JP2000227610A - 散乱面形成方法、液晶表示装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

散乱面形成方法、液晶表示装置の製造方法および電子機器

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JP2000227610A
JP2000227610A JP2868299A JP2868299A JP2000227610A JP 2000227610 A JP2000227610 A JP 2000227610A JP 2868299 A JP2868299 A JP 2868299A JP 2868299 A JP2868299 A JP 2868299A JP 2000227610 A JP2000227610 A JP 2000227610A
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layer
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pixel electrode
etching
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JP2868299A
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Mutsumi Matsuo
睦 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス基板や半導体基板などの表面に、良好
な散乱特性を有する反射面を、選択的に形成する。 【解決手段】 第1に、例えば、プラズマで発生するラ
ジカルFなどによって、基板200の表面に、基板2
00よりもエッチングされ易い変質層202を形成し、
第2に、変質層202の上面に、円形状の開口部分が複
数設けられるようにパターニングしたレジスト層203
を形成し、第3に、基板200および変質層202を例
えばフッ酸系水溶液でウェットエッチングして、基板2
00の表面になめらかな傾斜を有する凹部238を多数
形成し、第4に、凹部238が形成された領域を含む基
板200の表面に、アルミニウムなどの光反射層を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスや半導体な
どの基板に、散乱反射面を選択的に形成する散乱面形成
方法、並びに、この方法を適用した反射型の液晶表示装
置、および、この表示装置を用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、液晶表示装置は、液晶そ
れ自体が発光するのではなく、単に光の道筋を変えるこ
とによって表示を行うものである。このため、液晶表示
装置には、パネルに対して必ず何らかの形で光を入射さ
せる構成が必要となり、この点において、他の表示装
置、例えば、エレクトロルミネッセンス表示装置や、プ
ラズマディスプレイなどとは大きく相違する。ここで、
液晶表示装置において、光源をパネルの裏側に配置し、
その光がパネルを通過してユーザに視認されるタイプは
透過型と呼ばれる一方、光源をパネルの表側に配置し、
あるいは配置せずに、前面からの入射光がパネルによっ
て反射してユーザに視認されるタイプは反射型と呼ばれ
ている。
【0003】このうち、透過型では、パネルの裏側に配
置される光源(ゆえにバックライトと呼ばれる)から発
せられた光は、導光板によってパネル全体に導かれた
後、偏光板→背面基板→電極→液晶→電極→カラーフィ
ルタ→前面基板→偏光板という経路を辿って、ユーザに
視認される。これに対して反射型では、パネルに入射し
た光は、偏光板→前面基板→カラーフィルタ→電極→液
晶→電極まで到達すると、当該電極で反射して、いま来
た経路を逆に辿ってユーザに視認される。このように、
反射型では、透過型と比較すると、環境からの採光量
は、パネルの裏側に配置される光源ほど多くない点や、
光がパネルに入射して反射するという二重の経路を有す
るため各部での光損失が大きくなり、ユーザに視認され
る光量がそれだけ少なくなるので、表示画面が暗くな
る、という欠点がある。
【0004】ただし、反射型は、消費電力の大きい光源
がなくても表示が可能である点や、日光が当たる屋外で
も視認性が高い点、バックライトや導光板が不要なの
で、コストの低減化のみならず薄型軽量化される点な
ど、上記欠点を補って余りある利点を有する。このた
め、近年、カラー表示が可能な反射型の液晶表示装置
は、携帯型電子機器などを中心に徐々に普及し始めてい
る。
【0005】さて、反射型において、光を反射する電極
は完全に平坦ではなく、微妙な起伏をもって形成され
る。これは、一方向から入射した光が起伏により効率良
く散乱反射して、視認方向の相違により表示品質に差が
生じないようにするためである。ここで、起伏を有する
電極の形成方法としては、予め起伏が形成された基板
を用いる、平坦な基板の表面に、開口部分を有するレ
ジスト層をパターニングして、単純にウェットエッチン
グして基板に凹部を形成し、ここに電極を形成する、
基板表面に、特殊なレジスト層をパターニングした後に
熱処理して、レジストのエッジ部分を鈍化させ、これに
より基板に凸部を形成して、ここに電極を形成する、な
どが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の予
め起伏が設けられた基板を用いる方法では、その起伏ゆ
えに、画素をスイッチングする素子やアライメントマー
クなどを精度良く形成することができない。このため、
表示が不均一となったり、基板貼付や実装などの作業効
率が低下するなどの問題が生じる。また、の基板を単
純にウェットエッチングする方法では、その等方性ゆえ
に、エッチングされるサイド部分は、ある程度なだらか
に形成されるが、散乱反射面として要求される角度であ
る約20度(平坦部分に対して)程度にまでには至らな
い。このため、散乱反射面として用いるには不十分であ
る。また、レジストの密着性を意図的に低下させた状態
で、ウェットエッチングを行い、エッチングされるサイ
ド部分をなだらかに形成する試みもなされているが、広
範囲にわたって良好かつ均一に形成されるまでには至っ
ていない。さらに、の特殊なレジストを用いる方法
は、一般にコストの上昇を招く結果、液晶表示装置全体
の価格高騰につながって、競争力を低下させることにも
なる。
【0007】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、ガラス基板や半
導体基板などの表面に、適切な角度を有する散乱反射面
を、比較的簡易なプロセスによって選択的に形成するこ
とが可能な散乱面形成方法、並びに、この方法を適用し
た反射型の液晶表示装置、および、この表示装置を用い
た電子機器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る散乱面形成方法にあっては、基板の表
面に、前記基板よりもエッチングされ易い変質層を形成
する第1のプロセスと、前記変質層の表面に、所定の形
状にパターニングしたレジスト層を形成する第2のプロ
セスと、前記基板および変質層をエッチングする第3の
プロセスと、前記第3のプロセスによりエッチングされ
た基板の表面に、光反射層を形成する第4のプロセスと
を備えることを特徴としている。
【0009】本発明によれば、散乱面が形成される基板
の表面は、その基板よりもエッチングされやすい変質層
が形成された状態でエッチングされる。このため、パタ
ーニングされたレジスト層の開口部分では、まず、変質
層が基板よりも先にエッチングされるので、レジスト層
および基板に間隙が生じ、ここに、エッチング液や反応
性ガスなどが回り込んで、変質層がさらにエッチングさ
れる、というサイクルが繰り返される。この結果、基板
の表面のエッチングは、深度が浅い程、深さ方向よりも
変質層の方向に進行するので、エッチング断面形状のサ
イド部分における傾斜は、非常に緩やかなものとなる。
したがって、この表面に光反射層を形成すると、良好な
散乱特性を有する散乱面が形成されることとなる。
【0010】ここで、本発明において、前記変質層は、
前記基板の表面をプラズマ状態に置いて形成されること
が望ましい。これによれば、プラズマ状態となるプロセ
スによって必然的に基板表面に変質層が形成されるの
で、変質層を形成するためのプロセスを別途設ける必要
がなくなり、全体の製造プロセスが簡略化される。この
ようにプラズマ状態に置くプロセスとしては、例えば、
基板と当該基板上に形成される素子との密着性を向上さ
せる下地層や、不要な層などを、ドライエッチングによ
り除去するプロセスなどが挙げられる。
【0011】また、本発明において、前記レジスト層
は、散乱面を形成すべき領域においてのみ開口部分を有
することが望ましい。これによれば、散乱面として用い
る凹部を選択的に形成することができるので、基板表面
に起伏を設けるべきでない領域、例えば、素子が形成さ
れる領域や、対向基板との間隙を一定に保つためのスペ
ーサが存在する領域、各種のアライメントマークが形成
される領域などを、平坦状態に維持することが可能とな
る。
【0012】一方、本発明において、前記第3のプロセ
スにおけるエッチングは、ウェット(湿式)エッチング
であることが望ましい。これによれば、基板表面になだ
からな傾斜を有する凹部分を、比較的簡易な方法によっ
て形成することができる。なお、単に、基板表面を、ウ
ェットエッチングすることによっても、ある程度の傾斜
を有する凹部分を形成することができるが、それでも、
等方性エッチングのみによる傾斜角度は、散乱面として
利用するには急峻である。すなわち、本発明において
は、上述のように基板表面に形成された変質層の存在に
よって初めて、散乱面として適切な傾斜角度を持たせる
ことが可能となる。
【0013】また、上記目的を達成するために本発明に
係る液晶表示装置にあっては、一対の基板間に液晶が挟
持されてなり、前記一対の基板のうち、一方の基板に画
素電極が形成された液晶表示装置の製造方法であって、
前記一方の基板の表面に、前記一方の基板よりもエッチ
ングされ易い変質層を形成する第1のプロセスと、前記
変質層の表面に、所定の形状にパターニングしたレジス
ト層を形成する第2のプロセスと、前記一方の基板およ
び前記変質層をエッチングする第3のプロセスと、前記
第3のプロセスによりエッチングされた基板の表面に、
光反射層からなる画素電極を形成する第4のプロセスと
を備えることを特徴としている。
【0014】本発明によれば、画素電極において良好な
散乱特性を有する反射型の液晶表示装置が提供される。
また、この液晶表示装置においては、バックライトや導
光板などが不要となるので、消費電力が抑えられるとと
もに、薄型軽量化が図られ、さらに、屋外での視認性も
良好なものとなる。
【0015】ここで、本発明において、前記画素電極に
はスイッチング素子が接続されて、前記画素電極は、当
該スイッチング素子を構成する、または、当該スイッチ
ング素子に接続される少なくとも一つの導電層からなる
ことが望ましい。これによれば、スイッチング素子によ
りオン画素とオフ画素とを電気的に分離できるので、コ
ントラストやレスポンスなどが良好かつ高精細な表示が
容易に達成できる。
【0016】さらに、本発明において、前記スイッチン
グ素子は、第1の導電層/絶縁体/第2の導電層の構造
を有するダイオードであり、前記第2の導電層を形成し
た後に、前記第1〜第4のプロセスを実行して、前記画
素電極を前記第2の導電層に接続して形成することが望
ましい。これによれば、凹部分上に画素電極が形成され
る前に、ダイオードが形成される。すなわち、ダイオー
ドが基板の平坦部分において形成されるので、複数のダ
イオードが特性を均一にして形成することができる。ま
た、基板の平坦部分に形成された第2の導電層をパター
ニングして、アライメントマークなどに利用することも
可能となる。
【0017】また、本発明において、前記スイッチング
素子は、第1の導電層/絶縁体/第2の導電層の構造を
有するダイオードであり、前記画素電極を前記第2の導
電層から形成することが望ましい。これによれば、ダイ
オードを構成する第2の導電層自体がそのまま画素電極
となるので、第2の導電層と画素電極とを異なる金属層
から形成する場合よりもプロセスの簡略化を図ることが
できる。
【0018】さらに、本発明において、前記スイッチン
グ素子はトランジスタであり、前記画素電極を、前記ト
ランジスタのドレイン電極に接続された導電層から形成
することが望ましい。これによれば、スイッチング素子
として、ダイオードを形成する場合よりもプロセスが複
雑化するが、良好な表示が得やすい。
【0019】くわえて、発明に係る電子機器にあって
は、上記製造方法によって製造された液晶表示装置を有
するので、屋外でも良好な視認性を有するとともに、消
費電力が抑えられ、薄型軽量化が図られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】<第1実施形態>まず、本発明の第1実施
形態に係る方法が適用される液晶パネルについて説明す
る。図1は、この液晶パネルの電気的構成を示すブロッ
ク図である。この図に示されるように、液晶パネル10
0には、複数本の走査線212が行(X)方向に延在し
て形成される一方、複数本のデータ線312が列(Y)
方向に延在して形成されるとともに、走査線212とデ
ータ線312との各交差点において画素116が形成さ
れている。ここで、各画素116は、液晶表示要素(液
晶層)118とTFD(Thin Film Diode)素子220
との直列接続からなる。そして、各走査線212は、走
査線駆動回路122によって駆動される一方、各データ
線312は、データ線駆動回路124によって駆動され
る構成となっている。
【0022】ここで、液晶パネル100は反射型である
が、後述するように、素子基板と対向基板とが互いに一
定の間隙を保った状態で貼付され、この間隙に液晶が注
入された構成となっている。このうち、素子基板には、
走査線212やTFD素子220などが形成される一
方、対向基板には、データ線312などが形成されてい
る。
【0023】なお、図1において、TFD素子220は
走査線212の側に接続され、液晶層118がデータ線
312の側に接続されているが、これとは逆に、TFD
素子220がデータ線312の側に、液晶層118が走
査線212の側にそれぞれ接続される構成でも良い。
【0024】<TFD素子>次に、各画素を駆動するT
FD素子220について説明する。図2(a)は、液晶
パネル100において、TFD素子220を含む1画素
分のレイアウトを示す平面図であり、同図(b)は、そ
のA−A’線に沿って示す断面図である。これらの図に
おいて、TFD素子220は、第1のTFD素子220
aおよび第2のTFD素子220bからなり、基板20
0の表面に形成された絶縁膜201上において、第1金
属膜222と、この第1金属膜222の表面に陽極酸化
によって形成された絶縁体たる酸化膜224と、この表
面に形成されて相互に離間した第2金属膜226a、2
26bとから構成されている。また、第2金属膜226
aは、そのまま走査線212となる一方、第2金属膜2
26bは、画素電極234に接続されている。
【0025】ここで、第1のTFD素子220aは、走
査線212の側からみると順番に、第2金属膜226a
/酸化膜224/第1金属膜222となって、金属/絶
縁体/金属のサンドイッチ構造を採るため、正負双方向
のダイオードスイッチング特性を有することになる。一
方、第2のTFD素子220bは、走査線212の側か
らみると順番に、第1金属膜222/酸化膜224/第
2金属膜226bとなって、第1のTFD素子220a
とは、反対のダイオードスイッチング特性を有すること
になる。したがって、TFD素子220は、2つのダイ
オードを互いに逆向きに直列接続した形となっているた
め、1つのダイオードを用いる場合と比べると、電流−
電圧の非線形特性が正負の双方向にわたって対称化され
ることになる。なお、このように非線形特性を厳密に対
称化する必要がないのであれば、1つのTFD素子のみ
を用いても良い。
【0026】ところで、走査線212は、断面的にみれ
ば、第1金属膜222、酸化膜224、第2金属膜22
6aとなっているが、走査線の接続端子(図示省略)
は、最上層の第2金属膜226aのみに接続されるた
め、また、走査線212部分の容量は、TFD素子部分
に比べて大きく形成されているため、走査線212部分
がTFD素子として機能することはない。
【0027】一方、第2金属膜226bに接続される画
素電極234は、アルミニウムや銀などの反射率の大き
な金属膜から形成されている。また、画素電極234の
形成領域にあって、基板200の表面には、平面的には
円形状であって断面的にはなだらかな傾斜を有する凹部
238がランダムに複数個設けられている。
【0028】ここで、基板200自体は、例えば、石英
やガラスなどが用いられる。なお、透過型にあっては、
透明であることも基板200の要件となるが、本実施形
態の方法が適用される反射型にあっては、透明であるこ
とが要件にならないので、不透明なシリコンなどの半導
体基板では十分厚い酸化膜を表面に形成していれば基板
200として用いることも可能である。また、図2にお
いて、基板200の表面に絶縁膜201が設けられる理
由は、第2金属膜の堆積後における熱処理により、第1
金属膜222が下地から剥離しないようにするため、お
よび、第1金属膜222に不純物が拡散しないようにす
るためである。なお、シリコンなどの半導体基板では、
絶縁膜201上にスイッチング素子を形成する他に、直
接スイッチング素子を半導体基板に埋め込んだ構成も可
能となる。この場合、スイッチング素子は、ダイオード
としてはプレーナー型ダイオード、トランジスタとして
はMOS型FETとなる。
【0029】なお、TFD素子220は、ダイオード素
子としての一例であり、他に、酸化亜鉛(ZnO)バリ
スタや、MSI(Metal Semi-Insulator)などを用いた
素子や、これらの素子を、単体、または、逆向きに直列
接続もしくは並列接続したものなどが適用可能である。
【0030】<素子基板の製造プロセス>次に、本実施
形態に係る方法が適用される素子基板200の製造プロ
セスについて説明する。まず、図3(1)に示されるよ
うに、基板200上面に絶縁膜201が形成される。こ
の絶縁膜201は、例えば、酸化タンタル(Ta
)からなり、スパッタリング法で堆積したタンタ
ル(Ta)膜を熱酸化する方法や、酸化タンタルからな
るターゲットを用いたスパッタリングあるいはコスパッ
タリング法などにより形成される。また、この絶縁膜2
01は、上述したように、第1金属膜222の密着性を
向上させ、さらに基板200からの不純物の拡散を防止
することを主目的として設けられるので、その膜厚は、
例えば、50〜200nm程度である。
【0031】次いで、同図(2)に示されるように、絶
縁膜201上面に第1金属膜222が成膜される。ここ
で、第1金属膜222の膜厚は、TFD素子220の用
途によって好適な値が選択され、通常、100〜500nm程度
である。また、第1金属膜222の組成は、例えば、タ
ンタル単体やタンタル合金からなるが、本実施形態では
説明の便宜上、タンタル単体を用いることとする。ここ
で、タンタル単体からなる第1金属膜222は、スパッ
タリング法や電子ビーム蒸着法などで形成可能である。
【0032】なお、第1金属膜222としてタンタル合
金を用いる場合、主成分のタンタルに、例えば、タング
ステン、クロム、モリブデン、レニウム、イットリウ
ム、ランタン、ディスプロリウムなどの周期律表におい
て第6〜第8族に属する元素が添加される。この際、添
加元素としては、タングステンが好ましく、その含有割
合は、例えば、0.1〜6重量%が望ましい。また、タンタ
ル合金からなる第1金属膜222を形成するには、混合
ターゲットを用いたスパッタリング法や、コスパッタリ
ング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。
【0033】そして、同図(3)に示されるように、第
1金属膜222が、一般に用いられているフォトリソグ
ラフィおよびエッチング技術によってパターニングされ
る。
【0034】続いて、同図(4)に示されるように、酸
化膜224が第1金属膜222の表面に形成される。詳
細には、第1金属膜222の表面が陽極酸化法によって
酸化されて、酸化タンタル(Ta)が形成され
る。このとき、走査線212の基礎となる部分の表面も
同時に酸化されて、同様に酸化タンタルからなる酸化膜
224が形成される。酸化膜224の膜厚は、その用途
によって好ましい値が選択され、例えば、10〜35nm程度
であり、1つの画素について1個のTFD素子を用いる
場合と比べると半分である。陽極酸化に用いられる化成
液は、特に、限定されないが、例えば、0.01〜0.1重量
%のクエン酸水溶液を用いることができる。
【0035】さらに、同図(5)に示されるように、第
2金属膜226が成膜される。この第2金属膜226
は、例えば、クロムや、アルミニウム、チタン、モリブ
デンなどであり、スパッタリング法などによって堆積さ
せることによって形成される。また、第2金属膜226
の膜厚は、例えば、50〜300nm程度である。
【0036】次に、図4(6)に示されるように、第2
金属膜226が、一般に用いられているフォトリソグラ
フィおよびエッチング技術によってパターニングされ
る。これにより素子部分にあっては、同図に示されるよ
うに、第1のTFD素子220aにおける第2金属膜2
26a、および、第2のTFD素子220bにおける第
2金属膜226bが、相互に離間して形成される一方、
走査線212における最上層が第2金属膜226によっ
て被覆されることになる。また、この第1金属膜222
や第2金属膜226のパターニングによって、COG
(Chip On Grass)実装や基板貼付などの際、位置合わ
せとして用いるアライメントマークも形成される。
【0037】続いて、同図(7)に示されるように、走
査線212およびTFD素子220の形成領域以外に位
置する絶縁膜201が、ドライエッチングにより除去さ
れる。この際、走査線212から枝分かれした酸化膜2
24のうちの破線部分229についても、その基礎とな
っている第1金属膜222とともに除去される。これに
より、第1、第2のTFD素子で共用される第1金属膜
222が、走査線212と電気的に分離されることにな
る。
【0038】ここで、ドライエッチングについて、詳細
には、次のようにして行われる。すなわち、走査線21
2およびTFD素子220の形成領域をレジスト層で被
覆した基板200を、チャンバ内に置いて略真空とする
とともに、例えば、SFやCFなど、フッ素を含む
反応性ガスを入れて、高周波電力を加える。ここで、高
周波電力を加えると放電が生じてプラズマ状態となり、
そこでは電界で加速された電子との衝突によって反応性
ガスが解離して、フッ素のラジカルFが発生する。そ
して、このラジカルFが、破線部分229を構成する
酸化膜(Ta)224および第1金属膜(Ta)
222とともに、絶縁膜(Ta)201に反応し
て揮発性ガスとなり、基板200から離れる結果、エッ
チングが行われることとなる。また、このドライエッチ
ングにおいて、絶縁膜201の除去によって露出した基
板200の表面は、ラジカルFによって変質されて、
酸化物の変質層202となる。
【0039】次に、同図(8)に示されるように、画素
電極234が形成されるべき領域において、基板200
が変質層202とともにエッチングされて、凹部238
が形成される。この基板エッチングの詳細について、図
5を参照して説明する。まず、基板200の全面に塗布
されたレジスト層203がパターニングされて、画素電
極234の形成領域内において、円形状の開口部分がラ
ンダムに配置される。なお、このレジスト層203に
は、通常のフォトレジストが用いられ、また、この開口
部分の直径は約4〜8μm程度で十分である。次に、こ
の基板200が、例えば、NHFなどをHFに混合し
たフッ酸系水溶液によってウェットエッチングされる。
ここで、変質層202は、ラジカルFによって基板2
00自体が変質したものであるため、フッ酸系水溶液に
よるエッチングは、基板200自体のエッチングよりも
高いレートで進行する。このため、まず、変質層202
がエッチングされ、これによってレジスト層203の下
側に空隙が生じて、この空隙に、エッチング液が浸透し
て、変質層202がエッチングされる、というサイクル
が繰り返される一方、基板200自体は、等方性にエッ
チングされる。したがって、このエッチングは、深度が
浅い程、図5において垂直方向よりも水平方向に速く進
行するので、エッチング断面形状、すなわち、凹部23
8のサイド部分の傾斜角度は、非常に緩やかなものとな
る。
【0040】なお、エッチングによるサイド部分が、散
乱反射面として好ましいとされる約20度の傾斜とする
ためには、開口部分の直径を約4〜8μmとし、隣接す
る開口部分同士における開口部分中央の距離間を5μm
程度とし、さらに、凹部238の深さを約1μm程度と
してエッチングすることが望ましい。また、基板エッチ
ングにより凹部238が形成された後に、レジスト層2
03を除去するのは言うまでもない。
【0041】次に、図4(9)に示されるように、画素
電極234となる反射導電膜が、基板200の上面にわ
たって成膜される。この反射導電膜は、アルミニウムや
銀などが好適であって、スパッタリング法などによって
膜厚30〜200nmに堆積される。
【0042】続いて、同図(10)に示されるように、
この反射導電膜が、一般に用いられているフォトリソグ
ラフィおよびエッチング技術によってパターニングされ
る。このようなプロセスにより、基板200には、第1
のTFD素子220aと第2のTFD素子220bとか
らなるTFD素子220が形成された後に、なだらかな
傾斜を有する凹部238上に、散乱反射面となる画素電
極234が形成されることとなる。
【0043】<対向基板の製造プロセス>次に、対向基
板300の製造プロセスについて簡単に説明する。対向
基板300には、TFD素子220のようなスイッチン
グ素子が形成されないため、素子基板200と比較する
と、その製造プロセスは極めて簡易である。すなわち、
基板の一方の面に、第1に、ITO(Indium Tin Oxid
e)のような透明導電膜を成膜した後、第2に、これを
パターニングして、データ線312を形成する。この
際、後述するICチップ(ドライバ)を実装するための
端子や、FPC基板を接続するための端子なども、透明
導電膜をパターニングして形成される。
【0044】なお、カラー表示を行う場合には、第1
に、画素電極234と対向する領域において、R(レッ
ド)、G(グリーン)、B(ブルー)の原色いずれかの
カラーフィルタが所定の配列で形成されるとともに、そ
れ以外の表示領域においてはBk(ブラック)のブラッ
クマトリクスが形成され、第2に、平滑化層が、カラー
フィルタおよびブラックマトリクスの保護を兼ねてコー
ティングされ、この後、透明導電膜が成膜・パターニン
グされることとなる。
【0045】<液晶パネルの全体構成等>次に、上述し
た電気的構成に係る液晶パネル100の全体構成につい
て図6および図7を参照して説明する。ここで、図6
は、液晶パネル100の構成を示す斜視図であり、図7
は、図6におけるB−B’線の断面図である。
【0046】これらの図に示されるように、液晶パネル
100は、走査線212や画素電極234などが形成さ
れた素子基板200と、データ線312などが形成され
た対向基板300とを、スペーサSを混入したシール材
104により一定の間隙を保って、互いに電極形成面が
対向するように貼り合わせるとともに、この間隙に液晶
105を封入した構造となっている。この貼り合わせの
際、マトリクス状に配列される画素電極234のうち、
各列の画素電極と、それと略同一幅を有する各データ線
312とが対向するような位置関係とされる。このよう
な基板の貼り合わせの際には、素子基板200にあって
は、第1金属膜222または第2金属膜226をパター
ニングしたアライメントマークが用いられ、対向基板3
00にあっては、透明導電膜やブラックマトリクスなど
をパターニングしたアライメントマークが用いられる。
【0047】このような構成によって、液晶層118
は、走査線212とデータ線312との交点において、
画素電極234とデータ線312とこれらの間に挟持さ
れる液晶105とによって構成されるとともに、画素1
16が、図1に示されるように、走査線212とデータ
線312との各交点において、液晶層118とTFD素
子220との直列接続を介して電気的に結合した状態と
なる。このため、走査線212に走査信号を供給すると
ともに、データ線312にデータ信号を供給することに
よって、TFD素子220にしきい値以上の電位差を印
加すると、当該素子がオンとなって導通状態になるの
で、当該素子に接続された液晶層に所定の電荷が蓄積さ
れる。そして、電荷蓄積後、当該素子をオフ状態にして
も、液晶層の抵抗が十分に高ければ、当該液晶層におけ
る電荷の蓄積が維持される。このようにTFD素子22
0を駆動して、蓄積させる電荷の量を制御すると、画素
毎に液晶の配向状態が変化して、所定の表示を行わせる
ことが可能となる。
【0048】この際、各画素116の液晶層118に電
荷を蓄積させるのは一部の期間で良いため、第1に、走
査線駆動回路122によって、各走査線212を順次選
択するとともに、第2に、走査線212の選択期間にお
いて、データ線駆動回路124によりデータ線312に
表示すべき画像に応じたデータ信号を供給する構成によ
り、走査線212およびデータ線312を複数の画素1
16について共通化した時分割マルチプレックス駆動が
可能となる。
【0049】一方、素子基板200の対向面であって、
対向基板300から張り出した端子部分には、走査信号
を各走査線212に供給するICチップ250がCOG
実装されるとともに、外部制御基板(図示省略)からI
Cチップ250に制御信号を供給するためのFPC(Fl
exible Printed Circuit)基板260が接続される。一
方、対向基板300の対向面であって、素子基板200
から張り出した端子部分には、データ信号を各データ線
312に供給するICチップ350がCOG実装される
とともに、外部制御基板からICチップ350に制御信
号を供給するためのFPC基板360が接続される。こ
こで、ICチップ250、350におけるCOG実装
は、それぞれ、第1に、基板との所定位置において、接
着剤中に導電性微粒子を均一に分散させたフィルム状の
異方性導電膜を挟持し、第2に、ICチップ250、3
50を基板に加圧・加熱することにより行われる。FP
C基板350、360の接続も同様にして行われる。な
お、図7において、符号322は、ICチップ350お
よびFPC基板360に接合される配線パターンを示し
ている。
【0050】ここで、ICチップ250、350を、基
板200、300にCOG実装する替わりに、例えば、
TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いてICチ
ップ250、350が実装された各TCP(Tape Carri
er Package)を、基板200、300の所定位置に設け
られる異方性導電膜により電気的および機械的に接続す
る構成としても良い。
【0051】また、特に図示はしないが、素子基板20
0および対向基板300の対向面には、それぞれ所定の
方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一
方、対向基板200の前面側には配向方向に応じた偏光
板が設けられる。ただし、液晶105として、高分子中
に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれ
ば、前述した配向膜や、偏光板等が不要となるので、光
利用効率が高まる結果、高輝度化や低消費電力化などの
点において有利である。
【0052】このような第1実施形態によれば、画素電
極234の形成領域において、基板200を、それより
もエッチングレートの高い変質層202とともにウェッ
トエッチングすることによって、多数の凹部234が形
成されるので、その凹部238におけるサイド部分の傾
斜を、等方性よりもがなだらかにして、かつ、散乱面と
して適切な角度で形成することができる。このため、理
想的に光を散乱反射する反射型の液晶パネルを構成する
ことが可能となる。
【0053】また、TFD素子220として、第1のT
FD素子220aおよび第2のTFD素子220bを互
いに逆向きに直列接続して用いる場合には、走査線21
2から枝分かれした酸化膜224のうちの破線部分22
9を除去して、第1、第2のTFD素子で共用される第
1金属膜222を、走査線212から電気的に分離する
プロセスが必要となる。ここで、本実施形態の方法によ
れば、破線部分229を除去するプロセスによって、変
質層202が必然的に基板200の表面に形成される。
したがって、凹部238を形成するためには、凹部23
8を形成しない場合と比較して、実質的に、レジスト層
203を設けて、ウェットエッチングを行うプロセスを
追加するだけで済む。すなわち、凹部238について
は、比較的簡易なプロセスの追加のみによって形成する
ことが可能となる。
【0054】一方、基板200において、TFD素子2
20やアライメントマークなどは、ウェットエッチング
によって凹部238が設けられる前に形成される。逆に
言えば、凹部238は、TFD素子220やアライメン
トマークが形成された後に、選択的に設けられる。ま
た、凹部238は、画素電極234の形成領域のみに設
けられる。このため、TFD素子220や、アライメン
トマーク、シール材104などは、平坦部分に形成され
るので、これらが起伏部分に形成されて精度が低下する
といった不具合は生じない。
【0055】なお、本実施形態にあっては、凹部238
を、1回の基板エッチングにより形成したが、変質層2
02の形成とレジスト層203の形成・基板200のエ
ッチングを、位置をシフトさせながら繰り返して実行し
ても良い。こうすると、凹部238の断面形状が複雑化
して、より良好な散乱特性を得ることが可能となる。
【0056】<第2実施形態>次に、本発明の第2実施
形態に係る方法が適用される液晶パネルについて説明す
る。図8(a)は、この液晶パネルの1画素分の構成を
示す平面図であり、同図(b)は、そのC−C’線の断
面図である。これらの図に示されるように、第1のTF
D素子220aを構成する第2金属膜226aと、第2
のTFD素子220bを構成する第2金属膜226b
と、画素電極234を構成する反射導電膜とが、互いに
同一金属により共通化されている。
【0057】ここで、本実施形態に係る方法が適用され
る素子基板200の製造プロセスについて説明すると、
図9(1)〜同図(4)に示されるプロセスについて
は、第1実施形態と同様であるが、この後、同図(5)
に示されるように、第1実施形態と同様なドライエッチ
ングによって、走査線212およびTFD素子220の
形成領域以外に位置する絶縁膜201が除去されるとと
もに、走査線212から枝分かれした酸化膜224のう
ちの破線部分229が、その基礎となっている第1金属
膜222とともに除去される。この際、ドライエッチン
グによって、絶縁膜201の除去によって露出した基板
200の表面に、変質層202が形成される点は第1実
施形態と同様である。
【0058】続いて、図10(6)に示されるプロセス
において、図4(8)と同様に、基板200がウェット
エッチングされ、画素電極234が形成されるべき領域
内において多数の凹部238がランダムに設けられ、次
に、図10(7)に示されるように、第2金属膜226
および画素電極234となる共通金属(例えば、アルミ
ニウムなど)が成膜された後に、同図(8)に示される
ように、共通金属がパターニングされて、第2金属膜2
26a、226bと、画素電極234とが形成される。
【0059】このような第2実施形態によれば、第2金
属膜226a、226bと、画素電極234とが共通の
金属により形成されるので、第1実施形態と比較して、
金属1層分の成膜およびパターニングプロセスを省略す
ることが可能となる。
【0060】<応用例>上述した第1および第2実施形
態にあっては、画素116のスイッチング素子としてダ
イオードを用いたが、本発明は、これに限られず、トラ
ンジスタを用いる場合にも適用可能である。図11およ
び図12は、それぞれ画素116のスイッチング素子と
してTFT(Thin Film Transistor)素子を用いた液晶
パネルの1画素分の構成を示す断面図である。
【0061】これらの図に示されるように、TFT素子
270は、基板200において形成されるとともに、そ
のゲート電極が走査線212に接続され、そのソース電
極がデータ線312に接続され、そのドレイン電極が画
素電極234に接続されている。なお、図11および図
12に示される例にあっては、いずれも第1および第2
実施形態と同様な凹部238が形成されており、このう
ち、図11に示される例にあっては、画素電極234が
基板200に直接形成された場合を示す一方、図12に
示される例にあっては、画素電極234が第1の層間絶
縁膜276および第2の層間絶縁膜278を介して形成
された場合を示している。
【0062】ここで、図11および図12に示される素
子基板200の製造プロセスについて簡単に説明する
と、まず、第1に、基板200上面全体に、ポリシリコ
ン層272がパターニングされた後、熱酸化処理等によ
って、その表面にゲート絶縁膜274が形成される。第
2に、このゲート絶縁膜274の上面にさらに不純物が
高濃度にドープされたポリシリコン層がパターニング形
成されて、これがTFT素子270のゲート電極および
走査線212を兼ねる。第3に、イオン打ち込み法によ
りこのゲート電極自身をマスクとして不純物がドーピン
グされ、これにより、自己整合されたソース領域および
ドレイン領域となる半導体領域が形成される。第4に、
TFT素子270や各種配線などが形成される領域がマ
スクされて、基板200の表面に変質層202が形成さ
れ、この後、レジスト層203が形成されて、基板20
0がウェットエッチングされる。これにより、画素電極
234の領域において、多数の凹部238がランダムに
形成されることとなる。第5に、第1の層間絶縁膜27
6が堆積された後、ソース電極を開口するコンタクトホ
ールが形成される。ここで、図11に示される例にあっ
ては、画素電極234の領域に位置する第1の層間絶縁
膜276についても除去される。第6に、アルミニウム
などの導電層が形成されて、これがTFT素子270の
ソース電極およびデータ線312を兼ねる。第7に、第
2の層間絶縁膜278が堆積された後、ドレイン電極を
開口するコンタクトホールが形成される。ここで、図1
1に示される例にあっては、画素電極234の領域に位
置する第2の層間絶縁膜278についても除去される。
そして、第8に、アルミニウムなどの導電層が成膜され
た後、パターニングされて、TFT素子270のドレイ
ン電極および画素電極234が形成される。これによ
り、図11および図12に示されるいずれの例にあって
も、凹部238上に形成された画素電極234は、良好
な反射特性を有することになる。
【0063】なお、本発明にあっては、ダイオードやト
ランジスタなどのスイッチング素子を有しないパッシブ
方式の液晶パネルについても適用可能である。この場合
には、変質層202が形成された基板200をウェット
エッチングして凹部238を設け、ここに電極を形成す
れば良い。
【0064】<電子機器>次に、上述した液晶パネルの
表示装置を各種の電子機器に適用する場合について説明
する。この場合、電子機器は、図13に示されるよう
に、主に、表示情報出力源1000、表示情報処理回路
1002、電源回路1004、液晶パネル100、駆動
回路120、および、タイミングジェネレータ1006
により構成される。このうち、表示情報出力源1000
は、ROM(Read Only Memory)や、RAM(Random A
ccess Memory)などのメモリ、各種ディスクなどのスト
レージユニット、ディジタル画像信号を同調出力する同
調回路などを備え、タイミングジェネレータ1006に
より生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フ
ォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回
路1002に供給するものである。次に、表示情報処理
回路1002は、シリアル−パラレル変換回路や、増幅
・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、ク
ランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情
報の処理を実行して、その画像信号をクロック信号CL
Kとともに駆動回路120に供給するものである。ここ
で、駆動回路120は、図1における走査線駆動回路1
22や、データ線駆動回路124、検査回路などを総称
したものである。また、電源回路1004は、各構成要
素に所定の電源を供給するものである。
【0065】次に、上述した液晶表示装置を具体的な電
子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
【0066】<その1:モバイル型コンピュータ>ま
ず、この反射型の液晶表示装置を、モバイル型のパーソ
ナルコンピュータに適用した例について説明する。図1
4は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図
である。図において、パーソナルコンピュータ1200
は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液
晶表示ユニット1206とから構成されている。この液
晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル10
0の前面にフロントライトを付加することにより構成さ
れている。これにより、外光が全くない場所でも、フロ
ントライトを点灯させることにより表示が視認できるよ
うになっている。
【0067】<その2:携帯電話>さらに、この反射型
の液晶表示装置を、携帯電話に適用した例について説明
する。図15は、この携帯電話の構成を示す斜視図であ
る。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタ
ン1302とともに、先に述べた液晶パネル100を備
えるものである。この液晶パネル100の前面にあって
も、必要に応じてフロントライトが設けられる。
【0068】なお、図14および図15を参照して説明
した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファイン
ダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビ
ゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプ
ロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端
末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そ
して、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまで
もない。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
板の表面においてエッチングにより形成される凹部分が
なだらかな傾斜を有するので、ここに光反射層を形成す
ると、良好な散乱特性を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る方法が適用され
る液晶パネルの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】 (a)は、同液晶パネル1画素分の構成を示
す平面図であり、(b)は、そのA−A’線の断面図で
ある。
【図3】 (1)〜(5)は、それぞれ同液晶パネルの
素子基板における製造プロセスを示す図である。
【図4】 (6)〜(10)は、それぞれ同液晶パネル
の素子基板における製造プロセスを示す図である。
【図5】 基板エッチングプロセスを説明するための部
分断面図である。
【図6】 同液晶パネルの構成を示す斜視図である。
【図7】 同液晶パネルの構成を示すB−B’線の断面
図である。
【図8】 (a)は、本発明の第2実施形態に係る方法
が適用される液晶表示パネルの1画素分の構成を示す平
面図であり、(b)は、そのC−C’線の断面図であ
る。
【図9】 (1)〜(5)は、それぞれ同液晶パネルの
素子基板における製造プロセスを示す図である。
【図10】 (6)〜(8)は、それぞれ同液晶パネル
の素子基板における製造プロセスを示す図である。
【図11】 本発明の応用形態に係る液晶パネルの1画
素分の構成を示す平面図である。
【図12】 本発明の別の応用形態に係る液晶パネルの
1画素分の構成を示す平面図である。
【図13】 同液晶パネルが適用される電子機器の概略
構成を示すブロック図である。
【図14】 同液晶パネルを適用した電子機器の一例た
るパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図15】 同液晶パネルを適用した電子機器の一例た
る携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
100……液晶パネル 200……(素子)基板 201……絶縁膜 202……変質層 203……レジスト層 212……走査線 220……TFD素子 222……第1金属膜 224……酸化膜 226……第2金属膜 234……画素電極 238……凹部 250……ICチップ 260……FPC基板 270……TFT素子 300……(対向)基板 312……データ線 350……ICチップ 360……FPC基板
フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA03 BA15 BA20 2H092 JA03 JB12 JB23 JB32 JB56 KA07 KB04 KB14 MA05 MA14 MA15 MA16 MA18 MA19 MA20 MA24 MA32 MA35 MA37 MA41 NA25 PA06 PA12 5G435 BB12 BB16 CC09 EE37 EE47 FF03 KK05 KK09 LL07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に、前記基板よりもエッチン
    グされ易い変質層を形成する第1のプロセスと、 前記変質層の表面に、所定の形状にパターニングしたレ
    ジスト層を形成する第2のプロセスと、 前記基板および変質層をエッチングする第3のプロセス
    と、 前記第3のプロセスによりエッチングされた基板の表面
    に、光反射層を形成する第4のプロセスとを備えること
    を特徴とする散乱面形成方法。
  2. 【請求項2】 前記変質層は、前記基板の表面をプラズ
    マ状態に置いて形成されることを特徴とする請求項1記
    載の散乱面形成方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ状態は、前記基板の表面に
    形成された層をドライエッチングする処理において発生
    するものであることを特徴とする請求項2記載の散乱面
    形成方法。
  4. 【請求項4】 前記レジスト層は、散乱面を形成すべき
    領域においてのみ開口部分を有することを特徴とする請
    求項1記載の散乱面形成方法。
  5. 【請求項5】 前記第3のプロセスにおけるエッチング
    は、ウェットエッチングであることを特徴とする請求項
    1記載の散乱面形成方法。
  6. 【請求項6】 一対の基板間に液晶が挟持されてなり、
    前記一対の基板のうち、一方の基板に画素電極が形成さ
    れた液晶表示装置の製造方法であって、 前記一方の基板の表面に、前記一方の基板よりもエッチ
    ングされ易い変質層を形成する第1のプロセスと、 前記変質層の表面に、所定の形状にパターニングしたレ
    ジスト層を形成する第2のプロセスと、 前記一方の基板および前記変質層をエッチングする第3
    のプロセスと、 前記第3のプロセスによりエッチングされた基板の表面
    に、光反射層からなる画素電極を形成する第4のプロセ
    スとを備えることを特徴とする液晶表示装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記画素電極にはスイッチング素子が接
    続されて、前記画素電極は、当該スイッチング素子を構
    成する、または、当該スイッチング素子に接続される少
    なくとも一つの導電層からなることを特徴とする請求項
    6記載の液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記スイッチング素子は、第1の導電層
    /絶縁体/第2の導電層の構造を有するダイオードであ
    り、前記第2の導電層を形成した後に、前記第1〜第4
    のプロセスを実行して、前記画素電極を前記第2の導電
    層に接続して形成することを特徴とする請求項6記載の
    液晶表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記スイッチング素子は、第1の導電層
    /絶縁体/第2の導電層の構造を有するダイオードであ
    り、前記画素電極を前記第2の導電層から形成すること
    を特徴とする請求項7記載の液晶表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記スイッチング素子はトランジスタ
    であり、前記画素電極を、前記トランジスタのドレイン
    電極に接続された導電層から形成することを特徴とする
    請求項7記載の液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項6乃至10いずれか記載の製造
    方法によって製造された液晶表示装置を有することを特
    徴とする電子機器。
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