JP2000230700A - ガス充填装置 - Google Patents

ガス充填装置

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JP2000230700A
JP2000230700A JP11030607A JP3060799A JP2000230700A JP 2000230700 A JP2000230700 A JP 2000230700A JP 11030607 A JP11030607 A JP 11030607A JP 3060799 A JP3060799 A JP 3060799A JP 2000230700 A JP2000230700 A JP 2000230700A
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gas
pressure
engine
compressor
filling
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JP11030607A
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Satoyuki Sugano
学享 菅野
Masami Saruta
雅己 猿田
Hajime Kishida
肇 岸田
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスの充填効率が高く、短時間でガスを充填
することができるガス充填装置を提供する。 【解決手段】 圧縮機5とガスタンクとの間のガス充填
系に充填ガス圧を検出する第2の圧力センサ55を設け
る。この圧力センサ55によって検出したガスの圧力が
所定以上の圧力において、ガスの圧力検知値が大なる
程、あるいはガスの圧力検知値と予め定めた最終充填圧
力との差が小さくなるにしたがって圧縮機回転数を除々
に低下させる制御装置72を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス燃料を使用す
る車両や各種装置等のガスタンクに燃料用ガスを充填す
るガス充填装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のガス充填装置としては、
燃料用ガスを圧縮する圧縮機と、この圧縮機を駆動する
電動モータとを一つのケーシングに収容したものがあ
る。この従来のガス充填装置においては、圧縮機のガス
吸込口をガス供給源に接続するとともに、ガス吐出口を
充填用ホースによって車両や各種装置等のガスタンクに
接続し、電動モータで圧縮機を駆動してガスを前記ガス
タンクに圧送し充填する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うに構成した従来のガス充填装置は、充填終期に充填圧
力が増大するばかりで車両のガスタンクに充填されるガ
スの量(充填流量)が増大し難くなり、充填が完了する
までに時間が長くかかるという問題があった。
【0004】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、ガスの充填効率が高く、短時間でガ
スを充填することができるガス充填装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明に係るガス充填装置は、圧縮機とタンクとの間
のガス充填系にガスの圧力を検出するセンサを設けると
ともに、このセンサによって検出したガスの圧力が所定
以上の圧力において、ガスの圧力検知値が大なる程、あ
るいはガスの圧力検知値と予め定めた最終充填圧力との
差が小さくなるにしたがって圧縮機回転数を除々に低下
させる制御装置を備えたものである。
【0006】本発明によれば、タンク側のガスの圧力が
高くなるにしたがってガスの圧力上昇率が小さくなり、
ガスの温度上昇が緩和される。
【0007】請求項2に記載した発明に係るガス充填装
置は、圧縮機とタンクとの間のガス充填系にガスの圧力
を検出するセンサを設けるとともに、このセンサによっ
て検出したガスの圧力と予め定めた最終充填圧力との差
が小さくなるにしたがってガス冷却器の冷却能力を増大
させるものである。
【0008】この発明によれば、タンク側のガスの圧力
が高くなるにしたがってガスの温度上昇率が小さくな
る。
【0009】請求項3に記載した発明に係るガス充填装
置は、請求項1記載のガス充填装置において、制御装置
としてエンジン出力可変手段を備え、ガスの圧力検知値
が大なるにしたがい、あるいは前記差が小さくなるにし
たがいエンジン出力を小さくするようにしたものであ
る。
【0010】この発明によれば、タンク側のガスの圧力
が高くなるにしたがってエンジン出力を小さくして圧縮
機回転数を低下させるので、圧縮機からタンクへ充填さ
れるガスの圧力上昇率が小さくなり、ガスの温度上昇が
緩和される。
【0011】請求項4に記載した発明に係るガス充填装
置は、請求項3記載のガス充填装置において、エンジン
回転数検知手段と、前記ガスの圧力検知値に応じた目標
エンジン回転数データを記憶するメモリ手段を設け、目
標エンジン回転数と検知エンジン回転数との差に応じ
て、スロットル弁開度を増減するようにするとともに、
目標エンジン回転数をガスの圧力検知値が大なるにした
がい、あるいは前記差が小さくなるにしたがい値が小さ
くなるように補正するか、目標エンジン回転数データそ
のものを値が小さくなるように設定するかしたものであ
る。
【0012】この発明によれば、タンク側のガスの圧力
が高くなるにしたがって目標エンジン回転数が小さくな
るので、圧縮機回転数も低下し、圧縮機からタンクへ充
填されるガスの圧力上昇率が小さくなり、ガスの温度上
昇が緩和される。
【0013】請求項5に記載した発明に係るガス充填装
置は、請求項1記載のガス充填装置において、制御装置
としてエンジンと圧縮機の間に可変変速装置を備え、ガ
スの圧力検知値が大なるにしたがい、前記差が小さくな
るにしたがい圧縮機回転数をエンジン回転数で除した変
速比を小さくするようにしたものである。
【0014】この発明によれば、タンク側のガスの圧力
が高くなるにしたがって変速比を小さくして圧縮機回転
数を低下させるので、圧縮機からタンクへ充填されるガ
スの圧力上昇率が小さくなり、ガスの温度上昇が緩和さ
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、本発明に係るガス充填装置の一実施の形態を図1
ないし図6によって詳細に説明する。図1は本発明に係
るガス充填装置の構成を示す図、図2は除湿器の構成を
示す配管図、図3は三方弁の切換動作を説明するための
図、図4は制御系の構成を示すブロック図、図5はガス
の充填圧力とエンジン回転数との関係を示すグラフ、図
6は本発明に係るガス充填装置の動作を説明するための
フローチャートである。
【0016】これらの図において、符号1で示すものは
この実施の形態によるガス充填装置である。このガス充
填装置1は、図1中に符号2で示すガス吸入口から供給
された例えば天然ガス(以下、単にガスという)を圧縮
して図示していない車両や各種装置のガスタンクに充填
するためのもので、一つのケーシング3に後述するエン
ジン4、圧縮機5、ガス冷却器6などを収容している。
なお、3Aがこの収容室を示す。
【0017】前記ケーシング3は、上端部であって図1
の左右方向の中央部収容室3Aへの外気取入口7を形成
するとともに、左側の端部に排気口8を形成している。
この排気口8は、ケーシング3内を上下方向に延びる排
気ダクト9を介してケーシング3内に連通している。排
気ダクト9の上流側端部(下端部)すなわち収容室3A
からの主排気口9Aには主換気ファン10を配設し、排
気ダクト9の途中の副排気口9Bには副換気ファン11
を配設している。この副換気ファン11は、電動モータ
12を接続し、ケーシング3内上部の空気を排気ダクト
9内に排出する構造を採っている。
【0018】前記エンジン4は、水冷式4サイクル4気
筒型のもので、クランク軸13を軸線方向が図1の左右
方向と平行になるように支架するとともに、シリンダヘ
ッド14が上側に位置する状態でケーシング下部に搭載
している。このエンジン4の点火プラグを符号15で示
す。
【0019】クランク軸13は、図1の左側の端部に前
記主換気ファン10を接続している。すなわち、エンジ
ン運転中エンジン4の動力によって主換気ファン10が
回転する。クランク軸13の途中にはプーリ16が配置
され、ベルトにて発電機17を接続している。この発電
機17は、充電回路を介して図1中に符号18で示すバ
ッテリーに接続されている。このバッテリー18は、ケ
ーシング3内に通風空間とは隔絶されるように形成した
ダクト室19に配置している。
【0020】エンジン4の吸気系は、シリンダヘッド1
4からケーシング3内を上方に延びて前記外気取入口7
の近傍に開口する構成を採っている。すなわち、ケーシ
ング3内の上部に位置するエアクリーナ21から吸入し
た空気を吸気マニホールド22によって各気筒に分配す
る構造を採っている。吸気マニホールド22の途中にス
ロットル弁23を介装するとともに、スロットル弁23
より上流側にベンチュリー部と、ベンチュリー部に設け
られた燃料吐出口からなるミキサー24を設けている。
【0021】前記スロットル弁23は、スロットル弁開
閉駆動モータ25が駆動する構造を採っている。前記ミ
キサー24の燃料吐出口は、燃料ガス供給用配管26を
介して後述する圧縮機入口管27に接続している。すな
わち、このエンジン4は、このガス充填装置1が圧縮し
て車両等に供給する天然ガスを燃料としている。燃料ガ
ス供給用配管26の途中には、エンジン4に供給する燃
料ガスの圧力略大気圧に減圧制御するための減圧調整弁
28と、燃料ガス流量制御弁29とを介装している。
【0022】燃料ガス流量制御弁29は、エンジン始動
準備中および運転中に開度が制御され、各気筒に送られ
る混合気のA/Fを調整制御するのに使用される。燃料
ガス流量制御弁29はさらに、エンジン停止中全閉とさ
れるか、エンジン停止中も開のままの場合、燃料ガス供
給配管26の途中にエンジン停止中全閉とされる開閉弁
が配置される。
【0023】エンジン4の排気系は、気筒毎の排ガスを
シリンダヘッド14に取付けられる排気マニホールド3
0を介してエンジン4の側方で集合させる排気チャンバ
ー31と、この排気チャンバー31の下流側に接続した
サイレンサー32とを備えている。前記サイレンサー3
2は、ケーシング3内における図1の左側の端部に配設
し、上方に向けて延びる排気管33を接続している。排
気管33の下流端は、ケーシング上壁を貫通して上方に
突出している。
【0024】エンジン4の冷却系は、ラジエータ34お
よび電動式冷却水ポンプ35を有する循環回路によって
構成している。ラジエータ34は、ケーシング3内であ
って前記外気取入口7と対応する位置に配置している。
また、前記循環回路の途中には、ラジエータ34をバイ
パスするバイパス通路36をリニア三方弁37を介して
接続している。この実施の形態では、エンジン冷却水で
圧縮機5をも冷却する構造を採っている。
【0025】なお、リニア三方弁37は、エンジン温度
によりラジエータ34へのエンジン冷却水の分流量をエ
ンジン温度が高い程増加するように制御するものであ
り、かつ、始動直後等エンジンが過冷却状態にあるとき
には早期に暖機されるよう、エンジン冷却水をラジエー
タ34を迂回して圧縮機5の水ジャケットを通過させる
ようにする。さらに電動式冷却水ポンプ35の代わり
に、クランク軸13に駆動プーリーを設け、この駆動プ
ーリーとベルトで連結されるエンジン駆動式冷却水ポン
プを配置してもよい。
【0026】圧縮機5は、圧縮部を4箇所に備えた容積
型のものを採用しており、入力軸5aをエンジン4のク
ランク軸13における主換気ファン10とは反対側の端
部に電磁クラッチ41を介して接続し、ケーシング3の
下部にエンジン4と隣接するように搭載している。この
圧縮機5は、前記入力軸5aが回転することによって、
圧縮機入口管27にケーシング下部のガス吸入口2から
供給されたガスを圧縮して圧縮機出口管42に吐出す
る。
【0027】前記圧縮機入口管27は、前記ガス吸込口
2と圧縮機5のガス入口とを接続しており、途中にガス
供給元弁43と、全ガス流量計44と、逆止弁45と、
後述する除湿装置46と、吸入遮断弁47とを介装する
とともに、供給ガスの圧力を検出する第1の圧力センサ
48と前記燃料ガス供給用配管26とを接続している。
【0028】圧縮機5の前記4箇所の圧縮部、すなわち
圧縮部#1〜圧縮部#4は、圧縮比がそれぞれ異なるよ
うに形成しており、ガス通路が直列になるように接続し
ている。圧縮比は、全圧縮部#1〜#4で同一とする
か、圧縮部#1が最も大きく、圧縮部#2〜圧縮部#4
は、この順に圧縮比が小さくなるように設定している。
【0029】また、各圧縮部#1〜#4どうしの間のガ
ス通路と、圧縮部#4の出口側のガス通路は、前記ガス
冷却器6に通し、圧縮後のガスの温度を低下させる構造
を採っている。すなわち、図1において圧縮部#1〜圧
縮部#4のポートA〜Gを、ガス冷却器のポートA〜G
にそれぞれ接続している。
【0030】このガス冷却器6は空冷式のもので、ガス
が流れるパイプに図示していない冷却フィンを設けてな
る熱交換部6aを、空気取入口、出口を有するケースに
収容したものである。ガス冷却器6は、ケーシング3内
の上部に空気取入口が上方のラジエータ34の空気出口
に対向するように設けられ、ケーシング3の外気取入口
7に流入した外気がラジエータ34を経て前記熱交換部
6aを通過し、出口から圧縮機5、エンジン4の外周を
冷却しつつ主換気ファン10から排出される。
【0031】なお、符号7Aはラジエータ34およびガ
ス冷却器6を通過する外気をエンジン4や圧縮機5へ導
くものである。さらに、本実施の形態において外気取入
口7をケーシング3の上面に配置したが、ケーシング3
の正面、背面あるいは主換気ファン10と対向する右側
面の一つあるいは複数に配置してもよい。
【0032】前記圧縮機出口管42は、ケーシング3を
貫通してケーシング3外に導出させ、先端部に充填カプ
ラソケット51を接続している。この充填カプラソケッ
ト51を図示していない車両のタンク側カプラソケット
に接続することによって、圧縮機5と車両のガスタンク
とが連通される。なお、充填カプラソケット51は、タ
ンク側カプラソケットが接続されていることを検出する
充填ホース接続確認用のセンサ52を設けている。
【0033】圧縮機出口管42の途中には、図1中に符
号53で示す吐出流量計と、オイルフィルター54を介
装し、充填圧力検出用の第2の圧力センサ55を接続し
ている。この実施の形態では、オイルフィルター54と
流量計53との間にブローダウン弁56を介してブロー
ダウンタンク57を接続している。
【0034】ブローダウンタンク57は、充填開始時で
あって充填カプラソケット51を車両に接続する以前に
圧縮系に残存するガスを排出させ、ガス充填系の圧力を
低減させるためのものである。すなわち、ブローダウン
弁56を開いて圧縮機5内の残圧を低減させることによ
って、充填カプラソケット51をタンク側カプラソケッ
トに人手によって簡単に接続することができる。
【0035】この実施の形態では、ブローダウンタンク
57を圧縮機入口管27の吸入遮断弁47下流部に接続
している。この構造を採ることにより、ブローダウンタ
ンク57をガス供給系のバッファタンクとして機能させ
ることができる。なお、エンジン4運転中で吸入遮断弁
47が開いているとき、ブローダウンタンク57内の圧
力は異常に高くなることはないが、ブローダウン弁56
を開くときブローダウンタンク57内の圧力が異常に高
くなる場合には、リリーフ弁58を開いて放出口59か
ら外部にガスを逃がすようにしている。なお、ブローダ
ウンタンク57の容積を十分に取ることで、圧力異常を
防ぐことができるので、その場合にはリリーフ弁58も
よび放出口59は不要とすることができる。
【0036】前記除湿装置46は、ガス中の水分を除去
するためのもので、図2に示すように、圧縮機入口管2
7に並列になるように介装した二つの除湿器#A,#B
と、これらの除湿器#A,#Bを加熱するための加熱装
置61と、除湿器#A,#Bのうち、ガス通路に接続す
る除湿器を選択するとともに、ガス通路から遮断された
除湿器に前記加熱装置61を接続する切替手段62とか
ら構成している。
【0037】前記除湿器#A,#Bは、液状の水分を捕
捉し、加熱するとこの水分を蒸発分離するフィルタ部材
(図示せず)を内部に装填した構造のものを使用してい
る。なお、フィルタ部材は、所定温度以下で凝縮水や水
蒸気を吸収し、所定温度以上で凝縮水や水蒸気を分離す
るものでもよい。
【0038】前記加熱装置61は、加熱された空気を除
湿器側に供給するとともに、除湿器から排出された空気
をエンジン4の吸気系に導く構造を採っている。この加
熱装置61の熱源はエンジン4の排ガスである。この加
熱装置61は、図1に示すように、エンジン4の排気チ
ャンバー31に上流側端部を挿通させた空気加熱用パイ
プ63と、スロットル弁下流側の吸気通路に下流端を接
続した吸引用パイプ64とを備えている。前記空気加熱
用パイプ62の上流端に接続した符号65で示すものは
ケーシング3内の空気の取入口を有するエアクリーナで
ある。
【0039】前記切替手段62は、除湿器#A,#Bの
ガス入口側に接続した二つの三方弁66,67と、ガス
出口側に接続した二つの三方弁68,69とから構成し
ている。前記上流側の二つの三方弁66,67は、図3
(a)に示すように、ポートaとポートbとを(除湿器
#A,#Bの上流側とガス吸入口側とを)連通させるガ
ス供給状態と、ポートbとポートcとを(除湿器#A,
#Bの上流側と空気加熱用パイプ63とを)連通させる
再生状態とを切替える構造を採っている。
【0040】下流側の二つの三方弁68,69は、図3
(b)に示すように、ポートaとポートbとを(除湿器
#A,#Bの下流側と圧縮機5側とを)連通させるガス
供給状態と、ポートaとポートcとを(除湿器#A,#
Bの下流側と吸引用パイプ64とを)連通させる再生状
態とを切替える構造を採っている。
【0041】この除湿装置は、エンジン運転時に例えば
除湿器#Aの上流側の三方弁66と下流側の三方弁68
を前記ガス供給状態とし、除湿器#Bの上流側の三方弁
67と下流側の三方弁69を前記再生状態とすることに
よって、除湿器#Aでガス中の水分を除去し、除湿器#
Bに熱風を供給して水分を蒸発させる(再生させる)こ
とができる。二つの除湿器#A,#Bでの除湿と再生の
切替えは、このガス充填装置1でのガス充填流量qの積
算値が予め定めた量に達したときに行う。
【0042】除湿装置46をこの実施の形態で示したよ
うに構成することによって、除湿器#A,#Bの再生時
に水蒸気とともに運ばれる除湿器#A,#B中のガス
(天然ガス)をエンジン4で燃焼させることができ、ガ
スの大気中への直接放出による環境への悪影響を防止で
きる。また、加熱用空気を吸気負圧によって除湿器#
A,#Bに供給することができるから、これを実施する
ためにポンプは不要である。
【0043】吸引用パイプ64は吸気通路22のどの位
置に接続しても運転中吸気流とともに、加熱空気をエン
ジンに導くことができるが、図1に示すようにスロット
ル弁23の下流位置に接続すると、スロットル弁23の
開度に拘わらず除湿器#A,#Bの加熱再生を効率よく
行うことができるとともに、スロットル弁23の上流位
置に接続すると、スロットル弁23の開度が小さくなる
低速運転時においてスロットル弁23の開度調整による
運転の応答性に与える影響を少なくすることができる。
【0044】前記三方弁66〜69の切替えや他の電子
部品の制御は、図1中に符号71で示す制御装置が実施
する。制御装置71は、図4に示すように、入力側に各
種のセンサ類を接続するとともに、出力側に弁やモータ
などのアクチュエータを接続している。
【0045】センサ類は、供給ガスの圧力を検出する第
1の圧力センサ48と、充填圧力検出用の第2の圧力セ
ンサ55と、運転モードを切換えるための運転切換スイ
ッチ72(図1参照)と、吸込流量計44と、吐出流量
計53と、外気温を検出するための第1の温度センサ7
3と、ケーシング3内の温度を検出するための第2の温
度センサ74と、エンジン冷却水のエンジン出口での温
度を検出するための第3の温度センサ75と、圧縮機5
の温度を検出するための第4の温度センサ76と、圧縮
機5から吐出されたガスの温度を検出するための第5の
温度センサ77と、ケーシング3内の上部に配設したガ
ス検知器78と、エンジン回転数センサ79と、スロッ
トル弁開度センサ80と、充填ホース接続確認用センサ
52などである。
【0046】アクチュエータは、エンジン4の点火時期
を制御するための点火制御回路81と、スロットル弁開
閉駆動モータ25と、燃料制御弁29と、リリーフ弁5
8と、ブローダウン弁56と、吸入遮断弁47と、除湿
装置用三方弁66〜69と、主換気ファン10に接続し
た回転機17と、エンジン4と圧縮機5との間に介装し
た電磁クラッチ41と、冷却水ポンプ35と、冷却水用
リニア三方弁37と、ガス供給元弁43と、副換気ファ
ン11を駆動するための電動モータ12などである。
【0047】この制御装置71および各電子部品の電源
は前記バッテリー18とし、エンジン4が停止している
状態でも前記アクチュエータを駆動して後述する各種の
制御を実施することができるようにしている。なお、バ
ッテリー18は、エンジン4を運転している状態で発電
機17によって充電する。
【0048】また、この制御装置71は、前記運転切換
スイッチ72によってエンジン4の運転モードを切換え
る構成を採っている。運転モードとしては、(1)運転
停止モード、(2)低速充填モード、(3)通常充填モ
ード、(4)急速充填モードである。ガス充填時には、
前記運転モード毎に定めた目標エンジン回転数R1と実
際のエンジン4回転数R2との差を求め、この回転数差
がなくなるようにスロットル弁開度をフィードバック制
御によって制御する。目標エンジン回転数は、図4中に
符号82で示すメモリーに記憶させている。
【0049】さらに、この制御装置71は、図5に示す
ように、ガスの実際の充填圧力と、予め定めた最終充填
圧力(目標圧力)との差が小さくなるにしたがって、エ
ンジン回転数を予め定めた回転数(圧縮機5を駆動でき
る最低回転数)まで除々に低下させる構成を採ってい
る。エンジン回転数を低下させるためには、予め定めた
関数をもってスロットル弁開度を低下させる。この関数
は、比例関数の他に、ファジー関数を用いることができ
る。
【0050】制御装置71のさらに詳細な説明を図6に
示すフローチャートによってこのガス充填装置1の動作
とあわせて説明する。図6のステップS1で運転切換ス
イッチ72によって低速運転モード、通常運転モード、
高速運転モードのうち何れかの運転モードが選択される
と、制御装置71は、ステップS2〜S3でエンジン始
動前に後述する第1種センサ群の各センサによって検出
する。第1種センサ群のセンサは、ガスの供給圧P1を
検出するための第1の圧力センサ48と、ガス検知器7
8と、充填ホース接続確認用のセンサ52である。
【0051】これらのセンサによって検出した結果が一
つでも異常であるときには、ステップS4でケーシング
外面に設けた表示盤(図示せず)に警告を表示させると
ともに警告灯を点灯させる。そして、ガス検知器78が
ガスを検知する場合には、ステップS5で副換気ファン
11を予め定めた時間だけ駆動させる。なお、ステップ
S3で異常と判定されるのは、第1の圧力センサ48に
よって検出したガス供給源側のガスの圧力P1が予め定
めた値より小さいときと、ガス検知器78がガスを検出
したときと、充填ホース接続確認用センサ52が接続を
検出しないときである。
【0052】ステップS5で副換気ファン11を駆動さ
せた後、制御装置71はステップS6でガス検知器78
が再度ガスを検知するか否かを判定し、異常状態が継続
しているときには全ての制御を中止する。ガス検知以外
の異常時、すなわち充填ホース接続確認センサ52が接
続を検知しない時などは、所定時間警告表示した後、フ
ローチャートが終了(END)する。副換気ファン11
を駆動させることによって異常が解消された場合や、前
記ステップS3で異常なしと判定された場合には、ステ
ップS7に進み、制御装置71が各弁の初期設定を行
う。
【0053】次のステップS8では、制御装置71が運
転モードに対応したスロットル弁開度をメモリー82か
ら読み出し、スロットル弁開閉駆動モータ25を制御し
てスロットル弁開度を設定する。その後、制御装置71
は、ステップS9でガス充填流量qの積算値が予め定め
た設定値より小さいか否かを判定する。前記積算値は、
吐出流量計53あるいは全ガス流量計44によって検出
した流量に基づいて求め、前記メモリー72に記憶させ
ている。
【0054】ステップS9でNOと判定されたとき、す
なわちガス充填流量qの積算値が設定値を上回っている
ときには、ステップS10で除湿装置46の切替手段6
2によって使用する除湿器#A,#Bを切換える。この
ときには、前記積算値のデータをクリアする。
【0055】なお、ガス充填ユーザへの課金のためやガ
ス供給元へのガス料金支払いのために、クリアするデー
タとは別に、吐出流量積算値および全ガス流量積算値を
メモリー72の別の記憶エリアに累積保持させるように
している
【0056】その後、ステップS11で制御装置71が
不図示のスタータモータを起動させてエンジン4を始動
させ、ステップS12で後述する第2種センサ群の各セ
ンサによって運転状態を検出する。第2種センサ群のセ
ンサは、実際のエンジン4回転数R2を検出するエンジ
ン回転数センサ79と、ガスの充填圧力P2を検出する
ための第2の圧力センサ55と、吐出流量計53と、第
1〜第5の温度センサ73〜77などである。
【0057】エンジン4を始動させると、主換気ファン
10が回転することによってケーシング3の外気取入口
7から外気がケーシング3内に流入し、ケーシング3内
を流れて排気口8から排出される。ケーシング3内に前
記外気が流入するときにラジエータ34、ガス冷却器6
などの熱交換器が冷却される。
【0058】上述したように各種のセンサによって運転
状態を検出した後、制御装置71はステップS13で運
転モードに対応する目標エンジン回転数R1をメモリー
72から読出し、ステップS15で目標エンジン回転数
R1と実際のエンジン回転数R2との差を求める。次い
で、制御装置71は、ステップS17でこの差を解消す
べくフィードバック制御に基づきスロットル弁23を開
閉動作する。すなわち、実エンジン回転数R2が目標エ
ンジン回転数R1より大きければスロットル弁23を閉
方向に、目標エンジン回転数R1より小さければスロッ
トル弁23を開方向に、それぞれ動作する。
【0059】なお、制御装置71はステップS14で目
標エンジン回転数R1を充填圧力P2と最終充填圧力と
の差に対応させて補正し、ステップS17でスロットル
弁開閉駆動モータ25に制御信号を送出する。この結
果、スロットル弁23は、ガスの充填圧力P2に対応す
るように開度が設定される。前記目標エンジン回転数R
1の補正は、充填圧力P2と最終充填圧力との差が小さ
くなるにしたがって目標エンジン回転数R1が小さくな
るように実施する。この補正を実施するためには、上述
したように比例関数やファジー関数を用いる。
【0060】なお、スロットル弁回動開度を速くあるい
は遅く補正するスロットル弁開閉速度補正値算出のため
のステップS16を設け、この補正したスロットル弁開
閉速度でステップS17でスロットル弁動作をさせるよ
うにしてもよい。この場合のスロットル弁開閉速度補正
値算出は各種センサ検出値に基づき比例関数やファジー
関数などを用いて実施する。
【0061】このように目標エンジン回転数R1を補正
することによって、充填終期に充填圧力P2と最終充填
圧力との差が小さくなるにしたがってエンジン回転数が
除々に低下する。この結果、車両のタンク側のガスの圧
力が高くなるにしたがってガスの圧力上昇率が小さくな
り、ガスの温度上昇が緩和されるから、圧縮機5から吐
出されるガスの密度を高く保つことができる。
【0062】次に、制御装置71はステップS12およ
びステップS13や前のルーチンにおけるステップS2
1における各種のセンサ類の検出値に基づいて他のアク
チュエータに制御信号を送出する。このときには、図7
に示す第2の実施形態においては、例えばガスの充填圧
力P2と最終充填圧力との差が小さくなるにしたがって
主換気ファン10の回転数を増大させる。このように主
換気ファン10の回転数を増大させると、ケーシング3
内を流れる空気の量が増大し、ガス冷却器6での冷却性
能を向上させることができるから、タンク側のガスの圧
力が高くなるにしたがってガスの温度上昇率が小さくな
る。この結果、エンジン回転数を低減させたときと同様
に、ガスの充填終期にガスの温度上昇が緩和され、圧縮
機5から吐出されるガスの密度を高く保つことができ
る。
【0063】また、ケーシング3内の温度が予め定めた
温度を上回っているときには、副換気ファン用電動モー
タ12を駆動する。副換気ファン11を回転させること
によってケーシング3内を流れる空気の量を増大させる
ことができるから、主換気ファン10の回転数を増大さ
せたときと同等の現象が起こり、ガスの充填終期にガス
の温度上昇が緩和され、圧縮機5から吐出されるガスの
密度を高く保つことができる。
【0064】このように他のアクチュエータを制御した
後、制御装置71はステップS19で充填圧力P2の上
昇率dp2/dtを算出し、ステップS20で吐出流量
計53の検出値に基づいてガス充填流量qの積算値を求
める。ステップS20での上昇率dp/dtは次のルー
チンにおけるステップS14やステップS16などにお
いて利用される。
【0065】そして、制御装置71はステップS21で
各種のセンサによって運転状態を検出し、ステップS2
2で運転を停止するか否かを判定する。ステップS21
で使用するセンサとしては、第1の圧力センサ48と、
ガス検知器78と、充填ホース接続確認用のセンサ52
と、第2の圧力センサ55と、運転切換スイッチ72
と、ケーシング3内の温度を検出するための第2の温度
センサ74と、エンジン冷却水のエンジン出口での温度
を検出するための第3の温度センサ75と、圧縮機5の
温度を検出するための第4の温度センサ76と、圧縮機
5から吐出されたガスの温度を検出するための第5の温
度センサ77などである。
【0066】ステップS22で運転を停止すると判定さ
れるのは、第1の圧力センサ48によって検出したガス
吸入口2側のガスの圧力P1が予め定めた値より小さい
ときと、ガス検知器78がガスを検出したときと、充填
ホース接続確認用センサ52が接続を検出しないとき
と、ステップS19で求めた充填圧力P2の上昇率dp
2/dtが異常であるとき(例えば、充填圧力P2が急
速に低下したとき)と、運転切換スイッチ72で運転停
止モードが選択されたときと、温度センサ74〜77が
検出した温度が予め定めた上限温度より高くなったとき
である。
【0067】ステップS22で運転停止と判定されたと
きには、ステップS23で表示盤に警告を表示させると
ともに警告灯を点灯させ、ステップS24でエンジン4
を停止させる。なお、運転切換スイッチ72で運転停止
モードが選択されたときには、前記表示盤や警告灯によ
る警告表示を行うことなくエンジン4を停止させる。
【0068】エンジン停止は、点火制御回路81に制御
信号を送出し、点火プラグ15に供給する電力を絶つこ
とによって実施する。なお、ステップS24では、エン
ジン4を停止させる代わりにエンジン4と圧縮機5との
間の電磁クラッチ41を接続状態から切断状態に切換え
てもよい。
【0069】ステップS22で運転継続と判定されたと
きには、ステップS25に進んで充填圧力P2が最大圧
力P2max(最終充填圧力)に達しているか否か、す
なわちガスの充填が完了しているか否かを判定する。ガ
スの充填が完了していない場合には、ステップS13に
戻って上述した制御を繰り返し、ガスの充填が完了して
いる場合には、ステップS26で表示盤に充填完了を表
示させてからステップS24でエンジン4を停止させ
る。
【0070】上述したように構成したガス充填装置1に
よれば、圧縮機5と車両のガスタンクとの間のガス充填
系の充填圧力P2と予め定めた最終充填圧力との差が小
さくなるにしたがってエンジン回転数を予め定めた回転
数まで除々に低下させる構造を採っているから、圧縮機
回転数も低下してガスタンク側のガスの圧力が高くなる
にしたがってガスの圧力上昇率が小さくなり、ガスの温
度が上昇するのを緩和することができる。
【0071】このため、ガスの充填終期にガスの温度上
昇が緩和され、圧縮機から吐出されるガスの密度を高く
保つことができるから、ガスの充填効率を向上させるこ
とができる。
【0072】また、充填圧力P2と予め定めた最終充填
圧力との差が小さくなるにしたがってガス冷却器6の冷
却能力を増大させる構造を採っているから、タンク側の
ガスの圧力が高くなるにしたがってガスの温度上昇率が
小さくなる。このため、ガスの充填終期にガスの温度上
昇が緩和され、圧縮機から吐出されるガスの密度を高く
保つことができる。したがって、この実施の形態による
ガス充填装置によれば、充填終期にエンジン回転数、す
なわち圧縮機回転数が低減してガスの充填効率が向上す
ることと相俟ってより一層充填効率を高くすることがで
きる。
【0073】なお、充填圧力P2が予め定めた所定の圧
力(例えば、車両や各種装置毎の最終充填圧力の内最小
圧力値の約60%、あるいは80%の圧力)を越えるま
で、運転モードに応じた目標エンジン回転数とし、充填
圧力P2が予め定めた所定の圧力を越える時、充填圧力
P2が大なる程、運転モードに応じた目標エンジン回転
数より小さな目標エンジン回転数となるように予め目標
エンジン回転数データを設定するか、運転中に目標エン
ジン回転数を補正するようにしてもよい。
【0074】あるいは、充填圧力P2が予め定めた所定
の圧力を越えた時期から目標エンジン回転数によるフィ
ードバック制御を中止し、充填圧力P2が予め定めた所
定の圧力に到達した時のスロットル弁開度より、除々に
全閉位置に向けてスロットル弁を閉動作させるようにし
てもよい。あるいは、燃料流量制御弁29の開度を絞る
か、点火時期をそのエンジン回転数、スロットル弁開度
に対応した最適点火時期より遅角させるようにしてもよ
い。これらによりエンジン出力が低下し、圧縮機回転数
を低下させることができる。
【0075】この実施の形態で示したガス充填装置1
は、ガスを圧縮して車両のガスタンクに充填する圧縮機
5と、この圧縮機5を駆動するエンジン4とを一つのケ
ーシング3に収容し、このケーシング3に換気用の外気
取入口7と排気口8を形成するとともに、排気口8の近
傍に設けたエンジン駆動式主換気ファン10の作動によ
り空気が流れる部位に、前記圧縮機5から吐出されたガ
スを冷却してガスタンクに供給するガス冷却器6の熱交
換部6aを配置したから、エンジン4の動力で空気の流
動を発生させてガス冷却器6でガスを冷却することがで
きる。
【0076】また、ケーシング3の排気口8側に電動モ
ータ12が駆動する副換気ファン11を設けているか
ら、副換気ファン11を作動させることによって、エン
ジン回転数が一定でもガス冷却器6を通る空気の量を増
大させることができる。あるいは、副換気ファン11を
作動させることによりエンジン停止中においても換気を
可能とする。
【0077】第2の実施の形態 他の発明に係るガス充填装置を図7および図8によって
詳細に説明する。図7は他の発明に係るガス充填装置の
一実施の形態を示す構成図、図8は充填圧力と主換気フ
ァンの回転数との関係を示すグラフである。これらの図
において前記図1ないし図6で説明したものと同一もし
くは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明
は省略する。
【0078】この実施の形態によるガス充填装置1のガ
ス冷却器6は水冷式のものを採用している。ガス冷却器
6の熱交換部6aは、エンジン冷却水系におけるラジエ
ータ下流側に介装し、ラジエータ34によって冷却され
たエンジン冷却水でガスを冷却する構造を採っている。
なお、この実施の形態では、ラジエータ34をケーシン
グ3の排気口8に配置している。また、冷却水ポンプ3
5は、エンジン4が駆動する構造のものを使用してい
る。
【0079】このように構成したガス充填装置1によれ
ば、水冷式エンジン4のエンジン冷却水を利用してガス
を冷却することができるから、空冷式のガス冷却器を使
用する場合に較べてガス冷却器6をケーシング3内に配
置する位置の自由度を増大させることができる。このた
め、ケーシング3内に形成されるデッドスペースにガス
冷却器6を配置することができる。
【0080】クランク軸13には冷却水ポンプ35駆動
用のプーリと、端部に一方向クラッチ110を介してフ
ァン駆動軸111が連結され、ファン駆動軸111には
エンジン回転数に対してファン回転数を可変とする変速
装置112と、発電機と電動モータを兼ねる回転機11
3とベルト連結されるプーリ114が配設されている。
エンジン4運転中には、エンジン動力の一部が一方向ク
ラッチ110を経て変速装置112とプーリ114に伝
えられ、回転機113は発電機として機能するととも
に、変速装置112が要求冷却性能に合わせた変速比で
主換気ファン10を駆動する。
【0081】エンジン4停止中における換気動作時、例
えばガス洩れ検知器78がガスを検知したとき、回転機
113が不図示のバッテリからの電力供給を受けて電動
モータとして機能して変速装置112を介して主換気フ
ァン10を駆動する。このとき、一方向クラッチ110
により負荷の大きいクランク軸13側には電動モータの
回転力は伝わらない。
【0082】この水冷式ガス冷却器6の冷却性能を増大
させるためには、主換気ファン10の回転数がエンジン
回転数より高くなるように変速装置112を制御してラ
ジエータ34の放熱量を増大させることによって行う。
このようにガス冷却器6の冷却性能を向上させることに
よって、ガスの充填終期にガスの温度上昇が緩和され、
圧縮機5から吐出されるガスの密度を高く保つことがで
きる。
【0083】これを示したのが図8である。圧縮機5
は、第1の圧力センサ48で検知される略一定のガス供
給源の圧力を、第2の圧力センサ55で検知される吐出
圧力まで昇圧する。すなわち、充填が進行するにしたが
い総圧縮比が増加して発熱量が増加するが、吐出圧力、
すなわち充填圧力が増加するにしたがい主換気ファン回
転数を増加させており、充填効率が低下するのを防止し
ている。
【0084】図7において、エンジン冷却水系に介装し
た符号91で示すものはサーモスタット弁である。ま
た、ガス冷却器6の冷却水出口の近傍に接続した符号9
2で示すものは冷却水用リザーブタンクである。また、
この実施の形態によるガス充填装置1の除湿装置46
は、加熱装置61の熱源をエンジン4の廃熱を吸収した
エンジン冷却水としている。詳述すると、エンジン冷却
水系であってエンジン出口とラジエータ入口との間に、
除湿装置46の空気加熱用パイプ63を相対的に高温の
エンジン冷却水で加熱する構造の熱交換器93を介装し
ている。
【0085】この実施の形態では、ブローダウンタンク
57に圧縮機5の圧縮部#2〜#4と、圧縮機出口管4
2をそれぞれ安全弁94を介して連通させている。ま
た、充填カプラソケット51の上流側に緊急分離カプラ
95を介装している。圧縮機5は、負荷が最も大きくな
る圧縮部#4の機構部分にオイルを圧送する構造を採っ
ている。オイルポンプを符号96で示し、オイルフィル
ターを符号97で示し、オイル用圧力調整弁を符号98
で示す。
【0086】符号120および121で示すものは、ブ
ローダウン弁56が開くとき同時に開となり、オイルフ
ィルター54で捕捉したオイルをブローダウンタンク5
7に循環させるオイルドレン弁である。
【0087】この実施の形態によるガス充填装置1は、
水冷式エンジン4のエンジン冷却水を利用してガスを冷
却することができるから、空冷式のガス冷却器を使用す
る場合に較べてガス冷却器6をケーシング3内に配置す
る位置の自由度を増大させることができる。このため、
ケーシング3内に形成されるデッドスペースにガス冷却
器6を配置することができる。
【0088】第1および第2の実施の形態で示したガス
充填装置1は、動力源がエンジン4であり、エンジン駆
動式の発電機で電子部品の電力を供給することができる
から、外部電源が不要になる。また、二つの除湿器#
A,#Bに切替手段62を介して加熱装置61を接続
し、ガス吸入口2から供給されたガスから水分を除去す
ることができる構造を採っているから、高品質なガスを
車両のガスタンクに充填することができる。また、除湿
器#A,#Bの乾燥は、切替手段62によってガスの流
通が遮断された除湿器のみに実施することができるか
ら、ガスの充填作業が中断されることはない。
【0089】さらに、加熱装置61の熱源をエンジン4
の排ガスやエンジン冷却水としているから、専ら除湿器
#A,#Bを加熱する熱源が不要になり、コストダウン
を図ることができる。特に、第1の実施の形態で示した
ように、排気チャンバー31内に空気加熱用パイプ63
を挿入し、このパイプ63の上流側を大気中に解放させ
るとともに、下流側を、切替手段62を介して除湿器#
A,#Bに接続する構造を採ることにより、空気加熱用
パイプ63内の空気が排ガスによって加熱されて除湿器
#A,#Bに供給されるから、加熱用空気を簡単な構造
で生成することができる。なお、排気チャンバー31、
サイレンサー32、排気管33などの排ガスによって加
熱される部材の外表面に空気加熱用パイプ63を直接ま
たは伝熱用部材を介して接触させる構造を採っても同等
の効果を奏する。
【0090】なお、第2の実施の形態におけるエンジン
4と主換気ファン10の間に介装した一方向クラッチ1
6は、電磁クラッチにしてもよい。
【0091】第3および第4の実施の形態 図9(a)および(b)に第3および第4の実施の形態
によるガス充填装置を図示する。これらの図に示すガス
充填装置のガスの吸込系、吐出系、エンジン4への燃料
供給系および排気系等は、全て第1の実施の形態と同様
であり省略し、図9(a),(b)においては、エンジ
ン4のエンジン冷却水系およびガス冷却器6の冷却系に
ついて簡単に図示する。
【0092】図9(a)に示す第3の実施の形態のガス
充填装置において、ケーシング3にはガス洩れ検知時の
み作動する不図示の電動式換気装置を配置し、このため
の換気入口および出口以外は密閉構造としている。エン
ジン冷却系のラジエータ34は、電動あるいはエンジン
4駆動の冷却水ポンプ201で汲み上げた外部冷却水2
00と熱交換するタイプのものであり、エンジン冷却系
の途中にガス冷却器6が配置される。これによっても、
外部冷却水を利用して間接的にガスを冷却することがで
きる。
【0093】外部冷却水として地下水等温度変化の少な
いものを使用することにより、安定して圧縮により昇温
するガスを冷却し、ガス充填効率を上げることができ
る。この場合、ガス充填圧力が上昇するにしたがい、冷
却水ポンプ201の回転数を増加させるようにする。
【0094】図9(b)に示す第4の実施の形態のガス
充填装置において、ケーシング3にはエンジン駆動によ
る主換気ファン10と不図示の電動式換気装置を配置
し、このための換気入口にエンジン冷却系のラジエータ
34を配置する。ガス冷却器6には市水300を導き、
エンジン冷却水との熱交換器301を経て外部排出口3
02からケーシング3外部に放出するようにしている。
この実施の形態ではガス冷却器6を直接的に冷却してい
る。流量制御弁303はガス充填圧力が上昇するにした
がい、開度を増加し冷却水量を増加するように制御され
る。この実施の形態において熱交換器301を配置した
が、エンジン冷却水と熱交換させることなくガス冷却器
6で昇温した冷却水をそのまま外部に排出するようにし
てもよい。
【0095】なお、第1の実施の形態ではクラッチ41
と圧縮機5の間、第2の実施の形態ではエンジン4と圧
縮機5との間に、圧縮機回転数をエンジン回転数で除し
た変速比を可変とする変速比可変手段を配置するように
してもよい。この場合には、運転モードに応じた最良燃
費域運転ができるようにエンジン回転数とスロットル弁
開度を維持しつつ、目標エンジン回転数の代わりに目標
圧縮機回転数R1′データを持ち、目標圧縮機回転数R
1′と不図示の圧縮機回転数検知手段による圧縮機回転
数R2′検知値の差を小さくするように、ステップS1
2〜S17の代わりに変速比を制御するようにしてもよ
い。この場合、充填圧力が予め定めた最終充填圧力に近
づくにしたがい目標圧縮機回転数を小さくするようにし
てもよい。あるいは、充填圧力P2が予め定めた所定の
圧力を越えた時期から目標圧縮機回転数によるフィード
バック制御を中止し、充填圧力P2が予め定めた所定の
圧力に到達した時の変速比より、変速比を除々に小さく
させるようにしてもよい。この場合さらに加えてスロッ
トル弁開度を絞るようにしてもよい。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、ガスの充填終期にガスの温度上昇が緩和さ
れ、圧縮機から吐出されるガスの密度を高く保つことが
できる。したがって、このガス充填装置は充填終期でも
ガスの充填効率を高く維持することができ、ガスの充填
時間を短縮することができる。
【0097】請求項2記載の発明によれば、ガスの充填
終期にガスの温度上昇が緩和され、圧縮機から吐出され
るガスの密度を高く保つことができる。したがって、こ
のガス充填装置は充填終期でもガスの充填効率を高く維
持することができ、ガスの充填時間を短縮することがで
きる。
【0098】請求項3に記載した発明によれば、タンク
側のガスの圧力が高くなるにしたがってエンジン出力を
小さくして圧縮機回転数を低下させるので、圧縮機から
タンクへ充填されるガスの圧力上昇率が小さくなり、ガ
スの温度上昇が緩和される。
【0099】請求項4に記載した発明によれば、タンク
側のガスの圧力が高くなるにしたがって目標エンジン回
転数が小さくなるので、圧縮機回転数も低下し、圧縮機
からタンクへ充填されるガスの圧力上昇率が小さくな
り、ガスの温度上昇が緩和される。
【0100】請求項5に記載した発明によれば、タンク
側のガスの圧力が高くなるにしたがって変速比を小さく
して圧縮機回転数を低下させるので、圧縮機からタンク
へ充填されるガスの圧力上昇率が小さくなり、ガスの温
度上昇が緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガス充填装置の構成を示す図で
ある。
【図2】 除湿器の構成を示す配管図である。
【図3】 三方弁の切換動作を説明するための図であ
る。
【図4】 制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】 ガスの充填圧力とエンジン回転数との関係を
示すグラフである。
【図6】 本発明に係るガス充填装置の動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図7】 他の発明に係るガス充填装置の一実施の形態
を示す構成図である。
【図8】 充填圧力と主換気ファン10の回転数との関
係を示すグラフである。
【図9】 他の実施の形態によるガス充填装置を示す構
成図である。
【符号の説明】
1…ガス充填装置、4…エンジン、5…圧縮機、6…ガ
ス冷却器、10…主換気ファン、23…スロットル弁、
34…ラジエータ、55…第2の圧力センサ、71…制
御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸田 肇 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 3E072 AA01 AA03 DA05 GA05 GA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンによって駆動する容積型圧縮機
    を備え、ガス供給源から供給されたガスを前記圧縮機に
    よって圧縮してタンクに充填するガス充填装置であっ
    て、前記圧縮機とタンクとの間のガス充填系にガスの圧
    力を検出するセンサを設けるとともに、このセンサによ
    って検出したガスの圧力が所定以上の圧力において、ガ
    スの圧力検知値が大なる程、あるいはガスの圧力検知値
    と予め定めた最終充填圧力との差が小さくなるにしたが
    って圧縮機回転数を除々に低下させる制御装置を備えた
    ことを特徴とするガス充填装置。
  2. 【請求項2】 エンジンによって駆動する容積型圧縮機
    と、この圧縮機から吐出されたガスを冷却するガス冷却
    器とを備え、ガス供給源から供給されたガスを前記圧縮
    機によって圧縮してタンクに充填するガス充填装置であ
    って、前記圧縮機とタンクとの間のガス充填系にガスの
    圧力を検出するセンサを設けるとともに、このセンサに
    よって検出したガスの圧力と予め定めた最終充填圧力と
    の差が小さくなるにしたがって前記ガス冷却器の冷却能
    力を増大させることを特徴とするガス充填装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のガス充填装置において、
    制御装置としてエンジン出力可変手段を備え、ガスの圧
    力検知値が大なるにしたがい、あるいは前記差が小さく
    なるにしたがいエンジン出力を小さくするようにしたこ
    とを特徴とするガス充填装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のガス充填装置において、
    エンジン回転数検知手段と、前記ガスの圧力検知値に応
    じた目標エンジン回転数データを記憶するメモリ手段を
    設け、目標エンジン回転数と検知エンジン回転数との差
    に応じて、スロットル弁開度を増減するようにするとと
    もに、目標エンジン回転数をガスの圧力検知値が大なる
    にしたがい、あるいは前記差が小さくなるにしたがい値
    が小さくなるように補正するか、目標エンジン回転数デ
    ータそのものを値が小さくなるように設定するかしたこ
    とを特徴とするガス充填装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のガス充填装置において、
    制御装置としてエンジンと圧縮機の間に可変変速装置を
    備え、ガスの圧力検知値が大なるにしたがい、前記差が
    小さくなるにしたがい圧縮機回転数をエンジン回転数で
    除した変速比を小さくするようにしたことを特徴とする
    ガス充填装置。
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