JP2000222407A - 機械翻訳装置および機械翻訳方法 - Google Patents

機械翻訳装置および機械翻訳方法

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JP2000222407A
JP2000222407A JP11022255A JP2225599A JP2000222407A JP 2000222407 A JP2000222407 A JP 2000222407A JP 11022255 A JP11022255 A JP 11022255A JP 2225599 A JP2225599 A JP 2225599A JP 2000222407 A JP2000222407 A JP 2000222407A
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learning
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Emi Morikawa
恵美 森川
Yumiko Yoshimura
裕美子 吉村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個々の文脈に合わせて学習を可能にすること
により、以降の他の文書の翻訳で悪影響の出にくい学習
を実現する機械翻訳装置および機械翻訳方法を提供す
る。 【解決手段】 第1言語の文書を第2言語の文書に機械
翻訳する機械翻訳装置および機械翻訳方法において、第
1言語の文書を第2言語の文書へ変換するための知識情
報を収容する辞書部と、ユーザが辞書部の内容に対して
個人用に用語の学習を行うための学習内容を収容する学
習辞書部と、ユーザの操作指示に応じて、学習辞書部に
対して新用語・新訳語の登録、既登録用語・訳語の削除
の学習を制御し、学習内容の更新をするための学習制御
部と、辞書部に収容される知識情報と学習辞書部に収容
される学習内容を用いて、第1言語の文章を第2言語の
文章への変換するための翻訳部とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、第1言語の文を
第2言語の文に翻訳する機械翻訳装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコンの普及に伴い、英語の文書を日
本語で読んだり、日本語の文章を英語に翻訳するための
機械翻訳ソフトウェアに関する注目は、近年ますます高
まってきている。
【0003】パソコン性能も高くなるにつれ、機械翻訳
ソフト提供側は、ソフトに組み込む語彙や知識の量を増
やしたり、計算量の多い高度な意味処理を組み込むな
ど、性能の強化に力を注いでいる。しかし、自然言語の
表現の多様性にはまだまだ追いつけず、すべてのユーザ
のすべての種類の原文書を、何の前処理、学習もなく満
足できる翻訳結果を得られるレベルにはまだ到達できて
いない。そのため、個々のユーザの要求に対応できるた
めの手段として、ユーザに学習辞書を持たせ、新しい語
句、ユーザ固有の語句を辞書に登録し、望む訳語をシス
テムに覚えさせる構成をとっているのが普通である。
【0004】また、複数の訳語候補がある語に対して、
訳出してほしい訳語をユーザが指定することで、以降の
翻訳にその指定訳語を優先する、という形式の訳語学習
方法も用いられている。この学習方法では、構文的に置
換可能な訳語間の優先度の学習であるため、まったく異
なる構文で訳出する際に、別の構文で学習した訳語が置
き換わって、文法的におかしな訳文が出力されてしま
う、ということはない。
【0005】さらに、翻訳対象となる文書によっては、
ソフト自身が持つシステム辞書の中の登録語が翻訳に使
われるとユーザの異とした結果とは異なり翻訳の質が悪
化するなどのケースもありえるため、システム辞書中の
見出し語に対して削除を可能にする機能や、一つの見出
し語に対して複数の品詞候補が存在するときにどちらを
優先するかを指定できる見出し語優先機能を搭載してい
るソフトもある。
【0006】しかし、これらの学習機能は、以降の翻訳
で同じ見出し語が用いられた時に、常に学習内容を反映
するように機能し、「限られた文脈の時だけに反映させ
たい学習」は不可能であった。そのため、一度学習した
ことが、後の翻訳で悪影響を及ぼしたり、その悪影響の
結果、学習内容をキャンセルしなおすことになるなど、
ユーザが使いやすい環境であるとは言い難かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事情を
考慮してなされたものであり、個々の文脈に合わせて学
習を可能にすることにより、以降の他の文書の翻訳で悪
影響の出にくい学習を実現する機械翻訳装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の機械翻訳
装置は、第1言語の文書を第2言語の文書に機械翻訳す
る機械翻訳装置および機械翻訳方法において、第1言語
の文書を第2言語の文書へ変換するための知識情報を収
容する辞書部と、ユーザが辞書部の内容に対して個人用
に用語の学習を行うための学習内容を収容する学習辞書
部と、ユーザの操作指示に応じて、学習辞書部に対して
新用語・新訳語の登録、既登録用語・訳語の削除の学習
内容の更新をするための学習制御部と、辞書部に収容さ
れる知識情報と学習辞書部に収容される学習内容を用い
て、第1言語の文章を第2言語の文章へ変換するための
翻訳部とを備え、さらに、学習制御部は、ユーザが学習
を指示した語句の原文書中の前後の文脈である文字列を
取得する文脈取得手段と、文脈取得手段により取得され
た文字列から、見出し語と共に学習辞書部に保存するた
めの学習の要件を作成するための用件作成部とを備え、
翻訳部は、その要件が前後の文脈に成立したときのみ学
習内容を活かした翻訳処理を行うよう構成する。
【0009】(2)本発明の機械翻訳装置は、上記
(1)に記載の装置および方法であって、文脈取得手段
が取得する文脈文字列はユーザが範囲を指定できるため
の指定手段を備えることを特徴とする。
【0010】(3)本発明の機械翻訳装置は、上記
(1)に記載の装置および方法であって、文脈取得手段
が取得する文脈文字列はユーザが範囲を指定できるため
の指定手段を備えることを特徴とする。
【0011】(4)本発明の機械翻訳装置は、上記
(1)に記載の装置および方法であって、文脈取得手段
が取得する文脈文字列はシステムが自動的に当該用語の
生起する文脈である文字列から取得することを特徴とす
る。
【0012】(5)本発明の機械翻訳装置は、上記
(1)に記載の装置および方法であって、学習制御部が
備える要件作成手段は、文脈取得手段により取得した文
脈文字列に対して、辞書部、翻訳部を介して形態素解析
を行い、品詞・活用あるいは意味情報などの文法情報を
得、自立語については品詞・活用情報あるいは品詞・活
用情報および意味情報に置き換えて学習の要件として保
存することを特徴とする。
【0013】(6)本発明の機械翻訳装置および機械翻
訳方法は、上記(1)に記載の装置および方法であっ
て、学習制御部が備える要件作成手段は、文脈取得手段
により取得した文脈文字列に対して、辞書部、翻訳部を
介して形態素解析を行い、品詞・活用あるいは意味情報
などの文法情報を得、当該文字列を品詞・活用情報ある
いは品詞・活用情報および意味情報に置き換えて学習の
要件として保存することを特徴とする。
【0014】(7)本発明の機械翻訳装置および機械翻
訳方法は、上記(1)に記載の装置および方法であっ
て、学習制御部が備える要件作成手段は、文脈取得手段
により取得した文脈文字列を、文字列の形のまま学習の
要件として保存することを特徴とする。
【0015】(8)本発明の機械翻訳装置および機械翻
訳方法は、上記(1)に記載の装置および方法であっ
て、文脈取得手段により取得した文脈文字列を文字列の
まま学習の要件として保存された学習辞書に対して、翻
訳部は文書の翻訳処理時に、学習辞書部内に保存された
要件部分を辞書部を用いて品詞・活用あるいは意味情報
などの文法情報に変換し、自立語については品詞・活用
情報あるいは品詞・活用情報および意味情報に置き換え
た結果を学習の要件として用いることを特徴とする。
【0016】(9)本発明の機械翻訳装置および機械翻
訳方法は、上記(1)に記載の装置および方法であっ
て、文脈取得手段により取得した文脈文字列を文字列の
まま学習の要件として保存された学習辞書に対して、翻
訳部は文書の翻訳処理時に、学習辞書部内に保存された
要件部分を辞書部を用いて品詞・活用あるいは意味情報
などの文法情報に変換し、品詞・活用情報あるいは品詞
・活用情報および意味情報に置き換えた結果を学習の要
件として用いることを特徴とする。
【0017】(10)本発明の機械翻訳装置および機械
翻訳方法は、上記(1)に記載の装置および方法であっ
て、文脈取得手段により取得した文脈文字列を文字列の
まま学習の要件として保存された学習辞書に対して、翻
訳部は文書の翻訳処理時に、学習辞書部内に保存された
要件部分がまったく当てはまる文脈で当該用語が用いら
れた時にのみ学習効果をオンとすることを特徴とする。
【0018】(11)本発明の機械翻訳装置および機械
翻訳方法は、上記(1)に記載の装置および方法であっ
て、上記(1)〜(6)および(7)〜(9)のいずれ
かの学習方法をとるかはユーザが個々の学習ごとに選択
できるための選択手段を備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施の形態を説明する。
【0020】本実施形態は、第1言語を日本語、第2言
語を英語とする日英機械翻訳システムに関する。
【0021】図1は、本発明の一実施形態としての機械
翻訳システムの構成を示すブロック図である。
【0022】入力部101は制御部102に接続され、
制御部102は出力部106へ接続される。また、制御
部102は、翻訳部103および学習制御部105と双
方向に接続されている。さらに、翻訳部103、学習制
御部105間は相互に接続され、共に辞書部104と双
方向に接続されている。学習制御部105は文脈取得手
段105aと要件作成手段105bとを有している。
【0023】辞書部104は、語彙部104a、学習辞
書部104b、形態素解析規則104c、構文・意味解
析規則104d、変換規則104e、生成規則104f
からなる。
【0024】学習辞書部104bとは、ユーザの辞書登
録、訳語選択、見出し語削除、訳語削除などの学習内容
を収容する辞書である。
【0025】入力部101は、制御部102に対して、
翻訳対象となる文書の入力や各種コマンドの入力を行な
うためのものである。通常、キーボード、マウスなどが
用いられる。なお、翻訳対象文の入力には、OCR、フ
ロッピーディスク、磁気テープ、磁気ディスクからの読
み込みも考えられる。
【0026】出力部106は、翻訳部103の出力であ
る翻訳結果を出力したり、制御部102への各種命令に
対する制御部102からの応答を表示するためのもので
ある。各種ディスプレイなどの表示手段が通常である
が、翻訳結果の出力には、印刷機などの印字手段、ある
いは直接フロッピーディスク、磁気テープ、磁気ディス
クへ出力する手段や他のメディアへ送信する送信手段で
もよい。
【0027】制御部102は、全体の動きを制御するた
めのものである。図2に制御部102におけるユーザと
の対話的な処理の流れを示す。
【0028】入力部101より原文の入力があると(ス
テップS201)、制御部102は出力部106に対し
て原文の表示を指示する(ステップS202)。
【0029】その後、翻訳指示命令が送られてくると
(ステップS203)、制御部102は原文のデータを
翻訳部103へ送り、翻訳処理開始の指示命令をする。
翻訳部103は辞書部104の知識・規則を用いて、入
力原文に対して、第2言語の文への翻訳処理を行う(ス
テップS204)。翻訳部103の処理の流れについて
は、後に別図を用いて説明を行う。翻訳処理が終了する
と、翻訳結果は制御部102を通じて出力部106へ送
られ、ユーザに提示される。
【0030】入力部101より制御部102へ学習を起
動する命令操作が入力されると(ステップS205)、
学習制御部105に学習起動を指示し、ユーザの指示に
従って学習辞書部104bの更新を実行させる(ステッ
プS206)。学習制御部105における辞書更新処理
の詳細についても、後に別図を用いて説明を行う。
【0031】入力部101より全体の処理終了の指示が
入力された場合には(ステップS207)、すべての処
理を終了する。
【0032】それ以外の入力に対しては、入力に応じた
処理を行う(ステップS208)。
【0033】次に、学習辞書部104bに収容される学
習内容の構成を図3を用いて説明する。
【0034】本実施形態では、学習の種類として以下の
4つを設けている。
【0035】(A) 新規見出し語を訳語と共に登録す
る(登録)。
【0036】(B) システム自身の辞書語彙部104
a中の語、および(A)により登録学習されたものに対
して、見出し語の削除を削除をする(削除)。
【0037】(C) 既存見出し語から訳出される訳語
に対して別訳語を学習する(訳語選択)。
【0038】(D) (C)で行った訳語学習のうち、
学習のOFFを指定する(訳語選択解除)。
【0039】上記で「学習要件」とは、学習効果をON
とする際に満たすべき条件のことである。
【0040】学習要件がない学習項目は、当該見出し語
が第1言語で作成された文書である原文中に用いられた
とき、常に学習効果をONとする学習を意図するもので
あり、学習要件がある項目は、その要件を満たす原文の
翻訳においてのみ、学習内容を翻訳に反映することを意
図するものである。
【0041】学習辞書部104bの構成要素は以下の通
りである。
【0042】1.見出し語 2.品詞 3.学習の種類 4.学習が無い状態での訳語((A)で登録した見出し
語に対する(B)、および(C)の時) 5.学習したい訳語((B)のシステム辞書中の語に対
する削除以外) 6.学習要件 6−1. 見出し語自身の活用・変化(活用・変化のあ
る語のみ) 6−2. 前方要件 6−3. 後方要件 「3.学習の種類」には、(A)−(C)の別により、
それぞれ、「登録」「削除」「訳語選択」「訳語選択解
除」のいずれかが設定される。(D)の「訳語選択解
除」は必ず(C)で「訳語選択」学習がされた項目に対
してなされるため、独立項目として学習辞書部102b
に収容されることはなく、(C)の否定条件として反映
される。
【0043】「4.学習が無い状態での訳語」には、
(C)の場合には、学習する前にシステム辞書の登録内
容により訳出されていた訳語が設定される。本実施形態
の訳語学習は、「見出し語」、「学習前の訳語」、「学
習後の訳語」、という3つ組で学習し、当該見出し語が
「学習前訳語」で訳出されるケースには「学習後の訳
語」に置き換えて生成する、という手段で学習効果をO
Nとする仕組みをとっている。一方、(A)で登録した
見出し語に対する(B)による削除学習の場合には、
(A)の学習で指定した訳語を「学習が無い状態での訳
語」に設定する。(A)による登録には、一つの見出し
に対して複数の訳語が登録されるケースがあるためであ
る。本実施形態では、システム辞書の見出し語に対する
削除学習は訳語ごとに行わないものとしているため、こ
の場合は「学習が無い状態での訳語」は空となる。
【0044】「学習したい訳語」にはそれぞれの学習を
したい訳語を設定する。(B)の削除学習のうちシステ
ム辞書中の見出し語に対するものは、訳語ごとに学習を
させていないため空となる。
【0045】本実施形態では、学習要件の3つはいずれ
もあってもなくても任意としており、前方要件のみで後
方要件はないというケースも可能である。
【0046】さらに、各要件は、それが成り立った時に
学習効果をONとする肯定条件のほかに、それが成り立
った時に学習効果をOFFとする否定条件の記述も行わ
れる。例えば、(A)で要件なしに登録された見出し語
と訳語のペアに対し、(B)により削除学習を指示する
と、その削除学習で指定された要件が、(A)として学
習辞書部104bに記述されていた学習項目の学習要件
に否定要件として記憶される。
【0047】図3に学習辞書部104bの収容例を挙げ
る。<22>は「開かれた大学」を「open uni
versity」と訳出するための「登録」の例であ
る。名詞であるため活用・変化の要件は空である。前方
要件にある「<否>..」は否定の要件である。これ
は、一旦、学習要件なしに「開かれた大学」が登録学習
された後、(B)により要件付きで削除指定がされたこ
とを示す。その削除指定時の要件が<1>の要件の否定
要件として格納されている。この例では、「大隈重信に
よって開かれた大学」というような文章に対しては「開
かれた大学」の訳語である「open univers
ity」を使わないことを意図した学習が行われてい
る。各要件は本例のように、複数ある場合は列挙が可能
である。
【0048】<23>はシステム辞書中の語「しまう」
に対して削除学習がされた例である。用言でありながら
「活用・変化」が空なのは、すべての活用が対象である
ことを示す。前方学習要件に[...]で記述されてい
るのは、原文中の表層文字列ではなく、品詞・活用など
の文法情報で中間的に要件を記述しているものである。
これにより、要件に適合する文脈をより一般性を高めて
パターン的に指定することができる。ここでは、「壊れ
てしまう」のように前方に動詞の連用形が接続する際に
は本動詞の「しまう」を見出し語として使用しないこと
を意図している。(「しまう」には「...てしまう」
の形で動詞連用形に接続する助動詞の見出しが別にあ
る。) <24>は「応じる」の訳語「respond to」
に対して「obey」を「訳語選択」した学習項目であ
る。前方要件に肯定条件と否定条件が存在する。これは
「..に応じる」の文脈で「obey」を一旦訳語選択
した後、「条件に応じる」の文脈で「訳語選択解除」の
学習をした結果、その時の要件が否定要件として設定さ
れたものである。
【0049】<25>も「応じる」の訳語選択の「学習
項目」である。「..に応じて...」という原文に対
して「according to」が訳出されていた状
態に対して、「質問に応じて」という文脈では訳語を
「in answer to」としたいために、それを
学習要件に指定した上で訳語選択学習が行われている。
【0050】次に、翻訳部103における処理の流れを
説明する。図4は、原文1文が入力されてから第2言語
の文として出力されるまでの処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【0051】まず、翻訳部103に入力文が送られてく
ると、入力文に対して辞書部104中の語彙部104a
と形態素解析規則104cおよび学習辞書部104bを
用いて、形態素解析・辞書引き処理を行い、その品詞・
活用、訳語他、翻訳処理に必要な各種情報を求める(ス
テップS401)。この段階では、学習辞書部104b
の学習要件は参照されず、学習辞書部104bに学習の
種類に「登録」として記載されている項目はすべて語彙
部104aの見出し語と同等に見出し語候補として辞書
引きがなされる。
【0052】続いて、ステップS401の出力である形
態素解析結果の系列に対して、学習辞書部104bの学
習要件との照合を行い、以下の処理を行う。 [3] 要件を満たさない「登録」の見出し語候補は形
態素解析結果の系列から削除する。 [4] 要件を満たす「削除」の見出し語候補は形態素
解析結果の系列から削除する。 [5] 要件を満たす「訳語選択」の見出し語について
は、当該見出し語の訳語定義および翻訳規則として定義
されている「無学習時の訳語」を「学習したい訳語」に
置き換える。ステップS402の具体的な処理について
は、この後に例を用いて説明する。次に、構文・意味解
析規則104dを用いて構文・意味解析処理を行い(ス
テップS403)、続いて、ステップS404におい
て、変換規則104eを用いて解析結果から第2言語の
構造への変換を行う。
【0053】その後、ステップS405に進み、生成規
則104fを用いて第2言語の表層文の生成を行い、一
通りの翻訳処理を終了する。翻訳部103の全体的な処
理の流れを説明したところで、次に、学習辞書部104
bを参照して、辞書引き・形態素解析結果に学習辞書部
104bの学習内容を反映する処理について説明を行
う。処理は大きくわけて前述の[1]、[2]、[3]
の3つの処理からなっており、形態素解析結果の系列の
各単語候補に対して[1]を行い、続いて、その出力を
入力として、その各単語候補に対して[2]を行い、最
後に、同様に[3]を行う、という構成をとっている。
【0054】図5は辞書引き、入力文「この大学は大隈
重信によって開かれた大学です」に対する形態素解析結
果の一例を示す図である。辞書引き時には、学習辞書部
104b内の「登録」学習の見出し語も語彙部104a
と同様に使われるため、「開かれた大学」も名詞候補と
してあがってきている。各単語候補の下に書かれた
(s),(u)は、それぞれシステム辞書、すなわち語
彙部104aに登録されている語、ユーザ用の辞書、す
なわち学習辞書部104bに登録されている語であるこ
とを示す。もし、語彙部104aにも学習辞書部104
bにも同じ見出し語が同じ品詞で登録されていれば、両
方に入っていることを示す(s,u)が辞書引き結果と
して付与される。
【0055】図6〜8は、それぞれ[1]〜[3]で、
学習辞書部104bの各々の項目について、辞書引き・
形態素解析結果の各単語候補と照合して、学習内容を反
映する処理の流れを示している。照合の順番は共通で、
学習辞書部104bの項目一つ一つに対して(iで示
す)、図5において各単語候補の左上に添えた数字で示
すところの順番に(jで示す)、照合を行う。それがそ
れぞれS601〜S605、S701〜S705、S8
01〜S805のループである。[1]、[2]におい
ては、後に説明するS610、S710で系列の削除が
行われるため、処理途中でjは欠番が生じ得る。そこ
で、S605、S705では、欠番がある際にはさらに
欠番になっていない次のjに着眼点を移す。全体的な動
きはほぼ同じであるが、[1]は学習要件がひとつでも
成立しなければ系列から削除するのに対し、[2]は学
習要件がすべて成立すれば系列から削除するため、S6
08、609、S708、S709の判断結果に対する
動きが異なっている。
【0056】ステップS606、S706、S806で
は、見出し語と品詞の照合が行われる。
【0057】ステップS707、S707、S807で
は、学習要件の一部である活用・変化の照合が行われ
る。学習要件側が空である場合は照合成功とする。
【0058】前方要件、後方要件それぞれの照合の流れ
を図9に示した。複数の要件が列挙してある場合には先
頭から最後の要件まで順に照合処理を進める。それを示
すのがS901、〜S903のループである。ここでf
lagは照合成功か否かを示すフラグであり、1の場合
は成功、0の場合は不成功を表す。flagに1がセッ
トされるタイミングは、いずれかの肯定条件に適合した
場合である(ステップS908、S909)。一旦fl
agに1が設定されると、それ以降の肯定条件はジャン
プする。それを示すのが、ステップS904、S905
からS902への流れである。一方、一旦flagに1
が設定されても、以降、否定要件が一つでも適合してし
まうと、全体として要件不適合として処理を終了する
(ステップS906、S910)。肯定条件に1つも適
合しないうちに否定条件に適合してしまった場合も全体
として要件不適合として処理を終了する。それを示すの
が、ステップS909からS907を経る流れである。
【0059】次に、系列が削除される例を説明する。図
5で示す辞書引き・形態素解析結果に対し、図3に示す
学習辞書部104bの内容を照合すると、「開かれた大
学」(名詞)が要件に適合する。すなわち、前方要件の
否定要件「<否>によって」が適合するためである。
【0060】図10に示されているように、「によっ
て」から接続する「開かれた大学」につながるライン
と、「開かれた大学」から「である」につながるライン
が切断される。その結果、以下の系列のみが構文・意味
解析部に送られることになる。
【0061】この−−大学−−は−−大隈重信−−によ
って−−開か−−れ−−た−−大学−−です この時、もし、「開かれた大学」がシステム辞書、すな
わち語彙部104aにも別の訳語で登録されていた場合
((s,u)の情報が付与されている場合)には、系列
の削除は行わないが学習辞書部104bで学習を意図し
た訳語「open university」は訳語候補
から削除する。
【0062】削除学習の項目が適合した場合の系列削除
も上記と同じであるため、説明は割愛する。
【0063】次に、図8に示した[3]のステップS8
10の訳語置換処理について説明する。
【0064】システム辞書に登録されている語について
は、語彙部104aに訳語定義があるほか、変換規則1
04e内に、語彙部104aの各見出し語に対応して、
入力言語の特定表現に対して第2言語の特定の訳出表現
を決定する規則が記述されており、そこで訳語が再定義
されるものもある。図3の<4>で、無学習時の訳語が
「according to」というような特殊なもの
であるのは、後者の規則により訳語が定義されるもので
あるためである。訳語の置換としては、語彙部104a
の訳語定義と、変換規則104e内のすべての訳語再定
義部について「無学習時の訳語」を設定している部分を
探し、それを「学習したい訳語」に置き換える処理を施
す。図11は語彙部104aの訳語定義と変換規則10
4eの訳出決定の規則の概略モデルを示す図である。各
々の訳語定義部を見ていき、「according t
o」が「無学習時の訳語」と一致すれば、それを「学習
したい訳語」の「in answer to」に置き換
える。この例の場合、「..の質問に応じて...」の
ような入力文の翻訳の時に限ってこの置き換えが起こる
ため、それ以外の文では「according to」
と訳され、「あなたの質問に応じて..」の場合には
「in answer to your questi
on」と訳されることになる。
【0065】以下、学習辞書部の学習制御部105の辞
書更新処理について説明する。
【0066】図12(a)は、原文の表示方法の一例で
あり、対象とする原文書が表示画面中に設けられたある
ウィンドウに表示されている。
【0067】図12(b)は学習辞書部の学習対象見出
し語取得の一例である。図12(a)で表示された原文
書中でユーザが一般的な入力手段であるマウスやキーボ
ードでドラッグすることにより学習させたい見出し語を
選択する。これにより、システムは学習対象見出し語を
取得し、文脈学習対象範囲指定指示画面が表示される。
【0068】図13(a)は、文脈取得学習対象範囲指
示画面の一例であり、ユーザが選択した見出し語を含む
一文が表示される。この中でユーザが学習させる範囲を
一般的な入力手段であるマウスやキーボードでドラッグ
することにより選択することにより(図13(b))、
学習方法指示画面を表示する。ここで何も選択しなけれ
ばユーザは図12(b)で選択した見出し語を学習要件
なしで学習させることになる。なお、ここでは表示、指
示できる文脈取得学習対象範囲は1文としているが、こ
れは数文、段落などどしてもよい。
【0069】図14から図17は、学習方法指示画面の
一例であり、ユーザは、前方、後方要件をつけるなら
ば、図13(b)で選択された文脈取得学習対象範囲の
学習対象見出し語の前後両方あるいはどちらか一方のみ
に対して、全体を文字列のまま学習の要件として保存す
るか、形態素解析の結果から、品詞などの文法情報を得
(文脈情報取得)、自立語のみあるいは全体を品詞情報
に置き換えて学習の要件(要件作成)として保存するか
を選択する。
【0070】図18から図21は、学習内容確認画面の
一例である。ユーザの入力と、その時点での学習辞書と
の比較により得られた新規に学習する内容をシステムに
ユーザが提示する。
【0071】図22は、学習制御部105への学習起動
の指示から、学習辞書更新までの流れを示すフローチャ
ートの一例である。以下、図12から図15を用いて順
に説明する。本実施形態では図1の出力部106として
ディスプレイ、入力部101としては、コマンド入力
に、マウス、キーボードを利用しているとして説明して
いく。
【0072】ステップS1501では、ディスプレイ上
に表示されている翻訳対象文(図12(a))の中で学
習対象となる見出し語をマウスやキーボードを利用して
ユーザに指定させる(図12(b))。ここで、学習起
動を指示することにより図1の学習制御部105が起動
し、文脈取得学習対象範囲指定画面が提示される。たと
えば、文脈取得学習対象範囲を最大1文とし、ステップ
S1501で指定された見出し語を含む1文が表示さ
れ、ステップS1502へ進む。
【0073】ステップS1502では、ステップS15
01で提示された文の中で学習に利用する範囲をユーザ
に指定させ取得する。ここで、ユーザにキャンセルされ
れば、学習は終了し、学習辞書部には何も収容されな
い。ここで文脈学習範囲が指定されれば、その範囲を取
得し、ステップS1503へ進む。範囲が指定されなけ
れば、ステップS1504へ進む。
【0074】続いてステップS1503では、ステップ
S1501で提示された文に対して、辞書部104中の
語彙部104aと形態素解析規則104cおよび学習辞
書部104bを用いて、形態素解析、辞書引き処理を行
い、その品詞・活用、訳語情報(文脈情報)を求める。
【0075】次にステップS1504では、ステップS
1501からステップS1503まででシステムが取得
した情報を提示し、学習要件、学習の種類をユーザに入
力させる。たとえば、図14が表示される。ここには、
見出し語の他、システムが得た文脈情報から、見出し語
の品詞、当該事例における見出し語の活用・変化情報
(用言の場合)が表示される。これに対してユーザは必
要な情報(活用・変化情報の利用の有無、学習の種類、
学習したい単語)を選択あるいは直接入力する。ここで
「活用・変化情報」を利用有りとすることは、指定した
活用で用いられた時以外は学習を有効としないことを意
味し、利用無しとすれば、その語の活用・変化は学習の
要件とせず、どんな活用の時も学習内容を反映する対象
とすることを意味する。
【0076】本実施形態の学習方式としては、「訳語選
択」「訳語選択解除」の学習の指定は、学習したい語句
を含む原文に対して翻訳処理が終わり訳文が選られてい
る場合に限定するという構成をとっている。前述のよう
に、それぞれの語句には、語彙部104aと変換規則1
04eに訳語を決定するための訳語定義および訳語決定
のための規則が付与されている。変換規則104eに
は、さまざまな語の使われ方、構文に応じて訳し分ける
ための訳し分け規則が記述されている。翻訳部103
は、語彙部104aと変換規則104eを参照しなが
ら、個々の原文中の語の用法にもっともふさわしい訳出
表現を決定していく。よって、翻訳処理を終えた状態で
は、当該原文中の語の用法の訳語としてふわさしい訳語
のセットが得られている。すなわち、ある日本語の動詞
をある文型では英語の前置詞で訳出ための変換規則10
4eが選ばれた場合には、その前置詞に置換可能な訳語
のセットが得られている。この訳語のセットの中からユ
ーザによりユーザの欲する訳語を選択させたり、それに
置換可能な新たな訳語を指定させるような学習の構成に
することで、英語の動詞として訳出しなければならない
文の翻訳に、ユーザが別のところで学習した前置詞の訳
語が生成されるというような不具合を回避することがで
きる。
【0077】ここで、再度ステップS1504の処理の
説明にもどる。学習の種類が「訳語選択」の場合には、
上述の通り、当該見出し語の訳語として可能な訳語のセ
ットが得られているので、その一覧を表示しユーザが一
覧内から特定の語を選ぶこともできるようにする(図1
6(b))。「訳語選択解除」の場合には、翻訳処理で得
られた訳語を「学習したい訳語」欄に表示する。「訳語
選択」とは違ってこの欄は自由入力による書き換えはで
きないものとする。いずれも、ここでキャンセルをする
ことにより学習は終了し、学習辞書は更新されない。キ
ャンセルしない場合は、ステップS1505に進む。
【0078】ステップ1505では、現在収容対象とな
っている見出し語・訳語ペアが学習辞書中に同じ学習の
種類で収容されているかを判定する。すでに収容されて
いた場合は、ステップS1506へ進み、収容されてい
ない場合はステップS1507へ進む。
【0079】ステップS1506では、ユーザに既に収
容されていた学習要件とメッセージを提示し、それに現
在の学習要件を付加し、ステップS1514へ進む。
【0080】ステップS1507では、現在収容対象と
している学習の種類が「登録」であるかを判定する。
「登録」であった場合にはステップS1514に進み、
「登録」以外であればステップS1508へ進む。
【0081】ステップS1508では、現在収容対象と
している学習の種類が「削除」であるかどうか判定す
る。「削除」であれば、ステップS1509へ進み、
「削除」でなければステップS1511へ進む。
【0082】ステップS1509では、現在削除対象と
なっている見出し語・訳語ペアが学習辞書中に「登録」
として収容されているかを判定する。収容されていれ
ば、ステップS1510に進み、していなければ、ステ
ップS1514に進む。
【0083】ステップS1510では、現在削除対象と
なっている見出し語・訳語のペアが学習辞書中に「登
録」されているため、「削除」として学習辞書に新たに
収容するのではなく、既に「登録」されている学習項目
の学習要件に「削除」として収容したかった学習要件の
否定を付加したものを候補とし、ユーザにメッセージを
提示する。
【0084】ステップS1511では、現在収容対象と
している学習の種類が「訳語選択」であるかどうか判定
する。「訳語選択」であった場合には、ステップS15
14へ進み、そうでない場合はステップS1512へ進
む。
【0085】ステップS1512では、現在収容対象と
している学習の種類は訳語選択解除であるため、現在訳
語選択解除対象となっている見出し語・訳語ペアが学習
辞書中に学習の種類「訳語選択」で収容されているか判
定する。収容されていれば、ステップS1513へ進
み、されていなければ、「訳語選択解除」の対象となら
ないため、ステップS1504へ戻る。
【0086】ステップS1513では、現在訳語選択解
除対象になっている見出し語・訳語ペアが「訳語選択」
されているので、その既学習の項目とマージする旨をメ
ッセージとしてユーザに提示すると共に、既学習の項目
の学習要件とその学習要件に現在の学習要件を否定で付
加したものを候補とし、ステップS1514へ進む。
【0087】ステップS1514では、ステップS15
03で得られた文脈情報と、ステップS1504およ
び、ステップS1507からステップS1513で得ら
れた情報から学習辞書への要件を作成し、ユーザに提示
する(図18)。
【0088】ステップS1515では、ステップS15
14で最終的にユーザに確認された情報を学習辞書に収
容する。
【0089】図3<1>の学習辞書部104bの収容例
が、学習辞書に収容される流れを以下に説明する。
【0090】ステップS1501で、図12(a)の文
書中「この大学は開かれた大学で学生たちは自由を楽し
んでいる。」という文の「開かれた大学」を学習対象見
出し語として取得する(図12(b))。ここで、ステ
ップS1502で、図13(a)の一文を提示する。し
かし、ここでは学習要件を3つとも空で学習することと
し、ユーザは何も選択しないこととする。従って、ステ
ップS1504へ進む。ステップS1504では、学習
要件など必要な情報を入力する。この例の場合図14
(a)のように、学習の種類として「登録」を選択す
る。ステップS1505、S1507を通り、ステップ
S1514へ進む。ステップS1514では、図18を
ユーザに提示し、ユーザがこのまま確認することによ
り、システムはステップS1515に進み、学習辞書部
104bに図3<1'>が収容される。
【0091】次に、図3<1'>が学習辞書部104b
に記述された状態で、学習の種類「削除」が行われる手
順を説明する。
【0092】図12(a)の文書中「この大学は大隈重
信によって開かれた大学です。」の開かれた大学」で
は、上で学習辞書部に「登録」された訳語を使わないよ
うにする手順を以下に示す。ステップS1501で「開
かれた大学」を対象見出し語として指定する。ステップ
S1502で、図13(b)の一文が提示されるので、
「によって開かれた大学」を文脈取得学習対象範囲とし
て指定する。ステップS1503で文脈情報を取得し、
ステップS1504で、学習要件など必要な情報を入力
する。この例の場合図15のように、学習の種類として
「削除」を選択し、前方要件として、「によって」を用
いるために、「文字列扱い」を選択する。ステップS1
505、S1507を通り、ステップS1508に進
む。学習の種類は「削除」であるため、ステップS15
09へ進む。学習辞書にはすでに、同じ見出し語・訳語
ペアが「登録」されている(図3<1'>)ため、ステ
ップS1510へ進む。ステップS1510では、図1
5と、図3<1'>を比較し、図3<1'>の前方要件に
「によって」を文字列扱いでえられた「によって」の否
定として「<否>によって」を加えることによりステッ
プS1514へ進む。ステップS1514では、図19
をユーザに提示する。ユーザはこのまま確認してもよい
が、「によって」と同様に「により」を扱うようにした
ければ、前方要件に「<否>により」を記入してもよ
い。ユーザが確認することにより、ステップS1515
に進み、学習辞書部104bの図3<1'>が図3<1
>に更新される。
【0093】図3<3>の学習辞書部104bの収容例
が、学習辞書に収容される流れを以下に説明する。
【0094】ステップ、S1501で、「学生課の呼び
出しに応じる。」という文の「応じる」を学習対象見出
し語として取得する。ここで、ステップS1502で、
上記の文を提示する。ユーザは前方要件として「に」を
学習させたいため「に応じる」を文脈取得対象範囲とし
て指定し、システムが取得する。次にステップS150
3で、辞書引き、形態素解析を行い、ステップS150
4で、学習要件など必要な情報を入力する。この例の場
合図16(a)のように学習の種類として「訳語選択」を
選択し、前方要件として「に」を文字列扱いすることを
指定する。また、見出し語が動詞であるため、見出し語
の活用・変化情報の利用も可能であるが、この場合どの
活用に関しても学習させたいのでこの情報は利用しな
い。学習したい訳語としては、翻訳処理の結果得られた
訳語のセットから選択するため、図16(a)の画面で、
選択可能な訳語一覧(図16(b))を表示する。ユーザ
はここから学習したい訳語として「obey」を選択も
しくは、直接入力する。ステップS1505、S150
7、S1508、S1511を通り、ステップS151
4へ進む。ステップS1514では、図20をユーザに
提示し、ユーザがこのまま確認することにより、システ
ムはステップS1515に進み、学習辞書部104bに
図3<3'>が収容される。この時、「無学習時の訳
語」としては、学習前の翻訳結果で選択されていた訳語
が設定される。
【0095】次に、図3<3'>が学習辞書部104b
に記述された状態で、学習の種類「訳語選択解除」が行
われる手順を説明する。
【0096】ステップS1501で、「学生の条件に応
じる。」という文の「応じる」を学習対象見出し語とし
て取得する。ステップS1502で、上記の文が提示さ
れるので、「条件に応じる」を文脈取得学習対象範囲と
して取得する。ステップS1503では、文脈情報を取
得し、ステップS1504で、学習要件など必要な情報
を入手する。この例の場合、図17のように、学習の種
類を「訳語選択解除」とし、前方要件として「条件に」
を用いるために、「文字列扱い」を選択する。ステップ
S1505、S1507、S1508、S1511を通
り、ステップS1512へ進む。学習辞書にはすでに、
同じ見出し語・訳語ペアが「訳語選択されている(図3
<3'>)ため、ステップS1513へ進む。ステップ
S1513では、図17と図3<3'>を比較し、図3
<3'>の前方要件に「条件に」を文字列扱いで得られ
た「条件に」の否定として「<否>条件に」を加えるこ
とによりステップS1514へ進む。ステップS151
4では、図21をユーザに提示する。ユーザはこのまま
確認確認することにより、ステップS1515に進み、
学習辞書部104bの図3<3'>が、図3<3>に更
新される。
【0097】なお、上述の例では、学習要件が文字扱い
の場合のみを説明したが、図14から図17にあるよう
に、前方要件、後方要件ともに、「自立語のみ品詞扱
い」「全体を品詞扱い」「意味情報まで用いる」などさ
まざまなバリエーションが可能である。
【0098】本実施形態では、学習辞書部104bを更
新する際に、ユーザの選択に応じて要件部を品詞・活用
など文法情報に抽象化して学習の一般性を高めるように
構成したが、学習辞書部更新の時には抽象化はせず文字
列のまま要件として記憶し、翻訳実行時に、要件部を辞
書引き・形態素解析し、その結果と入力文の解析結果を
照合する、という構成も別実施形態として可能である。
抽象化・一般化のレベルの取り方も品詞の種類ごとに変
えるなどのバリエーションが可能である。
【0099】また、本実施形態では、要件を照合する際
に、文字列部分についてはカタカナを初めとする表記の
ゆれや同義語などを自動的に照合に取り入れる構成とし
ては述べなかったが、語彙部104bに収容される表記
のゆれや同義語の情報を取り入れて、照合の一般性を高
めるのも効果的である。もちろん、学習辞書部104の
更新時に表記のゆれ、同義語の抽出を行い、要件部に列
挙するという構成もあり得る。図3の<1>の前方要件
には「<否>により」「<否>によって」が列挙されて
いるが、このように構成をアレンジすれば、ユーザによ
って指定されたのが「により」だけであっても、「によ
って」の場合にも同じ効果が得られることになる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いた機
械翻訳装置および機械翻訳方法によれば、個々の文脈に
合わせて学習を可能にすることにより、以降の他の文書
の翻訳で悪影響の出にくい学習を実現でき、何度も学習
をし直したり、訳文の編集をし直したりの手間が軽減で
き、結果としてユーザの負担を大幅に軽減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての機械翻訳システム
の構成を示すブロック図。
【図2】図1制御部102におけるユーザとの対話処理
の流れを示すフローチャート。
【図3】学習辞書部104bの収容例。
【図4】図1翻訳部103における処理の流れを示すフ
ローチャート。
【図5】辞書引き、形態素解析結果の一例。
【図6】学習の種類が「登録」の際の学習内容を反映す
る処理の流れを示すフローチャート。
【図7】学習の種類が「削除」の際の学習内容を反映す
る処理の流れを示すフローチャート。
【図8】学習の種類が「訳語選択」の際の学習内容を反
映する処理の流れを示すフローチャート。
【図9】前方要件、後方要件それぞれの照合の流れを示
すフローチャート。
【図10】辞書引き、形態素解析後、系列が削除される
一例。
【図11】語彙部104aの訳語定義と変則規則104
eの訳出結果の規則の概略モデルを示す図。
【図12】原文の表示方法および学習対象見出し語選択
画面の一例。
【図13】文脈取得学習対象範囲指定画面の一例。
【図14】学習方法指示画面の一例。
【図15】学習方法指示画面の一例。
【図16】学習方法指示画面の一例。
【図17】学習方法指示画面の一例。
【図18】学習内容確認画面の一例。
【図19】学習内容確認画面の一例。
【図20】学習内容確認画面の一例。
【図21】学習内容確認画面の一例。
【図22】学習制御部105への学習起動指示から学習
辞書更新までの流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
101…入力部 102…制御部 103…翻訳部 104…辞書部 105…学習制御部 106…出力部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1言語の文書を第2言語の文書に機械
    翻訳する機械翻訳装置および機械翻訳方法において、第
    1言語の文書を第2言語の文書へ変換するための知識情
    報を収容する辞書部と、ユーザが辞書部の内容に対して
    個人用に用語の学習を行うための学習内容を収容する学
    習辞書部と、ユーザの操作指示に応じて、学習辞書部に
    対して新用語・新訳語の登録、既登録用語・訳語の削除
    の学習を制御し、学習内容の更新をするための学習制御
    部と、辞書部に収容される知識情報と学習辞書部に収容
    される学習内容を用いて、第1言語の文書を第2言語の
    文書へ変換するための翻訳部とを備え、さらに、前記学
    習制御部は、ユーザが学習を指示した語句の原文書中の
    前後両方あるいは片方の文脈である文字列を取得する文
    脈取得手段と、文脈取得手段により取得された文字列か
    ら、見出し語と共に学習辞書部に保存するための学習の
    要件を作成するための用件作成手段とを備え、前記翻訳
    部は、その要件が前後の文脈に成立したときのみ学習内
    容を活かした翻訳処理を行うよう構成された機械翻訳装
    置。
  2. 【請求項2】 文脈取得手段が取得する文脈文字列はユ
    ーザが範囲を指定できるための指定手段を備えることを
    特徴とする請求項1に記載の機械翻訳装置。
  3. 【請求項3】 学習対象の語が第1言語の文書中で活用
    ・変化している場合、その活用・変化情報も学習要件と
    して記憶することを特徴とする請求項1に記載の機械翻
    訳装置。
  4. 【請求項4】 文脈取得手段が取得する文脈文字列はシ
    ステムが自動的に当該用語の生起する文脈である文字列
    から取得することを特徴とする請求項1に記載の機械翻
    訳装置。
  5. 【請求項5】 学習制御部が備える要件作成手段は、文
    脈取得手段により取得した文脈文字列に対して、辞書
    部、翻訳部を介して形態素解析を行い、品詞・活用ある
    いは意味情報などの文法情報を得、自立語については品
    詞・活用情報あるいは品詞・活用および意味情報に置き
    換えて学習の要件として保存することを特徴とする請求
    項1に記載の機械翻訳装置。
  6. 【請求項6】 学習制御部が備える要件作成手段は、文
    脈取得手段により取得した文脈文字列に対して、辞書
    部、翻訳部を介して形態素解析を行い、品詞・活用ある
    いは意味情報などの文法情報を得、当該文字列を品詞・
    活用情報あるいは品詞・活用および意味情報に置き換え
    て学習の要件として保存することを特徴とする請求項1
    に記載の機械翻訳装置。
  7. 【請求項7】 学習制御部が備える要件作成手段は、文
    脈取得手段により取得した文脈文字列を、文字列の形の
    まま学習の要件として保存することを特徴とする請求項
    1に記載の機械翻訳装置。
  8. 【請求項8】 文脈取得手段により取得した文脈文字列
    を文字列のまま学習の要件として保存された学習辞書に
    対して、翻訳部は文書の翻訳処理時に、学習辞書部内に
    保存された要件部分を辞書部を用いて品詞・活用あるい
    は意味情報などの文法情報に変換し、自立語については
    品詞・活用あるいは品詞・活用および意味情報に置き換
    えた結果を学習の要件として用いることを特徴とする請
    求項1に記載の機械翻訳装置。
  9. 【請求項9】 文脈取得手段により取得した文脈文字列
    を文字列のまま学習の要件として保存された学習辞書に
    対して、翻訳部は文書の翻訳処理時に、学習辞書部内に
    保存された要件部分を辞書部を用いて品詞・活用あるい
    は意味などの文法情報に変換し、品詞・活用あるいは品
    詞・活用および意味情報に置き換えた結果を学習の要件
    として用いることを特徴とする請求項1に記載の機械翻
    訳装置。
  10. 【請求項10】 文脈取得手段により取得した文脈文字
    列を文字列のまま学習の要件として保存された学習辞書
    に対して、翻訳部は文書の翻訳処理時に、学習辞書部内
    に保存された要件部分がまったく当てはまる文脈で当該
    用語が用いられた時にのみ学習効果をオンとすることを
    特徴とする請求項1に記載の機械翻訳装置。
  11. 【請求項11】 請求項4〜6および7〜9のいずれの
    学習方法をとるかはユーザが個々の学習ごとに選択でき
    ることを特徴とする請求項1に記載の機械翻訳装置。
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