JP2000226688A - アルミニウム合金部品およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金部品およびその製造方法

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JP2000226688A
JP2000226688A JP21589699A JP21589699A JP2000226688A JP 2000226688 A JP2000226688 A JP 2000226688A JP 21589699 A JP21589699 A JP 21589699A JP 21589699 A JP21589699 A JP 21589699A JP 2000226688 A JP2000226688 A JP 2000226688A
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plating
metal
plating layer
wear resistance
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Hirotaka Kurita
洋敬 栗田
Yutaka Yamagata
裕 山縣
Toshikatsu Koike
俊勝 小池
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Yamaha Motor Co Ltd
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    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/021Aluminium

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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金部品に耐摩耗性が高い金属
を設ける構造を採りながら、熱応力が発生することがな
く、しかも製造コストが低くなるようにする。 【解決手段】 アルミニウム合金部品の摩擦面に耐摩耗
性が高い金属からなるめっき層13を形成する。このめ
っき層13に微細な網目状のクラック15を全域に形成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、別部品が摺接する
摺接面を有するアルミニウム合金部品およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、装置の軽量化を図るために、装置
を構成する部品をアルミニウム合金によって形成するこ
とがある。軽量化を図ることが要請されている部品とし
ては、例えば自動車や自動二輪車などの車両に装備する
ディスクブレーキ装置のブレーキディスクがある。ブレ
ーキディスクは、走行性能および燃費を向上させるため
に可及的軽量に形成することが要請されている。このブ
レーキディスクの軽量化を図るためには、ハブに固定す
る板状の部分(以下、この板状部をブレーキディスク本
体という)をアルミニウム合金によって形成することが
考えられる。
【0003】ブレーキディスク本体をアルミニウム合金
によって形成する場合には、耐摩耗性を向上させるため
にブレーキディスク本体の表面に鉄系金属製のドーナツ
状円板を接合し、これによって摩擦面を形成している。
この種のブレーキディスクとしては、例えば特開平5−
26268号公報に開示されたものがある。
【0004】この公報に示されたブレーキディスクは、
ブレーキディスク本体をアルミニウム合金によって形成
するとともに、このブレーキディスク本体の表面におけ
るブレーキパッドが摺接する位置に鋳鉄製のドーナツ状
円板を摩擦圧接やアルフィン接合によって接合してい
る。
【0005】また、エンジンのコンロッド、バルブリフ
タ、ロッカーアームや、スクロールコンプレッサのスク
ロール部など、摺接面を有する一般機械用の部品も軽量
化を図るためにアルミニウム合金によって形成すること
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、アルミニウ
ム合金は鋳鉄などの鉄系金属に較べて熱膨張率が大きい
から、アルミニウム合金製ブレーキディスク本体に鋳鉄
製円板を接合する構造では、制動時の温度上昇に伴って
発生する熱応力によってブレーキディスクに曲がりや撓
みが生じたり、鋳鉄部分がブレーキディスク本体から剥
離してしまうことがあった。
【0007】また、摩擦圧接法やアルフィン接合法によ
って鋳鉄製円板をブレーキディスク本体に接合するため
には、特殊な接合装置が必要で、製造コストが高くなっ
てしまうという問題もあった。
【0008】さらに、一般機械用の部品をアルミニウム
合金製とする場合には、摺接面の耐摩耗性を向上させな
ければならない。特に、エンジンの部品等や高温環境下
で使用する部品をアルミニウム合金によって形成するた
めには、これらの部品は熱負荷が大きくなるから、摺接
面の耐摩耗性を一層向上させなければならない。
【0009】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、別部品が摺接する摺接面の耐摩耗性
が高いアルミニウム合金部品およびその製造方法を提供
することを第1の目的とする。また、エンジン部品など
の熱負荷が大きいアルミニウム合金部品において、摺接
面の耐摩耗性をより一層向上させるとともに、このアル
ミニウム合金部品を低いコストで製造できる製造方法を
提供することを第2の目的とする。さらに、ディスクブ
レーキ装置用のアルミニウム合金製ブレーキディスク本
体に耐摩耗性が高い金属層を設ける構造を採りながら、
熱応力が発生することがなく、しかも製造コストが低く
なるアルミニウム合金部品およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明に係るアルミニウム合金部品は、別部品が摺接
する摺接面に耐摩耗性が高い金属からなるめっき層を形
成したものである。
【0011】本発明によれば、別部品がめっき層に摺接
し、アルミニウム合金に接触するのを阻止することがで
きる。
【0012】請求項2に記載した発明に係るアルミニウ
ム合金部品は、請求項1に記載した発明に係るアルミニ
ウム合金部品において、微細な網目状のクラックをめっ
き層の全域に形成したものである。
【0013】この発明によれば、摺接面のめっき層がク
ラックによって互いに分離された無数の微細な金属片状
とされる。前記金属片は、摺接によりアルミニウム合金
部品が温度上昇し、熱膨張してもこれに追従することが
できる。
【0014】請求項3に記載した発明に係るアルミニウ
ム合金部品は、請求項2に記載した発明に係るアルミニ
ウム合金部品において、微細な網目状のクラックは、ク
ラックによる各編み目形状の内接円の直径が1.5mm以
下であるものである。
【0015】この発明による網目形状の内接円の直径が
1.5mm以下になる微細なクラックによる各網目形状の
金属片は、アルミニウム合金部品が熱膨張してもこれに
追従することができる。
【0016】請求項4に記載した発明に係るアルミニウ
ム合金部品は、請求項2に記載した発明に係るアルミニ
ウム合金部品において、網目状のクラックを有するめっ
き層とアルミニウム合金母材との間に、耐腐食性が高い
金属からなる中間めっき層を形成したものである。
【0017】この発明によれば、クラックに浸入した水
がアルミニウム合金に接触するのを耐腐食性が高い金属
からなる中間めっき層によって阻止することができる。
このため、アルミニウム合金部品に結露水が付着したり
雨水などがかかってもこれが腐食されることはなく、腐
食が原因でめっき層が剥離するのを阻止することができ
る。
【0018】請求項5に記載した発明に係るアルミニウ
ム合金部品は、請求項1ないし請求項4のうち何れか一
つの発明に係るアルミニウム合金部品において、めっき
層を、窒素または窒素と硫黄を表面から浸透させた鉄ま
たは鉄を含む合金によって形成したものである。
【0019】この発明によれば、めっき層に窒化処理が
施され、めっき層の硬度が増大するから、めっき層の耐
摩耗性が向上する。
【0020】請求項6に記載した発明に係るアルミニウ
ム合金部品は、請求項1ないし請求項5のうち何れか一
つのアルミニウム合金部品をブレーキディスクとし、こ
のブレーキディスクにおけるブレーキパッドが摺接する
摩擦面に耐摩耗性が高い金属からなるめっき層を形成し
たものである。
【0021】この発明によれば、アルミニウム合金製ブ
レーキディスクの摺接面の耐摩耗性が向上する。
【0022】請求項7に記載した発明に係るアルミニウ
ム合金部品は、請求項1ないし請求項5のうち何れか一
つの発明に係るアルミニウム合金部品をエンジンの動弁
装置用バルブリフターとし、このバルブリフターにおけ
る頂部側の摺接面と外周面のうち少なくとも一方の面に
耐摩耗性が高い金属からなるめっき層を形成したもので
ある。
【0023】この発明によれば、アルミニウム合金製バ
ルブリフターの摺接面の耐摩耗性が向上する。
【0024】請求項8に記載した発明に係るアルミニウ
ム合金部品は、請求項1ないし請求項5のうち何れか一
つの発明に係るアルミニウム合金部品をエンジンの動弁
装置用ロッカーアームとし、このロッカーアームにおけ
る動弁カムが摺接する摺接面に耐摩耗性が高い金属から
なるめっき層を形成したものである。
【0025】この発明によれば、アルミニウム合金製ロ
ッカーアームの摺接面の耐摩耗性が向上する。
【0026】請求項9に記載した発明に係るアルミニウ
ム合金部品は、請求項1ないし請求項5のうち何れか一
つの発明に係るアルミニウム合金部品をエンジンのピス
トンとし、このピストンにおけるピストンピン孔の孔壁
面に耐摩耗性が高い金属からなるめっき層を形成したも
のである。
【0027】この発明によれば、アルミニウム合金製ピ
ストンのピストンピン孔の耐摩耗性が向上する。
【0028】請求項10に記載した発明に係るアルミニ
ウム合金部品は、請求項1ないし請求項5のうち何れか
一つの発明に係るアルミニウム合金部品をエンジンのコ
ンロッドとし、このコンロッドの小端穴の穴壁面と大端
穴の穴壁面のうち少なくとも一方に耐摩耗性が高い金属
からなるめっき層を形成したものである。
【0029】この発明によれば、アルミニウム合金製コ
ンロッドの摺接面の耐摩耗性が向上する。
【0030】請求項11に記載した発明に係るアルミニ
ウム合金部品の製造方法は、別部品が摺接する摺接面に
耐摩耗性が高い金属からなる金属層を形成するめっき
を、前記金属層の厚みがこの金属層にクラックが発生す
る厚みに達するまで行うことにより実施する。
【0031】この発明によれば、アルミニウム合金部品
に耐摩耗性が高い金属からなる金属層をめっきによって
形成することができ、めっき工程で前記金属層にクラッ
クを形成することができる。このクラックは、このアル
ミニウム合金部品を使用することにより発生する熱によ
って微細な網目状に形状が変化する。
【0032】めっき装置は汎用のものを使用することが
できるから、耐摩耗性が高い金属をアルミニウム合金部
品に設けるための特別な接合装置が不要になる。専ら金
属層にクラックを形成するための装置や特別な処理も不
要である。
【0033】請求項12に記載した発明に係るアルミニ
ウム合金部品の製造方法は、別部品が摺接する摩擦面を
有するアルミニウム合金部品の前記摩擦面に耐摩耗性が
高い金属からなる金属層をめっきによって形成した後
に、前記金属層を加熱することによりこの金属層に微細
な網目状のクラックを全域に発生させることによって実
施する。
【0034】この発明によれば、アルミニウム合金部品
に耐摩耗性が高い金属からなる金属層をめっきによって
形成することができ、めっき後の加熱工程で前記金属層
に微細な網目状のクラックを形成することができる。め
っき装置は汎用のものを使用することができるから、耐
摩耗性が高い金属をアルミニウム合金部品に設けるため
の特別な接合装置が不要になる。専ら金属層にクラック
を形成するための装置も不要である。
【0035】また、めっき後の加熱工程で、前記金属層
を形成する金属と、アルミニウム合金部品を形成するア
ルミニウム合金とが互いに拡散し合い、これら両者の間
に拡散層が形成される。
【0036】請求項13に記載した発明に係るアルミニ
ウム合金部品の製造方法は、別部品が摺接する摺接面を
有するアルミニウム合金部材の前記摺接面に耐摩耗性が
高い金属からなる金属層をめっきによって形成し、次い
で、前記金属層に浸硫窒化処理を施すことにより、この
金属層に微細な網目状のクラックを全域に発生させるこ
とによって実施する。
【0037】この発明によれば、アルミニウム合金部品
に耐摩耗性が高い金属からなる金属層をめっきによって
形成することができ、浸硫窒化処理を実施するときの熱
で前記金属層に微細な網目状のクラックを形成すること
ができる。
【0038】めっき装置は汎用のものを使用することが
できるから、耐摩耗性が高い金属をアルミニウム合金部
品に設けるための特別な接合装置が不要になる。専ら金
属層にクラックを形成するための処理を実施しなくても
よい。
【0039】また、浸硫窒化処理を実施することにより
金属層の硬度を増大させることができ、浸硫窒化処理を
実施するときに加熱されることによって、前記金属層を
形成する金属と、アルミニウム合金部品を形成するアル
ミニウム合金とが互いに拡散し合い、これら両者の間に
拡散層が形成される。
【0040】請求項14に記載したアルミニウム合金部
品の製造方法は、請求項9ないし請求項12のうち何れ
か一つの発明に係るアルミニウム合金部品の製造方法に
おいて、アルミニウム合金部品に金属層をめっきによっ
て形成する以前に、アルミニウム合金部品の摺接面に耐
蝕性が高い金属からなる金属層をめっきにより形成する
ことによって実施する。
【0041】この発明によれば、クラックに浸入した水
がアルミニウム合金に接触するのを阻止する中間金属層
をめっきによって形成することができる。このため、2
種類の金属層を一つのめっき装置によって形成すること
ができる。
【0042】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、本発明に係るアルミニウム合金部品およびその製
造方法の一実施の形態を図1ないし図6によって詳細に
説明する。ここでは、自動二輪車の前輪用ディスクブレ
ーキ装置のブレーキディスクに本発明を適用する場合に
採る形態について説明する。
【0043】図1はディスクブレーキ装置を示す断面
図、図2はブレーキキャリパーの断面図、図3はブレー
キディスクの要部を拡大して示す断面図、図4はめっき
層のクラックを模式的に示す図である。図5はブレーキ
ディスクの製造方法を説明するための工程図、図6はめ
っきの前処理を説明するための工程図である。
【0044】これらの図において、符号1で示すものは
この実施の形態によるディスクブレーキ装置である。こ
のディスクブレーキ装置1は、自動二輪車の前輪用のも
ので、前輪用ハブ2に固定したブレーキディスク3と、
フロントフォーク4に固定したブレーキキャリパー5と
を備えている。図1において符号6は前輪の車軸を示
し、符号7はスポーク、8はリムを示す。
【0045】前記ブレーキディスク3は、アルミニウム
合金によって円環板状に形成したブレーキディスク本体
11と、このブレーキディスク本体11における前記ブ
レーキキャリパー5のブレーキパッド12(図2参照)
が押圧されて摺接する両側の摩擦面(ブレーキディスク
本体11の外周部分の表裏両面)に形成しためっき層1
3(図3参照)とから構成し、ブレーキディスク本体1
1の径方向の内側の部位を前記ハブ2に固定用ボルト1
4(図1参照)によって固定している。
【0046】前記めっき層13は、Fe,Fe−Cr合
金,Cr,Niなどの耐摩耗性が高い金属からなり、ブ
レーキディスク本体11に電解めっきを施すことによっ
て形成している。このめっき層13には、図3および図
4に示すように、微細な網目状のクラック15をめっき
形成範囲の全域に形成している。このようにクラック1
5を形成することにより、ブレーキディスク本体11の
両側の摩擦面に、クラック15によって互いに分離され
た微細な金属片13aが多数形成される。
【0047】前記ブレーキキャリパー5は、図2に示す
ように、前記ブレーキディスク3の両側方にブレーキパ
ッド12および油圧ピストン16をそれぞれ設けた従来
周知の構造を採っている。制動時には、一対のブレーキ
パッド12が油圧ピストン16によってブレーキディス
ク3の両面に押付けられ、二つのブレーキパッド12で
ブレーキディスク3を挟圧する。
【0048】ブレーキパッド12は、前記ブレーキディ
スク1のめっき層3を形成する金属材料より硬度が低い
材料によって形成している。ブレーキパッド12の材料
としては、例えば合成樹脂系のものや、Cuを含有する
焼結材などが挙げられる。このようにブレーキパッド1
2の硬度を相対的に低く設定することによって、制動時
の摩擦で前記めっき層が摩耗してしまうのを阻止するこ
とができる。
【0049】次に、上述したように構成したブレーキデ
ィスク3を製造する方法を図5および図6によって詳細
に説明する。
【0050】ブレーキディスク3は、ブレーキディスク
本体11を所定の形状に成形し、このブレーキディスク
本体11に電解めっきを施すことによって形成する。
【0051】すなわち、先ず、図5中にステップS1で
示すように、溶解したアルミニウム合金をノズル(図示
せず)から所定半径の標的に向けて噴霧状に噴射させ、
生成されるアルミニウム合金の噴霧滴を冷気あるいは常
温空気中を通過させることにより途中で冷却させて半凝
固状態とし、この半凝固状態のアルミニウム合金の噴霧
滴を所定半径の略円柱状に積み上げさせるスプレーフォ
ーミングにより、例えば所定半径が350mmのアルミニ
ウム合金粒が固まった状態の円柱を形成する。
【0052】ステップS2において、このアルミニウム
合金粒円柱を切断し、厚さ例えば50mmの円盤を作製す
る。ステップS3におけるプリ鍛造により、厚さ例えば
50mmの円盤を30mm程度に圧縮するとともに中心に穴
を形成して密度を上げたドーナツ状の円盤を作製する。
このドーナツ状の円盤がビュレットである。
【0053】このビュレットをステップS4で示す鍛造
工程で表面硬度がHRE=55〜88で厚さが15mmのド
ーナツ状円盤とする。このドーナツ状円盤をステップS
5のT6処理、すなわち溶体化温度の500℃に4時間
保持した後に水冷する溶体化処理と、続いて200〜3
00℃に4時間保持した後に空冷する時硬化処理を行
い、表面および内部硬度がHRE=90〜100程度とす
る。
【0054】ステップS6の粗加工により、内外形加
工、取付け穴加工、そして円盤面の加工を行う。円盤面
のうち摩擦面は研磨前の表面粗さとしてRa25μm程
度に下加工を施しておく。ステップS7の仕上げ加工に
おいて摩擦面を表面粗さがRa1〜3.5μm程度とな
るまで研磨する。仕上げ加工が終了した後、ステップS
8で示すようにめっき工程に移行する。
【0055】めっき工程S8では、先ず、図6に示すよ
うにブレーキディスク本体11にめっき前処理を施し、
その後、電解めっきを実施する。
【0056】めっき前処理は、一般的に実施されている
電解めっき時の前処理と同等の処理内容で、図6中にス
テップP1で示す脱脂工程と、ステップP2で示す酸洗
い工程と、ステップP3で示すアルカリエッチング工程
と、ステップP4で示す酸活性工程と、ステップP5で
示す亜鉛置換工程と、ステップP6で示す硝酸浸漬工程
と、ステップP7で示す亜鉛置換工程と、これらの各工
程間およびステップP7の亜鉛置換工程の後に実施する
水洗工程とによって実施する。
【0057】なお、ステップP1〜P7の各工程におい
ては、表5に示す通り、所定の組成を含有する処理液
(ベースは水)を収容し所定の浴温に保持される各浴槽
に、ブレーキディスク本体11を所定の処理時間浸漬し
て行う。これらの前処理を施すことにより、次工程のめ
っき処理におけるめっき層と母材であるアルミニウム合
金層との密着性を向上させている。
【0058】このめっき前処理を実施した後、ステップ
P8でブレーキディスク本体11に電解めっきを施す。
めっきは、めっき液の静止浴中にブレーキディスク本体
11を陰極として陽極とともに浸漬させ、これらを直流
電源に接続することによって実施する。また、このめっ
きは、ブレーキディスク本体11に生成されるめっき層
13の厚みが概略20μmあるいはそれ以上となるまで
実施する。
【0059】なお、このステップP8のめっき処理にお
いて、例えばFeめっき、あるいはFe−Cr合金めっ
きを施す場合には、表6に示すめっき処理条件により行
う。すなわち、表示するめっき液組成、液温に保持した
めっき液を満たした静止浴を使い、表6に示す電流密
度、めっき時間でめっきすると、概略表6に示すめっき
膜厚、硬さのめっき層が得られる。めっき膜厚を20μ
m以上とするためには、電流密度を表中の値より大きく
するか、あいるいは及びめっき時間を表中のものより長
くする。
【0060】ブレーキディスク本体11は、めっき液に
浸漬させる以前に、ブレーキディスク本体11の摩擦面
のみにめっき層13が形成されるように他の部位にマス
ク(図示せず)を設けておく。なお、このようなマスク
を使用することなく、ブレーキディスク3の外表面の全
域にめっき層13を形成してもよい。
【0061】なお、厚みが少なくとも10μmより厚く
なるようにめっき層13を形成することによって、特別
な処理を施すことなく、めっき層13に図3および図4
に示すようにクラック15が発生する。めっき層の膜厚
が10μm程度であると、図4に示すクラック15内側
のめっき層金属片に内接する円の直径dが大きなもので
も約1.5mm程度となる。これはめっき層に縮まろうと
する内部応力が発生しているからであり、膜厚が増加す
るとこの内部応力によりめっき面に網目状のクラックが
発生するからである。
【0062】めっき工程が終了したブレーキディスク本
体11は、特別な後加工を施すことなく前記ハブ2に取
付ける。しかる後、自動二輪車を走行させて前輪ブレー
キを使用する。このとき、ブレーキパッド12と前記め
っき層13の外表面との摩擦により生じる摩擦熱でめっ
き層13の温度が高くなると、めっき層に較べてアルミ
ニウム合金製のブレーキディスク本体11の方が熱膨張
係数が大きく、ブレーキディスク本体11の方が伸びよ
うとするが、めっき層はクラックの幅が拡がってブレー
キディスク本体11の伸びを阻害せず、摩擦面が歪むこ
とがない。すなわち、ブレーキ操作中にブレーキパッド
12により局部的に大きな摩擦力が作用する結果となる
曲がりや撓み等の歪みが生じることがなく、耐摩耗性を
向上させるために設けためっき層がブレーキディスク本
体11から剥がれることはない。
【0063】したがって、上述したように構成したブレ
ーキディスク3は、ブレーキディスク本体11をアルミ
ニウム合金によって形成して軽量化を図ることができる
とともに、摩擦面にめっきによって形成した金属で耐摩
耗性を向上させることができ、軽量化と耐摩耗性の向上
の両方を実現することができる。
【0064】また、耐摩耗性を高めるための金属を温度
変化の少ないめっきによって形成しており、この製造方
法を実施するためのめっき装置は汎用の静止浴タイプの
もの、あるいはめっき液を循環させる高速めっきタイプ
のものを使用することができるから、耐摩耗性が高い金
属をブレーキディスク本体11に設けるため熱溶融を伴
なう接合装置に較べ摩擦面の歪みを小さくできるので、
歪取りや再研磨が必ず必要になることはない。
【0065】なお、クラック15内側のめっき層金属片
に内接する円の直径dが大きなものでも約1.5mm程度
の場合、仮にクラック15内側のめっき層金属片がそれ
と接合するブレーキディスク本体11の伸びを阻害する
としても、めっき層金属片の大きさは小さく、めっき層
金属片の部位に生じる反り、曲がり等は小さく、ブレー
キパッド12により局部的に大きな摩擦力が作用し、め
っき層とブレーキディスク本体11との接合面に大きな
剪断応力が作用することにはならず、このクラック15
内側のめっき層金属片が剥がれることにはならない。ま
た、めっき膜厚が大きくなるにしたがい、めっき時めっ
き面にクラック15が入っても内部応力が残留し易く、
ブレーキ操作による摩擦熱によりこのクラック15内側
のめっき層金属片がブレーキディスク本体11により拡
げられようとし、めっき層金属片にさらに微細なクラッ
クが発生する。
【0066】めっき層の膜厚が20μm程度以上ある
と、このめっき層金属片へのさらなる微細なクラックの
発生が確実に起きるようになる。この微細なクラックに
よりブレーキ操作中、より確実にめっき層がブレーキデ
ィスク本体11の伸びを阻害することがなくなり、反
り、曲がり等の歪みに起因するめっき層の剥がれを無く
すことができる。
【0067】すなわち、この実施の形態によるブレーキ
ディスク3の製造方法は、めっき層厚さを20μm程度
以上とすることによって、めっき工程で金属層にクラッ
クを形成し、ブレーキディスク3を実際に使用すること
によってめっきによるクラックをさらに微細なクラック
に移行させる方法を採っているので、めっきによって形
成された金属層に専らクラックを形成するための装置や
特別な処理も不要である。
【0068】第2の実施の形態 めっき層13のクラック15は、めっき後にめっき層1
3を加熱することによって、制動時の摩擦熱を用いなく
ても微細な網目状に形成することができる。この実施の
形態によるブレーキディスクの製造方法を図7および図
8によって詳細に説明する。
【0069】図7は加熱によりクラックを形成するブレ
ーキディスクの製造方法を説明するための工程図、図8
はこの実施の形態による製造方法によって形成されたブ
レーキディスクの要部を拡大して示す断面図である。こ
れらの図において、前記図1ないし図6によって説明し
たものと同一もしくは同等の部材については、同一符号
を付し詳細な説明は省略する。
【0070】この実施の形態によるブレーキディスクの
製造方法を実施するためには、先ず、図7中にステップ
S1〜ステップS7で示す工程を経てブレーキディスク
本体11を所定形状に形成し、次いで、ステップS8で
めっきを施す。ここでは、耐摩耗性が高いめっき層金属
としてFe−Cr合金を採用する例を示す。このときの
表面金属めっき処理条件は表6による。なお、このめっ
き層金属としては、Fe−Cr合金の他に、Fe,C
r,Niなども使用することができる。
【0071】この実施の形態を採る場合には、めっき
は、めっき層13の厚みが10〜100μm程度の範囲
内に入るように行う。めっき方法は第1の実施の形態を
採るときと同様である。第1の実施の形態を採る場合に
はめっき層13を厚みが20μmより厚くなるように形
成しなければならないが、この実施の形態を採る場合に
は、第1の実施の形態を採るときよりめっき層13の厚
みを薄くしても確実にさらなる微細な網目状のクラック
が形成される。
【0072】めっき工程が終了した後、図7中にステッ
プS9で示すように約500℃で5時間加熱する。この
加熱は、ブレーキディスク本体11を加熱炉(図示せ
ず)などに挿入して行う。この加熱工程でめっき層13
が加熱されることによって、めっき層13に微細な網目
状のクラック15が形成され、図8に示すように、ブレ
ーキディスク本体11の摩擦面に微細なFe−Cr合金
からなる金属片13aがクラック15によって互いに分
離された状態で多数形成される。
【0073】この方法によれば、ブレーキディスク本体
11の全体を加熱するため、全体が均一に熱膨張し、め
っき時の内部応力によるクラックに加え、より微細かつ
均一にクラックを発生させることができ、部分的に大き
なめっき層金属片となることがない。このため、めっき
層金属片の内接円の大きさが大きくばらつくことはな
い。
【0074】より微細な網目状のクラック15を形成す
るためには、母材(アルミニウム合金)とめっき層の熱
膨張率の差から加熱温度を約400℃以上に設定すれば
よい。この実施の形態で示したように加熱温度を500
℃に設定すると、めっき層13を形成するFeまたはC
rの原子が母材へ、ブレーキディスク本体11を形成す
るアルミニウム合金の原子が、クラック15を有するめ
っき層へ互いに拡散し合い、これら両者の間に図8中に
符号17で示す拡散層が形成される。拡散層17は、加
熱温度が約500℃であれば処理時間5時間程度で形成
することができる。
【0075】なお、拡散速度は処理温度に指数関数的に
比例して増加するので、500℃より下げて400℃以
下とすると、逆に拡散速度は低下し拡散層形成に非常な
長時間を要する。一方、処理温度を600℃以上とする
とアルミニウム合金製のブレーキディスク本体11が部
分的に溶解するようになり、ブレーキディスク本体11
が変形する不都合が生じてしまう。また、クラック15
のうちめっき時のものは拡散層17に残留し、加熱によ
る新たなクラックは主にめっき層に形成される。
【0076】上述したようにめっき後にめっき層13を
400℃以上に加熱することによってめっき層13に微
細な網目状のクラック15を形成しても、第1の実施の
形態を採るときと同等の効果を奏する。
【0077】この実施の形態で示したように、めっき層
13とブレーキディスク本体11との間に拡散層17が
形成されるように加熱を行うことにより、めっき層13
の密着強度を増大させることができる。
【0078】第3の実施の形態 めっき層13のクラック15は、めっき層13を形成す
る金属に浸硫窒化処理を施すことによっても微細な網目
状に形成することができる。この実施の形態によるブレ
ーキディスクの製造方法を図9によって詳細に説明す
る。
【0079】図9は浸硫窒化処理によってクラックを形
成するブレーキディスクの製造方法を説明するための工
程図である。同図において、前記図1ないし図8によっ
て説明したものと同一もしくは同等の部材については、
同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0080】この実施の形態によるブレーキディスクの
製造方法を実施するためには、先ず、図9中にステップ
S1〜ステップS7で示す工程を経てブレーキディスク
本体11を所定形状に形成し、次いで、ステップS8で
めっきを施す。ここでは、耐摩耗性が高い金属としてF
e−Cr合金を採用する例を示す。なお、この金属とし
ては、Fe−Cr合金の他に、Fe,Cr,Niなども
使用することができる。めっきは、めっき層13の厚み
が10〜100μm程度の範囲内に入るように行う。め
っき方法は第1の実施の形態を採るときと同様である。
第1の実施の形態を採る場合にはめっき層13を厚みが
20μmより厚くなるように形成しなければならない
が、この実施の形態を採る場合には、第1の実施の形態
を採るときよりめっき層13の厚みを薄くしてもよい。
【0081】めっき工程が終了した後、ステップS10
で示すようにガス浸硫窒化処理を実施する。このガス浸
硫窒化処理は、表7に示すガス浸硫窒化処理条件で行
う。すなわち、N2,H2S,NH3 混合ガスの雰囲気の
炉中でめっき後のブレーキディスク本体11を加熱する
ことによって行う。加熱温度は500℃±50℃、加熱
時間は約5時間である。
【0082】このようにガス浸硫窒化処理を実施するこ
とによって、めっき層13の金属の硬度を増大させるこ
とができるとともに、ガス浸硫窒化処理時にめっき層1
3が加熱されることによって、めっき層13に微細な網
目状のクラック15が形成される。すなわち、第2の実
施の形態を採る場合に較べて硬度が高い微細なFe−C
r合金製金属片13aがクラック15によって互いに分
離された状態でブレーキディスク本体11に多数形成さ
れる。
【0083】上述したようにめっき後にガス浸硫窒化処
理を実施し、めっき層13に微細な網目状のクラック1
5を形成しても、第1の実施の形態を採るときと同様に
耐摩耗性が高いとともにめっき層が剥がれ難いという効
果を奏する。
【0084】また、ガス浸硫窒化処理を実施するときの
温度が第2の実施の形態を採る場合と同様に高温である
ため、めっき層13を形成するFeまたはCrの原子と
ブレーキディスク本体11を形成するアルミニウム合金
の原子とが互いに拡散し合い、これら両者の間に拡散層
17(図8参照)が形成される。このため、めっき層1
3の密着強度を増大させることができる。
【0085】さらにまた、めっき層13の硬度を上げる
ことができるので、摩耗しにくく耐久時間を延ばすこと
ができ、ディスクブレーキ装置の保守はブレーキディス
クより安価なブレーキパッド12を交換するのみで可能
となる。
【0086】第4の実施の形態 めっき層13のクラック15は、めっき層13にバニッ
シングのような機械的な加工を施すことによっても微細
な網目状に形成することができる。この実施の形態によ
るブレーキディスクの製造方法を図10によって詳細に
説明する。
【0087】図10はバニッシングによってクラックを
形成するブレーキディスクの製造方法を説明するための
工程図である。同図において、前記図1ないし図9によ
って説明したものと同一もしくは同等の部材について
は、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0088】この実施の形態によるブレーキディスクの
製造方法を実施するためには、先ず、図10中にステッ
プS1〜ステップS7で示す工程を経てブレーキディス
ク本体11を所定形状に形成し、次いで、ステップS8
でめっきを施す。ここでは、耐摩耗性が高い金属として
Fe−Cr合金を採用する例を示す。なお、この金属と
しては、Fe−Cr合金の他に、Fe,Ni,Crなど
も使用することができる。
【0089】めっきは、めっき層13の厚みが10〜1
00μm程度の範囲内に入るように行う。めっき方法は
第1の実施の形態を採るときと同様である。第1の実施
の形態を採る場合にはめっき層13を厚みが20μmよ
り厚くなるように形成しなければならないが、この実施
の形態を採る場合には、第1の実施の形態を採るときよ
りめっき層13の厚みを薄くしてもよい。
【0090】めっき工程が終了した後、ステップS11
で示すようにバニッシングを実施する。このバニッシン
グは、めっき層13にローラ(図示せず)を押付けて転
動させることによって行う。
【0091】このようにバニッシングを実施することに
よって、めっき層13に微細な網目状のクラック15が
形成される。
【0092】バニッシングが終了した後、Fe−Cr合
金からなるめっき層13の硬度を増大させるために、図
10中にステップS10で示すようにめっき層13にガ
ス浸硫窒化処理を施す。ガス浸硫窒化処理を施すことに
よって、めっき層13の硬度が増大するばかりか、前記
第3の実施の形態を採るときと同様にクラック15の微
細化を図ることができるとともに、めっき層13とブレ
ーキディスク本体11との間に拡散層17(図8参照)
が形成されてめっき層13の密着強度が増大する。ガス
浸硫窒化処理の処理条件は第3の実施の形態を採るとき
と同様である。
【0093】なお、バニッシング後は、ガス浸硫窒化処
理の代わりに第2の実施の形態を採るときと同様に加熱
処理を実施することもできる。加熱温度を400℃以上
に設定することによってクラック15の更なる微細化を
図ることができる。加熱温度が約500℃であれば、め
っき層13とブレーキディスク本体11との間に拡散層
17が約5時間程度で効率的に形成されてめっき層13
の密着強度を増大させることができる。
【0094】上述したようにバニッシングによってめっ
き層13に微細な網目状のクラック15を形成しても、
第1の実施の形態を採るときと同等の効果を奏する。
【0095】第5の実施の形態 めっき層13とブレーキディスク本体11との間には、
別の金属めっき層を形成することができる。この実施の
形態によるブレーキディスクおよびその製造方法を図1
1および図12によって詳細に説明する。
【0096】図11はめっき層とブレーキディスク本体
との間に中間めっき層を形成した他の実施の形態を示す
断面図、図12はめっき工程を説明するための工程図で
ある。これらの図において、前記図1ないし図10によ
って説明したものと同一もしくは同等の部材について
は、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0097】図11において、符号18で示すものは中
間めっき層である。この中間めっき層18は、この実施
の形態ではブレーキディスク本体11にめっきによって
形成している。中間めっき層18を形成する金属材料
は、耐腐食性が高い金属、例えばNiである。この中間
めっき層18とブレーキディスク本体11との間と、中
間めっき層18と外側のめっき層13との間には拡散層
17が形成されている。
【0098】このブレーキディスク3を製造するために
は、第1の実施の形態を採るときと同様にブレーキディ
スク本体11を所定の形状に形成し、図12中にステッ
プP1〜ステップP7で示すめっき前処理とその後の水
洗を実施した後に、ステップP9で示すようにNiめっ
きを実施する。
【0099】このNiめっきは、ブレーキディスク本体
11の外表面にめっき層13を形成するために用いるめ
っき装置を使用して実施する。めっき条件は、ブレーキ
ディスク本体11の外表面にめっき層13を形成すると
きと同様である。
【0100】Niめっき工程が終了した後、水洗を行
い、Niめっき層(中間めっき層18)とブレーキディ
スク本体11との間に前記拡散層17を形成するために
加熱処理を実施する(ステップP10)。このときの加
熱温度も500℃以上に設定する。拡散層17が形成さ
れることによってNiめっき層の密着強度が増大する。
【0101】中間層としてのめっき膜厚は0.1〜5μ
m程度あれば耐食性上十分で厚くする必要はない。薄く
することで、めっき時の内部応力によるクラック発生も
なくまたブレーキング時の発熱による熱膨張に追従する
ことが可能となり、このNiめっき層にクラックが発生
してしまうのを阻止することができる。また、Niは熱
膨張係数がアルミニウム合金に近いため、発生する熱応
力も小さく、クラックはより生じ難い。
【0102】加熱後、ステップP8で示すようにめっき
を実施し、前記Niめっき層の外面に耐摩耗性が高い金
属からなる例えばFe,Fe−CrあるいはCr等のめ
っき層13を形成する。めっき条件は第1の実施の形態
を採るときと同様である。
【0103】このめっき工程が終了した後、前記第2〜
第4の実施の形態を採るときと同様の手順で前記めっき
層13に微細な網目状のクラック15を形成するととも
に、このめっき層13と前記Niめっき層13との間に
拡散層17を形成する。
【0104】この実施の形態で示したように中間めっき
層18を内部に形成することにより、外表面のめっき層
13のクラック15から浸入した水がアルミニウム合金
製のブレーキディスク本体11に接触するのを耐腐食性
が高い金属(Ni)からなる中間めっき層18によって
阻止することができる。
【0105】このため、この実施の形態によるブレーキ
ディスク3は、雨水などがかかってもブレーキディスク
本体11が腐食されることはなく、腐食が原因で外表面
のめっき層13が剥離するのを阻止することができる。
しかも、外表面のめっき層13と中間めっき層18の両
方をめっきによって形成しているから、2種類の金属層
を一つのめっき装置によって形成することができ、製造
コストを低く抑えることができる。
【0106】中間めっき層18を形成するNiは、アル
ミニウム合金より熱膨張率が高いものの、鋳鉄などの鉄
系金属に較べて熱膨張率がアルミニウム合金に近いた
め、アルミニウム合金製ブレーキディスク本体11が熱
膨張するときに発生する熱応力は相対的に小さい。この
ため、中間めっき層18を形成したことが原因でブレー
キディスク3に曲がりや撓みが生じたり、外表面のめっ
き層13がブレーキディスク本体11から剥離してしま
うことはない。
【0107】なお、ブレーキディスク3の摩擦面のめっ
き層13に微細な網目状のクラック15を形成する方法
は、上述した各実施の形態で示した方法に限定されるこ
とはなく、適宜変更することができる。また、この実施
の形態によるブレーキディスク3は、自動二輪車の他
に、自動車や自動三輪車、雪上車などの他の車両にも適
用することができる。
【0108】第6の実施の形態 本発明に係るアルミニウム合金部品およびその製造方法
は、ブレーキディスクの他にエンジンのバルブリフター
に適用することができる。バルブリフターに本発明を適
用するときに採る一実施の形態を図13ないし図16に
よって詳細に説明する。
【0109】図13はエンジンの可変動弁機構を示す断
面図、図14はバルブリフタの要部を拡大して示す断面
図、図15はバルブリフタの斜視図で、同図は軸心を通
る破断面で破断した状態で描いてある。図16はバルブ
リフタにめっきを施している状態を示す断面図である。
【0110】図13において、符号21で示すものは、
この実施の形態によるエンジンの可変動弁機構である。
この可変動弁機構21は、1気筒当たり2本の吸気弁2
2を1本の吸気カム軸23で駆動する構造を採ってい
る。なお、ここでは吸気弁22を駆動する構造について
説明するが、排気弁も吸気弁と同一の構造によって駆動
する。
【0111】前記吸気弁22の弁軸22aにはスプリン
グリテーナー24を装着し、このスプリングリテーナー
24とシリンダヘッド25との間にバルブスプリング2
6を弾装している。また、吸気弁22と吸気カム軸23
のカム27との間には、バルブリフター28を介装して
いる。
【0112】バルブリフター28は、アルミニウム合金
を使用しダイカストあるいは鍛造によって有底円筒状に
形成し、図14に示すように、頂部外面に摺動子29を
嵌合させるとともに、頂部内面に吸気弁22の弁軸先端
を当接させ、外周部をシリンダヘッド25のリフター孔
25aに摺動自在に嵌合させている。前記摺動子29
は、耐摩耗性が高い金属あるいはセラミックによって半
球状に形成し、バルブリフター28の頂部外面に形成し
た半球状凹陥部30に摺動自在に嵌合させている。この
摺動子29を介して前記カム27からバルブリフター2
8に駆動力が伝達される。
【0113】吸気カム軸23は、カム27を有するカム
軸本体31と、このカム軸本体31の一方の軸端部に装
着した支持軸32とを備えている。これら両部材の軸端
部には、カム軸変位装置33を装着している。
【0114】カム軸本体31はシリンダヘッド25に回
転自在かつ軸線方向に移動自在に支持させ、支持軸32
はシリンダヘッド25に軸線方向への移動が阻止される
状態で回転自在に支持させている。また、カム27は、
3次元カムであり、カム面の位置がカム軸本体31の径
方向に変化するとともに、軸線方向に対して傾斜するよ
うに形成している。このカム面に前記摺動子29の平坦
面を摺接させている。
【0115】前記カム軸変位装置33は、カム軸本体3
1を軸線方向に移動させてバルブタイミングあるいは及
びバルブリフト曲線を変化させる構造を採っている。
【0116】このように構成した可変動弁機構21にお
いては、カム軸変位装置33でカム軸本体31を軸線方
向に移動させることによって、カム面の突出量が変化
し、吸気弁22の開度と開閉時期とを変化させることが
できる。このとき、摺動子29がバルブリフター28の
半球状凹陥部30に嵌合した状態でカム面に追従するよ
うに傾斜するから、カム27の位置が変化してもバルブ
リフター28に駆動力を伝達することができる。
【0117】バルブリフター28は、各摺接面、すなわ
ち前記摺動子29が嵌合する半球状凹陥部30と、吸気
弁22の弁軸22aが当接する弁押圧面34と、リフタ
ー孔25aに嵌合する外周面とに耐摩耗性が高い金属か
らなるめっき層を形成している。このめっき層には、微
細な網目状のクラック15を形成している。
【0118】前記摺接面にめっきを施すためには、図1
6に示すように、バルブリフター28をめっき液槽35
に浸漬し、頂面および外周面を有底円筒状の第1の陽極
36で覆うとともに、頂部内面の弁押圧面34に第2の
陽極37を対向させ、バルブリフター28を陰極として
実施する。電源は直流電源である。
【0119】めっき条件は、第1の実施の形態を採ると
きと同一である。すなわち、表6で示した条件でFeめ
っきまたはFe−Crめっきを実施する
【0120】このように耐摩耗性が高い金属からなるめ
っき層をバルブリフター28の前記摺接面に形成した
後、第2の実施の形態を採るときのようにバルブリフタ
ー28を加熱したり、第3の実施の形態を採るときのよ
うにガス浸硫窒化処理を施す。この加熱処理またはガス
浸硫窒化処理を施すことによって、めっき層の全域に図
4に示すように微細な網目状のクラック15が形成され
る。
【0121】したがって、この実施の形態によれば、摺
接面の耐摩耗性が高いアルミニウム合金製のバルブリフ
ター28を製造することができ、可変動弁機構21の軽
量化を図ることができる。特に、弁押圧面34はガス浸
硫窒化処理によりめっき層の体力が増しており、高面圧
にもへたることがない。
【0122】バルブリフター28に耐摩耗性の高い金属
からなるめっき層を形成するためには、図17および図
18に示すように、高速めっき装置によって実施するこ
とができる。
【0123】図17はバルブリフター用高速めっき装置
の要部を拡大して示す断面図、図18はバルブリフター
用高速めっき装置の断面図である。これらの図に示す高
速めっき装置41は、バルブリフター28の外側に第1
のめっき液室42を形成するための第1の外筒43と、
バルブリフター28の内周部側に第2のめっき液室44
を形成するための第2の外筒45とを備え、前記第1の
めっき液室42内に設けた第1の内筒46と、第2のめ
っき液室44内に設けた第2の内筒47とからそれぞれ
めっき液室42,44内にめっき液を供給する構造を採
っている。
【0124】第1の外筒43は、架台48に支持部材4
9を介して固定し、バルブリフター28側の端部をバル
ブリフター28に絶縁性を有するシール部材50を介し
て接触させている。シール部材50は円環板状に形成
し、前記第2の外筒45に支持させている。第1の外筒
43の内方の第1のめっき液室42は、バルブリフター
28の半球状凹陥部30が室壁の一部をなすように形成
している。また、この第1のめっき液室42は、めっき
液をめっき液槽51に戻すための戻り用配管52を接続
している。
【0125】前記第2の外筒45は、架台48に支持部
材53を介して軸線方向に移動可能に支持させ、バルブ
リフター28の内側底面に絶縁性を有するシール部材5
4を介して接触させている。第2の外筒45の内方の第
2のめっき液室44は、バルブリフター28の内側の弁
押圧面34が室壁の一部をなすように形成している。ま
た、この第2のめっき液室44は、めっき液をめっき液
槽51に戻すための戻り用配管55を接続している。
【0126】前記第1の内筒46は、絶縁部材56を介
して前記第1の外筒43に支持させ、一端をバルブリフ
ター28が収納されるように形成するとともに、他端を
めっき液供給用配管57によってめっき液ポンプ58の
吐出口に接続している。第1の内筒46におけるバルブ
リフター28の頂面と対向する部分は、ストッパーゴム
46aを介してバルブリフター28に当接させている。
ストッパーゴム46aは、第1の内筒46とバルブリフ
ター28との間に形成されるめっき液用の通路を閉塞す
ることがないように、第1の内筒46の周方向に間隔を
おいて複数設けている。前記めっき液ポンプ58は、め
っき液槽51に貯留しためっき液を吸い上げて吐出する
構造を採っている。
【0127】前記第2の内筒47は、絶縁部材58と円
板状のキャップ59を介して前記支持部材53に支持さ
せ、一端をバルブリフター内側の弁押圧面34に対向さ
せるとともに、他端をめっき液供給用配管60によって
前記めっき液ポンプ58の吐出口に接続している。ま
た、第2の内筒47を支持する前記キャップ59には、
第2の外筒45および第2の内筒47をバルブリフター
28に対して進退させるための空気シリンダ61を接続
している。すなわち、この空気シリンダ61で第2の外
筒45を図18において左側へ移動させることによっ
て、この第2の外筒47と、前記第1の内筒46とでバ
ルブリフター28を挾持する構造を採っている。
【0128】このように構成した高速めっき装置41に
おいては、第1および第2の内筒46,47を陽極とす
るとともにバルブリフター28を陰極とし、第1および
第2のめっき液室42,44にめっき液を常に循環させ
た状態でめっきを行う。第1および第2の内筒46,4
7とバルブリフター28は、図18中に符号62で示す
制御回路にそれぞれ接続している。制御回路62は、整
流器63を介して交流電源64に接続している。
【0129】この高速めっき装置41を使用して耐摩耗
性が高い金属からなるめっき層をバルブリフター28に
形成するためのめっき条件(めっき液組成、電流密度、
液温)は、第1の実施の形態を採るときと同一である。
【0130】高速めっき装置41によってバルブリフタ
ー28にめっき層を形成すると、めっき時間を著しく短
縮することができる。
【0131】第7の実施の形態 本発明に係るアルミニウム合金部品およびその製造方法
は、エンジンのロッカーアームに適用することができ
る。ロッカーアームに本発明を適用するときに採る一実
施の形態を図19ないし図21によって詳細に説明す
る。
【0132】図19はロッカーアームを有する可変動弁
機構の断面図、図20はロッカーアームの斜視図、図2
1はロッカーアームにめっきを施している状態を示す断
面図である。これらの図において、符号71はロッカー
アームを示し、72はロッカーシャフトを示し、73は
カム軸、74は吸・排気弁、75はスプリングリテー
ナ、76はバルブスプリングを示す。また、ロッカーア
ーム71の先端部には、ステンレス鋼製で外周にタッピ
ング雄ねじを形成した円筒状インサート部材77と、ア
ジャストスクリュー78とを装着している。アジャスト
スクリュー78にはロックナット79を螺着している。
【0133】この実施の形態によるロッカーアーム71
は、アルミニウム合金を使用しダイカストあるいは鍛造
によって形成し、カム軸73のカム80との間に摺動子
81を介装している。この摺動子81は、耐摩耗性が高
い金属あるいはセラミックによって半球状に形成し、球
面をロッカーアーム71の半球状凹陥部82に摺動自在
に嵌合させている。前記カム軸73は、前記第6の実施
の形態を採るときと同様にカム80を軸線方向に移動さ
せるカム軸変位装置(図示せず)を備えている。このた
め、カム80は三次元カムである。
【0134】ロッカーアーム71の摺接面、すなわち前
記半球状凹陥部82の内壁面と、ロッカーシャフト72
が嵌合するロッカーシャフト孔83の孔壁面は、耐摩耗
性が高い金属からなるめっき層を形成している。
【0135】このめっき層をロッカーアーム71に形成
するためには、図21に示すように、めっき液槽84に
ロッカーアーム71を浸漬させ、半球状凹陥部83に第
1の陽極85を対向させるとともにロッカーシャフト孔
83内に棒状の第2の陽極86を臨ませ、ロッカーアー
ム71を陰極としてめっき処理を実施する。電源は直流
電源である。
【0136】めっき条件は、第1の実施の形態を採ると
きと同一である。すなわち、表6で示した条件でFeめ
っきまたはFe−Crめっきを実施する。
【0137】このように耐摩耗性が高い金属からなるめ
っき層をロッカーアーム71の前記摺接面に形成した
後、第2の実施の形態を採るときのようにロッカーアー
ム71を加熱したり、第3の実施の形態を採るときのよ
うにガス浸硫窒化処理を施す。この加熱処理またはガス
浸硫窒化処理を施すことによって、めっき層の全域に図
4に示したように微細な網目状のクラックが形成され
る。
【0138】したがって、この実施の形態によれば、摺
接面の耐摩耗性が高いアルミニウム合金製のロッカーア
ーム71を製造することができ、可変動弁機構の軽量化
を図ることができる。
【0139】第8の実施の形態 本発明に係るアルミニウム合金部品およびその製造方法
は、エンジンのピストンに適用することができる。ピス
トンに本発明を適用するときに採る一実施の形態を図2
2によって詳細に説明する。図22はピストンにめっき
を施している状態を示す断面図である。
【0140】図22に示すピストン91は、アルミニウ
ム合金を使用しダイカストあるいは鍛造によって形成
し、ピストンピン孔92の孔壁面と、頂面と、外周面
と、ピストンリング溝93の壁面とに耐摩耗性が高い金
属からなるめっき層を形成している。このめっき層を形
成するためには、図22において符号84で示すピスト
ン用めっき装置によって実施する。
【0141】このめっき装置94は、めっき液を貯留さ
せためっき液槽95と、このめっき液槽の底に絶縁部材
96を介して支承させた有底円筒状の陰極97と、この
陰極97に絶縁部材98,99を介して支持させた第1
の陽極100および第2の陽極101と、これらの陰極
97および陽極100,101に接続した直流電源回路
102とから構成している。
【0142】前記陰極97は、内側底面にピストン91
を支承するとともに、ピストン91のスカート部91a
を覆う構造を採っている。この実施の形態では、陰極9
7の内周部を前記スカート部91aが嵌合できるように
形成している。前記第1の陽極100は、陰極97に嵌
合させて載置したピストン91のピストンピン孔92に
挿通できるように丸棒状に形成している。
【0143】第2の陽極101は、ピストン91の頂面
および頂部外周面を覆う有底円筒状に形成している。前
記ピストン頂部とは、ピストンリング溝93を形成した
部位よりピストン頂面側の部位である。また、第2の陽
極101におけるピストン頂面と対向する部位には、め
っき液を通すための貫通孔101aを複数穿設してい
る。
【0144】このめっき装置94によってピストン91
にめっき層を形成するためには、ピストン91を陰極9
7に嵌合させ、この陰極97と、ピストンピン孔92に
挿通させた第1の陽極100およびピストン頂部を覆う
第2の陽極101とに電圧を印加して行う。めっき条件
は、第1の実施の形態を採るときと同一である。すなわ
ち、表6で示した条件でFeめっきまたはFe−Crめ
っきを実施する。
【0145】このように耐摩耗性が高い金属からなるめ
っき層をピストン91に形成した後、第2の実施の形態
を採るときのようにピストン91を加熱したり、第3の
実施の形態を採るときのようにガス浸硫窒化処理を施
す。この加熱処理またはガス浸硫窒化処理を施すことに
よって、めっき層の全域に図4に示すように微細な網目
状のクラックが形成される。
【0146】したがって、この実施の形態によれば、ピ
ストンピン孔92の孔壁面、外周面、ピストンリング溝
93の壁面の耐摩耗性が高いアルミニウム合金製のピス
トン91を製造することができ、エンジンの軽量化を図
ることができる。また、ピストン頂面に耐熱性が高いF
eあるいはFe−Crのめっき層を形成しているから、
ピストン91受圧面の高温強度を向上させることができ
る。これとともに、クラックを付与することにより、め
っき層の剥れもなく耐久性を高めることができる。
【0147】第9の実施の形態 本発明に係るアルミニウム合金部品およびその製造方法
は、エンジンのコンロッドに適用することができる。コ
ンロッドに本発明を適用するときに採る一実施の形態を
図23によって詳細に説明する。図23はコンロッドに
めっきを施している状態を示す断面図である。
【0148】図23に示すコンロッド110は、アルミ
ニウム合金を使用しダイカストあるいは鍛造によって形
成し、大端穴111の穴壁面と、小端穴112の穴壁面
とに耐摩耗性が高い金属からなるめっき層を形成してい
る。
【0149】前記両穴壁面にめっき層を形成するために
は、図23中に符号113で示すコンロッド用めっき装
置によって実施する。このめっき装置113は、めっき
液を貯留させためっき液槽114と、このめっき液槽1
14の底に支承させた電極用支持部材115と、この電
極用支持部材115に絶縁部材116〜118を介して
支持させた棒状の陰極119および第1、第2の陽極1
20,121と、これらの電極に電圧を印加するための
直流電源回路122などから構成している。
【0150】前記電極用支持部材115は、めっき液槽
114の底に載置させた基台123と、この基台123
の一端部に枢着させて上方に延びる第1の連結部材12
4と、この第1の連結部材124の上端部に一端部を枢
着させて水平方向に延びる支持板125と、この支持板
125の他端部に枢着させて下方に延びる第2の連結部
材126とから構成している。第2の連結部材126の
下端部は、固定用蝶ねじ127によって前記基台123
の他端部に固定している。
【0151】前記陰極119は、前記支持板125を貫
通して支持板125から下方に延び、下端を前記基台1
16に支持させている。この陰極119にコンロッド1
10を4本、上下方向に間隔をおいて固定している。ま
た、前記支持板125の一端部に第1の陽極120をコ
ンロッド110の大端穴111に挿通する状態で支持さ
せ、他端部に第2の陽極121をコンロッド110の小
端穴112に挿通する状態で支持させている。
【0152】このめっき装置113によってコンロッド
110にめっき層を形成するためには、コンロッド11
0を陰極119に固定し、この陰極119と、第1およ
び第2の陽極120,121とに電圧を印加して行う。
めっき条件は、第1の実施の形態を採るときと同一であ
る。すなわち、表6で示した条件でFeめっきまたはF
e−Crめっきを実施する。
【0153】このように耐摩耗性が高い金属からなるめ
っき層をコンロッド110に形成した後、第2の実施の
形態を採るときのようにコンロッド110を加熱した
り、第3の実施の形態を採るときのようにガス浸硫窒化
処理を施す。この加熱処理またはガス浸硫窒化処理を施
すことによって、めっき層の全域に微細な網目状のクラ
ックが形成される。
【0154】したがって、この実施の形態によれば、大
端穴111および小端穴112の穴壁面の耐摩耗性が高
いアルミニウム合金製のコンロッド110を製造するこ
とができ、エンジンの軽量化を図ることができる。
【0155】
【実施例】ブレーキディスク本体11や、バルブリフタ
ー28や、ロッカーアーム71や、ピストン91や、コ
ンロッド110を形成するアルミニウム合金としては、
例えば、下記の表1中に合金1〜合金3として示したも
のを使用することができる。
【0156】
【表1】
【0157】表1に示す合金1を使用することにより強
度が高くなり、合金2,3を使用することによって耐熱
性が高くなる。すなわち、一般的なアルミニウム合金で
上述した各部材を形成すると、制動時やエンジン運転時
の温度上昇により強度が低下して容易に変形が生じる。
このため、Fe,Zrを添加し、強度、耐熱性を向上さ
せた。ブレーキディスク本体11のディスク材の製造
は、スプレーフォーミングによるビュレット作製によ
る。これは、金属組成中の結晶粒径を微細化(1μm以
下)とし、強度向上を図っている。これら合金は、鋳造
による成形はできない。溶かすと粗大なAl−Feの金
属間化合物が晶出するため脆くなってしなう。そこで、
鍛造により成形を行う。
【0158】ブレーキパッド12の材料としては、下記
の表2〜表4に示したものを使用することができる。表
2および表3は合成樹脂材製パッドの材料例を示し、表
4は焼結材製パッドの材料例を示す。
【0159】
【表2】
【0160】
【表3】
【0161】
【表4】
【0162】表4中に示した材料で形成した焼結材製パ
ッドは、硬度がHV相当で50以下になる。なお、表4
中にその他として示した材料は、組成比が10%以下に
なるものである。
【0163】各実施の形態を採るときに実施するめっき
前処理は、下記の表5に示した条件で実施した。
【0164】
【表5】
【0165】ブレーキディスクの外表面、バルブリフタ
ーの摺接面、ロッカーアームの摺接面、ピストンの摺接
面、コンロッドの摺接面にFeめっきまたはFe−Cr
合金めっきを施す場合のめっき条件を下記の表6に示
す。
【0166】
【表6】
【0167】表6中に示す各項目には、Feめっき、F
e−Crめっきとも膜厚が20μmになり、Feめっき
の硬度がHVで300〜400、Fe−Crめっきの硬
度がHVで600〜700になるようにめっきを実施す
る場合の値を記載している。
【0168】めっき層13に形成される微細な網目状の
クラック15は、幅が1〜10μmになり、クラック密
度が10〜30mm/mm2 である。このとき、クラッ
ク15による網目形状の内接円の直径dはほとんどのも
のが1.5mm以下となる。クラック密度とは、めっき表
面1mm2 当たりのクラック15の長さ(mm)を合計
したもののことである。拡散層17は、厚みが1〜50
μm程度である。中間めっき層18は、材料金属がNi
の場合には厚みが0.1〜5μm程度である。
【0169】ガス浸硫窒化処理は、下記の表7に示す条
件で実施した。
【0170】
【表7】
【0171】表7で示す条件によってガス浸硫窒化処理
を実施すると、Feめっきの場合には硬度がHVで75
0程度(700〜800)になり、Fe−Cr合金めっ
きの場合には硬度がHVで1250程度(1100〜1
350)になる。
【0172】なお、ブレーキディスクに本発明を適用す
るときに採る実施の形態では、ハブ2へのブレーキパッ
ド12による摩擦熱を逃がすことができる効果を狙って
熱伝導性のよいアルミニウム合金製ブレーキディスク本
体11の内周部をハブ2に直接固定する例を示したが、
ブレーキディスク本体11の表面積が大きいなどブレー
キパッド12が当接する部位以外の放熱性が充分である
場合には、ブレーキディスク本体11としては、内周部
に円環状の鉄系合金製取付板を取付け、この取付板を介
してハブ2に取付ける構造を採ることができる。また、
ブレーキディスク本体11は、外周部に円環状の鉄系合
金製取付板を取付け、この取付板を介してハブ2に取付
けることもできる。この構造を採る場合には、ブレーキ
ディスク本体11の内周側にブレーキパッドを摺接させ
る。
【0173】また、上記の各実施の形態におけるアルミ
ニウム合金部品を鍛造ではなくダイカストで形成しても
よい。すなわち、図5、図7、図9および図10のステ
ップS1ないしステップS14の代わりに、アルミニウ
ム合金の溶湯を高圧で金型内に注入した後冷却し、湯口
の切断や湯バリ取りを行った後、ステップS5のT6処
理に進めるようにする。なおまた、ガス浸硫窒化処理の
代わりにN2,NH3の混合ガスを使い、加熱温度500
±50℃、加熱時間約5時間のガス窒化処理を実施する
ようにしてもよい。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、別
部品がめっき層に摺接し、アルミニウム合金に接触する
のを阻止することができるから、耐摩耗性が高いアルミ
ニウム合金部品を提供することができる。
【0175】請求項2記載の発明によれば、摺接面のめ
っき層がクラックによって互いに分離された無数の微細
な金属片状とされる。前記金属片は、アルミニウム合金
部品が熱膨張してもこれに追従することができる。この
ため、耐摩耗性が高い金属を設ける構造を採りながら、
熱応力が発生しないかつめっき層が剥離し難いアルミニ
ウム合金部品を提供することができる。
【0176】請求項3記載の発明によれば、網目形状の
内接円の直径が1.5mm以下になる微細なクラックによ
る各網目形状の金属片は、アルミニウム合金部品が熱膨
張してもこれに追従することができる。このため、耐摩
耗性が高い金属を設ける構造を採りながら、熱応力が発
生しないかつめっき層が剥離し難いアルミニウム合金部
品を提供することができる。
【0177】請求項4記載の発明によれば、クラックに
浸入した水がアルミニウム合金に接触するのを耐腐食性
が高い金属からなる中間めっき層によって阻止すること
ができる。このため、アルミニウム合金部品に雨水など
がかかってもこれが腐食されることはなく、腐食が原因
でめっき層が剥離するのを阻止することができる。
【0178】請求項5記載の発明によれば、めっき層に
窒化処理あるいは浸硫窒化処理が施されるから、めっき
層の硬度が増大し、耐摩耗性が向上する。このため、耐
摩耗性がより一層高いアルミニウム合金部品を提供する
ことができる。
【0179】請求項6記載の発明によれば、アルミニウ
ム合金製ブレーキディスクの摺接面の耐摩耗性が向上す
る。このため、軽量化と耐摩耗性の向上とを両立させた
ブレーキディスクを提供することができる。
【0180】請求項7記載の発明によれば、アルミニウ
ム合金製バルブリフター28の摺接面の耐摩耗性が向上
する。このため、軽量化と耐摩耗性の向上とを両立させ
たバルブリフター28を提供することができる。
【0181】請求項8記載の発明によれば、アルミニウ
ム合金製ロッカーアームの摺接面の耐摩耗性が向上す
る。このため、軽量化と耐摩耗性の向上とを両立させた
ロッカーアームを提供することができる。
【0182】請求項9記載の発明によれば、アルミニウ
ム合金製ピストンのピストンピン孔の耐摩耗性が向上す
る。このため、軽量化と耐摩耗性の向上とを両立させた
ピストンを提供することができる。
【0183】請求項10記載の発明によれば、アルミニ
ウム合金製コンロッドの摺接面の耐摩耗性が向上する。
このため、軽量化と耐摩耗性の向上とを両立させたコン
ロッドを提供することができる。
【0184】請求項11記載の発明によれば、アルミニ
ウム合金部品に耐摩耗性が高い金属からなる金属層をめ
っきによって形成することができ、めっき工程で前記金
属層にクラックを形成することができる。このクラック
は、このアルミニウム合金部品を使用することにより発
生する熱によって微細な網目状に形状が変化する。
【0185】この発明を実施するためのめっき装置は汎
用のものを使用することができるから、耐摩耗性が高い
金属をアルミニウム合金部品に設けるための特別な接合
装置が不要で、しかも、専ら金属層にクラックを形成す
るための装置や特別な処理も不要である。
【0186】このため、軽量化および耐摩耗性の向上を
図ることができるアルミニウム合金部品を低いコストで
製造することができる。
【0187】請求項12記載の発明によれば、アルミニ
ウム合金部品に耐摩耗性が高い金属からなる金属層をめ
っきによって形成することができ、めっき後の加熱工程
で前記金属層に微細な網目状のクラックを形成すること
ができる。
【0188】めっき装置は汎用のものを使用することが
できるから、耐摩耗性が高い金属をアルミニウム合金部
品に設けるための特別な接合装置が不要になる。専ら金
属層にクラックを形成するための装置も不要である。こ
のため、軽量化および耐摩耗性の向上を図ることができ
るアルミニウム合金部品を低いコストで製造することが
できる。
【0189】また、めっき後の加熱工程で、前記金属層
を形成する金属と、アルミニウム合金部品を形成するア
ルミニウム合金とが互いに拡散し合い、これら両者の間
に拡散層が形成されるから、前記金属層の密着強度を増
大させることができる。
【0190】請求項13記載の発明によれば、アルミニ
ウム合金部品に耐摩耗性が高い金属からなる金属層をめ
っきによって形成することができ、浸硫窒化処理を実施
するときの熱で前記金属層に微細な網目状のクラックを
形成することができる。
【0191】めっき装置は汎用のものを使用することが
できるから、耐摩耗性が高い金属をアルミニウム合金部
品に設けるための特別な接合装置が不要になる。専ら金
属層にクラックを形成するための処理を実施しなくても
よい。また、浸硫窒化処理を実施することにより金属層
の硬度を増大させることができる。
【0192】このため、軽量化を図ることができるとと
もに、金属層の硬度が増大することにより耐摩耗性がよ
り一層高くなるアルミニウム合金部品を低いコストで製
造することができる。また、浸硫窒化処理を実施すると
きに加熱されることによって、前記金属層を形成する金
属と、アルミニウム合金部品を形成するアルミニウム合
金とが互いに拡散し合い、これら両者の間に拡散層が形
成されるから、前記金属層の密着強度を増大させること
ができる。
【0193】請求項14記載の発明によれば、クラック
に浸入した水がアルミニウム合金に接触するのを阻止す
る中間金属層をめっきによって形成することができる。
【0194】このため、2種類の金属層を一つのめっき
装置によって形成することができるから、耐腐食性およ
びめっき層の密着強度が高いアルミニウム合金部品を低
いコストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ディスクブレーキ装置を示す断面図である。
【図2】 ブレーキキャリパーの断面図である。
【図3】 ブレーキディスクの要部を拡大して示す断面
図である。
【図4】 めっき層のクラックを模式的に示す図であ
る。
【図5】 ブレーキディスクの製造方法を説明するため
の工程図である。
【図6】 めっきの前処理を説明するための工程図であ
る。
【図7】 加熱によりクラックを形成するブレーキディ
スクの製造方法を説明するための工程図である。
【図8】 ブレーキディスクの要部を拡大して示す断面
図である。
【図9】 浸硫窒化処理によってクラックを形成するブ
レーキディスクの製造方法を説明するための工程図であ
る。
【図10】 バニッシングによってクラックを形成する
ブレーキディスクの製造方法を説明するための工程図で
ある。
【図11】 めっき層とブレーキディスク本体との間に
金属層を形成した他の実施の形態を示す断面図である。
【図12】 めっき工程を説明するための工程図であ
る。
【図13】 エンジンの可変動弁機構を示す断面図であ
る。
【図14】 バルブリフタの要部を拡大して示す断面図
である。
【図15】 バルブリフタの斜視図である。
【図16】 バルブリフタにめっきを施している状態を
示す断面図である。
【図17】 バルブリフター用高速めっき装置の要部を
拡大して示す断面図である。
【図18】 バルブリフター用高速めっき装置の断面図
である。
【図19】 ロッカーアームを有する可変動弁機構の断
面図である。
【図20】 ロッカーアームの斜視図である。
【図21】 ロッカーアームにめっきを施している状態
を示す断面図である。
【図22】 ピストンにめっきを施している状態を示す
断面図である。
【図23】 コンロッドにめっきを施している状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
3…ブレーキディスク、11…ブレーキディスク本体、
13…めっき層、15…クラック、17…拡散層、18
…中間めっき層、28…バルブリフター、71…ロッカ
ーアーム、91…ピストン、110…コンロッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 7/00 F16C 7/00 F16D 65/12 F16D 65/12 E F16J 1/16 F16J 1/16

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 別部品が摺接する摺接面を有するアルミ
    ニウム合金部品であって、前記摺接面に耐摩耗性が高い
    金属からなるめっき層を形成したことを特徴とするアル
    ミニウム合金部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム合金部品に
    おいて、めっき層は、微細な網目状のクラックが全域に
    形成されていることを特徴とするアルミニウム合金部
    品。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のアルミニウム合金部品に
    おいて、微細な網目状のクラックは、クラックによる各
    編み目形状の内接円の直径が1.5mm以下であることを
    特徴とするアルミニウム合金部品。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のアルミニウム合金部品に
    おいて、網目状のクラックを有するめっき層とアルミニ
    ウム合金母材との間に、耐腐食性が高い金属からなる中
    間めっき層を形成したことを特徴とするアルミニウム合
    金部品。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のうち何れか一
    つのアルミニウム合金部品において、めっき層を、窒素
    または窒素と硫黄を表面から浸透させた鉄または鉄を含
    む合金によって形成したことを特徴とするアルミニウム
    合金部品。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のうち何れか一
    つのアルミニウム合金部品をブレーキディスクとし、こ
    のブレーキディスクにおけるブレーキパッドが摺接する
    摩擦面に耐摩耗性が高い金属からなるめっき層を形成し
    たことを特徴とするアルミニウム合金部品。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のうち何れか一
    つのアルミニウム合金部品をエンジンの動弁装置用バル
    ブリフターとし、このバルブリフターにおける頂部側の
    摺接面と外周面のうち少なくとも一方の面に耐摩耗性が
    高い金属からなるめっき層を形成したことを特徴とする
    アルミニウム合金部品。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項5のうち何れか一
    つのアルミニウム合金部品をエンジンの動弁装置用ロッ
    カーアームとし、このロッカーアームにおける動弁カム
    が摺接する摺接面に耐摩耗性が高い金属からなるめっき
    層を形成したことを特徴とするアルミニウム合金部品。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項5のうち何れか一
    つのアルミニウム合金部品をエンジンのピストンとし、
    このピストンにおけるピストンピン孔の孔壁面に耐摩耗
    性が高い金属からなるめっき層を形成したことを特徴と
    するアルミニウム合金部品。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項5のうち何れか
    一つのアルミニウム合金部品をエンジンのコンロッドと
    し、このコンロッドの小端穴の穴壁面と大端穴の穴壁面
    のうち少なくとも一方に耐摩耗性が高い金属からなるめ
    っき層を形成したことを特徴とするアルミニウム合金部
    品。
  11. 【請求項11】 別部品が摺接する摺接面を有するアル
    ミニウム合金部品の前記摺接面に耐摩耗性が高い金属か
    らなる金属層をめっきによって形成するアルミニウム合
    金部品の製造方法であって、めっきを、前記金属層の厚
    みがこの金属層にクラックが発生する厚みに達するまで
    実施することを特徴とするアルミニウム合金部品の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 別部品が摺接する摩擦面を有するアル
    ミニウム合金部品の前記摺接面に耐摩耗性が高い金属か
    らなる金属層をめっきによって形成し、次いで、前記金
    属層を加熱することにより、この金属層に微細な網目状
    のクラックを全域に発生させることを特徴とするアルミ
    ニウム合金部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 別部品が摺接する摺接面を有するアル
    ミニウム合金部材の前記摺接面に耐摩耗性が高い金属か
    らなる金属層をめっきによって形成し、次いで、前記金
    属層に浸硫窒化処理を施すことにより、この金属層に微
    細な網目状のクラックを全域に発生させることを特徴と
    するアルミニウム合金部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項11ないし請求項13のうち何
    れか一つのアルミニウム合金部品の製造方法において、
    アルミニウム合金部品に金属層をめっきによって形成す
    る以前に、アルミニウム合金部品の摺接面に耐蝕性が高
    い金属からなる金属層をめっきによって形成することを
    特徴とするアルミニウム合金部品の製造方法。
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