JP2000234179A - 木材との接着接合耐久性に優れた亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼管及びその製造方法 - Google Patents

木材との接着接合耐久性に優れた亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼管及びその製造方法

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JP2000234179A
JP2000234179A JP11033617A JP3361799A JP2000234179A JP 2000234179 A JP2000234179 A JP 2000234179A JP 11033617 A JP11033617 A JP 11033617A JP 3361799 A JP3361799 A JP 3361799A JP 2000234179 A JP2000234179 A JP 2000234179A
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Kenji Koshiishi
謙二 輿石
Toshiaki Fujiwara
敏明 藤原
Takumi Honda
匠 本田
Mayumi Yamamoto
真由美 山本
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着性及び耐湿耐久性に優れ、異種材料に対
しても接着可能な亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形
鋼管を得る。 【構成】 この亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼
管は、ガラス転移温度60〜100℃,酸価20〜40
KOHmg/gのポリウレタン樹脂の水性エマルジョン
(A),1分子中に2個以上のエポキシ基をもち、エポ
キシ当量が180〜280のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂の水系エマルジョン(B)及びコロイダルシリカ
(C)を必須成分とし、ポリウレタン樹脂(A)100
重量部に対しエポキシ樹脂(B)を2〜5重量部,
(A)+(B)の合計重量に対して15〜30重量部の
コロイダルシリカ(C)が配合された水性樹脂組成物の
皮膜が好ましくは付着量1〜10g/m2 で外表面に形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛ーアルミニウム系
合金めっき角形鋼管と木材とをウレタン系樹脂接着剤で
接着接合して使用する際、高温多湿条件下においても優
れた接着耐久性を示す亜鉛−アルミニウム系めっき角形
鋼管及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料の接合には、溶接,リベット等
の接合方法が従来から採用されているが、材料の複合化
が進む中で異種金属材料や異種材料との接合が多くなっ
てきている。異種金属材料や異種材料を溶接,リベット
等で接合すると、接合部において電食や応力集中により
疲労強度の不足等が避けられない。そこで、溶接やリベ
ットに代わる方法として、樹脂接着剤を用いた接着技術
が検討されている。金属材料の接着では、接着部の耐湿
接着性が最も大きな問題になる。たとえば、金属用接着
剤として使用されているエポキシ系樹脂接着剤では、接
着部を高湿雰囲気に長時間放置すると接着力が大きく低
下する。吸湿による接着力の低下は、特に接着された金
属材料が長期間にわたって屋外で使用される用途では致
命的な欠点になる。
【0003】接着力の低下を防止するため、金属材料に
各種の接着用表面処理が施されている。たとえば、表面
の物理的な研削,アルミニウム系素材ではリン酸を用い
た陽極酸化処理,普通鋼や亜鉛めっき鋼ではリン酸亜鉛
処理後のクロメート処理又は電着塗装等が挙げられる。
これらの接着用表面処理は、処理後直ちに接着すること
が機能を発揮させる前提になるが、処理された表面に大
気中の汚染物質が吸着されやすい。汚染物質の吸着は、
接着性を低下させる原因になる。処理面の接着剤に対す
る優れた接着性を発現させるためには、接着剤成分と高
い相溶性及び反応性をもつ有機皮膜を金属材料に塗布し
たようなプライマー被覆材料を用いる必要がある。とこ
ろが、一般的に高分子材料である接着用プライマー組成
物は、水により膨潤,可塑化するため、高温多湿条件下
では十分な耐湿性が得られない。
【0004】最近では、強靭性及び品質設計の自由度か
らウレタン系樹脂接着剤が多用されている。ウレタン系
樹脂接着剤は、エポキシ系樹脂接着剤に比較して強靭な
硬化物が得られ、しかも低粘度化,塗布作業が容易であ
る。特に、木材との接着では、木材に含まれている繊維
質の水酸基とウレタン系樹脂接着剤の硬化成分であるイ
ソシアネートが常温で化学反応するため、極めて高い接
着強度が得られる。しかし、金属材料の接着に際して
は、金属材料表面にイソシアネートと反応すべき水酸基
が十分に存在しないため、強い接着強度が得られ難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近のプレ
ハブ住宅等の住宅構造部には、亜鉛めっき角形鋼管及び
木材を併用した個所が多数ある。併用個所で亜鉛めっき
角形鋼管を木材と結合するとき、溶接が不可能なためウ
レタン系接着剤を用いて接合接着している。しかし、ウ
レタン系接着剤は、木材に対して非常に強い接着性を示
すが、亜鉛めっき角形鋼管に対しては十分な接着性を示
さない。そのため、接着に先立って亜鉛めっき角形鋼管
をサンドブラスト処理で粗面化している。サンドブラス
ト処理は、接着部の表面積を大きくしてアンカー効果に
より接合力を向上させるだけであり、ウレタン系接着剤
との化学結合性が大きく低下する。しかも、サンドブラ
スト処理により亜鉛めっき層の厚みが減少するため、耐
食性も劣化する。そこで、ウレタン系接着剤に対して強
い接着性を示し、且つ接着部の耐湿性にも優れためっき
角形鋼管の要望が高まっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような要
求に応えるべく案出されたものであり、ポリウレタン樹
脂,エポキシ樹脂,コロイダルシリカを含む水性樹脂組
成物の皮膜を形成することにより、接着部の耐湿性が優
れ、特にウレタン系接着剤を用いて木材と接着するとき
優れた接着接合耐久性を示す亜鉛−アルミニウム系合金
めっき角形鋼管を提供することを目的とする。
【0007】本発明の亜鉛−アルミニウム系合金めっき
角形鋼管は、その目的を達成するため、亜鉛−アルミニ
ウム系合金めっき角形鋼管の外表面に、(A)ガラス転
移温度が60〜100℃,酸価が20〜40KOHmg
/gであるポリウレタン樹脂の水性エマルジョンと、
(B)1分子中に2個以上のエポキシ基をもち、エポキ
シ当量が180〜280であるビスフェノールA型エポ
キシ樹脂の水系エマルジョンと(C)コロイダルシリカ
を必須成分とし、(A)のポリウレタン樹脂100重量
部に対し(B)のエポキシ樹脂を2〜5重量部,(C)
のコロイダルシリカを(A)+(B)の合計重量に対し
て15〜30重量部配合した水性樹脂組成物の皮膜を被
覆したことを特徴とする。水性樹脂組成物の皮膜は、付
着量1〜10g/m2 で形成することが好ましい。
【0008】ポストコート方式では、水性樹脂組成物を
亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼管の外表面に塗
布し、水性樹脂組成物に含まれているポリウレタン樹脂
のガラス転移温度よりも40〜80℃高い温度域で乾燥
焼付けすることにより、亜鉛−アルミニウム系合金めっ
き角形鋼管を製造する。プレコート方式では、乾燥後の
付着量が1〜10mg/m2 となるように請求項1記載
の水性樹脂組成物を亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼
板に塗布し、水性樹脂組成物に含まれているポリウレタ
ン樹脂のガラス転移温度よりも40〜80℃高い温度域
で乾燥焼付けし、次いで角形鋼管に成形加工する。
【0009】
【実施の形態】水性樹脂組成物の一成分であるポリウレ
タン樹脂としては、種類が特に制約されるものではな
く、2官能性ポリオールとグリコール及びジイソシアネ
ートとの反応で生成するポリウレタン樹脂の水系エマル
ジョンを使用できる。ポリウレタン樹脂は、ポリオール
及びポリイソシアネートで構成される樹脂である。ポリ
オール成分には、ポリエステルポリオール,ポリカプロ
ラクトンポリオール等がある。ポリイソシアネート成分
には、トリエンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイ
ソシアネート,イソホロンジイソシアネート,4,4−
ジフェニルメタンジイソシアネート,1,5−ナフチレ
ンジイソシアネート,トリレンジイソシアネート,キシ
リレンジイソシアネート等がある。グリコール成分に
は、エチレングリコール,ポリアルキレングリコール,
1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,
ビスヒドロキシベンゼン等がある。
【0010】ポリウレタン樹脂には、接着部の耐湿性を
向上するため、ガラス転移温度を60〜100℃の範囲
に調整したものが使用される。60℃未満のガラス転移
温度では、温水によって皮膜が容易に膨潤し、高温多湿
条件下での接着耐久性が大きく低下する。逆にガラス転
移温度が100℃を超えると、皮膜が硬くなりすぎて応
力集中を起こし易くなり、接着性が低下する。ポリウレ
タン樹脂の酸価は、耐湿性を確保するため樹脂固形分1
g当り20〜40K0Hmg(好ましくは、20〜35
KOHmg)の範囲に調整される。この範囲を外れる酸
価では、耐湿性が低下しやすい。
【0011】エポキシ樹脂としては、可撓性及び防食性
に優れた塗膜を形成することから、1分子中に2個以上
のエポキシ基をもち、エポキシ当量が180〜250の
範囲にあるものが使用される。特に、ビスフェノール系
化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応によって得ら
れ、次の化学構造をもつビスフェノールA型ジグリシジ
ルエーテルが好適である。エポキシ当量が180〜25
0の範囲を外れると、耐湿性が劣化する傾向を示す。
【0012】 ただし、nは0を含む自然数
【0013】水性樹脂組成物に配合されるコロイダルシ
リカ(C)としては、コロイド状に水に分散させた超微
粒子シリカ,超微粒子粉末シリカ等がある。何れの場合
も、一次粒子の粒径は5〜50nm,好ましくは、10
〜30nmのものである。粒径が小さくなるほど耐食性
が向上するが、5nmより小さな粒径では非常に高価な
特殊シリカとなるので経済的でない。逆に、50nmを
超える粒径では、造膜性が著しく劣化し、接着耐久性が
不充分になる。充填材として添加されるコロイダルシリ
カは、樹脂とのバインダー力を高め、更に外部に対する
バリアー効果を発揮する。その結果、耐湿性,接着耐久
性が向上するものと推察される。この点、コロイダルシ
リカを含まない樹脂組成物の皮膜では、接着剤と金属表
面との界面への水分侵入を積極的に抑制できないため、
初期の接着強度が良好であっても、高温多湿条件下で接
着耐久性の劣化が著しい。
【0014】本発明に従った水性樹脂組成物では、成分
(A)のポリウレタン樹脂100重量部に対し成分
(B)のエポキシ樹脂を2〜5重量部,(A)+(B)
の合計重量に対し成分(C)のコロイダルシリカを15
〜30重量部配合している。コロイダルシリカの配合量
が15重量部よりも少ないと、耐湿性向上効果が不足す
る。逆に、30重量部を超える配合量では皮膜の造膜性
が悪くなり、高温多湿条件下での接着耐久性が不充分に
なる。水性樹脂組成物には、塗布作業性,耐候性等を改
善するため必要に応じて可塑剤,融合剤,消泡剤,レベ
リング剤,湿潤剤,垂れ防止剤,増粘剤,防腐剤等の補
助添加剤を1種又は2種以上添加することもできる。た
とえば、塗工等の際に必要に応じて水性溶剤を添加で
き、アルコール類,グリコール誘導体,炭化水素類,エ
ステル類,ケトン類,エーテル類の1種又は2種以上を
混合して使用できる。
【0015】アルコール類としては、具体的にはメタノ
ール,エタノール,イソプロピルアルコール,nブタノ
ール,イソブタノール,オクタノール,エチレングリコ
ール等がある。グリコール誘導体としては、エチレング
リコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノ
n−エチルエーテル,エチレングリコールモノn−プロ
ピルエーテル,エチレングリコールモノn−ブチルエー
テル等がある。炭化水素類としては、ベンゼン,ケロシ
ン,トルエン,キシレン等が使用される。エステル類と
しては、メチルアセテート,エチルアセテート,ブチル
アセテート,メチルアセトアセテート,エチルアセトア
セテート等が使用される。アセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン,アセチルアセトン等のケ
トン類やエチルエーテル,ブチルエーテル,ジオキサ
ン,フラン等のエーテル類も使用できる。
【0016】水性樹脂組成物の粘度は、必要に応じて増
粘剤等の添加によって調整される。増粘剤としては、セ
ルロース系,ヒドロキシエチルセルロース系,水溶性ア
クリル(アルカリ増粘性系)等が使用される。水性樹脂
組成物は、必要に応じて顔料等の添加により着色するこ
ともできる。顔料には、たとえばカーボンブラック,キ
ナクリドン,ナフトールレッド,インダンスブルー,フ
タルシアニンブルー,フタルシアニングリーン,ハンザ
イエロー等の有機顔料や、酸化チタン,硫酸バリウム,
ベンガラ,炭酸カルシウム,アルミナ,酸化鉄赤,複合
金属酸化物等の無機顔料の1種又は2種以上が使用され
る。
【0017】本発明に従った水性樹脂組成物は、溶液状
であることから金属基材への適用が容易であり、スプレ
ーコート,ディップコート,ロールコート,刷毛塗り等
の適宜の方法で亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板又
は角形鋼管に塗布される。塗布後、常温又は加熱条件下
で溶剤を除去することによって、樹脂接着性に優れた均
一な塗膜が形成される。水性樹脂組成物は、乾燥後の皮
膜重量が1〜10g/m2 となるような塗布量で塗布さ
れる。皮膜重量が1g/m2 未満では、めっき鋼板と接
着剤の界面の接着力が不十分になる。逆に10g/m2
を超える皮膜重量では、接着剤とプライマー層の層間剥
離(界面破壊)が生じ易くなる。清浄な表面をもつ鋼板
や鋼管では無処理のまま水性樹脂組成物を塗布できる
が、水性樹脂組成物の塗布に先立ってアルカリ脱脂,ク
ロメート処理,リン酸塩処理等の化成処理を施すことが
好ましい。
【0018】塗布された水性樹脂組成物は、ポリウレタ
ン樹脂のガラス転移温度よりも40〜80℃高い温度領
域に当たる乾燥温度100〜180℃で焼き付けられ
る。ガラス転移温度よりも高いものの40℃に達しない
加熱温度では、乾燥が不充分で接着性が劣化する。逆
に、ガラス転移温度よりも80℃を超える加熱温度で
は、樹脂の熱分解によって皮膜が脆くなり易い。具体的
には、100〜180℃×10秒〜20分の乾燥・焼付
けにより、樹脂接着性に優れた皮膜が形成される。
【0019】このようにして製造された亜鉛−アルミニ
ウム系合金めっき角形鋼管は、適宜の接着剤、たとえば
フェノール系接着剤,ウレタン系接着剤,エポキシ系接
着剤,アクリル系接着剤等を用いても良好な接着耐久性
を示す。接着剤は、ガンタイプのミキサー,ロールコー
ト等で塗布される。たとえば、2液型ウレタン系接着剤
を使用する場合、主剤と硬化剤を所定比率で混合して角
形鋼管と木材との接合界面に塗布する。常温保持又は2
5〜40℃に加温して1週間程度放置するとき接着剤が
硬化し、角形鋼管と木材が強固に接着接合される。本発
明に従った亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼管
は、優れた接着耐久性を活用し、他の鋼管と接着接合す
ることもできる。
【0020】
【実施例】めっき付着量90g/m2 ,板厚1.6mm
の亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼管を浴温60
℃のアルミ材用弱アルカリ系脱脂剤(登録商標:ファイ
ンクリーナー315,日本パーカライジング(株)製,
薬剤濃度:30g/l)に浸漬し、表面に付着している
ゴミ,油等を除去した。表面に残存しているアルカリ分
を水道水で洗浄除去し、基体表面を清浄化した。4種類
の水性樹脂組成物A〜Dを調整し、それぞれ角形鋼管に
塗布し、各種接着試験体を作成した。
【0021】<水性樹脂組成物A>固形分:31%,酸
価:36.5KOHmg/g,ガラス転移温度73℃の
自己乳化型水溶性ポリウレタン樹脂100重量部に対し
て、エポキシ当量210g/eqのビスフェノールA型
エポキシ樹脂を2重量部配合し、更にポリウレタン樹脂
とエポキシ樹脂の合計重量に対して15重量部のコロイ
ダルシリカを添加した。次いで、液全体の固形分が25
%となるように、脱イオン水で希釈、調製した。 <水性樹脂組成物B>固形分:32%,酸価:33KO
Hmg/g,ガラス転移温度80℃の自己乳化型水溶性
ポリウレタン樹脂100重量部に対して、エポキシ当量
190g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂を5
重量部配合し、更にポリウレタン樹脂とエポキシ樹脂の
合計重量に対して20重量部のコロイダルシリカを添加
した。次いで、液全体の固形分が25%となるように、
脱イオン水で希釈、調製した。 <水性樹脂組成物C>固形分:32%,酸価:33KO
Hmg/g,ガラス転移温度80℃の自己乳化型水溶性
ポリウレタン樹脂100重量部に対して、エポキシ当量
190g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂を5
重量部配合し、更にポリウレタン樹脂とエポキシ樹脂の
合計重量に対して25重量部のコロイダルシリカを添加
した。次いで、液全体の固形分が25%となるように、
脱イオン水で希釈、調製した。 <水性樹脂組成物D>固形分31%,酸価:36.5K
OHmg/g,ガラス転移温度73℃の自己乳化型水溶
性ポリウレタン樹脂100重量部に対して、エポキシ当
量210g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂を
5重量部配合し、更にポリウレタン樹脂bとエポキシ樹
脂の合計重量に対して30重量部のコロイダルシリカを
添加した。次いで、液全体の固形分が25%となるよう
に、脱イオン水で希釈、調製した。
【0022】接着試験体1(本発明例):亜鉛−アルミ
ニウム系合金めっき角形鋼管を脱脂,水洗,乾燥した
後、乾燥後の付着量が6g/m2 となるように水性樹脂
組成物Aをスプレー塗布し、到達板温150℃で焼き付
けた。2液型ウレタン接着剤(武田薬品工業株式会社
製)タケラックA−2345:タケネートA−114=
5:3の重量比で30〜60秒混合した接着剤を用い、
建築用床根太材(米栂,水分18%)に樹脂皮膜が形成
された角形鋼管を十字状に接着した。接着された角形鋼
管の上に5kgの分銅を乗せ24時間保持する。 接着試験体2(本発明例):乾燥後の付着量が6g/m
2 となるように、同様に処理した亜鉛−アルミニウム系
合金めっき角形鋼管に水性樹脂組成物Bをスプレー塗布
し、最高到達板温160℃で焼き付けた。樹脂皮膜が形
成された鋼管を、接着試験体1と同様に木材と接着し
た。 接着試験体3(本発明例):乾燥後の付着量が8g/m
2 となるように、同様に処理した亜鉛−アルミニウム系
合金めっき角形鋼管に水性樹脂組成物Cをスプレー塗布
し、最高到達板温170℃で焼き付けた。樹脂皮膜が形
成された鋼管を、接着試験体1と同様に木材と接着し
た。 接着試験体4(本発明例):乾燥後の付着量が2g/m
2 となるように、同様に処理した亜鉛−アルミニウム系
合金めっき角形鋼管に水性樹脂組成物Dをスプレー塗布
し、最高到達板温150℃で焼き付けた。樹脂皮膜が形
成された鋼管を、接着試験体1と同様に木材と接着し
た。
【0023】接着試験体5(比較例):亜鉛−アルミニ
ウム系合金めっき角形鋼管の表面を弱アルカリ系脱脂剤
で清浄化した後、接着試験体1と同様に木材と接着し
た。 接着試験体6(比較例):亜鉛−アルミニウム系合金め
っき角形鋼管にサンドブラスト処理を施し、接着試験体
1と同様に木材と接着した。 接着試験体7(比較例):亜鉛−アルミニウム系合金め
っき角形鋼管を脱脂,水洗,乾燥した後、乾燥後の付着
量が0.5g/m2 となるように水性樹脂組成物Cをス
プレー塗布し、最高到達板温150℃で焼き付けた。樹
脂皮膜が形成された角形鋼管を、接着試験体1と同様に
木材と接着した。
【0024】各接着試験体1〜7を耐湿性試験に供し
た。耐湿性試験では、接着後に室温で1週間経過した接
着試験体について、材料試験機を用いて引張り速度5m
m/分で引っ張った。耐湿性が良好なものほど破壊後に
おいても鋼管に接着されている木材の残存率が多いこと
を示すので、引張試験による破壊状況から初期耐湿性が
評価できる。2週間後耐湿性試験及び4週間後耐湿性試
験では、接着後に室温で1週間経過した接着試験体を温
度80℃,相対湿度95%の恒温恒湿槽に2週間及び4
週間保持した後、同様に引張試験し、破壊状況から経時
後の耐湿性を評価した。
【0025】表1の調査結果から明らかなように、本発
明に従った接着試験体1〜4では、高温多湿雰囲気に2
週間以上保持されても、何れも初期耐湿性と同程度の良
好な耐湿性を示した。これに対し、比較例の接着試験体
5〜7は、初期耐湿性にも劣り、高温多湿雰囲気に2週
間保持された後では引張試験によってほとんどの木材が
角形鋼管から分離した。この対比から明らかなように、
ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂及びコロイダルシリカ
を含む樹脂皮膜で優れた接着耐久性が角形鋼管に付与さ
れる。接着剤を使用して木材に接着接合されることが確
認される。
【0026】
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の亜鉛−
アルミニウム系合金めっき角形鋼管は、ポリウレタン樹
脂,エポキシ樹脂及びコロイダルシリカを主成分とする
水性樹脂組成物の皮膜が形成されているため優れた接着
耐久性を示し、高温多湿雰囲気においても高い接着強度
が維持される。そのため、木材や他の金属構造体と接着
接合することができ、建築物用構造材を始めとして各種
分野で使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/04 C09D 175/04 (72)発明者 藤原 敏明 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 本田 匠 神奈川県平塚市大神2784 日本パーカライ ジング株式会社内 (72)発明者 山本 真由美 神奈川県平塚市大神2784 日本パーカライ ジング株式会社内 Fターム(参考) 2E163 FA12 FB07 FB09 3H111 AA01 BA03 BA05 BA15 BA34 CB08 CB18 CB29 DA26 DB18 EA12 4J038 DB062 DG051 GA06 GA07 HA446 KA08 MA02 MA08 MA10 MA13 NA12 PB05 PC02 PC06 4K024 AA17 AB01 BA02 BB15 BC05 DB06 GA12 4K044 AA02 AB03 BA10 BB01 BC04 CA11 CA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼
    管の外表面に、(A)ガラス転移温度が60〜100
    ℃,酸価が20〜40KOHmg/gであるポリウレタ
    ン樹脂の水性エマルジョンと、(B)1分子中に2個以
    上のエポキシ基をもち、エポキシ当量が180〜280
    であるビスフェノールA型エポキシ樹脂の水系エマルジ
    ョンと(C)コロイダルシリカを必須成分とし、(A)
    のポリウレタン樹脂100重量部に対し(B)のエポキ
    シ樹脂を2〜5重量部,(C)のコロイダルシリカを
    (A)+(B)の合計重量に対して15〜30重量部配
    合した水性樹脂組成物の皮膜を被覆したことを特徴とす
    る木材との接着接合耐久性に優れた亜鉛−アルミニウム
    系合金めっき角形鋼管。
  2. 【請求項2】 付着量1〜10g/m2 で水性樹脂組成
    物の皮膜が形成されている請求項1記載の亜鉛−アルミ
    ニウム系合金めっき角形鋼管。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水性樹脂組成物を亜鉛−
    アルミニウム系合金めっき角形鋼管の外表面に塗布し、
    水性樹脂組成物に含まれているポリウレタン樹脂のガラ
    ス転移温度よりも40〜80℃高い温度域で乾燥焼付け
    することを特徴とする木材との接着接合耐久性に優れた
    亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】 乾燥後の付着量が1〜10mg/m2
    なるように請求項1記載の水性樹脂組成物を亜鉛−アル
    ミニウム系合金めっき鋼板に塗布し、水性樹脂組成物に
    含まれているポリウレタン樹脂のガラス転移温度よりも
    40〜80℃高い温度域で乾燥焼付けし、次いで角形鋼
    管に成形加工することを特徴とする木材との接着接合耐
    久性に優れた亜鉛−アルミニウム系合金めっき角形鋼管
    の製造方法。
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