JP2000135613A - 締結部材及び締結部材の分解装置 - Google Patents

締結部材及び締結部材の分解装置

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JP2000135613A
JP2000135613A JP10310071A JP31007198A JP2000135613A JP 2000135613 A JP2000135613 A JP 2000135613A JP 10310071 A JP10310071 A JP 10310071A JP 31007198 A JP31007198 A JP 31007198A JP 2000135613 A JP2000135613 A JP 2000135613A
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cutting
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JP10310071A
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Motoi Hiramatsu
基 平松
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Ricoh Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J15/00Riveting
    • B21J15/38Accessories for use in connection with riveting, e.g. pliers for upsetting; Hand tools for riveting
    • B21J15/50Removing or cutting devices for rivets

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Drilling And Boring (AREA)
  • Automatic Assembly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 母材に締結された締結部材を、母材を損傷す
ることなく容易且つ迅速に母材から取り外すことができ
る締結部材の分解装置と、この分解装置によって容易に
分解される締結部材とを提供する。 【解決手段】 電動ドリル21に配設されたドリル刃2
2でブラインドリベット10を分解する際に、回転防止
機構23によってブラインドリベット10のフランジ部
11cを押さえて連れ廻りを防止しながら、ブラインド
リベット10の胴部11bとフランジ部11cとの胴部
軸方向の境界領域に沿って切削し、胴部11bからフラ
ンジ部11cを分離させ、母材1、2に締結されたブラ
インドリベット10を取り外し可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、締結部材及び該締
結部材の分解装置に関し、詳しくは、機械的締結によっ
て母材に締結された該締結部材の締結部を分解して、該
母材から該締結部材を取り外す締結部材、及び、締結部
材の分解装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板やプラスチックなどの母材同士、あ
るいは、該母材に他の部材を接合する接合技術には、溶
接、接着、機械的締結などがある。上記溶接は、大がか
りで高価な設備や、安全性を確保できるスペースが必要
となる不具合がある。上記接着は、比較的安価で、且
つ、僅かなスペースで作業を行える利点があるが、接着
剤が固化して接合が完了するまで、母材の姿勢を固定し
ておく必要があるため、接合に時間がかかる不具合があ
る。また、これらの溶接や接着では、母材の接合時に接
合不良が発生して接合し直したり、母材をリサイクル使
用したりする場合に、母材を損傷せずに接合部を分解す
ることが不可能となる。
【0003】一方、上記機械的締結には、ネジ締結、
ピン締結、リベット締結、などがあり、種々の分野
で多く用いられている。周知のように、上記ネジ締結
は、スパナやドライバーを用いて、図19(a)に示す
ようなボルト3とナット4、または、図19(b)に示
すようなタッピングビス5などの締結部材を、母材1、
2の締結穴1a、2aに螺合させることによって、母材
1、2を機械的に接合する締結方法である。
【0004】また、上記ピン締結は、カシメマシンやカ
シメ工具を用いて、図20(a)に示すように、締結部
材としてのピン6を、母材1、2の締結穴1a、2aに
カシメ付けることによって、母材1、2を機械的に接合
する締結方法である。なお、ここでは、図20(b)に
示すように、母材1に軸7をカシメ付ける場合もピン締
結とし、該軸7を締結部材と見なすこととする。
【0005】上記リベット締結は、リベッティングマシ
ンやリベッティング工具を用いて、図21(a)に示す
ようなソリッドリベット8、図21(b)に示すような
チューブラーリベット9、図21(c)に示すようなブ
ラインドリベット10などの締結部材を、図21
(d)、(e)、(f)に示すように、母材1、2の締
結穴1a、2aに締結することによって、母材1、2を
機械的に接合する締結方法である。
【0006】上記ブラインドリベット10は、図21
(c)に示すように、リベットボディ11と、該リベッ
トボディ11の軸穴11aに挿通されたマンドレル(芯
軸)12とで構成されており、例えば、図22(a)、
(b)、(c)、(d)に示すような手順で、上記母材
1、2の締結穴1a、2aに締結される。すなわち、こ
のブラインドリベット10は、先ず、図22(a)に示
すように、母材1、2の締結穴1a、1bに、リベット
ボディ11の胴部11bを差し込む。次いで、図22
(b)に示すように、このブラインドリベット10のマ
ンドレル12にリベッティング工具13をセットする。
そして、図22(c)に示すように、リベットボディ1
1のフランジ部11cに、リベティング工具13のノー
ズピース13aを密着させた状態で、リベティング工具
13のトリガーを引くと、該リベッティング工具13の
ジョー13bによって、ブラインドリベット10のマン
ドレル12が掴まれて引き上げられる。これにより、リ
ベットボディ11の胴部11bの母材2から突出してい
る部分が、マンドレル12のマンドレルヘッド12aに
よって絞り加工のように塑性変形されて、母材2にカシ
メ付けられる。この状態で、上記ジョー13bによって
上記マンドレル12が更に引き上げられると、図22
(d)に示すように、該マンドレル12の破断部12b
(図21(c)参照)で、該マンドレル12が破断され
て、ブラインドリベット10による母材1、2の締結が
完了する。このブラインドリベット10は、図22
(a)、(b)、(c)、(d)に明らかなように、そ
の胴部11b側(母材1、2の背面側)を支持せずに母
材1、2への締結作業ができるので、例えば、母材1、
2の背面側に手が入らないような箇所の締結に適してい
る。
【0007】なお、その他の締結方法として、図23に
示すように、一方の母材1に予め一体的に形成された締
結部1bを、他方の母材2の締結穴2aにカシメ付け
て、母材1、2を機械的に接合するバーリングカシメと
呼ばれている締結方法が知られている。ここでは、この
バーリングカシメにより締結された母材1の締結部1b
も、上記締結部材と見なすこととする。
【0008】このような機械的締結は、前述した溶接や
接着などの接合技術に比較して、僅かなスペースで、母
材の再締結やリサイクルを安価且つ容易に行える利点が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のピン
締結や、リベット締結、及び、バーリングカシメ等の機
械的締結に用いられる締結部材は、その胴部が塑性変形
されることによって母材に締結されているため、該締結
部材の母材への締結時に締結不良が発生して締結し直し
たり、母材をリサイクル使用したりする場合には、該締
結部材を母材から取り外す際に、該締結部材の締結部を
破壊しなければならず、その分解作業に手間を要した
り、分解時に母材を損傷したりする不具合があった。
【0010】すなわち、この種の締結部材を分解する一
般的な方法としては、例えば、図24に示すように、ド
リル(不図示)により回転するキリ14によって、該締
結部材(ここでは、上記ブラインドリベット10)の締
結部(上記フランジ部11c)を切削し、該締結部材の
締結部を胴部11bから取り除いた後、この切削部側か
ら該胴部11bを叩いて、母材1、2から締結部材を抜
き取るようにしているが、このような従来の分解方法で
は、ドリルやキリ14の準備や選定、及び、切削作業等
の段取りに手間がかかる。また、この従来の分解方法で
は、図25に示すように、締結部(フランジ部11c)
の切削時に、キリ14の先端部が母材1に達して、該母
材1の締結穴1aが切削されてしまうことがある。この
ように、該母材1の締結穴1aが切削されてしまった場
合には、該母材1をリサイクルできなくなったり、該母
材1に締結部材(ブラインドリベット10)を再締結し
ても十分な締結力を確保できなくなったりする不具合が
あった。
【0011】また、このようなドリルを用いた締結部材
の分解方法では、締結部材の締結部の切削時に、キリ1
4の回転によって該締結部材が連れ廻りして、母材に擦
り傷が付いたり、締結部の切削ができなくなったりする
こともあった。ここで、上記締結部材の連れ廻りによっ
て損傷した母材が、製品の外装面を構成しているような
場合には、該製品の商品価値が著しく低下して、製品自
体が不良品となる虞が高い。
【0012】また、このように、締結部材の締結部の切
削時に、キリ14の回転によって該締結部材が連れ廻り
するような場合には、通常、図24に示すように、該締
結部材のフランジ部11cや胴部11bを、プライヤー
やペンチなどの把持工具15で掴んで、締結部材の連れ
廻りを阻止する方法が採られるが、この作業を単独で行
うことは難しく、且つ、危険が伴うため、複数の作業員
を必要とする。
【0013】特に、上記締結部材のフランジ部11cの
形状が皿状に形成されていて、該フランジ部11cを把
持工具15で掴むことが不可能な場合や、該締結部材
が、その胴部11b側に手が入らないような箇所に締結
されている場合には、該締結部の胴部11bを把持工具
15で掴んで、該締結部材の連れ廻りを阻止することが
難しいため、上述のようなドリルを用いた締結部材の切
削作業は極めて難しい。
【0014】なお、図19(a)、(b)に示したよう
なネジ締結の場合には、母材1、2から締結部材として
のボルト・ナット3、4やタッピングビス5を比較的容
易に取り外せるケースが多いが、この場合においても、
例えば、ボルト・ナット3、4やタッピングビス5の螺
合部が錆び付いて固着していたり、ネジ山が破損し、ボ
ルト・ナット3、4やタッピングビス5が母材1、2に
対して空回りしたり、締結工具(スパナやドライバー)
に対する係合部が損傷していたりする場合には、該ボル
ト・ナット3、4やタッピングビス5の取り外しに多大
な困難が伴う。
【0015】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、母材に締結された締
結部材を、母材を損傷することなく容易且つ迅速に母材
から取り外すことができる締結部材、および、締結部材
の分解装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、母材の締結穴に挿通される胴部
と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一
体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部
材を、該母材から取り外す締結部材の分解装置であっ
て、上記締結部材の胴部とフランジ部との締結部を切削
するドリル刃と、該ドリル刃に回転力を付与するドリル
と、該締結部材の連れ廻りを防止する回転防止機構と
を、有することを特徴とするものである。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の分解装置に
おいて、上記ドリル刃による過切削を防ぐための過切削
防止制御手段を有することを特徴とするものである。
【0018】請求項3の発明は、上記過切削防止制御手
段は、上記ドリル刃の切削進行を止めるストッパ部材を
有することを特徴とするものである。
【0019】請求項4の発明は、請求項1、2、また
は、3の分解装置において、切削が完了したことを検知
する切削完了検知手段と、該切削完了検知手段によって
切削完了を検知したときに切削の完了を表示する切削完
了報知手段とを、有することを特徴とするものである。
ここで、切削完了報知手段は、表示による報知を行うも
のに限らず、音などによる報知を行うものでもよい。
【0020】請求項5の発明は、請求項4の分解装置に
おいて、上記ドリルの駆動を制御するドリル駆動制御手
段を有し、上記切削完了検知手段によって切削の完了を
検知したときに、該ドリルの駆動を停止することを特徴
とするものである。
【0021】請求項6の発明は、請求項1、2、3、
4、または、5の分解装置において、上記ドリルを、上
記ドリル刃の回転軸心方向に沿って、進退自在に送るた
めの、送り手段を設けたことを特徴とするものである。
【0022】請求項7の発明は、請求項1、2、3、
4、5、または、6の分解装置において、上記ドリル刃
の切削によって生じる切り粉を回収する切り粉回収手段
を有することを特徴とするものである。
【0023】請求項8の発明は、母材の締結穴に挿通さ
れる胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実
質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結され
る締結部材であって、上記締結部材のフランジ部に凸
部、あるいは、凹部、もしくは、貫通孔を有することを
特徴とするものである。
【0024】請求項9の発明は、母材の締結穴に挿通さ
れる胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実
質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結され
る締結部材であって、上記締結部材の胴部軸線方向から
見たフランジ部の形状が、非円形形状であることを特徴
とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕以下、本発明を、
前記締結部材の締結部を分解する分解装置に適用した実
施形態について説明する。なお、本実施形態にかかる分
解装置は、前述したピン締結や、リベット締結、及び、
バーリングカシメ等の機械的締結に用いられる締結部材
であれば、どのようなタイプの締結部材であっても分解
することが可能であるが、説明の便宜上、ここでは、図
21(f)に示したようなブラインドリベット10を分
解対象として説明する。
【0026】図1は、本実施形態に係る分解装置20の
説明図である。本分解装置20は、ドリル刃22によ
り、ブラインドリベット10のフランジ部11cと胴部
11bとの胴部軸方向の境界領域に沿って、ブラインド
リベット10の締結部を切削することによって、フラン
ジ部11cと胴部11bとを分離して、母材1、2から
ブラインドリベット10を取り外すものである。この方
法は、上述した一般的な分解方法と同様である。しか
し、回転防止機構23によって、フランジ部11cを押
さえておくことで、ブラインドリベット10の連れ廻り
を防止する点が、上記一般的な分解方法と異なる。
【0027】本分解装置20の構成について説明する。
本分解装置20は、電動ドリル21と、ドリル刃22
と、締結部材の回転防止機構23と、過切削防止制御手
段24と、切削完了検知手段25と、切り粉回収手段2
6と、切削完了報知手段27と、メイン制御手段28等
とにより構成されている。
【0028】電動ドリル21は、一般に市販されている
もので、AC100Vで一定方向に一定回転数で回転駆
動するハンディータイプの電動ドリルである。また、ド
リル刃22も一般に市販されているものである。ドリル
刃22は、母材1の締結穴1aの内径よりも若干大きな
外径のものを使用する。
【0029】回転防止機構23は、ドリル刃22による
切削時にブラインドリベット10の連れ廻りを防止する
ものである。図2(a)は、回転防止機構23の一例の
構成を示した正面図である。
【0030】この回転防止機構23の構成について説明
する。可動プレート31に配設された2個のオイレスメ
タル32の貫通孔に、それぞれガイドシャフト33を挿
入してから、これらのガイドシャフト33にスプリング
34を挿入する。そして、予圧調整ナット35をガイド
シャフト33のネジ部に螺合させてセットスクリュー3
5aで固定する。その後に、ガイドシャフト33先端の
段付きネジ部33aをブラケット36のタップ穴部に螺
合させて、ガイドシャフト33をブラケット36に固定
する。可動プレート31には、2本の押さえピン37が
配設されており、これらの押さえピン37の先端部がブ
ラインドリベット10のフランジ部11cに接触して押
さえ付けることにより、ブラインドリベット10の連れ
廻りを防止する。押さえピン37の先端部は、図2に示
すように針状に構成されているので、この針状の先端部
がブラインドリベット10のフランジ部11cにくい込
み、確実に連れ廻りを防止することができる。そして、
ブラケット36に配設された2本の取付けネジ38によ
って、回転防止機構23を電動ドリル21に固定する。
【0031】なお、押さえピン37は、可動プレート3
1から取り外すことができ、交換可能になっている。図
2(b)、(c)、(d)は、他の押さえピンの例であ
る。図2(b)に示す押さえピン39は、後述するソリ
ッドリベット51、53、54(図5、7、8参照)の
貫通孔部等に嵌合することによって、これらのソリッド
リベットの連れ廻りを防止する。図2(c)に示す押さ
えピン40は、ピン40aの先端部にウレタンゴム40
bを配設した構成になっている。摩擦係数が大きいウレ
タンゴム40bでフランジ部を押さえることによって、
連れ廻りを防止することができる。また、図2(d)に
示す押さえピン44は、先端部に角穴部44aを有し、
この角穴部44aが、後述するソリッドリベット52
(図6参照)の凸部52aと嵌合して、ソリッドリベッ
ト52の連れ廻りを防止する。
【0032】過切削防止制御手段24は、ブラインドリ
ベット10の切削が完了した後に、母材1まで切削して
しまうことを防止するためのものである。上記回転防止
機構23のブラケット36にストッパ41が取付けネジ
42によって取付けられている(図2(a)参照)。ス
トッパ41の取付け穴部41aは、ドリル刃22の軸心
方向に長穴となっているので、取付け位置をブラケット
36に対して、微調整することができる。
【0033】図3は、ストッパ41の位置決め治具43
の斜視図である。位置決め治具43は、平らな鉄板に、
直径3.0mmから5.5mmまで、0.5mm間隔
で、穴径が異なる複数の調整穴が加工されている。分解
対象たるブラインドリベット10が締結されている母材
1の締結穴1aの穴径と同じ穴径の調整穴を利用してス
トッパ41の位置決めを行う。ストッパ41の先端面が
位置決め治具43の表面に接触しているときに、ドリル
刃22の刃先部と位置決め治具43の調整穴とに微小な
隙間ができるように位置決めし、ストッパ41の取付け
ネジ42によってブラケット36に固定する。このよう
にストッパ41の位置を調整しておくことによって、切
削中にドリル刃22の刃先部よりも、ストッパ41の先
端面が先に母材1に突き当たるので、機械的にドリル刃
22の進行を止めて、母材1まで切削してしまうことを
防止することができる。
【0034】また、上記ストッパ41には、切削完了検
知手段25としてリミットスイッチ45が配設されてい
る。ストッパ41が母材1に突き当たると同時に、この
リミットスイッチ45のスイッチが入り、切削完了の検
知信号をメイン制御手段28に送信する。なお、切削完
了検知手段としては、リミットスイッチ45に限らず、
他の方法による検知であってもよい。例えば、形E2K
−4ME1(オムロン株式会社製)の静電容量形近接ス
イッチを使用することによって、母材が金属以外であっ
ても、切削が完了して、近接スイッチの検出面が母材に
接触したときに、検知信号を出力することができる。
【0035】切り粉回収手段26は、吸引器26aによ
って発生した負圧を利用して、フレキシブルホース26
bを通して、切削時に発生する図示しない切り粉を吸引
し、図示しないネットに回収する(図4参照)。吸引器
26aの駆動制御はメイン制御手段28によって行い、
電動ドリル21の回転駆動と連動して駆動を開始し、切
削完了まで駆動を続けて切り粉を回収する。図示しない
ネットに切り粉が溜まって、吸引力が弱くなったときに
は、ネットを外して切り粉を捨てることによって、吸引
力を回復させることができる。この切り粉回収手段26
の吸引器26aは、図4に示すように、電動ドリル21
と分けて配設している。しかし、吸引器26aを電動ド
リル21に取付けて一体とする構成であっても構わな
い。
【0036】切削完了報知手段27としては、例えば、
赤色LED46を用いることができる(図4参照)。切
削完了検知手段25のリミットスイッチ45からの検知
信号を受けて、メイン制御手段28によって、赤色LE
D46を点灯させる。このことによって、作業者は切削
の完了を認識することができる。なお、切削完了報知手
段27としては、上記赤色LED46に限らず、スピー
カからの音声、あるいは、パトライト等によるものであ
ってもよい。
【0037】メイン制御手段28は、分解装置20全体
を制御するものである。例えば、プログラマブルコント
ローラ47であって、SYSMAC−CPM1A(オム
ロン株式会社製)などを用いることができる(図4参
照)。電動ドリル21のON/OFFスイッチ21aと
リミットスイッチ45とからの入力信号を取り込み、シ
ーケンスプログラムに従って、電動ドリル21の駆動
と、吸引器26aの駆動と、赤色LED46の点灯表示
とを制御する。
【0038】次に、本分解装置20の動作について説明
する。図4は、本分解装置20によってブラインドリベ
ット10を切削する場合の説明図である。まず、作業者
が電動ドリル21のドリル刃22の刃先部を、ドリル刃
22の回転軸心とブラインドリベット10の胴部11b
の中心軸線とが一致するように、押さえピン37によっ
てフランジ部11cを押さえて、電動ドリル21の位置
を決める。そして、電動ドリル21のON/OFFスイ
ッチ21a(図1参照)をONにして、電動ドリル21
の回転駆動を開始する。
【0039】電動ドリル21の回転駆動を開始した後
に、電動ドリル21をフランジ部11cに対して押し付
けると、スプリング34が収縮して、ドリル刃22の刃
先部がフランジ部11cに接触し、切削を開始する。切
削中は、押さえピン37でフランジ部11cを押さえて
いるので、連れ廻りを防止することができる。
【0040】ドリル刃22によって、ブラインドリベッ
ト10を切削すると、切削による図示しない切り粉が発
生する。この切り粉は、ドリル刃22とブラインドリベ
ット10との切削部に入り込んで、切削抵抗を増加させ
たり、あるいは、母材1、2に付着して、母材1、2を
汚してしまうという不具合を生じさせる虞がある。した
がって、本分解装置20においては、上述した切り粉回
収手段26を設けて、切削時の切り粉飛散を防止した。
【0041】切削が完了すると、ストッパ41の先端面
が母材1の表面に突き当たり、ドリル刃22の進行を機
械的に停止させる。このとき、同時にリミットスイッチ
45が切削完了を検知して、検知信号をプログラマブル
コントローラ47に送る。プログラマブルコントローラ
47は、この切削終了検知信号を受けて、電動ドリル2
1の回転駆動と切り粉回収手段26の吸引器26aの駆
動とを停止させるとともに、切削完了を表示する赤色L
ED46を点灯させる。なお、吸引器26aは、例え
ば、切削完了後、引き続き5秒間程度駆動して、切り粉
を完全に回収するように、プログラマブルコントローラ
47の内部タイマーで制御してもよい。
【0042】以上のような構成及び動作によって、ブラ
インドリベット10の連れ廻りを防止しながら、フラン
ジ部11cと胴部11bとの胴部軸方向の締結部を切削
して、フランジ部11cと胴部11bとを分離する。こ
こで、胴部11bとフランジ部11cとの締結部を切削
して分離しただけでは、胴部11bが母材1、2の締結
穴1a、2aに圧接された形で留まっているので、強制
的に取り外す必要がある。そこで、図示しないポンチ等
の押し出し部材によって、胴部11bを胴部軸心方向に
沿って押し出すことによって、胴部11bを母材1、2
の締結穴1a、2aから取り外すことができる。
【0043】〔実施形態2〕次に、上記実施形態1にお
ける分解装置20によって容易に分解される締結部材に
ついて説明する。本実施形態に係る締結部材は、該締結
部材のフランジ部に凹部や凸部等を形成したものである
ため、特に上記実施形態1における分解装置20を使用
することによって、該締結部材の連れ廻りを防止しなが
ら切削して分解することができる。図5、6、7、8、
9、及び、10は、本実施形態に係る締結部材の説明図
である。
【0044】図5(a)及び(b)は、フランジ部51
cに貫通孔51aを有するソリッドリベット51の説明
図である。上記押さえピン39(図2(b)参照)を装
着した分解装置20で、貫通孔51aに押さえピン39
の先端部を嵌合させて切削することにより、連れ廻りを
防止することができる。
【0045】図6(a)及び(b)は、フランジ部52
cに突起部52aを有するソリッドリベット52の説明
図である。上記押さえピン44(図2(d)参照)を装
着した分解装置20で、突起部52aに押さえピン44
を嵌合させて切削することにより、連れ廻りを防止する
ことができる。
【0046】図7(a)及び(b)は、フランジ部53
cに凹部53aを有するソリッドリベット53の説明図
である。上記押さえピン39(図2(b)参照)を装着
した分解装置20で、凹部53aに押さえピン39の先
端部を嵌合させて切削することにより、連れ廻りを防止
することができる。
【0047】図8(a)及び(b)は、フランジ部54
cの外周部の2ヶ所に切り欠き部54aを有するソリッ
ドリベット54の説明図である。上記押さえピン39
(図2(b)参照)を装着した分解装置20で、切り欠
き部54aに押さえピン39の先端部を合わせて切削す
ることにより、連れ廻りを防止することができる。
【0048】上記貫通孔51aを有するソリッドリベッ
ト51、突起部52aを有するソリッドリベット52、
凹部53aを有するソリッドリベット53、または、切
り欠き部54aを有するソリッドリベット54を、上記
分解装置20によって切削して分解する場合には、切削
前に、上記押さえピン39等を貫通孔51a等に嵌合さ
せておくことが望ましいが、必ずしもあらかじめ嵌合さ
せておかなくてもよい。例えば、貫通孔51aを有する
ソリッドリベット51を切削して分解する場合におい
て、切削前に押さえピン39を貫通孔51aに嵌合させ
ておかなくても、ソリッドリベット51が連れ廻りし
て、貫通孔51aと押さえピン39との位置が一致した
ときに、スプリング34(図2(a)参照)の弾性力に
よって押さえピン39の先端部が貫通孔51aに自動的
に嵌合し、それ以上の連れ廻りを防止することができ
る。このことによって、ソリッドリベット51の胴部軸
線と上記ドリル刃22の回転軸心とが一致していれば、
上記電動ドリル21を任意の角度でセットして切削する
ことができるため、切削時の作業性と安全性とを向上さ
せることができる。
【0049】図9(a)及び(b)は、フランジ部55
cを四角形状にしたソリッドリベット55の説明図であ
る。このソリッドリベット55を切削して分解する場合
には、上記押さえピン39(図2(b)参照)を装着し
た分解装置20を用いる。押さえピン39によって直接
フランジ部55cを押さえるのではなく、図9(c)に
示すように、ソリッドリベット55の長辺の側面側に押
さえピン39を位置決めして固定する。切削中にソリッ
ドリベット55が連れ廻りした場合には、図9(d)に
示すように、フランジ部55cの長辺の側面部が押さえ
ピン39に接触して、引っ掛かった状態となり、それ以
上の連れ廻りを防止することができる。なお、分解装置
20を用いなくても、上述したプライヤーやペンチでフ
ランジ部55cを把持することによって、連れ廻りを防
止することもできる。
【0050】図10(a)及び(b)は、フランジ部5
6cを楕円形状としたソリッドリベット56の説明図で
ある。このソリッドリベット56を切削して分解する場
合には、上記押さえピン39(図2(b)参照)を装着
した分解装置20を用いる。分解装置20によって切削
して分解する方法は、上記ソリッドリベット55の場合
と同様である。切削中にソリッドリベット56が連れ廻
りをしても、フランジ部56cの短径方向の側面が押さ
えピン39に接触して、引っ掛かった状態となり、それ
以上の連れ廻りを防止することができる。なお、分解装
置20を用いなくても、上述したプライヤーやペンチで
フランジ部56cを把持することによって、連れ廻りを
防止することもできる。
【0051】以上説明した各種の締結部材は、特に上記
分解装置20を使用することにより、容易にフランジ部
と胴部との締結部を切削して分解することができる。
【0052】〔実施形態3〕上記実施形態1において
は、電動ドリル21を作業者が手に持って、ブラインド
リベット10を切削する分解装置20について説明した
が、電動ドリル21を直動案内に固定して、電動ドリル
21の送りを自動制御する構成とすることもできる。
【0053】まず、本実施形態3における分解装置60
の構成について説明する。図11に、分解装置60の、
電動ドリル21を外した状態の斜視図を示す。電動ドリ
ル21をドリル刃22の軸方向に直線運動させるため
に、LMガイドアクチュエータ(THK株式会社製)6
1を用いた。このLMガイドアクチュエータ61は、直
動案内であるLMガイド(THK株式会社登録商標)と
ボールネジを組み合わせて一体構造としたアクチュエー
タであり、高剛性で高精度な直線運動を可能にしてい
る。
【0054】インナーブロック62がアウターレール6
3に可動保持されている。このインナーブロック62を
アウターレール63に沿って直線運動させるために、ボ
ールネジ64が、一対のハウジング65a、65bとに
よって回動可能に保持されている。インナーブロック6
2は、内部に複列のボール列が配設されているために、
高剛性で、かつ、サブミクロン単位の送り精度に追従す
ることができる。また、ボールネジ64と接触するイン
ナーブロック62の図示しないネジ部は、ボールネジ6
4に予圧を与える構造になっているので、バックラッシ
ュを防止することができる。ボールネジ64のリードは
1mmのものを採用した。すなわち、ボールネジ64が
1回転すると、インナーブロック62が、1mm送られ
るようになっている。
【0055】ボールネジ64には、ステッピングモータ
66が接続されており、このステッピングモータ66の
制御を行うことによって、ボールネジ64を回動させ
て、インナーブロック62の送り制御を行うようになっ
ている。ステッピングモータ66としては、5相で減速
器付きのUPK543A・PG36(オリエンタルモー
ター製)を用いた。このステッピングモータ66は、カ
タログ値によれば励磁最大静止トルクが30Kgcm
で、インナーブロック62を高精度で送り制御を行うこ
とができる。
【0056】インナーブロック62には、電動ドリル2
1を保持するためのホルダー67がネジ止めされてい
る。このホルダー67に、図示しない脱着バンド等によ
って、電動ドリル21を固定する。ホルダー67には、
ストッパー69とリミットスイッチ70とが配設されて
いる。また、ホルダー67には、切削時の送り量を正確
に計測するための、レーザ式変位センサ71が配設され
ている。このレーザ式変位センサ71としては、LB−
02(株式会社キーエンス製)を用いた。このレーザ式
変位センサ71は高速、高精度なレーザ式変位センサで
あり、カタログ値によれば、0.15msで50μmの
分解能を持っている。
【0057】LMガイドアクチュエータ61のハウジン
グ65bに、保持台72をネジ止めし、母材1に対して
分解装置60を安定して保持することができるようにな
っている。保持台72には、レベル調整ネジ73が3本
配設されており、図示しない水準器を用いて、分解装置
60を母材1に対して垂直に保持するようにレベル調整
を行う。また、保持台72には、一対の回転防止部材8
0が配設されている。回転防止部材80のツマミ80a
を廻すことにより、先端ストッパ80bによって、ブラ
インドリベット10のフランジ部11cを両側から挟み
込むことができる。先端ストッパ80bの内周面は、ロ
ーレット加工が施されているので、ブラインドリベット
10の連れ廻りを確実に防止することができる。
【0058】ハウジング65aには、作業者が分解装置
60を支えるための、右ハンドル75aと左ハンドル7
5bとが配設されている。右ハンドル75aには、押し
ボタンスイッチ76aが配設されており、左ハンドル7
5bには、3pトグルスイッチ76bが配設されてい
る。また、ハウジング65aには、切削完了を表示する
ための赤色LED77が配設されている。
【0059】アウターレール63の裏側には、吸引機7
8が配設されている。この吸引機78は、切削中に生じ
るブラインドリベット10の切り粉を、フレキシブルホ
ース78aを通して負圧によって回収するものであり、
上記実施形態1において用いたものと同様のものであ
る。
【0060】吸引機78の下側には、ターミナルボック
ス79が配設されており、分解装置60に配設されてい
るステッピングモータ66等の電気配線を一箇所に集め
て、制御盤100と接続する。ただし、レーザ式変位セ
ンサ71のセンサコードのみは、ターミナルボックス7
9を通さずに、制御盤100の専用コントローラ107
(図13参照)に直結する。ノイズを防ぐためである。
【0061】図13に、制御盤100の正面図を示す。
制御盤表面扉101は、操作部と表示部とを兼ねてい
る。操作部には、メイン電源102と、分解装置全体の
制御を開始するための「スタート」押しボタンスイッチ
103と、「ストップ」押しボタンスイッチ104と、
「非常停止」押しボタンスイッチ105とが配設されて
いる。表示部には、運転状態を表示するためのパイロッ
トランプ表示部106を配設した。また、ドリル刃22
の送り量をモニタするための、レーザ式変位センサ71
の専用コントローラ107としてアナログコントローラ
RD−50(株式会社キーエンス製)を配設した。パイ
ロットランプ表示部106には、「電源」106a、
「切削準備完了」106b、「切削中」106c、「切
削完了」106d、「非常停止」106eの各表示がな
される。また、「非常停止」106eの点灯と同時に、
制御盤100の上面に取り付けられた赤色パトライト1
08が、動作するようになっている。
【0062】図14は、電気系統の説明図である。制御
盤100の内部には、主な電気機器として、メイン制御
部であるプログラマブルコントローラ121と、電動ド
リルドライバ122と、ステッピングモータコントロー
ラ123aと、ステッピングモータドライバ123b
と、赤色パトライト108用のリレー124等とが、配
設されている。プログラマブルコントローラ121は、
押しボタンスイッチ76a(図12参照)やレーザ式変
位センサ71等からの各信号を取り込み、シーケンスプ
ログラムにしたがって、電動ドリルドライバ122やス
テッピングモータコントローラ123a等に制御信号を
送るようになっている。
【0063】次に、本分解装置60の動作について説明
する。まず、制御盤100のメイン電源102のスイッ
チを入れる。そして、「スタート」押しボタンスイッチ
103を押して、切削準備完了ランプ106bが点灯し
たことを確認する。この操作によって、制御盤100側
の切削のための操作は完了する。
【0064】上記操作が完了した後に、分解装置60を
ブラインドリベット10に対してセットする。図15
に、分解装置60をブラインドリベット10に対して固
定した状態の側面図を示す。このとき、ドリル刃22の
軸心をフランジ部11cの中心穴部のセンターに一致す
るように固定する。
【0065】図12は、分解装置60を、図11中のC
方向から見た上面図である。この部分は、分解装置60
の操作部である。この操作部について説明する。左ハン
ドル75bに配設された3pトグルスイッチ76bを
「手動・前進」に合わせて、右ハンドル75aに配設さ
れた押しボタンスイッチ76aを押すと、ステッピング
モータ66が回転駆動し、インナーブロック62が前進
して、ドリル刃22をフランジ部11cに対して近づけ
ることができる。押しボタンスイッチ76aの押圧を解
除すると、ステッピングモータ66の回転駆動が停止し
て、ドリル刃22の前進を止める。次に、3pトグルス
イッチ76bを「手動・後退」に合わせて、押しボタン
スイッチ76aを押すと、ステッピングモータ66が
「手動・前進」の場合とは反対の方向に回転駆動するの
で、ドリル刃22を後退させて、フランジ部11cから
離すことができる。また、3pトグルスイッチ76bを
「自動」に合わせると、自動切削モードになる。この状
態で、押しボタンスイッチ76aを押すと、自動的に電
動ドリル21とステッピングモータ66が回転駆動を開
始して、切削を行う。
【0066】分解装置60をブラインドリベット10に
対して固定したら、3pトグルスイッチ76bを「自
動」に合わせて、押しボタンスイッチ76aを押す。す
ると、電動ドリル21とステッピングモータ66とが回
転駆動を開始し、ドリル刃22が回転しながら前進送り
されて、フランジ部11cに近づく。そして、ドリル刃
22の刃先部がフランジ部11cに接触して切削を開始
する。この場合に、あらかじめレーザ式変位センサ71
のセンサヘッドと母材1表面との距離を、専用コントロ
ーラ107に入力しておくことによって、切削開始を検
知することができる。切削開始を検知したら、レーザ式
変位センサ71で切削量の計測を始める。図16は、切
削制御の一例であって、ドリル刃22の送り量と、送り
速度との関係を示すグラフである。特に、切削の後半で
は、連れ廻りの発生する可能性が高いので、切削の送り
速度を徐々に遅くして切削トルク値が小さくなるように
制御している。
【0067】以上のような構成および動作によって、ブ
ラインドリベット10の連れ廻りを防止しながら、フラ
ンジ部11cと胴部11bとの締結部を切削して分離さ
せる。なお、上述した切削の制御方法は、切削制御の一
例であって、これに限られるものではない。
【0068】〔実施形態4〕上記実施形態1において
は、電動ドリルを作業者が手に持って分解作業を行う構
成について説明し、また、上記実施形態3においては、
電動ドリルを、LMガイドアクチュエータを用いて送り
制御を行う構成について説明したが、産業用の3軸ロボ
ットを用いた構成とすることもできる。
【0069】図17に、本実施形態に係る分解装置20
0の構成を示す。分解装置200は、産業用の3軸ロボ
ット(X、Y、Z軸)201のロボットハンド部201
aに、切削手段210を配設した構成となっている。
【0070】3軸ロボット201のZ軸201zには、
サーボモータ201mが配設されているので、ロボット
ハンド部201aに配設された切削手段210をZ軸
(鉛直)方向に送り制御を行うことができる。また、3
軸ロボット201のX軸201xとY軸201yとの各
軸にも、それぞれ図示しないサーボモータが配設されて
いる。X軸201xとY軸201yとによって、分解対
象たるブラインドリベット10の胴部軸心とドリル刃2
04との回転軸心とが一致するように位置決めを行うこ
とができる。
【0071】メイン制御部206は分解装置200全体
の制御を行う部分である。また、操作盤207は、主に
各種データをインプットする部分で、例えば、分解対象
たるブラインドリベット10の3次元座標位置、ドリル
刃204の切削送り速度などをインプットする。
【0072】図18は、切削手段210の正面図であ
る。3軸ロボット201のロボットハンド部201aに
固定されたベースプレート211に、電動ドリルモータ
212がブラケット213によって配設されている。ま
た、電動ドリルモータ212の回転軸212aには、駆
動側プーリ214が配設されている。そして、回転防止
機構230が、ガイドシャフト231によって、ベース
プレート211に固定されている。また、ドリルチャッ
ク215が、軸受け部216によって、回転可能にベー
スプレート211に保持されている。ドリルチャック2
15の回転軸215aには、従動側プーリ217が配設
されており、ドリルチャック215の先端部には、ドリ
ル刃204が取付けられている。電動ドリルモータ21
2の回転駆動力は、タイミングベルト219によって、
ドリルチャック215に伝達されて、ドリル刃204を
回転させることができる。なお、作業者の安全を確保す
るために、タイミングベルト219等の駆動部は安全カ
バー220で覆われている。
【0073】次に、本分解装置200によって、母材
1、2に締結されたブラインドリベット10を分解する
動作について説明する。まず、架台205の定盤207
に、ワーク位置決め固定ブロック208によって、母材
1、2を固定する。そして、分解すべきブラインドリベ
ット10の3次元の座標位置を操作盤207にインプッ
トする。分解対象のブラインドリベット10が複数ある
場合には、それぞれの3次元の座標位置を入力しておけ
ば、連続して分解の切削加工を行うことができる。な
お、図示しないティーチングボックスによって、座標位
置をティーチングすることもできる。大量生産品でない
試作品などの単品の場合には、座標位置をティーチング
する方が、分解に要する全体の作業時間を短縮すること
ができる。ブラインドリベット10の3次元座標位置の
インプット、あるいは、ティーチングが終わったら、ブ
ラインドリベット10の大きさや材質によって、それぞ
れ異なる、ドリル刃204の送り速度を操作盤207に
インプットする。
【0074】上記各種データのインプット作業が終了し
たら、操作盤207のスタート押しボタンスイッチ20
7aを押して、ブラインドリベット10の切削加工を開
始する。切削加工の工程は、全て自動制御されているの
で、作業者は切削加工工程を監視していればよい。
【0075】以上のような構成及び動作により、ブライ
ンドリベット10のフランジ部11cと胴部11bとの
締結部を切削して分離することができる。
【0076】
【発明の効果】請求項1乃至7の発明によれば、本発明
の分解装置においては、上記ドリル刃で上記締結部材の
胴部とフランジ部との締結部を切削して分解する際に、
回転防止機構によって、該締結部材の連れ廻りを防止す
る。このことによって、該締結部材の分解時に、該締結
部材が空回りしたり、上記母材が損傷されたりすること
がなく、該母材から該締結部材を容易且つ迅速に取り外
せるという優れた効果がある。
【0077】特に、請求項2の発明によれば、過切削防
止制御手段を有しているので、上記母材が切削されて損
傷されることを防止することが可能になるという優れた
効果がある。
【0078】特に、請求項3の発明によれば、上記過切
削防止制御手段は、上記ドリル刃の切削進行を止めるス
トッパ部材を有しているので、機械的に該ドリル刃の進
行を停止させて、上記母材が切削されて損傷されること
を防止することができるという優れた効果がある。
【0079】特に、請求項4の発明によれば、切削が完
了したことを検知する検知手段と切削完了を表示する報
知手段とを有しているので、余分な切削を防止するとと
もに、切削が完了したことを作業者が認識することがで
きるという優れた効果がある。
【0080】特に、請求項5の発明においては、切削完
了時に上記ドリルの駆動を停止することができるので、
余分な切削を防止することができるという優れた効果が
ある。
【0081】特に、請求項6の発明においては、上記送
り手段によって上記ドリルを上記ドリル刃の回転軸心方
向に進退自在に送ることができるので、該ドリル刃を進
行させて上記締結部材を切削することができるという優
れた効果がある。
【0082】特に、請求項7の発明においては、上記ド
リル刃の切削によって生じる切り粉を回収する回収手段
を有しているので、該切り粉が切削部分に挟まって切削
抵抗を増加させたり、上記母材に付着して該母材を汚し
てしまうことを防止することができるという優れた効果
がある。
【0083】請求項8の発明においては、上記締結部材
を上記分解装置で分解するときに、該締結部材のフラン
ジ部表面に形成された凸部、あるいは、凹部、もしく
は、貫通孔を、該分解装置の回転防止機構で押さえるこ
とによって、該締結部材の連れ廻りを防止する。このこ
とによって、該締結部材の分解時に、該締結部材が空回
りしたり、上記母材が損傷されたりすることがなく、該
母材から該締結部材を容易且つ迅速に取り外せるという
優れた効果がある。
【0084】請求項9の発明においては、上記締結部材
の胴部軸線方向から見たフランジ部の形状が非円形形状
であるので、該締結部材を上記分解装置で分解するとき
に、該締結部材が連れ廻りすると、該フランジ部の側面
が該分解装置の回転防止機構に接触して、引っ掛かった
状態となり、該締結部材の連れ廻りを防止する。あるい
は、上記プライヤー等の工具で該フランジ部の側面を把
持して、該締結部材の連れ廻りを防止する。これらのこ
とによって、該締結部材の分解時に、該締結部材が空回
りしたり、上記母材が損傷されたりすることがなく、該
母材から該締結部材を容易且つ迅速に取り外せるという
優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る分解装置の概略構成図。
【図2】(a)は本実施形態に係る回転防止機構の正面
図。(b)、(c)、(d)は、本実施形態に係る回転
防止機構の押さえピンの説明図。
【図3】ストッパ位置決め治具の斜視図。
【図4】回転防止機構を電動ドリルに取り付けたときの
説明図。
【図5】他の実施形態に係る締結部材の説明図。
【図6】他の実施形態に係る、さらに他の締結部材の説
明図。
【図7】他の実施形態に係る、さらに他の締結部材の説
明図。
【図8】他の実施形態に係る、さらに他の締結部材の説
明図。
【図9】他の実施形態に係る、さらに他の締結部材の説
明図。
【図10】他の実施形態に係る、さらに他の締結部材の
説明図。
【図11】さらに他の実施形態に係る分解装置の斜視
図。
【図12】さらに他の実施形態に係る分解装置の上面
図。
【図13】さらに他の実施形態に係る分解装置の制御盤
正面図。
【図14】さらに他の実施形態に係る分解装置の電気系
統の説明図。
【図15】さらに他の実施形態に係る分解装置の側面
図。
【図16】さらに他の実施形態に係る分解装置の、送り
制御を示すグラフ。
【図17】さらに他の実施形態に係る3軸ロボットを用
いた分解装置の斜視図。
【図18】さらに他の実施形態に係る3軸ロボットに配
設された切削手段の正面図。
【図19】(a)、(b)は、ネジ締結について説明す
るための要部断面図。
【図20】(a)、(b)は、ピン締結について説明す
るための要部断面図。
【図21】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、
(f)は、リベット締結について説明するための要部断
面図。
【図22】(a)、(b)、(c)、(d)は、ブライ
ンドリベットの母材への締結手順を示す行程図。
【図23】チューブラーリベットについて説明するため
の要部断面図。
【図24】従来の締結部材の分解方法について説明する
ための概略断面図。
【図25】従来の締結部材の分解方法の不具合について
説明するための概略断面図。
【符号の説明】
1、2 母材 1a、2a 母材1、2の締結穴 10 ブラインドリベット 11 リベットボディ 11a リベットボディ11の軸穴 21b リベットボディ11の胴部 21c リベットボディ11のフランジ部 12 マンドレル 20 分解装置 21 電動ドリル 21a 電動ドリルON/OFFスイッチ 22 ドリル刃 23 回転防止機構 24 過切削防止制御手段 25 切削完了検知手段 26 切り粉回収手段 27 切削完了報知手段 28 メイン制御手段 31 可動プレート 34 スプリング 36 ブラケット 37 押さえピン 41 ストッパ 45 リミットスイッチ 46 赤色LED 47 プログラマブルコントローラ 51、52、53、54、55、56 締結部材 60 分解装置 61 LMガイドアクチュエータ 62 インナーブロック 63 アウターレール 66 ステッピングモータ 71 レーザ式変位センサ 77 赤色LED 80 回転防止部材 100 制御盤 200 分解装置 201 3軸ロボット 204 ドリル刃 212 電動ドリルモータ 230 回転防止機構

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結
    穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフラン
    ジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母
    材から取り外す締結部材の分解装置であって、上記締結
    部材の胴部とフランジ部との締結部を切削するドリル刃
    と、該ドリル刃に回転力を付与するドリルと、該締結部
    材の連れ廻りを防止する回転防止機構とを、有すること
    を特徴とする分解装置。
  2. 【請求項2】請求項1の分解装置において、 上記ドリル刃による過切削を防ぐための過切削防止制御
    手段を有することを特徴とする分解装置。
  3. 【請求項3】請求項2の分解装置において、 上記過切削防止制御手段は、上記ドリル刃の切削進行を
    止めるストッパ部材を有することを特徴とする分解装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1、2、または、3の分解装置にお
    いて、切削が完了したことを検知する切削完了検知手段
    と、該切削完了検知手段によって切削完了を検知したと
    きに切削の完了を表示する切削完了報知手段とを、有す
    ることを特徴とする分解装置。
  5. 【請求項5】請求項4の分解装置において、上記ドリル
    の駆動を制御するドリル駆動制御手段を有し、上記切削
    完了検知手段によって切削の完了を検知したときに、該
    ドリルの駆動を停止することを特徴とする分解装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4、または、5の分解
    装置において、上記ドリルを、上記ドリル刃の回転軸心
    方向に沿って、進退自在に送るための、送り手段を設け
    たことを特徴とする分解装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5、または、6の
    分解装置において、上記ドリル刃の切削によって生じる
    切り粉を回収する切り粉回収手段を有することを特徴と
    する分解装置。
  8. 【請求項8】母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結
    穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフラン
    ジ部とによって、該母材に締結される締結部材であっ
    て、上記締結部材のフランジ部に凸部、あるいは、凹
    部、もしくは、貫通孔を有することを特徴とする締結部
    材。
  9. 【請求項9】母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結
    穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフラン
    ジ部とによって、該母材に締結される締結部材であっ
    て、上記締結部材の胴部軸線方向から見たフランジ部の
    形状が、非円形形状であることを特徴とする締結部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008025313A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Kusakabe:Kk 折版屋根の谷部用雪止め金具
JP2015030062A (ja) * 2013-08-02 2015-02-16 株式会社後藤建設 パイプ穿孔装置
CN107052410A (zh) * 2017-06-19 2017-08-18 沈阳飞机工业(集团)有限公司 多功能铣平器

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