JP2000221184A - 溶融金属の試料採取装置、溶融金属の試料採取装置用部材及び試料採取方法 - Google Patents

溶融金属の試料採取装置、溶融金属の試料採取装置用部材及び試料採取方法

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JP2000221184A
JP2000221184A JP11021393A JP2139399A JP2000221184A JP 2000221184 A JP2000221184 A JP 2000221184A JP 11021393 A JP11021393 A JP 11021393A JP 2139399 A JP2139399 A JP 2139399A JP 2000221184 A JP2000221184 A JP 2000221184A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み立ての煩雑さを解消でき、溶融金属浴の
一定の位置で良好な状態の試料採取が可能な、迅速分析
を実現し得る溶融金属の試料採取装置の提供。 【解決手段】 側壁に容器内のガスを外部へ排気するた
めの貫通孔が設けられた上下のいずれかに開口部を有す
る小型容器と、該容器を支えガスを排気するための流通
路を有する支持棒と、小型容器の蓋部と、小型容器に収
納される試料型を有する試料採取装置において、試料型
が、溶融金属が充填される中空部分、中空部分へと溶融
金属を導くための試料導入口及び試料導入部、側壁に中
空部分から排気されるガスを抜くためのガス抜き用小孔
を有し、且つ、試料型の試料導入口が小型容器の蓋部の
外表面に露出するように設けられているる溶融金属の試
料採取装置、溶融金属の試料採取装置用部材及びこれら
を用いる試料採取方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属の試料採
取装置、これを構成する溶融金属の試料採取装置用部
材、及びこれらを用いる試料採取方法に関する。特に、
溶鋼を自動サンプリングして自動分析を行なう自動サン
プリングシステムに好適な溶融金属の試料採取装置、こ
れを構成する溶融金属の試料採取装置用部材、及びこれ
らを用いる試料採取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製鋼過程においては、溶融状
態の金属をサンプリングし、発光分光分析による金属成
分の組成分析、或いはC・S・N等のガス分析を行うこ
とによってプロセス管理及び製品管理を行っている。こ
の際に使用される溶融金属の試料採取装置としては、図
5に示したような、柄のついた金属又は耐火物製のカッ
プ状の小型容器が使用され、該容器を溶融金属浴中の一
定の位置まで浸け込んで溶融金属を汲み上げた後、冷却
後、容器から円錐台状のサンプルを取り出し、これを分
析目的に合せた適宜な形状に切り出す等の加工処理をし
て、上記したような各種分析用試料が調製されている。
【0003】上記の従来の方法は、溶融状態の金属を小
型容器内に汲み上げる過程は簡便であるものの、溶融金
属の上部に浮遊するスラグがサンプル中に混入し易く、
又、凝固した金属サンプルから試験或いは分析用試料を
切り出す等の試料調製が煩雑であるという問題があり、
しかも、バリの発生等で、固化したサンプルを容器内か
ら取り出すことが非常に難しいという問題があった。こ
れに対し、出願人らは、既に特開平8−21832号公
報において、金属或いは耐熱性セラミックからなるカッ
プ状の小型容器内に所望の形状の試料型を収納させて、
該試料型の中空部分内に溶融金属を導入及び充填して溶
融金属サンプルを採取する方式の、溶融金属サンプルの
取り出しや該サンプルからの測定用試料の調製が容易な
試料採取装置を提案している。即ち、該装置は、従来の
試料採取装置に比べて良好な状態でのサンプリングが迅
速に行なえ、しかも所望の形状を有し、且つ取り出しが
容易な溶融金属サンプルが得られると共に、使用後に、
試料型と試料導入口近傍の構成を組み立て直すのみで小
型容器を繰り返し使用することが可能な優れた装置であ
る。
【0004】更に、上記試料採取装置は、自動サンプリ
ングシステムに適用することによって、サンプリング作
業を格段に省力化できるという優れた効果をも有する。
即ち、上記構成を有する試料採取装置によれば、溶融金
属浴内に小型容器を浸漬し、その後、引き上げるだけ
で、各種測定に必要な形状に容易に試料調製が可能な所
望形状の溶融金属サンプルが得られ、しかも該サンプル
は、完全な冷却を待たずに搬送ベルトや気送等の手段に
よって迅速に各種の測定機器の場所に自動搬送できると
いう利点がある。この結果、溶融状態にある金属につい
ての試験や分析が迅速になされ、更に、得られた測定結
果を直ちにフィードバックして製造条件の決定等に反映
させることができるので、例えば、製鋼工程において、
優れたプロセス管理や製品管理の実現が可能となる。
【0005】一般的に、各種試験用・分析用の溶融金属
サンプルの採取を自動的に行う場合には、特に、良好な
状態の所望形状を有する溶融金属サンプルを100%の
確実さで歩留りよく得ることが必須となる。これに対
し、上記した従来の試料採取装置では、基本的な構成
が、試料型の下部から中空部分内に溶融金属を押し込ん
で充填し、その際に中空部分から押し出されてくるガス
を試料型上部に設けられているガス抜き用気孔から排気
できるようになっているため、良好な状態で充填された
サンプルを歩留りよく形成できるという利点を有してい
る。
【0006】しかしながら、本発明者らの更なる検討に
よれば、上記した試料採取装置を自動的なサンプリング
システムに利用した場合に、下記のような改良すべき点
があることがわかった。即ち、上記試料採取装置は、先
に説明したように、溶融金属の導入によって壊れる試料
型の試料導入口近傍の構成を組み立て直すのみで、小型
容器及び態様によっては試料型の繰り返し使用が可能と
なるが、該装置では、小型容器の底部に試料型の試料導
入部の外周よりも若干径の大きな孔を設け、その孔に試
料型の試料導入部を嵌め込む構造になっているため自由
度が小さく、更に、溶融金属が充填された時点で嵌め込
んだ部分に重みがかかるので、試料導入部近傍の構成を
組み立て直すためには細かな熟練した作業を要し、煩雑
であり、サンプリング作業を効率化する際の障害となっ
ていた。
【0007】又、該装置では、先に述べたように、試料
型の中空部分に溶融金属が充填された場合に、中空部分
からのガスが外部へ円滑に押し出されるようにするため
に、試料型の下部から溶融金属を中空部分に押し込んで
充填させる構造としているので、試料型の導入部が最初
に溶融金属浴の上部に浮遊しているスラグ内に挿入され
ることになり、場合によっては試料型の試料導入口にス
ラグが付着することが起こる。このようなことが起こる
と、特にサンプリングを自動化した場合に、溶融金属浴
中の所望の位置での試料採取が確実に行なわれなくなる
恐れが生じ、ひいては、これを用いて行なう溶融金属サ
ンプルの分析値に影響を及ぼし、試験或いは分析の正確
さや精度を維持することが難しくなる。そして、このこ
とは、製品の品質管理に支障をきたし、多大な弊害を生
じる恐れを含んでおり、このような事態は極力避けなけ
ればならない。
【0008】即ち、精錬中の溶融金属浴内は流動してお
り、各種成分調整後の時間経過によって、浴内における
溶融金属の成分濃度や温度の均一性は刻々と変化してい
る。従って、溶融状態の金属を浴内からサンプリング
し、これについて各種の試験及び分析を行うことによっ
てプロセス管理及び製品管理を行う場合には、操業条件
の指針となる溶融金属サンプルが浴内の定められた位置
で確実にサンプリングされることが大前提となり、この
ことが最重要事項となる。更に、近年の高機能材の製造
は多岐を極め、性能を決定付ける含有成分の正確な把握
が不可欠となっている。特に、溶融金属中に含まれる微
量元素の含有量の微妙な違いが製品に大きな影響を及ぼ
す場合があり、換言すれば、溶融金属中における微量元
素を精度よく正確に管理して製品の製造を行なうこと
が、品質管理の要となる。例えば、各種の鉄鋼製品の製
造にあっては、その要請が高く、優れた状態の溶融金属
サンプルを迅速に安定して採取することが望まれてい
る。現在、分析装置の進歩は目覚ましく、上記の要請に
応えて、その性能は微量域も問題なく分析できる状況に
ある。しかし、その基となる分析用サンプルに、サンプ
リング誤差が生じていては、いかに性能に優れる装置で
あっても真の分析値を得ることはできない。従って、分
析に供されるサンプルが、溶融金属浴内の一定の位置で
確実に採取され、しかも採取されたサンプルにスラグの
混入や空胴等の発生がないことは勿論、サンプルへのコ
ンタミの防止や、ベースとなる金属組織が常に均一に安
定的に確保されること等が極めて重要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記したカップ形状の小型容器内に所望形状の試料
型を収納し、該小型容器の下部から試料型の中空部分に
溶融金属を充填するタイプの試料採取装置の有してい
た、装置の組み立ての煩雑さ、溶融金属浴の一定の位置
で確実に安定して溶融金属サンプルを採取することの困
難さの問題を解決した溶融金属の試料採取装置、溶融金
属の試料採取装置用部材及びこれらを用いる試料採取方
法を提供することにある。更に、本発明の別の目的は、
自動サンプリングシステムに適用するのに特に適した、
溶融金属サンプルについての物性値や分析値の正確さや
精度を維持しつつ迅速分析を可能とできる、サンプリン
グ作業の省力化が達成でき、しかも、所望の形状を有す
る良好な状態の溶融金属サンプルが安定して得られる溶
融金属の試料採取装置、溶融金属の試料採取装置用部材
及びこれらを用いる試料採取方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、その側壁に
容器内のガスを外部へ排気するための貫通孔が設けられ
ている上下いずれか一方に開口部を有する小型容器と、
該容器を支え且つ上記ガスを排気するための流通路を有
する支持棒と、上記小型容器の開口部に嵌合させる蓋部
と、小型容器に収納される試料型とを有する溶融金属の
試料採取装置において、試料型が、任意の形状に溶融金
属を充填するための中空部分と、該中空部分へと溶融金
属を導くための試料導入口及びこれに続く試料導入部
と、その壁面に中空部分から排気されるガスを抜くため
のガス抜き用小孔とを少なくとも有し、且つ、試料型の
試料導入口が小型容器の蓋部の外表面に露出するように
設けられていることを特徴とする溶融金属の試料採取装
置、溶融金属の試料採取装置用部材及び試料採取方法で
ある。
【0011】本発明者らは、上記した従来技術の問題点
を解決すべく鋭意検討の結果、所望形状の試料型の試料
導入口が小型容器の蓋部の外表面に露出するように構成
することで、更に好ましくは、小型容器の蓋部に試料型
の試料導入部を嵌め込んで、蓋部と試料型とを一体に形
成した態様とすることで、装置の組み立ての煩雑さの問
題を解決し、更に、溶融金属浴に試料採取装置を浸漬し
た場合に、試料型の中空部分のガスを円滑に排気できる
ように構成することで、溶融金属浴の所望の位置で試料
型内に溶融金属を円滑に導入することが可能となり、所
望形状を有する優れた状態の溶融金属サンプルが歩留り
よく得られ、更には、特に試料型の上部から試料型内に
溶融金属が導入されるように構成することで、試料型の
試料導入口近傍で生じる傾向にあった試料採取装置への
スラグの付着をより有効に防止できることを見いだして
本発明に至った。即ち、本発明の溶融金属の試料採取装
置によれば、目的に合わせた試料調製が容易にできる所
望形状を有し、サンプリング誤差が極力軽減され分析精
度や正確さが損なわれることのない優れた状態の溶融金
属サンプルが、迅速に且つ確実に、しかも歩留りよく得
られる。更に、上記した構成を有する溶融金属の試料採
取装置は、自動サンプリングシステムに適し、人手を要
することなく、上記した優れた効果を有する溶融金属サ
ンプルを迅速に且つ確実に得ることができるので、サン
プリング作業の省力化が達成されると同時に、溶融金属
の更なる迅速分析や試験が可能となる結果、鉄鋼等の金
属製品の経済的な製造ライン制御、及び製品の品質管理
の完全さが達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施形態
を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明の溶融金
属の試料採取装置は、図1及び図2にその一例を示した
如く、大きくは、小型容器2と該容器を支える支持棒
1、該小型容器の上下いずれか一方にある開口部に嵌合
させる蓋部4、及び小型容器内に収納される試料型3と
からなる。本発明の試料採取装置では、図2中にに示
したように、通常は小型容器2と該容器を支える支持棒
1とが一体化されて、所謂、柄杓状をしている。ここ
で、図1及び図2に示した例では、小型容器2の開口部
が、小型容器の上部に設けられているが、本発明はこれ
に限定されず、例えば、これとは逆に、小型容器の下部
側が開口されていてもよい。即ち、試料型の中空部分へ
の溶融金属の確実な充填が容易に達成されるという観点
からは、下部側が開口された小型容器を用いることが好
ましいが、後述する溶融金属浴上部に浮遊しているスラ
グの影響や、溶融金属が充填された場合に蓋部にかかる
荷重の影響を考慮すると、小型容器2の開口部は上部に
設けたものを使用することが好ましい。以下、小型容器
2の開口部を上部に設けた形態を例に挙げて説明する。
【0013】本発明の溶融金属の試料採取装置の特徴
は、小型容器2内に収納される試料型3の試料導入口1
0’が、小型容器2の蓋部4の外表面に露出するように
構成されていることにある。このような構成を有する本
発明の試料採取装置を用いてサンプリングを行なった場
合には、溶融金属浴中に浸漬された小型容器の蓋部の表
面にある試料導入口10’から溶融金属が入り、これに
続く試料導入部10を介して中空部分3’へと導入され
て該中空部分3’に溶融金属が充填される。その後、冷
却して固化し、試料型から取り出せば、中空部分3’の
形状に応じて得られる所望形状のサンプルが得られる。
【0014】更に、本発明の試料採取装置の好ましい形
態としては、図2に示したように、小型容器2の蓋部4
に、試料型3の試料導入部10を嵌め込んで、小型容器
の蓋部4と試料型3とが一体となるように(図2中に
で図示)形成することが挙げられる。即ち、このように
構成すると、予め部分を組み立てておけば、カップ状
の小型容器に単に蓋をする要領で、容易に試料型を小型
容器内に収納できるようになる。この結果、溶融金属サ
ンプルを、溶融金属浴中の一定の位置で良好な状態に安
定して歩留りよくサンプリングできる本発明の試料採取
装置を、容易に且つ熟練を要することなく組み立てるこ
とが可能となる。
【0015】本発明の溶融金属の試料採取装置では、試
料型の試料導入口が小型容器の蓋部の外表面に露出する
ように設けられる。具体的には、例えば、金属製又はセ
ラミック製の小型容器の蓋部に試料型の試料導入口が小
型容器の蓋部の外表面に露出する状態で嵌め込まれて、
試料型が小型容器内に着脱自在に収納できるように構成
されているので、試料型の中空部分に溶融金属が良好な
状態に充填されると共に、サンプリング終了後に、溶融
金属が充填された試料型を小型容器内から容易に取り出
すことができる。即ち、小型容器の蓋部が下になるよう
にして、好ましくは多少の振動を与えれば、溶融金属が
充填された試料型の荷重によって蓋部が外れて該試料型
は蓋部と共に落下し、小型容器内から容易に取り出され
る。更に、試料型を2個以上の分割体で形成しておけ
ば、試料型から溶融金属サンプルを容易に取り出すこと
が可能となる。例えば、落下した程度の衝撃でも、試料
型と溶融金属サンプルとが容易に分離するので、試料型
から溶融金属サンプルを取り出す工程を特別に設ける必
要もない。この結果、サンプリング作業の更なる効率化
が図られ、しかも、安定したサンプリングを容易に且つ
確実に行なうことが可能となる。特に、本発明の溶融金
属の試料採取装置は、後述するように、人手を要するこ
となくロボット操作によって、上記した一連の溶融金属
のサンプリング及び溶融金属サンプルの試料型からの取
り出しまでの動きを円滑にさせることができるので、自
動サンプリングシステムに好適に利用できる。
【0016】以下、本発明の溶融金属の試料採取装置の
各構成部材について、更に詳細に説明する。先ず、本発
明にかかる溶融金属の試料採取装置の構成部材である小
型容器2は、高温の溶融金属浴内に浸漬し、サンプリン
グする間に溶解しないものであればいずれの材料で形成
されていてもよい。例えば、およそ5〜10mm程度の
厚みを有する鉄等の金属、或いは耐熱性セラミック等の
材料で形成すればよい。又、小型容器2の形状も、試料
型を小型容器内部に収納でき、且つ、小型容器2を容易
に収納できるように、上下いずれか一方が開口した状態
となっていれば、いずれのものでもよい。
【0017】本発明の溶融金属の試料採取装置において
は、更に、小型容器2の底部の形状を、テーパーを有す
る先端部分が細くなった構成にすることが好ましい。例
えば、図1及び図2に示したように、小型容器2の形状
を底部にテーパーを有する円筒カップ状のようにすれ
ば、溶融金属浴中に浸漬させた場合に、小型容器2が溶
融金属の上部を覆っているスラグを掻き分けた状態で入
っていくようにできるので、小型容器の底部は勿論、上
部や側壁にスラグが付着することを有効に防止できる。
その際の先端の角度としては、図2中に部分拡大図を示
したが、狭角が90〜100°の範囲になるように構成
すれば、スラグを良好な状態で掻き分けることができ、
しかも小型容器の肉厚を充分に確保することができるの
で好ましい。
【0018】更に、小型容器の底部にテーパーを設ける
以外に、小型容器を支えるための支持棒の長さを、図1
及び図2に示したように、溶融金属に浸漬される側の先
端部が小型容器の底部の位置よりも下になるように、長
くすることが好ましい。このように、小型容器を支える
支持棒の溶融金属に浸漬される側の長さを小型容器の底
部の位置よりも長くすれば、溶融金属中に小型容器を浸
漬させた場合に、先ずこの支持棒の先端が入って、溶融
金属の上部を覆っているスラグを突き破り、その後、試
料型が収納されている小型容器の底部が溶融金属中に浸
入していくようになるので、小型容器へのスラグの付着
が更に有効に防止される。即ち、支持棒の先端形状は、
小型容器の底部と比較して細いので、溶融金属の上部を
覆っているスラグ層をより容易に突き破ることができ、
この結果、小型容器へのスラグの付着が有効に防止され
る。更に、この場合に、上記支持棒の先端にもテーパー
を設けて、先端を尖らせてスラグ層を突き破り易くする
ことも有効である。
【0019】更に、本発明者らの検討によれば、溶融金
属の表層を形成するスラグは、精錬状況や金属の種類に
よってはコンクリート状の固さになるものがあり、円滑
なサンプリングの障害になることがあったが、このよう
な場合にも上記構成の試料採取装置が有効であることが
わかった。即ち、上記のような状況の時に、支持棒の長
さが小型容器の底部の位置に同じ或いは短いと、先端に
突起がない状態の試料採取装置を挿入しようとすると、
抵抗が大きく、装置が滑ってしまって浴内に挿入するこ
とができなっかたり、無理に押し込もうとすると、小型
容器と支持棒が並列になっているので支持棒の応力が中
心からズレて、曲がってしまってサンプリングが不能と
なる場合があった。このため、このような場合には、鉄
棒等で予めスラグを突き破る等して試料採取装置を挿入
する必要があった。従って、このような現象を解消する
ためには、上記したように支持棒の先端が小型容器の底
部よりも長くなるように構成し、常に支持棒の先端が先
行してスラグ層を突き破り、試料採取装置が容易に挿入
できるようにすることが好ましい。支持棒の先端の長さ
は、小型容器の底部よりも長ければ特に限定されない
が、溶融金属浴中に挿入した場合の装置の安定性、経済
性を考慮すると、例えば、小型容器の底部の位置よりも
10〜40mm程度長い位置に支持棒の先端がくるよう
にすることが好ましい。
【0020】更に、本発明の溶融金属の試料採取装置に
おいては、特に、小型容器の下部側に開口部を設け、小
型容器の下部から溶融金属を試料型内に導入する構成の
装置の場合の方が、小型容器の上部に開口部を設けて上
部から溶融金属を導入するように構成した場合よりも試
料導入口等へのスラグが付着する可能性が高く、問題を
生じる恐れがある。従って、特にこの場合には、上記し
たように支持棒の長さを長くし、該先端でスラグを突き
破ることができるように構成することが好ましい。この
ようにすれば、小型容器の下部から溶融金属を試料型内
に導入する構成の装置であっても、小型容器や試料導入
口へのスラグの付着を有効に防止できる。
【0021】本発明の溶融金属の試料採取装置におい
て、スラグの混入や付着といった影響を少なくするため
には、図1及び図2に示したように、小型容器の上部に
開口部を設け、試料導入口を小型容器の上部に設け、更
に、支持棒の長さを、小型容器の底部の位置よりも長く
なるように構成することが好ましい。この結果、試料導
入口にスラグが付着し、サンプリングのタイミングがず
れて、サンプリング不良を生じることや、スラグの混入
の問題をより確実に抑制できる。
【0022】本発明の試料採取装置においては、上記し
た小型容器2の側面に貫通孔11が設けられていて、試
料型の中空部分に溶融金属が充填された場合に試料型3
から容器内へと押し出されてくるガスが外部へと円滑に
排気されるように構成されている。この貫通孔11は、
小型容器2の側壁であればいずれの位置に設けられてい
てもよいが、中空部分から出てくるガスを外部に円滑に
且つ確実に排気できるものであることが好ましい。例え
ば、図1及び図2に示したように、小型容器2の上部側
面に貫通孔11を設け、これに連結して、小型容器2を
支えるための支持棒中又はその近傍に排気管等からなる
流通路9を設ける等の手段によれば、中空部分から出さ
れるガスを外部に容易に排気できる。この場合に、小型
容器2の貫通孔11が、支持棒1中又はその近傍に設け
られた流通路9と良好な状態で接続されるためには、先
に述べたように、小型容器2と支持棒1とを一体化して
柄杓状に形成することが好ましい。
【0023】更に、本発明の試料採取装置においては、
上記のような小型容器2の上部の開口部分に、小型容器
2を溶融金属浴内に浸漬させた際に、該開口部から小型
容器2内へと溶融金属が浸入しないように蓋部4が設け
られている。そして、該蓋部4には、後述する試料型3
を小型容器2内に収納した場合に、試料型の試料導入口
10’が蓋部4の外表面に露出するように設けられ、サ
ンプリング時に、該試料導入口10’から試料型3の中
空部分3’に溶融金属が導入できるように構成されてい
る。本発明の試料採取装置の好ましい形態は、この場合
に、図1及び図2に示したように、小型容器2の蓋部に
試料型の試料導入部10が嵌め込まれて小型容器の蓋部
と試料型3とが一体化されたものである。
【0024】本発明の溶融金属の試料採取装置において
は、上記小型容器の蓋部を、耐熱性、強度性、加工性及
び経済性に優れる金属或いはセラミックで形成すること
が好ましい。即ち、溶融金属内に浸漬させた場合に、破
壊されて試料型の試料導入口が蓋部表面に露出した状態
が損なわれたり、溶融金属が小型容器内に入ること等を
生じることなく、更に、自動サンプリングシステムに適
用する場合には、特に溶融金属が充填された試料型を蓋
部と共に落下させて取り出し、サンプリング終了後に良
好な状態で容易に小型容器から蓋部が外れるような材料
で形成することが好ましい。尚、自動サンプリングシス
テムに適用した場合には、上記したように、蓋部を試料
型と共に落下させて試料型を取り出すので蓋部は破損し
易く、通常は、蓋部は使い捨てとなる。
【0025】本発明においては、小型容器の蓋部に上記
した機能を持たせるには、耐熱性と共に、強度及び経済
性に優れた材料によって小型容器の蓋部を形成すること
が好ましい。耐熱性に優れる材料としては、例えば、ア
ルミナ磁器が挙げられるが、経済性を考慮すると、アル
ミナ及びシリカを主成分とした耐火原料であるシャモッ
ト煉瓦を使用することが好ましい。従来より、シャモッ
ト煉瓦の材料としては、用途によって各種の配合のもの
が知られているが、本発明においては、耐熱性と共に強
度性及び経済性を満足し得る配合材料を用いることが望
ましい。このようなものとしては、例えば、アルミナが
75〜85%、シリカが15〜25%程度含まれ、これ
に微量の酸化カルシウム及び酸化マグネシウム等を含む
アルミナ複合体で形成したもの等が挙げられる。
【0026】更に、上記のような、金属或いはセラミッ
ク材料で形成される小型容器2の蓋部4は、図1に示し
たように、小型容器2の開口部に嵌め込むことによっ
て、小型容器2を溶融金属浴中に浸漬した場合に、小型
容器内に溶融金属が浸入してこないように小型容器を密
封できるように構成される。更に、その外表面には試料
導入口10’が露出するように構成されるが、このため
には、図1及び図2に示したように、セラミック材料で
形成される蓋部4の略中央部に試料型の試料導入部10
を嵌め込むことができるように開孔部を設け(図1のA
−A’断面図参照)、該開孔部に試料型の試料導入部1
0を挿入する等の方法によって形成することが好まし
い。上記のように構成すれば、小型容器2を溶融金属浴
中に浸漬した場合に、小型容器2内に溶融金属が浸入し
てくることはないが、一方、蓋部4の外表面に露出して
いる試料型の試料導入口10’からは溶融金属が浸入す
るので、試料型の中空部分3’には溶融金属が充填され
る。この結果、試料型の中空部分3’の形状を所望のも
のとすれば、所望形状の溶融金属サンプルを容易に得る
ことができる。
【0027】この際に、サンプリングを効率的に行なう
ためには、下記のようにして、小型容器2の蓋部4に試
料型の試料導入部10を嵌め込んで、予め試料型3と小
型容器2の蓋部4とを一体化した部材を形成しておくこ
とが好ましい。このようにすれば、小型容器2の開口部
に単に蓋をする要領で、試料型3を小型容器2内に収納
することが可能になる。即ち、図2に示したように、小
型容器2の蓋部4とを一体化した部材を、小型容器の
開口部に嵌めるだけで、図1に示した形態の本発明の溶
融金属の試料採取装置が形成される。そして、部材を
小型容器の開口部に嵌めた状態で、モルタル液中に小型
容器及び支持棒をドブ付けすれば、小型容器2の開口部
に蓋部4をしっかりと固定できると同時に、試料採取装
置全体の耐熱性を更に向上させることができる。
【0028】以下、小型容器2の蓋部4とを一体化した
部材について説明する。試料型の試料導入部10を小
型容器2の金属製又はセラミック製の蓋部4の略中央に
設けた開孔部に挿入させる場合には、かなり精密な寸法
精度で作成したとしても、両者の間に隙間ができて隙間
に溶融金属が浸入する恐れがある。このようなことが生
じると、溶融金属を試料型に充填後、試料型を小型容器
内から取り出すことが円滑に行なえない場合がある。
又、いずれも剛性の材料からなるため、蓋部に試料型を
嵌め込んで一体化した場合に、試料型の重みで蓋部の開
孔部から試料型が滑り落ちてしまう恐れもある。特に、
この現象は、試料型の中空部分に溶融金属が充填された
場合に顕著になる。これに対しては、小型容器2の金属
製又はセラミック製等の蓋部4の略中央に設ける開孔部
の大きさを試料型の試料導入部10の外径よりも若干大
きく形成し、これらの隙間に紙管を設けることが好まし
い。このようにすれば、紙管を介して試料型が小型容器
の蓋部に密着して嵌め込まれるので、サンプリング操作
の間に試料型が小型容器の蓋部から外れることがない。
更に、このようにすれば、紙管は脆く、試料型の中空部
分に溶融金属を充填後、小型容器内から試料型を取り出
す場合に、小型容器の蓋部と容易に分離できるようにな
るので、自動サンプリングシステムに適用する場合に特
に好適である。この際に使用する紙管としては、1〜5
mm程度の厚みのボール紙等の紙を使用すればよい。更
に、紙管の表面に耐熱性のセラミックを塗布したものを
用いてもよい。
【0029】次に、本発明の試料採取装置を構成する支
持棒1について説明する。上記した内部に試料型3が収
納された小型容器2は、支持棒1によって支持されてい
るが、該支持棒1は、手、或いは自動サンプリング装置
の場合にはロボットの手によって挟持されて、小型容器
2を溶融金属浴の上まで移動し、続いて支持棒1を下方
へ移動させることによって小型容器2を溶融金属浴内へ
と浸漬させる等の操作を円滑に行なうために設けられて
いる。そして、上記支持棒による一連の動きによって、
溶融金属浴中の溶融金属を小型容器2内に容易に導入す
ることができる。
【0030】上記のような機能を有する支持棒1は、カ
ップ状の小型容器2と同様に、鉄等の金属或いは耐熱性
セラミック等の材料からなるが、その形状は、中実棒状
であってもよいし、内部が中空の管状のものでもよい。
又、複数の中実棒を束ねたものでもよい。試料型3の壁
面にあるガス抜き用小孔12から排気されてくる中空部
分から押し出されるガスは、小型容器2の上部に設けら
れている貫通孔11から、支持棒に設けられている流通
路を通じて外部の空気中に排気される。この際、支持棒
に設けられているガスを空気中に排気させるための流通
路は、貫通孔11に接続した専用の排気管で構成しても
よいが、流通路を支持棒1中又は支持棒1の近傍に設け
るようにするのが好ましい。例えば、図1及び図2に示
したように、支持棒1を管状に構成して支持棒内に流通
路9を設け、貫通孔11を通ったガスが支持棒の内部を
通って空気中へと排気されるようにすれば、装置の構成
を簡略にできるので好ましい。図示していないが、ガス
の流通路となる専用の排気管に支持棒を溶接等の手段で
一体化したものもを用いてもよい。
【0031】又、ガスを空気中へと排気する別の方法と
しては、中実の支持棒の周囲に厚手の紙で形成された紙
管を設けておき、該紙管の径を支持棒の径よりも大きく
しておくことによって、紙管と支持棒との間に隙間を作
り、且つこの隙間の上部が空気中に存在するように紙管
と支持棒とを構成し、更に紙管の一部に、小型容器の側
壁に設けられている貫通孔に連結される孔を設けて、紙
管と支持棒との間の隙間をガスの流通路とすることによ
っても中空部分から押し出されてくるガスを空気中へと
容易に排気させることができる。この際に使用する紙管
は、溶融金属浴内に浸漬された場合に、直ちに燃えたり
溶融金属が飛び散らないものを使用することが好まし
く、例えば、1〜5mm程度のボール紙等の紙で形成
し、更に、紙管の表面に耐熱性のセラミックを塗布した
ものを使用することが好ましい。
【0032】次に、小型容器内に収納する試料型3につ
いて以下に説明する。試料型3は、少なくとも溶融金属
が任意の形状に充填される中空部分3’と、該中空部分
3’へと溶融金属を導くための試料導入部10と、溶融
金属が導入された場合に中空部分3’から排気されるガ
ス抜き用小孔12とを有していればいずれの形状のもの
でもよい。本発明においては、中空部分3’の形状を所
望のものとすることで、サンプリング後に行なう各種の
試験或いは分析に適した形状の溶融金属サンプルが容易
に得られる。換言すれば、中空部分3’の形状の異なる
試料型3を使用するのみで、多様性のある溶融金属サン
プルの採取が可能となる。この結果、試料調製が短時間
にでき、労力の削減が達成されると共に迅速分析が可能
になる。具体的には、例えば、中空部分3’の形状が、
少なくとも厚みが上下で異なるロリポップ型のもの(図
4(a)参照)、円板状のディスク型のもの(図4
(b)参照)、或いは円筒型(図4(c)参照)等のも
の等を使用することによって、試料調製が容易であった
り、精度や正確さに優れる分析が可能な溶融金属サンプ
ルが得られる。
【0033】このような形状の中空部分3’を有する試
料型3は、通常、数mmの鉄板等の金属材料や耐熱性セ
ラミック材料で形成し、更には、サンプリング後に試料
型から、中に充填された溶融金属サンプルを容易に取り
出すことができるように、2以上の分割体、例えば、2
個の左右対称な鉄製の半割体を組み合わせて構成したも
のを使用することが好ましい。しかし、所期の目的を達
成し得るものであればこれに限定されず、例えば、試料
型の周囲をセラミック等の材料で形成し、且つ両側面を
鉄板等の金属で形成した複合材料からなる3個の分割体
で構成したり、得られる溶融金属サンプルの表面を平滑
にするために中空部分の内面を平滑に形成したもの等、
いずれのものでもよい。
【0034】上記のような試料型は、更に、溶融金属を
試料型内部へと導入し得る試料導入口10’とそれに続
く試料導入部10、更に溶融金属が中空部分に浸入して
きた際に中空部分3’内のガスが外へ抜けるためのガス
抜き用小孔12を、壁面に少なくとも1つ有していれば
よい。ガス抜き用小孔12を設ける位置としては、溶融
金属の導入に伴って中空部分内のガスが円滑に排気され
ればいずれの位置に設けてもよい。例えば、試料導入口
10’とは反対側の試料型の最頂部に少なくとも1つ設
けることが好ましい。特に、試料型を2個の半割体で構
成し、小型容器の上部に開口部を設けた試料型が小型容
器内において逆さに配置された状態でサンプリングが行
なわれる場合には、図1に示したように、試料導入口1
0’とは反対側の試料型の最頂部に少なくとも2つ(B
−B’断面図参照)設け、更に、試料導入口10’と試
料型の最頂部との中間の試料型の側壁に2つ設けること
が好ましい。このようにすれば、小型容器の上部方向か
ら溶融金属を導入する場合においても、中空部分への溶
融金属の充填が、充填されない部分が生じることなく良
好な状態でなされる。しかし、これに限定されることな
く、ガス抜き用小孔12は、試料型3の中空部分3’の
形状等との兼ね合いにおいて、所期の目的を達成し得る
ように、最適な位置及び形状等で適宜に形成すればよ
い。
【0035】又、この場合に、ガス抜き用小孔12の近
傍で生じるバリの発生によって試料型を構成する分割体
が割れにくくなって、試料型内に形成された溶融金属サ
ンプルが取り出しにくくなることを生じる恐れがある。
本発明者らの検討によれば、試料型に設けたガス抜き用
小孔12に通気性を有する耐熱性部材を充填することに
よって、この現象を容易に防止することができることが
わかった。更に、ガス抜き用小孔12に通気性を有する
耐熱性部材を充填することによって、溶融金属の充填状
態が非常に良好になり、充填不良が生じることを有効に
防止でき、歩留りの向上に寄与し得ることがわかった。
この際に使用する耐熱性部材は、石英ガラス繊維、セラ
ミック繊維、ロックウール、セラミックスポンジ等で形
成することが好ましい。特に、自動サンプリングシステ
ムに適用した場合には、試料型を落下させることによっ
て、小型容器内から試料型を取り出すと同時に、試料型
を構成する分割体が割れて、中から溶融金属サンプルが
出てくるように構成することが好ましいが、上記のよう
な耐熱性部材をガス抜き用小孔12に充填することによ
って達成される。
【0036】本発明の溶融金属の試料採取装置におい
て、上記したような形態を有する試料型3を先に説明し
た小型容器2内に収納して溶融金属を採取する際には、
試料導入部10の内部に、石英管7を内挿し、且つ該石
英管7の一方の先端部を、金属又は耐熱性セラミック材
料で形成されている試料導入部10よりも長くし、図1
及び図2に示したように、試料型3を小型容器2内に収
納した場合に、石英管7の先端が試料導入口10’の先
端から突き出た状態として溶融金属内に入る長さとする
ことが好ましい。
【0037】このような態様としておけば、本発明の溶
融金属の試料採取装置の小型容器を溶融金属浴に浸漬し
た場合に、金属又は耐熱性セラミック材料で形成されて
いる試料導入口10’が溶解することが有効に防止され
る。更に、溶融金属内に置かれる石英管7の先端に、石
英管7の孔を封じるための金属製の蓋5を設けておけ
ば、溶融金属浴内に試料型3を収納した小型容器2を浸
漬した場合に、直ちに試料型3の中空部分に溶融金属が
浸入してくることがないので、溶融金属浴の上部にある
スラグ部分がサンプル内に混入することを防止できる。
上記蓋5を構成する材料及び厚さを適宜に制御すれば、
溶融金属浴の上部のスラグ部分を通過し、所望するサン
プリング位置に達した時点で石英管7の先端にある金属
製の蓋5が溶けて、該石英管7を通じて試料型3の中空
部分3’へ溶融金属が浸入し、サンプリングが行われる
ように構成することが可能となる。この結果、分析精度
や正確さの向上が図れる。この際、石英管7が適宜な位
置に設置されるように、試料型内部にストッパーを設け
ておくことも好ましい態様である。
【0038】金属製の蓋5の形成材料としては、速やか
に溶解されるように、例えば、0.1〜0.15mmの
厚みの薄い鋼板で形成することが好ましい。更に、金属
製の蓋5が溶解後、直ちに溶融金属が試料型内に導入さ
れ始めるので、蓋5の形成材料としては、採取される溶
融金属サンプルへのコンタミの原因となる恐れのない材
料を使用することが好ましい。例えば、溶融金属が極低
炭素鋼板用のものである場合に、炭素含有量の高い冷延
鋼板からなる蓋を用いると、炭素の分析値に影響を生じ
ていては、製品管理等に支障をきたすことがある。従っ
て、この場合には、例えば、炭素含有量が10〜15p
pm以下の0.1〜0.15mmの厚みの冷延鋼板によ
って蓋5を形成することが好ましい。
【0039】更に、図1及び図2に示したように、上記
の金属製の蓋5を覆う位置に、試料導入口10’の保護
とスラグの混入防止、更には、試料導入口10’を小型
容器の底部に設けた場合には、これに加えてスラグ層の
破壊を目的として、覆い6を設けることが好ましい。こ
のようにすれば、覆い6によってスラグの影響をなくな
るまで試料導入口10’を保護し、その時点で覆い6を
溶解させ、その後、速やかに蓋5が溶解されて溶融金属
の導入が開始されるので、より的確に所望の位置での溶
融金属サンプル採取が可能となる。この場合の覆い6の
形成材料としては、試料導入口10’の保護を目的とす
るため、ある程度の強度に耐えられる厚さを有し、且つ
所望のサンプリング位置で溶解できるような厚みの鋼板
等を用いることが好ましい。更に、スラグ層の破壊をも
目的とする場合には、より強度の強い材料で形成するこ
とが好ましい。覆い6の形成材料の場合は、覆い6が溶
解した後、蓋5が溶解して溶融金属の導入が開始するの
で、上記した蓋5の場合のように、溶融金属サンプルへ
のコンタミの原因とはなりにくい。従って、覆い6の形
成材料の成分については、蓋5の場合ほどには問題とな
らない。尚、本発明の溶融金属の試料採取装置を形成す
る場合に、前記したようにモルタル液中に装置をドブ付
けし、その耐熱性を向上させることを行なう場合には、
上記のようにして構成した覆い6がモルタルによって耐
熱処理されないように、モルタル付着防止処理をした後
に行なうことが好ましい。覆い6は、所望のサンプリン
グ位置で速やかに溶解されることを要するためである。
【0040】次に、上記のような構成を有する本発明の
溶融金属の試料採取装置を自動サンプリングシステムに
適用した場合について、図3を参照しながら説明する。
先ず、図3(A)に示したように、本発明の溶融金属の
試料採取装置の支持棒を自動試料採取装置のロボットの
手に取り付け、該ロボットの手を下げていくことによっ
て溶融金属浴中に試料型が収納されている小型容器を浸
漬させる。次に、溶融金属浴中の所望のサンプリング位
置で一定時間保持することで、小型容器内に収納されて
いる試料型の中空部分に、小型容器の蓋部に露出してい
る試料導入口から溶融金属を導入させる。その後、図3
(B)に示したように、ロボットの手を上昇させて、中
空部分に溶融金属が充填された試料型が収納されている
小型容器を引き上げる。
【0041】次に、ロボットの手を移動して、小型容器
を冷却水中に浸漬させて試料型を、ある程度冷却させる
(図3(C)参照)。冷却後、小型容器を冷却水中から
引き上げ、その後、図3(E)に示したように小型容器
の向きを反転させる。更に、反転した状態で試料採取装
置に軽い衝撃等のショックを与えると(図3(F)参
照)と、小型容器の蓋部が外れ、これに伴って該蓋部に
嵌め込まれていた試料型の試料導入部が抜けて試料型が
落下し、小型容器内から試料型が容易に取り出される
(図3(G)参照)。この場合に、試料型を分割体で形
成しておけば、通常、試料型が割れて内部から固化した
金属サンプルが出てくる。次に、このようにして取り出
されたサンプルは、搬送ベルト或いは気送管等の手段に
よって各種試験機及び分析装置の所へ搬送され、自動的
に試験や分析等に供される。従って、以上のように構成
すれば、人手を要することなく、溶融金属のサンプリン
グが行なえると共に、溶融金属が完全に冷却しない状態
でも、試料調製を行なって各種の測定が行なえるため、
迅速な測定や分析が可能となる。このことは、溶融金属
サンプルのサンプリング工程の効率化が達成されるだけ
でなく、浴中の金属が溶融状態にあるうちに各種測定結
果が得られ、その値を製造条件等の管理システムにフィ
ードバックできることを意味しており、この結果、製品
の質や製造工程の効率化を従来にも増して向上させるこ
とが実現でき、その効果は絶大である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
装置の組み立ての煩雑さ、スラグの影響を受けることな
く、溶融金属浴の一定の位置で一定の条件下、確実に安
定して良好な状態の溶融金属サンプルが採取可能な溶融
金属の試料採取装置、溶融金属の試料採取装置用部材及
びこれらを用いる試料採取方法が提供される。更に、本
発明によれば、自動サンプリングシステムに好適に利用
できる、溶融金属サンプルの採取の効率化を達成し得る
溶融金属の試料採取装置、溶融金属の試料採取装置用部
材及びこれらを用いる試料採取方法が提供される。更
に、本発明によれば、自動サンプリングシステムに適用
することによって、物性値や分析値の正確さや精度を維
持しつつ迅速に試験及び分析することが可能な溶融金属
サンプルが得られる溶融金属の試料採取装置、溶融金属
の試料採取装置用部材及びこれらを用いる試料採取方法
が提供されるので、金属が未だ浴中で溶融状態にあるう
ちに、得られた分析値や物性値を速やかに製造工程にフ
ィードバックすることが可能になり、これらの値を製造
条件に反映させることができる結果、例えば、製鋼工程
において優れたプロセス管理や製品管理が実現され、優
れた品質の鉄鋼製品を経済的に且つ安定して製造するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融金属の試料採取装置の一例の断面
図である。
【図2】本発明の溶融金属の試料採取装置の各部材を説
明する断面図である。
【図3】本発明の溶融金属の試料採取装置を自動サンプ
リングシステムに適用した場合のサンプリング手順を説
明する概念図である。
【図4】本発明の溶融金属の試料採取装置によって採取
されるサンプルの形状の一例を示す斜視図である。
【図5】従来の溶融金属の試料採取装置を説明する断面
図である。
【符号の説明】
1:支持棒 2:小型容器 3:試料型 4:小型容器の蓋部 5:石英管の蓋 6:覆い 7:石英管 8:紙管 9:流通路 10:試料導入部 10’:試料導入口 11:貫通孔 12:ガス抜き用小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志村 眞明 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4−13−7 電子理化工業株式会社内 (72)発明者 風間 勇 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4−13−7 電子理化工業株式会社内 Fターム(参考) 2G055 AA03 AA22 BA01 BA02 CA22 CA24 CA27 DA03 DA13 DA15 DA17 DA25 DA32 DA37 DA38 EA05 FA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その側壁に容器内のガスを外部へ排気す
    るための貫通孔が設けられている上下いずれか一方に開
    口部を有する小型容器と、該容器を支え且つ上記ガスを
    排気するための流通路を有する支持棒と、上記小型容器
    の開口部に嵌合させる蓋部と、小型容器に収納される試
    料型とを有する溶融金属の試料採取装置において、試料
    型が、任意の形状に溶融金属を充填するための中空部分
    と、該中空部分へと溶融金属を導くための試料導入口及
    びこれに続く試料導入部と、その壁面に中空部分から排
    気されるガスを抜くためのガス抜き用小孔とを少なくと
    も有し、且つ、試料型の試料導入口が小型容器の蓋部の
    外表面に露出するように設けられていることを特徴とす
    る溶融金属の試料採取装置。
  2. 【請求項2】 試料型の試料導入部が、金属製又はセラ
    ミック製の小型容器の蓋部に試料型の試料導入口が該蓋
    部の外表面に露出した状態で嵌め込まれて、試料型が小
    型容器内に着脱自在に収納できるように構成されている
    請求項1に記載の溶融金属の試料採取装置。
  3. 【請求項3】 小型容器の底部形状が、テーパーを有し
    先端部分が細くなっている請求項1又は請求項2に記載
    の溶融金属の試料採取装置。
  4. 【請求項4】 試料型の中空部分が2個以上の分割体で
    形成され、且つ該分割体により形成される溶融金属の導
    入路以外の中空部分の形状が、少なくとも厚みが上下で
    異なるロリポップ型、円板状のディスク型、或いは円筒
    型のいずれかである請求項1〜請求項3のいずれか1項
    に記載の溶融金属の試料採取装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載の溶融金属の試料採取装置を構成する溶融金属の試料
    採取装置用部材であって、一方の先端が試料型の試料導
    入口から突き出た状態で試料導入部に内挿されている石
    英管と、該先端部に嵌合させる石英管の孔を封じるため
    の金属製の蓋を有し、更に、試料導入部の外周と金属製
    又はセラミック製の小型容器の蓋部との間に紙管が設け
    られて、該紙管を介して試料型の試料導入部が小型容器
    の蓋部に密着して嵌め込まれて試料型と小型容器の蓋部
    が一体化されていることを特徴とする溶融金属の試料採
    取装置用部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載の溶融金属の試料採取装置の小型容器部分を溶融金属
    浴中に浸漬して、小型容器の蓋部の外表面に露出してい
    る試料型の試料導入口から試料導入部を介して中空部分
    に溶融金属を導入させて該中空部分を溶融金属で満たし
    た後、溶融金属浴から小型容器を引き上げて冷却後、小
    型容器を逆転させて溶融金属が充填された試料型を小型
    容器の蓋部と共に落下させて試料型を小型容器内から取
    り出すことを特徴とする溶融金属の試料採取方法。
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