JPH0747769A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH0747769A
JPH0747769A JP5209999A JP20999993A JPH0747769A JP H0747769 A JPH0747769 A JP H0747769A JP 5209999 A JP5209999 A JP 5209999A JP 20999993 A JP20999993 A JP 20999993A JP H0747769 A JPH0747769 A JP H0747769A
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JP
Japan
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group
atom
general formula
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recording medium
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Withdrawn
Application number
JP5209999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Nagasawa
裕子 長澤
Hidetaka Ninomiya
英隆 二宮
Sumiko Kitagawa
寿美子 北川
Masahiro Shinkai
正博 新海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
TDK Corp
Original Assignee
Konica Minolta Inc
TDK Corp
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Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc, TDK Corp filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP5209999A priority Critical patent/JPH0747769A/ja
Publication of JPH0747769A publication Critical patent/JPH0747769A/ja
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐光性の向上が十分に図れるとともに、波長
領域700〜900nmのレーザ光において、シアニン
色素本来の高い反射率が維持されて、記録情報の良好な
再生を行うことのできる光記録媒体を提供すること。 【構成】 基板上に形成された記録層を有する光記録媒
体であって、前記記録層に、下記一般式(1)で示され
る少なくとも1種のシアニン色素化合物と、下記一般式
(2)で示される少なくとも1種の有機金属錯体化合物
とが含有されていることを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録層への情報の記録
・再生をレーザ光により行うヒートモードタイプの光記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】追記型コンパクトディスク等のヒートモ
ード光記録媒体の一例においては、透明性基板上に、記
録層、反射層、保護膜が順次積層されて構成される。
【0003】ここに、光記録媒体を構成する記録層に
は、有機色素材料が含有されており、斯かる有機色素材
料の中でも、インドリル環を有するシアニン色素は、成
膜性が良好で、比較的高い反射率および高いC/N比が
得られることから、従来より各種のシアニン色素化合物
が好適に用いられている。
【0004】しかしながら、シアニン色素化合物は、耐
光性が低く、光によって劣化しやすいという欠点を有し
ている。このため、光記録媒体の記録層として用いる場
合には、光安定剤を共存させることによってその耐光性
を改良する必要がある。
【0005】色素化合物の耐光性を改良するための好適
な手段として、例えば特開昭59−55794号公報に
おいて、ジチオールニッケル化合物等の有機金属錯体化
合物を光安定剤として共存させる技術が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジチオ
ールニッケル化合物等、従来公知の有機金属錯体化合物
は、シアニン色素化合物の耐光性を改良することには効
果的であるものの、可視領域から近赤外領域(情報の記
録・再生のためのレーザ光の波長領域)の光に対する吸
収性が比較的大きいものである。そして、このような光
吸収特性を有する化合物が光記録媒体の記録層に含有さ
れている場合には、レーザ光における当該記録層の消衰
係数k(複素屈折率の虚部)が過大となって反射率の低
下を招き、この結果、反射光を利用する記録情報の再生
を良好に行うことができない。
【0007】一方、レーザ光の波長領域における光吸収
性が小さい有機金属錯体化合物では色素化合物の耐光性
を十分に改良することはできない。
【0008】このように、可視領域における光の吸収性
が小さいものであって、色素化合物の耐光性を十分に改
良できる有機金属錯体化合物は知られておらず、シアニ
ン色素本来の反射特性を損なうことなく、優れた耐光性
を有する光記録媒体の提供が望まれていた。
【0009】本発明は以上のような事情に基づいてなさ
れたものであって、本発明の目的は、 有機金属錯体
化合物が共存されていることによる耐光性の向上が十分
に図れるとともに、 波長領域700〜900nmの
レーザ光において、シアニン色素本来の高い反射率が維
持されて、記録情報の良好な再生を行うことのできる光
記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光記録媒体は、
基板上に形成された記録層を有する光記録媒体であっ
て、前記記録層に、下記一般式(1)で示される少なく
とも1種のシアニン色素化合物と、下記一般式(2)で
示される少なくとも1種の有機金属錯体化合物とが含有
されていることを特徴とする。
【0011】
【化3】
【0012】〔一般式(1)において、R1 乃至R
8 は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、アシルアミノ基またはアリール基を
表し、R1 乃至R8 の各々は互いに連結して縮合環を形
成していてもよい。R9 乃至R12は、それぞれ、置換ま
たは非置換のアルキル基またはアリール基を表し、R9
乃至R12の各々は互いに連結して縮合環を形成していて
もよい。R13およびR14は、それぞれ、置換または非置
換のアルキル基、アリール基またはアリケニル基を表
す。An- はアニオンを表す。nは1から3の整数であ
る。一般式(2)において、R15乃至R18は、それぞ
れ、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アシルアミノ
基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アル
コキシ基、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ス
ルホ基、ヒドロキシ基、アニリノ基、アルキルウレイド
基またはアリールウレイド基を表し、R19は、水素原
子、アルキル基またはアリール基を表す。R15乃至R19
の各々は互いに連結して縮合環を形成していてもよい。
Xは硫黄原子または酸素原子を表し、Yは、アルキレン
基、アリーレン基またはアラルキレン基を表す。Mはニ
ッケル原子または銅原子を表し、Aは、窒素原子、酸素
原子および硫黄原子の何れかを介してMと配位結合する
配位子を表す。〕
【0013】また、本発明の光記録媒体は、基板上に形
成された記録層を有する光記録媒体であって、前記記録
層に、下記一般式(3)で示されるシアニン色素カチオ
ンと、下記一般式(4)で示される有機金属錯体化合物
のアニオンとのイオン結合体が含有されていることを特
徴とする。
【0014】
【化4】
【0015】〔一般式(3)において、R1 乃至R14
よびnは、それぞれ、一般式(1)と同じである。一般
式(4)において、R20乃至R23は、それぞれ、水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基、アシルアミノ基、モノア
ルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、
アルキル基、アリール基、カルボキシ基、スルホ基、ヒ
ドロキシ基、アニリノ基、アルキルウレイド基またはア
リールウレイド基を表し、R20乃至R23の各々は、その
一部が置換されていてもよい。R24は、水素原子、アル
キル基またはアリール基を表す。R20乃至R24の各々
は、互いに連結して縮合環を形成していてもよい。Xは
硫黄原子または酸素原子を表し、Y’は、置換または非
置換のアルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン
基を表す。Mはニッケル原子または銅原子を表し、A’
は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子の何れかを介し
てMと配位結合する配位子を表す。R20乃至R23、Y’
およびA’のうち、少なくとも1つは、アニオン性基と
なるカルボキシ基、スルホ基または芳香族性のヒドロキ
シ基を有している。〕
【0016】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の光記録媒体の特徴とする点は、 基板上に形成
された記録層に、特定のシアニン色素化合物(シアニン
色素カチオンと対アニオンの結合体)と、特定の有機金
属錯体化合物とが混合含有されていること、あるいは、
基板上に形成された記録層に、特定のシアニン色素
カチオンと、特定の有機金属錯体化合物のアニオンとの
イオン結合体(塩)が含有されていることにある。
【0017】特定のシアニン色素化合物を示す上記一般
式(1)〔特定のシアニン色素カチオンを示す上記一般
式(3)〕において、R1 乃至R8 は、それぞれ、水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、これらが互
いに連結して形成された縮合環であることが好ましく、
9 乃至R14は、それぞれ、非置換のアルキル基である
ことが好ましい。nは2であることが好ましい。また、
一般式(1)においてAn- で表されるアニオンとして
は、例えばI-、Br- 、ClO4 - 、BF4 - 等を例
示することができる。
【0018】本発明の光記録媒体の記録層に含有され
る、上記一般式(1)で示される特定のシアニン色素化
合物の具体例を下記化5に示す。
【0019】
【化5】
【0020】特定の有機金属錯体化合物を示す上記一般
式(2)〔一般式(4)〕において、R15乃至R18〔R
20乃至R23〕は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アルキル基またはヒドロキシ基であるこ
とが好ましい。Xは硫黄原子であることが好ましく、Y
〔Y’〕はアルキレン基であることが好ましく、Mはニ
ッケル原子であることが好ましい。A〔A’〕で表され
る配位子としては、例えばH2 O;ジエチルアミン、
2,2’−ジエチルヘキシルアミン、N−エチルアニリ
ン等の脂肪族アミンおよび芳香族アミン;エタノール、
4−N,N−ジメチルアミノフェノール等のアルコール
およびフェノール;アニソール等のエーテル;ヘキサデ
カンチオール、チオフェノール、P−ドデシルオキシベ
ンゼンチオール等のチオール;エチルフェニルスルフィ
ド、ジオクチルスルフィド等のスルフィド;ピリジン、
ピペラジン、ピリミジン等のヘテロ環を挙げることがで
きる。また、A〔A’〕で表される配位子は酸素原子を
介してMと結合されていることが好ましい。
【0021】本発明の光記録媒体の記録層に含有され
る、上記一般式(2)で示される特定の有機金属錯体化
合物の具体例を下記化6および下記化7に示す。
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】上記一般式(1)で示される特定のシアニ
ン色素化合物と、上記一般式(2)で示される特定の有
機金属錯体化合物とが記録層に混合含有されている場合
において、これらの化合物の混合割合としては、「特定
のシアニン色素化合物:特定の有機金属錯体化合物(重
量比)」が20:1〜1:1の範囲内にあることが好ま
しい。
【0025】特定の有機金属錯体化合物を示す上記一般
式(4)において、シアニン色素カチオンとのイオン結
合体を形成するために、R20乃至R23、Y’およびA’
のうち、少なくとも1つは、アニオン性基となるカルボ
キシ基、スルホ基または芳香族性のヒドロキシ基を有し
ている。
【0026】R20乃至R23の少なくとも1つが、カルボ
キシ基、スルホ基またはヒドロキシ基を有する化合物と
しては、R20乃至R23の少なくとも1つが、カルボキシ
基、スルホ基またはヒドロキシ基であるもののほか、R
20乃至R23の少なくとも1つにおいて、その一部が、カ
ルボキシ基、スルホ基またはヒドロキシ基によって置換
されているものも含まれる。このような化合物の中で
は、少なくともR20が、カルボキシ基、スルホ基または
ヒドロキシ基を有していることが好ましく、特に、ヒド
ロキシ基を有していることが好ましい。
【0027】連結基であるY’が、カルボキシ基、スル
ホ基または芳香族性のヒドロキシ基を有する化合物は、
これらの基によってY’の一部が置換されている化合物
である。
【0028】カルボキシ基、スルホ基または芳香族性の
ヒドロキシ基を有する配位子A’の具体例としては、例
えば4−N−オクチルアミノベンゼンスルホン酸、3−
N−ブチルアミノ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、
p−ドデシルオキシベンゼンチオール、o−ヒドロキシ
チオフェノール、2−メルカプト安息香酸等を挙げるこ
とができる。
【0029】特定のシアニン色素カチオンと、特定の有
機金属錯体化合物のアニオンとのイオン結合体を形成す
る方法としては、上記一般式(1)で示されるシアニン
色素化合物〔この化合物を構成するカチオンは上記一般
式(3)で示される。〕と、上記一般式(4)で示され
る有機金属錯体化合物とを極性溶媒に溶解し、必要に応
じて加熱して、溶解度の低い塩(目的とするイオン結合
体)を析出させる方法が挙げられる。この方法におい
て、シアニン色素化合物を構成するアニオンをイオン交
換(例えば「ClO4 - 」から「OH- 」への交換)す
ることも可能である。また、有機金属錯体化合物を完全
に解離させる観点から、アルカリ性下において析出反応
を行わせることが好ましい。
【0030】本発明の光記録媒体の記録層に含有され
る、特定のシアニン色素カチオン〔上記一般式(3)で
示されるカチオン〕と、特定の有機金属錯体化合物〔上
記一般式(4)で示される化合物〕のアニオンとのイオ
ン結合体(塩)の具体例を下記化8に示す。
【0031】
【化8】
【0032】本発明の光記録媒体を構成する基板として
は、記録・再生に用いるレーザ光の波長領域(700〜
900nm)において実質的に透明(透過率が80%以
上)であることが必要とされる。基板の形状としては、
通常のコンパクトディスクとして用いる場合において、
厚さ1.2mm程度、直径80〜120mm程度とされ
る。基板を構成する材料としては、例えばポリメチルメ
タクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、エポキシ樹脂、ポリサルフォン樹脂、メチルペンテ
ンポリマー等の透明性樹脂、ガラスなどが挙げられる。
なお、基板の外表面、内表面、内・外周面には、必要に
応じて酸素遮断性被膜が形成されていてもよい。また、
記録層が形成される基板上には、トラッキング用のグル
ーブが形成されていることが好ましい。
【0033】本発明の光記録媒体を構成する記録層は、
特定のシアニン色素化合物および特定の有機金属錯
体化合物が混合含有され、あるいは、 特定のシアニ
ン色素カチオンと、特定の有機金属錯体化合物のアニオ
ンとのイオン結合体が含有されているので、レーザ光の
波長領域における消衰係数kが光記録媒体の記録層とし
て好ましいものとなり、記録のために好適な光吸収性と
再生のために好適な反射率とを兼ね備えたものとなる。
【0034】ここに、レーザ光の波長領域における記録
層の消衰係数kとしては0.01〜0.25であること
が好ましく、更に好ましくは0.02〜0.20とさ
れ、特に好ましくは0.03〜0.15とされる。消衰
係数kが過大である場合には、反射率の低下を招き、反
射光による再生を十分良好に行うことができない。ま
た、消衰係数kが過小である場合には、通常の記録パワ
ーによって記録を行うことが困難となる。
【0035】一方、レーザ光の波長領域における記録層
の屈折率n(複素屈折率の実部)としては1.8〜4.
0であることが好ましく、更に好ましくは2.2〜3.
3とされる。
【0036】なお、本発明の光記録媒体を構成する記録
層には、他の種類の色素化合物、各種樹脂、界面活性
剤、帯電防止剤、分散剤、酸化防止剤、架橋剤などが含
まれていてもよい。
【0037】記録層は、基板の一面上に形成されていて
もよく、基板の両面上に形成されていてもよい。また、
記録層の厚さとしては、通常500〜2000Åとされ
る。基板上に記録層を形成するための方法としては特に
限定されるものではなく、例えばスピンコーティング
法、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ブ
レードコーティング法、ローラーコーティング法、ビー
ドコーティング法、マイヤーコーティング法、カーテン
コーティング法など各種の方法を適用することができ
る。また、記録層の形成にあたって用いる溶媒として
は、例えばシクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸ブ
チル等のエステル系溶媒、エチルセルソルブ等のエーテ
ル系溶媒、アルコール系溶媒、トルエン等の芳香族系溶
媒、ハロゲン化アルキル系溶媒などを挙げることができ
る。
【0038】記録層上には反射層が形成されていてもよ
い。反射層としては、例えばAu、Al−Mg合金、A
l−Ni合金、Ag、Pt、CuおよびCu−Ag合金
等の反射率の高い金属を用い、蒸着、スパッタ等の手段
によって形成することができる。反射層の厚さは500
Å以上であることが好ましい。
【0039】反射層上には、例えば紫外線硬化樹脂等か
らなる保護膜が形成されていてもよい。保護膜の厚さと
しては0.1〜100μm程度とされ、その硬度が25
℃における鉛筆硬度でH〜8Hであることが好ましい。
【0040】記録層と反射層との間には、これらを密着
させるための接着層が設けられていてもよい。接着層の
厚さは10〜300Åであることが好ましい。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが本発明は
これらによって限定されるものではない。なお、以下に
おいて「部」は「重量部」を示す。
【0042】〔実施例1−1〕 (1) 有機金属錯体化合物の合成 下記のようにして、上記化6のに示す有機金属錯体化
合物を合成した。サリチル酸アルデヒド10gと、2−
アミノエタンチオール塩酸塩9.3gとをエタノール1
00mlに溶解した後、攪拌しながら水酸化ナトリウム
6.56gを加えて30分間反応させてシッフ塩基(中
間体)を生成した。この溶液に、20.4gの酢酸ニッ
ケル(II)4水和物の水溶液を加え、70℃で1時間反
応させた。析出した結晶を濾過し、N,N−ジメチルホ
ルムアミドと水との混合溶媒から再結晶させ、黒褐色結
晶18gを得た。 (2) 光記録媒体の製造 上記化5のに示すシアニン色素化合物3.4部と、
(1) によって得られた上記化6のに示す有機金属錯体
化合物0.6部とを、ジアセトンアルコール96部に溶
解し、記録層形成用塗布液を調製した。この記録層形成
用塗布液を、スピンコーティング法によりグルーブの形
成されたポリカーボネート基板(厚さ1.2mm、直径
80mm)上に塗布し、乾燥することにより当該ポリカ
ーボネート基板上に厚さ1200Åの記録層を形成し
た。形成された記録層上に、反射層(Au,厚さ100
0Å)、保護膜(紫外線硬化樹脂,厚さ5μm)を常法
に従って順次形成し、本発明の光記録媒体を製造した。
【0043】〔実施例1−2〕 (1) 有機金属錯体化合物の合成 下記のようにして、上記化6のに示す有機金属錯体化
合物を合成した。2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒ
ド10gと、2−アミノエタンチオール塩酸塩8.2g
とをエタノール100mlに溶解した後、攪拌しながら
水酸化ナトリウム5.8gを加えて30分間反応させて
シッフ塩基(中間体)を生成した。この溶液に、18g
の酢酸ニッケル(II)4水和物の水溶液を加え、70℃
で1時間反応させた。析出した結晶を濾過し、N,N−
ジメチルホルムアミドと水との混合溶媒から再結晶さ
せ、褐色結晶15gを得た。 (2) 光記録媒体の製造 有機金属錯体化合物として、上記化6のに示す有機金
属錯体化合物に代えて、(1) によって得られた上記化6
のに示す有機金属錯体化合物0.6部を用いたこと以
外は実施例1−1の(2) と同様にしてポリカーボネート
基板上に厚さ1300Åの記録層を形成した。次いで、
実施例1−1の(2) と同様にして反射層および保護膜を
順次形成し、本発明の光記録媒体を製造した。
【0044】〔実施例1−3〕 (1) 有機金属錯体化合物の合成 下記のようにして、上記化6のに示す有機金属錯体化
合物を合成した。先ず、実施例1−2の(1) と同様にし
て上記化6のに示す有機金属錯体化合物を合成し、こ
の有機金属錯体化合物10gと、ジイソペンチルアミン
5.8gとをN,N−ジメチルホルムアミド100ml
に溶解し、90℃で3時間反応させた。析出した結晶を
濾過し、N,N−ジメチルホルムアミドと水との混合溶
媒から再結晶させ、褐色結晶8gを得た。 (2) 光記録媒体の製造 有機金属錯体化合物として、上記化6のに示す有機金
属錯体化合物に代えて、(1) によって得られた上記化6
のに示す有機金属錯体化合物0.6部を用いたこと以
外は実施例1−1の(2) と同様にしてポリカーボネート
基板上に厚さ1500Åの記録層を形成した。次いで、
実施例1−1の(2) と同様にして反射層および保護膜を
順次形成し、本発明の光記録媒体を製造した。
【0045】〔実施例2−1〕 (1) イオン結合体の生成 上記化5のに示すシアニン色素化合物0.6gをメタ
ノールに溶解し、陰イオン交換樹脂に通して当該シアニ
ン色素化合物を構成するアニオン(ClO4 -)を水酸
化物イオン(OH- )とした。次いで、メタノールを蒸
発させて結晶を得、この結晶と、上記化6のに示す有
機金属錯体化合物0.3gと、28重量%のナトリウム
メチラートのメタノール溶液0.01mlとをメタノー
ル30mlに溶解し、80℃で10分間還流して結晶を
析出させた。析出した結晶を濾過することにより、上記
化8のに示すイオン結合体を得た。 (2) 光記録媒体の製造 上記化8のに示すイオン結合体3部を、ジアセトンア
ルコール97部に溶解して記録層形成用塗布液を調製し
たこと以外は実施例1−1の(2) と同様にしてポリカー
ボネート基板上に厚さ1500Åの記録層を形成した。
次いで、実施例1−1の(2) と同様にして反射層および
保護膜を順次形成し、本発明の光記録媒体を製造した。
【0046】以上の実施例1−1〜1−3および実施例
2−1により製造された各光記録媒体について、記録層
への情報の記録・再生を行ったところ、良好な記録・再
生を行うことができた。
【0047】上記の実施例によって得られる光記録媒体
の耐光性および光吸収特性を評価するために、以下のよ
うにして評価用試料を作製した。
【0048】〔実験例1−1〕実施例1−1の(1) と同
様にして上記化6のに示す有機金属錯体化合物を得
た。次いで、上記化5のに示すシアニン色素化合物
1.7部と、得られた上記化6のに示す有機金属錯体
化合物0.3部とをシクロヘキサノン98部に溶解し、
記録層形成用塗布液を調製した。この記録層形成用塗布
液を、スピンコーティング法によりガラス基板(厚さ
1.1mm、直径80mm)上に塗布し、乾燥すること
により当該ガラス基板上に厚さ700Åの記録層を形成
した。
【0049】〔実験例1−2〕有機金属錯体化合物とし
て、上記化6のに示す有機金属錯体化合物0.3部を
用いたこと以外は実験例1−1と同様にしてガラス基板
上に厚さ700Åの記録層を形成した。
【0050】〔実験例1−3〕有機金属錯体化合物とし
て、上記化6のに示す有機金属錯体化合物0.3部を
用いたこと以外は実験例1−1と同様にしてガラス基板
上に厚さ700Åの記録層を形成した。
【0051】〔比較例1〕上記化6のに示す有機金属
錯体化合物に代えて、下記化9で示される有機金属錯体
化合物(比較用)0.3部を用いたこと以外は実験例1
−1と同様にして、ガラス基板上に厚さ700Åの記録
層を形成した。
【0052】
【化9】
【0053】〔実験例2−1〕実施例2−1の(1) と同
様にして上記化8のに示すイオン結合体を得た。次い
で、上記化8のに示すイオン結合体3部を、シクロヘ
キサノン97部に溶解して記録層形成用塗布液を調製し
たこと以外は実験例1−1と同様にしてガラス基板上に
厚さ900Åの記録層を形成した。
【0054】〔比較例2〕 (1) イオン結合体の生成 上記化5のに示すシアニン色素化合物0.5gと、上
記化9で示される有機金属錯体化合物(比較用)0.7
gとをメタノール30mlに溶解し、80℃で10分間
還流して結晶を析出させた。析出した結晶を濾過するこ
とにより、下記化10で示されるイオン結合体(比較
用)を得た。 (2) 記録層の形成 上記化8のに示すイオン結合体に代えて、下記化10
で示されるイオン結合体(比較用)3部を用いたこと以
外は実験例2−1と同様にしてガラス基板上に厚さ90
0Åの記録層を形成した。
【0055】
【化10】
【0056】〔比較例3〕上記化5のに示すシアニン
色素化合物3部をシクロヘキサノン97部に溶解して記
録層形成用塗布液を調製したこと以外は実験例1−1と
同様にしてガラス基板上に厚さ700Åの記録層を形成
した。
【0057】上記の実験例および比較例によって得られ
た評価用試料を用いて、以下のようにして耐光性および
光吸収特性を評価した。
【0058】(1)耐光性 キセノンフェードメータ(スガ試験機(株)製)を用
い、各試料の記録層にキセノン光を照射し、照射後にお
ける色素残存率を測定した。ここで、照射条件として
は、記録層表面の照度を7万ルクス、照射時の温度を4
3℃、照射時間を30時間とした。また、色素残存率
は、色素の最大吸収波長(700nm)の光の透過率を
キセノン光照射前後で測定して下記の式から求めた。 式) 色素残存率=(100−T)/(100−T0 ) 〔但し、T0 はキセノン光照射前の透過率、Tはキセノ
ン光照射後の透過率〕結果を後記表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1の結果から理解されるように、各実験
例により得られた試料は色素残存率が高く、特定の有機
金属錯体化合物による優れた耐光性向上効果が発揮され
ている。特に、シアニン色素カチオンと、特定の有機金
属錯体化合物のアニオンとのイオン結合体が含有されて
いる実験例2−1の試料は、極めて光安定性に優れてい
ることが理解される。
【0061】(2)光吸収特性 実験例1−2、実験例1−3、実験例2−1および比較
例2における各試料について、分光光度計「日立U−3
400」を用いて透過スペクトルを測定した。結果を図
1〜図4に示す。
【0062】図4に示すように、比較例2の試料におい
ては、波長900nm付近に光吸収ピークが認められ、
レーザ光の波長領域(760〜820nm)における吸
収が過大になって反射率の低下を招く。これに対し、図
1〜図3に示すように、実験例の試料ではそのような光
吸収ピークがないため、レーザ光の波長領域における反
射率は低下せず、かつ記録に必要な吸収は維持している
ことが理解される。
【0063】なお、実験例1−1および比較例1におけ
る各試料についても同様にして透過スペクトルを測定し
たところ、比較例1の試料においては波長900nm付
近に光吸収ピークが認められ、実験例1−1の試料にお
いてはそのような光吸収ピークが認められなかった。
【0064】
【発明の効果】本発明の光記録媒体は、特定のシアニン
色素化合物と特定の有機金属錯体化合物とが記録層に混
合含有され、または、特定のシアニン色素カチオンと特
定の有機金属錯体化合物のアニオンとのイオン結合体が
含有されているので、優れた耐光性向上効果が奏され、
しかも、レーザ光の波長領域における光吸収が過大にな
らず、シアニン色素本来の高い反射率が維持される結
果、記録情報の良好な記録・再生を確実に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1−2の試料についての透過スペクトル
を示す曲線図である。
【図2】実験例1−3の試料についての透過スペクトル
を示す曲線図である。
【図3】実験例2−1の試料についての透過スペクトル
を示す曲線図である。
【図4】比較例2の試料についての透過スペクトルを示
す曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 寿美子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 新海 正博 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された記録層を有する光記
    録媒体であって、 前記記録層に、下記一般式(1)で示される少なくとも
    1種のシアニン色素化合物と、下記一般式(2)で示さ
    れる少なくとも1種の有機金属錯体化合物とが含有され
    ていることを特徴とする光記録媒体。 【化1】 〔一般式(1)において、R1 乃至R8 は、それぞれ、
    水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
    アシルアミノ基またはアリール基を表し、R1 乃至R8
    の各々は互いに連結して縮合環を形成していてもよい。
    9 乃至R12は、それぞれ、置換または非置換のアルキ
    ル基またはアリール基を表し、R9 乃至R12の各々は互
    いに連結して縮合環を形成していてもよい。R13および
    14は、それぞれ、置換または非置換のアルキル基、ア
    リール基またはアリケニル基を表す。An- はアニオン
    を表す。nは1から3の整数である。一般式(2)にお
    いて、R15乃至R18は、それぞれ、水素原子、ハロゲン
    原子、シアノ基、アシルアミノ基、モノアルキルアミノ
    基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキル基、
    アリール基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、
    アニリノ基、アルキルウレイド基またはアリールウレイ
    ド基を表し、R19は、水素原子、アルキル基またはアリ
    ール基を表す。R15乃至R19の各々は互いに連結して縮
    合環を形成していてもよい。Xは硫黄原子または酸素原
    子を表し、Yは、アルキレン基、アリーレン基またはア
    ラルキレン基を表す。Mはニッケル原子または銅原子を
    表し、Aは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子の何れ
    かを介してMと配位結合する配位子を表す。〕
  2. 【請求項2】 基板上に形成された記録層を有する光記
    録媒体であって、 前記記録層に、下記一般式(3)で示されるシアニン色
    素カチオンと、下記一般式(4)で示される有機金属錯
    体化合物のアニオンとのイオン結合体が含有されている
    ことを特徴とする光記録媒体。 【化2】 〔一般式(3)において、R1 乃至R14およびnは、そ
    れぞれ、一般式(1)と同じである。一般式(4)にお
    いて、R20乃至R23は、それぞれ、水素原子、ハロゲン
    原子、シアノ基、アシルアミノ基、モノアルキルアミノ
    基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキル基、
    アリール基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、
    アニリノ基、アルキルウレイド基またはアリールウレイ
    ド基を表し、R20乃至R23の各々は、その一部が置換さ
    れていてもよい。R24は、水素原子、アルキル基または
    アリール基を表す。R20乃至R24の各々は、互いに連結
    して縮合環を形成していてもよい。Xは硫黄原子または
    酸素原子を表し、Y’は、置換または非置換のアルキレ
    ン基、アリーレン基またはアラルキレン基を表す。Mは
    ニッケル原子または銅原子を表し、A’は、窒素原子、
    酸素原子および硫黄原子の何れかを介してMと配位結合
    する配位子を表す。R20乃至R23、Y’およびA’のう
    ち、少なくとも1つは、アニオン性基となるカルボキシ
    基、スルホ基または芳香族性のヒドロキシ基を有してい
    る。〕
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1090961A1 (en) * 1999-10-06 2001-04-11 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Cyanine dyes
JP2011054272A (ja) * 2010-10-25 2011-03-17 Toshiba Corp 記憶媒体、再生方法及び記録方法

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EP1090961A1 (en) * 1999-10-06 2001-04-11 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Cyanine dyes
JP2011054272A (ja) * 2010-10-25 2011-03-17 Toshiba Corp 記憶媒体、再生方法及び記録方法

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