JP2000229931A - アミニウム塩及びこれを用いた光記録媒体及び赤外線カットフィルター - Google Patents

アミニウム塩及びこれを用いた光記録媒体及び赤外線カットフィルター

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JP2000229931A
JP2000229931A JP11345038A JP34503899A JP2000229931A JP 2000229931 A JP2000229931 A JP 2000229931A JP 11345038 A JP11345038 A JP 11345038A JP 34503899 A JP34503899 A JP 34503899A JP 2000229931 A JP2000229931 A JP 2000229931A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光記録媒体において、記録再生特性および保存
安定性の向上が可能なアミニウム塩、それを用いた光記
録媒体及び耐光性、耐熱性に優れた赤外線カットフィル
ターの開発。 【解決手段】アミニウムカチオンとアニオンとからなる
アミニウム塩において、アミニウム塩が、下記式(1) 【化1】 (式中、mは1又は2の整数である。)で示される骨格
構造を有し、2つの環Aに結合した窒素原子に、結合す
る4つのフェニル基のそれぞれの4位に、置換基を有し
ていてもよいアミノ基が結合しており、該4つのアミノ
基の少なくとも1つが、置換基として、シアノアルキル
基を有し、環A及びBが更に置換基を有していてもよい
アミニウム塩であるアミニウム塩及びその前駆体、並び
にそのアミニウム塩を用いた光記録媒体及び赤外カット
フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外領域に吸収を有
するアミニウム塩及びその酸化前駆体、またそのアミニ
ウム塩を用いた光記録媒体及び赤外線カットフィルター
に関する。特に耐熱性及び耐光性に優れたアミニウム
塩、更に光記録媒体において、繰り返し再生における耐
久性及び耐光性を向上させるアミニウム塩及びそれを用
いた光記録媒体に関し、また本発明のアミニウム塩を含
有する耐熱性及び耐光性に優れた赤外線カットフィルタ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外線吸収剤であるアミニウム塩
は、断熱フィルム及びサングラス等に広く利用されてい
る。しかし、光や製造時における加熱処理などにより劣
化が起こり、色素自体の耐熱性及び耐光性が問題となっ
ている。また、有機色素を含有する光記録媒体、特に1
回のみ記録可能なCD−R、DVD−R等の光ディスク
及び光カード等に利用する色素として、シアニン系色素
等の有機色素が種々提案されているが、一般に、熱及び
光に対して、それらの色素が変化しやすい等の原因から
記録再生特性および保存安定性が低下するという問題が
あった。更に赤外線カットフィルターや熱線遮断フィル
ムについては、色素の耐熱性、耐光性、赤外線吸収率、
可視光透過率等の点で、満足する色素は提供されていな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な問題の解決を
目的とする手段として、すでに特公平6−26028、
特開平1−99885等に記載の如く、アミニウム塩、
ジイモニウム塩等を添加することが知られているが、耐
熱性及び耐光性が未だ十分でなく、さらなる改善が望ま
れている。本発明はこの様な状況に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は、従来のものよりも耐熱性及び
耐光性の優れたアミニウム塩、更に該化合物を用いた耐
光性、繰り返し耐久性のある光記録媒体、更に該アミニ
ウム塩を用いた耐熱性及び耐光性の優れた赤外線カット
フィルターを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を解決すべく鋭意努力した結果、シアノ置換ア
ルキル基を有するアミノ基が置換基として導入された特
定のアミニウム塩が耐熱性及び耐光性に優れていること
を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発
明は、(1)アミニウムカチオンとアニオンとからなる
アミニウム塩において、アミニウムカチオンが下記式
(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、mは1又は2の整数である。)で
示される骨格構造を有し、環Aに結合した2つの窒素原
子に結合する4つのフェニル基のそれぞれの4位に、置
換基を有していてもよいアミノ基が結合しており、該4
つのアミノ基の少なくとも1つが、置換基として、シア
ノアルキル基を有するアミニウムカチオンであるアミニ
ウム塩及びその酸化前駆体、(2)シアノアルキル基が
シアノ(C1〜C5)アルキル基である(1)に記載のア
ミニウム塩及びその酸化前駆体、(3)4つのアミノ基
の全てにシアノ置換アルキル基が結合している(1)ま
たは(2)に記載のアミニウム塩及びその酸化前駆体、
(4)シアノ置換アルキル基が結合しているアミノ基が
ジ(シアノアルキル)アミノ基である(3)に記載のア
ミニウム塩及びその酸化前駆体、(5)シアノアルキル
基がシアノプロピル基である(4)に記載のアミニウム
塩及びその酸化前駆体、(6)(1)ないし(5)のい
ずれか一項に記載のアミニウム塩を記録層に含有するこ
とを特徴とする光記録媒体、(7)(1)ないし(5)
のいずれか一項に記載のアミニウム塩を含有する層を有
する赤外線カットフィルター、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明
のアミニウム塩は、アミニウムカチオンと対イオンとし
てのアニオンとの塩であり、アミニウムカチオンとし
て、上記式(1)で示される骨格構造を有し、2つの4
級窒素に結合する4つのフェニル基のそれぞれの4位
に、置換基を有していてもよい、アミノ基が結合してお
り、該4つのアミノ基の少なくとも1つが、置換基とし
て、シアノ置換アルキル基を有することを特徴とする。
このようなアミニウム塩の例を化学式で示すと下記式
(2)の通りである。
【0008】
【化3】
【0009】式(2)において、mは1又は2の整数で
あり、環A、Bは更に1乃至4個の置換基を有していて
も良い。R1〜R8は炭素数1から8の置換基であり、そ
の少なくとも1つはシアノ置換アルキル基であり、残り
はアルキル基である。また、Xは陰イオンであり、nは
1または1/2である。
【0010】本発明の酸化前駆体は、式(1)において
分子をカチオン化していない化合物であって、上記のア
ミニウム塩を合成する際の中間体である。前駆体を酸化
反応することによって、アミニウム塩が得られる。この
ような前駆体の例を化学式で示すと下記式(3)の通り
である。
【0011】
【化4】
【0012】式(3)において、m、環A、B、R1〜
R8は前記と同じものを意味する。
【0013】環Aには1〜4個の置換基を有していて
も、いなくても良い。結合しうる置換基としては、例え
ばハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シア
ノ基、低級アルキル基が挙げられる。ハロゲン原子とし
ては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子等が挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメ
トキシ基、エトキシ基等のC1〜C5のアルコキシ基が
挙げられ、低級アルキル基としては、例えばメチル基、
エチル基等のC1〜C5のアルキル基が挙げられる。A
が置換基を有していないか、ハロゲン原子(特に塩素原
子、臭素原子)、メチル基またはシアノ基で置換されて
いるものが好ましい。置換基を2個有する場合、その置
換位置はA環上の窒素原子の結合を1位としたとき
(2,5)位が好ましい。
【0014】又環Bに前記アミノ基以外の置換しうる置
換基としてはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、シアノ基、低級アルキル基があげられる。ハロゲ
ン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子等が挙げられる。又、アルコキシ基とし
ては、例えばメトキシ基、エトキシ基等のC1〜C5の
アルコキシ基が挙げられ、更に低級アルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基等のC1〜C5のアルキ
ル基が挙げられる。
【0015】R1〜R8の置換基は、少なくとも1つはシ
アノ置換アルキル基であり、残りは炭素数1〜8(C1
〜C8)のアルキル基である。アルキル部分は直鎖状あ
るいは分岐鎖状のいずれでもよい。また、それぞれ同じ
であっても異なっていても良い。シアノ置換アルキル基
の具体例としては、例えばシアノメチル基、2−シアノ
エチル基、3−シアノプロピル基、2−シアノプロピル
基、4−シアノブチル基、3−シアノブチル基、2−シ
アノブチル基、5−シアノペンチル基、4−シアノペン
チル基、3−シアノペンチル基、2−シアノペンチル
基、6−シアノヘキシル基、5−シアノヘキシル基、4
−シアノヘキシル基、3−シアノヘキシル基、2−シア
ノヘキシル基等のシアノ置換(C1〜C8)アルキル基
が挙げられ、アルキル部分の炭素数が2〜5のものが好
ましい。更に好ましいものとしてはシアノプロピル基が
挙げられる。R1〜R8におけるアルキル基としては、例
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ter−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げら
れる。
【0016】式(2)においてXは1価の陰イオン又は
2価の陰イオンである。1価の陰イオンの場合nは1で
あり、2価の陰イオンの場合nは1/2である。1価の
陰イオンとしては、例えば有機酸1価アニオン、無機1
価アニオン等が挙げられる。有機酸1価アニオンとして
は、例えば酢酸イオン、乳酸イオン、トリフルオロ酢酸
イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、シュウ
酸イオン、コハク酸イオン、ステアリン酸イオン等の有
機カルボン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トルエ
ンスルホン酸イオン、ナフタレンモノスルホン酸イオ
ン、クロロベンゼンスルホン酸イオン、ニトロベンゼン
スルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオ
ン、ベンゼンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオ
ン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等の有機スル
ホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ブチルト
リフェニルホウ酸イオン等の有機ホウ酸イオン等があげ
られ、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸イオ
ン、トルエンスルホン酸イオン等のハロゲノアルキルス
ルホン酸イオンもしくはアルキルアリールスルホン酸イ
オンが挙げられる。これらの陰イオンのうち、好ましい
ものとしては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸イ
オン、トルエンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0017】無機1価アニオンとしては、例えばフッ素
イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハ
ロゲンイオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロア
ンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオ
ン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサ
フルオロリン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングス
テン酸イオン、チタン酸イオン、バナジン酸イオン、リ
ン酸イオン、ホウ酸イオン等があげられ、好ましいもの
としては、過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフル
オロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキ
サフルオロアンチモン酸イオン等があげられる。これら
の無機陰イオンのうち、特に好ましいものとしては、例
えば過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホ
ウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフル
オロアンチモン酸イオン等が挙げられる。
【0018】2価の陰イオンとしては、例えばナフタレ
ン−1、5−ジスルホン酸、R酸、G酸、H酸、ベンゾ
イルH酸、p−クロルベンゾイルH酸、p−トルエンス
ルホニルH酸、クロルH酸、クロルアセチルH酸、メタ
ニルγ酸、6−スルホナフチル−γ酸、C酸、ε酸、p
−トルエンスルホニルR酸、ナフタリン−1,6−ジス
ルホン酸、1−ナフトール−4,8−ジスルホン酸、等
のナフタレンジスルホン酸誘導体、カルボニルJ酸、
4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’ージスルホン
酸、ジJ酸、ナフタル酸、ナフタリン−2,3−ジカル
ボン酸、ジフェン酸、スチルベン−4,4’−ジカルボ
ン酸、6−スルホ−2−オキシ−3−ナフトエ酸、アン
トラキノン−1,8−ジスルホン酸、1,6−ジアミノ
アントラキノン−2,7−ジスルホン酸、2−(4−ス
ルホフェニル)−6−アミノベンゾトリアゾール−5−
スルホン酸、6−(3−メチル−5−ピラゾロニル)−
ナフタレン−1,3−ジスルホン酸、1−ナフトール−
6−(4−アミノ−3−スルホ)アニリノ−3−スルホ
ン酸等の2価の有機酸のイオンが挙げられる。好ましい
ものとしては、例えばナフタレン−1、5−ジスルホン
酸、R酸が挙げられる。
【0019】環A、環B、X、mの好ましい組み合わせ
は、例えばmが1または2、環Aが無置換であり、また
はハロゲン、C1〜C5アルキル基、C1〜C5アルコ
キシ基もしくはシアノ基で置換され、環Bが無置換であ
り、R1〜R8がいずれもシアノ(C2〜C5)アルキル
基、特に3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、
Xが例えば過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフル
オロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキ
サフルオロアンチモン酸イオン、トリフルオロメタンス
ルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ナフタレ
ン−1、5−ジスルホン酸等が挙げられる。
【0020】次に、本発明の一般式(2)で示されるア
ミニウム塩の具体例を表1〜3に示す。表1〜3中、
1,5−NpSは1,5−ナフタレンジスルホン酸、T
sOはトルエンスルホン酸イオンを表す。また、mが1
の場合、Aが無置換である場合には「4H」と、mが2
の場合、Aが無置換である場合には「8H」と、R1〜
R8が全てシアノエチル基(CH2CH2CN)である場
合には「4(EtCN,EtCN)」と、またR1〜R8
のうち、例えば1つがn−ブチル基で残りがシアノプロ
ピル基(CH2CH2CH2CN)である場合には「3
(n−PrCN,n−PrCN)(n−PrCN,n−
Bu)」等と簡略して表記する。また、表3中(2,5)は
A環上の窒素原子の結合を1位としたときの置換位置の
ことである。
【0021】 表1 NO. m A (R1,R2)(R3,R4)(R5,R6)(R7,R8) X n 1 1 4H 4(n-PrCN,n-PrCN) SbF6 1 2 1 4H 4(n-PrCN,n-PrCN) ClO4 1 3 1 4H 4(n-PrCN,n-PrCN) TsO 1 4 1 4H 4(n-PrCN,n-PrCN) PF6 1 5 1 4H 4(n-PrCN,n-PrCN) BF4 1 6 1 4H 4(n-PrCN,n-PrCN) 1,5-NpS 1/2 7 1 4H 4(EtCN,EtCN) SbF6 1 8 1 4H 4(EtCN,EtCN) ClO4 1 9 1 4H 4(n-BuCN,n-BuCN) SbF6 1 10 1 4H 4(n-BuCN,n-BuCN) ClO4 1 11 1 4H 4(n-BuCN,n-BuCN) 1,5-NpS 1/2 12 1 4H 3(n-PrCN,n-PrCN)(n-PrCN,n-Bu) SbF6 1
【0022】 表2 NO. m A (R1,R2)(R3,R4)(R5,R6)(R7,R8) X n 13 1 4H 3(n-PrCN,n-PrCN)(n-PrCN,n-Bu) ClO4 1 14 1 4H 3(n-Bu,n-Bu)(n-Bu,n-PrCN) SbF6 1 15 1 4H 3(n-Bu,n-Bu)(n-Bu,n-PrCN) ClO4 1 16 1 4H 3(n-Bu,n-Bu)(n-Bu,n-BuCN) SbF6 1 17 1 4H 3(n-Bu,n-Bu)(n-Bu,n-BuCN) ClO4 1 18 1 Cl 4(n-PrCN,n-PrCN) SbF6 1 19 1 Cl 4(n-PrCN,n-PrCN) ClO4 1 20 1 Cl 4(n-PrCN,n-PrCN) 1,5-NpS 1/2 21 1 Cl 4(EtCN,EtCN) ClO4 1 22 1 Cl 4(n-BuCN,n-BuCN) SbF6 1 23 1 Cl 4(n-BuCN,n-BuCN) ClO4 1 24 1 Cl 4(n-BuCN,n-BuCN) 1,5-NpS 1/2
【0023】 表3 NO. A (R1,R2)(R3,R4)(R5,R6)(R7,R8) X n 25 1 Cl 3(n-PrCN,n-PrCN)(n-PrCN,n-Bu) ClO4 1 26 1 Cl 3(n-Bu,n-Bu)(n-Bu,n-PrCN) SbF6 1 27 1 Cl 3(n-Bu,n-Bu)(n-Bu,n-BuCN) ClO4 1 28 1 2Br(2,5) 4(n-PrCN,n-PrCN) SbF6 1 29 1 2Br(2,5) 4(n-BuCN,n-BuCN) SbF6 1 30 1 CH3 4(n-PrCN,n-PrCN) ClO4 1 31 1 CH3 4(n-BuCN,n-BuCN) ClO4 1 32 1 CH3O 4(n-PrCN,n-PrCN) ClO4 1 33 1 4F 4(n-PrCN,n-PrCN) ClO4 1 34 1 CN 4(n-PrCN,n-PrCN) ClO4 1 35 2 8H 4(n-PrCN,n-PrCN) SbF6 1 36 2 8H 4(n-PrCN,n-PrCN) ClO4 1 37 2 8H 4(n-BuCN,n-BuCN) ClO4 1
【0024】本発明の一般式(1)で表されるアミニウ
ム塩は、例えば次の様な方法で得ることができる。すな
わち、pーニトロハロベンゼンとpーフェニレンジアミ
ン又はベンジジンをウルマン反応で反応させ、得られる
N,N,N',N'ーテトラキス(ニトロフェニル)ーpー
フェニレンジアミン又はベンジジンを還元する方法(例
えば特公昭43−25335号公報に記載された方法)
で得られる下記式(4)
【0025】
【化5】
【0026】で表されるアミノ体を、有機溶媒中、好ま
しくはDMF,DMI,NMP等の水溶性極性溶媒中、
30〜160℃、好ましくは50〜140℃でハロゲン
化された対応するシアノアルキルと反応させ全置換体を
得るか、又は先に所定のモル数のハロゲン化アルキルと
反応させた後、ハロゲン化された対応するシアノアルキ
ルと反応させ本発明の式(3)で表される酸化前駆体を
得ることができる。これら酸化前駆体の具体例として
は、前記表1〜表3において分子がカチオン化されてお
らず、かつ陰イオンXを有しない化合物があげられる。
【0027】その後、酸化前駆体を、有機溶媒中、好ま
しくはDMF、DMI、NMP等の水溶性極性溶媒中、
0〜100℃、好ましくは5〜70℃で対応する銀塩を
添加して、酸化することにより、本発明の一般式(1)
で表されるアミニウム塩が得られる。また、酸化前駆体
を硝酸銀、過塩素酸銀、塩化第二銅等の酸化剤で酸化
し、その反応液に、所望のアニオンの酸もしくは塩を添
加して塩交換を行う方法によっても一般式(1)で表さ
れるアミニウム塩を合成することが出来る。
【0028】本発明の光記録媒体は、基板上に記録層を
有するもので、該記録層は上記の本発明のアミニウム塩
を含有することを特徴とする。この記録層は、本発明の
アミニウム塩単独で含有されていても良く、またバイン
ダー等の各種添加剤と混合して含有されていても良い。
この場合、本発明のアミニウム塩により情報が記録され
る。
【0029】また、本発明のアミニウム塩を、有機色素
により情報が記録される光記録媒体の記録層に含有させ
ることによって、該光記録媒体の耐光性を向上させるこ
とができる。このような光記録媒体も本発明の光記録媒
体の一種である。光記録媒体において、本発明のアミニ
ウム塩と併用しうる有機色素としては、一般的に知られ
ている色素、例えばシアニン系色素、スクワリリウム系
色素、インドアニリン系色素、フタロシアニン系色素、
アゾ系色素、メロシアニン系色素、ポリメチン系色素、
ナフトキノン系色素、ピリリウム系色素等が挙げられ
る。
【0030】これらの有機色素1モルに対して、本発明
のアミニウム塩は、一般的に0.01〜10モル、好ま
しくは0.03〜3モル使用される。
【0031】本発明の光記録媒体は、基板上に本発明の
アミニウム塩及び所望により色素を含有する記録層を設
けたもので、必要に応じ、反射層、保護層が設けられ
る。基板としては既知のものを任意に使用することが出
来る。例えば、ガラス板、金属板又はプラスチック板も
しくはフィルムがあげられ、これらを製造するためのプ
ラスチックとしてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹
脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リプロピレン樹脂等があげられる。基板の形状について
は、ディスク状、カード状、シート状、ロールフィルム
状等種々のものがあげられる。
【0032】ガラスまたはプラスチック基板上には記録
時のトラッキングを容易にするために案内溝を形成させ
てもよい。また、ガラスまたはプラスチック基板にはプ
ラスチックバインダーまたは無機酸化物、無機硫化物等
の下引き層を設けてもよく、下引層は基板より熱伝導率
の低いものが好ましい。
【0033】本発明の光記録媒体における記録層は、例
えば、一般式(1)で表されるアミニウム塩およびより
好ましくは一般式(1)で表されるアミニウム塩と他の
有機色素を公知の有機溶剤、例えばテトラフルオロプロ
パノール(TFP)、オクタフルオロペンタノール(O
FP)、ダイアセトンアルコール、メタノール、エタノ
ール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ジクロロエタン、イソホロン、シクロヘキサノン等
に溶解し、必要に応じて、適当なバインダーを加え、そ
の溶液をスピンコーター、バーコーター、ロールコータ
ー等により基板上に塗布することにより得ることが出来
る。その他の方法としては、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、ドクターブレード法、キャスト法もしくは基板を
溶液中に漬けるディッピング法によっても得ることがで
きる。ここにおいてバインダ−としてはアクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が使用されう
る。
【0034】記録層の膜厚は、記録感度や反射率を考慮
すると、好ましくは0.01μm〜5μm、より好まし
くは0.02μm〜3μmである。
【0035】本発明の光記録媒体には、必要により記録
層の下に下引層を、また記録層上に保護層を設けること
が出来、さらに記録層と保護層の間に反射層を設けるこ
とが出来る。反射層を設ける場合、反射層は金、銀、
銅、アルミニウム等、好ましくは金、銀、もしくはアル
ミニウムの金属で構成され、これらの金属は単独で使用
してもよく、2種以上の合金としてもよい。このものは
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法等で成膜される。このような反射層の厚さは、0.0
2〜2μmである。反射層の上に設けられることのある
保護層は、一般に、紫外線硬化樹脂をスピンコート法に
より塗装した後、紫外線を照射し、塗膜を硬化させて形
成されるものである。その他、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等も保護膜の形成
材料に用いられる。このような保護膜の厚さは、通常、
0.01〜100μmである。
【0036】本発明の光記録媒体における情報の記録、
あるいは画像の形成はレーザー、例えば、半導体レーザ
ー、ヘリウム−ネオンレーザー、He−Cdレーザー、
YAGレーザー、Arレーザー等の集光したスポット状
の高エネルギービームを基板を通して、もしくは基板と
反対側から記録層に照射することにより行われ、情報あ
るいは画像の読み出しは、低出力のレーザービームを照
射することにより、ピット部とピットが形成されていな
い部分の反射光量もしくは透過光量の差を検出すること
により行われる。
【0037】本発明の赤外線カットフィルターにおい
て、アミニウム塩を含有させるとは基材の内部にアミニ
ウム塩含有されることだけではなく、基材の表面に塗布
した場合、基材と基材の間に挟まれた状態でもよい。上
記アミニウム塩を用いて、赤外線カットフィルターを作
製する方法としては、特に限定されるものではないが、
例えば次の方法が利用できる。
【0038】例えば、(1)樹脂に本発明のアミニウム
塩を混練し、加熱成形して樹脂板或いはフィルムを作製
する方法、(2)アミニウム塩と樹脂モノマーまたは樹
脂モノマーの予備重合体を重合触媒の存在下にキャスト
重合し、樹脂板或いはフィルムを作製する方法、(3)
アミニウム塩を含有する塗料を作製し、透明樹脂板、透
明フィルム、或いは透明ガラス板にコーティングする方
法、(4)アミニウム塩を接着剤に含有させて、合わせ
樹脂板、合わせ樹脂フィルム、或いは合わせガラス板を
作製する方法、等である。
【0039】(1)の方法において、ベースとなる樹脂
としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル
酸等、種々の樹脂が挙げられる。作製方法としては、本
発明の化合物をベース樹脂の粉体或いはペレットに添加
し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、成形して
樹脂板を作製する方法等が挙げられる。一般式(1)で
表される本発明のアミニウム塩の添加量は、作製する樹
脂板或いはフィルムの厚み、吸収強度、可視光透過率に
よって異なるが、一般的にバインダー樹脂の重量に対し
て、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.03〜
15重量%使用される。
【0040】(2)の方法において、作製される樹脂と
してはアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂
等が挙げられる。その中でも、硬度、耐熱性、耐薬品性
に優れたアクリルシートが得られるメタクリル酸メチル
の塊状重合によるキャスティング法が好ましい。また、
熱重合させる場合、重合触媒としては公知のラジカル熱
重合開始剤が利用できる。加熱温度は、一般的に40〜
200℃であり、時間は一般的に30分〜8時間程度で
ある。また熱重合以外に、光重合開始剤や増感剤を添加
して光重合する方法も利用できる。使用量は前記樹脂に
対して、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.0
3〜15重量%使用される。
【0041】(3)の方法としては、本発明のアミニウ
ム塩をバインダー樹脂及び有機溶媒に溶解させて塗料化
する方法等がある。例えば、脂肪族エステル樹脂、アク
リル系樹脂、等をバインダーとして用いる事ができる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、
エステル系の溶媒、或いはそれらの混合物の溶媒を用い
ることができる。本発明のアミニウム塩の濃度は、作製
するコーティングの厚み、吸収強度、可視光透過率によ
って異なるが、バインダー樹脂に対して、一般的に0.
1〜30重量%である。このように作製した塗料は、透
明樹脂フィルム、透明樹脂板等の上にスピンコーター、
バーコーター、ロールコーター、スプレー等でコーティ
ングして得ることができる。コ−ティングの厚みは通常
0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmであ
る。
【0042】(4)の方法において、接着剤としては、
一般的なシリコン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂
用、或いは合わせガラス用の公知な透明接着剤が使用で
きる。本発明の化合物を通常0.1〜30重量%添加し
た接着剤を用いて透明な樹脂板同士、樹脂板と樹脂フィ
ルム、樹脂板とガラス、樹脂フィルム同士、樹脂フィル
ムとガラス、ガラス同士を接着して、フィルターを作製
する。
【0043】尚、それぞれの方法で混練、混合の際、紫
外線吸収剤、可塑剤などの通常の樹脂成形に用いる添加
剤を加えても良い。
【0044】また、本発明の赤外線カットフィルター
は、一般式(1)で表されるアミニウム塩だけでも良い
が、他の近赤外線吸収化合物、例えばフタロシアニン
系、シアニン系色素等と混ぜて作製しても良い。また、
無機金属の近赤外線吸収化合物としては、例えば金属銅
或いは硫化銅、酸化銅等の銅化合物、酸化亜鉛を主成分
とする金属混合物、タングステン化合物、ITO、AT
O等が挙げられる。
【0045】又、フィルターの色調を変えるために、可
視領域に吸収を持つ色素を、本発明の効果を阻害しない
範囲で加えることも好ましい。又、調色用色素のみを含
有するフィルターを作製し、後で貼り合わせることもで
きる。
【0046】この様な赤外線カットフィルターは、ディ
スプレーの前面板に用いられる場合等には、可視光の透
過率は高いほど良く少なくとも40%以上、好ましくは
50%以上必要である。近赤外のカット領域は通常80
0〜900nm、より好ましくは800〜1000nm
であり、その領域の平均透過率が50%以下、より好ま
しくは30%以下、更に好ましくは20%以下、特に好
ましくは10%以下になることが望ましい。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明が、これらの実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例中、部は特に特定しない限り重量
部を表す。
【0048】実施例1 酸化前駆体合成 DMF16部中にN,N,N’,N’−テトラキス(ア
ミノフェニル)−p−フェニレンジアミン2.2部、炭
酸カリウム8.6部、4−ブロモブチロニトリル12部
を加え、130℃で10時間反応する。冷却後、液濾過
し、この反応液にメタノール40部を加え、5℃以下で
1時間撹拌する。生成した結晶を濾過し、メタノールで
洗浄した後、乾燥しNo.1の化合物の酸化前駆体であ
る薄茶色結晶2.8部を得た。 融点 165〜170℃ IR 2232cm−1(CN伸縮)
【0049】実施例2 上記実施例1の4−ブロモブチロニトリルの代わりに、
5−ブロモバレロニトリルを用いた以外は同様に反応さ
せNo.9化合物の酸化前駆体2.0部を得た。 融点 105〜116℃ IR 2230cm−1(CN伸縮)
【0050】その他の酸化前駆体についても上記実施例
1と同様に対応するアルキル化試薬を用い、フェニレン
ジアミン誘導体を合成することにより、合成できる。
【0051】実施例3 アミニウム塩合成(酸化反応) DMF14部中に、上記実施例1で合成した前駆体N,
N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(シアノプロピ
ル)アミノフェニル}−p−フェニレンジアミン1.0
部を加え、60℃に加熱溶解した後、DMF14部に溶
解した六フッ化アンチモン酸銀0.36部を加え、30
分反応する。冷却後析出した銀を濾別する。この反応液
に水20部をゆっくりと滴下し、滴下後15分撹拌す
る。生成した緑色結晶を濾過し、50部の水で洗浄し、
得られたケーキを乾燥して、No.1のアミニウム塩
1.4部を得た。 λmax 440、880、1372nm(アセトン) 吸光係数 21,700(880nm) 分解温度 297℃(TG−DTA)
【0052】実施例4 上記実施例3の六フッ化アンチモン酸銀の代わりに硝酸
銀を用い、その反応液に1,5−ジナフタレンスルホン
酸を加えて反応させた以外は同様に合成し、No.6の
アミニウム塩1.0部を得た。 λmax 420、886、1320nm(アセトン) 吸光係数 25,700(886nm) 分解温度 161℃(TG−DTA)
【0053】実施例5 上記実施例3の六フッ化アンチモン酸銀の代わりに、過
塩素酸銀を用いた以外は同様に反応させNo.2のアミ
ニウム塩1.4部を得た。 λmax 418、884、1370nm(アセトン) 吸光係数 18,900(884nm) 分解温度 235℃(TG−DTA)
【0054】実施例6 上記実施例3の六フッ化アンチモン酸銀の代わりに、六
フッ化リン酸銀を用いた以外は同様に反応させNo.4
のアミニウム塩1.4部を得た。 λmax 418、890、1368nm(アセトン) 吸光係数 21,200(890nm) 分解温度 228℃(TG−DTA)
【0055】実施例7 上記実施例3の六フッ化アンチモン酸銀の代わりに、四
フッ化ホウ酸銀を用いた以外は同様に反応させNo.5
のアミニウム塩1.4部を得た。 λmax 420、886、1320nm(アセトン) 吸光係数 19,600(886nm) 分解温度 335℃(TG−DTA)
【0056】実施例8 上記実施例1で得られた前駆体の代わりに実施例2で得
られた前駆体を用い、実施例3と同様に反応させNo.
9のアミニウム塩1.1部を得た。 λmax 416、920nm(アセトン) 吸光係数 20,000(920nm) 分解温度 309℃(TG−DTA)
【0057】その他の化合物例についても上記実施例3
と同様に前駆体を対応する銀塩はじめ前記した種々の酸
化剤で酸化した後、対応する陰イオンを反応させること
により、合成できる。
【0058】実施例9 前記実施例3で得られたNo.1のアミニウム塩0.0
2部とシアニン色素(OM−57、富士写真フィルム社
製)0.10部をテトラフルオロプロパノール10部に
溶解し、0.2μmのフィルターを通過させて塗布液を
得た。この溶液5mlをグルーブ付5インチポリカーボ
ネート樹脂基板上にピペットにて滴下し、スピンコータ
ーにて塗布、乾燥し、有機薄膜記録層を形成した。塗布
膜の最大吸収波長は719nmであった。得られた塗布
膜に金をスッパッタリング法で製膜し、反射層として、
光記録媒体を作製した。得られた光記録媒体をCD−R
用記録再生機で評価したところ、記録、再生が可能であ
った。
【0059】実施例10 テトラフルオロプロパノール15部にシアニン色素(O
M−57)0.3部を溶解し、その溶液に、それぞれ前
記各実施例で得られたNo.1のアミニウム塩(試料
1)、No.2のアミニウム塩(試料2)、No.4の
アミニウム塩(試料3)、No.5のアミニウム塩(試
料5)0.04部を添加し、塗液を作成した。得られた
塗液をポリカーボネート基板にでスピンコートし、色素
膜を作成した。得られた色素膜をスガ試験機製紫外線ロ
ングライフカーボンアーク耐光試験機(ブラックパネル
温度63℃)に入れ、基板側から光を照射し、10時
間、20時間、40時間で耐光安定性試験を行った。そ
の後、シアニン色素の残存率を分光光度計にて測定し
た。結果を表4に示す。なお、No.1のアミニウム塩
の代わりにテトラキス{p−ジ(n−ブチル)アミノフ
ェニル}フェニレンアミニウムの六フッ化アンチモン酸
塩(比較試料1)を用いた以外は同様にして色素膜を作
成し、評価し、結果を表4に示した。
【0060】 表4(耐光安定性試験) シアニン色素の残存率(%) 初期 10時間後 20時間後 40時間後 試料1 100 79 70 30 試料2 100 83 73 46 試料3 100 80 73 42 試料4 100 87 75 36 比較試料1 100 76 50 0
【0061】実施例11 テトラフルオロプロパノール10部に、それぞれ前記各
実施例で得られたNo.1のアミニウム塩(試料1)、
No.2のアミニウム塩(試料2)、No.4のアミニ
ウム塩(試料3)、No.5のアミニウム塩(試料5)
0.1部を溶解し、その溶液約1mgをポリカーボネー
ト基盤に回転速度2000rpmでスピンコートし、本
発明の赤外線カットフィルターを得た。得られた赤外線
カットフィルターをスガ試験機製紫外線ロングライフカ
ーボンアーク耐光試験機(ブラックパネル温度63℃)
に入れ、基盤側から光を照射させ、10時間、20時
間、40時間で耐光安定性試験を行った。また、得られ
た赤外線カットフィルターを80℃の熱風乾燥機で1
日、7日で耐熱安定性試験を行った。試験後、いずれも
色素残存率を分光光度計にて測定した。耐光試験の結果
を表2に、耐熱試験の結果を表3に示す。なお、比較例
としてNo.1のアミニウム塩の代わりにテトラキス
{p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル}フェニレンジ
イモニウムの六フッ化アンチモン酸塩(比較試料1)に
変えた以外は同様にして赤外線カットフィルターを作成
し、評価した。結果を表5及び表6に示す。
【0062】 表5(耐光安定性試験) 各アミニウムの残存率(%) 初期 10時間後 20時間後 40時間後 試料1 100 99 96 85 試料2 100 98 97 80 試料3 100 98 95 82 試料4 100 98 93 81 比較試料1 100 77 61 45
【0063】 表6(耐熱安定性試験) 各アミニウムの残存率(%) 初期 1日後 4日後 7日後 試料1 100 99 98 97 試料2 100 97 95 91 試料3 100 99 98 97 試料4 100 96 85 67 比較試料1 100 32 変色
【0064】
【発明の効果】本発明のアミニウム塩は、極大吸収波長
が900nm以上にあり、耐熱性及び耐光性に優れてお
り、光記録媒体の記録層用の素材として使用できる。ま
た、有機色素の耐光性を大幅に向上することができるの
で、例えば光記録媒体の記録層に当たる有機色素薄膜
に、本発明のアミニウム塩を含有させた場合、繰り返し
再生における耐久性及び耐光安定性を著しく向上させた
光記録媒体を提供することができる。さらに、本発明の
アミニウム塩は、赤外部に極大吸収を持ち、また耐熱性
及び耐光性が良好であることから、赤外線カットフィル
ム、断熱フィルム及びサングラスなどにも用いられる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミニウムカチオンとアニオンとからなる
    アミニウム塩において、アミニウムカチオンが下記式
    (1) 【化1】 (式中、mは1又は2の整数である。)で示される骨格
    構造を有し、環Aに結合した2つの窒素原子に結合する
    4つのフェニル基のそれぞれの4位に、置換基を有して
    いてもよいアミノ基が結合しており、該4つのアミノ基
    の少なくとも1つが、置換基として、シアノアルキル基
    を有するアミニウムカチオンであるアミニウム塩及びそ
    の酸化前駆体。
  2. 【請求項2】シアノアルキル基がシアノ(C1〜C5)
    アルキル基である請求項1に記載のアミニウム塩及びそ
    の酸化前駆体。
  3. 【請求項3】4つのアミノ基の全てにシアノアルキル基
    が結合している請求項1または2に記載のアミニウム塩
    及びその酸化前駆体。
  4. 【請求項4】シアノアルキル基が結合しているアミノ基
    がジ(シアノアルキル)アミノ基である請求項3に記載
    のアミニウム塩及びその酸化前駆体。
  5. 【請求項5】シアノアルキル基がシアノプロピル基であ
    る請求項4に記載のアミニウム塩及びその酸化前駆体。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか一項に記載の
    アミニウム塩を記録層に含有することを特徴とする光記
    録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1ないし5のいずれか一項に記載の
    アミニウム塩を含有する層を有する赤外線カットフィル
    ター。
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