JP2000226738A - 複合繊維及びこの複合繊維を用いた繊維シート - Google Patents

複合繊維及びこの複合繊維を用いた繊維シート

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JP2000226738A
JP2000226738A JP2820099A JP2820099A JP2000226738A JP 2000226738 A JP2000226738 A JP 2000226738A JP 2820099 A JP2820099 A JP 2820099A JP 2820099 A JP2820099 A JP 2820099A JP 2000226738 A JP2000226738 A JP 2000226738A
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fiber
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amorphous
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JP2820099A
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Toyofumi Dohata
豊文 道畑
Naohiko Shimono
直彦 下野
Tetsuo Kimura
哲夫 木村
Kyoichi Kohama
京一 小浜
Kazunari Nakagawa
和成 中川
Susumu Ishizaki
進 石崎
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NISSHIN KIGYO KK
Maxell Holdings Ltd
Japan Vilene Co Ltd
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NISSHIN KIGYO KK
Japan Vilene Co Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム状や塊状になることなく、繊維同士
が交差する点でのみ接着することができ、しかも加熱ロ
ールやコンベアに付着することのない、製造上好適な複
合繊維を提供すること、及びこの複合繊維を使用した通
気性、通液性或いは樹脂含浸性に優れる繊維シートを提
供すること。 【解決手段】 本発明の複合繊維は、結晶性樹脂と、ジ
オール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール
を含む非晶性共重合ポリエステルとを含む複合繊維であ
り、前記非晶性共重合ポリエステルが繊維表面の少なく
とも一部を占めているものである。また、本発明の繊維
シートは上記の複合繊維が含まれているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は複合繊維及びこの
複合繊維を用いた繊維シートに関する。
【0002】
【従来の技術】 繊維シート、例えば不織布は繊維が個
々に分散した状態で接着されていたり、互いに絡合され
た構造を有し、繊維間に多くの空隙が存在しているた
め、例えば、通気性材料、通液性材料、或いは樹脂含浸
材料として好ましいものである。そのため、液体や気体
の濾過材、電池用セパレーター、FRP(繊維強化プラ
スチック)用オーバーレイ材、ティーバック、粉末状の
乾燥剤や脱臭剤などの袋として使用することができる。
【0003】不織布をこのような各種用途に使用する場合、
不織布にある程度の強度が必要であるため、不織布を構
成する繊維同士を固定する必要がある。この固定手段の
1つとして、熱により接着性を有する繊維(以下、「熱
接着性繊維」という)を接着する方法がある。この熱接
着性繊維としては、高融点樹脂成分(芯成分)をこの高
融点樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分、
又は非晶性樹脂成分(鞘成分)で被覆した、いわゆる芯
鞘繊維が一般的である。この低融点樹脂成分としては、
ポリエチレンやポリポロピレンが、また非晶性樹脂成分
としては、酸成分としてイソフタレートを含む共重合ポ
リエステルが広く使用されている。しかしながら、これ
らの熱接着性繊維は、熱により接着する際に、溶融や軟
化により流動し易く、加熱と同時に加圧するとフィルム
状になり、不織布の通気性、通液性、或いは樹脂含浸性
を低下させてしまう。そのため、熱風により接着するこ
とも考えられたが、この場合であっても繊維同士の交点
で塊状になってしまい、上記同様の問題を有するもので
あった。更には、加熱により流動した樹脂が加熱ロール
やコンベアに付着してしまうため、しばしば不織布の生
産を停止して掃除する必要があり、製造上も問題のある
ものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 本発明はこれらの問
題点を解決するためになされたものであり、フィルム状
や塊状になることなく、繊維同士が交差する点でのみ接
着することができ、しかも加熱ロールやコンベアに付着
することのない、製造上好適な複合繊維を提供すること
を目的とする。また、この複合繊維を使用した通気性、
通液性、或いは樹脂含浸性に優れる繊維シートを提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明の複合繊維は、
結晶性樹脂と、ジオール成分として1,4−シクロヘキ
サンジメタノールを含む非晶性共重合ポリエステルとを
含む複合繊維であり、前記非晶性共重合ポリエステルが
繊維表面の少なくとも一部を占めているものである。こ
のように、本発明の複合繊維は非晶性共重合ポリエステ
ルが繊維表面の少なくとも一部を占めており、この非晶
性共重合ポリエステルは接着時に軟化しても流動性を生
じないため、接着時にフィルム化したり、塊状になるこ
とはない。また、この非晶性共重合ポリエステルは粘着
性がないため、加熱ロールやコンベアに付着することの
ない、製造上好適なものである。
【0006】本発明の繊維シートは上記の複合繊維が含まれ
ているものであるため、通気性、通液性、或いは樹脂含
浸性に優れるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】 本発明の複合繊維は1,4−シ
クロヘキサンジメタノールを含む非晶性共重合ポリエス
テルを繊維表面に含んでいるため、接着時に流動性を生
じず、フィルム化したり、塊状になることがない。ま
た、粘着性が低く、加熱ロールやコンベアに付着するこ
とのない製造上も好適なものである。更に、(1)接着
温度が広く、接着工程の制御が容易である、(2)繊維
同士の交点のみで接着できるため柔軟性に優れている、
などの効果を奏するものである。
【0008】本発明において「非晶性」とは、JIS K
7121-1987に規定される熱流束示差走差熱量測定
(DSC、昇温温度10℃/分)により得られるDSC
曲線中に、ガラス転移温度以外のピークを実質的に示さ
ないことを意味する。なお、本発明において「ガラス転
移温度」は、JIS K 7121-1987に規定される
ガラス転移温度の求め方により得られる値をいう。
【0009】本発明の非晶性共重合ポリエステルは、テレフ
タル酸、イソフタル酸或いは1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種類のジカル
ボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールと
エチレングリコール及び/又はジエチレングリコールの
少なくとも2種類以上からなるジオール成分から構成さ
れている。
【0010】好ましい非晶性共重合ポリエステルは、ガラス
転移温度が50℃〜90℃の範囲内にある、実質的にテ
レフタル酸からの反復単位からなるジカルボン酸成分
と、実質的にエチレングリコール60〜80モル%(ジ
オール成分全体に対して)と1,4−シクロヘキサンジ
メタノール20〜40モル%(ジオール成分全体に対し
て)からの反復単位からなるジオール成分とを含んでい
る。このように、非晶性共重合ポリエステルのガラス転
移温度が50℃以上であれば、熱接着時に流動すること
もなく、また90℃以下であれば、接着強度に優れてい
る。
【0011】この非晶性共重合ポリエステルは米国特許第
2,901,466号に記載されているような方法によ
って製造することができるし、市販(例えば、イースト
マン・ケミカル・プロダクツ社製、Eastar PE
TG コポリエステル6763)されているため容易に
入手することができる。
【0012】本発明の複合繊維には上述のような非晶性共重
合ポリエステル以外に結晶性樹脂が含まれているため、
接着の際に収縮することなく、しかも非晶性共重合ポリ
エステルのみからなる繊維にはない優れた強度を有する
ものである。
【0013】本発明における「結晶性」とは、JIS K
7121-1987に規定される熱流束示差走差熱量測定
(DSC、昇温温度10℃/分)により得られるDSC
曲線中に、ガラス転移温度以外のピークを有することを
意味する。
【0014】この結晶性樹脂は上述のような働きのために、
非晶性共重合ポリエステルのガラス転移温度よりも10
℃以上高い(好ましくは20℃以上高い、より好ましく
は30℃以上高い)融点を有し、溶融紡糸できるもので
あるのが好ましい。より具体的には、ポリエチレン(例
えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、共重合ポ
リエチレンなど)、ポリプロピレン(例えば、ポリプロ
ピレン、共重合ポリプロピレンなど)、ポリアミド(例
えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン系共重合体
など)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート系共重合体、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
系共重合体、ポリグリコール酸、グリコール酸系共重合
体、ポリ乳酸、乳酸系共重合体など)など1種類以上使
用することができる。
【0015】本発明の複合繊維の結晶性樹脂と非晶性共重合
ポリエステルとの体積比率は、10:90〜90:10
であるのが好ましい。結晶性樹脂の比率が10体積%未
満であると、複合繊維の接着時に収縮しやすく、また強
度的にも劣る場合があり、他方、結晶性樹脂の比率が9
0体積%を越えると、非晶性共重合ポリエステルの比率
が低くなり過ぎて、接着強度が低く、十分な接着力を得
られない場合があるためで、より好ましい体積比率は3
0:70〜70:30である。
【0016】本発明の複合繊維は非晶性共重合ポリエステル
により接着できるように、非晶性共重合ポリエステルが
繊維表面の少なくとも一部を占めている必要がある。好
ましくは非晶性共重合ポリエステルが繊維表面の50%
以上を占めており、より好ましくは70%以上を占めて
おり、最も好ましくは繊維表面の全部(100%)を占
めている。
【0017】このように非晶性共重合ポリエステルが繊維表
面の少なくとも一部を占めている態様としては、例え
ば、繊維断面が貼り合わせ状、芯鞘状(偏芯状を含
む)、多重バイメタル状、オレンジ状、海島状であるこ
とができる。これらの中でも、非晶性共重合ポリエステ
ルが繊維表面の全部を占めることのできる、芯鞘状(偏
芯状を含む)又は海島状であるのが好ましい。なお、本
発明の複合繊維の断面形状は円形である必要はなく、非
円形(例えば、楕円状、長円状、T状、Y状、+状、多
角形状など)であっても良い。また、芯鞘状(偏芯状を
含む)又は海島状の複合繊維の芯成分又は島成分の断面
形状も円形である必要はなく、非円形(例えば、楕円
状、長円状、T状、Y状、+状、多角形状など)であっ
ても良い。更に、繊維の長さ方向に連続又は不連続の中
空部分(樹脂が存在していない部分)を有する複合繊維
であっても良い。
【0018】なお、本発明の複合繊維を構成する結晶性樹脂
及び/又は非晶性共重合ポリエステル中に、吸湿剤、艶
消し剤、顔料、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、着色剤、
染色剤、導電剤、親水化剤、脱臭剤、或いは抗菌剤など
の機能性物質を混合し、各種機能を付加することもでき
る。
【0019】また、本発明の複合繊維の繊度は特に限定する
ものではないが、0.5〜100デニール程度が適当で
ある。また、複合繊維の繊維長は特に限定するものでは
ないが、乾式不織布用途に使用する場合には、25〜1
60mm程度が適当であり、湿式不織布用途に使用する
場合には、0.5〜25mm程度が適当である。
【0020】このような本発明の複合繊維は、常法の複合紡
糸装置を利用することにより容易に紡糸することができ
る。例えば、ポリエチレンテレフタレートを芯成分と
し、テレフタル酸からの反復単位からなるジカルボン酸
成分とエチレングリコール60〜80モル%(ジオール
成分全体に対して)と1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール20〜40モル%(ジオール成分全体に対して)か
らの反復単位からなるジオール成分とを含む非晶性共重
合ポリエステルを鞘成分とする複合繊維を紡糸する場
合、溶融紡糸温度を270〜350℃、好ましくは28
0〜320℃に設定することにより容易に紡糸できる。
【0021】このように複合紡糸された未延伸糸は非晶性共
重合ポリエステルのガラス転移温度以上、結晶性樹脂の
融点以下の温度で2〜10倍延伸して、繊度0.5〜1
00デニール程度の複合繊維を製造することができる。
なお、この複合繊維を乾式不織布の原料として、又は紡
績糸として使用する場合には、機械的に又は熱的に5〜
50個/インチ程度の巻縮を付与するのが好ましい。
【0022】本発明の繊維シートには上述の複合繊維を含ま
れているため、通気性、通液性、或いは含浸性に優れる
ものである。また、本発明の複合繊維は非晶性共重合ポ
リエステルによって接着できるものであるが、この接着
は同種の非晶性共重合ポリエステル同士でなければその
接着力は小さいため、本発明の繊維シートにおいては、
上述のような複合繊維が50mass%以上含まれてい
るのが好ましく、60mass%以上含まれているのが
より好ましく、70mass%含まれているのが最も好
ましい。
【0023】本発明の複合繊維以外の繊維としては、用途に
よって適宜、通常の繊維を使用することができる。例え
ば、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、絹、羊毛、
綿、麻などの天然繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、
アセテート繊維などの半合成繊維、ポリアミド繊維、ポ
リビニルアルコール繊維、アクリル繊維、ポリエステル
繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン繊
維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピ
レン繊維、ポリメチルペンテン繊維、芳香族ポリアミド
繊維、又は2種類以上の樹脂成分からなり、巻縮発現
性、熱接着性、或いは分割性を有する複合繊維などの合
成繊維を使用できる。前述のように、本発明の複合繊維
は同種の非晶性共重合ポリエステル同士でなければその
接着力は小さいため、繊維シートの強度をより必要とす
る場合には、本発明の複合繊維を構成する結晶性樹脂の
融点よりも低い融点を有する接着成分を含む熱接着性繊
維を含ませても良い。
【0024】本発明の繊維シートは常法により製造すること
ができる。例えば、上述のような複合繊維を使用した不
織布は、次のようにして製造することができる。まず、
上述のような複合繊維を含む繊維ウエブを形成する。こ
の繊維ウエブの形成方法としては、例えば、カード法、
エアレイ法、スパンボンド法、メルトブロー法などの乾
式法や、湿式法などがある。なお、繊維ウエブの形成方
法によって繊維長が異なり、前者の乾式法により形成す
る場合(スパンボンド法、メルトブロー法を除く)に
は、25〜160mm長程度の繊維を使用し、後者の湿
式法により形成する場合には、0.5〜25mm長程度
の繊維を使用する。また、これら繊維ウエブを形成した
後、製法の異なる繊維ウエブを積層するなど、種類の異
なる繊維ウエブを積層しても良い。
【0025】次いで、この繊維ウエブを構成する繊維同士を
結合して不織布を得ることができる。例えば、繊維ウエ
ブを構成する複合繊維の非晶性共重合ポリエステルを熱
接着させて、不織布を製造することができる。この複合
繊維の非晶性共重合ポリエステルの接着は、加熱加圧下
で実施することもできるし、無圧下で熱風などにより実
施することもできるし、無圧下で加熱した後に加圧して
実施することもできる。なお、加熱温度は非晶性共重合
ポリエステルのガラス転移温度以上(より好ましくは、
非晶性共重合ポリエステルのガラス転移温度よりも10
℃以上高い温度)、かつ結晶性樹脂の融点以下(より好
ましくは結晶性樹脂の融点よりも10℃以上低い)の温
度であるのが好ましい。また、加圧する場合の線圧力
は、加熱加圧する場合であっても、加熱後に加圧する場
合であっても、5〜200N/cm程度であるのが好ま
しい。
【0026】なお、不織布の結合は複合繊維の非晶性共重合
ポリエステルの接着以外に、ニードルや流体流(例え
ば、水流)による絡合、熱接着性繊維(例えば、ポリエ
チレンを少なくとも繊維表面に含む繊維)による接着、
エマルジョン、ラテックス或いは溶液状のバインダーに
よる接着などにより実施することもできる。また、これ
らの結合手段を併用することもできる。なお、ニードル
や流体流(例えば、水流)による絡合を併用する場合に
は、複合繊維の非晶性共重合ポリエステルの接着の前に
絡合するのが好ましい。
【0027】本発明の繊維シートには、上述の複合繊維が含
まれているため、通気性、通液性或いは含浸性に優れて
いる。また、本発明の繊維シートを2枚重ねて、或いは
繊維シート間に粉体などの固体を挟んだ後に、加熱(必
要であれば加圧)することにより、繊維シートの本来有
する通気性、通液性、或いは樹脂含浸性を維持したま
ま、一体化することができる。そのため、本発明の繊維
シートは通気性、通液性、或いは樹脂含浸性を必要とす
る用途に好適に使用することができ、例えば、液体や気
体の濾過材、電池用セパレーター、FRP(繊維強化プ
ラスチック)用オーバーレイ材、ティーバック、粉末状
の乾燥剤や脱臭剤などの袋などとして好適に使用できる
ものである。
【0028】以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。なお、引張
強度は幅50mmの不織布を引張り強さ試験機(オリエ
ンテック製、テンシロンUTM−III−100)に固定
(チャック間の距離:100mm)し、引張り速度30
0mm/分で測定した値をいう。
【0029】
【実施例】実施例1 芯鞘繊維を生産するための公知の複合紡糸装置を使用
し、鞘成分として、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルを約31モル%(ジオール成分全体に対して)含むポ
リエチレンテレフタレート非晶性共重合ポリエステル
(ガラス転移温度:81℃、イーストマン・ケミカル・
プロダクツ社製、Eastar PETGコポリエステ
ル6763)を、他方、芯成分として、ポリエチレンテ
レフタレート(融点:256℃)を温度290℃でノズ
ルから押し出し(鞘成分と芯成分との複合体積比50:
50)、繊度5.5デニールの巻き取り糸を得た。次い
で、この巻き取り糸を85℃の熱水中で3倍延伸し、巻
縮数21個/インチで巻縮を与えた後、温度70℃で熱
処理して芯鞘型複合繊維を製造した。次いで、この芯鞘
型複合繊維を裁断して、繊度2デニール、長さ51mm
の芯鞘型複合短繊維を製造した。この芯鞘型複合短繊維
は繊維表面を100%鞘成分が占め、芯成分と鞘成分と
が同芯円状に配置した、断面円形のものであった。ま
た、芯成分の断面形状も円形であった。
【0030】次いで、この芯鞘型複合短繊維を100mas
s%使用し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成
した。次いで、この繊維ウエブを温度140℃、圧力4
0N/cm2に設定された熱処理機により熱処理をし
て、芯鞘型複合短繊維の鞘成分同士を接着させて、面密
度40g/m2、厚さ0.15mmの接着不織布を製造
した。この接着不織布の引張強度は55N/50mm幅で、
実用に充分耐えるものであった。また、この接着不織布
の表面を電子顕微鏡により観察したが、芯鞘型複合短繊
維はフィルム化も、塊状にもなることなく接着している
のが観察された。なお、接着不織布を製造する際の熱処
理によって繊維ウエブがほとんど収縮することがなく、
また、熱処理機のロールは汚れることがなかったため、
メンテナンス性に非常に優れていた。
【0031】実施例2 芯成分として、ポリプロピレン(融点:165℃)を使
用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、繊度6
デニールの巻き取り糸を得た。次いで、この巻き取り糸
を85℃の熱水中で2.8倍延伸し、巻縮数20個/イ
ンチで巻縮を与えた後、温度70℃で熱処理して芯鞘型
複合繊維を製造した。次いで、この芯鞘型複合繊維を裁
断して、繊度2.2デニール、長さ51mmの芯鞘型複
合短繊維を製造した。この芯鞘型複合短繊維は繊維表面
を100%鞘成分が占め、芯成分と鞘成分とが同芯円状
に配置した、断面円形のものであった。また、芯成分の
断面形状も円形であった。
【0032】次いで、この芯鞘型複合短繊維を100mas
s%使用し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成
した。次いで、この繊維ウエブを温度140℃に設定さ
れた熱処理機(無圧下)により熱処理をして、芯鞘型複
合短繊維の鞘成分同士を接着させて、面密度20g/m
2、厚さ0.30mmの接着不織布を製造した。この接
着不織布の引張強度は12N/50mm幅で、実用に充分耐
えるものであった。また、この接着不織布の表面を電子
顕微鏡により観察したが、芯鞘型複合短繊維はフィルム
化も、塊状にもなることなく接着しているのが観察され
た。なお、接着不織布を製造する際の熱処理によって繊
維ウエブがほとんど収縮することがなく、また、熱処理
機のコンベアは汚れることがなかったため、メンテナン
ス性に非常に優れていた。
【0033】実施例3 実施例1と同様に作成した芯鞘型複合短繊維を100m
ass%使用し、カード機により開繊して繊維ウエブを
形成した。次いで、この繊維ウエブを温度160℃に設
定された熱処理機(無圧下)で熱処理をして、芯鞘型複
合短繊維の鞘成分同士を接着させて、面密度20g/m
2、厚さ0.17mmの接着不織布を製造した。この接
着不織布の引張強度は32N/5cmであった。
【0034】また、この接着不織布2枚を重ねた後、温度1
50℃、圧力40N/cm2に設定された熱処理機によ
り熱処理を実施して、接着不織布同士を貼り合わせて一
体化した(一体化後の厚さ:0.08mm)。この一体
化不織布の一端を手に持って各々の不織布に分離するよ
うに引っ張ったが、不織布が破壊され、接着強度は充分
であった。また、一体化不織布の通気度は103cc/
cm2/秒(フラジール型通気度試験機を使用し、水頭
差1/2インチでの値)であり、良好な値を示した。ま
た、一体化不織布の表面を電子顕微鏡により観察した
が、芯鞘型複合短繊維はフィルム化も、塊状にもなるこ
となく接着しているのが観察された。
【0035】
【発明の効果】 本発明の複合繊維は、非晶性共重合ポ
リエステルが繊維表面の少なくとも一部を占めており、
この非晶性共重合ポリエステルは接着時に軟化しても流
動性を生じないため、接着時にフィルム化したり、塊状
になることはない。また、この非晶性共重合ポリエステ
ルは粘着性がないため、加熱ロールやコンベアに付着す
ることのない、製造上好適なものである。更に、(1)
接着温度が広く、接着工程の制御が容易である、(2)
繊維同士の交点のみで接着できるため柔軟性に優れてい
る、などの効果を奏するものである。
【0036】本発明の繊維シートは上記の複合繊維が含まれ
ているため、通気性、通液性或いは含浸性に優れたもの
である。また、本発明の繊維シートを2枚重ねて接着一
体化しても、本来繊維シートの有する通気性、通液性、
或いは含浸性を損なうことなく一体化できるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道畑 豊文 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 下野 直彦 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 木村 哲夫 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 小浜 京一 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 中川 和成 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 石崎 進 東京都千代田区神田鍛冶町3−3 日新企 業株式会社内 Fターム(参考) 4L041 AA07 AA20 BA02 BA05 BA21 BA49 BA59 BC04 BD03 BD06 BD11 BD20 CA06 CA10 CA38 DD01 DD05 DD14 DD15 4L047 AA21 AA27 AA28 AB02 AB10 BA09 BB09 CB07 CB08 CC08 CC12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性樹脂と、ジオール成分として1,
    4−シクロヘキサンジメタノールを含む非晶性共重合ポ
    リエステルとを含む複合繊維であり、前記非晶性共重合
    ポリエステルが繊維表面の少なくとも一部を占めている
    ことを特徴とする複合繊維。
  2. 【請求項2】 非晶性共重合ポリエステルが繊維表面の
    全部を占めていることを特徴とする、請求項1記載の複
    合繊維。
  3. 【請求項3】 非晶性共重合ポリエステルが温度50℃
    〜90℃の範囲内のガラス転移温度を有することを特徴
    とする、請求項1又は請求項2記載の複合繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    複合繊維が含まれていることを特徴とする繊維シート。
JP2820099A 1999-02-05 1999-02-05 複合繊維及びこの複合繊維を用いた繊維シート Pending JP2000226738A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005097771A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Toyobo Co Ltd 収縮異方性不織布及びその利用
JP2005097770A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Toyobo Co Ltd 接着可能な不織布およびその製造方法
JP2005097772A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Toyobo Co Ltd 高収縮性不織布およびその利用
US7498281B2 (en) 2002-07-01 2009-03-03 Asahi Kasei Fibers Corporation Nonwoven fabric and tea bag
JP2010537068A (ja) * 2007-08-17 2010-12-02 ファイバーウェブ,インコーポレイテッド 単一のポリマー系から製造される区域接合された不織布

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