JP2001283864A - ガス拡散電極の製造方法 - Google Patents

ガス拡散電極の製造方法

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JP2001283864A
JP2001283864A JP2000096928A JP2000096928A JP2001283864A JP 2001283864 A JP2001283864 A JP 2001283864A JP 2000096928 A JP2000096928 A JP 2000096928A JP 2000096928 A JP2000096928 A JP 2000096928A JP 2001283864 A JP2001283864 A JP 2001283864A
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resin
solvent
diffusion electrode
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Shunsuke Mizutani
水谷  俊介
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒層と固体高分子電解質膜間のプロトン伝導
経路および、触媒層とガス拡散層との間の電子伝導経路
を遮断することなく水の滞留を防ぎ、ガス拡散性に優れ
たガス拡散電極を得る。 【解決手段】ガス拡散層と触媒層とを積層したガス拡散
電極において、前記ガス拡散層と前記触媒層は有孔性樹
脂を備え、前記触媒層のガス拡散層と接していない表面
には有孔性樹脂が存在しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス拡散電極の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池は、固体の
イオン交換膜を電解質として、アノードに燃料として例
えば水素、カソードに酸化剤として例えば酸素を供給し
て電気化学的に反応させることによって電力を得る装置
である。この場合の各電極における電気化学反応を下記
に示す。
【0003】アノード:H2→2H++ e- カソード:1/2O2+2H++2e-→H2O 全反応 :H2+1/2O2→H2O 上式に示したようにアノードおよびカソードにおける反
応には、酸素および水素のガスの供給、プロトン
(H+)および電子(e-)の授受が必要であり、反応は
これらが同時に満たされる電極内の三相界面のみにおい
て進行する。
【0004】よって燃料電池用ガス拡散電極内には、固
体高分子電解質と触媒粒子とが複数の細孔とともに三次
元に分布しており、固体高分子電解質により形成される
プロトン伝導経路と、カーボン粒子などの導電剤と触媒
粒子とにより形成される電子伝導経路と、細孔により形
成されたガス拡散経路とが無数の三相界面を形成してい
る。
【0005】高出力な燃料電池用電極とするためには、
プロトン伝導性と電子伝導性とガス拡散性が高いことが
必要であり、そのためには電極内に上述の各3つの経路
を連通して形成することが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、高出力
な燃料電池用電極とするためには、触媒層中に連続した
ガス流通経路、プロトン伝導経路および電子伝導経路が
必要である。ところが、加湿したガスを供給しているこ
とや、カソードにおいては反応によっても水が生成する
ために、燃料電池を高電流密度で運転したときには、触
媒層の表面および孔内に水が滞留して、ガス拡散性が阻
害されて出力が著しく低下する問題が生じる。
【0007】一般には、水の生成およびガスの加湿によ
る水の滞留が起こらないようにするために、撥水性を持
ったポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を触
媒層内に混入したり、導電性多孔質体の表面へ塗布する
ことによって電極に撥水性を与えている。
【0008】高電流密度運転時の電極内への水の滞留を
防ぐためには、さらに撥水性を高める必要性があるが、
PTFEは強い撥水性があるものの、電子伝導性や、プ
ロトン伝導性はもちろん、ガス拡散性も持たないため
に、PTFEの混入量を増加させると、電子伝導経路や
プロトン伝導経路およびガス拡散経路を遮断し、かえっ
て燃料電池の出力が低下する問題が生じる。
【0009】以上を鑑み、本発明は触媒層と固体高分子
電解質膜間のプロトン伝導経路および、触媒層とガス拡
散層との間の電子伝導経路を遮断することなく水の滞留
を防ぎ、ガス拡散性に優れたガス拡散電極を得ることを
目的とする。
【0010】なお、本発明のガス拡散電極は主に固体高
分子電解質型燃料電池に使用されるが、その他の燃料電
池、電池、センサ等にも使用可能である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明になるガ
ス拡散電極は、ガス拡散層と触媒層とを積層したガス拡
散電極であって、前記ガス拡散層と前記触媒層は有孔性
樹脂を備え、前記触媒層のガス拡散層と接していない表
面には有孔性樹脂が存在しないことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明になるガス拡散電極の製造
方法は、基板上のガス拡散電極に有孔性樹脂を含ませる
第1の工程と、その基板を除去する第2の工程とを経る
ことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、前記ガス拡散電極の製
造方法において、基板の材質が金属であり、この基板を
除去する第2の工程において、pH6以下の酸性溶液を
用いて基板を溶出させることを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、前記ガス拡散電極の製
造方法の第1の工程において、樹脂を溶媒に溶解させた
溶液から樹脂を相分離させることを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、前記ガス拡散電極の製
造方法の第1の工程において、樹脂を第1の溶媒に溶解
させた溶液から、樹脂が不溶でかつ第1の溶媒と相溶性
のある第2の溶媒を用いて、第1の溶媒を第2の溶媒で
置換して樹脂を相分離させ、その後第2の溶媒を除去す
ることを特徴とする。
【0016】請求項6の発明は、前記ガス拡散電極の製
造方法の第1の工程において、基板上のガス拡散電極に
樹脂を溶媒に溶解させた溶液を含ませた後、樹脂を相分
離することを特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、前記ガス拡散電極の製
造方法の第1の工程において、基板上のガス拡散電極に
樹脂を第1の溶媒に溶解させた溶液を含ませた後、樹脂
が不溶でかつ第1の溶媒と相溶性のある第2の溶媒を用
いて、第1の溶媒を第2の溶媒で置換して樹脂を相分離
することを特徴とする。
【0018】請求項8の発明は、前記ガス拡散電極の製
造方法の第1の工程において、基板上のガス拡散電極に
樹脂を溶媒に溶解させた溶液を含ませる工程が減圧下で
おこなわれることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のガス拡散電極は、触媒層
とガス拡散層とを順次積層した構造となっている。そし
て、触媒層は、触媒粒子とカーボン粒子と固体高分子電
解質と有孔性樹脂とを含み、触媒粒子およびカーボン粒
子が固体高分子電解質中に三次元に分布する構造であ
る。
【0020】本発明のガス拡散電極は、触媒層とガス拡
散層とに有孔性樹脂を備え、触媒層のガス拡散層と接し
ていない表面には有孔性樹脂が存在しないことを特徴と
する。なお、触媒層に備えた有孔性樹脂とガス拡散層に
備えた有孔性樹脂とは連続していることが好ましい。
【0021】本発明のガス拡散電極は、触媒粒子および
カーボン粒子により形成した電子伝導経路、固体高分子
電解質により形成したプロトン伝導経路、連通した孔を
有する樹脂の孔によって形成したガス拡散経路を有する
ものである。
【0022】本発明のガス拡散電極は、触媒層のガス拡
散層と接していない表面には有孔性樹脂が存在しないた
めに、固体高分子電解質膜と接合するガス拡散電極の触
媒層面が撥水性の樹脂で覆われておらず、触媒層と固体
高分子電解質膜とのプロトン伝導性を高く保つことがで
きる。
【0023】本発明のガス拡散電極の製造方法は、基板
上のガス拡散電極に有孔性樹脂を含ませる第1の工程
と、続いて基板を除去する第2の工程を経ることを特徴
とする。本発明の製造方法を用いて得られた有孔性樹脂
を含むガス拡散電極においては、有孔性樹脂がガス拡散
性を損なうことなく強い撥水性を電極内に付与してい
る。
【0024】これによって触媒層孔内および表層への水
の滞留が防がれ、ガス拡散性が向上するために、反応ガ
スが三相界面まで十分に供給されて、高い電流密度にお
いても高活性な燃料電池用ガス拡散電極が得られる。こ
こで、触媒層へスムーズにガスを供給し、同時に触媒相
からスムーズに水を排出するためには、有孔性樹脂の多
孔度は30%以上であることが好ましい。
【0025】また、本発明の製造方法を用いて得られた
ガス拡散電極は、有孔性樹脂を含ませた後に基板を除去
することによって、触媒層のガス拡散層と接していない
表面には有孔性樹脂が存在しないものとなる。
【0026】基板上にガス拡散電極を形成する方法とし
ては、例えば、触媒粒子と固体高分子電解質溶液とを含
むペーストあるいは必要に応じてこれらのペーストにカ
ーボン粒子または/およびPTFE粒子分散溶液等を加
えたものを、スクリーンを用いて印刷する、スプレーを
用いて吹きつけるまたは刷毛などを用いて塗布した後に
乾燥する等の方法で基板上に触媒層を形成し、この触媒
層とガス拡散層とをホットプレス法などによって接合す
る方法が好ましい。
【0027】また、上記ペーストをガス拡散層に直接、
スクリーンを用いて印刷する、スプレーを用いて吹きつ
けるまたは刷毛などを用いて塗布乾燥等の方法で触媒層
を形成した後に、その触媒層を基板とホットプレス法な
どによって接合する方法も好ましい。
【0028】また、基板上にガス拡散電極を形成する方
法としては、例えば、まずカーボン粒子と固体高分子電
解質溶液とを含むペーストを、基板上にスクリーンを用
いて印刷する、スプレーを用いて吹きつけるまたは刷毛
などを用いて塗布した後に乾燥する等の方法で触媒未担
持層を形成し、つづいてこの触媒未担持層に、例えば第
40回電池討論会予稿集167―168記載の方法など
によって触媒を担持し、その触媒層とガス拡散層とをホ
ットプレス法などによって接合する方法を用いてもよ
い。
【0029】本発明において用いられる触媒粒子として
は、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジ
ウム、オスミウムなどの白金族金属およびその合金粒子
を用いることが好ましく、これらの触媒粒子を高表面積
なカーボンに担持して用いてもよい。
【0030】また、固体高分子電解質としては、イオン
交換樹脂を用いることが好ましいが、その中でもパーフ
ルオロカーボンスルフォン酸またはスチレン−ジビニル
ベンゼン系のスルフォン酸型固体高分子電解質を使用す
ることが好ましい。
【0031】また、本発明において用いられるガス拡散
層は、たとえば、発泡ニッケル、チタン繊維焼結体でも
よいが、耐酸性や電子伝導性などの面で、炭素繊維など
の焼結体である炭素材料からなる導電性多孔質体を用い
ることが望ましく、必要に応じてはこれらの導電性多孔
質体にPTFEなどによって撥水性を付与したものも望
ましい。
【0032】本発明のガス拡散電極の製造方法におい
て、有孔性樹脂をガス拡散電極に含ませる方法としては
相分離を用いることが好ましい。なお、「相分離」と
は、一般的には「完全に混じり合っている2成分溶液あ
るいは固溶体において、温度の変化などにつれて溶解度
が低下し、2相の液相あるいは固相に分離する現象をい
う(化学辞典、東京化学同人(株)、1994年発
行)。」と定義されているが、ここで「相分離」とは、
樹脂を溶媒に溶解した溶液から樹脂を分離する方法を意
味する。
【0033】相分離の具体的な方法としては、溶媒抽出
法と濃度変化を利用する方法があり、濃度変化を利用す
る方法としては、温度による溶解度変化を利用する方法
や溶媒蒸発による方法がある。本発明においては、有孔
性樹脂を得るために、これらの相分離法を使用すること
ができる。
【0034】これらの相分離法の中では、緻密で連続し
た孔が形成されることから、溶媒抽出法を用いることが
好ましい。溶媒抽出法による相分離とは、樹脂を第1の
溶媒に溶解させた溶液から、樹脂に対して不溶性でかつ
第1の溶媒と相溶性のある第2の溶媒を用いて、第1の
溶媒を第2の溶媒で置換することによって樹脂が分離す
る現象をさす。そして樹脂が相分離を起こした後に第2
の溶媒を除去することによって有孔性樹脂が得られるも
のである。
【0035】また、温度による溶解度変化を利用する相
分離法とは、低温において樹脂が溶解しにくく、温度を
上昇させた場合に溶解しやすいような溶媒と樹脂との組
み合わせにおいて、温度を上昇させて樹脂を溶媒に完全
に溶解した溶液を作製し、その後溶液の温度を下げてい
くと溶媒の樹脂に対する溶解度が低下し、溶液中で樹脂
が分離する現象をさす。このような相分離をおこした樹
脂と溶媒との溶液から溶媒を除去することによって有孔
性樹脂が得られるものである。
【0036】さらに、溶媒蒸発を利用する相分離法と
は、樹脂を溶媒に完全に溶解した溶液を作製し、その後
溶液から溶媒を蒸発させて、溶液中で樹脂が分離する現
象をさす。このような相分離をおこした樹脂と溶媒との
溶液から、さらに溶媒を除去することによっても有孔性
樹脂が得られる場合もあるが、この方法では必ず有孔性
樹脂が得られるとは限らない。
【0037】そして、相分離による有孔性樹脂製造の際
に使用する樹脂としては、微細で均一な孔が得られるこ
とにより、PVdFホモポリマー、フッ化ビニリデン・
六フッ化プロピレン重合体(P(VdF−HEP))ま
たは、フッ化ビニリデン・四フッ化エチレン共重合体
(P(VdF−TFP))などのポリフッ化ビニリデン
(PVdF)系樹脂が好ましい。中でも、撥水性に優れ
たフッ化ビニリデン重合体(PVdF)または柔らかく
て取り扱いが容易なフッ化ビニリデン・六フッ化プロピ
レン共重合体(P(VdF−HFP))が好ましい。
【0038】濃度変化を利用する相分離に使用する樹脂
を溶解する溶媒または溶媒抽出法による相分離に使用す
る第1の溶媒としては、樹脂を溶解する溶媒であればよ
く、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン、プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカ
ーボネートなどの炭酸エステル、ジメチルエーテル、ジ
エチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロ
フランなどのエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、1−メチルーピロリジノン、n−メチ
ル−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。
【0039】また、溶媒抽出法を用いた相分離におい
て、樹脂を溶解する第1の溶媒としては、例えばNMP
が微細で均一な孔が得られることから好ましい。すなわ
ち、本発明に用いられる樹脂を第1の溶媒に溶解した溶
液は、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVdF)をN
MPに溶解したものが好ましい。ここで、第1の溶媒と
相溶性のある第2の溶媒としては、水または水とアルコ
ールの混合溶液が安価で好ましい。
【0040】また、前述の濃度変化を利用した相分離に
よる有孔性樹脂の製造方法において、樹脂を溶解する溶
媒としては、低温において樹脂が溶媒に溶解しにくく、
温度を上昇させた場合に樹脂が溶解しやすいような溶媒
が好ましい。具体的には、ケトンが良く、そのなかでも
メチルエチルケトンがよい。
【0041】ここで、基板上のガス拡散電極に溶液を含
ませる方法は、たとえば、基板上のガス拡散電極を溶液
中に浸漬する方法によっておこなわれることが好ましい
が、さらに好ましくは前記工程が減圧下でおこなわれる
ことがよいし、特に1T0rr以下の減圧下でおこなわ
れることがよい。
【0042】本発明におけるガス拡散電極の製造方法に
おいて、基板上のガス拡散電極から基板を除去する方法
としては、機械的に基板を剥離して除去してもよいし、
基板を水、アルコール、有機溶媒、酸性溶液、アルカリ
性溶液等の溶液単体もしくは混合物で溶解して除去して
もよいし、基板を加熱や減圧等による融解もしくは蒸発
によって除去してもよい。
【0043】ただし、基板の溶解に用いる溶液は樹脂を
溶解しないものでなければならないし、加熱する場合に
は樹脂の融点を越えてはならない。また基板としては、
機械的に剥離して除去する場合には剥離性のよいフッ素
系フィルム等を用いることが好ましいし、溶解させて除
去する場合には、水、アルコール、有機溶媒、酸性溶
液、アルカリ性溶液等に溶解可能であるものが好まし
い。
【0044】さらに好ましくはpH=6以下の酸性溶液
中で溶解可能な、アルミニウム、亜鉛、鉄、銅、錫等の
金属基板を用いることがよい。とくに、安価で扱いやす
く、容易に溶解除去できる点から、アルミニウム箔を硫
酸や塩酸などの酸性水溶液で溶解する方法が好ましい。
【0045】
【実施例】以下、本発明を好適な実施例を用いて説明す
る。
【0046】[実施例1]白金担持カーボン(田中貴金
属製、TEC−10V−30E:ValcanXC−7
2に白金を30wt%担持)と固体高分子電解質溶液
(アルドリッチ社製、ナフィオン5wt%溶液)とより
なるペーストを、アルミホイル(厚さ15μm)上にス
クリーン法によって塗布し、室温で約1時間自然乾燥し
て得た触媒層に、ホットプレス(95℃)によって導電
性多孔質体よりなるガス拡散層(カーボンペーパ:厚さ
0.5mm)を接合し、基板上に触媒層とガス拡散層と
を順次積層したガス拡散電極を得た。
【0047】この、基板上に形成したガス拡散電極に、
PVdF/NMP溶液(PVdF濃度6wt%)を減圧
下で含浸して、直ちに余分なPVdF/NMP溶液をふ
き取った後、精製水の中に10分間浸漬して有孔性樹脂
を含ませた。つづいてこのガス拡散電極を0.5M硫酸
中に浸漬し、基板であるアルミホイルを溶解し、ガス拡
散電極Aを得た。洗浄後、そのガス拡散電極Aを固体高
分子電解質膜(デュポン社製、ナフィオン、厚さ150
μm)の両面にホットプレス(120℃)にて接合し、
膜―電極接合体Aを得た。ガス拡散電極Aは、触媒層の
孔内部およびガス拡散層に有孔性樹脂を含んだ構造をし
ている。
【0048】ガス拡散電極Aの白金量は、約1.0mg
/cm2となるように、ペースト製作時の白金担持カー
ボン量を調整した。得られた膜―電極接合体Aを燃料電
池の単セルに組み込んでセルAを得た。
【0049】[比較例]白金担持カーボン(田中貴金属
製、TEC−10V−30E:ValcanXC−72
に白金を30wt%担持)と固体高分子電解質溶液(ア
ルドリッチ社製、ナフィオン5wtt%溶液)および、
PTFE粒子分散溶液(三井デュポンフロロケミカル社
製、テフロン30J)よりなるペーストを調製し、その
ペーストを高分子フィルム(FEPフィルム:テトラフ
ロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体シー
ト、ダイキン工業(株)製:厚さ25μm)上に塗布し、室
温で約1時間自然乾燥して触媒層を得た。
【0050】このようにして得た触媒層を、ホットプレ
ス(95℃)によって固体高分子電解質膜(デュポン社
製、ナフィオン、厚さ150μm)の両面に接合し、さ
らにその両面にPTFE分散溶液を塗布、乾燥して撥水
性を付与した導電性多孔質体(カーボンペーパ:厚さ
0.5mm)をホットプレス(135℃)によって接合
し、膜―電極接合体Bを得た。膜―電極接合体Bは、固
体高分子電解質膜の両面にガス拡散電極Bが接合された
構造である。
【0051】膜―電極接合体Bの白金量は、約1.0m
g/cm2となるように、ペースト製作時の白金担持カ
ーボン量を調整した。得られた膜―電極接合体Bを燃料
電池の単セルに組み込んでセルBを得た。
【0052】これらのセルを用いて、アノード側供給ガ
スとして水素、カソード側供給ガスとして酸素を用いた
際の電流―電圧特性を図1に、アノード側供給ガスとし
て水素、カソード側供給ガスとして空気を用いた際の電
流―電圧特性を図2に示した。それぞれの供給ガス圧は
1気圧で、70℃の密閉水槽中でバブリングすることに
よって加湿した。そしてセルの運転温度は60℃とし、
各電流値での測定時の保持時間は2分とした。
【0053】図1および図2において、記号(◆)はセ
ルAの特性、又記号(△)はセルBの特性を示した。図
1および図2から明らかなように、本発明によるセルA
は、従来のセルBと比べて、各電流密度において、高い
出力電圧が得られた。特に図2に見られるように、カソ
ード側供給ガスとして空気を用いた場合にはその差が顕
著であった。
【0054】これは、従来のガス拡散電極Bは、触媒層
内およびガス拡散層内に多量のPTFE粒子を含むため
に、撥水性はあるもののガス拡散性が阻害されて、高電
流密度領域において出力が低下しているが、本発明にお
ける製造方法によって得られたガス拡散電極Aは、良好
な電子伝導性およびプロトン伝導性を保ったまま、ガス
拡散電極内への水の滞留を無くし、ガス拡散性が向上し
たために、酸素分圧の低い空気使用時にも孔内部まで酸
素の供給が可能となり、従来の電極に比べて大幅に出力
が向上したものである。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、電子伝導性およびプロ
トン伝導性が良好で、触媒層およびガス拡散層への水の
滞留を無くすことによってガス拡散性の向上したガス拡
散電極を得ることができる。
【0056】本発明の、基板上のガス拡散電極に有孔性
樹脂を含ませる第1の工程と、前記基板を除去する第2
の工程とを経る製造方法により、ガス拡散層と触媒層は
有孔性樹脂を備え、触媒層のガス拡散層と接していない
表面には有孔性樹脂が存在しないガス拡散電極が得られ
る。
【0057】本発明のガス拡散電極は、その触媒層孔内
および導電性多孔質基材内に連通した孔を有する有孔性
樹脂が充填されており、水の滞留を防いで触媒層内部ま
で高いガス拡散性を確保している。このガス拡散電極を
用いることにより、電流密度の高い領域においても高性
能な燃料電池の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アノードに水素を、カソードに酸素を用いた
場合のセルの電流―電圧特性を示す図。
【図2】 アノードに水素を、カソードに空気を用いた
場合のセルの電流―電圧特性を示す図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス拡散層と触媒層とを積層したガス拡
    散電極であって、前記ガス拡散層と前記触媒層は有孔性
    樹脂を備え、前記触媒層のガス拡散層と接していない表
    面には有孔性樹脂が存在しないことを特徴とするガス拡
    散電極。
  2. 【請求項2】 基板上のガス拡散電極に有孔性樹脂を含
    ませる第1の工程と、前記基板を除去する第2の工程と
    を経ることを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 基板の材質が金属で、第2の工程におい
    てpH6以下の酸性溶液を用いて前記基板を溶出させる
    ことを特徴とする請求項2記載のガス拡散電極の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 第1の工程において、樹脂を溶媒に溶解
    させた溶液から樹脂を相分離させることを特徴とする請
    求項2または3記載の有孔性樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1の工程において、樹脂を第1の溶媒
    に溶解させた溶液から、樹脂が不溶でかつ第1の溶媒と
    相溶性のある第2の溶媒を用いて、第1の溶媒を第2の
    溶媒で置換して樹脂を相分離させ、その後第2の溶媒を
    除去することを特徴とする請求項2、3または4記載の
    有孔性樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1の工程において、基板上のガス拡散
    電極に樹脂を溶媒に溶解させた溶液を含ませた後、樹脂
    を相分離することを特徴とする請求項2または3記載の
    ガス拡散電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1の工程において、基板上のガス拡散
    電極に樹脂を第1の溶媒に溶解させた溶液を含ませた
    後、樹脂が不溶でかつ第1の溶媒と相溶性のある第2の
    溶媒を用いて、第1の溶媒を第2の溶媒で置換して樹脂
    を相分離することを特徴とする請求項2、3または6記
    載のガス拡散電極の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1の工程において、基板上のガス拡散
    電極に樹脂を溶媒に溶解させた溶液を含ませる工程が減
    圧下でおこなわれることを特徴とする請求項6または7
    記載のガス拡散電極の製造方法。
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