JP2000222938A - 固体電解質膜 - Google Patents

固体電解質膜

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JP2000222938A
JP2000222938A JP11025319A JP2531999A JP2000222938A JP 2000222938 A JP2000222938 A JP 2000222938A JP 11025319 A JP11025319 A JP 11025319A JP 2531999 A JP2531999 A JP 2531999A JP 2000222938 A JP2000222938 A JP 2000222938A
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fluoropolymer
solid electrolyte
carboxylic acid
fluorine
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JP11025319A
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Kazuo Okuyama
和雄 奥山
Shoichi Doi
正一 土井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】燃料電池用、電解用固体電解質膜の引っ張り破
断強度を、電気抵抗の増加を伴わなずに向上させる。 【解決手段】以下の手段により、カルボン酸基を有する
含フッ素重合体(含フッ素重合体A)と官能基を有さな
い含フッ素重合体(含フッ素重合体B)が互いに相溶状
態にある固体電解質膜を作製する。 (1)含フッ素重合体Aを、そのガラス転移点以上、3
40℃以下の温度で、含フッ素重合体Bと混合し、製膜
する。 (2)カルボン酸基前駆体を有する含フッ素重合体を、
そのガラス転移点以上、340℃以下の温度で、含フッ
素重合体Bと混合し製膜した後、該カルボン酸基前駆体
をカルボン酸基に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電流効率の高い固体
高分子電解質膜であって、固体高分子型燃料電池、水電
気分解、食塩電気分解、各種センサー等の用途に有用な
固体電解質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】電解質膜には水素が解離して生じたプロ
トンを酸素側に移動させる伝導体としての機能があり、
一般に膜の交換容量が大きいほどプロトン伝導度が大き
くなり、そして膜厚が薄いほど膜による電気抵抗が小さ
くなるので好ましい。従来、固体高分子型燃料電池用電
解質膜としてペルフルオロカーボンスルホン酸膜が使用
され比較的良好な性能を発揮している。実際に交換容量
が1.25ミリ当量/g程度の膜や、膜厚50μm程度
のペルフルオロカーボン系電解質膜が製造、市販されて
おり、その代表的な例としてNafion<登録商標>
(米国DuPont社製)(以下、Nafion)、A
ciplex<登録商標>(旭化成工業製)(以下、A
ciplex)、Flemion<登録商標>(旭硝子
製)(以下、Flemion)等が有る。
【0003】従来の電解質膜に於いては、カルボン酸基
を有するペルフルオロカーボン膜を使用することで高電
流効率の膜が得られることが知られている。最近は、こ
れに併せて、膜強度を向上させること、すなわち、膜強
度を維持しながら電解電圧を低減させることが市場から
要求されている。この膜強度向上については現在までに
いくつかの検討が試みられており、例えば、PTFEの
フィブリル化繊維をカルボン酸基を有する含フッ素陽イ
オン交換樹脂に混合する手段によって、引き裂き伝播強
度や耐折り曲げ強度、破断伸度を向上させることが開示
(特開昭54−1283号、特開昭54−107479
号、特開昭54−157777号、特開昭58−204
189号の各公報)されている。
【0004】しかし、これらに代表される従来技術にお
いても、膜の強度向上は充分ではなく、むしろ電気抵抗
の増加を伴うという問題が有る。最近では、電解電圧も
理論電解電圧に近づきつつあり、10mV下げることも
難しくなりつつある。そこで、電気抵抗を向上させずに
引っ張り破断強度向上を達成する手段が渇望されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は低い電気抵抗
値を有し、かつ、引っ張り破断強度に優れた固体電解質
膜、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題点
を解決するために鋭意研究の結果、互いに相溶状態にあ
る、カルボン酸基を有する含フッ素重合体と官能基を有
さない含フッ素重合体からなる電解質膜が膜電気抵抗を
上昇させずに引っ張り破断強度を向上させる上で、著し
い効果を有することを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】以下、本発明につき詳述する。本願に係る
含フッ素重合体AまたはCとしては、広範なカルボン酸
基またはその前駆体を有する含フッ素重合体を用いるこ
とができるが、代表的な例として、下記(式1)で表さ
れる重合性単量体の一種以上と、これに後述の重合性単
量体群から選ばれた一種類または二種類以上の重合性単
量体とからなる共重合体が挙げられる。 (式1) Y-(CF2)a-(CFRt)b-(CFRt')c-O-(C(CF2X)F-CF2-O)n-CF=CF2 (式中、−Yは、−COOH、−CN、−COOR で
ある。aは0〜6の整数、bは0〜6の整数、cは0ま
たは1であり、且つa+b+c≠0であり、nは0〜6
の整数である。Xは、n≧1のときCl、BrまたはF
のいずれか一種、または複数種の組合せである。R、R
t およびRt'は、F、Cl、1〜10個の炭素原子
を有するパーフルオロアルキル基および1〜10個の炭
素原子を有するフルオロクロロアルキル基のなかから選
択されるものである。) これらに共重合させる重合性単量体群としては、テトラ
フルオロエチレン、トリフルオロモノクロロエチレン、
トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1−ジ
フルオロ−2,2−ジクロロエチレン、1,1−ジフル
オロ−2−クロロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロピレン、
オクタフルオロイソブチレン、エチレン、塩化ビニルお
よびアルキルビニルエステル等が挙げられる。
【0008】なお、含フッ素重合体Cを用いた場合は、
後述の方法で製膜後にカルボン酸基前駆体をカルボン酸
基に変換し、含フッ素重合体A成分に変換する。含フッ
素重合体Aの交換容量は電解膜強度とその電気抵抗のバ
ランスにより、その好適範囲が定まり、例えば、0.5
0〜2.00ミリ当量/gであり、好ましくは0.70
〜1.50ミリ当量/gである。含フッ素重合体Aと相
溶している含フッ素重合体Bは官能基を有さない。ここ
で官能基を有さないとは、イオン交換容量が0.10ミ
リ当量/g以下であるものを指す。具体例としては、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロエチレン共重合体(FEP)等のペルフルオロカー
ボン類、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、
フッ化ビニリデン等の部分フッ化重合体類が例示され
る。これらの中でも特にPTFEは、含フッ素重合体A
と相溶させた電解膜の電流効率向上が大きく好ましい。
【0009】含フッ素重合体Bの全膜重量に対する好適
な割合は、含フッ素重合体AまたはCの種類と含フッ素
重合体Bの種類の組み合わせ、また含フッ素重合体Bの
分子量にも依存するが、例えば、含フッ素重合体AがN
afionあるいはAciplex、含フッ素重合体B
がPTFEの場合では、PTFEの割合が0.1〜4重
量%、PTFEの数平均分子量が10万〜2000万、
その中でも、30万〜500万の範囲であるのが、電解
電圧を特に低く保つ上で好ましい。
【0010】本発明における二種の含フッ素重合体の相
溶状態とは、含フッ素重合体A中に含フッ素重合体Bが
溶け込んでいる状態をいい、固体電解質膜中で、含フッ
素重合体、特により結晶性の高い含フッ素重合体B成分
が膜成型以前に有していた結晶化状態を保持していない
ことを言う。この結晶化状態の変化は、例えば、X線回
折(XRD)及び示差走査熱量(DSC)測定等の通常
知られた高分子解析手法により、容易に確認することが
できるが、光散乱法により直接に相溶状態を観察するこ
ともできる。すなわち、相溶状態に達していない場合に
は、偏光子を装備した光学顕微鏡での膜の観察により、
膜中に繊維状の形態で分散した含フッ素重合体Bの結晶
パターンが観察される。
【0011】含フッ素重合体AまたはCを、含フッ素重
合体Bと相溶させて、本発明の固体電解質膜を製造する
には、両者を高温下で混合し、その後製膜することで実
施される。混合温度は含フッ素重合体AまたはCのガラ
ス転移点以上から340℃以下の温度範囲で行わなけれ
ばならず、この範囲外の温度下で混合した場合、二種の
含フッ素重合体の均一な相溶状態が得られない。採用す
る温度は混練装置のせん断能力にもよるがガラス転移点
以上であり、できるだけ高い温度とすることが良好な混
練のために好ましい。しかし、340℃を超えると、含
フッ素重合体の分解が無視できない場合が多く、本発明
の目的を達する上で好ましくない。混合温度の下限値
は、示差走査熱量計(DSC)により含フッ素重合体Aま
たはCのガラス転移点を測定することにより容易に設定
でき、例えば、AciplexにPTFEを混合する場
合は240℃以上である。
【0012】混合時間は、含フッ素重合体AまたはCと
含フッ素重合体Bとの混合物が、相溶状態に達成するま
での時間として設定されるが、好ましくは10分から2
時間である。混合方法も特に制限はなく、例えばホイー
ル形、プレート形またはロール形などの汎用の混練機を
用いることができる。製膜成型方法にも特に制限はな
く、例えばプレス成型、ロール成型、押し出し成型など
の通常の方法で成型可能である。製膜時間にも特に制限
はないが、厚さむらの無い膜状態に成形できる時間が設
定され、好ましくは5秒から10分である。
【0013】カルボン酸基前駆体からカルボン酸基への
変換は、通常、酸又は塩基での加水分解により達成され
る。塩基での加水分解、特に熱溶液、例えば沸点付近の
溶液の使用は速い加水分解に好適である。加水分解に必
要な時間は、構造物の厚さとともに増大する。水と混和
する有機化合物例えばジメチルスルホキシドを加水分解
浴に含有させることも有効である。
【0014】本発明の固体電解質膜は、種々の優れた性
能を有するために各種の目的、分野、用途に広範囲に応
用できる。例えば、電気透析、電解還元、燃料電池、食
塩電解、各種センサーなどが例示される。かかる各種用
途において単独で用いても良いし、他の公知技術に従っ
て積層・複合化して用いてもよい。特に、燃料電池用途
においては、PTFEなどの多孔膜と積層(特開平6−
342666、特開平7−233267)して使用した
り、ガス拡散電極と一体化して使用できる(特開平6−
349498)。また、食塩電解ではパーフルオロカー
ボンカルボン酸膜と積層した膜として使用したり、PT
FEなどからなる布、網などの織布、不織布、又は金属
製のメッシュ、多孔体などで補強できる。さらに本発明
の電解質膜を用いた複合膜は、その表面を粗面化したり
あるいは金属酸化物粒子からなる多孔質層や薄層をその
表面に形成することも可能である。
【0015】
【発明実施の形態】以下、実施例、比較例を挙げさらに
具体的に説明する。本願実施例、比較例において得られ
た膜の物性測定法は、以下の通りである。カルボン酸ポ
リマーの薄膜中の二種の重合体相溶状態は、光散乱装置
(大塚電子株式会社製、DAYNA3000)、及びX
RD(理学電気製X線回折装置RINT2500)を用
いた膜中重合体の結晶状態の解析にて行った。一般に、
光散乱法では試料にレーザー光を照射し、散乱する光を
受光しているが、散乱光を90°偏光させた偏光板をと
おして受光することでフィブリル微結晶を含めた結晶が
存在しているかどうか判断した。一方、XRDでは、得
られた回折ピークを16.2°の非晶部由来、17.5
°の非晶部由来、そして18.2°の結晶部由来の三つ
にピークに分離し、それらピーク面積から、結晶成分の
存在率を算出した。
【0016】重合体のガラス転移点、分解点は(セイコ
ー電子工業製DSC220C)で測定した。得られたD
SC曲線上に現れた、2つの吸熱ピークのうち低温側の
ピークをガラス転移点温度とした。膜の引っ張り破断強
度を、テンシロン(オリエンテック製RTCー121
0)を用いて測定した。試料は湿潤状態で幅1cm、長
さ10cmに切断した試験片で、両端を保持し、試料長
は5cmとして室温、100mm/分の速度で伸張し
た。
【0017】積層膜の電流効率と電解電圧は面積100
cm2の電解セルで測定した。陽極室には3.5Nの塩
化ナトリウム水溶液、陰極室には33%水酸化ナトリウ
ム水溶液を循環し固体電解質膜を挟んで接触させ、液漏
れが無いように固定、90℃、4kA/m2で運転し
た。電流効率は流した電流値、時間から理論的に得られ
るべき水酸化ナトリウムの重量に対する実際に得られた
重量の比である。
【0018】
【実施例1】含フッ素重合体Aとして、カルボニルメチ
ルエステル型のペルフルオロカーボンであるAcipl
ex(旭化成工業株式会社製、交換容量1.05ミリ当
量/g、DSCによる吸熱ピーク温度150℃)49.
5gを用い、これに含フッ素重合体Bとして、PTFE
粉末(ダイキン工業株式会社製ポリフロンF−201
L、数平均分子量400万)0.5gを加えプラストミ
ル(東洋精機製作所製50MR)を用いて回転数50r
pm、245℃、1時間混練した。得られた混練ポリマ
−を用い、295℃、400kg/cm2の圧力で5分
間ホットプレス製膜し、膜厚100μmの均一膜を得
た。得られた膜をXRDで測定したところ18.2°の
回折ピークが見られなかった。PTFE粉末(ダイキン
工業株式会社製F−201L、数平均分子量400万)
のXRD測定では18.2°にのみ鋭い回折ピークが見
られた。得られた膜の光散乱測定では偏光散乱が観測さ
れなかった。なお、PTFE粉末だけの光散乱測定では
強い偏光散乱が観測された。
【0019】この混練ポリマーを用いて、上記手法にて
別途成型した厚み25μmの膜を第1層とし、一方、
(式1)においてYがスルホニルフルオライド基を有す
るペルフルオロカーボンモノマーとテトラフルオロエチ
レンの共重合体で交換容量0.97ミリ当量/gを示す
ポリマー(D)からなり厚さ75μmの膜を第2層とし
て、両層を温度275℃で共押し出し製膜し、フィルム
(1)を得た。さらにポリマー(D)のみからなる厚さ
25μmのフィルム(2)を成型した。強化部材にポリ
テトラフルオロエチレン繊維(150デニル、太さ11
0μm)を用い、平織り方式で支持体材料の織布を作成
し、この織布をフィルム(1)のポリマー(D)側(第
2層側)とフィルム(2)の間にはさんで積層した。
【0020】得られた積層膜をケン化することにより、
カルボニルエステル型、スルホニルフルオライド型の官
能基がそれぞれカルボン酸カリウム型、スルホン酸カリ
ウム型に変換した。充分純水で洗浄した後、0.5NN
aOH水溶液に漬け85℃、30分保持し、積層膜を構
成するポリマーを、それぞれカルボン酸ナトリウム型、
スルホン酸ナトリウム型とした。
【0021】その後、先述した測定法により膜の電解性
能を測定した。その結果、引っ張り破断強度は1.5k
gf/cmであった。電解電圧は3.00Vであった。
また、電流効率を測定したところ97.4%であった。
【0022】
【比較例1】カルボニルメチルエステル型のペルフルオ
ロカーボンであるAciplexのみを厚さ25μmの
第1層とする以外は、全て実施例1に準じた手法にて積
層膜を得た。得られた膜を、実施例1と同じ条件でカル
ボン酸ナトリウム型とし、電解性能を測定した結果、電
解電圧は3.01Vであり、電流効率は97.2%であ
ったが、引っ張り破断強度は1.2kgf/cmであ
り、数平均分子量400万のPTFEを1wt%相溶し
た実施例1の膜に比べて、同等の電解電圧、電流効率を
有していたが、引っ張り破断強度が低下していた。
【0023】
【比較例2】Aciplexの使用量を47.5g、P
TFE粉末の使用量を2.5gとした以外は、実施例1
に準じた方法にて混練ポリマーを得、ひきつづきホット
プレス製膜し、膜厚100μmの均一膜を得た。得られ
た膜をXRDで測定したところ18.2°の回折ピーク
が9%認められた。また、膜の光散乱測定では偏光散乱
が観測された。これら、測定結果より、混合したPTF
Eの一部が相溶せず膜中に存在していることが示され
た。
【0024】得られた混練ポリマーを第1層とする積層
膜を、実施例1と同じ条件で得、ケン化してナトリウム
型とし、電解性能を測定した結果、電解電圧は3.05
Vで、電流効率は97.5%であった。引っ張り破断強
度は1.5kgf/cmであった。このように、数平均
分子量400万のPTFEを5wt%混合した膜では、
1wt%混合した実施較例1の膜に比べて、引っ張り破
断強度は同程度であったものの電解電圧が上昇してい
た。
【0025】
【比較例3】AciplexRの使用量を45g、PT
FE粉末の使用量を5gとした以外は、実施例1に準じ
た方法にて混練ポリマーを得、ひきつづきホットプレス
製膜し、膜厚100μmの均一膜を得た。得られた膜を
XRDで測定したところ18.2°の回折ピークが18
%見られた。また、光散乱測定では偏光散乱が強く観測
された。
【0026】得られた混練ポリマーを第1層とする積層
膜を、実施例1と同じ条件で得、ケン化してナトリウム
型とし、電解性能を測定した結果、電解電圧は3.10
Vであった。また、電流効率は97.5%であった。引
っ張り破断強度は1.4kgf/cmであった。このよ
うに、数平均分子量400万のPTFEを10wt%混
合した膜では、1wt%添加した実施例1の膜に比べ
て、引っ張り破断強度は同等であるものの、電解電圧も
上がってしまった。
【0027】
【実施例2】PTFE粉末をダイキン工業株式会社製ル
ブロンL−2(数平均分子量40万)とする以外は、全
て実施例1に準じた手法にて積層膜を得た。均一膜のX
RD測定では回折ピークは見られず、光散乱でも偏光散
乱はなかった。得られた膜を、実施例1と同じ条件でカ
ルボン酸ナトリウム型とし、電解性能を測定した結果、
電解電圧は3.01Vであり、電流効率は97.2%で
あったが、引っ張り破断強度は1.4kgf/cmであ
り、混合しなかった比較例1のの膜に比べて、同等の電
解電圧、電流効率を有していたが、引っ張り破断強度が
向上していた。
【0028】
【発明の効果】本発明の高強度固体電解質膜は、カルボ
ン酸基を有する含フッ素重合体に相溶させたカルボン酸
基を有しない含フッ素重合体からなるものであり、カル
ボン酸基を有する含フッ素重合体単独の膜の優れたイオ
ン伝導性を損なわず、その引っ張り破断強度を向上させ
たものであり、燃料電池やクロロアルカリ電気分解用隔
膜として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/02 C08L 27/12 // C08F 14/18 G01N 27/46 341G C08L 27/12 371G (C08L 27/12 27/58 Z 27:18)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸基を有する含フッ素重合体
    (以下、含フッ素重合体A)と官能基を有さない含フッ
    素重合体(以下、含フッ素重合体B)からなり、含フッ
    素重合体Aと含フッ素重合体Bが互いに相溶状態にある
    固体電解質膜。
  2. 【請求項2】 含フッ素重合体Bが四フッ化エチレン重
    合体である請求項1に記載の固体電解質膜。
  3. 【請求項3】 含フッ素重合体Aの交換容量が0.50
    〜2.00ミリ当量/gである請求項1または2に記載
    の固体電解質膜。
  4. 【請求項4】 含フッ素重合体Bの含有量が0.1〜4
    重量%である請求項1〜3のいずれか一つに記載の固体
    電解質膜。
  5. 【請求項5】 含フッ素重合体Aと含フッ素重合体B
    を、含フッ素重合体Aのガラス転移点以上、340℃以
    下の温度で混合し、その後製膜する請求項1〜4のいず
    れか一つに記載の固体電解質膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 カルボン酸基前駆体を有する含フッ素重
    合体(以下、含フッ素重合体C)と含フッ素重合体Bを、
    含フッ素重合体Cのガラス転移点以上、340℃以下の
    温度で混合し、その後製膜した後、該カルボン酸基前駆
    体をカルボン酸基に変換することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一つに記載の固体電解質膜の製造方法。
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