JP2000230575A - 摩擦係合装置 - Google Patents

摩擦係合装置

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JP2000230575A
JP2000230575A JP11165542A JP16554299A JP2000230575A JP 2000230575 A JP2000230575 A JP 2000230575A JP 11165542 A JP11165542 A JP 11165542A JP 16554299 A JP16554299 A JP 16554299A JP 2000230575 A JP2000230575 A JP 2000230575A
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Japan
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operating element
clutch
frictional engagement
frictionally engaged
friction
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Satoshi Omutsuno
智 大六野
Yasuto Koike
靖人 小池
Yoshio Kinoshita
芳男 木下
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NSK Warner KK
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    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/04Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates an elastic clutching, i.e. elastic actuating member, e.g. a diaphragm or a pneumatic tube
    • F16D25/042Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates an elastic clutching, i.e. elastic actuating member, e.g. a diaphragm or a pneumatic tube the elastic actuating member rotating with the clutch
    • F16D25/044Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates an elastic clutching, i.e. elastic actuating member, e.g. a diaphragm or a pneumatic tube the elastic actuating member rotating with the clutch and causing purely axial movement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/12Mechanical clutch-actuating mechanisms arranged outside the clutch as such
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/02Fluid-actuated clutches with means for actuating or keeping engaged by a force derived at least partially from one of the shafts to be connected
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/12Mechanical clutch-actuating mechanisms arranged outside the clutch as such
    • F16D2023/123Clutch actuation by cams, ramps or ball-screw mechanisms

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトかつ簡単な構成によって大きな伝
達トルク容量を得ることができ、かつ、被摩擦係合部材
の接続・解放を円滑に行うことのできる摩擦係合装置を
提供する。 【解決手段】 湿式多板クラッチ1は、クラッチケース
2と、ハブ3と、メインクラッチ4とを有している。可
変長継手31は、クラッチケース2の内筒部5とハブ3
の円筒部15との間に収納されており、ハブ3に軸方向
摺動自在に保持された第1カムプレート35と、クラッ
チケース2に相対回動自在に保持された第2カムプレー
ト37と、両カムプレート35,37の間に介装された
複数本のローラ39とを主要構成部材としている。第2
カムプレート37とクラッチケース2の内筒部5との間
隙には、第2カムプレート37とクラッチケース2とを
摩擦係合するチューブ式クラッチ55が介装されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用自動変速
機に内蔵される湿式多板クラッチ等の摩擦係合装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機は、流体
継手であるトルクコンバータの他、3速〜5速程度の遊
星歯車変速機構を備えており、クラッチやブレーキによ
り遊星歯車変速機構の構成要素(サンギヤやプラネタリ
ギヤ等)を適宜固定あるいは解放することにより変速が
行われる。自動変速機に内装されるクラッチやブレーキ
としては、一部のバンド式ブレーキを除いて、フリクシ
ョンプレートとセパレータプレートとを交互に配置した
湿式多板型が用いられており、両プレートの圧着(摩擦
係合)には変速制御油圧回路からの作動圧油が用いられ
ている。尚、自動二輪車においては、小さな体積で比較
的大きなトルク容量を得られることや、円滑な接続が行
いやすいこと等から、湿式多板クラッチが動力断続用ク
ラッチとして用いられている。
【0003】図20には、従来の湿式多板クラッチの一
例を要部縦断面により示してある。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1は、遊星歯車変速機構のあ
る構成要素に接続される円筒状のクラッチケース2と、
遊星歯車変速機構の他の構成要素に接続されるハブ3
と、クラッチケース2の基端側(図20中の左方)に形
成されたシリンダ81に摺動自在に内嵌するピストン8
3とを備えている。クラッチケース2には、その内面に
固着された円筒状のリテーナ85を介して、複数枚(図
示例では4枚)のセパレータプレート13と、一枚のバ
ッキングプレート19とが軸方向摺動自在に保持されて
いる。一方、ハブ3には、各セパレータプレート13お
よびバッキングプレート19間に介装されるかたちで、
複数枚(図示例では4枚)のフリクションプレート17
が軸方向摺動自在に保持されている。図20中で、符号
87はシリンダ81とピストン83との間のシールを行
うOリングを示し、符号89は油室を示している。この
湿式多板クラッチ1では、図示しない変速制御油圧回路
からの作動圧油が油室89に導入されると、シリンダ8
1内では図20中右方にピストン83が所定の速度で移
動し、ピストン83に押圧されることにより、セパレー
タプレート13とフリクションプレート17とが互いに
圧着して摩擦係合する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の湿式多
板クラッチでは、大きな伝達トルク容量を確保するべく
摩擦係合面積の増大や作動油圧の高圧化を図った場合、
以下に述べる種々の問題が生じることが避けられなかっ
た。例えば、摩擦係合面積の増大を図る場合、フリクシ
ョンプレート17およびセパレータプレート13に対し
て、その枚数を増やしたり、外径を大きくすることが一
般に行われている。ところが、このような方法を採った
場合、構成部品点数が増加すると共にクラッチケース2
の軸方向寸法が増大したり、クラッチケース2の外径が
増大して変速機内への収納が難しくなる他、装置重量の
大幅な増加を余儀なくされる。また、同一の湿式多板ク
ラッチを用いながら、作動圧油の油圧を上昇させて摩擦
係合力を増大させる方法もあるが、この場合には油圧ポ
ンプの吐出圧を当然に高くする必要がある。そのため、
油圧ポンプに高圧型のものが必要となる一方、油圧ポン
プの駆動に消費される動力も大きくなり、自動車用自動
変速機の構成部品として用いられる場合、自動車の走行
性能や燃費が悪化する。
【0005】そこで、このような問題を解決するべく、
カム機構を用いて摩擦係合力を増大させる湿式多板クラ
ッチが種々提案されている。その代表的なものとして
は、特開平7−259885号公報(以下、先行技術
1)に記載されたクラッチ装置と、特開平7−2799
92号公報(以下、先行技術2)に記載されたクラッチ
装置とが存在する。ところが、特開平10−89381
号公報(以下、先行技術3)において指摘されたよう
に、先行技術1および2のクラッチ装置では、一旦カム
による摩擦係合が行われると、楔を打ち込んだごとくカ
ムが嵌まり込んでしまうため、作動油圧を解除してもク
ラッチの摩擦係合が断たれない。つまり、これらの装置
では、逆方向の駆動トルクを加えることによりはじめて
クラッチが解放されるため、油圧操作のみではクラッチ
の接続・解放を行えず、制御性が極めて悪いという問題
があった。
【0006】また、先行技術1および2のクラッチ装置
は、駆動トルクの方向が逆転するとクラッチが自動的に
解放されるいわゆるワンウェイクラッチ機能を有してい
る。しかし、このワンウェイクラッチ機能についても、
摩擦係合が行われるとカムが嵌まり込んでしまうことに
より、クラッチが解放される瞬間には駆動系に逆トルク
が発生し、これによる変速ショックが自動変速機から車
体に伝達される問題があった。更に、ワンウェイクラッ
チ機能を作動させるためには、予め作動油圧を解除して
おく必要があり、油圧の切換制御が煩雑になる欠点もあ
った。
【0007】また、先行技術1および2のクラッチ装置
は、伝達トルクの方向により自動解放は行えるものの、
自動接続機能は有していない。これにより、これらのク
ラッチ装置を採用した自動変速機では、シフトアップ時
においては、ハイギヤ側のクラッチを接続することによ
り、ローギヤ側のクラッチが自動解放してギヤチェンジ
が完了するものの、シフトダウン時においては、ハイギ
ヤ側のクラッチを解放するのに合わせてローギヤ側のク
ラッチを接続する必要があり、クラッチ・トゥー・クラ
ッチ方式でギヤチェンジを行う必要があった。
【0008】一方、先行技術3のクラッチ装置は、上述
した逆トルクによる不具合を改善することを目的として
いるが、その明細書にも記載されたように、逆トルクの
発生は軽減されるものの、完全な解消は実現されていな
い。
【0009】また、カム機構を用いた湿式多板クラッチ
の別の代表例としては、特開平3−219123号公報
(以下、先行技術4)に記載されたクラッチ装置が存在
する。しかし、このクラッチ装置では、パイロットクラ
ッチに電磁クラッチを用いている都合上、その構成部品
の素材に磁性体と非磁性体とを使い分ける必要がある
他、エアギャップを高精度に維持する手段も要求される
ため、装置コストが大幅に上昇する問題があった。尚、
このクラッチ装置は、先行技術1〜3のクラッチ装置と
異なり、ワンウェイクラッチ機能を有していない。
【0010】本発明は上記状況に鑑みなされたもので、
第1の発明は、コンパクトかつ簡単な構成によって大き
な伝達トルク容量を得ることができ、かつ、被摩擦係合
部材の接続・解放を自由に行うことのできる摩擦係合装
置を提供することを目的とする。また、第2の発明は、
駆動トルクの方向の逆転をもって、作動油圧の制御を行
うことなく、被摩擦係合部材の自動接続と自動解放とを
滑らかに行うことのできる摩擦係合装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明では、第1被摩擦係合部材と、この
第1被摩擦係合部材に対して相対回転自在に保持された
第2被摩擦係合部材と、前記第1被摩擦係合部材と前記
第2被摩擦係合部材との摩擦係合に供される第1摩擦係
合手段と、この第1摩擦係合手段と前記第1被摩擦係合
部材との間に介装され、当該第1摩擦係合手段に対峙す
ると共に軸方向に移動可能な第1作動要素と、前記第1
被摩擦係合部材に対して相対回動のみ自在に保持された
第2作動要素とを有し、当該第1作動要素または当該第
2作動要素のいずれか一方が当該第2被摩擦係合部材と
伴に回転し、かつ、当該第1摩擦係合手段を係合作動さ
せるべく当該第1作動要素と当該第2作動要素とが相対
回動に応じて軸方向に離反する一方、当該第1作動要素
と当該第2作動要素とが軸方向に接近することより相対
回動する可変長継手と、前記第1作動要素あるいは前記
第2作動要素のうち前記第2被摩擦係合部材と伴に回転
しないものと前記第1被摩擦係合部材との摩擦係合に供
される第2摩擦係合手段とを備えた摩擦係合装置を提案
する。
【0012】この発明によれば、例えば、第1被摩擦係
合部材と第2被摩擦係合部材とが相対回転しているとき
に、第2摩擦係合手段により第2作動要素と第1被摩擦
係合部材とが摩擦係合されると、可変長継手では第1作
動要素と第2作動要素とが相対回動により軸方向に離反
し、第1作動要素により第1摩擦係合手段が押圧されて
摩擦係合が実現される。一方、第2摩擦係合手段を解放
すると、第2作動要素と前記第1被摩擦係合部材とが相
対回動可能となる。この際、可変長継手には第1摩擦係
合手段を押圧する力の反力が作用しており、第1作動要
素と第2作動要素とが軸方向に接近することより相対回
動することから、第1作動要素と第2作動要素との軸方
向相対位置が直ちに元に戻り、第1摩擦係合手段が解放
されることになる。
【0013】また、請求項2の発明では、請求項1の摩
擦係合装置において、前記第1被摩擦係合部材あるいは
前記第2被摩擦係合部材と前記第1作動要素との間に介
装され、当該第1作動要素を前記第1摩擦係合手段から
軸方向に離反する方向に付勢するリターンスプリングを
備えたものを提案する。この発明によれば、第2摩擦係
合手段を解放した際に、第1作動要素と第2作動要素と
の接近がリターンスプリングより確実に行われる。
【0014】また、請求項3の発明では、請求項1また
は2の摩擦係合装置において、前記第1摩擦係合手段
は、前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2被摩擦係
合部材のいずれか一方と伴に回転する第1クラッチ要素
と、前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2被摩擦係
合部材のいずれか他方と伴に回転する第2クラッチ要素
と、前記第1クラッチ要素と前記第2クラッチ要素との
少なくとも一方に形成され、両クラッチ要素間の摩擦係
合に供される摩擦材とを備えたものを提案する。この発
明によれば、第1クラッチ要素および第2クラッチ要素
の個数を増減させることで、第1摩擦係合手段の伝達ト
ルク容量を任意に設定できる。
【0015】また、請求項4の発明では、請求項1〜3
の摩擦係合装置において、前記第2摩擦係合手段が圧力
流体を作動源とするものを提案する。この発明によれ
ば、比較的簡便かつ安価な油空圧ポンプや油空圧回路を
用いることで、装置コストの低減を図ることができる。
【0016】また、請求項5の発明では、請求項1〜4
の摩擦係合装置において、前記第2摩擦係合手段がチュ
ーブ式クラッチであるものを提案する。この発明によれ
ば、十分な摩擦係合力を確保しながら、装置コストの低
減を図ることができる。
【0017】また、請求項6の発明では、請求項1〜4
の摩擦係合装置において、前記第2摩擦係合手段がバン
ド式ブレーキであるものを提案する。この発明によれ
ば、より確実な摩擦係合力を確保することができる。
【0018】また、請求項7の発明では、第1被摩擦係
合部材と、この第1被摩擦係合部材に対して相対回転自
在に保持された第2被摩擦係合部材と、前記第1被摩擦
係合部材と前記第2被摩擦係合部材との摩擦係合に供さ
れる第1摩擦係合手段と、この第1摩擦係合手段と前記
第1被摩擦係合部材との間に介装され、当該第1摩擦係
合手段に対峙すると共に軸方向に移動可能な第1作動要
素と、前記第1被摩擦係合部材に対して相対回動のみ自
在に保持された第2作動要素とを有し、当該第1作動要
素および当該第2作動要素が前記第1被摩擦係合部材と
一体的に回転し、かつ、当該第1摩擦係合手段を係合作
動させるべく当該第1作動要素と当該第2作動要素とが
相対回動に応じて軸方向に離反する一方、当該第1作動
要素と当該第2作動要素とが軸方向に接近することより
相対回動する可変長継手と、前記第1作動要素または前
記第2作動要素と前記第2被摩擦係合部材との摩擦係合
に供される第2摩擦係合手段とを備えた摩擦係合装置を
提案する。
【0019】この発明によれば、例えば、第2摩擦係合
手段の非作動時には、第1作動要素と第2作動要素とが
第1被摩擦係合部材と一体に回転するため、第2作動要
素と第1被摩擦係合部材との間の軸受等に過大な負担が
掛からない。また、第1被摩擦係合部材と第2被摩擦係
合部材とが相対回転しているときに、第2摩擦係合手段
により第2作動要素と第2被摩擦係合部材とが摩擦係合
されると、可変長継手では第1作動要素と第2作動要素
とが相対回動により軸方向に離反し、第1作動要素によ
り第1摩擦係合手段が押圧されて摩擦係合が実現され
る。一方、第2摩擦係合手段を解放すると、第2作動要
素と前記第1被摩擦係合部材とが相対回動可能となる。
この際、可変長継手には第1摩擦係合手段を押圧する力
の反力が作用しており、第1作動要素と第2作動要素と
が軸方向に接近することより相対回動することから、第
1作動要素と第2作動要素との軸方向相対位置が直ちに
元に戻り、第1摩擦係合手段が解放されることになる。
【0020】また、請求項8の発明では、請求項7の摩
擦係合装置において、前記第1被摩擦係合部材あるいは
前記第2被摩擦係合部材と前記第1作動要素との間に介
装され、当該第1作動要素を前記第1摩擦係合手段から
軸方向に離反する方向に付勢するリターンスプリングを
備えたものを提案する。この発明によれば、第2摩擦係
合手段を解放した際に、第1作動要素と第2作動要素と
の接近がリターンスプリングより確実に行われる。
【0021】また、請求項9の発明では、請求項7また
は8の摩擦係合装置において、前記第1摩擦係合手段
は、前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2被摩擦係
合部材のいずれか一方と伴に回転する第1クラッチ要素
と、前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2被摩擦係
合部材のいずれか他方と伴に回転する第2クラッチ要素
と、前記第1クラッチ要素と前記第2クラッチ要素との
少なくとも一方に形成され、両クラッチ要素間の摩擦係
合に供される摩擦材とを備えたものを提案する。この発
明によれば、第1クラッチ要素および第2クラッチ要素
の個数を増減させることで、第1摩擦係合手段の伝達ト
ルク容量を任意に設定できる。
【0022】また、請求項10の発明では、請求項7〜
9の摩擦係合装置において、前記第2摩擦係合手段が圧
力流体を作動源とするものを提案する。この発明によれ
ば、比較的簡便かつ安価な油空圧ポンプや油空圧回路を
用いることで、装置コストの低減を図ることができる。
【0023】また、請求項11の発明では、請求項7〜
10の摩擦係合装置において、前記第2摩擦係合手段が
チューブ式クラッチであるものを提案する。この発明に
よれば、十分な摩擦係合力を確保しながら、装置コスト
の低減を図ることができる。
【0024】また、請求項12の発明では、請求項7〜
11の摩擦係合装置において、前記第2摩擦係合手段が
バンド式ブレーキであるものを提案する。この発明によ
れば、より確実な摩擦係合力を確保することができる。
【0025】また、請求項13の発明では、請求項1〜
12の摩擦係合装置において、前記可変長継手におい
て、前記第1摩擦係合手段を係合作動させるべく前記第
1作動要素と前記第2作動要素とが一方向の相対回動に
応じて軸方向に離反する一方、当該第1作動要素と当該
第2作動要素とが軸方向に接近することにより他方向に
相対回動するものを提案する。
【0026】この発明によれば、例えば、第1被摩擦係
合部材と第2被摩擦係合部材とが一方向に相対回転(正
回転)しているときに、第2摩擦係合手段により第2作
動要素と第1被摩擦係合部材とが摩擦係合されると、可
変長継手では第1作動要素と第2作動要素とが相対回動
により軸方向に離反し、第1作動要素により第1摩擦係
合手段が押圧されて摩擦係合が実現される。一方、第1
被摩擦係合部材と第2被摩擦係合部材とが他方向に相対
回転(逆回転)しているときには、第2摩擦係合手段に
より第2作動要素と前記第1被摩擦係合部材とが摩擦係
合されても、可変長継手では第1作動要素と第2作動要
素との相対回動は発生するが、第1作動要素と当該第2
作動要素との軸方向での離反は生ぜず、第1摩擦係合手
段は摩擦係合しない。
【0027】一方、第1被摩擦係合部材と第2被摩擦係
合部材とが正回転し、第1摩擦係合手段が摩擦係合した
状態で、第1被摩擦係合部材と第2被摩擦係合部材とが
逆回転に移行すると、例えば、第2被摩擦係合部材から
第1被摩擦係合部材に伝達されていた回転トルクが0を
経てマイナスになる。この際、第1摩擦係合手段は第1
被摩擦係合部材と回転方向で所定の遊びをもって連結さ
れたクラッチ要素を有しているため、回転トルクが0に
なった時点で、第2被摩擦係合部材と可変長継手の第1
作動要素とが第1被摩擦係合部材に対して一体的に相対
回転可能となる。一方で、可変長継手には第1摩擦係合
手段を押圧する反力が働いており、この反力により第2
被摩擦係合部材、第1作動要素および第1摩擦係合手段
は、第1作動要素と第2作動要素との軸方向相対位置が
元に戻る方向に回転させられる。これにより、第1作動
要素による押圧力が無くなり、第1摩擦係合手段が自動
的に解放されて、第2被摩擦係合部材が第1被摩擦係合
部材に対して逆回転する。このとき、第1摩擦係合手段
が上述したように解放されているため、これによる逆ト
ルクの発生は起こらない。また、第2作動要素と第1被
摩擦係合部材とは第2摩擦係合手段により結合されたま
まであるが、可変長継手は逆回転時には回転を伝達しな
いため、これによる逆トルクの発生も起こらない。
【0028】更に、この状態から第1被摩擦係合部材と
第2被摩擦係合部材とが再び正回転に移行すると、第2
被摩擦係合部材の回転にしたがって可変長継手の第1作
動要素が正回転する一方で、第2作動要素が第1被摩擦
係合部材に対して回転方向に固定されているため、第1
作動要素と第2作動要素とが相対回動により軸方向に離
反し、第2作動要素により第1摩擦係合手段が押圧され
て自動的な摩擦係合が実現される。
【0029】また、請求項14の発明では、請求項13
の摩擦係合装置において、前記可変長継手が、前記第1
作動要素と前記第2作動要素との間に介装された第3作
動要素を更に備え、前記第1作動要素の前記第3作動要
素との当接面あるいは前記第2作動要素の前記第3作動
要素との当接面の少なくとも一方にはカムが形成され、
当該カムの傾斜角θと、前記第1作動要素と前記第3作
動要素との間あるいは前記第2作動要素と前記第3作動
要素との間の摩擦係数μとの関係が、当該第1作動要素
と当該第2作動要素とが軸方向に離反する方向の相対回
動に対してはμ≧tan(θ/2)となり、当該第1作動
要素と当該第2作動要素とが軸方向に離反しない方向の
相対回動に対してはμ<tan(θ/2)となるものを提
案する。この発明によれば、第1作動要素と第2作動要
素との作動が円滑に行われるようになる。
【0030】また、請求項15の発明では、請求項13
または14の摩擦係合装置において、前記可変長継手
が、前記第1作動要素と前記第2作動要素との間に介装
された第3作動要素を更に備え、前記第1作動要素の前
記第3作動要素との当接面および前記第2作動要素の前
記第3作動要素との当接面が共に平面であり、当該第3
作動要素が当該第1作動要素と当該第2作動要素とが軸
方向に離反する方向の相対回動に対してのみ作動するス
プラグであるものを提案する。この発明によれば、第1
作動要素および第2作動要素の製作が容易となり、製造
コストの低減を図ることができる。
【0031】また、請求項16の発明では、請求項1〜
15の摩擦係合装置において、前記第1作動要素あるい
は前記第2作動要素のいずれか一方が前記第1被摩擦係
合部材または前記第2被摩擦係合部材に一体化されたも
のを提案する。この発明によれば、構成部品点数の減少
による加工および組立工数等の削減が実現される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動変速機用の湿
式多板クラッチに適用したいくつかの実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1は第1実施形態に係る湿式
多板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1は、遊星歯車変速機構のあ
る構成要素に接続される第1被摩擦係合部材たる円筒状
のクラッチケース2と、遊星歯車変速機構の他の構成要
素に接続される第2被摩擦係合部材たるハブ3と、クラ
ッチケース2とハブ3との摩擦係合に供される第1摩擦
係合手段たるメインクラッチ4とを有している。
【0033】クラッチケース2は、内筒部5、外筒部6
および鏡板部7から構成された二重円筒形状を呈してお
り、外筒部6の内周面にはスプライン11を介してメイ
ンクラッチ4の構成要素たる複数枚(図示例では4枚)
のセパレータプレート13が軸方向摺動自在に保持され
ている。また、ハブ3は、クラッチケース2の内筒部5
と外筒部6との間に嵌入する円筒部15を有しており、
円筒部15の外周面にはスプライン16を介してメイン
クラッチ4の構成要素たる複数枚(図示例では5枚)の
フリクションプレート17が軸方向摺動自在に保持され
ている。図中、符号19で示した部材はスナップリング
21によりクラッチケース2の内周面に係止されたバッ
キングプレート、符号23で示した部材は皿ばねであ
り、上述したフリクションプレート17は、バッキング
プレート19、各セパレータプレート13および皿ばね
23の間に交互に介装されている。
【0034】本実施形態の場合、可変長継手31は、ク
ラッチケース2の内筒部5とハブ3の円筒部15との間
に収納されており、ハブ3の円筒部15にスプライン3
3を介して軸方向摺動自在に保持された第1作動要素た
る第1カムプレート35と、クラッチケース2の内筒部
5および鏡板部7に対峙する第2作動要素たる第2カム
プレート37と、両カムプレート35,37の間に介装
された第3作動要素たる複数本(本実施形態では、3
本)のローラ39とを主要構成部材としている。図2に
示したように、第1カムプレート35および第2カムプ
レート37には、それぞれ凹状のカム41,43が形成
されており、ローラ39はこれらカム41,43の谷部
41a,43aに位置している。したがって、第1カム
プレート35と第2カムプレート37とが相対回動する
と、図3に示したように、ローラ39がカム41,43
の傾斜面41b,43bに沿って転動し、これにより、
第1カムプレート35が第2カムプレート37に対して
離反する方向に移動することになる。図中、符号44で
示した部材はローラ39を保持するリテーナリングであ
る。
【0035】第1カムプレート35は、外周側にメイン
クラッチ4の皿ばね23に対峙するピストン部45が形
成されると共に、ニードル軸受47を介してクラッチケ
ース2の内筒部5に保持された円環状のリターンスプリ
ング49により第2カムプレート37側に付勢されてい
る。また、第2カムプレート37は、滑り軸受51を介
して第1カムプレート35に相対回動自在かつ相対摺動
自在に保持される一方、ニードル軸受53を介してクラ
ッチケース2の鏡板部7に相対回動自在に支持されてい
る。図中、符号54で示した部材はリターンスプリング
49を内筒部5に係止するスナップリングである。
【0036】一方、第2カムプレート37とクラッチケ
ース2の内筒部5との間隙には、第2摩擦係合手段(パ
イロットクラッチ)たるチューブ式クラッチ55が介装
されている。本実施形態のチューブ式クラッチ55は、
合成ゴム製の扁平管を環状に形成したもので、内筒部5
に穿設された給油孔57から作動油が供給されると、膨
張して第2カムプレート37とクラッチケース2とを摩
擦係合する。図中、符号59で示した部材は遊星歯車変
速機構の構成要素たる中空シャフトであり、図示しない
変速制御油圧回路からの作動圧油がこの中空シャフト5
9から給油孔57に供給される。
【0037】以下、回転側のハブ3と固定側のクラッチ
ケース2とを摩擦係合させ、ハブ3の回転を停止させる
場合を例にして、第1実施形態の作用を述べる。ハブ3
の回転時においては、これにスプライン係合されたフリ
クションプレート17および第1カムプレート35はも
ちろんのこと、ローラ39が第1,第2カムプレート3
5,37のカム41,43に係止されるため、ローラ3
9および第2カムプレート37もハブ3と同期回転す
る。この際、第1カムプレート35がリターンスプリン
グ49によって第2カムプレート37側に押圧されてい
るため、ローラ39がカム41,43の谷部41a,4
3aに嵌まり込み、これら部材の位置関係は図1,図2
に示した状態となる。また、リターンスプリング49と
第1カムプレート35との間にニードル軸受47が介装
され、クラッチケース2と第2カムプレート37との間
にニードル軸受53が介装されていることにより、ハブ
3と同期回転する各部材には回転抵抗が殆ど作用せず、
駆動力の損失はごく小さく抑えられる。
【0038】さて、変速制御油圧回路からの作動圧油が
給油孔57を介してチューブ式クラッチ55に供給され
ると、チューブ式クラッチ55は、図4に示したよう
に、クラッチケース2の内筒部5と第2カムプレート3
7との間で膨張する。すると、第2カムプレート37
は、チューブ式クラッチ55と摺接することによって摩
擦制動力をうけ、ハブ3と同期回転している第1カムプ
レート35に対し相対回転する。これにより、図3に示
したように、ローラ39が両カムプレート35,37の
カム41,43の傾斜面41b,43bに沿って転動
し、両カムプレート35,37が軸方向に離反して、可
変長継手31が伸張作動することになる。この際、第2
カムプレート37がニードル軸受53を介してクラッチ
ケース2に係止されているため、第1カムプレート35
はリターンスプリング49の付勢力に抗して図4中左方
に移動し、そのピストン部45が皿ばね23を介してメ
インクラッチ4を押圧する。その結果、セパレータプレ
ート13とフリクションプレート17とは、バッキング
プレート19側に押し付けられることで互いに圧着し、
メインクラッチ4の結合が行われてハブ3の回転が停止
する。尚、本実施形態の場合、ピストン部45がメイン
クラッチ4を押圧する力は、カム41,43の形状(谷
部41a,43aの深さ)や皿ばね23のばね力によっ
て適宜設定可能である。
【0039】一方、メインクラッチ4が結合状態にある
ときに、チューブ式クラッチ55内の作動圧油が変速制
御油圧回路を介して排出されると、チューブ式クラッチ
55との摺接による摩擦制動力が消滅するため、第2カ
ムプレート37がクラッチケース2に対して相対回転可
能となる。すると、ピストン部45がメインクラッチ4
を押圧している力の反力が第1カムプレート35と第2
カムプレート37とを接近させる力(復元力)として働
いているため、カム41,43の傾斜面41b,43b
にローラ39が位置していることから、復元力の回転方
向成分が生起されて第1カムプレート35と第2カムプ
レート37とが前とは逆方向に回転する。これにより、
ローラ39がカム41,43の傾斜面41b,43bを
転動して谷部41a,43aに嵌まり込み、ローラ39
および第1カムプレート35が図1,図2に示した位置
に復帰して、可変長継手31が短縮作動することにな
る。その結果、可変長継手31の軸方向長さが初期状態
に復帰し、メインクラッチ4が解放状態となって、ハブ
3が再び回転可能となる。尚、本実施形態では、皿ばね
23およびリターンスプリング49の付勢力が存在する
ため、可変長継手31の初期状態への復帰がより確実に
行われる。
【0040】以上述べたように、本発明の第1実施形態
では、チューブ式クラッチ55に対する作動圧油の給排
を行うだけで、メインクラッチ4の結合・解放が自由に
行えると共に、摩擦係合要素の大型化や作動圧油の高圧
化を行うことなく、メインクラッチ4の摩擦係合力を増
大させることが可能となる。また、メインクラッチ4の
解放時には、可変長継手31の第2カムプレート37が
クラッチケース2に対して回動自在となるため、従来装
置のような楔作用が起こらずにスムーズな解放が実現さ
れる。
【0041】図5は本発明の第2実施形態に係る湿式多
板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1では、メインクラッチ4や
可変長継手31の基本構造や作動については上述した第
1実施形態と同一であるが、第1カムプレート35の形
状がより単純化されている。また、これに付随して、ク
ラッチケース2の全長が長くなる他、ハブ3の円筒部1
5に形成されたフリクションプレート17用のスプライ
ン16に第1カムプレート35が係合している。第2実
施形態の湿式多板クラッチ1においては、第1カムプレ
ート35やハブ3の製造が容易になると共に、ハブ3の
内周側に遊星ギヤ等を配設可能な空間が形成される。
【0042】図6は本発明の第3実施形態に係る湿式多
板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1でも、メインクラッチ4や
可変長継手31の基本構造や作動については前述した第
1実施形態と略同一であるが、各部材の配置が異なって
いる。すなわち、第3本実施形態では、クラッチケース
2がスナップリング60を介して係止される変速機ケー
ス等の固定ケース61の内側に可変長継手31が配置さ
れ、可変長継手31の内側に更にメインクラッチ4やハ
ブ3が配置されている。また、可変長継手31の第1カ
ムプレート35と第2カムプレート37との間には、ロ
ーラに代えてボール63が介装されている。第2実施形
態の湿式多板クラッチ1においては、チューブ式クラッ
チ55が固定ケースの内周面側に位置するため、これに
代えて、図7に斜視を示したバンド式ブレーキ65を用
いることもできる。
【0043】図8は本発明の第4実施形態に係る湿式多
板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1は、第3実施形態を更に変
形させたものあるが、メインクラッチ4や可変長継手3
1の基本構造や作動については前述した第1実施形態と
略同一である。第4実施形態では、メインクラッチ4と
可変長継手31とが直列配置されており、第1カムプレ
ート35からはメインクラッチ4に向けて棒状のピスト
ン部45が突設されている。また、本実施形態では、ピ
ストン部45に外嵌するコイル状のリターンスプリング
49が複数本用いられると共に、このリターンスプリン
グ49がハブ3の円筒部15に係止されたばね受板67
により受けられている。第4実施形態の湿式多板クラッ
チ1においては、装置の径方向寸法が極めて小さくなる
ためにスペースの有効活用が可能となる他、第3実施形
態と同様にバンド式ブレーキ65を用いることもでき
る。
【0044】図9は本発明の第5実施形態に係る湿式多
板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1は、第4実施形態を更に変
形させたものあり、第1カムプレート35が直にメイン
クラッチ4を押圧するようになっているが、メインクラ
ッチ4や可変長継手31の基本構造や作動については前
述した第1実施形態と略同一である。第5実施形態で
は、ハブ3の円筒部15と第2カムプレート37との間
にチューブ式クラッチ55が配置されており、第2カム
プレート37には固定ケース61側の給油孔57に連通
する給油孔71が形成されている。また、第1カムプレ
ート35が固定ケース61に係止されたクラッチケース
2にスプライン係合すると共に、第2カムプレート37
がハブ3に係止されたバックアッププレート73にニー
ドル軸受53を介して支持されている。図9中、符号7
5で示した部材はクラッチケース2と第1カムプレート
35との間に摩擦係合力を発生させるウェーブスプリン
グであり、符号77で示した部材はバックアッププレー
ト73をハブ3に係止するスナップリングである。第5
実施形態では、第1から第4実施形態で固定ケース61
側に配置されていた部材(チューブ式クラッチ55)が
第2カムプレート37側に配置され、また、ハブ3側に
配置されていた部材(第1カムプレート35)が固定ケ
ース61側に配置されるため、回転動作は逆になるが、
可変長継手31の伸張作動等は同様に行われる。
【0045】図10は本発明の第6実施形態に係る湿式
多板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1は、第4実施形態を更に変
形させたものあるが、メインクラッチ4や可変長継手3
1の基本構造や基本作動については前述した第1実施形
態と略同一である。第6実施形態においては、上述した
各実施形態とは異なり、可変長継手31の第1作動要素
たる第1カムプレート35と固定ケース61との間にチ
ューブ式クラッチ55が介装されている。また、第1カ
ムプレート35とセパレータプレート13との間には、
メインクラッチ4の結合時における第1カムプレート3
5と第2カムプレート37との相対回転を円滑に行わせ
るべく、ニードル軸受47が介装されている。尚、可変
長継手31の伸張作動時において、第1カムプレート3
5が図中左方に若干量(例えば、1mm程度)変位する
が、チューブ式クラッチ55は、撓み変形することによ
ってその変位を吸収し、破損することはない。また、チ
ューブ式クラッチ55に代えて、湿式多板クラッチ等を
用いても、係合要素がスプラインに沿って移動すること
により、第1カムプレート35の変位が吸収される。
【0046】図11は本発明の第7実施形態に係る湿式
多板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1は、上述した第5実施形態
に対して主に可変長継手31の保持方法を変更したもの
である。すなわち、本実施形態では、第5実施形態と同
様にメインクラッチ4と可変長継手31とが直列配置さ
れ、第1カムプレート35もウェーブスプリング75の
作用によりクラッチケース2と摩擦係合しているが、第
2カムプレート37がニードル軸受53を介して第1被
摩擦係合部材たる固定ケース61(クラッチケース2)
側に相対回動自在に支持されている。尚、本実施形態に
おいても、メインクラッチ4や可変長継手31の基本構
造や基本作動については前述した第1実施形態と略同一
である。
【0047】第7実施形態では、このような構成を採っ
たことにより、メインクラッチ4の非結合時には第2カ
ムプレート37がハブ3と同期回転しないことから、第
2カムプレート37(すなわち、可変長継手31)と固
定ケース61とは一体的に回転することになる。そのた
め、例えば自動車の高速走行時等にハブ3が固定ケース
61に対して毎分数千回転しても、ニードル軸受53に
は回転方向の負担が全く掛からなくなり、ニードル軸受
53の寿命が大幅に向上することにより自動変速機の保
守インターバルの延長が実現される。
【0048】図12は本発明の第8実施形態に係る湿式
多板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1は、上述した第4実施形態
に対して主に可変長継手31の保持方法を変更したもの
である。すなわち、本実施形態では、第4実施形態と同
様にメインクラッチ4と可変長継手31とが直列配置さ
れ、第1カムプレート35がスプライン16を介してハ
ブ3に係合しているが、第2カムプレート37がニード
ル軸受53を介して第1被摩擦係合部材たるハブ3側の
バックアッププレート73に相対回動自在に支持されて
いる。尚、本実施形態においても、メインクラッチ4や
可変長継手31の基本構造や基本作動については前述し
た第1実施形態と略同一である。
【0049】第8実施形態では、このような構成を採っ
たことにより、メインクラッチ4の非結合時において
も、第2カムプレート37が固定ケース61と同期回転
しないことから、第2カムプレート37(すなわち、可
変長継手31)とハブ3とは一体的に回転することにな
る。そのため、例えば自動車の高速走行時等にハブ3が
固定ケース61に対して毎分数千回転しても、第7実施
形態と同様に、ニードル軸受53には回転方向の負担が
全く掛からなくなり、ニードル軸受53の寿命が大幅に
向上することにより自動変速機の保守インターバルの延
長が実現される。
【0050】図13は本発明の第9実施形態に係る湿式
多板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよう
に、この湿式多板クラッチ1は、上述した第7実施形態
に対して可変長継手31の構成を変更したものである。
すなわち、本実施形態では、第7実施形態と同様にメイ
ンクラッチ4と可変長継手31とが直列配置され、第1
カムプレート35もウェーブスプリング75の作用によ
りクラッチケース2と摩擦係合しているが、第2カムプ
レート37が第1被摩擦係合部材たる固定ケース61と
一体に形成されている。尚、本実施形態においても、メ
インクラッチ4や可変長継手31の基本構造や基本作動
については前述した第1実施形態と略同一である。
【0051】第9実施形態では、このような構成を採っ
たことにより、固定ケース61と第2カムプレート37
とが単一部材となるため、ニードル軸受53が省略され
ることも相俟って、軸方向にコンパクトでかつ構成部材
点数の少ない摩擦係合装置が実現される。
【0052】図14は本発明の第10実施形態に係る湿
式多板クラッチの要部縦断面図である。同図に示したよ
うに、この湿式多板クラッチ1は、上述した第8実施形
態に対して可変長継手31の構成を変更したものであ
る。すなわち、本実施形態では、第8実施形態と同様に
メインクラッチ4と可変長継手31とが直列配置され、
第1カムプレート35がスプライン16を介してハブ3
に係合しているが、第2カムプレート37が第1被摩擦
係合部材たるハブ3側のバックアッププレート73と一
体に形成されている。尚、本実施形態においても、メイ
ンクラッチ4や可変長継手31の基本構造や基本作動に
ついては前述した第1実施形態と略同一である。
【0053】第10実施形態では、このような構成を採
ったことにより、バックアッププレート73と第2カム
プレート37とが単一部材となるため、ニードル軸受5
3が省略されることも相俟って、第9実施形態と同様
に、軸方向にコンパクトでかつ構成部材点数の少ない摩
擦係合装置が実現される。
【0054】次に、図15〜図19を参照して、第1〜
第10実施形態に採用可能な可変長継手31の二つの変
形例を述べる。
【0055】図15に示したものは、第1カムプレート
35としてカムを持たない平滑なものを用いた第1変形
例であり、ローラ39(または、ボール63)は、第2
カムプレート37に形成されたカム43のみにより駆動
され、図16に示したように第1カムプレート35と第
2カムプレート37とを軸方向に離反させる。この変形
例においても、上述した各実施形態の作用・効果は変わ
らなく得られるが、第1カムプレート35の製造コスト
が低減できる。
【0056】一方、図17に示したものは、可変長継手
31の第2変形例であり、上述した第1変形例に対して
ワンウェイクラッチ機能を付加するべく、第2カムプレ
ート37のカム43が異なっている。すなわち、このカ
ム43は、谷部43aの一方側にのみ緩やかな傾斜面
(第1傾斜面)43bを有し、他方側には比較的急な傾
斜面(第2傾斜面)43cを有している。第1傾斜面4
3bの傾斜角(第2カムプレート37の回転軸に垂直な
面となす角)θ1は、ローラ39(または、ボール6
3)と第2カムプレート37との間の摩擦係数μに対し
て、μ≧tan(θ1/2)となる値に設定されている。ま
た、第2傾斜面43cの傾斜角θ2は、傾斜角θ1と同様
の条件で、μ<tan(θ2/2)となる値に設定されてい
る。
【0057】このような構成を採ることにより、第2変
形例では、第1カムプレート35と第2カムプレート3
7とが一方向に相対回転(正回転)しているときには、
図18に示したように、ローラ39(または、ボール6
3)が第1傾斜面43bを滑ることなく転動する。この
場合には、第1カムプレート35と第2カムプレート3
7とは、前述した各実施形態と同様に軸方向に離反し、
可変長継手31が伸張作動することになる。ところが、
第1カムプレート35と第2カムプレート37とが他方
向に相対回転(逆回転)しているときには、第2傾斜面
43cの傾斜角θ2がローラ39(または、ボール6
3)と第2カムプレート37との間の摩擦係数μに対し
てμ<tan(θ2/2)となる値に設定されているため、
図19に示したように、ローラ39(または、ボール6
3)は谷部43aで滑り続け、第2傾斜面43cを転動
することができない。これにより、第1カムプレート3
5がローラ39(または、ボール63)に対して相対回
転(空転)するだけで、第1カムプレート35と第2カ
ムプレート37とは軸方向に離反しない。
【0058】次に、第2変形例の可変長継手31を第1
実施形態の湿式多板クラッチ1に適用した場合の作動を
説明する。尚、この説明にあたっても回転側のハブ3と
固定側のクラッチケース2とを摩擦係合させるものと
し、可変長継手31が作動する方向の相対回転を正回転
とする一方、可変長継手31が作動しない方向の相対回
転を逆回転とする。また、本変形例においては、クラッ
チケース2とセパレータプレート13とは、回転方向に
所定の遊びをもってスプライン係合されている。
【0059】第2変形例においては、ハブ3が正回転し
ている場合、上述したように可変長継手31が伸張作動
するため、前述した各実施形態と同様にメインクラッチ
4が結合され、回転トルクはハブ3からクラッチケース
2に伝達されている。
【0060】また、ハブ3が逆回転している場合、チュ
ーブ式クラッチ55に作動圧油を供給し、第2カムプレ
ート37に摩擦制動力を作用させても、上述したよう
に、ローラ39が第2カムプレート37の谷部43aで
滑り続け、第1カムプレート35もローラ39に対して
空転するため、可変長継手31が伸張することはない。
その結果、第1カムプレート35のピストン部45がメ
インクラッチ4を押圧することができず、メインクラッ
チ4の結合は当然に行われない。
【0061】一方、ハブ3の正回転時にチューブ式クラ
ッチ55を結合させ、これによりメインクラッチ4が結
合している状態で、ハブ3が正回転から逆回転に移行す
る場合、湿式多板クラッチ1は次のように作動する。正
回転時には、上述したように、回転トルクはハブ3から
クラッチケース2に伝達されている。この状態でハブ3
が正回転から逆回転に移行すると、ハブ3の回転トルク
は0を経てマイナスになる。このとき、セパレータプレ
ート13とクラッチケース2のスプライン係合には回転
方向に遊びがあるため、ハブ3の回転トルクが0になっ
た時点で、可変長継手31の第1カムプレート35とハ
ブ3とメインクラッチ4とは、一体的にクラッチケース
2に対して相対回転可能となる。
【0062】すると、可変長継手31の第1カムプレー
ト35にはローラ39を介して図1中左方に押圧する力
の反力が作用しているため、この反力の回転方向分力に
より、第1カムプレート35とハブ3とメインクラッチ
4とは、第1カムプレート35と第2カムプレート37
との間でローラ39がカム43の傾斜面43bを転動し
て谷部43aに嵌まり込む方向に一体に回転する。これ
により、第1カムプレート35と第2カムプレート37
とが接近し、可変長継手31が短縮作動することにな
る。その結果、可変長継手31の軸方向長さが初期状態
に復帰し、第1カムプレート35による押圧力が消滅し
てメインクラッチ4が解放状態となり、ハブ3はクラッ
チケース2に対して逆回転(空転)することになる。こ
の際、メインクラッチ4が上述したように解放状態にあ
るため、従来装置で問題となっていた逆トルクは発生し
ない。また、チューブ式クラッチ55は結合状態のまま
であるが、可変長継手31においては、逆回転時には第
1カムプレート35とローラ39とが滑って回転トルク
を伝達しないため、これによる逆トルクの発生も起こら
ない。尚、第1実施形態では、皿ばね23およびリター
ンスプリング49の付勢力が存在するため、可変長継手
31の初期状態への復帰がより確実に行われる。
【0063】また、この状態からハブ3が再び正回転に
移行すると、ハブ3の回転に伴って第1カムプレート3
5も正回転を始める。すると、第2カムプレート37が
クラッチケース2に対して回転方向で固定されているた
め、第1カムプレート35と第2カムプレート37との
間には正回転方向の相対回転が生じる。これにより、ロ
ーラ39が第2カムプレート37のカム43の傾斜面4
3bを転動し、第1カムプレート35と第2カムプレー
ト37とが離反し、可変長継手31が伸張作動してメイ
ンクラッチ4が再び結合される。
【0064】このように、第2変形例の可変長継手31
が採用された第1実施形態の湿式多板クラッチ1では、
チューブ式クラッチ55を結合状態としたままで、ハブ
3の回転方向の変化に応じてメインクラッチ4の結合・
解放が行われるが、その際に全く逆トルクを発生するこ
とがない。尚、第2〜第6実施形態に第2変形例の可変
長継手31を採用した場合も、各部材の回転動作等が一
部に異なる他は、第1実施形態と同様に逆トルクを発生
することなくメインクラッチ4の結合・解放が行われ
る。
【0065】以上で具体的実施形態の説明を終えるが、
本発明の態様はこれら実施形態に限られるものではな
い。例えば、上記各実施形態は自動車用の自動変速機に
組み込まれる摩擦係合装置に本発明を適用したものであ
るが、自動二輪車の動力断続用クラッチ装置や産業機械
用のクラッチ装置等、他の摩擦係合装置に適用してもよ
い。また、上記各実施形態では、カム機構による可変長
継手を採用したが、ねじ機構等による可変長継手を採用
してもよく、この場合にも略同様の作用を実現できる。
また、第1摩擦係合手段としては、上述した湿式多板ク
ラッチの他、軸方向押圧力で作動するものであれば、単
板クラッチやコーンクラッチ等、種々のものが採用可能
である。また、第2摩擦係合手段として、上述したチュ
ーブ式クラッチやバンド式ブレーキに代えて、湿式多板
クラッチ等を採用してもよい。また、第2摩擦係合手段
の作動源として、上述した作動圧油に代えて、圧縮空気
や電磁力等を用いるようにしてもよい。その他、本発明
の主旨を逸脱しない範囲であれば、装置を構成する各部
材の形状やその作動等も適宜変更可能である。
【0066】
【発明の効果】本発明の請求項1〜6の発明によれば、
高精度の部品や高価な部品を用いず、高圧力の作動圧油
や多数の構成部品も必要とすることもなく、伝達トルク
容量が大きくかつ結合・解放を自由かつ滑らかに行うこ
とのできる摩擦係合装置を実現できる。
【0067】また、請求項7〜12の発明によれば、第
1摩擦係合手段の非係合時における可変長継手と第1被
摩擦係合部材との相対回転が生じなくなり、ニードル軸
受等の寿命低下に起因する保守インターバルの短縮等が
防止できる。
【0068】また、請求項13〜15の発明によれば、
第2摩擦係合手段を結合したまま、一方の被摩擦係合部
材の回転方向の変化のみにより、有害な逆トルクの発生
を伴うことなく、第1摩擦係合手段の自動的な結合・解
放を行うことのできる摩擦係合装置を実現できる。そし
て、これらの摩擦係合装置を自動車用自動変速機に搭載
した場合には、シフトダウン時におけるクラッチ・トゥ
・クラッチ操作等を必要とすることなく、シフトショッ
クの無い滑らかな変速を実現できる。
【0069】更に、請求項16の発明によれば、可変長
継手の構成部材点数を削減できるため、コンパクトかつ
構成部品点数の少ない摩擦係合装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る湿式多板クラッチ
を示す要部縦断面図である。
【図2】第1実施形態における可変長継手の構造を示す
説明図である。
【図3】第1実施形態における可変長継手の作動状態を
示す説明図である。
【図4】第1実施形態の湿式多板クラッチの作動状態を
示す要部縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る湿式多板クラッチ
を示す要部縦断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る湿式多板クラッチ
を示す要部縦断面図である。
【図7】バンド式ブレーキの斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る湿式多板クラッチ
を示す要部縦断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る湿式多板クラッチ
を示す要部縦断面図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係る湿式多板クラッ
チを示す要部縦断面図である。
【図11】本発明の第7実施形態に係る湿式多板クラッ
チを示す要部縦断面図である。
【図12】本発明の第8実施形態に係る湿式多板クラッ
チを示す要部縦断面図である。
【図13】本発明の第9実施形態に係る湿式多板クラッ
チを示す要部縦断面図である。
【図14】本発明の第10実施形態に係る湿式多板クラ
ッチを示す要部縦断面図である。
【図15】可変長継手の第1変形例の構造を示す説明図
である。
【図16】可変長継手の第1変形例の作動状態を示す説
明図である。
【図17】可変長継手の第2変形例の構造を示す説明図
である。
【図18】可変長継手の第2変形例の作動状態を示す説
明図である。
【図19】可変長継手の第2変形例の作動状態を示す説
明図である。
【図20】従来の湿式多板クラッチを示す要部縦断面図
である。
【符号の説明】
1‥‥湿式多板クラッチ 2‥‥クラッチケース 3‥‥ハブ 4‥‥メインクラッチ 13‥‥セパレータプレート 17‥‥フリクションプレート 19‥‥バッキングプレート 23‥‥皿ばね 31‥‥可変長継手 35‥‥第1カムプレート 37‥‥第2カムプレート 39‥‥ローラ 41,43‥‥カム 41a,43a‥‥谷部 41b,43b‥‥傾斜面(第1傾斜面) 43c‥‥第2傾斜面 44‥‥リテーナリング 47‥‥ニードル軸受 49‥‥リターンスプリング 53‥‥ニードル軸受 55‥‥チューブ式クラッチ 57‥‥給油孔 63‥‥ボール 65‥‥バンド式ブレーキ 67‥‥ばね受板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 芳男 静岡県袋井市愛野2345番地 エヌエスケ ー・ワーナー株式会社内 Fターム(参考) 3J057 AA04 AA09 BB04 CB12 CB30 GA11 GA64 GD23 HH02 JJ04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1被摩擦係合部材と、 この第1被摩擦係合部材に対して相対回転自在に保持さ
    れた第2被摩擦係合部材と、 前記第1被摩擦係合部材と前記第2被摩擦係合部材との
    摩擦係合に供される第1摩擦係合手段と、 この第1摩擦係合手段と前記第1被摩擦係合部材との間
    に介装され、当該第1摩擦係合手段に対峙すると共に軸
    方向に移動可能な第1作動要素と、前記第1被摩擦係合
    部材に対して相対回動のみ自在に保持された第2作動要
    素とを有し、当該第1作動要素または当該第2作動要素
    のいずれか一方が当該第2被摩擦係合部材と伴に回転
    し、かつ、当該第1摩擦係合手段を係合作動させるべく
    当該第1作動要素と当該第2作動要素とが相対回動に応
    じて軸方向に離反する一方、当該第1作動要素と当該第
    2作動要素とが軸方向に接近することより相対回動する
    可変長継手と、 前記第1作動要素あるいは前記第2作動要素のうち前記
    第2被摩擦係合部材と伴に回転しないものと前記第1被
    摩擦係合部材との摩擦係合に供される第2摩擦係合手段
    とを備えたことを特徴とする摩擦係合装置。
  2. 【請求項2】前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2
    被摩擦係合部材と前記第1作動要素との間に介装され、
    当該第1作動要素を前記第1摩擦係合手段から軸方向に
    離反する方向に付勢するリターンスプリングを備えたこ
    とを特徴とする、請求項1記載の摩擦係合装置。
  3. 【請求項3】前記第1摩擦係合手段は、 前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2被摩擦係合部
    材のいずれか一方と伴に回転する第1クラッチ要素と、 前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2被摩擦係合部
    材のいずれか他方と伴に回転する第2クラッチ要素と、 前記第1クラッチ要素と前記第2クラッチ要素との少な
    くとも一方に形成され、両クラッチ要素間の摩擦係合に
    供される摩擦材とを備えたことを特徴とする、請求項1
    または2記載の摩擦係合装置。
  4. 【請求項4】前記第2摩擦係合手段が圧力流体を作動源
    とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の摩擦係合装置。
  5. 【請求項5】前記第2摩擦係合手段がチューブ式クラッ
    チであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一
    項に記載の摩擦係合装置。
  6. 【請求項6】前記第2摩擦係合手段がバンド式ブレーキ
    であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項
    に記載の摩擦係合装置。
  7. 【請求項7】第1被摩擦係合部材と、 この第1被摩擦係合部材に対して相対回転自在に保持さ
    れた第2被摩擦係合部材と、 前記第1被摩擦係合部材と前記第2被摩擦係合部材との
    摩擦係合に供される第1摩擦係合手段と、 この第1摩擦係合手段と前記第1被摩擦係合部材との間
    に介装され、当該第1摩擦係合手段に対峙すると共に軸
    方向に移動可能な第1作動要素と、前記第1被摩擦係合
    部材に対して相対回動のみ自在に保持された第2作動要
    素とを有し、当該第1作動要素および当該第2作動要素
    が前記第1被摩擦係合部材と一体的に回転し、かつ、当
    該第1摩擦係合手段を係合作動させるべく当該第1作動
    要素と当該第2作動要素とが相対回動に応じて軸方向に
    離反する一方、当該第1作動要素と当該第2作動要素と
    が軸方向に接近することより相対回動する可変長継手
    と、 前記第1作動要素または前記第2作動要素と前記第2被
    摩擦係合部材との摩擦係合に供される第2摩擦係合手段
    とを備えたことを特徴とする摩擦係合装置。
  8. 【請求項8】前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2
    被摩擦係合部材と前記第1作動要素との間に介装され、
    当該第1作動要素を前記第1摩擦係合手段から軸方向に
    離反する方向に付勢するリターンスプリングを備えたこ
    とを特徴とする、請求項7記載の摩擦係合装置。
  9. 【請求項9】前記第1摩擦係合手段は、 前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2被摩擦係合部
    材のいずれか一方と伴に回転する第1クラッチ要素と、 前記第1被摩擦係合部材あるいは前記第2被摩擦係合部
    材のいずれか他方と伴に回転する第2クラッチ要素と、 前記第1クラッチ要素と前記第2クラッチ要素との少な
    くとも一方に形成され、両クラッチ要素間の摩擦係合に
    供される摩擦材とを備えたことを特徴とする、請求項7
    または8記載の摩擦係合装置。
  10. 【請求項10】前記第2摩擦係合手段が圧力流体を作動
    源とすることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一
    項に記載の摩擦係合装置。
  11. 【請求項11】前記第2摩擦係合手段がチューブ式クラ
    ッチであることを特徴とする、請求項7〜10のいずれ
    か一項に記載の摩擦係合装置。
  12. 【請求項12】前記第2摩擦係合手段がバンド式ブレー
    キであることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか
    一項に記載の摩擦係合装置。
  13. 【請求項13】前記可変長継手において、前記第1摩擦
    係合手段を係合作動させるべく前記第1作動要素と前記
    第2作動要素とが一方向の相対回動に応じて軸方向に離
    反する一方、当該第1作動要素と当該第2作動要素とが
    軸方向に接近することにより他方向に相対回動すること
    を特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の
    摩擦係合装置。
  14. 【請求項14】前記可変長継手が、前記第1作動要素と
    前記第2作動要素との間に介装された第3作動要素を更
    に備え、 前記第1作動要素の前記第3作動要素との当接面あるい
    は前記第2作動要素の前記第3作動要素との当接面の少
    なくとも一方にはカムが形成され、 当該カムの傾斜角θと、前記第1作動要素と前記第3作
    動要素との間あるいは前記第2作動要素と前記第3作動
    要素との間の摩擦係数μとの関係が、当該第1作動要素
    と当該第2作動要素とが軸方向に離反する方向の相対回
    動に対してはμ≧tan(θ/2)となり、当該第1作動
    要素と当該第2作動要素とが軸方向に離反しない方向の
    相対回動に対してはμ<tan(θ/2)となることを特
    徴とする、請求項13記載の摩擦係合装置。
  15. 【請求項15】前記可変長継手が、前記第1作動要素と
    前記第2作動要素との間に介装された第3作動要素を更
    に備え、 前記第1作動要素の前記第3作動要素との当接面および
    前記第2作動要素の前記第3作動要素との当接面が共に
    平面であり、 当該第3作動要素が当該第1作動要素と当該第2作動要
    素とが軸方向に離反する方向の相対回動に対してのみ作
    動するスプラグであることを特徴とする、請求項13ま
    たは14記載の摩擦係合装置。
  16. 【請求項16】前記第1作動要素あるいは前記第2作動
    要素のいずれか一方が前記第1被摩擦係合部材または前
    記第2被摩擦係合部材に一体化されたことを特徴とす
    る、請求項1〜15のいずれか一項に記載の摩擦係合装
    置。
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