施の形態1に係る送風機用
羽根車の断面図(図2のA−A)である。
【図2】同平面図である。
【図3】従来一般の空気調和機用室外機の正面図であ
る。
【図4】同室外機の送風機用羽根車に使用されている翼
部の改良検討例の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
4は翼、41は翼本体、44は凹部、45は多孔質層、
46はメッシュ部材、46aは外周縁4、47は段部面
である。
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月17日(2000.5.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 送風機用羽根車及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、送風機用
羽根車及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば図3に示されるような空気調和機
用室外機1では、その送風機として、一般に図示のよう
なプロペラファン等の軸流型の羽根車3の回転により熱
交換器を介した風を空気吹出グリル2から外部に吹き出
すようになっている。
【0003】そして、該羽根車3は、複数枚の翼4,
4,4と該複数枚の翼4,4,4を一体化し、ファンモ
ータの駆動軸に固定するハブ5とから構成されている。
【0004】しかし、このような送風機用の羽根車3
は、一般に回転することによって相当の空力騒音を発生
する問題がある。そこで、該空力騒音を低減する方法と
して、これまでに様々な翼形状の改良が施されてきてい
る。そして、それによって翼面流れの乱れを低減した
り、出口部で放出される渦を抑制するようにしている。
そして、そのようにする場合、一般に翼4,4,4を形
成する材料には、主として硬質の合成樹脂材や、金属材
が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な送風機用羽根車の吸い込む気流の状態が安定してお
り、またその前方に流れの分布に影響を与えるような構
造物が存在しない場合には、上述のような硬質性よりな
る翼の形状の改良のみによっても翼面流れを安定させ、
かなりのレベルまで空力騒音を低減させることが可能で
ある。しかし、吸込み気流に乱れがあったり、偏流して
いる場合には、翼形状の改良のみでは十分に空力騒音を
低減することができなかった。つまり、気流の乱れの発
生や増大を抑制することはできるが、すでに存在する乱
れそのものを減少させたり、消滅させることは困難であ
り、この時の気流の乱れと翼面との干渉音をなくすこと
はできなかった。また干渉音を低減させる方法として、
例えば図4のように、翼本体41の負圧面側に凹部44
を形成し、該凹部44内に合成樹脂製の発泡材を充填し
て弾力性のある多孔質層45を形成することにより、気
流の乱れによる圧力変動を吸収緩和して干渉音の発生を
低減することが考えられる。
【0006】なお、符号42は前縁部、43は後縁部を
示す。
【0007】しかし、該構成の場合、長時間運転する
と、気流中の塵埃が多孔質層45表面の開口部を塞ぎ、
上記圧力変動の吸収緩和効果がなくなるばかりか、塵埃
の付着によって翼面が荒れた状態になって、逆に空力騒
音を上昇させる原因となる問題が生ずる。
【0008】この出願の発明は、このような問題を解決
するためになされたもので、上記のような弾力性のある
多孔質層の表面を所定網目径のメッシュ部材でカバーす
ることにより、塵埃による多孔質層開口面の閉塞や荒れ
を防ぎ、翼面流れの乱れによる圧力変動の局所的な吸収
緩和作用を維持させることによって、翼面との干渉によ
る空力騒音の発生を長期に亘って低減できるようにした
送風機用羽根車及びその製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備
えて構成されている。
【0010】(1) 請求項1の発明 この発明の送風機用羽根車は、翼本体41の負圧面側に
弾力性のある多孔質層45を設け、該多孔質層45を所
定網目径のシート状のメッシュ部材46でカバーしたこ
とを特徴としている。
【0011】該構成によると、上記シート状のメッシュ
部材46が、弾力性のある多孔質層45の開孔面への塵
埃等の侵入を防ぐとともに、メッシュ部材46自体も所
定網目径の多孔体であるから当該多孔質層45の作用に
は影響を与えず、長時間に亘って翼面流れの乱れによる
圧力変動を局所的に吸収緩和し、翼面との干渉による音
の発生を有効に低減することができるようになる。
【0012】(2) 請求項2の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項1記載の発明
の構成において、上記多孔質層45が、合成樹脂製の発
泡材により形成されていることを特徴としている。
【0013】したがって、該構成では、上記合成樹脂製
の発泡材により形成された弾力性のある多孔質層45に
より、上述の請求項1の発明の騒音低減作用が有効に実
現される。
【0014】(3) 請求項3の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項2記載の発明
の構成において、上記翼本体41の負圧面側に凹部44
を設け、該凹部44内に合成樹脂製の発泡材を射出成形
して多孔質層45を設けたことを特徴としている。
【0015】したがって、該構成では、翼本体41の負
圧面側に凹部44を形成し、該凹部44内に合成樹脂製
の発泡材を射出成形するのみで、容易に弾力性のある多
孔質層45を設けることができる。
【0016】(4) 請求項4の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項2記載の発明
の構成において、上記翼本体41と該翼本体41の負圧
面側に設けられる合成樹脂製の発泡材よりなる多孔質層
45とを一体に成形したことを特徴としている。
【0017】したがって、該構成では、翼本体41と該
翼本体41の負圧面側に設けられる合成樹脂製の発泡材
よりなる多孔質層45を一体成形することにより、翼本
体41の負圧面側に容易に弾力性のある多孔質層45を
形成することができる。
【0018】(5) 請求項5の発明 この発明の送風機用羽根車は、上記請求項1,2,3又
は4記載の発明の構成において、上記翼本体41の負圧
面側に設けられた多孔質層45をカバーするメッシュ部
材46と翼本体41とが、メッシュ部材46の外周で相
互に接合されていることを特徴としている。
【0019】したがって、該構成では、上記メッシュ部
材46を多孔質層45を介して翼本体41側に貼り付け
るか又は相互に溶着することなどの接合方法によって、
容易にメッシュ部材46を翼本体41に一体化すること
ができる。
【0020】(6) 請求項6の発明 この発明の送風機用羽根車の製造方法は、負圧面側に凹
部44を有する翼本体41と、該翼本体41の負圧面側
の凹部44内に設けられる弾力性のある多孔質層45
と、該多孔質層45の上部をカバーするメッシュ部材4
6とを、それぞれ別体に成形し、先ず上記翼本体41の
負圧面側の凹部44に多孔質層45を嵌装し、その後、
該多孔質層45の上部をメッシュ部材46でカバーする
ようにしたことを特徴としている。
【0021】したがって、該構成では、先ず負圧面側に
凹部44を有する翼本体41と、該翼本体41の負圧面
側の凹部44内に設けられる多孔質層45と、該多孔質
層45の上部をカバーするメッシュ部材46とを、それ
ぞれ別体に成形し、次に上記翼本体41の負圧面側の凹
部44に多孔質層45を嵌装し、その後、該多孔質層4
5の上部をメッシュ部材46でカバーすることにより、
容易に翼本体41の負圧面側に目詰まりしない弾力性の
ある多孔質層45を有する送風機用羽根車を製造するこ
とができる。
【0022】(7) 請求項7の発明 この発明の送風機用羽根車の製造方法は、先ず負圧面側
に凹部44を有する翼本体41を成形した後、該成形さ
れた翼本体41の凹部44内に合成樹脂製の発泡材層を
射出成形し、その後、該発泡材層の上部を別途成形した
メッシュ部材46でカバーするようにしたことを特徴と
している。
【0023】したがって、該構成では、先ず負圧面側に
凹部44を有する翼本体41を成形した後、該成形され
た翼本体41の凹部44内に合成樹脂製の発泡材層を射
出成形し、その後、該発泡材層の上部を別途成形したメ
ッシュ部材46でカバーすることにより、容易に翼本体
41の負圧面側に目詰まりしない弾力性のある多孔質層
45を有する送風機用羽根車を製造することができる。
【0024】(8) 請求項8の発明 この発明の送風機用羽根車の製造方法は、負圧面側に多
孔質層45が形成された翼本体41と、該翼本体41の
上記多孔質層45の上部をカバーするメッシュ部材46
とをそれぞれ別々に成形し、それらを、上記メッシュ部
材46の外周で翼本体41側材料を溶融させることによ
り、相互に接合したことを特徴としている。
【0025】したがって、該構成では、負圧面側に多孔
質層45が形成された翼本体41と、該翼本体41の上
記多孔質層45の上部をカバーするメッシュ部材46と
をそれぞれ別々に成形し、それらを、上記メッシュ部材
46の外周で翼本体41側材料を溶融させることによ
り、相互に接合することにより、容易に翼本体41の負
圧面側に目詰まりしない弾力性のある多孔質層45を有
する送風機用羽根車を製造することができる。
【0026】(9) 請求項9の発明 この発明の送風機用羽根車の製造方法は、上記請求項
6,7又は8記載の発明の構成において、翼本体41の
成形は、ハブ部分を含む羽根車全体を一体として成形さ
れるようになっていることを特徴としている。
【0027】したがって、該構成では、ハブ部分を含む
羽根車全体を一体として翼本体41を成形することによ
り、容易に翼本体41の負圧面側に目詰まりしない弾力
性のある多孔質層45を有する送風機用羽根車を製造す
ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上の結果、この出願の発明によると、
運転時間の経過に関係なく、有効な空力騒音低減作用を
有する送風機用の羽根車を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1および図2
は、この出願の発明の実施の形態1に係る送風機用羽根
車の翼構造を示している。
【0030】図中、先ず符号4は、例えば前述したプロ
ペラファン等の軸流型送風機の羽根車に使用される翼で
あり、該翼4は例えば図示のようにファンモータ側の駆
動軸に嵌合固定されるハブ5と合成樹脂材により一体成
形して構成されている。
【0031】該翼4の翼本体41は、前縁部42側で厚
く、後縁部43側で薄いエアホイル構造となっており、
その負圧面側の前縁側端部と後縁部領域を除く流れの乱
れが発生しやすい領域には、所定の深さの凹部44が形
成され、該凹部44内に例えば合成樹脂製の発泡材より
なる連続多孔体構造の弾力性のある多孔質層45が射出
成形して設けられている。
【0032】そして、該多孔質層45の翼負圧面側開口
面部(外面部)には、図示のように所定網目径(例えば
20〜100メッシュ/インチ)のステンレス製金網等
のシート状のメッシュ部材よりなるメッシュ部材46が
被覆状態で設けられ、該メッシュ部材46によって、そ
の開口部を外部に開放した状態で、塵埃等が付着侵入し
ないようにカバーされている。該メッシュ部材46は、
上記翼本体41の負圧面側凹部44外周に上記メッシュ
部材46の外周縁46aの厚さに対応した深さの段部面
47を形成し、該段部面47に上記メッシュ部材46の
外周縁46aを嵌合した後、当該段部面47部分の合成
樹脂材を例えば外部から加熱溶融することにより、上記
メッシュ部材46の外周縁46aに溶融樹脂を含侵付着
させることによって相互に接合して面一な状態で一体化
されている。
【0033】すでに述べたように、上記のような送風機
用羽根車の翼部において、吸い込む気流の状態が安定し
ており、またその前方に流れの分布に影響を与えるよう
な構造物が存在しない場合には、翼形状の改良のみによ
っても翼面の流れを安定させ、かなりのレベルまで空力
騒音を低減させることが可能である。しかし、吸込み気
流に乱れがあったり、偏流している場合には、翼形状の
改良のみでは十分に空力騒音を低減することができな
い。つまり、気流の乱れの発生や増大を抑制することは
できるが、すでに存在する乱れそのものを減少させた
り、消滅させることは困難であり、この時の気流の乱れ
と翼面との干渉音をなくすことはできない。
【0034】そこで、そのような干渉音を低減させる方
法として、前述の図4の構成のように、翼本体41の負
圧面側に凹部44を形成し、該凹部44内に合成樹脂製
の発泡材を充填して弾力性のある多孔質層45を形成す
ることにより、気流の乱れによる圧力変動を局所的に吸
収して干渉音の発生を低減することが考えられる。
【0035】しかし、該構成の場合、多孔質層45外面
の開口部が翼負圧面側にダイレクトに開放されているた
めに、送風機を長時間運転すると、運転時間の経過に従
って気流中の塵埃が付着侵入して当該多孔質層45外面
の開口部を塞ぎ、上記のような圧力変動吸収効果がなく
なるばかりか、塵埃の付着によって翼面が荒れた状態に
なって、逆に空力騒音を上昇させる原因となる。
【0036】ところが、以上の構成の送風機用羽根車の
翼構成では、先ず翼本体41の負圧面側に連続多孔体構
造の弾力性のある多孔質層45を設け、該多孔質層45
を所定網目径のメッシュ部材46でカバーしている。
【0037】したがって、該構成によると、上記シート
状のメッシュ部材46が、上記多孔質層45外面の開口
部への塵埃等の付着、侵入を防ぐとともに、上記メッシ
ュ部材46自体も所定網目径の多孔体であるから上記多
孔質層45の干渉音吸収作用には影響を与えず、長時間
に亘って翼面流れの乱れによる圧力変動を局所的に吸収
緩和し、翼面との干渉による音の発生を有効に低減する
ことができるようになる。
【0038】その結果、運転時間の経過に関係なく、有
効な空力騒音低減作用を維持することができる送風機用
羽根車を提供することができる。
【0039】また、以上の構成の送風機用羽根車の翼構
成では、上記多孔質層45が、連続多孔体構造で弾力性
がある合成樹脂製の発泡材により形成されている。
【0040】したがって、該構成では、上記発泡材によ
り形成された連続多孔体構造で弾力性のある合成樹脂製
の多孔質層45により、上述の圧力変動吸収による騒音
低減作用が、より効果的に実現される。
【0041】また、以上の構成の送風機用羽根車の翼構
成では、上記メッシュ部材46が、ステンレス金網等の
シート状のメッシュ部材により形成されている。
【0042】したがって、該構成では、上記ステンレス
金網等のシート状のメッシュ部材よりなるメッシュ部材
46によって、上述の塵埃の付着、侵入防止作用が有効
に実現される。
【0043】また、以上の構成の送風機用羽根車の翼構
成では、上記翼本体41の負圧面側に凹部44を設け、
該凹部44内に発泡材を射出成形することによって連続
多孔体構造で弾力性のある多孔質層45を設けている。
【0044】したがって、該構成では、翼本体41の負
圧面側に凹部44を形成し、該凹部44内に発泡材を射
出成形するのみで、容易に連続多孔体構造で弾力性のあ
る多孔質層45を一体に設けることができ、製造が簡単
になる。
【0045】また、以上の構成の送風機用羽根車の翼構
成では、上記翼本体41の負圧面側に設けられた多孔質
層45をカバーするメッシュ部材46と翼本体41と
が、翼本体41側凹部44外周の段部面47とメッシュ
部材46の外周縁46aとの間で上記段部面47を加熱
溶融することによって相互に接合されている。
【0046】したがって、該構成では、上記メッシュ部
材46の外周縁46aを多孔質層45を介して翼本体4
1側凹部44外周の段部面47と相互に加熱溶着して、
容易にメッシュ部材46を翼本体41と一体化すること
ができる。
【0047】ところで、以上の構成の送風機用羽根車の
翼は次のようにして製造される。
【0048】すなわち、先ず負圧面側に凹部44を有す
る翼本体41を成形した後、該成形された翼本体41の
凹部44内に発泡材を射出成形して多孔質層45を形成
し、その後、該多孔質層45の上部を別途成形したメッ
シュ46でカバーし、その外周縁46aを上記凹部44
の段部面47側を加熱溶融して一体化する。
【0049】したがって、該構成では、先ず負圧面側に
凹部44を有する翼本体41を成形した後、該成形され
た翼本体41の凹部44内に発泡材を射出成形して多孔
質層45を形成し、その後、該多孔質層45の上部を別
途成形したメッシュ部材46でカバーすることにより、
容易に翼本体41の負圧面側に目詰まりしない上述のよ
うな多孔質層45を有する送風機用羽根車の翼4を製造
することができる。
【0050】(実施の形態2)以上の実施の形態1の構
成における送風機用羽根車の翼構成では、上記のように
翼本体41の負圧面側に凹部44を形成し、その後、該
凹部44内に発泡材を射出成形するようにしたが、これ
は実施の形態2として、例えば上記翼本体41と該翼本
体41の負圧面側に設けられる発泡材よりなる多孔質層
45とを最初から一体に成形するようにしても良い。
【0051】該構成では、翼本体41と該翼本体41の
負圧面側に設けられる発泡材よりなる多孔質層45を一
体成形するだけで、翼本体41の負圧面側に容易に上述
のような作用を果す多孔質層を形成することができる。
【0052】(実施の形態3)以上の実施の形態1の構
成では、上記シート状のメッシュ部材よりなるメッシュ
部材46の外周縁46aを翼本体41側凹部44外周の
段部面47に対して当該段部面47の方を加熱溶融して
溶着接合するようにしたが、これは、例えば第3の実施
の形態として同部分を接着剤により相互に接合するよう
にしても良い。
【0053】(実施の形態4)また、実施の形態1の送
風機用羽根車の製造方法では、先ず負圧面側に凹部44
を有する翼本体41を成形した後、該成形された翼本体
41の凹部44内に発泡材を射出成形して多孔質層45
を形成し、その後、該多孔質層45の上部を別途成形し
たメッシュ部材46でカバーするようにしたが、これは
例えば負圧面側に凹部44を有する翼本体41と、該翼
本体41の負圧面側の凹部44内に設けられる多孔質層
45と、該多孔質層45の上部をカバーするメッシュ部
材46とを、それぞれ別体に成形して置き、先ず上記翼
本体41の負圧面側の凹部44に多孔質層45を嵌装
し、その後、該多孔質層45の上部を最後にメッシュ部
材46でカバーするようにしても良い。
【0054】該構成では、先ず負圧面側に凹部44を有
する翼本体41と、該翼本体41の負圧面側の凹部44
内に設けられる多孔質層45と、該多孔質層45の上部
をカバーするメッシュ部材46とを、それぞれ別体に成
形し、次に上記翼本体41の負圧面側の凹部44に多孔
質層45を嵌装し、その後、該多孔質層45の上部をメ
ッシュ部材46でカバーすることにより、容易に翼本体
41の負圧面側に目詰まりしない多孔質層45を有する
送風機用羽根車を製造することができる。
【0055】(実施の形態5)また、上記送風機用羽根
車の製造方法は、その他の方法として、例えば負圧面側
に多孔質層45が一体成形された翼本体41と、該翼本
体41の上記多孔質層45の上部をカバーするメッシュ
部材46とをそれぞれ別々に成形し、それらを、上記メ
ッシュ部材46の外周で翼本体41側材料を溶融させる
ことにより、相互に付着接合するようにしても良い。
【0056】該構成では、負圧面側に多孔質層45が一
体成形された翼本体41と、該翼本体41の上記多孔質
層45の上部をカバーするメッシュ部材46とをそれぞ
れ別々に成形し、それらを、上記シート状のメッシュ部
材46の外周で翼本体41側材料を溶融させることによ
り、相互に付着接合することにより、容易に翼本体41
の負圧面側に目詰まりしない多孔質層45を有する送風
機用羽根車を製造することができる。
【0057】(実施の形態6)さらに、また上記送風機
用羽根車の製造方法は、上記何れの製造方法を採用した
場合においても、例えば上記翼本体41の成形は、ハブ
5部分と翼4,4,4とを含む羽根車全体を一体として
成形することができる。
【0058】該構成では、ハブ5および翼4,4,4部
分からなる羽根車全体を一体として翼本体41を成形す
ることにより、容易に翼本体41の負圧面側に目詰まり
しない多孔質層45を有する送風機用羽根車を製造する
ことができる。
【0059】(他の実施の形態)なお、以上の実施の形
態では、メッシュ部材46として、例えばステンレス製
金網の場合を例示したが、これは製造コストやリサイク
ル性を考慮すると、合成樹脂製のメッシュ部材が適して
いる。さらに、その場合において、屋外での使用である
ことを考慮すると、発水性のある合成樹脂製のメッシュ
部材であることがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の実施の形態1に係る送風機用
羽根車の断面図(図2のA−A)である。
【図2】同平面図である。
【図3】従来一般の空気調和機用室外機の正面図であ
る。
【図4】同室外機の送風機用羽根車に使用されている翼
部の改良検討例の構造を示す断面図である。
【符号の説明】 4は翼、41は翼本体、44は凹部、45は多孔質層、
46はメッシュ部材、46aは外周縁4、47は段部面
である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼本体(41)の負圧面側に弾力性のあ
    る多孔質層(45)を設け、該多孔質層(45)を所定
    網目径のメッシュ部材(46)でカバーしたことを特徴
    とする送風機用羽根車。
  2. 【請求項2】 多孔質層(45)は、合成樹脂製の発泡
    材により形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の送風機用羽根車。
  3. 【請求項3】 メッシュ部材(46)は、シート状のメ
    ッシュ部材であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の送風機用羽根車。
  4. 【請求項4】 翼本体(41)の負圧面側に凹部(4
    4)を設け、該凹部(44)内に合成樹脂製の発泡材を
    射出成形して多孔質層(45)を設けたことを特徴とす
    る請求項2又は3記載の送風機用羽根車。
  5. 【請求項5】 翼本体(41)と該翼本体(41)の負
    圧面側に設けられる合成樹脂製の発泡材よりなる多孔質
    層(45)とを一体に成形したことを特徴とする請求項
    2又は3記載の送風機用羽根車。
  6. 【請求項6】 翼本体(41)の負圧面側に設けられた
    多孔質層(45)をカバーするメッシュ部材(46)と
    翼本体(41)とは、メッシュ部材(46)の外周で相
    互に接合されていることを特徴とする請求項1,2,
    3,4又は5記載の送風機用羽根車。
  7. 【請求項7】 負圧面側に凹部(44)を有する翼本体
    (41)と、該翼本体(41)の負圧面側の凹部(4
    4)内に設けられる弾力性のある多孔質層(45)と、
    該多孔質層(45)の上部をカバーするメッシュ部材
    (46)とを、それぞれ別体に成形し、先ず上記翼本体
    (41)の負圧面側の凹部(44)に多孔質層(45)
    を嵌装し、その後、該多孔質層(45)の上部をメッシ
    ュ部材(46)でカバーするようにしたことを特徴とす
    る送風機用羽根車の製造方法。
  8. 【請求項8】 先ず負圧面側に凹部(44)を有する翼
    本体(41)を成形した後、該成形された翼本体(4
    1)の凹部(44)内に合成樹脂製の発泡材層を射出成
    形し、その後、該発泡材層の上部を別途成形したメッシ
    ュ部材(46)でカバーするようにしたことを特徴とす
    る送風機用羽根車の製造方法。
  9. 【請求項9】 負圧面側に多孔質層(45)が形成され
    た翼本体(41)と該翼本体(41)の上記多孔質層
    (45)の上部をカバーするメッシュ部材(46)とを
    それぞれ別々に成形し、それらを、上記メッシュ部材
    (46)の外周で翼本体(41)側材料を溶融させるこ
    とにより、相互に接合して一体化するようにしたことを
    特徴とする送風機用羽根車の製造方法。
  10. 【請求項10】 翼本体(41)の成形は、ハブ部分を
    含む羽根車全体を一体として成形されるようになってい
    ることを特徴とする請求項7,8又は9記載の送風機用
    羽根車の製造方法。
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