JP2000222775A - ジッター増大を抑える光記録媒体用誘電体膜および光記録媒体 - Google Patents
ジッター増大を抑える光記録媒体用誘電体膜および光記録媒体Info
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- JP2000222775A JP2000222775A JP11022216A JP2221699A JP2000222775A JP 2000222775 A JP2000222775 A JP 2000222775A JP 11022216 A JP11022216 A JP 11022216A JP 2221699 A JP2221699 A JP 2221699A JP 2000222775 A JP2000222775 A JP 2000222775A
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- Japan
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- recording medium
- dielectric film
- film
- powder
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ジッターの増大を抑える硫化亜鉛−二酸化ケ
イ素系光記録媒体用誘電体膜およびこの誘電体膜を積層
した光記録媒体を提供する。 【解決手段】 二酸化ケイ素:10〜30mol%を含
有し、Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,Luの内の1種または2
種以上を合計で:0.001〜5mol%を含有し、残
りが硫化亜鉛からなる組成を有する誘電体膜およびこの
誘電体膜を積層した光記録媒体。
イ素系光記録媒体用誘電体膜およびこの誘電体膜を積層
した光記録媒体を提供する。 【解決手段】 二酸化ケイ素:10〜30mol%を含
有し、Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,Luの内の1種または2
種以上を合計で:0.001〜5mol%を含有し、残
りが硫化亜鉛からなる組成を有する誘電体膜およびこの
誘電体膜を積層した光記録媒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ジッター(信号
の時間軸上の正規の位置からのズレ)の増大を抑える硫
化亜鉛−二酸化ケイ素系光記録媒体用誘電体膜に関する
ものであり、さらにこの発明はジッター増大を抑える硫
化亜鉛−二酸化ケイ素系光記録媒体用誘電体膜を積層し
た光記録媒体に関するものである。
の時間軸上の正規の位置からのズレ)の増大を抑える硫
化亜鉛−二酸化ケイ素系光記録媒体用誘電体膜に関する
ものであり、さらにこの発明はジッター増大を抑える硫
化亜鉛−二酸化ケイ素系光記録媒体用誘電体膜を積層し
た光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ビームを用いて情報の記録お
よび消去を行う光ディスクなどの光記録媒体の膜構造
は、図1の断面図に示されるように、基板1の表面に第
一誘電体膜2を形成し、この第一誘電体膜2の上に記録
膜3を形成し、この記録膜3の上に第二誘電体膜4を形
成し、この第二誘電体膜4の上に反射膜5を形成した構
造となっている。実用の光記録媒体は前記反射膜5を保
護するために反射膜5の上にさらに保護膜(図示せず)
を形成した構造となっている。かかる膜構造の光記録媒
体は、レーザー光の照射により記録膜3を結晶状態と非
晶質状態との間で相変化させ、情報の記録・消去による
書き換え(以下、オーバーライトと云う)を行う。
よび消去を行う光ディスクなどの光記録媒体の膜構造
は、図1の断面図に示されるように、基板1の表面に第
一誘電体膜2を形成し、この第一誘電体膜2の上に記録
膜3を形成し、この記録膜3の上に第二誘電体膜4を形
成し、この第二誘電体膜4の上に反射膜5を形成した構
造となっている。実用の光記録媒体は前記反射膜5を保
護するために反射膜5の上にさらに保護膜(図示せず)
を形成した構造となっている。かかる膜構造の光記録媒
体は、レーザー光の照射により記録膜3を結晶状態と非
晶質状態との間で相変化させ、情報の記録・消去による
書き換え(以下、オーバーライトと云う)を行う。
【0003】前記光記録媒体を構成する基板1は厚さ:
0.5〜3mm程度の透明な樹脂やガラスなどからなる
円板で構成されており、基板を構成する樹脂としては、
アクリル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)樹脂、ポリイミド樹脂などが使用されている。
0.5〜3mm程度の透明な樹脂やガラスなどからなる
円板で構成されており、基板を構成する樹脂としては、
アクリル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)樹脂、ポリイミド樹脂などが使用されている。
【0004】また、前記記録膜3は、In−Se系組成
を有する膜、In−Se−Te系組成を有する膜、Ge
−Sb−Te系組成を有する膜、Pd−Ge−Sb−T
e系組成を有する膜、Pt−Ge−Sb−Te系組成を
有する膜、Nb−Ge−Sb−Te系組成を有する膜、
Ni−Ge−Sb−Te系組成を有する膜、Co−Ge
−Sb−Te系組成を有する膜、In−Ag−Te−S
b系組成を有する膜、Ge−Sb−Te系組成を有する
膜などが知られており、この記録膜3は通常10〜45
nmの厚さを有し、スパッタにより形成される。In−
Ag−Te−Sb系組成を有する膜にさらに微量のH,
Si,C,V,W,Ta,Zn,Ti,Ce,Tbおよ
びYの内の1種または2種以上を含有させると、高温、
高湿などの悪条件下での信頼性が向上するとともに書き
換え耐久性が向上すると言われている。
を有する膜、In−Se−Te系組成を有する膜、Ge
−Sb−Te系組成を有する膜、Pd−Ge−Sb−T
e系組成を有する膜、Pt−Ge−Sb−Te系組成を
有する膜、Nb−Ge−Sb−Te系組成を有する膜、
Ni−Ge−Sb−Te系組成を有する膜、Co−Ge
−Sb−Te系組成を有する膜、In−Ag−Te−S
b系組成を有する膜、Ge−Sb−Te系組成を有する
膜などが知られており、この記録膜3は通常10〜45
nmの厚さを有し、スパッタにより形成される。In−
Ag−Te−Sb系組成を有する膜にさらに微量のH,
Si,C,V,W,Ta,Zn,Ti,Ce,Tbおよ
びYの内の1種または2種以上を含有させると、高温、
高湿などの悪条件下での信頼性が向上するとともに書き
換え耐久性が向上すると言われている。
【0005】前記基板1の上に形成される第一誘電体膜
2は記録時に記録膜3から基体1に伝わる熱を遮断して
基体1を保護する作用をなし、一方、記録膜3の上に形
成される第二誘電体膜4は記録膜3を保護すると共に、
記録後、記録膜に残った熱を熱伝導により放出する作用
を有する。前記第一誘電体膜2および第二誘電体膜4
は、通常、二酸化ケイ素を10〜30mol%を含有す
る硫化亜鉛−二酸化ケイ素系誘電体膜で構成されている
が、近年、0.01〜1.5原子%のCe,Ca,N
g,BaおよびNaの内の1種または2種以上を含有し
た硫化亜鉛−二酸化ケイ素系誘電体膜を第一誘電体膜2
および第二誘電体膜4として形成することによりジッタ
ーの増大を抑えた光記録媒体が提供されている。
2は記録時に記録膜3から基体1に伝わる熱を遮断して
基体1を保護する作用をなし、一方、記録膜3の上に形
成される第二誘電体膜4は記録膜3を保護すると共に、
記録後、記録膜に残った熱を熱伝導により放出する作用
を有する。前記第一誘電体膜2および第二誘電体膜4
は、通常、二酸化ケイ素を10〜30mol%を含有す
る硫化亜鉛−二酸化ケイ素系誘電体膜で構成されている
が、近年、0.01〜1.5原子%のCe,Ca,N
g,BaおよびNaの内の1種または2種以上を含有し
た硫化亜鉛−二酸化ケイ素系誘電体膜を第一誘電体膜2
および第二誘電体膜4として形成することによりジッタ
ーの増大を抑えた光記録媒体が提供されている。
【0006】前記第一誘電体膜2および第二誘電体膜4
はいずれも純度:99.999重量%以上の二酸化ケイ
素:10〜30mol%を含有し、必要に応じてCe,
Ca,Ng,BaまたはNaの硫化物の内の1種または
2種以上:0.01〜1.5mol%を含有し、残部が
純度:99.999重量%以上の硫化亜鉛からなり、相
対密度が90%以上有する焼結体で構成されたターゲッ
トをスパッタすることにより形成される。
はいずれも純度:99.999重量%以上の二酸化ケイ
素:10〜30mol%を含有し、必要に応じてCe,
Ca,Ng,BaまたはNaの硫化物の内の1種または
2種以上:0.01〜1.5mol%を含有し、残部が
純度:99.999重量%以上の硫化亜鉛からなり、相
対密度が90%以上有する焼結体で構成されたターゲッ
トをスパッタすることにより形成される。
【0007】さらに、前記反射膜5は、通常、Al,A
u,Pt,Cuなど単体あるいはこれら1種以上の合金
など高反射率金属からなる厚さ1〜200nmのスパッ
タ膜で構成されている。また実用に際して反射膜5の上
に形成する保護膜(図示せず)は耐摩耗性および耐食性
を有する種々の有機化合物をスピンコート、スプレーコ
ート、ディピングすることにより形成する。
u,Pt,Cuなど単体あるいはこれら1種以上の合金
など高反射率金属からなる厚さ1〜200nmのスパッ
タ膜で構成されている。また実用に際して反射膜5の上
に形成する保護膜(図示せず)は耐摩耗性および耐食性
を有する種々の有機化合物をスピンコート、スプレーコ
ート、ディピングすることにより形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これら光記録媒体は、
オーバーライトを繰り返して使用するが、所定のオーバ
ーライト回数を越えるとジッターが急激に増大して寿命
に至る。そのため、オーバーライトを繰り返してもジッ
ターが増大することのない記録膜を開発する必要があ
る。一方、光記録媒体のジッターの増大は記録膜の両面
に形成する誘電体膜によっても左右されると言われてい
るところから、ジッター増大を抑制する誘電体膜の開発
も急がれている。ジッター増大を抑制する誘電体膜の一
つとして、前述のCe,Ca,Ng,BaおよびNaの
内の1種または2種以上を0.01〜1.5原子%含有
した硫化亜鉛−二酸化ケイ素系誘電体膜が提供されてい
るが、この誘電体膜ではジッターの増大を抑制するには
十分でなく、さらにジッター増大抑制効果のある光記録
媒体用誘電体膜が求められている。
オーバーライトを繰り返して使用するが、所定のオーバ
ーライト回数を越えるとジッターが急激に増大して寿命
に至る。そのため、オーバーライトを繰り返してもジッ
ターが増大することのない記録膜を開発する必要があ
る。一方、光記録媒体のジッターの増大は記録膜の両面
に形成する誘電体膜によっても左右されると言われてい
るところから、ジッター増大を抑制する誘電体膜の開発
も急がれている。ジッター増大を抑制する誘電体膜の一
つとして、前述のCe,Ca,Ng,BaおよびNaの
内の1種または2種以上を0.01〜1.5原子%含有
した硫化亜鉛−二酸化ケイ素系誘電体膜が提供されてい
るが、この誘電体膜ではジッターの増大を抑制するには
十分でなく、さらにジッター増大抑制効果のある光記録
媒体用誘電体膜が求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来よりも一層ジッターの増大を抑制することのできる
誘電体膜を得るべく研究を行なっていところ、 二酸化ケイ素:10〜30mol%を含有し、さらにP
r,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,Yb,Luの内の1種または2種以上
の合計(以下、Aと記す):0.001〜5mol%を
含有し、残りが硫化亜鉛からなる組成を有する誘電体膜
を積層した光記録媒体は、従来のCe:0.01〜1.
5mol%含有し、二酸化ケイ素:10〜30mol%
を含有し、残りが硫化亜鉛からなる組成を有する誘電体
膜を形成した光記録媒体よりも一層ジッターの増大を抑
えることができる、という研究結果が得られたのであ
る。
従来よりも一層ジッターの増大を抑制することのできる
誘電体膜を得るべく研究を行なっていところ、 二酸化ケイ素:10〜30mol%を含有し、さらにP
r,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,Yb,Luの内の1種または2種以上
の合計(以下、Aと記す):0.001〜5mol%を
含有し、残りが硫化亜鉛からなる組成を有する誘電体膜
を積層した光記録媒体は、従来のCe:0.01〜1.
5mol%含有し、二酸化ケイ素:10〜30mol%
を含有し、残りが硫化亜鉛からなる組成を有する誘電体
膜を形成した光記録媒体よりも一層ジッターの増大を抑
えることができる、という研究結果が得られたのであ
る。
【0010】この発明は、かかる研究結果に基づいて成
されたものであって、 (1)二酸化ケイ素:10〜30mol%、A:0.0
01〜5mol%を含有し、残りが硫化亜鉛からなる組
成を有する光記録媒体用誘電体膜、に特徴を有するもの
である。
されたものであって、 (1)二酸化ケイ素:10〜30mol%、A:0.0
01〜5mol%を含有し、残りが硫化亜鉛からなる組
成を有する光記録媒体用誘電体膜、に特徴を有するもの
である。
【0011】また、この発明は、前記(1)記載の光記
録媒体用誘電体膜を積層した光記録媒体、に特徴を有す
るものである。
録媒体用誘電体膜を積層した光記録媒体、に特徴を有す
るものである。
【0012】この発明の光記録媒体用誘電体膜に含まれ
るAを0.001〜5mol%に限定したのは、これら
Aの含有量が0.001mol%未満では遊離の硫黄が
記録膜への拡散を防止するのに十分でないことから十分
なジッター増大抑制効果が得られず、一方、Aを5mo
l%を越えて含有するとターゲットにおいて2元化合物
を作ってしまい、このターゲットを用いてスパッタして
得られた誘電体膜によるジッター増大抑制効果が減少す
るので好ましくない理由によるものである。このAの含
有量の一層好ましい範囲は0.01〜5mol%であ
り、さらに一層好ましい範囲は1〜5mol%である。
るAを0.001〜5mol%に限定したのは、これら
Aの含有量が0.001mol%未満では遊離の硫黄が
記録膜への拡散を防止するのに十分でないことから十分
なジッター増大抑制効果が得られず、一方、Aを5mo
l%を越えて含有するとターゲットにおいて2元化合物
を作ってしまい、このターゲットを用いてスパッタして
得られた誘電体膜によるジッター増大抑制効果が減少す
るので好ましくない理由によるものである。このAの含
有量の一層好ましい範囲は0.01〜5mol%であ
り、さらに一層好ましい範囲は1〜5mol%である。
【0013】なお、この発明の光記録媒体用誘電体膜に
含まれる二酸化ケイ素の含有量は10〜30mol%で
あるが、この二酸化ケイ素の含有量は通常の含有量であ
るからその限定理由の説明は省略する。また、この発明
の光記録媒体において、基板、記録膜および反射膜は先
に述べた通常の材質のものを使用することができるので
その製造方法の説明は省略する。
含まれる二酸化ケイ素の含有量は10〜30mol%で
あるが、この二酸化ケイ素の含有量は通常の含有量であ
るからその限定理由の説明は省略する。また、この発明
の光記録媒体において、基板、記録膜および反射膜は先
に述べた通常の材質のものを使用することができるので
その製造方法の説明は省略する。
【0014】次に、この発明の光記録媒体で使用する誘
電体膜の製造方法について詳細に説明する。まず、Ar
雰囲気中で加熱して脱ガスした純度:99.999重量
%以上を有する硫化亜鉛粉末に対し、純度:99.99
9重量%以上の二酸化ケイ素粉末:10〜30mol%
およびA:0.005〜5mol%を添加し、これをポ
リポットに入れ、4〜6時間乾式混合を行うことにより
均一に混合し、得られた混合粉末を真空またはArガス
雰囲気中、圧力:150〜250kgf/cm 2 、温
度:950〜1000℃(好ましくは、950〜970
℃)、3〜5時間保持し、この保持温度から冷却速度:
1〜3℃/minで常温まで冷却する条件でホットプレ
スすることによりホットプレス焼結体を製造する。
電体膜の製造方法について詳細に説明する。まず、Ar
雰囲気中で加熱して脱ガスした純度:99.999重量
%以上を有する硫化亜鉛粉末に対し、純度:99.99
9重量%以上の二酸化ケイ素粉末:10〜30mol%
およびA:0.005〜5mol%を添加し、これをポ
リポットに入れ、4〜6時間乾式混合を行うことにより
均一に混合し、得られた混合粉末を真空またはArガス
雰囲気中、圧力:150〜250kgf/cm 2 、温
度:950〜1000℃(好ましくは、950〜970
℃)、3〜5時間保持し、この保持温度から冷却速度:
1〜3℃/minで常温まで冷却する条件でホットプレ
スすることによりホットプレス焼結体を製造する。
【0015】得られたホットプレス焼結体は所定の寸法
に研削してターゲットを作製し、このターゲットを用い
てスパッタリングを行い、誘電体膜を形成する。
に研削してターゲットを作製し、このターゲットを用い
てスパッタリングを行い、誘電体膜を形成する。
【0016】
【発明の実施の形態】実施例1 直径:200mm、厚さ:1.2mmのポリメチルメタ
クリレート(PMMA)樹脂製基板を用意した。
クリレート(PMMA)樹脂製基板を用意した。
【0017】さらにSiO2 粉末、ZnS粉末、Pr粉
末、Nd粉末、Sm粉末およびGd粉末を用意した。前
記ZnS粉末についてはガスを除去する目的でAr雰囲
気中、昇温速度:2.2℃/minで加熱したのち65
0℃で1時間保持の熱処理を施した。これらSiO2 粉
末、ZnS粉末、Pr粉末、Nd粉末、Sm粉末、Gd
粉末を所定の割合で配合し、この配合粉末をポリポット
の中に入れ、5時間乾式混合し、得られた混合粉末をホ
ットプレスの黒鉛型に充填し、Arガス雰囲気中でホッ
トプレスすることによりホットプレス体を作製し、この
ホットプレス体を機械加工することにより直径:200
mm、厚さ:5mmの寸法を有する円板状の誘電体膜形
成用ターゲットを作製した。
末、Nd粉末、Sm粉末およびGd粉末を用意した。前
記ZnS粉末についてはガスを除去する目的でAr雰囲
気中、昇温速度:2.2℃/minで加熱したのち65
0℃で1時間保持の熱処理を施した。これらSiO2 粉
末、ZnS粉末、Pr粉末、Nd粉末、Sm粉末、Gd
粉末を所定の割合で配合し、この配合粉末をポリポット
の中に入れ、5時間乾式混合し、得られた混合粉末をホ
ットプレスの黒鉛型に充填し、Arガス雰囲気中でホッ
トプレスすることによりホットプレス体を作製し、この
ホットプレス体を機械加工することにより直径:200
mm、厚さ:5mmの寸法を有する円板状の誘電体膜形
成用ターゲットを作製した。
【0018】前記PMMA製基板を高周波マグネトロン
スパッタリング装置にセットし、さらに前記誘電体膜形
成用ターゲットをモリブデン製の冷却用バッキングプレ
ートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材に
てハンダ付けしてこれを高周波マグネトロンスパッタリ
ング装置にセットし、 ・スパッタガス:Ar、 ・スパッタガス圧力5×10-3Torr、 ・スパッタ電力:13.56MHzの高周波電力150
0Kw(約8.5W/cm2 )、 の条件でスパッタリングを行い、前記PMMA製基板の
上に厚さ:170nmを有し、表1に示される組成の第
一誘電体膜を形成した。
スパッタリング装置にセットし、さらに前記誘電体膜形
成用ターゲットをモリブデン製の冷却用バッキングプレ
ートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材に
てハンダ付けしてこれを高周波マグネトロンスパッタリ
ング装置にセットし、 ・スパッタガス:Ar、 ・スパッタガス圧力5×10-3Torr、 ・スパッタ電力:13.56MHzの高周波電力150
0Kw(約8.5W/cm2 )、 の条件でスパッタリングを行い、前記PMMA製基板の
上に厚さ:170nmを有し、表1に示される組成の第
一誘電体膜を形成した。
【0019】次にIn6 Ag7 Sb58V1 (原子比)の
組成を有する記録膜形成用ターゲットを高周波マグネト
ロンスパッタリング装置にセットし、前記PMMA製基
板上に形成した第一誘電体膜の上に同じスパッタリング
条件でIn6 Ag7 Sb58V 1 の組成を有する厚さ:2
4nmの記録膜を形成し、さらにこの記録膜の上に第一
誘電体膜と同じスパッタリング条件で第一誘電体膜と同
じ組成を有する厚さ:21nmの第二誘電体膜を形成し
た。
組成を有する記録膜形成用ターゲットを高周波マグネト
ロンスパッタリング装置にセットし、前記PMMA製基
板上に形成した第一誘電体膜の上に同じスパッタリング
条件でIn6 Ag7 Sb58V 1 の組成を有する厚さ:2
4nmの記録膜を形成し、さらにこの記録膜の上に第一
誘電体膜と同じスパッタリング条件で第一誘電体膜と同
じ組成を有する厚さ:21nmの第二誘電体膜を形成し
た。
【0020】さらにこの第二誘電体膜の上に純アルミニ
ウム製ターゲットを用い、前記第一誘電体膜と同じスパ
ッタリング条件で厚さ:150nmの純アルミニウムか
らなる反射膜を形成し、表1に示される構成の本発明光
記録媒体1〜4のサンプルを作製した。
ウム製ターゲットを用い、前記第一誘電体膜と同じスパ
ッタリング条件で厚さ:150nmの純アルミニウムか
らなる反射膜を形成し、表1に示される構成の本発明光
記録媒体1〜4のサンプルを作製した。
【0021】このようにして得られた本発明光記録媒体
1〜4のサンプルを光記録媒体評価装置の上に載せ、線
速度:6m/sで回転させながら記録パワー:12.0
mW、消去パワー:5.0mWで8.16RLL信号を
記録するオーバーライトを繰り返し行い、オーバーライ
ト回数とその時のジッター数をオーバーライト回数を横
軸にとり、ジッター数を縦軸にとってグラフを作製し、
これを図2に示した。
1〜4のサンプルを光記録媒体評価装置の上に載せ、線
速度:6m/sで回転させながら記録パワー:12.0
mW、消去パワー:5.0mWで8.16RLL信号を
記録するオーバーライトを繰り返し行い、オーバーライ
ト回数とその時のジッター数をオーバーライト回数を横
軸にとり、ジッター数を縦軸にとってグラフを作製し、
これを図2に示した。
【0022】従来例1 Ce粉末を用意し、実施例1で用意したSiO2 粉末お
よびZnS粉末と共に配合し、この配合粉末をポリポッ
トの中に入れ、5時間乾式混合し、得られた混合粉末を
ホットプレスの黒鉛型に充填し、Arガス雰囲気中でホ
ットプレスすることによりホットプレス体を作製し、こ
のホットプレス体を機械加工することにより直径:20
0mm、厚さ:5mmの寸法を有する円板状の誘電体膜
形成用ターゲットを作製し、この誘電体膜形成用ターゲ
ットを用い、実施例1と同様にして表1に示される組成
の第一および第二誘電体膜を形成することにより従来光
記録媒体1のサンプルを作製した。
よびZnS粉末と共に配合し、この配合粉末をポリポッ
トの中に入れ、5時間乾式混合し、得られた混合粉末を
ホットプレスの黒鉛型に充填し、Arガス雰囲気中でホ
ットプレスすることによりホットプレス体を作製し、こ
のホットプレス体を機械加工することにより直径:20
0mm、厚さ:5mmの寸法を有する円板状の誘電体膜
形成用ターゲットを作製し、この誘電体膜形成用ターゲ
ットを用い、実施例1と同様にして表1に示される組成
の第一および第二誘電体膜を形成することにより従来光
記録媒体1のサンプルを作製した。
【0023】このようにして得られた従来光記録媒体1
のサンプルを光記録媒体評価装置の上に載せ、線速度:
6m/sで回転させながら記録パワー:12.0mW、
消去パワー:5.0mWで8.16RLL信号を記録す
るオーバーライトを繰り返し行い、オーバーライト回数
とその時のジッター数をオーバーライト回数を横軸にと
り、ジッター数を縦軸にとってグラフを作製し、これを
図3に示した。
のサンプルを光記録媒体評価装置の上に載せ、線速度:
6m/sで回転させながら記録パワー:12.0mW、
消去パワー:5.0mWで8.16RLL信号を記録す
るオーバーライトを繰り返し行い、オーバーライト回数
とその時のジッター数をオーバーライト回数を横軸にと
り、ジッター数を縦軸にとってグラフを作製し、これを
図3に示した。
【0024】
【表1】
【0025】図2および図3から明らかなように、P
r:1.16mol%を含有する第一および第二誘電体
膜を形成した本発明光記録媒体1、Nd:2.13mo
l%を含有する第一および第二誘電体膜を形成した本発
明光記録媒体2、Sm:1.78mol%を含有する第
一および第二誘電体膜を形成した本発明光記録媒体3お
よびGd:0.21mol%を含有する第一および第二
誘電体膜を形成した本発明光記録媒体4は、オーバーラ
イト回数が100万回に至ってもジッター数に大きな増
大は見られないが、Ce:1.22mol%を含有する
第一および第二誘電体膜を形成した従来光記録媒体1
は、オーバーライト回数が1万回を越えるとジッター数
が大きく増大し、光記録媒体の寿命に至ることが分か
る。
r:1.16mol%を含有する第一および第二誘電体
膜を形成した本発明光記録媒体1、Nd:2.13mo
l%を含有する第一および第二誘電体膜を形成した本発
明光記録媒体2、Sm:1.78mol%を含有する第
一および第二誘電体膜を形成した本発明光記録媒体3お
よびGd:0.21mol%を含有する第一および第二
誘電体膜を形成した本発明光記録媒体4は、オーバーラ
イト回数が100万回に至ってもジッター数に大きな増
大は見られないが、Ce:1.22mol%を含有する
第一および第二誘電体膜を形成した従来光記録媒体1
は、オーバーライト回数が1万回を越えるとジッター数
が大きく増大し、光記録媒体の寿命に至ることが分か
る。
【0026】実施例2 Pr粉末、Nd粉末、Sm粉末、Gd粉末、Pm粉末、
Eu粉末、Tb粉末、Dy粉末、Ho粉末、Er粉末、
Tm粉末、Yb粉末、Lu粉末を用意し、実施例1で用
意したSiO2 粉末およびZnS粉末と共に配合し、こ
の配合粉末をポリポットの中に入れ、5時間乾式混合
し、得られた混合粉末をホットプレスの黒鉛型に充填
し、Arガス雰囲気中でホットプレスすることによりホ
ットプレス体を作製し、このホットプレス体を機械加工
することにより直径:200mm、厚さ:5mmの寸法
を有する円板状の誘電体膜形成用ターゲットを作製し、
この誘電体膜形成用ターゲットを用い、実施例1と同様
にして表2および3に示される組成の第一および第二誘
電体膜を形成することにより本発明光記録媒体5〜17
のサンプルを作製した。
Eu粉末、Tb粉末、Dy粉末、Ho粉末、Er粉末、
Tm粉末、Yb粉末、Lu粉末を用意し、実施例1で用
意したSiO2 粉末およびZnS粉末と共に配合し、こ
の配合粉末をポリポットの中に入れ、5時間乾式混合
し、得られた混合粉末をホットプレスの黒鉛型に充填
し、Arガス雰囲気中でホットプレスすることによりホ
ットプレス体を作製し、このホットプレス体を機械加工
することにより直径:200mm、厚さ:5mmの寸法
を有する円板状の誘電体膜形成用ターゲットを作製し、
この誘電体膜形成用ターゲットを用い、実施例1と同様
にして表2および3に示される組成の第一および第二誘
電体膜を形成することにより本発明光記録媒体5〜17
のサンプルを作製した。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】このようにして得られた本発明光記録媒体
5〜17のサンプルを光記録媒体評価装置の上に載せ、
線速度:6m/sで回転させながら記録パワー:12.
0mW、消去パワー:5.0mWで8.16RLL信号
を記録するオーバーライトを繰り返し行い、この時のオ
ーバーライト回数とその時のジッター数を測定した結
果、オーバーライト回数が100万回に至ってもジッタ
ー数に大きな増大は見られなかった。
5〜17のサンプルを光記録媒体評価装置の上に載せ、
線速度:6m/sで回転させながら記録パワー:12.
0mW、消去パワー:5.0mWで8.16RLL信号
を記録するオーバーライトを繰り返し行い、この時のオ
ーバーライト回数とその時のジッター数を測定した結
果、オーバーライト回数が100万回に至ってもジッタ
ー数に大きな増大は見られなかった。
【0030】
【発明の効果】上述のように、この発明の誘電体膜を形
成した光記録媒体は、オーバーライト回数の増加に対し
てジッターの増大を従来より一層抑制することができ、
光メディア産業の発展に大いに貢献し得るものである。
成した光記録媒体は、オーバーライト回数の増加に対し
てジッターの増大を従来より一層抑制することができ、
光メディア産業の発展に大いに貢献し得るものである。
【図1】通常の光記録媒体の膜構成を示す断面図であ
る。
る。
【図2】この発明の光記録媒体のオーバーライト回数と
その時のジッター数との関係を示すグラフである。
その時のジッター数との関係を示すグラフである。
【図3】従来の光記録媒体のオーバーライト回数とその
時のジッター数との関係を示すグラフである。
時のジッター数との関係を示すグラフである。
1 基板 2 第一誘電体膜 3 記録膜 4 第二誘電体膜 5 反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真島 宗位 兵庫県三田市テクノパ−ク12−6 三菱マ テリアル株式会社三田工場内 (72)発明者 小田 淳一 兵庫県三田市テクノパ−ク12−6 三菱マ テリアル株式会社三田工場内 Fターム(参考) 5D029 LA12 LA13 LA14 LA15 LA19 LC11 LC21
Claims (2)
- 【請求項1】 二酸化ケイ素:10〜30mol%を含
有し、さらにPr,Nd,Sm,Gd,Eu,Pm,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luの内の1種ま
たは2種以上を合計で:0.001〜5mol%を含有
し、残りが硫化亜鉛からなる組成を有することを特徴と
するジッター増大を抑える光記録媒体用誘電体膜。 - 【請求項2】 請求項1記載のジッター増大を抑える光
記録媒体用誘電体膜を積層したことを特徴とする光記録
媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11022216A JP2000222775A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | ジッター増大を抑える光記録媒体用誘電体膜および光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11022216A JP2000222775A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | ジッター増大を抑える光記録媒体用誘電体膜および光記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000222775A true JP2000222775A (ja) | 2000-08-11 |
Family
ID=12076619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11022216A Pending JP2000222775A (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | ジッター増大を抑える光記録媒体用誘電体膜および光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000222775A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002083973A1 (fr) * | 2001-04-13 | 2002-10-24 | Nikko Materials Company, Limited | Cible de pulverisation cathodique a base de zns-sio2 et support d'enregistrement optique comportant une couche protectrice a base de zns-sio pour disque optique a transitions de phase formee au moyen de ladite cible |
CN1314028C (zh) * | 2002-03-19 | 2007-05-02 | 松下电器产业株式会社 | 信息记录介质及其制造方法 |
JP2007308804A (ja) * | 2007-06-15 | 2007-11-29 | Nikko Kinzoku Kk | ZnS−SiO2スパッタリングターゲット |
-
1999
- 1999-01-29 JP JP11022216A patent/JP2000222775A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002083973A1 (fr) * | 2001-04-13 | 2002-10-24 | Nikko Materials Company, Limited | Cible de pulverisation cathodique a base de zns-sio2 et support d'enregistrement optique comportant une couche protectrice a base de zns-sio pour disque optique a transitions de phase formee au moyen de ladite cible |
CN1314028C (zh) * | 2002-03-19 | 2007-05-02 | 松下电器产业株式会社 | 信息记录介质及其制造方法 |
JP2007308804A (ja) * | 2007-06-15 | 2007-11-29 | Nikko Kinzoku Kk | ZnS−SiO2スパッタリングターゲット |
JP4625050B2 (ja) * | 2007-06-15 | 2011-02-02 | Jx日鉱日石金属株式会社 | ZnS−SiO2スパッタリングターゲット |
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