JP2000227432A - 肺癌の予後検査方法 - Google Patents

肺癌の予後検査方法

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JP2000227432A
JP2000227432A JP11029933A JP2993399A JP2000227432A JP 2000227432 A JP2000227432 A JP 2000227432A JP 11029933 A JP11029933 A JP 11029933A JP 2993399 A JP2993399 A JP 2993399A JP 2000227432 A JP2000227432 A JP 2000227432A
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vpf
lung cancer
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serum
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JP11029933A
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Katsuhiko Matsuo
克彦 松尾
Isamu Matsubara
勇 松原
Riichiro Morita
理一郎 森田
Yukichi Okuda
諭吉 奥田
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臨床診断や治療法を決定するための肺癌患者
の予後を予測する方法を提供するものである。 【解決手段】 治療前の肺癌患者の血清中の血管内皮細
胞増殖因子/血管透過性因子(VEGF/VPF)濃度に基いて
肺癌の予後を検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、治療前の肺癌患者
の血清中の血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子( V
EGF/VPF:以下単にVPFという)濃度を測定すること
により、肺癌患者の予後を予測する方法に関するもので
あり、臨床診断や治療法を決定するための検査法として
利用されるもので、医療および検査技術に属するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に治療後の肺癌患者の
血清中のVPF濃度の測定により肺癌の再発あるいは転
移の予測ができることを明らかにした(特開平10−1
77023号公報)。また、酵素免疫測定法におけるV
PFの検出法についてもすでに本発明者らにより確立さ
れており、数pg/mlのVPFを検出できることを明らか
にしている(特開平8−313522号公報)。また、
先にも示したことであるが、肺癌において血清CEA値
が予後因子となることが示唆されているが、否定的な結
果も報告されており、広く利用されるまでには至ってい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、肺癌患
者の治療を行ううえで、治療前に治療後の患者の予後が
予測されれば、臨床診断や治療法の決定に非常に有益で
あるため、先の研究がそれらに応用できないか検討した
のである。すなわち、本発明は、治療前の肺癌患者の予
後の予測に関する方法を提供することを課題とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行い、現状における治療前の肺
癌患者の血清中VPF値と治療後の患者の1年生存率お
よび2年生存率との間に密接な関連があることを解明
し、治療前の肺癌患者の血清中のVPF濃度を測定する
ことにより、肺癌患者の1年生存率および2年生存率の
予測が可能であることを見出し、また、このVPF濃度
の測定においてVPFに対する抗体が有効であることを
見出し、本発明を完成したのである。すなわち、本発明
は、治療前の肺癌患者の血清中のVPF濃度に基くこと
を特徴とする肺癌の予後検査方法に関するものであり、
また、VPF濃度の測定がVPFと特異的に結合する化
合物を用いて行われることを特徴とする当該肺癌の予後
検査方法であり、さらにVPFと特異的に結合する物質
が抗体であることを特徴とする前記肺癌の予後検査方法
に関するものである。本発明によれば、現状の治療方法
による肺癌患者の1年生存率および2年生存率の予測が
可能である。
【0005】
【発明の実施の形態】VPFは、血管新生すなわち毛細
血管内皮細胞の増殖、移動および組織への浸潤と言う現
象は胎児の生長、創傷治癒、癌細胞の増殖などの生理的
または病理的現象において重要な役割を果たしているこ
とが知られているもので、マウス、ラット、モルモッ
ト、ウシ及びヒトの正常又は腫瘍細胞株で分泌されてお
り、また組織別では脳、下垂体、腎臓、卵巣に存在する
ことが明らかにされているものである[Ferrara,N.、et.
al. Endocrine Reviews 13:18(1992)]。またVPF
は乳癌の血管新生と転移[Weider、N.et.al. N.Engl.
J.Med. 324:1(1991)]や腎細胞癌の血管新生[医学の
あゆみ、168:231(1994)]、あるいは網膜疾患における
血管新生[Adamis.A.P.et.al.、Biochem.Biophys.Res.C
omm.、193:631(1993)]に関与していることが報告され
ているものである。ヒトVPF遺伝子についてはそのc
DNAがすでに単離されて塩基配列が決定され、アミノ
酸配列も推定されている。この遺伝子からアミノ酸残基
数の異なる4種類の蛋白(アミノ酸残基数が121個、
165個、189個、206個の4種類)が作られ、そ
れらの中で121個のアミノ酸残基数のもの(VPF12
1)と165個のアミノ酸残基数のもの(VPF165)が
成熟蛋白であると言われている[Ferrara N.,et.al.、
Endocrine Reviews 13:18(1992)]。VPF121はVP
F165のカルボキシル末端の44個のアミノ酸が欠損し
たものであり、VPF121とVPF165の間に、血管内皮
細胞に対する作用の違いがあるかどうかについては不明
なものである。
【0006】本発明は、治療前の肺癌患者の血清中のV
PF濃度を測定することを特徴とするものであり、肺癌
患者において確定診断後、当該肺癌患者における1年生
存率および2年生存率と血清中VPF濃度との密接な関
係、即ち、肺癌患者において、肺癌と診断され1年以内
あるいは2年以内に死亡した患者の血清中VEGF濃度
は、1年以上あるいは2年以上生存した肺癌患者の血清
中VEGF濃度に比べ、有意に高値であると言う関係に
基づいて、血清中VPF濃度を測定することにより、肺
癌患者が1年間以上あるいは2年以上生存でき得るか否
かを予測することを可能とするものであり、血清中のV
PF濃度の測定方法としては特に制限はないが、例え
ば、VEGFと特異的に結合する物質を用いる方法が挙
げられる。このような物質としては、例えば、VPFに
結合する抗体や受容体などが挙げられる。VPFに対す
る抗体としては、モノクローナル抗体の他、ポリクロー
ナル抗体を用いることも可能である。またヒト化などの
特殊抗体を用いることも可能である。それら抗体は適宜
標識して用い得る。標識としては、例えば、赤血球、ラ
テックス、放射性同位元素、酵素、発光物質、蛍光物
質、金属分子、金属ゲル、バクテリオファージなどを用
いることが可能である。一方、抗体に代えて、VEGF
に対する公知の受容体を用いることも可能である(Shibu
ya. M. et al, Oncogene, 5:519(1990)、Jaime.C.et a
l, Science, 255 :989(1992)参照)
【0007】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。 (1)抗VPFポリクローナル抗体の作製 単離したヒトVPFcDNAをグルタチオンS-トランス
フェラーゼ(GST)との融合蛋白(GST−VPF)
として大腸菌で産生させ、得られた蛋白を抗原として常
法に従ってウサギ抗VPFポリクローナル抗体を作製し
た。抗体価の上昇したウサギの血清を分離し、陰イオン
交換カラムクロマトグラフィーによりウサギ抗VPFポ
リクローナル抗体のIgG画分を得た。
【0008】(2)抗VPFポリクローナル抗体の酵素
標識 IgG画分の一部をペプシンで消化してF(ab’)2を調
製後、ヒンジ法によりペルオキシダーゼ(西洋わさび)
と結合させ、ペルオキシダーゼ標識したウサギ抗VPF
ポリクローナル抗体を得た。
【0009】(3)肺癌患者血清中VPF濃度の測定 肺癌患者血清中VPF濃度を以下に示すように、酵素免
疫測定法により測定した。抗VPFポリクローナル抗体
(5μg/ml)を100μl/wellずつ96穴プレート
にまき4℃で一晩放置した後、0.1%ウシ血清アルブ
ミン(BSA)、PBSで4回洗浄した。1%BSA、
0.1M塩化ナトリウム、0.1%アジ化ナトリウム、
0.1M炭酸ナトリウム緩衝液pH6.5でブロッキング
(37℃で4時間)した後、1%BSA、0.4%ゲラ
チン、1mM塩化マグネシウム、20mMエチレンジアミ
ン四酢酸ナトリウム、0.1M塩化ナトリウム、0.1%
アジ化ナトリウムを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝
液pH7.0(検体希釈液)で3希釈した血清あるいは同
検体希釈液に溶解した標準VPFを入れ室温で1時間放
置した。0.1%BSA、PBSで6回洗浄後、ペルオ
キシダーゼ標識抗VEGFポリクローナル抗体を100
μl/wellずつ入れ室温で1時間反応させた。再度、0.
1%BSA、PBSで8回洗浄後、0.125%(w/
v)オルトフェニレンジアミン、0.015%過酸化水
素、0.2Mトリス(ヒドロキシメチル(アミノメタ
ン)-クエン酸緩衝液(pH5.2)を100μl/wellず
つ入れ、室温で30分間反応させた。2N硫酸を100
μl/wellずつ入れ、反応を停止させた後、650nmの吸
光度に対する490nmの吸光度をプレートリーダー(M-
Vmax, Molecular Devices社製)で測定した。
【0010】(4)肺癌患者血清中VPF測定結果 治療開始後1年未満に死亡した肺癌患者23例および治
療開始後1年以上生存した肺癌患者48例、合計71例
の肺癌患者の治療前血清中VPF濃度を上記方法にて測
定した。その結果を表1に示した。χ(カイ)二乗検定
の結果、治療前血清中VPF濃度200pg/mlを境界値
とした場合、1年未満に死亡した肺癌患者群と1年以上
生存した肺癌患者群との間において、有意差(p<0.
001)を認めた。これは、治療前血清中VPF濃度が
200pg/ml以上を示す肺癌患者は、1年未満に死亡す
る可能性が有意に高いことを示しており、治療前血清中
VPF濃度を測定することにより、患者の予後が推測可
能であることを示している。
【0011】
【表1】
【0012】(5)肺癌患者血清中VPF測定結果 治療開始後2年未満に死亡した肺癌患者29例および治
療開始後2年以上生存した肺癌患者12例、合計41例
の肺癌患者の治療前血清中VPF濃度を上記方法にて測
定した。その結果を表2に示した。χ(カイ)二乗検定
の結果、治療前血清中VPF濃度200pg/mlを境界値
とした場合、2年未満に死亡した肺癌患者群と2年以上
生存した肺癌患者群との間において、有意差(p=0.
0002)を認めた。これは、治療前血清中VPF濃度
が200pg/ml以上を示す肺癌患者は、2年未満に死亡
する可能性が有意に高いことを示しており、治療前血清
中VPF濃度を測定することにより、患者の予後が推測
可能であることを示している。
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、血清中のVPF量を測
定することにより、肺癌患者の予後を予測することが可
能であり、本発明は臨床診断や治療法を決定するための
検査法として有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA01 AA26 BB01 BB14 BB41 BB46 BB51 CA26 DA78 FA29 FB01 FB03 FB06 FB07 GC10 JA01 JA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治療前の肺癌患者の血清中の血管内皮細
    胞増殖因子/血管透過性因子(VEGF/VPF)濃度に基くこ
    とを特徴とする肺癌の予後検査方法。
  2. 【請求項2】 血清中の血管内皮細胞増殖因子/血管透
    過性因子(VEGF/VPF)濃度の測定が血管内皮細胞増殖因
    子/血管透過性因子(VEGF/VPF)と特異的に結合する化
    合物を用いて行われることを特徴とする請求項1記載の
    肺癌の予後検査方法。
  3. 【請求項3】 血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子
    (VEGF/VPF)と特異的に結合する物質が抗体であること
    を特徴とする請求項2記載の肺癌の予後検査方法。
JP11029933A 1999-02-08 1999-02-08 肺癌の予後検査方法 Pending JP2000227432A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107589266A (zh) * 2017-08-09 2018-01-16 上海原科实业发展有限公司 一种血管内皮生长因子胶乳增强免疫比浊试剂盒及其应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107589266A (zh) * 2017-08-09 2018-01-16 上海原科实业发展有限公司 一种血管内皮生长因子胶乳增强免疫比浊试剂盒及其应用

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