JP2000234093A - 軽質炭化水素油の水素化脱硫異性化方法 - Google Patents

軽質炭化水素油の水素化脱硫異性化方法

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JP2000234093A
JP2000234093A JP11324243A JP32424399A JP2000234093A JP 2000234093 A JP2000234093 A JP 2000234093A JP 11324243 A JP11324243 A JP 11324243A JP 32424399 A JP32424399 A JP 32424399A JP 2000234093 A JP2000234093 A JP 2000234093A
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isomerization
mass
zro
light hydrocarbon
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Takao Kimura
孝夫 木村
Atsuyasu Oshio
敦保 大塩
Takahiro Kawamura
高宏 川村
Kazuhiko Hagiwara
和彦 萩原
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Cosmo Oil Co Ltd
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Original Assignee
Cosmo Oil Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄を含有する軽質炭化水素油の脱硫と異性
化とを行なって、硫黄含有量の低い異性化ガソリンを得
る技術において、異性化の前処理工程として不可欠であ
った脱硫を異性化と同時に行なうことのできる方法を提
供し、それによって必要な設備を簡略化し、ランニング
コストを低減すること。 【解決手段】 ジルコニウムの酸化物または水酸化物か
らなる担体に、硫酸根を硫黄分にして1〜3質量%与え
るとともに、パラジウムまたはニッケルを0.05〜1
0質量%含有し(パラジウムを含有する触媒には、さら
に白金を0.05〜10質量%含有させることができ
る)、550〜800℃の温度で焼成安定化させてな
り、比表面積が50〜150m2/gである触媒を使用
し、これに、硫黄分含有量700質量ppm以下の軽質炭
化水素油と水素とを、温度:140〜400℃、圧力:
1.0〜4.5MPa、LHSV:1.0〜10h-1
2/Oil比:1〜3mol/molの反応条件下に接触させて、
水素化脱硫と同時に異性化を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機硫黄化合物を
含有する軽質炭化水素油の水素化脱硫と異性化とを同時
に達成することが可能であって、従来技術にくらべて簡
単な設備で実施でき、経済的な、軽質炭化水素油の水素
化脱硫異性化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽質炭化水素油の異性化は、石油精製工
業および石油化学工業の分野で従来から広く行なわれて
いる技術である。とくに近年、自動車および航空機のエ
ンジンの高性能化に伴い、燃料として使用されるガソリ
ンには高いオクタン価が要求され、それに応えるため
に、異性化が重要になってきている。これまでも、ガソ
リンの軽質基材のひとつとして、軽質炭化水素油である
ライトナフサを異性化してオクタン価を向上させた、い
わゆる異性化ガソリンが用いられている。
【0003】軽質炭化水素油を異性化する方法について
は、従来から数多くの研究がなされており、異性化反応
に用いる触媒も種々のものが知られているが、その中で
最も有用な異性化触媒として、固体酸触媒を挙げること
ができる。固体酸触媒の製造方法およびそれを用いた異
性化方法は、たとえば特公平5−29503号公報、特
公平6−29199号公報に開示されている。
【0004】しかし、原油を蒸留した留分のままである
ライトナフサのような軽質炭化水素油には、有機硫黄化
合物が通常500〜700ppm程度含まれていて、これ
が固体酸触媒の触媒毒となるため、ライトナフサを直接
異性化することは、触媒寿命の点から、工業的実施に適
するプロセスとはいえなかった。現在実施されているプ
ロセスでは、まず、ライトナフサをCo−Mo/Al2
3などの水素化脱硫触媒で処理して有機硫黄化合物を
硫化水素に変換し、この硫化水素を生成油から分離する
ことによって硫黄含有量を数ppm以下に低減させた脱硫
ライトナフサを取得し、その後、これを異性化原料油と
して用いているという、二段階の操作を行なう。つま
り、現行の軽質炭化水素油の異性化プロセスにおいて
は、水素化脱硫工程が異性化工程の前段に必要不可欠で
ある。
【0005】もし、軽質炭化水素油の異性化に使用する
触媒を、水素化脱硫と異性化とを同時に達成することが
できるものに置き換えることができれば、異性化プロセ
スに必要不可欠であった水素化脱硫工程を省略すること
ができ、従来技術にくらべてより簡単な設備で、経済的
に異性化を行なうことが可能になる。具体的には、既存
の軽質炭化水素油の異性化反応塔に耐硫黄性を有する異
性化触媒を充填し、異性化の原料油として有機硫黄化合
物を含有する軽質炭化水素油を用いて、水素化脱硫およ
び異性化反応を同時に行なえるようにすることが望まし
い。
【0006】発明者らは、このような要望に応えること
を意図して研究した結果、ある種の固体酸触媒が、炭化
水素の異性化活性のみならず有機硫黄化合物に対する脱
硫活性をも有し、耐硫黄性に優れた異性化触媒として役
立つことを見出した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発明
者らの得た上記の新しい知見を生かし、簡略化された設
備により経済的に、有機硫黄化合物を含有する軽質炭化
水素油の脱硫と異性化とを同時に達成することができる
水素化脱硫異性化方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の軽質炭化水素油
の水素化脱硫異性化方法は、ジルコニウムの酸化物また
は水酸化物からなる担体に、硫酸根を硫黄分にして1〜
3質量%含有させるとともに、パラジウムまたはニッケ
ルを0.05〜10質量%担持させ、550〜800℃
の温度で焼成安定化させてなり、比表面積が50〜15
0m2/gである触媒に、硫黄分含有量が700質量ppm
以下である軽質炭化水素油と水素とを、温度:140〜
400℃、圧力:1.0〜4.5MPa、LHSV:
1.0〜10h-1、H2/Oil比:1〜3mol/molの反応条
件下に接触させることを特徴とする。
【0009】上記の水素化脱硫異性化方法において、パ
ラジウムを含有する触媒を使用する場合には、さらに白
金0.05〜10質量%を含有させた触媒も、有利に使
用することができる。この場合、白金とパラジウムの割
合(Pt/Pd原子比)は、0.1〜4が好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の水素化脱硫異性化方法に使用する
触媒は、上記のようにジルコニウムの酸化物または水酸
化物を担体とし、これに硫酸根を硫黄分にして1〜3質
量%含有させるとともに、第一の態様では、これにパラ
ジウムを0.05〜10質量%担持させたものである。
好ましいパラジウム担持量は、0.1〜5質量%であ
る。パラジウム担持量が0.05質量%未満では脱硫活
性が発現せず、一方、10質量%より多いとパラジウム
の分散性が悪くなり、かえって活性が低下することがあ
る。
【0012】本発明の水素化脱硫異性化方法に使用する
触媒の第二の態様は、上記のパラジウムを含有する触媒
に、白金0.05〜10質量%を添加して、異性化活性
をより高くしたものである。白金の添加量は、0.05
質量%未満では白金を添加する効果が得られず、一方、
10質量%を超えると白金の分散性が悪くなり、異性化
活性がむしろ低くなる可能性がある。パラジウムと白金
とを併用する場合、両者の割合(Pt/Pd原子比)
は、0.1〜4の範囲内が好適である。より好ましい範
囲は、Pt/Pd=0.15〜2である。
【0013】本発明の水素化脱硫異性化方法に使用する
触媒の第三の態様は、第一の態様においてパラジウムに
代えてニッケルを、上記の担体に、0.05〜10質量
%担持させたものである。ニッケルの含有量が0.05
質量%では、パラジウム担持触媒と同様、ニッケル量が
少なくて活性が発現しない。一方、10質量%より多い
と、ニッケルの分散性が悪くなり、金属粒子の粒径が大
きくなるため、かえって活性が低いことがあり得る。好
ましい担持範囲は、0.1〜5質量%である。
【0014】担体に与える硫酸根(SO4)の量は、硫
黄(S)分として1〜3質量%、好ましくは1.5〜2
質量%である。硫酸根量が硫黄分として1質量%に達し
ないと、触媒の酸性度が低いため固体超強酸性が弱く、
異性化触媒としての活性が不十分である。3%を超える
多量になると、ジルコニアの表面を硫酸根が過剰に覆
い、表面に積層して活性点をつぶしてしまうため、活性
が低下する。
【0015】X線回折分析によれば、 担体が酸化ジル
コニウム(ZrO2)である場合、その結晶構造には正
方晶と単斜晶とが存在する。触媒担体として有用なもの
は正方晶であり、単斜晶構造の割合が高いと、触媒活性
が低くなってしまう。酸化ジルコニウム中の単斜晶構造
と正方晶構造の存在比は、触媒のX線回折ピークを測定
し、CuKα線による2θ=28.2(単斜晶構造の主
ピーク)のピークと2θ=30.2(正方晶構造の主ピ
ーク)とのX線回折ピーク積分強度比をもって定める。
このようにして酸化ジルコニウム中の単斜晶構造と正方
晶構造の存在比を算出したときに、その値が、単斜晶/
正方晶=20/80〜0/100の範囲にあることが好
ましい。より好ましい範囲は、10/90〜0/100
である。
【0016】本発明の水素化脱硫異性化方法に用いる触
媒は、550〜800℃で焼成して安定させた後、BE
T法により測定した比表面積が、50〜150m2/g
の範囲にあることが必要である。一般に触媒の比表面積
は、焼成を高い温度で、また長時間にわたって行なうほ
ど小さくなり、この逆に低い温度で、また短い時間行な
うほど大きい。比表面積が50m2/g未満では、担持
された金属の分散性が悪く、水素化異性化のための活性
点も少数である。その上、ジルコニウム酸化物の結晶構
造も、単斜晶と正方晶の比率が20/80よりも大きく
なりがちであって、好ましくない。触媒中の硫酸根の含
有量も、硫黄分にして1質量%以上を確保することが困
難になり、その結果、固体超強酸性が発現しない。一
方、比表面積が150m2/gを超えるものは,焼成に
よるジルコニウム酸化物の結晶化が進まず、その中の酸
化ジルコニウム正方晶構造の割合が低いために、水素化
脱硫異性化の活性が低い値に止まる。
【0017】本発明の触媒の製造方法には、とくに限定
はなく、硫酸根を与え、またパラジウム、白金またはニ
ッケルを担持させる方法も、順序も任意であるが、好適
なのは、次にあげるような製造方法である。
【0018】第一の製造方法は、水酸化ジルコニウム
を、これに硫酸根を与える処理剤で処理したのち、パラ
ジウム化合物、パラジウム化合物および白金化合物、ま
たはニッケル化合物を含浸させ、550〜800℃の温
度で焼成することからなる。
【0019】第二の製造方法は、水酸化ジルコニウム
を、これに硫酸根を与える処理剤で処理し、いったん5
50〜800℃の温度で焼成したのち、パラジウム化合
物、パラジウム化合物および白金化合物、またはニッケ
ル化合物を含浸させ、ついで300〜700℃、好まし
くは500〜600℃の温度において再度焼成すること
からなる。
【0020】第三の製造方法は、水酸化ジルコニウムに
硫酸根を与える物質を混練し、550〜800℃の温度
における焼成を行なった後、パラジウム化合物、パラジ
ウム化合物および白金化合物、またはニッケル化合物を
含浸させ、ついで300〜700℃、好ましくは500
〜600℃の温度で再度焼成することからなる。
【0021】第四の製造方法は、水酸化ジルコニウム
に、硫酸根を与える物質と、パラジウム化合物、パラジ
ウム化合物および白金化合物、またはニッケル化合物と
を混練し、550〜800℃の温度で焼成することから
なる。
【0022】ジルコニウムの酸化物または水酸化物であ
る担体に硫酸根を与える処理剤としては、0.1〜5N
の硫酸、0.1〜10モル濃度の硫酸アンモニウム水溶
液等が代表的である。これらの処理剤は、担体に対して
1〜10倍の量を使用する。
【0023】硫酸根を与えるには、液体の処理剤を用い
る方法に限らず、固体の処理剤を担体と混練することに
よってもよく、焼成安定化を経て、同様の効果を挙げる
ことができる。混練の手段は、一般に触媒製造に使用さ
れているニーダーであれば、どのようなものでも支障な
い。混練に当たっては、適宜の液体たとえば水、エタノ
ール、イソプルパノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを添
加する。担体材料、硫酸根処理剤および液体をニーダ−
に装入する順序には、とくに制限はない。混練の温度や
時間も、触媒の性能が影響を受けない範囲であれば、別
段制約されない。
【0024】このほか、硫化水素や亜硫酸ガスのような
処理剤を用いて、焼成安定化処理の後に硫酸根を与える
ことによっても、同様な効果をあげることができる。
【0025】触媒に金属を担持させる方法は、金属とし
てパラジウムを例にとれば、その塩化物、硫酸塩、硝酸
塩、テトラアミンパラジウム錯体などの水溶液に担体を
浸漬し、引き上げて乾燥する含浸法が代表的である。水
溶液の含浸でなく、担持させようとする金属の塩化物、
硫酸塩、硝酸塩等を、上記の担体と硫酸根処理剤との混
練時に混合することによっても、金属の担持は可能であ
る。
【0026】焼成は、担体を安定化させることが主たる
目的であって、酸化性の雰囲気下に、550〜800℃
の範囲、好ましくは600〜750℃の範囲の温度に、
0.5〜10時間加熱することによって行なう。焼成温
度が550℃未満では、ジルコニウム化合物中に含まれ
る水酸化ジルコニウムの割合が多く、正方晶のジルコニ
ウム酸化物の占める割合が少ないため固体酸の性質が発
現せず、触媒に水素化脱硫異性化の活性が生じない。一
方、高温で焼成すると水酸化物は減るが、温度が800
℃を超えると、単斜晶の酸化ジルコニウムの占める割合
が多くなり、触媒活性にとって好ましくない。また硫酸
根も脱離して行くため、触媒中の硫黄分の量が1質量%
未満になり、固体酸強度が低下してしまう。さらにPd
等の担持金属のシンタリングも起こり、水素化脱硫異性
化の活性点が減少する。なお、触媒の焼成を還元雰囲気
で行なうと、Pd等の金属または金属化合物の上で硫酸
根の結合状態が変化したり、還元分解に起因すると思わ
れる硫酸根の減少が起こったりすることによって、触媒
活性が低下する。
【0027】焼成は、金属を担持させる前に行なっても
よいし、後に行なってもよい。金属を担持させる前に焼
成を行なう場合でも、安定化のための焼成は、正方晶構
造の酸化ジルコニウムが得られるような条件で行なう。
その条件は、前記のように、温度550〜800℃、好
ましくは600〜750℃であり、時間は0.5〜10
時間である。焼成を金属の担持に先立たせた場合は、金
属の担持の後に、さらに300〜700℃、好ましくは
500〜600℃に加熱する再度の焼成を行なって、触
媒の活性化をはかることが好ましい。この触媒活性化の
ために行なう焼成の好適温度は、担持させようとする金
属、より踏み込んでいえば含浸させる金属化合物の分解
温度(実際上は酸化物になる温度)によって異なる。例
を挙げれば、PdCl2を含浸させた場合は600℃程
度が必要であり、Pd(NH43Cl2の含浸ならば3
00℃を少し上回れば足りる。
【0028】本発明の触媒は、上記した焼成すなわち担
体安定化のための加熱処理、またはそれと、後続する触
媒活性化のために行なう、より低い温度範囲における加
熱処理によって使用可能になるが、触媒活性を安定して
得るためには、脱硫異性化反応への使用に先立って、活
性安定化のための前処理を施すことが好ましい。前処理
は、触媒をまず100〜500℃の温度に1〜5時間維
持して乾燥し、ついで100〜400℃の温度で還元処
理することからなる。
【0029】得られた触媒は、必要に応じてアルミナ、
シリカアルミナ、シリカ、ボリア、チタニア、活性炭等
を混合して使用することもできる。触媒の形状はとくに
限定されず、通常この種の触媒に用いられている種々の
形状、たとえば打錠成型、押出成型により得られる円柱
状、四葉型等を採用することができる。
【0030】上記の触媒を用い、本発明の水素化脱硫異
性化方法に従って脱硫と同時に異性化させる原料油とし
ては、原油の常圧蒸留装置から留出したライトナフサ、
同じく原油の常圧蒸留装置から留出したホールナフサか
ら分離したライトナフサ、またはライトナフサにマーロ
ックス処理を施したマーロックスナフサなどの、有機硫
黄を含有する軽質炭化水素油が好適である。とくに好適
な原料油は、ASTM蒸留温度が25〜130℃、好ま
しくは25〜110℃のライトナフサである。有機硫黄
の含有量についていえば、700質量ppm以下、好まし
くは10〜500質量ppm、さらに好ましくは10〜2
00質量ppm程度のライトナフサが好適に使用できる。
硫黄分が数ppmまたはそれ以下の軽質炭化水素油を原料
として使用できることは、いうまでもない。
【0031】ライトナフサに含まれている有機硫黄化合
物の代表例を挙げれば、チオール化合物(R−SH)と
して2−プロパンチオール(CH3)2CH−SH、エタン
チオールC25−SH、スルフィド化合物(R−S−
R)としてメチルエチルスルフィドCH3−S−C
25、ジスルフィド化合物(R−SS−R)としてエチ
ルイソプロピルジスルフィドC25−SS−CH(C
3)2などである。本発明の触媒を用いれば、これらの
硫黄化合物を、原料油の異性化と同時に水素化分解し
て、脱硫を行なうことができる。
【0032】触媒活性をより長期にわたり維持するため
には、用いるライトナフサ中の芳香族、不飽和炭化水素
および高級炭化水素の量は少ない方がよい。ベンゼン量
は5vol.%以下、できれば3vol.%以下、 ナフテン量
は12vol.%以下、できれば9vol.%以下、C7化合物
は15vol.%以下、できれば10vol.%以下とする。
【0033】脱硫異性化の反応条件は、 反応温度:140〜400℃、好ましくは160〜30
0℃、より好ましくは180〜220℃ 反応圧力:1.0〜4.5MPa、好ましくは1.4〜
3.5MPa LHSV:1.0〜10h-1、好ましくは1.0〜5h
-12/Oil比:1〜3mol/mol、 好ましくは1.5〜
2.5mol/mol である。反応温度が140℃より低いと触媒の寿命が短
くなり、一方、400℃以上では固体超強酸性を発現し
ている硫酸根が水素により還元・分解され、触媒の酸強
度が低下する結果、水素化脱硫も異性化反応も進行しな
くなる。そのほかの条件すなわち反応圧力、LHSV、
2/Oil比は、従来行なわれている軽質炭化水素油の異
性化反応の条件とほぼ同様である。
【0034】上述した触媒は、本発明に従い水素化脱硫
異性化触媒として、従来の異性化触媒と置き換えて使用
することができる。すなわち、軽質炭化水素油中の有機
硫黄化合物を水素化脱硫して硫化水素に変換し、硫黄分
を数ppm以下に低減する脱硫と同時に、直接異性化を行
なうことが可能である。これにより、オクタン価を向上
させた生成油を、一工程で得ることができる。
【0035】本発明で使用する触媒は、下記の条件で行
なう反応試験により算出される「チオフェン脱硫率」に
して、60%以上の性能を発揮する。 (反応原料) チオフェン含有n−ヘキサン(硫黄含有
量:500質量ppm) (反応条件) 反応温度:200℃ 反応圧力:1.0MPa LHSV:5h-12/Oil比:1mol/mol (チオフェン脱硫率) 反応開始後4〜5時間の間に生
成した生成油を高圧セパレータ(−50℃に冷却)で捕
集し、捕集した生成油5mLと、NaHCO3水溶液
(濃度0.6mol/L)5mLとを混合し、30秒以上
撹拌してからその上澄みを採取し、JIS K 2541
に定める「原油および石油製品硫黄分試験方法・微量電
量滴定式酸化法」によりその硫黄量を測定する。 チオフェン脱硫率(%)=(原料油中の硫黄量−反応生
成油中の硫黄量)/(原料油中の硫黄量)×100
【0036】
【触媒製造例】下記の触媒A〜M(製造例)、および触
媒N(比較例)を製造した。触媒A〜J,MおよびN
は、製造例1の(1)および(2)のようにして硫酸根
含有水酸化ジルコニアを用意し、これに各種のパラジウ
ム塩(白金塩、ニッケル塩)の水溶液を含浸させ、乾燥
して焼成する手順に従った。触媒KおよびLは、製造例
1の(1)のようにして水酸化ジルコニアを用意し、以
下は同様に、各種のパラジウム塩水溶液を含浸させ、乾
燥して焼成する手順に従った。
【0037】製造例1:触媒A (1)Zr(OH)4の調製 市販のオキシ塩化ジルコニウムZrOCl2・8H2Oの
1000gを4Lの蒸留水に溶かし、攪拌しながら、そ
こへ25%アンモニア水NH3aq.を滴下して、水酸
化ジルコニウムZr(OH)4を沈殿させた。水溶液のp
Hを9.0になるように調整し、沈殿した水酸化ジルコ
ニウムを濾過して分離した。濾過後、蒸留水でよく洗浄
し、110℃で一昼夜乾燥させ、水酸化ジルコニウム4
90gを得た。 (2)SO4/Zr(OH)4の調製 上記のようにしてオキシ塩化ジルコニウムから調製した
水酸化ジルコニウムの400gを1N−硫酸4000g
に入れ、30分間攪拌した。攪拌後、濾過して固体分を
110℃で一昼夜乾燥し、硫酸根を含有する水酸化ジル
コニウムSO4/Zr(OH)4452gを得た。 (3)Pd/SO4/ZrO2の調製 塩化パラジウムPdCl21.8gを塩酸に溶かした溶
液に、硫酸根を与えた水酸化ジルコニウム190gを入
れ、Pd塩を含浸させた。110℃で一昼夜乾燥した
後、マッフル炉に入れて600℃で3時間焼成し、Pd
担持硫酸根含有ジルコニアPd/SO4/ZrO2135
gを得た。
【0038】製造例2:触媒B 硫酸パラジウムPdSO41.9gを溶かした水溶液
に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム200gを入
れて、Pd塩を含浸させた。以下、製造例1と同様に乾
燥および焼成を行なって、Pd担持硫酸根含有ジルコニ
アPd/SO4/ZrO2140gを得た。
【0039】製造例3:触媒C 硝酸パラジウムPd(NO3)21.8gを溶かした水溶液
に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム166gを入
れてPd塩を含浸させ、以下は製造例1と同様に乾燥お
よび焼成を行なって、Pd担持硫酸根含有ジルコニアP
d/SO4/ZrO2120gを得た。
【0040】製造例4:触媒D テトラアンミンパラジウムクロライドモノハイドレート
Pd(NH3)4Cl2・H2Oの2.0gを溶かした水溶液
に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム139gを入
れてPd塩を含浸させ、以下は製造例1と同様に乾燥お
よび焼成を行なって、Pd担持硫酸根含有ジルコニアP
d/SO4/ZrO2100gを得た。
【0041】製造例5:触媒E 塩化パラジウムPdCl21.4gを水10gに入れ、
得られた分散液にアンモニア水を27.4g滴下し、超
音波を10分間かけて溶解させた(これを溶液とす
る)。別に、塩化白金酸六水和物H2PtCl6・6H2
Oの1.2gを水10gに溶かしたものへアンモニア水
を7.4g滴下し、55℃の湯せんで温めながら攪拌
し、溶解した(これを溶液とする)。溶液と溶液
とを混合した溶液(pH11.6)に、上記の硫酸根含
有水酸化ジルコニウム211.2gを入れ、Pd塩およ
びPt塩を含浸させた。以下は製造例1と同様に乾燥お
よび焼成を行なって、Pd/Pt担持硫酸根含有ジルコ
ニアPd/Pt/SO4/ZrO2150gを得た。
【0042】製造例6:触媒F 製造例5において溶液と溶液とを混合した溶液のp
Hを10.5に調整したほかは実施例5と同様にして触
媒を製造し、Pd/Pt担持硫酸根含有ジルコニアPd
/Pt/SO4/ZrO2150gを得た。
【0043】製造例7:触媒G 製造例5において溶液と溶液とを混合した溶液のp
Hを0.8に調整したほかは製造例5と同様にして触媒
を製造し、Pd/Pt担持硫酸根含有ジルコニアPd/
Pt/SO4/ZrO2150gを得た。
【0044】製造例8:触媒H 塩化パラジウムPdCl21.5gを水20gに入れ、
濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させ
た(これを溶液とする)。別に、塩化白金酸六水和物
2PtCl6・6H2Oの1.6gを水10gに溶かし
た(これを溶液とする)。溶液と溶液とを混合し
た溶液に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム17
2.9gを入れ、Pd塩およびPt塩を含浸させた。以
下は製造例1と同様に乾燥および焼成を行なって、Pd
/Pt担持硫酸根含有ジルコニアPd/Pt/SO4
ZrO2123gを得た。
【0045】製造例9:触媒I 塩化パラジウムPdCl24.1gを水20gに入れ、
濃塩酸を60cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させ
た(これを溶液とする)。別に、塩化白金酸六水和物
2PtCl6・6H2Oの1.6gを水10gに溶かし
た(これを溶液とする)。溶液と溶液とを混合し
た溶液に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム17
4.2gを入れ、Pd塩およびPt塩を含浸させた。以
下は実施例1と同様に乾燥および焼成を行なって、Pd
/Pt担持硫酸根含有ジルコニアPd/Pt/SO4
ZrO2124gを得た。
【0046】製造例10:触媒J 製造例1に示した方法で用意した硫酸根含有水酸化ジル
コニウム121gを、マッフル炉中600℃に3時間加
熱処理することにより安定化させ、硫酸根含有ジルコニ
ア85gを得た。塩化パラジウムPdCl21.9gを
塩酸に溶かした溶液に、上記の硫酸根含有ジルコニア8
5gを入れ、Pd塩を含浸させた。110℃で一昼夜乾
燥した後、マッフル炉で550℃に2時間焼成し、Pd
担持硫酸根含有ジルコニアPd/SO4/ZrO283g
を得た。
【0047】製造例11:触媒K 製造例1の(1)に示した方法で用意した水酸化ジルコ
ニウム112gに市販の硫酸アンモニウム29gを添加
し、撹拌羽根のついたニーダーで水を加えながら1時間
混練した。得られた硫酸根含有水酸化ジルコニウムを1
10℃で一昼夜乾燥した後、マッフル炉で600℃に3
時間焼成して安定化させ、硫酸根含有ジルコニア91g
を得た。塩化パラジウム2.0gを塩酸に溶かした溶液
に、上記の硫酸根含有ジルコニア85gを入れ、Pd塩
を含浸させた。110℃で一昼夜乾燥した後、マッフル
炉で550℃に2時間焼成し、Pd担持硫酸根含有ジル
コニアPd/SO4/ZrO289gを得た。
【0048】製造例12:触媒L 製造例1の(1)に示した方法で用意した水酸化ジルコ
ニウム120gに市販の硫酸アンモニウム31gとテト
ラアンミンパラジウムクロライドモノハイドレート1.
8gとを添加し、撹拌羽根のついたニーダーで、水を加
えながら1時間混練した。得られた硫酸根含有水酸化ジ
ルコニウムを110℃で一昼夜乾燥した後、マッフル炉
で600℃に3時間焼成して安定化させ、Pd担持硫酸
根含有ジルコニアPd/SO4/ZrO293gを得た。
【0049】製造例13:触媒M 製造例1の(1)および(2)に従って用意した硫酸根
含有水酸化ジルコニウム150gを、硫酸ニッケルNi
SO4・6H2Oの33.6gを溶かした水溶液に入れ、
Ni塩を含浸させた。以下は実施例1と同様に乾燥およ
び焼成を行なって、Ni担持硫酸根含有ジルコニアNi
/SO4/ZrO2115gを得た。
【0050】比較例1:触媒N 塩化白金酸六水和物H2PtCl6・6H2Oの1.5g
を溶かした水溶液に、硫酸根含有水酸化ジルコニウム1
68gを入れ、Pt塩を含浸させた。以下は製造例1と
同様に乾燥および焼成を行なって、Pt担持硫酸根含有
ジルコニアPt/SO4/ZrO2119gを得た。
【0051】触媒A〜Nの物性試験結果を、表1にまと
めて示した。比表面積の測定には、日本ベル(株)製の
高精度全自動ガス吸着装置「BELS ORP28」を
使用した。触媒中の硫黄分の定量は、試料を酸素気流中
で燃焼させ、試料中に含まれているSを酸化させてSO
2にし、水分とダストを除去した後、赤外吸収検出器た
とえばソリッド・ステート型の検出器により検出するこ
とにより行なった。この分析方法によれば、試料中の硫
黄分量を0.001〜99.99%の濃度範囲で求める
ことができる。分析装置は、LECO社のSC−132
硫黄分分析計を用いた。
【0052】 表 1 触媒の物性(その1) 触媒A 触媒B 触媒C 触媒D 触媒の構成 Pd/SO4/ZrO2 Pd/SO4/ZrO2 Pd/SO4/ZrO2 Pd/SO4/ZrO2 担持物質 PdCl2 PdSO4 Pd(NO3)2 Pd(NH3)4Cl2 焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 比表面積(m2/g) 134 133 138.4 132.4 硫黄分(質量%) 1.93 1.7 2.01 1.73 金属元素分析値(質量%) Pd 0.55 0.36 0.33 0.52 Pt Ni ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方 3.5/96.5 3.7/96.3 4.1/95.9 4.3/95.7
【0053】 表 1 触媒の物性(その2) 触媒E 触媒F 触媒G 触媒の構成 Pd/Pt/SO4/ZrO2 Pd/Pt/SO4/ZrO2 Pd/Pt/SO4/ZrO2 担持物質 PdCl2 H2PtCl6 PdCl2 H2PtCl6 PdCl2 H2PtCl6 焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 比表面積(m2/g) 119.1 113.9 103.2 硫黄分(質量%) 1.52 1.39 1.37 金属元素分析値(質量%) Pd 0.38 0.39 0.36 Pt 0.18 0.22 0.16 Ni ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方晶 4.5/95.5 4.6/95.4 5.2/94.8
【0054】 表 1 触媒の物性(その3) 触媒H 触媒I 触媒J 触媒の構成 Pd/Pt/SO4/ZrO2 Pd/Pt/SO4/ZrO2 Pd/Pt/SO4/ZrO2 担持物質 PdCl2 H2PtCl6 PdCl2 H2PtCl6 PdCl2 焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 比表面積(m2/g) 149 144.9 103 硫黄分(質量%) 1.96 1.9 1.64 金属元素分析値(質量%) Pd 0.52 1.5 1.0 Pt 0.39 0.39 Ni ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方晶 4.0/96.0 3.5/96.5 3.6/96.4
【0055】 表 1 触媒の物性(その4) 触媒K 触媒L 触媒M 触媒N 触媒の構成 Pd/SO4/ZrO2 Pd/SO4/ZrO2 Ni/SO4/ZrO2 Pt/SO4/ZrO2 担持物質 PdCl2 Pd(NH3)4Cl2 NiSO4 H2PtCl6 焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 750℃×1.5h 600℃×3h 比表面積(m2/g) 134 121.5 120 144.6 硫黄分(質量%) 2.11 2.04 1.74 1.64 金属元素分析値(質量%) Pd 0.99 0.58 Pt 0.35 Ni 4.8 ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方晶 5.5/94.5 4.6/95.4 3.6/96.4 3.1/96.9
【0056】[触媒使用例] 軽質炭化水素油の脱硫異
性化反応 触媒充填容量が3〜100mlの固定床流通式反応器を用
いて軽質炭化水素油の脱硫異性化を行ない、触媒A〜N
を評価した。反応条件は、次のとおりである: 反応圧力:1.47または2.96MPa 反応温度:185〜200℃ LHSV:2.9または5h-12/Oil比:2mol/mol 原料:有機硫黄含有ライトナフサ3種−未洗ナフサおよ
びマーロックスナフサ(1)および(2)、沸点範囲2
5〜110℃(ASTM蒸留)ならびに硫黄化合物
((C37)22)添加n−ペンタン(硫黄分200〜3
00質量ppm程度)
【0057】ライトナフサの他の性状は、表2に示すと
おりである。 表2 ライトナフサの性状 原料油種 未洗ナフサ マーロックス マーロックス ナフサ(1) ナフサ(2)4化合物 4.62 1.07 2.72 C5化合物 48.39 51.76 51.73 C6化合物 42.51 42.73 37.87 C7化合物 4.31 4.43 7.72 C8化合物 0.16 0.01 0.43 C9化合物 0.01 0 0 ナフテン類 5.85 8.5 8.32 芳香族類 1.21 1.36 1.53 硫黄分(ppm) 438 124 220 密度(g/cm3,15℃) 0.6523 0.6558 0.6553 計算オクタン価 68 70.3 69.9
【0058】ライトナフサの異性化率を表3および4に
示し、有機硫黄化合物を添加した炭化水素油の異性化率
を、表5および6に示す。ここで「異性化率」は、下記
の式で定義される。 異性化率(%)=(生成油中のi-C5の重量%)/(生成油
中の全C5化合物の重量%の合計)×100
【0059】 表3 マーロックスナフサの異性化(I) ナフサ中の硫黄分S=124ppm 沸点範囲28.1〜91.2℃ 反応温度:195℃ 反応圧力:2.96MPa LHSV:2.95h-12/Oil比:2mol/mol 触 媒 反応時間(時) C5異性化率(%) 計算オクタン価 触媒N: Pt/SO4/ZrO2 3.3 55.2 75.0 触媒N: Pt/SO4/ZrO2 23 47.0 72.3 触媒N: Pt/SO4/ZrO2 43 41.1 70.5 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 5 69.7 79.2 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 25 66.0 78.2 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 46 65.4 78.2 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 142 61.9 77.1 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 166 62.1 77.2 原 料 41.0 70.3
【0060】 表 4 マーロックスナフサの異性化(II) ナフサ中の硫黄分S=220ppm 沸点範囲26.0〜101.2℃ 反応温度:195℃ 反応圧力:2.96MPa LHSV:2.9h-12/Oil比:2mol/mol 触 媒 反応時間(時) C5異性化率(%) 計算オクタン価 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 5 67.3 78.7 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 23.5 62.2 77.3 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 43.5 61.2 77.0 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 139.5 58.2 76.0 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 194.5 56.2 75.4 触媒A: Pd/SO4/ZrO2 331.5 55.6 75.1 原 料 40.8 69.9
【0061】 表5 有機硫黄化合物添加n−ペンタンの異性化(その1) 原料: n−C5+(n−C322 (S=300ppm) 反応温度: 200℃ 反応圧力: 1.47MPa LHSV: 5h-12/Oil比: 2mol/mol 触 媒 反応時間(h) C5異性化率(%) 触媒A:Pd/SO4/ZrO2 PdCl2 2.7 65.5 4.05 65.4 7.1 64.5 触媒B:Pd/SO4/ZrO2 PdSO4 2 66.9 5.65 66.6 7.28 65.8 触媒C:Pd/SO4/ZrO2 Pd(NO3)2 2.5 65.9 5.5 61.5 8 61.1 触媒D:Pd/SO4/ZrO2 Pd(NH3)4Cl2 3.33 69.4 5.67 70.1 6.92 69.7 触媒E:Pt/Pd/SO4/ZrO2 Pt/Pd=0.18/0.38 2.32 70.2 4.58 69.6 6.73 69.7 触媒F:Pt/Pd/SO4/ZrO2 Pt/Pd=0.22/0.39 2.05 66.0 4.03 67.1 7.55 66.9 触媒G:Pt/Pd/SO4/ZrO2 Pt/Pd=0.16/0.36 1.82 68.8 3.92 67.5 6.58 66.6 触媒J:Pd/SO4/ZrO2 PdCl2 2.4 64.2 4.32 64.4 7.21 63.8 触媒K:Pd/SO4/ZrO2 PdCl2 2.04 67.2 4.55 66.2 6.92 66.1 触媒L:Pd/SO4/ZrO2 Pd(NH3)4Cl2 2.19 65.4 4.87 64.9 7.32 65.1 触媒M:Ni/SO4/ZrO2 NiSO4 3.25 60.9 5.98 61.4 8.42 57.3 触媒N:Pt/SO4/ZrO2 H2PtCl6 2.1 22.4 4.2 9.4 5.3 3.2
【0062】 表6 有機硫黄化合物添加n−ペンタンの異性化(その2) 原料: n−C5+EtSMe (S=200ppm) 反応温度: 200℃ 反応圧力: 2.96MPa LHSV: 5h-1 H2/Oil比: 2mol/mol 触 媒 Pt/Pd比 反応時間(h) C5異性化率(%) 触媒A:Pd/SO4/ZrO2 0/0.5 2 73.2 5 73.3 8 73.3 触媒H:Pt/Pd/SO4/ZrO2 0.39/0.52 2 72.3 5 72.4 8 72.2 触媒I:Pt/Pd/SO4/ZrO2 0.39/1.5 2 73.5 5 73.4 8 73.4 触媒N:Pt/SO4/ZrO2 0.35/0 2 70.8 5 66.7 8 41.6
【0063】有機硫黄化合物を添加した炭化水素油の脱
硫率を、表7に示す。 表7 チオフェン含有n−ヘキサンの脱硫反応 原料: n−C6+チオフェン (S=500ppm) 反応温度: 200℃ 反応圧力: 1.0MPa LHSV: 5h-12/Oil比: 1mol/mol 触 媒 反応時間(h) チオフェン脱硫率(%) 触媒A:Pd/SO4/ZrO2 4〜5 98.2 触媒H:Pt/Pd/SO4/ZrO2 4〜5 97.5 触媒I:Pt/Pd/SO4/ZrO2 4〜5 97.9 触媒J:Pd/SO4/ZrO2 4〜5 88.9 触媒M:Ni/SO4/ZrO2 4〜5 90.2 触媒N:Pt/SO4/ZrO2 4〜5 33.5
【0064】上記した実施例のデータをみると、本発明
に従う触媒A〜Mを使用した場合には、反応生成油中の
有機硫黄化合物を60%以上、硫化水素に変換して除去
する触媒性能が発揮できることが明らかであり、それか
ら、有機硫黄化合物を高い濃度で含有する軽質炭化水素
を対象に異性化反応を行なったときに、触媒のもつ異性
化性能を長時間維持できることがわかる。これに対し、
比較例の触媒Nを使用した場合には、脱硫性能が低いこ
とに起因して、高濃度の有機硫黄化合物を含有する軽質
炭化水素の異性化反応において、異性化率が時間の経過
とともに低下してしまい、実用性のあるプロセスを構成
することができない。
【0065】
【発明の効果】本発明の水素化脱硫異性化方法に使用す
る触媒は、軽質炭化水素油の異性化反応触媒として高い
活性を有するだけでなく、耐硫黄性を有し、異性化反応
条件において有機硫黄化合物の水素化脱硫をも行なうこ
とができる。このため、有機硫黄化合物を含有する軽質
炭化水素油の異性化に当たって、従来技術においては不
可欠な前処理であった脱硫処理を独立して行なう必要が
なくなった。具体的にいえば、従来の異性化用の固定床
触媒反応装置にこの触媒を充填して有機硫黄化合物を含
有する軽質炭化水素油を、水素とともに流通させるだけ
で、異性化プロセスを完成することができる。従って本
発明によれば、従来のものより簡易な設備を用い、低減
されたランニングコストをもって、軽質炭化水素油の水
素化脱硫異性化を実施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 9/14 C07C 9/14 13/16 13/16 15/04 15/04 C10G 49/06 C10G 49/06 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 大塩 敦保 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社研究開発センター内 (72)発明者 川村 高宏 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社研究開発センター内 (72)発明者 萩原 和彦 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社研究開発センター内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC27 BA21 BA25 BA26 BA36 BA55 BA81 BA85 BC10 BC11 BC18 BE20 4H029 CA00 DA00 4H039 CA11 CJ10 CK30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウムの酸化物または水酸化物か
    らなる担体に、硫酸根を硫黄分にして1〜3質量%与え
    るとともに、パラジウム0.05〜10質量%を担持さ
    せ、550〜800℃の温度で焼成安定化させてなり、
    比表面積が50〜150m2/gである触媒に、硫黄分
    含有量700質量ppm以下の軽質炭化水素油と水素と
    を、温度:140〜400℃、圧力:1.0〜4.5M
    Pa、LHSV:1.0〜10h-1、H2/Oil比:1〜
    3mol/molの反応条件下に接触させることを特徴とする
    軽質炭化水素油の水素化脱硫異性化方法。
  2. 【請求項2】 ジルコニウムの酸化物または水酸化物か
    らなる担体に、硫酸根を硫黄分にして1〜3質量%与え
    るとともに、パラジウム0.05〜10質量%および白
    金0.05〜10質量%を担持させ、550〜800℃
    の温度で焼成安定化させてなり、比表面積が50〜15
    0m2/gである触媒に、硫黄分含有量700質量ppm以
    下の軽質炭化水素油と水素とを、温度:140〜400
    ℃、圧力:1.0〜4.5MPa、LHSV:1.0〜
    10h-1、H2/Oil比:1〜3mol/molの反応条件下に接
    触させることを特徴とする軽質炭化水素油の水素化脱硫
    異性化方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の触媒において、白金と
    パラジウムとの割合(Pt/Pd原子比)が0.1〜4
    である触媒を用いて実施する請求項2の水素化脱硫異性
    化方法。
  4. 【請求項4】 ジルコニウムの酸化物または水酸化物か
    らなる担体に、硫酸根を硫黄分にして1〜3質量%与え
    るとともに、ニッケル0.05〜10質量%を担持さ
    せ、550〜800℃の温度で焼成安定化させてなり、
    比表面積が50〜150m2/gである触媒に、硫黄分
    含有量700質量ppm以下の軽質炭化水素油と水素と
    を、温度:140〜400℃、圧力:1.0〜4.5M
    Pa、LHSV:1.0〜10h-1、H2/Oil比:1〜3m
    ol/molの反応条件下に接触させることを特徴とする軽質
    炭化水素油の水素化脱硫異性化方法。
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