JP2000225435A - 締結部材の分解方法、及び、分解装置 - Google Patents

締結部材の分解方法、及び、分解装置

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JP2000225435A
JP2000225435A JP11026945A JP2694599A JP2000225435A JP 2000225435 A JP2000225435 A JP 2000225435A JP 11026945 A JP11026945 A JP 11026945A JP 2694599 A JP2694599 A JP 2694599A JP 2000225435 A JP2000225435 A JP 2000225435A
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cutting
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milling cutter
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JP11026945A
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Hideaki Takahashi
秀明 高橋
Toshio Kobayashi
俊夫 小林
Ryosuke Yoshikawa
良介 吉川
Mitsuru Yasuda
満 安田
Yuichi Jibiki
優一 地引
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J15/00Riveting
    • B21J15/38Accessories for use in connection with riveting, e.g. pliers for upsetting; Hand tools for riveting
    • B21J15/50Removing or cutting devices for rivets

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Connection Of Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 母材に締結された締結部材を、母材を損傷す
ることなく容易且つ迅速に母材から取り外すことができ
る締結部材の分解方法、及び、分解装置を提供する。 【解決手段】 ブラインドリベット10のフランジ部1
1cを、フランジ部11cのフランジ厚が薄くなるよう
にフライス21によって切削し、薄く切削されたフラン
ジ部11cと胴部11bとの締結部を、円筒状切断刃3
0によって切断して、母材1、2に締結されたブライン
ドリベット10を取り外す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、締結部材の分解装
置に関し、詳しくは、機械的締結によって母材に締結さ
れた締結部材の締結部を分解して、該母材から該締結部
材を取り外す締結部材の分解方法、及び、分解装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板やプラスチックなどの母材同士、あ
るいは、該母材に他の部材を接合する接合技術には、溶
接、接着、機械的締結などがある。上記溶接は、大がか
りで高価な設備や、安全性を確保できるスペースが必要
となる不具合がある。上記接着は、比較的安価で、且
つ、僅かなスペースで作業を行える利点があるが、接着
剤が固化して接合が完了するまで、母材の姿勢を固定し
ておく必要があるため、接合に時間がかかる不具合があ
る。また、これらの溶接や接着では、母材の接合時に接
合不良が発生して接合し直したり、母材をリサイクル使
用したりする場合に、母材を損傷せずに接合部を分解す
ることが不可能となる。
【0003】一方、上記機械的締結には、ネジ締結、
ピン締結、リベット締結、などがあり、種々の分野
で多く用いられている。周知のように、上記ネジ締結
は、スパナやドライバーを用いて、図8(a)に示すよ
うなボルト3とナット4、または、図8(b)に示すよ
うなタッピングビス5などの締結部材を、母材1、2の
締結穴1a、2aに螺合させることによって、母材1、
2を機械的に接合する締結方法である。
【0004】また、上記ピン締結は、カシメマシンやカ
シメ工具を用いて、図9(a)に示すように、締結部材
としてのピン6を、母材1、2の締結穴1a、2aにカ
シメ付けることによって、母材1、2を機械的に接合す
る締結方法である。なお、ここでは、図9(b)に示す
ように、母材1に軸7をカシメ付ける場合もピン締結と
し、該軸7を締結部材と見なすこととする。
【0005】上記リベット締結は、リベッティングマシ
ンやリベッティング工具を用いて、図10(a)に示す
ようなソリッドリベット8、図10(b)に示すような
チューブラーリベット9、図10(c)に示すようなブ
ラインドリベット10などの締結部材を、図10
(d)、(e)、(f)に示すように、母材1、2の締
結穴1a、2aに締結することによって、母材1、2を
機械的に接合する締結方法である。
【0006】上記ブラインドリベット10は、図10
(c)に示すように、リベットボディ11と、該リベッ
トボディ11の軸穴11aに挿通されたマンドレル(芯
軸)12とで構成されており、例えば、図11(a)、
(b)、(c)、(d)に示すような手順で、上記母材
1、2の締結穴1a、2aに締結される。すなわち、こ
のブラインドリベット10は、先ず、図11(a)に示
すように、母材1、2の締結穴1a、1bに、リベット
ボディ11の胴部11bを差し込む。次いで、図11
(b)に示すように、このブラインドリベット10のマ
ンドレル12にリベッティング工具13をセットする。
そして、図11(c)に示すように、リベットボディ1
1のフランジ部11cに、リベティング工具13のノー
ズピース13aを密着させた状態で、リベティング工具
13のトリガーを引くと、該リベッティング工具13の
ジョー13bによって、ブラインドリベット10のマン
ドレル12が掴まれて引き上げられる。これにより、リ
ベットボディ11の胴部11bの母材2から突出してい
る部分が、マンドレル12のマンドレルヘッド12aに
よって絞り加工のように塑性変形されて、母材2にカシ
メ付けられる。この状態で、上記ジョー13bによって
上記マンドレル12が更に引き上げられると、図11
(d)に示すように、該マンドレル12の破断部12b
(図10(c)参照)で、該マンドレル12が破断され
て、ブラインドリベット10による母材1、2の締結が
完了する。このブラインドリベット10は、図11
(a)、(b)、(c)、(d)に明らかなように、そ
の胴部11b側(母材1、2の背面側)を支持せずに母
材1、2への締結作業ができるので、例えば、母材1、
2の背面側に手が入らないような箇所の締結に適してい
る。
【0007】なお、その他の締結方法として、図12に
示すように、一方の母材1に予め一体的に形成された締
結部1bを、他方の母材2の締結穴2aにカシメ付け
て、母材1、2を機械的に接合するバーリングカシメと
呼ばれている締結方法が知られている。ここでは、この
バーリングカシメにより締結された母材1の締結部1b
も、上記締結部材と見なすこととする。
【0008】このような機械的締結は、前述した溶接や
接着などの接合技術に比較して、僅かなスペースで、母
材の再締結やリサイクルを安価且つ容易に行える利点が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のピン
締結や、リベット締結、及び、バーリングカシメ等の機
械的締結に用いられる締結部材は、その胴部が塑性変形
されることによって母材に締結されているため、該締結
部材の母材への締結時に締結不良が発生して締結し直し
たり、母材をリサイクル使用したりする場合には、該締
結部材を母材から取り外す際に、該締結部材の締結部を
破壊しなければならず、その分解作業に手間を要した
り、分解時に母材を損傷したりする不具合があった。
【0010】すなわち、この種の締結部材を分解する一
般的な方法としては、例えば、図13に示すように、ド
リル(不図示)により回転するキリ14によって、該締
結部材(ここでは、上記ブラインドリベット10)の締
結部(上記フランジ部11c)を切削し、該締結部材の
締結部を胴部11bから取り除いた後、この切削部側か
ら該胴部11bを叩いて、母材1、2から締結部材を抜
き取るようにしているが、このような従来の分解方法で
は、ドリルやキリ14の準備や選定、及び、切削作業等
の段取りに手間がかかる。また、この従来の分解方法で
は、図14に示すように、締結部(フランジ部11c)
の切削時に、キリ14の先端部が母材1に達して、該母
材1の締結穴1aが切削されてしまうことがある。この
ように、該母材1の締結穴1aが切削されてしまった場
合には、該母材1をリサイクルできなくなったり、該母
材1に締結部材(ブラインドリベット10)を再締結し
ても十分な締結力を確保できなくなったりする不具合が
あった。
【0011】また、このようなドリルを用いた締結部材
の分解方法では、締結部材の締結部の切削時に、キリ1
4の回転によって該締結部材が連れ廻りして、母材に擦
り傷が付いたり、締結部の切削ができなくなったりする
こともあった。ここで、上記締結部材の連れ廻りによっ
て損傷した母材が、製品の外装面を構成しているような
場合には、該製品の商品価値が著しく低下して、製品自
体が不良品となる虞が高い。
【0012】また、このように、締結部材の締結部の切
削時に、キリ14の回転によって該締結部材が連れ廻り
するような場合には、通常、図13に示すように、該締
結部材のフランジ部11cや胴部11bを、プライヤー
やペンチなどの把持工具15で掴んで、締結部材の連れ
廻りを阻止する方法が採られるが、この作業を単独で行
うことは難しく、且つ、危険が伴うため、複数の作業員
を必要とする。
【0013】特に、上記締結部材のフランジ部11cの
形状が皿状に形成されていて、該フランジ部11cを把
持工具15で掴むことが不可能な場合や、該締結部材
が、その胴部11b側に手が入らないような箇所に締結
されている場合には、該締結部の胴部11bを把持工具
15で掴んで、該締結部材の連れ廻りを阻止することが
難しいため、上述のようなドリルを用いた締結部材の切
削作業は極めて難しい。
【0014】なお、図8(a)、(b)に示したような
ネジ締結の場合には、母材1、2から締結部材としての
ボルト・ナット3、4やタッピングビス5を比較的容易
に取り外せるケースが多いが、この場合においても、例
えば、ボルト・ナット3、4やタッピングビス5の螺合
部が錆び付いて固着していたり、ネジ山が破損し、ボル
ト・ナット3、4やタッピングビス5が母材1、2に対
して空回りしたり、締結工具(スパナやドライバー)に
対する係合部が損傷していたりする場合には、該ボルト
・ナット3、4やタッピングビス5の取り外しに多大な
困難が伴う。
【0015】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、母材に締結された締
結部材を、母材を損傷することなく容易且つ迅速に母材
から取り外すことができる締結部材の分解方法、及び、
分解装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、母材の締結穴に挿通される胴部
と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一
体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部
材を、該母材から取り外す締結部材の分解方法であっ
て、上記締結部材のフランジ部を、フライスによって、
該フランジ部のフランジ厚が薄くなるように切削し、薄
く切削された該フランジ部と上記胴部との締結部を切
断、または、せん断することを特徴とするものである。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の分解方法に
おいて、上記フライスは立フライスであって、該立フラ
イスの回転軸心と、上記締結部材の胴部軸心とが一致し
ないように切削することを特徴とするものである。
【0018】請求項3の発明は、母材の締結穴に挿通さ
れる胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実
質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結され
た締結部材を、該母材から取り外す締結部材の分解装置
であって、上記締結部材のフランジ部を切削するフライ
スと、該フライスに回転力を付与する回転力付与手段
と、該フライスを回転させながら該締結部材に対して送
るための送り手段とを有することを特徴とするものであ
る。
【0019】請求項4の発明は、請求項3の分解装置に
おいて、上記フライスは、立フライスであることを特徴
とするものである。
【0020】請求項5の発明は、請求項3、または、4
の分解装置において、上記送り手段は、上記フライスを
平行に送ることを特徴とするものである。
【0021】請求項6の発明は、請求項4の分解装置に
おいて、上記送り手段は、上記立フライスを該立フライ
スの回転軸心方向に進退自在に送ることを特徴とするも
のである。
【0022】請求項7の発明は、請求項6の分解装置に
おいて、上記フライスによる過切削を防ぐための過切削
防止手段を有することを特徴とするものである。
【0023】請求項8の発明は、請求項7の分解装置に
おいて、上記過切削防止手段は、上記フライスの切削進
行を止めるストッパ部材を有することを特徴とするもの
である。
【0024】請求項9の発明は、請求項6、7、また
は、8の分解装置において、切削の完了を検知する切削
完了検知手段と、該切削の完了を報知する切削完了報知
手段とを有することを特徴とするものである。ここで、
報知手段による報知としては、表示による報知や音によ
る報知などを採用することができる。
【0025】請求項10の発明は、請求項9の分解装置
において、上記切削完了検知手段によって切削完了を検
知したときに、上記フライスの回転駆動を停止すること
を特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕以下、本発明を、
前記締結部材の締結部を分解する分解装置に適用した実
施形態について説明する。なお、本実施形態にかかる分
解工具は、前述したピン締結や、リベット締結、及び、
バーリングカシメ等の機械的締結に用いられる締結部材
であれば、どのようなタイプの締結部材であっても分解
することが可能であるが、説明の便宜上、ここでは、図
10(f)に示したようなブラインドリベット10を分
解対象として説明する。
【0027】図1は、本実施形態に係る分解装置の一例
の斜視図である。本分解装置20は、切削工具であるフ
ライスとしてエンドミル21を用い、ワークたるブライ
ンドリベット10を固定した状態で、エンドミル21を
回転させながら平行移動させて、ブラインドリベット1
0のフランジ部11cを切削し、切削によって薄くなっ
たフランジ部11cと、胴部11bとの締結部を円筒状
切断刃30(図3(a)参照)によって切断して、母材
1、2からブラインドリベット10を取り外すものであ
る。
【0028】まず、本分解装置20の構成について説明
する。図1に示すように、本分解装置20は、フライス
としてのエンドミル21、エンドミル21に回転力を付
与する電動ドリル22、エンドミル21を回転可能に保
持するヘッドアセンブリ23、電動ドリル22の回転駆
動力をヘッドアセンブリ23に伝達するためのフレキシ
ブルシャフト24、エンドミル21とヘッドアセンブリ
23とを平行移動させるための直動案内としてLMガイ
ド(THK株式会社登録商標)25、LMガイド25を
保持するフレーム26、フレーム26を母材1、2に対
して固定するための固定手段としての一対の強力磁石2
7a、27b等により構成されている。
【0029】本分解装置20のより具体的な構成につい
て説明する。エンドミル21は、外周と先端面とに切削
刃部が形成されているフライスで、一般に市販されてい
るものである。エンドミル22の切削刃部の外径は、ブ
ラインドリベット10のフランジ部11cの外径よりも
若干大きな外径のものを使用する。電動ドリル22は、
AC100Vで一定方向に一定回転数で回転駆動するハ
ンディータイプの電動ドリルである。また、フレキシブ
ルシャフト24は、一定の曲率以内であれば、自在に曲
げることができる回転駆動力伝達部材である。
【0030】ヘッドアセンブリ23は、エンドミル21
を回転可能に保持するためのもので、図示しないボール
ベアリングによって図示しないエンドミルチャックシャ
フトを回転可能に保持している。このエンドミルチャッ
クシャフトの上部駆動力入力側にフレキシブルシャフト
24を接続し、下部駆動力出力側に図示しないチャック
によってエンドミル21を着脱可能にチャキングしてい
る。
【0031】LMガイド25は、エンドミル21とヘッ
ドアセンブリ23とを平行移動させるための直動案内で
あり、LMレール25aと、このLMレール25a上を
直線運動するLMブロック25bとによって構成されて
いる。LMブロック25bは、内部に複列のボール列が
配設されているために、高剛性で、かつ、サブミクロン
単位の送り精度に追従することができる。
【0032】フレーム26は、LMガイド25を保持す
るためのもので、鉄またはステンレススチールなどの材
質で構成することができ、板金加工または溶接加工によ
って製作される。また、フレーム26の母材1、2と接
触する部分に一対の強力な磁石27a、27bを配設
し、母材1、2に対してフレーム26を固定することが
できる。なお、フレーム26の裏側には、持ち運びと、
母材1、2に対する固定とを容易にするための、図示し
ないハンドルが配設されている。
【0033】次に、本分解装置20によってブラインド
リベット10を切削して分解する動作について説明す
る。図2(a)、(b)、(c)は、エンドミル21で
ブラインドリベット10のフランジ部11cを切削する
場合の説明図である。まず、図2(a)に示すように、
母材1とエンドミル21の先端面との隙間が、たとえば
0.1mmとなるように、エンドミル21をヘッドアセ
ンブリ23にセットする。そして、分解装置20を母材
1、2に対して位置決め固定する。このとき、エンドミ
ル21が平行移動しても、エンドミル21の回転軸心
と、胴部11bの胴部軸心とが一致しないように位置決
め固定する。ブラインドリベット10の連れ廻りを防止
するためである。
【0034】分解装置20を母材1、2に対して固定し
たら、電動ドリル22のスイッチ22aを作動してエン
ドミル21を回転させる。そして、図2(b)に示すよ
うに、ブラインドリベット10を固定した状態で、ヘッ
ドアセンブリ23をゆっくりと手動で動かして、エンド
ミル21によってフランジ部11cのフランジ厚を薄く
するように切削する。切削によりフランジ部11cは、
フランジ厚が0.1mmに加工される(図2(c)参
照)。
【0035】フランジ部11cの切削が完了したら、フ
ランジ部11cと胴部11bとの締結部を切断、また
は、せん断して分離する。図3(a)、(b)、(c)
は、円筒状切断刃30によって、締結部を切断する場合
の説明図である。図3(a)に示すように、円筒状切断
刃30の軸心とブラインドリベット10の胴部軸心とが
一致するように、円筒状切断刃30をフランジ部11に
対して位置決めし、上部から図示しない金槌で叩く。フ
ランジ部11cは切削されて薄くなっているので、フラ
ンジ部11cと胴部11bとの締結部は容易に切断さ
れ、母材1、2からブラインドリベット10を取り外す
ことができる(図3(b)、(c)参照)。ここで、フ
ランジ部11cと胴部11bとを分離させるには、上記
円筒状切断刃30に限らず、ポンチ等によってせん断し
て分離させることも可能である。
【0036】以上のような構成および動作によって、ブ
ラインドリベット10のフランジ部11cと胴部11b
との締結部を分離し、ブラインドリベット10を母材
1、2から容易且つ迅速に取り外すことができる。
【0037】なお、上記分解装置20は、フレキシブル
シャフト24を用いて電動ドリル22とヘッドアセンブ
リ23とを分離する構成としているが、ヘッドアセンブ
リ23に直接電動ドリル22を配設する構成としてもよ
い。さらに、電動ドリルではなくエアーモータ等によっ
てエンドミル21を回転させることも可能である。ま
た、図4に示すように、横フライス31によってフラン
ジ部11cを切削する構成とすることも可能である。
【0038】〔実施形態2〕上記実施形態1では、エン
ドミル21を平行移動させてフランジ部11cを切削す
る構成について説明したが、エンドミル21を回転軸心
方向に移動させてフランジ部11cを切削する構成とす
ることもできる。
【0039】まず、本実施形態2に係る分解装置60の
構成について説明する。図5に、本実施形態2に係る分
解装置60の側面図を示す。エンドミル21等の切削機
構部分をエンドミル21の回転軸心方向に直線運動させ
るために、LMガイドアクチュエータ(THK株式会社
製)61を用いた。このLMガイドアクチュエータ61
は、直動案内であるLMガイドとボールネジとを組み合
わせて一体構造としたアクチュエータであり、高剛性で
高精度な直線運動を可能にしている。
【0040】インナーブロック62がアウターレール6
3に可動保持されている。このインナーブロック62を
アウターレール63に沿って直線運動させるために、ボ
ールネジ64が、一対のハウジング65a、65bによ
って回動可能に支持されている。インナーブロック62
は、内部に複列のボール列が配設されているために、高
剛性で、かつ、サブミクロン単位の送り精度に追従する
ことができる。また、ボールネジ64と接触するインナ
ーブロック62の図示しないネジ部は、ボールネジ64
に予圧を与える構造になっているので、バックラッシュ
を防止することができる。なお、ボールネジ64のリー
ドは1mmのものを採用した。すなわち、ボールネジ6
4が1回転すると、インナーブロック62が、1mm送
られるようになっている。
【0041】ボールネジ64には、手回しハンドル66
が接続されており、この手回しハンドル66を作業者が
廻すことによって、ボールネジ64を回動させて、イン
ナーブロック62の送り制御を行うようになっている。
【0042】インナーブロック62には、回転シャフト
67を回転可能に支持するためのホルダー68がネジ止
めされている。回転シャフト67の上部には、フレキシ
ブルシャフト69が接続されており、下部には、エンド
ミルチャック70が配設されている。また、ホルダー6
8には、過切削防止手段としてのストッパ71と、切削
完了検知手段としてのリミットスイッチ72とが配設さ
れている。ここで、ストッパ71が作動したときに、エ
ンドミル21の先端部と母材1との隙間が、たとえば
0.1mmとなるように調整しておく。
【0043】LMガイドアクチュエータ61の下側のハ
ウジング65bに、保持台73をネジ止めし、母材1に
対して分解装置60を安定して保持することができるよ
うになっている。
【0044】上側のハウジング65aには、分解装置6
0の作動状態をチェックするためのLED表示モニタ7
5が配設されている。
【0045】アウターレール63の裏側には、作業者が
分解装置60を支えるための、支持ハンドル76が配設
されている。また、支持ハンドル76の下側に吸引機7
7が配設されている。この吸引機77は、切削中に生じ
るブラインドリベット10の切り粉を、フレキシブルホ
ース77aを通して負圧によって回収するものである。
【0046】吸引機77の下側には、コントロールボッ
クス78が配設されており、図示しないコントローラに
よって、分解装置60に配設されている電動ドリル2
2、リミットスイッチ72、及び、LED表示モニタ7
5の制御を行う。
【0047】図6に、分解装置60の操作部である手回
しハンドル66近傍の上面図を示す。上側のハウジング
65aには、上述したようにLED表示モニタ75が配
設されている。このLED表示モニタ75は、分解装置
60に通電されていることを表示する「電源」LED7
5aと、切削完了報知手段としての「切削完了」LED
75bとが配設され、それぞれの表示を行うことができ
る。
【0048】次に、本分解装置60の動作について説明
する。図7(a)、(b)、(c)は、本分解装置60
によって、フランジ部11cを切削する場合の説明図で
ある。まず、図示しない電源コードをAC100Vのコ
ンセントにつないで、コントロールボックス78に通電
する。そして、エンドミル21の回転軸心と胴部11b
の胴部軸心とを、ΔSずらして分解装置60をセットす
る(図7(a)参照)。ブラインドリベット10の連れ
廻りを防止するためである。
【0049】分解装置60をブラインドリベット10に
対して位置決めして固定したら、電動ドリル22の起動
スイッチ22aを入れて、エンドミル21の回転駆動を
開始する。そして、エンドミル21を回転駆動させなが
ら、手回しハンドル66を廻して、エンドミル21の刃
先部をフランジ部11cに徐々に近づけて切削を開始す
る。フランジ部11cの切削を開始したら、手回しハン
ドル66をゆっくり回転させながら切削を行う。そし
て、ストッパ71の先端面が母材1に突き当たるまで、
手回しハンドル66を回し続ける。フランジ部11cの
フランジ厚が0.1mmになると、ストッパ71の先端
面が母材1に突き当たって、切削を停止させる。このと
き、同時にリミットスイッチ72のスイッチが入って、
電動ドリル22の回転駆動を停止させるとともに、LE
D表示モニタ75の「切削完了」LED75bが点灯す
る。このLED表示によって、作業者は切削が完了した
ことを認識することができる。
【0050】フランジ部11cの切削が完了したら、上
記実施形態1と同様に、円筒状切断刃30によって、フ
ランジ部11cと胴部11bとの締結部を切断して分離
する。
【0051】以上のような構成および動作によって、ブ
ラインドリベット10を固定した状態で、フランジ部1
1cと胴部11bとの締結部を分離し、ブラインドリベ
ット10を母材1、2から取り外すことができる。
【0052】
【発明の効果】請求項1、及び、2の発明によれば、上
記締結部材のフランジ部を上記フライスによって切削し
て、該フランジ部の厚さを薄くし、該フランジ部と上記
胴部との締結部を容易に切断、または、せん断すること
が可能になる。このことによって、該締結部材の分解時
に、母材が損傷されたりすることがなく、母材から該締
結部材を容易且つ迅速に取り外すことが可能になるとい
う優れた効果がある。
【0053】特に、請求項2の発明によれば、上記立フ
ライスの回転軸心と上記締結部材の胴部軸心とが一致し
ないように切削することによって、該立フライスの回転
による該締結部材の連れ廻りを防止することが可能にな
るという優れた効果がある。
【0054】請求項3、4、5、及び、6の発明によれ
ば、上記締結部材のフランジ部を上記フライスによって
切削して、該フランジ部のフランジ厚を薄くし、該フラ
ンジ部と上記胴部との締結部を容易に分離することが可
能になる。このことによって、該締結部材の分解時に、
母材が損傷されたりすることがなく、母材から該締結部
材を容易且つ迅速に取り外すことが可能になるという優
れた効果がある。
【0055】特に、請求項4の発明によれば、上記立フ
ライスによって、上記締結部材のフランジ部のフランジ
厚を、該フランジ部と上記胴部との締結部が容易に分離
することが可能な厚さまで、薄く切削することができる
という優れた効果がある。
【0056】特に、請求項5に発明によれば、上記フラ
イスを平行に送ることによって、ワークたる上記締結部
材を固定した状態で、該締結部材のフランジ部を切削す
ることができるという優れた効果がある。
【0057】特に、請求項6に発明によれば、上記立フ
ライスを回転軸心に沿って進退自在に送ることによっ
て、ワークたる上記締結部材を固定した状態で、該締結
部材のフランジ部を切削することができるという優れた
効果がある。
【0058】請求項7の発明によれば、過切削防止手段
を有しているので、上記母材が上記フライスで切削され
て損傷されることを阻止することが可能になるという優
れた効果がある。
【0059】請求項8の発明によれば、上記過切削防止
手段は、上記ストッパ部材を有している。よって、該ス
トッパ部材が、上記フライスよりも先に上記母材に突き
当たって該フライスの切削進行を止めることができるの
で、該母材が切削されて損傷されることを阻止すること
ができるという優れた効果がある。
【0060】請求項9の発明によれば、上記切削完了検
知手段が切削の完了を検知したときに、上記切削完了報
知手段が切削の完了を報知するので、該切削が完了した
ことを作業者が認識することができるという優れた効果
がある。
【0061】請求項10の発明によれば、切削完了時に
上記フライスの回転を停止することができるので、余分
な切削を阻止することができるという優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る分解装置20の斜視図。
【図2】(a)〜(c)は、エンドミル21でフランジ
部11cを切削する場合の説明図。
【図3】(a)〜(c)は、切削後のフランジ部11c
と胴部11bとを、円筒状切断刃30によって切断する
場合の説明図。
【図4】横フライスによってフランジ部11cを切削す
る場合の説明図。
【図5】他の実施形態に係る分解装置60の側面図。
【図6】分解装置60の手回しハンドル66近傍の説明
図。
【図7】(a)〜(c)は、分解装置60に配設したエ
ンドミル21によって、フランジ部11cを切削する場
合の説明図。
【図8】(a)、(b)は、ネジ締結について説明する
ための要部断面図。
【図9】(a)、(b)は、ピン締結について説明する
ための要部断面図。
【図10】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、
(f)は、リベット締結について説明するための要部断
面図。
【図11】(a)、(b)、(c)、(d)は、ブライ
ンドリベットの母材への締結手順を示す行程図。
【図12】チューブラーリベットについて説明するため
の要部断面図。
【図13】従来の締結部材の分解方法について説明する
ための概略断面図。
【図14】従来の締結部材の分解方法の不具合について
説明するための概略断面図。
【符号の説明】
1、2 母材 1a、2a 母材1、2の締結穴 10 ブラインドリベット 11b リベットボディの胴部 11c リベットボディのフランジ部 20 分解装置 21 エンドミル 22 電動ドリル 23 ヘッドアセンブリ 24 フレキシブルシャフト 25 LMガイド 60 分解装置 61 LMガイドアクチュエータ 71 過切削防止手段としてのストッパ 72 切削完了検知手段としてのリミットスイッチ 75b 切削完了報知手段としての「切削完了」LE
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 良介 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 安田 満 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 地引 優一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結
    穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフラン
    ジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母
    材から取り外す締結部材の分解方法であって、上記締結
    部材のフランジ部を、フライスによって、該フランジ部
    のフランジ厚が薄くなるように切削し、薄く切削された
    該フランジ部と上記胴部との締結部を切断、または、せ
    ん断することを特徴とする分解方法。
  2. 【請求項2】請求項1の分解方法において、上記フライ
    スは立フライスであって、該立フライスの回転軸心と、
    上記締結部材の胴部軸心とが一致しないように切削する
    ことを特徴とする分解方法。
  3. 【請求項3】母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結
    穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフラン
    ジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母
    材から取り外す締結部材の分解装置であって、上記締結
    部材のフランジ部を切削するフライスと、該フライスに
    回転力を付与する回転力付与手段と、該フライスを回転
    させながら該締結部材に対して送るための送り手段とを
    有することを特徴とする分解装置。
  4. 【請求項4】請求項3の分解装置において、上記フライ
    スは、立フライスであることを特徴とする分解装置。
  5. 【請求項5】請求項3、または、4の分解装置におい
    て、上記送り手段は、上記フライスを平行に送ることを
    特徴とする分解装置。
  6. 【請求項6】請求項4の分解装置において、上記送り手
    段は、上記立フライスを該立フライスの回転軸心方向に
    進退自在に送ることを特徴とする分解装置。
  7. 【請求項7】請求項6の分解装置において、上記フライ
    スによる過切削を防ぐための過切削防止手段を有するこ
    とを特徴とする分解装置。
  8. 【請求項8】請求項7の分解装置において、上記過切削
    防止手段は、上記フライスの切削進行を止めるストッパ
    部材を有することを特徴とする分解装置。
  9. 【請求項9】請求項6、7、または、8の分解装置にお
    いて、切削の完了を検知する切削完了検知手段と、該切
    削の完了を報知する切削完了報知手段とを有することを
    特徴とする分解装置。
  10. 【請求項10】請求項9の分解装置において、上記切削
    完了検知手段によって切削完了を検知したときに、上記
    フライスの回転駆動を停止することを特徴とする分解装
    置。
JP11026945A 1999-02-04 1999-02-04 締結部材の分解方法、及び、分解装置 Withdrawn JP2000225435A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336859A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Newfrey Llc ブラインドリベット、除去システム、及び関連する方法
JP2008528290A (ja) * 2005-01-24 2008-07-31 ザ・ボーイング・カンパニー ブラインドファスナを除去する方法および装置
CN103264108A (zh) * 2013-05-17 2013-08-28 浙江百事宝电器有限公司 断路器延时管及框架的铆接夹具装置

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