JP2000225460A - 希土類含有合金又は水素吸蔵合金の製造装置および製造方法 - Google Patents
希土類含有合金又は水素吸蔵合金の製造装置および製造方法Info
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Abstract
転する水冷ロール又は水冷円盤などに出湯し溶湯を急速
に冷却する合金の製造法において、合金の冷却条件を一
定に保持することが容易な合金の製造装置・制御技術を
提供する。 【解決手段】 真空チャンバー内に炉体5および炉体5
を傾動する装置4を有する溶解炉を備えた希土類含有合
金又は水素吸蔵合金の製造装置において、坩堝6内の溶
湯7を定量出湯し、かつ坩堝6内の溶湯残量に合わせて
高周波出力を制御する装置を設けた。
Description
湯する必要のある、ストリップキャスト法やアトマイズ
法などの鋳造法を利用した希土類含有合金又は水素吸蔵
合金の製造装置に関する。
希土類含有合金又は水素吸蔵合金の製造にあたり、合金
諸特性の高特性化をはかる目的で、溶融合金を回転する
水冷ロール又は水冷円盤などを用いて急速に冷却し、該
合金内部が均一で微細かつ組成に偏析のない薄帯又は薄
片、もしくは粉体を得る鋳造法が用いられるようになっ
ている。このような鋳造法では、得られる合金すべてを
できるだけ同じような金属組織、組成、結晶サイズにす
ることが必要で、そのために、溶湯のすべてを出湯速
度、量、温度などについて同じような冷却条件下で行う
ことが求められている。この要求に応えるためには、溶
湯全てを短時間に処理する方法が最も適していると考え
られる。しかし、実際には、水冷ロール又は水冷円盤な
どの機器の冷却能力が溶解坩堝からの傾注量と比較し劣
っている場合が多いために、冷却機器の能力に合わせて
溶湯を少しずつ傾注して冷却する方法が採られている。
とりわけ、合金の高特性化をはかることと防災の観点か
ら大気下での溶解鋳造が困難な希土類含有合金又は水素
吸蔵合金の場合は、減圧下又は不活性雰囲気下で処理す
る必要があり、これら機器をチャンバー内に収納しなけ
ればならないという制約があるため、生産性などを考慮
してチャンバー内に機器を配置すると、処理能力の差が
より顕著となって、冷却機器の能力に合わせて時間をか
け溶湯を少しずつ傾注する方法が不可欠となっている。
注する場合、溶解坩堝の形状のほとんどが円筒形である
ため傾動角度あたりの傾注量が異なることから、単に炉
体の傾動速度を一定にしただけでは、溶湯の出湯量・出
湯速度を一定にはできないでいた。そこで、やむをえず
溶解坩堝以外に定量出湯のための専用坩堝又はタンディ
ッシュを設けるなどして対処する以外に方法がなかっ
た。また、傾注時間が長くなることから、たとえば傾注
中に溶湯温度が低下し溶湯に含まれる高融点元素が析出
・凝固することで溶湯組成が変化してしまい、得られる
合金の組成がばらついたり、合金組織や結晶サイズが不
均一になるなど、上記鋳造法を用いる目的を達成するこ
とが困難であった。
であって、溶湯を高周波加熱する形式のものは、溶湯温
度を保つ目的で傾動中も高周波加熱を行おうとしても、
傾動中の坩堝内の溶湯位置および量が大きく変化するた
め、傾動中に高周波加熱がかかりすぎ、溶湯が高温にな
りすぎたり、また高周波加熱がかからなくなって溶湯温
度が低下し、溶湯が凝固してしまうなど、溶湯の温度が
大きく変化し冷却条件を著しく変えてしまう事態が発生
していた。
が低下しても出湯後期まで凝固しないように溶湯温度を
予め高めにするなどの方法や、溶解坩堝以外に、傾注量
の制御と溶湯温度制御のための専用坩堝又はタンディッ
シュを設け、冷却装置へ供給する方法が採られている。
しかし、溶湯温度を予め高めにした場合は、出湯終了
まで溶湯を凝固させないという目的は達成されるが、溶
湯の温度低下防止と冷却条件の管理についての有効な対
策にはなっていない。また、溶解坩堝以外に保温機構を
もったタンディッシュに一旦蓄え、加熱・保温する方法
は、有効ではあるが、溶湯を加熱・保温するための方法
に問題があり現実的では無かった。
タの種類には炉体と同様な高周波加熱方式と電気抵抗体
による加熱方式の2つが一般的であるが、各々以下のよ
うな問題を抱えていた。高周波加熱方式ではヒーター自
体の大きさは小さくできるものの、タンディッシュ内に
溶湯があって初めて加熱が行えるという制約がある。つ
まり、出湯前のタンディッシュが空の状態ではタンディ
ッシュ自体の加熱が出来なく冷たいままであるために、
出湯初期の溶湯はタンディッシュで逆に冷却されてしま
うという問題をかかえていた。また、電気抵抗体の場合
は、タンディッシュが空の場合でも加熱出来るという利
点はあるものの、発熱量が小さいという制約がある。し
たがって、タンディッシュと溶湯の両者を加熱、保温す
るためには発熱容量の大きなものが必要であり、結果と
してヒーター自体が大きくなることで、タンディッシュ
全体を大きくする要因となっている。このため、真空チ
ャンバー内で溶解を行う必要のある合金に対しては、真
空チャンバーの肥大化を招き、高真空を得られないか、
または非常に高価な製造装置となってしまっていた。
して、合金原料を坩堝内で溶解し、次いで水冷ロール又
は水冷円盤等に出湯し、溶湯を急速に冷却する場合に、
坩堝からの溶湯すべてが均一な金属組織の薄帯又は粉体
となるように、坩堝傾注時の出湯量・出湯速度と溶湯温
度とを一定に保つことのできる希土類含有合金又は水素
吸蔵合金の製造装置と係る装置を制御するシステム、お
よび該装置を用いた希土類含有合金又は水素吸蔵合金の
製造方法を提供することを目的とする。
に、本発明は、真空チャンバー内に炉体および炉体を傾
動する装置を有する溶解炉を備えた希土類含有合金又は
水素吸蔵合金の製造装置において、坩堝内の溶湯を単位
時間あたり一定量で出湯し、かつ坩堝内の溶湯温度を保
つために溶湯残量に合わせて高周波出力を制御する装置
を設けたことを特徴とする。すなわち、本発明では、溶
湯の出湯量と出湯速度を一定とするために、検出した炉
体の傾動角度と傾動開始からの経過時間から、単位時間
あたりの角度変化率を計算して、これを予め設定した角
度変化率と照らし合わせ、角度変化率が少ない場合は大
きくなるように、また角度変化率が大きい場合には少な
くなるようにフィードバック制御を行いながら炉体の傾
動を行う。また、これと同時に坩堝内の溶湯温度を一定
に保つために、連続的に変化する溶湯量に合わせて溶解
出力を制御する。
付けた角度センサから炉体の傾動角度とを読みとり、単
位時間あたりの傾動角度変化率を計算し、これと予め測
定してある傾動角度変化率と出湯量、出湯速度との対比
データを照らし合わせて出湯量、出湯速度が設定通りに
なっているかどうかを判定し、設定よりも出湯量、出湯
速度が大きい場合や、設定値が少ない場合は各々設定通
りとなるように傾動出力を調節する。傾動角の読みとり
は、機械式、光学式のどちらでも良いが、チャンバー内
部が減圧雰囲気で用いられることと、溶解時に溶湯から
発生するヒュームが充満することを考慮すると、傾動軸
の一端を延長し、真空チャンバー外でこの軸の動きをセ
ンサで読みとる方法が耐久性、信頼性の点で優れてい
る。
どの圧力シリンダーを用いると、コンパクトな装置でも
大きな出力を得られ、かつ制動が滑らかに行える。ただ
し、油温等の変化により制御に若干の狂いが発生するの
で、油温等が一定となるように管理することが好まし
い。その他の方法としては、チェーン、ギアなどによっ
て駆動する方式もある。しかし、チェーン、ギアの場合
は、組合せ部分のクリアランスからくるガタが生じた
り、先述した溶湯からのヒュームなどの異物がクリアラ
ンス部分に堆積してしまうため、滑らかな傾動制御が出
来ず、出湯量を一定に保つという観点からは圧力シリン
ダーを用いる方が好適である。
は、傾動角度と経過時間から推算された坩堝内の溶湯量
と溶湯の位置に対して最適な高周波出力制御を、炉体内
に装備した高周波誘導コイルを用いて行うことが好適で
ある。高周波誘導コイルの数については、坩堝の大きさ
が小さく傾動中の溶湯位置の変化少ない場合には一つで
も良いが、坩堝を大きくするに従い傾動中の溶湯位置の
変化が大きくなり、溶湯位置および溶湯量と高周波出力
とのマッチングが取れず傾動中に高周波の出力ができな
くなってしまうので、これを防止するために坩堝の大き
さに合わせてコイルの数を増やすことが好適である。こ
の他の出力制御としては、高周波誘導コイルインピーダ
ンスの変化から、出力周波数や高周波出力を変化させる
方法もある。しかし、これらの方法を行うための高周波
電源・制御機器を用意するよりも前記の方法がコスト的
に有利である。したがって、坩堝内の溶湯量と位置を傾
動角度および傾動経過時間から推算し高周波出力を制御
する方法が好適である。
り、出湯量・出湯速度および温度を制御した合金溶湯を
坩堝から傾注することができ、この溶湯をストリップキ
ャスト法又はアトマイズ法などの冷却法を用いて冷却す
ることで、均一で良好な希土類含有合金又は水素吸蔵合
金を製造することができる。得られた合金は、粉砕した
り分級するなどして所望の粒度分布とし、水素貯蔵装置
や電池負極などに用いることができる。また、本発明に
かかる製造装置を用いて製造する合金は特に制限されな
い。しかし、出湯量・出湯速度および溶湯温度を管理し
て供給する事が必須であり、なおかつ狭い空間に配置で
きることが必要となる合金の製造、たとえば、合金組成
では幾つもの融点が大きく異なる元素からなり、なおか
つ真空チャンバーなど狭い空間内で製造する必要のある
希土類系磁石用合金や水素吸蔵合金などの製造に用いる
ことができる。
明の実施の形態を説明する。図1から図6に、本発明に
係る希土類含有合金又は水素吸蔵合金の製造装置の一実
施形態の概要を示す。理解を容易とするため、便宜的に
真空チャンバー、鋳型、水冷ロール又は水冷円盤などの
冷却機器など本発明に直接関係する部分以外の部分を除
いて示した。本実施の形態に係る製造装置は、その主た
る構成要素として、傾動軸2を支える支柱1、高周波誘
導コイル10・11と溶解坩堝8を含む炉体7、角度検
出器4と連結器3で連結された傾動軸2、圧力シリンダ
ー6とその動きを傾動軸2に伝える支持腕5を含む。こ
れら装置を鋳型、水冷ロール又は水冷円盤などの冷却機
器とともに、真空チャンバー内に配設する(図面には記
載していない)。炉体7の傾動を制御する装置は、傾動
軸2、支持腕5、圧力シリンダー6、真空チャンバーの
外に配設され圧力シリンダー6と配管で連結された駆動
するユニット(図面には記載していない)、それらの電
子的制御システム部分(図面には記載していない)によ
って構成する。また、溶湯9の保温用高周波出力を制御
する装置は、炉体7内部の坩堝8を取り巻くように上下
に配置した熔解・保温用の高周波誘導コイル10・1
1、それらの電子的制御システム部分(図面には記載し
ていない)によって構成する。
て、合金溶湯の出湯量・出湯速度を制御する方法の一形
態を説明する。炉体傾動の開始信号(図7の701)が入
力されると、真空チャンバーの外に配設された圧力ユニ
ットが動作し、その駆動圧が配管でもって圧力シリンダ
ー6に伝えられる。これにより圧力シリンダー6が伸び
方向に動作し、この動作が支持腕5を介して傾動軸2に
伝えられ、傾動軸2が回転し、炉体7が傾動を始める。
圧力シリンダー6は油圧シリンダーである。傾動が始ま
ると、傾動軸2の動きが連結器3を介して角度検出器4
に伝えられ、傾動軸の回転角、すなわち傾動角が角度検
出器4によって検出される。(図7の702) 角度検出器は一般的に用いられる機械式又は光学式の角
度センサーを用いれば良い。検出された傾動角度は、ま
ず図7の703によって傾動終了かどうかを判断する。こ
こで、予め設定した傾動終了角度となっていない限り、
傾動開始からの経過時間と併せて図7の704において単
位時間あたりの角度変化率を計算し、次のステップに進
む。
化率が予め設定した変化率と比較し、同じであれば図7
の709に、異なっていれば図7の706のステップに進む。
予め設定する変化率は、坩堝の形状、内容積、傾動時の
坩堝の状態を図形化し出湯量・出湯速度および溶湯残量
を計算した結果と、坩堝内に合金溶湯と性質が類似した
物質を投入し、傾動時の出湯量・出湯速度および溶湯残
量を実測した結果とを比較検討して、角度変化率と出湯
量・出湯速度および溶湯残量の対応表(データベース)
を作り、その中から選択する。そして、図7の706にお
いて、図7の704で得られた変化率が予め設定した変化
率に対して小さいのか大きいのかを判断し、小さければ
図7の707に、大きければ図7の708に進み、各々の場合
に最適な次の変化率を計算し、図7の709に出力する。
図7の709では、その前のステップから送られてきた信
号に見合った油圧出力を出すように油圧ユニットに指示
を送る。傾動終了角に至るまで上記のフローが繰り返さ
れ、傾動終了角度になったところで、図7の710に信号
が送られ、傾動を停止する。このようにして、適正な出
湯量・出湯速度が保たれる。
8を参照して、傾注中の溶湯の温度制御方法を説明す
る。傾動が開始されるのと同時に高周波出力制御の開始
信号(図8の801)が入力される。 次いで、傾動が始
まると、図2の角度検出器4によって炉体の傾動角が検
出される。(図8の802) 次いで、図8の803において傾動角度と傾動の経過時間
から坩堝内の溶湯位置と溶湯残量を計算し、次のステッ
プに進む。図8の804では、図8の803で得られた結果か
ら、各々の高周波誘導コイルによって溶湯に高周波誘導
をかけられるうちは高周波出力計算を行い、どれだけの
出力をすればよいかを計算し、その信号を図8の808に
出力する。最終的に坩堝内の溶湯に高周波誘導がかけら
れなくなった時点で図8の809へステップを進め高周波
出力を停止する。
力計算については、高周波誘導コイルの数が増えた場合
でも同様な手順でもって制御できるように以下により具
体的に説明する。基本的には、図8の803において坩堝
内の溶湯位置と溶湯残量を算出しているので、これと高
周波誘導コイルの位置関係から、溶湯が高周波誘導コイ
ルの領域内にあって誘導をかけられる残量を維持してい
る間は高周波出力を調節し、高周波誘導をかけられなく
なった場合に高周波出力を切る方法をとる。高周波出力
を切るかどうかは、各々の高周波誘導コイルに対応した
分岐を設けそこで判断させる。実施例では高周波誘導コ
イル10は図8の804、高周波誘導コイル11は図8の8
06となっている。分岐において高周波出力を継続する判
断がなされた場合には、各々の高周波誘導コイルに対応
して高周波出力を調節するための計算を行い(高周波誘
導コイル10は図8の805、高周波誘導コイル11は図
8の807)、図8の808に出力する。すなわち、図3のよ
うに、炉体が水平で2つの高周波誘導コイルの領域内に
溶湯がある場合は、2つの高周波誘導コイルに高周波出
力を誘導する。次いで、図4のように炉体が傾動される
と、高周波誘導コイル10領域内の溶湯が少なくなって
くるので高周波誘導コイル10の高周波出力のみを減少
させる。
に高周波誘導コイル10領域内で溶湯残量が少なくなる
と、高周波誘導コイル10への誘導高周波と溶湯とのマ
ッチングが取れなくなるので、図8の804にて図8の806
へステップを進め、高周波誘導コイル10への高周波出
力を切る。高周波誘導コイル11への誘導出力について
も、高周波誘導コイル10の場合と同様に傾動角度によ
って出力を制御する。溶湯残量が少なくなり、高周波誘
導コイル11についても誘導高周波と溶湯とのマッチン
グが取れなくなってきたばあいには、図8の806にて図
8の809へステップを進め、高周波誘導コイル11への
高周波出力を切る。このようにして坩堝内の溶湯に可能
な限り長く高周波誘導をかけ、溶湯の温度低下を防止す
る。高周波誘導がかけられなくなった時に坩堝内に残っ
ている溶湯については、坩堝の形状、高周波誘導コイル
の位置と形状、高周波誘導電源の形式にもよるが、一般
的にそこに至るまでに炉体が十分に加熱されており、そ
の余熱で十分に温度低下が防げる。なお、高周波誘導加
熱コイルの数が増えた場合は、図8の804・805、806・8
07、のように分岐と演算出力の部分をペアとして、コイ
ルの数に相当する数を設ければよい。
は、傾動時の炉体傾動角度を検出し、検出した角度と傾
動開始からの経過時間から合金溶湯の出湯量・出湯速度
を算出し、炉体の傾動を制御する。また、これと併せ
て、坩堝内の溶湯位置および残量も算出し、保温用高周
波出力を制御する。これによって、合金原料を坩堝内で
熔解し、次いで回転する水冷ロール又は水冷円盤などに
出湯し、合金溶湯を冷却した場合に、これら合金溶湯す
べを管理した冷却条件の下でが均一な金属組織の薄帯又
は粉体とすることができ、良好な金属組織を有した希土
類含有合金又は水素吸蔵合金を得ることができる。
した実施の一形態を用いて溶解・鋳造した実施例と、比
較例を以下に示す。 実施例 溶解坩堝内に合金組成比TiFe0.8Ni0.15Mn0.05La0.05(原
子比)で合計約100kgとなるように原料を投入し、これを
アルゴンガス雰囲気下で高周波溶解し、溶湯温度が約15
00℃となったところで、溶湯の温度制御と傾注量の制御
を行いつつ傾注速度約10kg/minでタンディッシュに出
湯、鋳型に供給した。この時の溶湯温度の変化と出湯量
の変化を次の方法で測定した。まず、溶湯温度について
は、出湯前の坩堝内の溶湯温度を溶湯に熱電対を差し込
むかたちで測定し、ついで出湯中の溶湯温度変化をタン
ディッシュ内部に固定した熱電対で測定した。さらに、
出湯量は、タンディッシュから供給される溶湯を任意に
不特定の間隔で5つの測定用鋳型に約5秒間受け各々の
鋳型内に注がれた溶湯量(合金量)を測定した。
原料(前記実施例同一)を投入し、これをアルゴンガス
雰囲気下で高周波溶解し、溶湯温度が約1500℃となった
ところで、溶湯の温度制御と傾注量の制御を行わず、一
定の傾動速度で10分間タンディッシュに出湯、実施例と
同様にして各鋳型に供給し鋳型内に注がれた溶湯量(合
金量)を測定した。 結果を図9および表1に示す。
出湯量制御についてこれらの図9および表1を参照し説
明する。溶湯の温度制御に関しては、図9におけるタン
ディッシュ内部での溶湯の温度変化を見ると、実施例で
は傾注末に幾らかの温度低下がみられるが、傾注の間は
溶湯の凝固点以上に保たれている。しかし、比較例の場
合では、傾注の間に溶湯の凝固点を割り込んでいるた
め、タンディッシュ内部で溶湯が凝固し出湯が不可能と
なっていた。また、出湯量の制御については、表1にお
いて範囲(出湯量の最大値から最少値を減じた値)をみ
ると、実施例のものが非常に小さく、比較例と比較して
明らかな差が生じた。
発明によれば、坩堝からの出湯量・出湯速度・出湯温度
を一定に制御できることから、溶湯の冷却条件を同様に
でき、一度に溶解する溶湯のすべてを、同様の金属組織
の合金とすることができる。
の製造装置に係る一実施の形態を示す側面図である。
の製造装置に係る一実施の形態を示す正面図である。
の製造装置に係る一実施の形態での傾注前の状態を示す
側面図である。
の製造装置に係る一実施形態での傾注途中の状態を示す
側面図である。
の製造装置に係る一実施形態での傾注途中の状態を示す
側面図である。
の製造装置に係る一実施形態での傾注終了時の状態を示
す側面図である。
の製造装置に係る傾動制御の方法に関し、一実施の形態
を示す流れ図である。
の製造装置に係る高周波出力制御の方法に関し、一実施
の形態を示す流れ図である。
を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 真空チャンバー内に炉体および炉体を傾
動する装置を有した溶解炉を備えた希土類含有合金又は
水素吸蔵合金の製造装置において、坩堝内の溶湯を単位
時間あたり一定量で出湯し、かつ坩堝内の溶湯残量に合
わせて高周波出力を制御する装置を備えたことを特徴と
する希土類含有合金又は水素吸蔵合金の製造装置。 - 【請求項2】 坩堝内の原料の溶解、又は溶湯の加熱・
保温用に用いる高周波誘導コイルを炉体内に備えたこと
を特徴とする請求項1に記載の希土類含有合金又は水素
吸蔵合金の製造装置。 - 【請求項3】 傾注時の炉体傾動角度を検出する装置
と、検出された角度から出湯量および出湯速度を算出
し、それをもとに炉体の傾動速度を制御する装置とを備
えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類含
有合金又は水素吸蔵合金の製造装置。 - 【請求項4】 傾注時の炉体傾動角度を検出する装置
と、検出された角度から坩堝内の溶湯残量を算出し、そ
れをもとに保温用高周波出力を制御する装置とを備えた
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の希
土類含有合金又は水素吸蔵合金の製造装置。 - 【請求項5】 炉体傾注時の炉体傾動角度を検出し、検
出された角度から出湯量および出湯速度を算出し、炉体
の傾動速度を制御することと、検出した角度から坩堝内
の溶湯残量を算出し、溶湯保温用の高周波出力を制御す
ることを含むことを特徴とする希土類含有合金又は水素
吸蔵合金の製造システム。 - 【請求項6】 請求項1から4のいずれかの装置を用い
る希土類含有合金又は水素吸蔵合金の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11027994A JP2000225460A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | 希土類含有合金又は水素吸蔵合金の製造装置および製造方法 |
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