JP2000228206A - 燃料電池用電極およびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料電池のガス拡散層の導電性多孔質体にはP
TFEが使用されている。PTFEは高い撥水性を有す
るがそれ自体はほとんどガスを透過しないために、塗布
量を増やすと高い撥水性は得られるものの導電性多孔質
体の細孔がPTFE微粒子により閉塞してガスの拡散性
が低下すし、また、塗布量が少ないと高い撥水性が得ら
れず、導電性多孔質体内に加湿されたガスの水が滞留
し、やはりガスの拡散性が低下する。 【解決手段】固体高分子電解質と触媒粒子とを含む触媒
層と,導電性多孔質体を含むガス拡散層とを備える燃料
電池用電極において、その導電性多孔質体が、有孔性フ
ッ素樹脂をフッ素化して得られた有孔性ポリマーを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は燃料電池用電極およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池はイオン交
換膜を電解質とし、このイオン交換膜の両面に触媒層と
カーボン繊維の焼結体などの多孔質体のカーボン電極基
材よりなるアノードとカソードの各電極を接合して構成
され、アノードに水素、カソードに酸素を供給して電気
化学反応により発電する装置である。各電極で生じる電
気化学反応を下記に示す。 アノード:H2→2H++2e カソード:1/2O2+2H++2e→H2O 全反応: H2+1/2O2→H2
【0003】この反応式から明らかなように、各電極の
反応は、活物質であるガス(水素または酸素)、プロト
ン(H+)および電子(e)の授受が同時におこなうこ
とができる三相界面でのみ進行する。
【0004】従来の燃料電池用電極は、図2に示される
ように、触媒粒子21と固体高分子電解質22とが混ざ
り合ってこれらが三次元に分布するとともに、内部に複
数の細孔24が形成された多孔性の触媒層26と導電性
多孔質体よりなる電極基材27を含むガス拡散層28と
により構成される。
【0005】ここで、ガス拡散層28は触媒層26の表
層に一定の空間を設けて、電池外部から加湿されて供給
される活物質である酸素、水素を触媒層の表層まで運ぶ
流路の確保および、カソードの触媒層で生成された水を
触媒層の表層から電池の系外に排出する流路を確保する
役目を担っている。
【0006】一方、触媒層26は、触媒粒子21が電子
伝導チャンネルを形成し、固体電解質22がプロトン伝
導チャンネルを形成し、細孔24が、触媒層の表層まで
運ばれた酸素または水素を電極の深部にまで供給し、電
極(カソード)の深部で生成された水を電極の表層に配
されたガス拡散層まで排出する供給排出チャンネルを形
成している。そして触媒層内にこれら3つのチャンネル
が三次元的に広がり、ガス、プロトン(H+)および電
子(e-)の授受を同時におこなうことのできる三相界
面が無数に形成されて、電極反応の場を提供している。
【0007】なお、図2において、23はPTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)粒子を示し、触媒電極層の
細孔内および表層に撥水性を付与する役目を担う。さら
に、25は燃料電池の電解質膜としてのイオン交換膜を
示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたように、ガ
ス拡散層は、触媒層の表層に一定の空間を設けて、電池
外部から加湿されて供給される活物質である酸素、水素
を触媒層の表層まで運ぶ流路の確保および、カソードの
触媒層で生成された水を触媒層の表層から電池の系外に
排出する流路を確保する役目を担っている。そのため、
導電性多孔質体に水が滞留してガスの拡散性が損なわれ
ることがないように、その導電性多孔質体にPTFE微
粒子分散溶液を塗布後、窒素雰囲気中で約300℃の加
熱乾燥をおこない撥水性を付与して用いる。
【0009】しかし、PTFEは高い撥水性を有する
が、それ自体はほとんどガスを透過しないために、導電
性多孔質体へのPTFEの塗布量を増やすと、高い撥水
性は得られるものの、導電性多孔質体の細孔がPTFE
微粒子により閉塞してガスの拡散性が低下する。また、
逆にPTFEの塗布量が少ないと高い撥水性が得られ
ず、導電性多孔質体内に加湿されたガスの水が滞留し、
やはりガスの拡散性が低下する。
【0010】
【問題を解決するための手段】以上に鑑み、本発明は、
導電性多孔質体が有孔性フッ素樹脂をフッ素化して得ら
れた有孔性ポリマーを含むことで、高い撥水性と同時に
高いガス拡散性を有するガス拡散層を提供し、燃料電池
電極の高性能化をはかるものである。
【0011】一般に、「フッ素樹脂」とは、分子中にフ
ッ素原子を含有する合成高分子の樹脂類をさす。これら
のフッ素樹脂は、1)四フッ化エチレン・ホモポリマ
ー、2)含フッ素ホモポリマー、3)含フッ素コポリマ
ー、の3種類のグループに区別される(田中年男 工業
材料 36,101(1988))。
【0012】また、ここで「フッ素樹脂のフッ素化」と
は、フッ素樹脂に含まれる炭素原子に結合しているフッ
素原子以外の原子(例えば、水素原子や塩素原子など)
をフッ素原子で置換することをさす。ただし、フッ素樹
脂の中には、モノマー分子中のフッ素原子以外の原子が
すべてフッ素原子に置換された、ポリ四フッ化エチレン
や四フッ化エチレン・六フッ化プロピレンコポリマー等
があるが、これらはそれ以上フッ素化できないので、本
発明の対象からは除かれる。
【0013】本発明の燃料電池用電極は、固体高分子電
解質と触媒粒子とを含む触媒層と,導電性多孔質体を含
むガス拡散層とを備える燃料電池用電極において、その
導電性多孔質体が、有孔性フッ素樹脂をフッ素化して得
られた有孔性樹脂を含むことを特徴とする。
【0014】また、本発明の有孔性フッ素樹脂は、フッ
素樹脂を溶解した溶液の溶媒aを、フッ素樹脂に対して
不溶性で、かつ溶媒aと相溶性のある溶媒bで置換する
工程を経て作製されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池用電極の構造に
ついて、図を参照しながら以下に説明する。図1は本発
明になる燃料電池用電極の概念図である。図1おいて、
31は触媒粒子、32は固体高分子電解質、34は細
孔、36は多孔性の触媒層である。多孔性の触媒層36
は、触媒粒子31と固体高分子電解質32とが混ざり合
ってこれらが三次元に分布するとともに、内部に複数の
細孔34が形成されたものである。そして、ガス拡散層
38は、有孔性フッ素樹脂をフッ素化して得られた有孔
性ポリマー39と導電性多孔質体37より構成される。
また、33はPTFE粒子を示し、35はイオン交換膜
を示す。
【0016】ここで、有孔性フッ素樹脂をフッ素化して
得られた有孔性ポリマーは、図1のように導電性多孔質
体の全面すべてに配してもよいが、その表層のみのに、
または、片面のみになど一部に配してもよい。
【0017】このように本発明による燃料電池用電極
は、ガス拡散層が高い撥水性と同時に、高いガス拡散性
を有する有孔性フッ素樹脂をフッ素化して得られた有孔
性ポリマーを含む導電性多孔質体を備えている。そのた
め、高い撥水性と同時に高いガス拡散性を兼ね備えた高
性能な燃料電池用電極となる。
【0018】本発明の電極において用いられる触媒粒子
としては、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、
パラジウム、オスニウムなどの白金族金属およびその合
金粒子、またはこれらの触媒を担持した触媒担持カーボ
ンが適しており、固体高分子電解質としては、イオン交
換樹脂からなるものが好ましく、パーフルオロスルフォ
ン酸またはスチレン−ジビニルベンゼン系のスルフォン
酸型固体高分子電解質が好ましい。
【0019】また、本発明に用いられる導電性多孔質体
は、発泡ニッケル、チタン繊維焼結体でもよいが、電子
導伝性、および耐酸性などの面で炭素繊維などの焼結体
である炭素材料からなるもの、例えばカーボンペーパー
が好ましい。
【0020】ここで、活物質の供給、排出がスムーズに
行われるように有孔性フッ素樹脂をフッ素化して得られ
た有孔性ポリマーの細孔は連続気泡であることが望まし
い。また、孔径としては、平均孔径1μm以下、さらに
好ましくは0.2μm以下であり、多孔度は45%以上
であることが、高い撥水性とガス拡散性を兼ね備える上
で好ましい。
【0021】緻密な連続気泡が得られる有孔性フッ素樹
脂の製法としては溶媒抽出法を用いることが好ましい。
すなわち、溶媒aにフッ素樹脂を溶解した溶液の溶媒a
を、フッ素樹脂が不溶でかつ溶媒aと相溶性のある溶媒
bで置換する工程を経ることにより、フッ素樹脂を溶解
した溶液中の溶媒aを抽出して、溶媒aが除去された部
分が孔となって有孔性フッ素樹脂を得るものである。
【0022】ここで、本発明に用いるフッ素樹脂は、フ
ッ素樹脂の中に水素や塩素などのフッ素以外の原子含
み、何らかの方法によりフッ素化が可能であるフッ素樹
脂であり、三フッ化塩化エチレン共重合体(PCTF
E)、フッ化ビニリデン共重合体(PVdF)、フッ化
ビニル重合体(PVF)などの含フッ素ホモポリマーま
たは、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETF
E)、エチレン・三フッ化塩化エチレン共重合体(EC
TFE)などの含フッ素コポリマーが好ましいし、これ
らの混合物でもよい。
【0023】そして、先の溶媒抽出法による有効フッ素
樹脂作製の際に、微細で均一な孔が得られることより、
PVdFホモポリマー、フッ化ビニリデン・六フッ化プ
ロピレン共重合体(P(VdF−HFP))または、フ
ッ化ビニリデン・四フッ化エチレン共重合体(P(Vd
F−TFP))などのポリビニリデンフルオライド(P
VdF)系樹脂が好ましい。中でも、PVdFホモポリ
マーまたは、P(VdF−HFP)が好ましい。
【0024】フッ素樹脂を溶解する溶媒aとしては、フ
ッ素樹脂を溶解するものであればよく、ジメチルホルム
アミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エ
チルメチルカーボネート等の炭酸エステル、ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル、ジメチルアセトアミ
ド、1−メチル−ピロリジノン、n−メチル−ピロリド
ン(NMP)等が挙げられる。そして、特にPVdFホ
モポリマーまたは、P(VdF−HFP)をフッ素樹脂
として用いるときは、 NMPを溶剤として用いると、
微細で均一な孔が得られることより好ましい。
【0025】また、抽出用溶媒bとしては水または水と
アルコールの混合溶液が安価で好ましい。とくに、有孔
性フッ素樹脂の多孔度または、孔径を小さくしたい場合
には水とアルコールの混合溶液が好ましい。
【0026】これらの組み合わせにおいて、PVdFホ
モポリマーまたは、P(VdF−HFP)をn−メチル
ピロリドン(NMP)に溶解させたものを水または水と
アルコールの混合溶液で抽出したものが、孔径の均一
性、後のフッ素化で得られる撥水性などの面でもっとも
好ましい。
【0027】本発明の有孔性フッ素樹脂をフッ素化して
得られた有孔性ポリマーを配する導電性多孔質体は、フ
ッ素樹脂を溶媒aにより溶解した溶液を、塗布または浸
漬などにより導電性多孔質体に含ませた後に、前記フッ
素樹脂に対して不溶性で、かつ溶媒aと相溶性のある溶
媒bで溶液aを置換して、有孔性フッ素樹脂を有する導
電性多孔質体を作製した後、その有孔性フッ素樹脂をフ
ッ素化することにより得られる。
【0028】有孔性フッ素樹脂のフッ素化は、フッ素樹
脂の炭素骨格に結合した水素(H)や塩素(Cl)をフ
ッ素(F)と置換反応させることによりなされ、例え
ば、有孔性フッ素樹脂をフッ素ガスと接触させることで
おこなうことができ、その有孔性も維持される。そし
て、 フッ素樹脂の水素(H)や塩素(Cl)とフッ素
(F)との置換率により、撥水性を制御することができ
る。フッ素樹脂もある程度の撥水性を有するが、このよ
うにフッ素樹脂をさらにフッ素化することにより、より
高い撥水性が得られる。
【0029】また、本発明の燃料電池用電極は、導電性
多孔質体に有孔性フッ素樹脂を配したのち、触媒担持カ
ーボン粒子と固体高分子電解質溶液および必要に応じて
はPTFE粒子分散溶液を加えた触媒層のペーストを、
はけやスプレーを用いて、またはスクリーン印刷法、ド
クターブレード法などによりこの導電性多孔質基体上に
直接製膜することにより、また、高分子フィルム上に上
記の方法などにより製膜された触媒層をホットプレス法
などを用いてこの導電性多孔質基体に転写することによ
り、有孔性フッ素樹脂を配した導電性多孔質体と触媒層
とを接合した後、導電性多孔質体に配された有孔性フッ
素樹脂をフッ素化して作製される。
【0030】または、導電性多孔質体に有孔性フッ素樹
脂を配したのち、このフッ素樹脂をあらかじめフッ素化
して、有孔性フッ素樹脂をフッ素化して得られたポリマ
ーを配する導電性多孔質体を作製した後、触媒担持カー
ボン粒子と固体高分子電解質溶液および必要に応じては
PTFE粒子分散溶液を加えた触媒層のペーストを、は
けやスプレーを用いて、またはスクリーン印刷法、ドク
ターブレード法などによりこの導電性多孔質体に直接製
膜することにより、また、高分子フィルム上に上記の方
法などにより製膜された触媒層をホットプレス法などを
用いてこの基材上に転写し、有孔性フッ素樹脂をフッ素
化して得られた有孔性ポリマーを含む導電性多孔質体と
触媒層とを接合する方法がある。
【0031】または、イオン交換膜上に上記の方法など
を用いて触媒層を接合した後、さらにその外側にあらか
じめ有孔性樹脂を配した導電性多孔質体をホットプレス
または圧接する方法などがある。
【0032】
【実施例】以下、本発明を好適な実施例を用いて説明す
る。
【0033】[実施例1]導伝性多孔質体のカーボン電
極基材(0.5mm厚、平均繊維系10μm、平均細孔
径10μm、多孔度75%)にP(VdF−HFP)
(HFP6wt%)の濃度が20wt%となるようにN
MPに溶解させた溶液を真空含浸させた後、水の中に1
0分間浸漬して、有孔性のP(VdF−HFP)樹脂を
配する導伝性多孔質体のカーボン電極基材を得た。それ
を、フッ素ガスが10%で、窒素ガスが90%の混合ガ
ス雰囲気に20分間放置し、 P(VdF−HFP)の
有孔性フッ素樹脂をフッ素化して得られた有孔性ポリマ
ーを配する多孔質体のカーボン電極基材を作製した
【0034】さらに、白金担持カーボン(田中貴金属
製、10V30E:Valcan XC−72に白金を
30wt%担持)と固体高分子電解質溶液(アルドリッ
チ社製、ナフィオン5wt%溶液)およびPTFE粒子
分散溶液(三井デュポンフロロケミカル社製、テフロン
30J)よりなる触媒層のペーストを、スプレーにより
先の多孔質体のカーボン電極基材上に塗布し、燃料電池
用電極Aを得た。電極Aの白金量は、約1.0mg/c
2となるように、ペースト作製時の白金担持カーボン
の量および塗布量を調整した。
【0035】さらに、電極Aをホットプレス(140
℃)にてイオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン、膜
厚約50μm)の両面に接合し、燃料電池の単セルに組
んでセルAを得た。
【0036】[比較例1]PTFE分散溶液(三井デュ
ポンフロロケミカル製、テフロン30J)原液を塗布す
ることで撥水性を施した導伝性多孔質体のカーボン電極
基材(0.5mm)厚、平均繊維系10μm、平均細孔
径10μm、多孔度75%)に、白金担持カーボン(田
中貴金属製、10V30E:Valcan XC−72
に白金を30wt%担持)と固体高分子電解質溶液(ア
ルドリッチ社製、ナフィオン5wt%溶液)およびPT
FE粒子分散溶液(三井デュポンフロロケミカル社製、
テフロン30J)よりなる触媒層のペーストを、スプレ
ーにより塗布し、燃料電池用電極Bを得た。電極Bの白
金量は、約1.0mg/cm2となるように、ペースト
作製時の白金担持カーボンの量を調整した。
【0037】さらに、電極Bをホットプレス(140
℃)にてイオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン、膜
厚約50μm)の両面に接合し、燃料電池の単セルに組
んでセルBを得た。
【0038】これらのセルの供給ガスに酸素、水素を用
いた際の電流―電圧特性を図3に示す。運転条件は、供
給ガス圧は2気圧で、それぞれ80℃の密閉水槽中でバ
ブリングすることで加湿した。そして、セルの運転温度
は75℃とし、各電流値での測定時の保持時間は10分
とした。
【0039】図3より、本発明によるセル(A)は、従
来のもの(B)に比べて、高電流密度領域において出力
電圧が高いことがわかる。これは本発明による電極は、
多孔質体のカーボン電極基材がP(VdF−HFP)を
フッ素化して得られた有孔性ポリマーを含んでいるため
に、高い撥水性とガス拡散性を同時に合わせ持っている
が、従来の電極は、導伝性多孔質体のカーボン電極基材
にPTFE微粒子を塗布したため、高い撥水性を有する
ものの、電子導伝性基材の細孔がPTFE微粒子により
閉塞してガスの拡散性が低いためである。
【0040】
【発明の効果】固体高分子電解質と触媒粒子とを含む触
媒層と,導電性多孔質体を含むガス拡散層とを備える燃
料電池用電極において、本発明になる、導電性多孔質体
が有孔性フッ素樹脂をフッ素化して得られた有孔性ポリ
マーを含むことを特徴とする燃料電池用電極を用いれ
ば、高い撥水性と同時に、高いガス拡散性を合わせ持つ
ガス拡散層を有する電極となり、高電流密度領域におい
ても高い出力を得ることができる高性能な燃料電池の製
造が可能となる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる燃料電池用電極の概念図。
【図2】従来の燃料電池用電極の慨念図。
【図3】本発明になる燃料電池用電極と、比較例の燃料
電池用電極を使用した燃料電池の電流―電圧特性を示す
図。
【符号の説明】
31 触媒粒子 32 固体高分子電解質 33 PTFE粒子 34 細孔 35 イオン交換膜 36 多孔性触媒層 37 導電性多孔質体 38 ガス拡散層 39 有孔性ポリマー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体高分子電解質と触媒粒子とを含む触媒
    層と導電性多孔質体を含むガス拡散層とを備える燃料電
    池用電極において、前記導電性多孔質体が有孔性フッ素
    樹脂をフッ素化して得られた有孔性樹脂を含むことを特
    徴とする燃料電池用電極。
  2. 【請求項2】有孔性フッ素樹脂がポリビニリデンフルオ
    ライド(PVdF)系樹脂であることを特徴とする請求
    項1記載の燃料電池用電極。
  3. 【請求項3】導電性多孔質体が炭素材料を含むことを特
    徴とする請求項1および2載の燃料電池用電極。
  4. 【請求項4】溶媒aにフッ素樹脂を溶解した溶液の溶媒
    aを、前記フッ素樹脂が不溶でかつ溶媒aと相溶性のあ
    る溶媒bで置換する工程を経ることを特徴とする請求項
    1、2および3記載の燃料電池用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】溶媒aにフッ素樹脂を溶解した溶液を導電
    性多孔質体に含ませた後、前記フッ素樹脂が不溶でかつ
    溶媒aと相溶性のある溶媒bに浸漬し、導電性多孔質体
    に有孔性フッ素樹脂を配し、さらにその有孔性フッ素樹
    脂をフッ素化する工程を経ることを特徴とする請求項
    1、2および3記載の燃料電池用電極の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007056064A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Nissan Motor Co Ltd 導電性多孔質フィルム

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JP2007056064A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Nissan Motor Co Ltd 導電性多孔質フィルム

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