JP3692227B2 - 分割性繊維及びこの分割性繊維を使用した繊維シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は分割性繊維及びこの分割性繊維を使用した繊維シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばアルカリ電池用セパレータとして使用する不織布においては、電極間の短絡が生じないように、緻密な不織布であることが必要とされる。そのため、水流などの外力によって極細繊維に分割可能な分割性繊維を使用し、この分割性繊維を含む繊維ウエブに対して外力を作用させ、極細繊維を発生させることにより緻密な不織布を製造していた。
【0003】
この分割性繊維としては、例えば図6に繊維断面図を示すように、ポリプロピレン3と高密度ポリエチレン4とが互いに隣接して配置されたオレンジ状の断面形状を有するものが使用されていた。この分割性繊維はいずれもオレフィン系樹脂からなるため、アルカリ電池用セパレータのように耐アルカリ性を必要とする用途に好適に使用することができる。しかしながら、この分割性繊維はオレフィン系樹脂のみからなるために、ポリプロピレン3と高密度ポリエチレン4との相溶性が高く、水流などの外力を作用させても分割性繊維が分割する前に移動してしまい、容易に分割できない、という問題があった。このような問題は繊維長が短く、より自由度の高い分割性繊維を使用する、湿式法により形成した繊維ウエブに対して水流などの外力を作用させる場合に顕著であった。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、この分割性繊維とは別に熱融着性繊維を混合しておき、この熱融着性繊維の融着により分割性繊維を固定し、分割性繊維の自由度を低くした状態で、水流などの外力を作用させて分割する、という方法が採られていた。しかしながら、この方法によっても分割性繊維が十分に固定されている訳ではないため、分割が不十分となる傾向があった。
【0005】
また上述のように、融着性繊維を融着して分割性繊維を固定した後に、外力により分割性繊維を分割して製造した不織布は、繊維径の小さい極細繊維を含んでいるために、引張り強さや剛性が不足する場合があった。そのため、不織布を製造した後に、再度融着性繊維の融着、及び高密度ポリエチレン4からなる極細繊維を融着することが行われている。しかしながら、高密度ポリエチレン4からなる極細繊維を融着すると、高密度ポリエチレン4からなる極細繊維は繊維形状をとどめることができずにフィルム化してしまうため、緻密な不織布を製造しようとしているのにもかかわらず、不織布構造が粗くなってしまう、という問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものであり、分割性に優れ、しかも発生した極細繊維を融着してもフィルム化しない分割性繊維、及びこの分割性繊維を使用した繊維シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の分割性繊維は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる一種類以上とエチレンとからなるエチレンコポリマーと、このエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーとが混在する第1成分と、このエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーからなる第2成分とを含み、この第1成分と第2成分とが隣接して合計4個以上の成分が配置しており、しかも第1成分と第2成分のいずれもが表面に露出しており、外力の作用によって第1成分と第2成分との境界で剥離して極細繊維を発生可能である。
【0008】
このように、本発明の分割性繊維はエチレンコポリマーを含んでおり、このエチレンコポリマーは融点が低く、このエチレンコポリマーを融着させることによって分割性繊維の自由度をなくすことができるため、外力によって容易に分割できる。また、このエチレンコポリマーとエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーとが混在しているため、分割性がより優れているばかりでなく、エチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーが、分割されて発生する極細繊維の芯となり、発生した極細繊維を構成するエチレンコポリマーを融着させても繊維形状を維持することができ、フィルム化することがない。
【0009】
本発明の繊維シートは上記分割性繊維のエチレンコポリマーが融着した状態で含んでいるため、引張り強さや剛性の優れるものである。また、本発明の別の繊維シートは上記分割性繊維が分割した状態、つまり極細繊維を含む状態であるため、緻密な構造を有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明におけるエチレンコポリマーは、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる一種類以上とエチレンとからなるものであり、分割性繊維を分割する前の段階で分割しやすいように融着する融着成分としての働き、分割性繊維を分割して発生した極細繊維を融着して引張り強さや剛性を付与する融着成分としての働き、或いは親水性を付与する働きなどをする。
【0011】
このエチレンとの共重合成分としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エステル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステル、或いは無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物を使用できる。これらの中でもアクリル酸やメタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。
【0012】
本発明におけるエチレンコポリマーは上記のような共重合成分を一種類以上含んでいる。なお、本発明のエチレンコポリマーはエチレンと上記共重合成分とが交互に入ったものであっても、ランダムに入ったものであっても、ブロックに入ったものであっても、或いはそれらの混合物であっても、本発明において使用することができる。
【0013】
このエチレンコポリマー中における共重合成分の比率は、1〜20mass%であるのが好ましい。共重合成分の比率が1mass%未満であると、融着力が低くなり過ぎる傾向があり、共重合成分の比率が20mass%を越えると、融点が低くなり過ぎて、耐熱性を必要とする用途に使用することができなくなる場合があるためで、より好ましくは3〜18mass%であり、最も好ましくは5〜16mass%である。なお、このエチレンコポリマー中における共重合成分の比率はFT−IR(フーリエ変換赤外分光装置)により測定することができる。
【0014】
本発明の分割性繊維においては、上記のようなエチレンコポリマーとこのエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマー(以下、「第1高融点ポリマー」という)とが混在する第1成分を有する。この第1成分は分割性繊維を分割した後に発生する極細繊維を構成するが、第1高融点ポリマーを含んでいるため、引張り強さや剛性を付与するためにエチレンコポリマーを融着させたとしても、繊維形状を維持し、極細繊維を発生させることによって形成した緻密さを損なわない。また、この第1高融点ポリマーを混在させることによって第1成分の弾性率が向上し、外力による分割性も向上する。
【0015】
このように第1高融点ポリマーはエチレンコポリマーを融着させる温度下においても、その形状を維持する必要があるため、エチレンコポリマーよりも高い融点を有する必要がある。第1高融点ポリマーはエチレンコポリマーを融着させる際の熱の影響をより受けないように、エチレンコポリマーの融点よりも10℃以上高い融点を有するのが好ましく、20℃以上高い融点を有するのがより好ましく、30℃以上高い融点を有するのが最も好ましい。なお、本発明における融点は、示差熱量計を用い、昇温温度20℃/分で、室温から昇温して得られる融解吸収曲線の極値を与える温度をいう。
【0016】
この第1高融点ポリマーとしては、例えば、高密度又は低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンなどの溶融紡糸可能なポリマーを好適に使用できる。これらの中でもポリエチレン、ポリプロピレン、或いはポリメチルペンテンはエチレンコポリマーとの相溶性が高く、第1成分自体が分割性繊維を分割する際の外力によって分割しにくいため好適に使用できる。なお、第1高融点ポリマーとしてポリエチレンを使用する場合には、より融点の高い高密度ポリエチレンを使用するのが好ましい。また、第1高融点ポリマーは一種類である必要はなく、二種類以上混在していても良いし、極細繊維を構成する第1成分ごとに第1高融点ポリマーが異なっていても良い。
【0017】
この第1高融点ポリマーは、第1成分中、3〜25mass%混在しているのが好ましい。第1高融点ポリマーの比率が3mass%未満であると、発生した第1成分からなる極細繊維を融着させる際に、繊維形状を維持することが困難となる傾向があるため、緻密な繊維シートを製造することが困難になり、他方、25mass%を越えると、融着性が低下する傾向があるためで、5〜20mass%であるのが好ましく、10〜20mass%であるのがより好ましい。
【0018】
本発明の分割性繊維は上述のような第1成分以外に、上述のエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマー(以下、「第2高融点ポリマー」という)を第2成分として含んでいる。この第2成分は第1成分中のエチレンコポリマーを融着させる際に、融着しないで分割性繊維の繊維形状を維持し、また、分割して発生した第2成分からなる極細繊維の繊維形状を維持するため、緻密な構造を有する繊維シートを製造することができる。
【0019】
この第2高融点ポリマーも第1高融点ポリマーと同様に、エチレンコポリマーを融着させる温度下においても、繊維形状を維持する必要があるため、エチレンコポリマーよりも高い融点を有する。この第2高融点ポリマーはエチレンコポリマーの融点よりも10℃以上高い融点を有するのが好ましく、20℃以上高い融点を有するのがより好ましく、30℃以上高い融点を有するのが最も好ましい。
【0020】
この第2高融点ポリマーとしては第1高融点ポリマーと同様に、例えば、高密度又は低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンなどの溶融紡糸可能なものを好適に使用できる。これらの中でもポリエチレン、ポリプロピレン、或いはポリメチルペンテンはエチレンコポリマーとの相溶性が高く、外力によって分割しにくいものであるが、前述のようなエチレンコポリマーと組合わせ、エチレンコポリマーを融着させて固定した後に外力を作用させることにより、容易に分割することができる。なお、第2高融点ポリマーとしてポリエチレンを使用する場合には、より融点の高い高密度ポリエチレンを使用するのが好ましい。また、第2高融点ポリマーは一種類である必要はなく、二種類以上混在していても良いし、極細繊維を構成する第2成分ごとに第2高融点ポリマーが異なっていても良い。
【0021】
このような第1成分と第2成分との混合質量比率は、20:80〜80:20であるのが好ましい。第1成分の比率が20mass%未満であると、第1成分を構成するエチレンコポリマーの量も少なくなり、融着性が低下する傾向があり、80mass%を越えると、第2成分の比率が少なくなり過ぎて極細繊維の発生量が少なくなり、緻密な繊維シートを製造できない場合があるためで、より好ましくは30:70〜70:30であり、最も好ましくは40:60〜60:40である。
【0022】
本発明の分割性繊維は第1成分と第2成分とが隣接して配置しており、しかも第1成分と第2成分のいずれもが表面に露出しているため、この分割性繊維に外力を作用させると、第1成分と第2成分との境界で剥離し、極細繊維を発生させることができる。
【0023】
この第1成分と第2成分とは隣接していれば良く、配置状態は特に限定するものではないが、例えば、図1に示すように、断面形状が扇形状の第1成分1と第2成分2とが互いに隣接している状態、図2に示すように、断面形状が涙形状の第1成分又は第2成分2と、断面形状が銀杏形状の第2成分又は第1成分1とが互いに隣接している状態、図3に示すように、繊維軸から伸びる第1成分又は第2成分2によって第2成分又は第1成分1が扇形状に分割された状態、或いは図4に示すように、第1成分1と第2成分2とが層状に積層されて互いに隣接している状態などがある。これらの中でも、どの方向から外力が作用しても分割しやすい、図1〜図3に示す態様の分割性繊維が好適であり、融着性により優れるように、第1成分が表面により露出している図2又は図3に示す態様の分割性繊維がより好適である。
【0024】
なお、分割性繊維は図1〜4に示すように断面形状が円形であっても良いし、図5に示すような四角形などの非円形であっても良い。この非円形の断面形状としては、他に楕円状、長円状、T状、Y状、+状、中空状、多角形状などを例示できる。
【0025】
また、極細繊維の構成単位である第1成分1と第2成分2は合計4個以上であり、緻密な繊維シートを形成できるように、分割して発生する極細繊維の繊維径が0.1〜15μmとなるような数だけあれば良い。なお、極細繊維の断面形状が非円形である場合には、断面積と同じ面積を有する円の直径を極細繊維の繊維径とみなす。
【0026】
本発明の分割性繊維は外力によって分割できるように、第1成分1と第2成分2のいずれもが表面に露出している。この第1成分1と第2成分2との露出比率は特に限定するものではないが、第1成分1による融着が生じやすいように、第1成分1の露出率は30%以上(第2成分2の露出率は70%以下)であるのが好ましく、分割しやすいように、第1成分1の露出率は70%以下(第2成分2の露出率は30%以上)であるのが好ましく、第1成分1の露出率は40〜60%であるのがより好ましい。なお、この露出率は繊維表面積に対する、露出面積の百分率をいう。
【0027】
このような分割性繊維の繊度は特に限定されるものではないが、前述のような繊維径を有する極細繊維を発生しやすいように、50μg/m〜600μg/mであるのが好ましい。また、分割性繊維はフィラメントであっても良いし、1〜160mm長に裁断されたステープルであっても良い。なお、繊維の自由度が高く、分割しにくい1〜30mm長程度の分割性繊維であっても分割性に優れている。
【0028】
なお、エチレンコポリマー、第1高融点ポリマー、第2高融点ポリマーの少なくとも1つのポリマー中に、吸湿剤、艶消し剤、顔料、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、着色剤、染色剤、導電剤、親水化剤、脱臭剤、或いは抗菌剤などの機能性物質を混合し、各種機能を付加することもできる。
【0029】
このような本発明の分割性繊維は、常法の複合紡糸装置を利用することにより容易に紡糸することができる。例えば、第1成分がエチレン−メタクリル酸コポリマーとポリプロピレンとからなり、第2成分がポリプロピレンからなる場合、第1成分の溶融紡糸温度を220〜300℃、好ましくは250〜270℃とし、第2成分の溶融紡糸温度を220〜300℃、好ましくは250〜270℃とすることにより容易に紡糸できる。
【0030】
このようにして複合紡糸された未延伸糸は室温以上、エチレンコポリマーの融点以下の温度で、1〜8倍延伸して、繊度50μg/m〜600μg/m程度の分割性繊維を製造することができる。なお、この分割性繊維を乾式不織布の原料として、又は紡績糸として使用する場合には、機械的に又は熱的に5〜50個/インチ程度の巻縮を付与するのが好ましい。
【0031】
本発明の繊維シートの1つは、上述の分割性繊維のエチレンコポリマーが融着した状態で含んでいるため、引張り強さや剛性に優れている。また、別の繊維シートは、上述の分割性繊維が分割した状態で含んでいるため、緻密な構造を有する。なお、繊維シートとして織物、編物、不織布などを例示できるが、繊維組織が不規則で、引張り強さや剛性、或いは緻密性をより必要とする不織布を構成する繊維として上述の分割性繊維を使用すると、特に優れた効果を発揮する。そのため、以下、不織布をもとに説明する。
【0032】
上述の分割性繊維は引張り強さや剛性、或いは緻密性を向上させることができるように、10mass%以上含んでいるのが好ましく、20mass%以上含んでいるのがより好ましく、30mass%以上含んでいるのが最も好ましい。
【0033】
この分割性繊維以外の繊維としては通常の繊維を使用することができ、例えば、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、絹、羊毛、綿、麻などの天然繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリメチルペンテン繊維、芳香族ポリアミド繊維、又は2種類以上の樹脂成分からなり、巻縮発現性、熱融着性、或いは分割性を有する複合繊維などの合成繊維を使用できる。
【0034】
上述のような分割性繊維を使用した不織布の製造方法について、簡単に述べる。まず、上述のような分割性繊維を含む繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成方法としては、例えば、カード法、エアレイ法、スパンボンド法、メルトブロー法などの乾式法や、湿式法がある。なお、繊維ウエブの形成方法によって繊維長が異なり、前者の乾式法により形成する場合(スパンボンド法、メルトブロー法を除く)には、20〜160mm長程度の繊維を使用し、後者の湿式法により形成する場合には、1〜30mm長程度の繊維を使用する。また、これら繊維ウエブを形成した後、製法の異なる繊維ウエブを積層するなど、種類の異なる繊維ウエブを積層しても良い。
【0035】
次いで、この繊維ウエブに外力を作用させることにより分割性繊維を分割して、極細繊維を発生させることができるが、分割性繊維の第2高融点ポリマーがポリエチレン、ポリプロピレン、或いはポリメチルペンテンからなるように、第1成分と第2成分との相溶性が高い場合(特に繊維長が1〜30mm長程度の場合)には、外力を作用させる前に熱処理を実施して、第1成分中のエチレンコポリマーのみを融着させて、分割性繊維の自由度をなくすのが好ましい。
【0036】
この熱処理はポリエチレンコポリマーの融点よりも10℃以上高く、かつ第1高融点成分の融点及び第2高融点成分の融点のいずれの温度よりも低い温度で実施するのが好ましい。また、この熱処理によってポリエチレンコポリマーがフィルム化しないように、無圧下で実施するのが好ましい。このような熱処理は、例えば、ドライヤー、熱風ドライヤー、吸引付きドライヤーなどによって実施することができる。
【0037】
このような熱処理により分割性繊維の自由度をなくした後に、又は熱処理することなく作用させる外力としては、例えば、ニードルパンチ、水流などの流体流、カレンダー、或は平板プレスなどがある。これらの中でも、ニードルパンチや水流などの流体流による外力であると、分割性繊維の分割と同時に絡合もできるため好適であり、より均一に分割して高度に絡合できる水流などの流体流がより好適である。
【0038】
この好適である流体流による処理条件としては、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、好適には0.08〜0.2mm、ピッチ0.2〜3mm、好適には0.4〜2mmで一列以上に配列したノズルプレートから、圧力1〜30MPa、好適には5〜25MPaの流体流を噴出すれば良い。なお、流体流の圧力は変化させたり、ノズルプレートを揺動又は振動させても良い。
【0039】
このような外力を作用させることにより、分割性繊維が分割されて極細繊維が発生した不織布は緻密性に優れるものである。
【0040】
また、もう一方の分割性繊維の第1成分を構成するエチレンコポリマーが融着した不織布は、繊維ウエブを熱処理したものであっても良いが、分割性繊維の自由度をなくすために熱処理を行ったか行わなかったかにかかわらず、分割性繊維を分割して極細繊維を発生させた後に、第1成分からなる分割性繊維のエチレンコポリマーが融着するように熱処理を実施すると、緻密でしかも引張り強さや剛性に優れる不織布を製造することができる。なお、本発明の分割性繊維は第1高融点ポリマーを含む第1成分からなる極細繊維を発生させることができるため、エチレンコポリマーを融着させても、第1成分からなる極細繊維はフィルム化せず、エチレンコポリマーを融着させる前の不織布の緻密性は維持される。
【0041】
なお、この再度実施する場合の熱処理は、最初に実施する熱処理と同様に、ポリエチレンコポリマーの融点よりも10℃以上高く、かつ第1高融点成分の融点及び第2高融点成分の融点のいずれの温度よりも低い温度で実施するのが好ましい。また、この熱処理によってポリエチレンコポリマーがフィルム化しないように、無圧下で行うのが好ましい。このような熱処理は、例えば、ドライヤー、熱風ドライヤー、吸引付きドライヤーなどによって実施することができる。なお、最初に行う熱処理条件と再度行う熱処理条件は同一であっても、一条件以上が異なっていても良い。
【0042】
以上のようにして製造できる本発明の繊維シートは、緻密性及び/又は引張り強さや剛性に優れているため、例えば、手袋、外衣、かばんなどの人工皮革用基材、衣料用芯地、中入綿、防漏シーツ、マスク、電池用セパレータ、空気又は液体フィルタ、壁紙、自動車用内装材、パーティション用基材、ワイパーなどの各種用途に使用できる。なお、各種用途に適合するように、染色加工、バフィング処理、バインダーによる顔料着色加工、揉み加工、エレクトレット加工、親水化処理などの後加工を、各種用途に適合するように実施することができる。
【0043】
以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の実施例に限定されるものではない。
【0044】
【実施例】
(実施例1)
常法の複合紡糸装置において、エチレン−メタクリル酸コポリマー(エチレンコポリマー中におけるメタクリル酸の比率15mass%、融点90℃)95mass%と、ポリプロピレン(融点160℃)5mass%とをペレット状態で混合したものを260℃で、他方、ポリプロピレン(融点160℃)を260℃で、第1成分と第2成分との複合質量比50:50でノズルから押し出し、繊度666μg/mの巻き取り糸を得た。
【0045】
次いで、この巻き取り糸を55℃で3.3倍延伸した後に裁断して、繊度222μg/m、繊維長10mmの分割性繊維を製造した。この分割性繊維の断面形状は、図2に示すように、銀杏形状の第1成分8個と、涙形状の第2成分8個とが互いに隣接し、第1成分と第2成分のいずれもが表面に露出(第1成分の露出率は50%)していた。なお、この分割性繊維は第1成分からなる繊維径4.4μmの極細繊維と、第2成分からなる繊維径4.4μmの極細繊維とを発生可能であった。
【0046】
次いで、この分割性繊維を100mass%使用し、常法の湿式法により繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブを110℃に設定した熱風ドライヤーにより5分間熱処理を実施して、エチレンコポリマーのみを融着させた。
【0047】
次いで、この融着した繊維ウエブを目開き0.147mmのネットに載置し、この融着した繊維ウエブに対して、径0.13mm、ピッチ0.6mmで配列したノズルプレートから、圧力9.8MPaの水流を噴出し、次いで繊維ウエブを反転させ、同様のノズルプレートから、圧力9.8MPaの水流を噴出して、分割性繊維を分割すると同時に絡合した。
【0048】
そして、この絡合した繊維ウエブを110℃に設定した熱風ドライヤーにより5分間熱処理を実施して、エチレンコポリマーのみを融着させ、面密度40g/m2、厚さ0.2mmの不織布を製造した。この不織布を電子顕微鏡写真により観察したところ、どこにもフィルム化した箇所がみられない、緻密な構造を有するものであった。
【0049】
(実施例2)
エチレン−メタクリル酸コポリマー(エチレンコポリマー中におけるメタクリル酸成分の比率15mass%、融点90℃)85mass%と、ポリプロピレン(融点160℃)15mass%とをペレット状態で混合したものを、260℃でノズルから押し出したこと以外は実施例1と全く同様にして、繊度666μg/mの巻き取り糸を得た。
【0050】
次いで、この巻き取り糸を55℃で3.3倍延伸した後に裁断して、繊度222μg/m、繊維長10mmの分割性繊維を製造した。この分割性繊維の断面形状は、図2に示すように、銀杏形状の第1成分8個と、涙形状の第2成分8個とが互いに隣接し、第1成分と第2成分のいずれもが表面に露出(第1成分の露出率は50%)していた。なお、この分割性繊維は第1成分からなる繊維径4.4μmの極細繊維と、第2成分からなる繊維径4.4μmの極細繊維とを発生可能であった。
【0051】
次いで、この分割性繊維を100mass%使用し、実施例1と全く同様にして、繊維ウエブの形成、熱処理、絡合処理、及び再度熱処理を行って、面密度40g/m2、厚さ0.2mmの不織布を製造した。この不織布を電子顕微鏡写真により観察したところ、どこにもフィルム化した箇所がみられない、緻密な構造を有するものであった。なお、参考までにこの不織布の電子顕微鏡写真を図7に示す。
【0052】
(実施例3)
エチレン−メタクリル酸コポリマー(エチレンコポリマー中におけるメタクリル酸成分の比率15mass%、融点90℃)70mass%と、ポリプロピレン(融点160℃)30mass%とをペレット状態で混合したものを、260℃でノズルから押し出したこと以外は実施例1と全く同様にして、繊度666μmg/mの巻き取り糸を得た。
【0053】
次いで、この巻き取り糸を55℃で3.3倍延伸した後、裁断して、繊度222μg/m、繊維長10mmの分割性繊維を製造した。この分割性繊維の断面形状は、図2に示すように、銀杏形状の第1成分8個と、涙形状の第2成分8個とが互いに隣接し、第1成分と第2成分のいずれもが表面に露出(第1成分の露出率は50%)していた。なお、この分割性繊維は第1成分からなる繊維径4.4μmの極細繊維と、第2成分からなる繊維径4.4μmの極細繊維とを発生可能であった。
【0054】
次いで、この分割性繊維を100mass%使用し、実施例1と全く同様にして、繊維ウエブの形成、熱処理、絡合処理、及び再度熱処理を行って、面密度40g/m2、厚さ0.2mmの不織布を製造した。この不織布を電子顕微鏡写真により観察したところ、どこにもフィルム化した箇所がみられない、緻密な構造を有するものであった。
【0055】
(比較例)
エチレン−メタクリル酸コポリマー(エチレンコポリマー中におけるメタクリル酸成分の比率15mass%、融点90℃)を、260℃でノズルから押し出したこと以外は実施例1と全く同様にして、繊度666μg/mの巻き取り糸を得た。
【0056】
次いで、この巻き取り糸を55℃で3.3倍延伸した後に裁断して、繊度222μg/m、繊維長10mmの分割性繊維を製造した。この分割性繊維の断面形状は、図2に示すように、銀杏形状の第1成分8個と、涙形状の第2成分8個とが互いに隣接し、第1成分と第2成分のいずれもが表面に露出(第1成分の露出率は50%)していた。なお、この分割性繊維は第1成分からなる繊維径4.4μmの極細繊維と、第2成分からなる繊維径4.4μmの極細繊維とを発生可能であった。
【0057】
次いで、この分割性繊維を100mass%使用し、実施例1と全く同様にして、繊維ウエブの形成、熱処理、絡合処理、及び再度熱処理を行って、面密度40g/m2、厚さ0.2mmの不織布を製造した。この不織布を電子顕微鏡写真により観察したところ、フィルム化した箇所の多い、粗い構造を有するものであった。なお、参考までにこの不織布の電子顕微鏡写真を図8に示す。
【0058】
(融着力の測定)
エチレンコポリマーの融着力を比較するために、実施例1〜3及び比較例における、最初の熱処理を実施して融着した繊維ウエブの引張り強さを、引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)により測定した。なお、融着した繊維ウエブの幅50mm、チャック間距離100mm、引張速度300mm/minの条件で行った。この結果は、実施例1が58.2N/50mmであり、実施例2が59.8N/50mmであり、実施例3が43.1N/50mmであり、比較例が68.7N/50mmであった。この結果から、第1高融点ポリマーは第1成分中、3〜25mass%混在しているのが好ましいことがわかる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の分割性繊維は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる一種類以上とエチレンとからなるエチレンコポリマーと、このエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーとが混在する第1成分と、このエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーからなる第2成分とを含み、この第1成分と第2成分とが隣接して合計4個以上の成分が配置しており、しかも第1成分と第2成分のいずれもが表面に露出しており、外力の作用によって第1成分と第2成分との境界で剥離して極細繊維を発生可能である。
【0060】
このように、本発明の分割性繊維はエチレンコポリマーを含んでおり、このエチレンコポリマーは融点が低く、このエチレンコポリマーを融着させることによって分割性繊維の自由度をなくすことができるため、外力によって容易に分割できる。また、このエチレンコポリマーとエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーとが混在しているため、分割性がより優れているばかりでなく、エチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーが、分割されて発生する極細繊維の芯となり、発生した極細繊維を構成するエチレンコポリマーを融着させても繊維形状を維持することができ、フィルム化することがない。
【0061】
本発明の繊維シートは上記分割性繊維のエチレンコポリマーが融着した状態で含んでいるため、引張り強さや剛性の優れるものである。また、本発明の別の繊維シートは上記分割性繊維が分割した状態、つまり極細繊維を含む状態であるため、緻密な構造を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分割性繊維の断面図
【図2】 本発明の別の分割性繊維の断面図
【図3】 本発明の更に別の分割性繊維の断面図
【図4】 本発明の更に別の分割性繊維の断面図
【図5】 本発明の更に別の分割性繊維の断面図
【図6】 従来の分割性繊維の断面図
【図7】 実施例2で製造した不織布の電子顕微鏡写真
【図8】 比較例で製造した不織布の電子顕微鏡写真
【符号の説明】
1 第1成分
2 第2成分
3 ポリプロピレン
4 高密度ポリエチレン
Claims (7)
- 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる一種類以上とエチレンとからなるエチレンコポリマーと、このエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーとが混在する第1成分と、このエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーからなる第2成分とを含み、この第1成分と第2成分とが隣接して合計4個以上の成分が配置しており、しかも第1成分と第2成分のいずれもが表面に露出しており、外力の作用によって第1成分と第2成分との境界で剥離して極細繊維を発生可能であることを特徴とする分割性繊維。
- エチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーが第1成分中に、3mass%〜25mass%混在していることを特徴とする、請求項1記載の分割性繊維。
- エチレンコポリマーがアクリル酸又はメタクリル酸とエチレンとからなることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の分割性繊維。
- 第1成分におけるエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンの中から選ばれるポリマーであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の分割性繊維。
- 第2成分におけるエチレンコポリマーよりも融点の高いポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンの中から選ばれるポリマーであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の分割性繊維。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の分割性繊維のエチレンコポリマーが融着した状態で含んでいることを特徴とする繊維シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の分割性繊維が分割した状態で含んでいることを特徴とする繊維シート。
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