JP2000220943A - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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JP2000220943A
JP2000220943A JP2184899A JP2184899A JP2000220943A JP 2000220943 A JP2000220943 A JP 2000220943A JP 2184899 A JP2184899 A JP 2184899A JP 2184899 A JP2184899 A JP 2184899A JP 2000220943 A JP2000220943 A JP 2000220943A
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refrigerator
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Yoshinori Ohashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上部に冷蔵室、下部に冷凍室を設けたものに
おいて、冷却効率、内容積効率、照明効率が高く、貯蔵
品質や使い勝手に優れた冷蔵庫を提供する。 【解決手段】 室内の天部及び上方後部に略L字状に設
けた第1の冷却室74に第1の蒸発器45、第1の送風
機46を設置して冷蔵室37を冷却し、冷凍室38は第
2の蒸発器61、第2の送風機62で冷却して冷却効率
を高めると同時に簡素な風路で内容積効率を高める。ま
た、第2の蒸発器61が小型化でき断熱区画壁36の位
置が下げられ使用頻度の高い収納範囲の使い勝手が向上
する。また、冷蔵室37は蒸発温度の高い第1の蒸発器
45による冷却で食品の乾燥が抑制され、第1の冷却室
74の前面からの冷気吐出で室内前後の温度むらが解消
し貯蔵品質が高まる。また、第1の冷却室74に設けた
略L字状照明室50の折曲部に備えた一対の照明装置7
5で冷蔵室37内が立体的に見やすく照明される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上部に冷蔵室、下
部に冷凍室を設けた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の冷蔵庫は、収納する食品に応じた
複数の温度に管理された貯蔵室を設けている。従来は、
上部に冷凍室、中央に冷蔵室、下部に野菜室を配置した
ものが主流であったが、最近では使い易さを重視して、
上部に冷蔵室、中央、下部に冷凍室または野菜室を配置
した冷蔵庫が提案されて主流になっている。このうち従
来の一例として、特開平5−71850号公報に開示さ
れているものがある。
【0003】以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵
庫を説明する。
【0004】図10は従来の冷蔵庫の断面図であり、図
11は従来の冷蔵庫の冷凍サイクル図である。
【0005】図10において、1は冷蔵庫本体、2は前
記本体1の上部に設けた冷蔵室、3は下部に設けた冷凍
室であり、4は前記冷蔵室2の前面開口部に開閉自在に
取り付けた扉、5は前記冷凍室3の前面開口部に開閉自
在に取り付けた扉、6は前記冷蔵室2と冷凍室3を区画
形成する断熱区画壁である。7は前記冷凍室3の後部に
設けられた冷却室で、内部に冷凍サイクルの蒸発器8及
び強制循環用の送風機9を備えている。
【0006】10は前記冷蔵室2内の下部に設けた野菜
室、11は主として肉、魚介類等の生鮮食品を貯蔵する
低温室である。12は前記野菜室10及び低温室11の
後方に設けた風路制御盤であり、内部に、前記冷蔵室2
への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例えば4
℃)に維持させるダンパー装置13と、前記低温室11
への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例えば0
℃)に維持させるダンパー装置14を備えている。
【0007】15は前記冷却室7から冷凍室3への冷気
吐出口、16は前記冷凍室3から冷却室7への冷気吸入
口である。17は背面板18で覆われて前記冷蔵室2の
後部に設けられ、前記冷却室7から前記ダンパー装置1
3を介して前記冷蔵室2へ連通する冷気吐出風路、19
は前記冷気吐出風路17より前記冷蔵室2内に開口する
冷気吐出口である。20は前記冷却室7から前記ダンパ
ー装置14を介して前記低温室11に連通する冷気吐出
風路、21は前記冷気吐出風路20より前記低温室11
に開口する冷気吐出口である。また、22は前記冷蔵室
2より前記冷却室7に連通する冷気吸入風路である。2
3は前記冷蔵室2内に開口した前記冷気吸入風路22の
冷気吸入口であり、前記野菜室10の後部に設けられ前
記冷蔵室2、野菜室10及び低温室11内を冷却した冷
気を吸入するよう構成されている。
【0008】24、25、26はそれぞれ前記冷蔵室
2、冷凍室3、低温室11内の温度を検出して温度制御
装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温に維持させ
る温度検出器である。27は前記冷蔵室2の背面板18
の裏面空間に前記冷気吐出風路17とは断熱区画された
空間に設けられた照明装置であり、前記冷蔵室の扉4の
開放時に連動して点灯されるよう構成されている。ま
た、28は前記冷蔵庫本体1の下部後方に区画形成した
機械室であり、29は前記機械室28内に設けた冷凍サ
イクルの圧縮機、30は凝縮器である。
【0009】また、図11において31は毛細管などの
減圧器であり、前記圧縮機29、凝縮器30、蒸発器8
とともに環状に接続されて閉ループの冷凍サイクルを構
成している。
【0010】以上のように構成された冷蔵庫について、
次にその作用を説明する。
【0011】圧縮機29によって高圧に圧縮された冷媒
は凝縮器30で放熱されて液冷媒となり、減圧器31を
通過する間に減圧されて蒸発器8内で冷却室7内の熱を
吸収して膨張気化する。気化した冷媒は圧縮機29に帰
還し、この作用を繰り返して冷蔵庫庫内の冷却が行われ
る。
【0012】すなわち、蒸発器8の吸熱作用で周囲の空
気が冷却されて生じた冷気は、送風機9によって、一部
は冷気吐出口15より冷凍室3内に送り込まれ、室内を
冷却した後冷気吸入口16より冷却室7に戻される。温
度検出器24の温度が設定値に低下するまで圧縮機2
9、送風機9の運転が続けられ、その後設定値に上昇す
るまで双方ともに停止し、この作用を断続的に繰り返し
て室内が所定値(例えば−18℃)に冷却維持される。
【0013】また、一部の冷気は冷気吐出風路17を通
じて冷気吐出口19より冷蔵室2内に送り込まれ、室内
を冷却した後冷気吸入口23より冷気吸入風路22を通
じて冷却室7に戻される。この時、温度検出器24の温
度が設定値に低下するまでダンパー装置13が開放さ
れ、その後設定値に上昇するまで閉鎖され、この作用を
断続的に繰り返して室内が所定値(例えば4℃)に冷却
維持される。併せて、野菜室10は外周からの間接冷却
で室内の乾燥を防止しながら所定値(例えば6℃)に冷
却維持される。
【0014】一方、さらに一部の冷気は冷気吐出風路2
0を通じて冷気吐出口21より低温室11内に送り込ま
れ、室内を冷却した後冷気吸入口23より冷気吸入風路
22に合流して冷却室7に戻される。この時、温度検出
器26の温度が設定値に低下するまでダンパー装置14
が開放され、その後設定値に上昇するまで閉鎖され、こ
の作用を断続的に繰り返して室内が所定値(例えば0
℃)に冷却維持される。
【0015】また、冷蔵室の扉4が開放されると、照明
装置27が点灯され冷蔵室2内を後部より照明する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、一つの蒸発器8と送風機9ですべての室を
冷却するために、特に冷却負荷の大きい冷蔵室2と冷却
室7を連通する冷気吐出風路15及び冷気吸入風路19
が長大化し、風路抵抗の増加や熱損失などによって冷却
効率が低下するという問題点があった。さらに、冷気吐
出風路15は冷蔵室2内との温度差が大きいために相当
の断熱構造が必要なことも含めて、風路に費やす容積が
増加して食品を収納する有効な内容積が小さくなるとい
う問題点もあった。
【0017】また、一つの蒸発器8で冷却能力を確保す
るために蒸発器8の寸法を高さ方向に大きくする必要が
あり、その結果冷蔵室2と冷凍室3間の断熱区画壁6の
位置が高くなって冷蔵室2内の使いやすい高さの収納範
囲(中央部及び下部)が圧縮され、使い勝手が悪くなる
という問題点があった。
【0018】また、一つの蒸発器8で貯蔵温度の異なる
複数の室を冷却するため蒸発器8の蒸発温度の設計を最
も温度の低い冷凍室3に合わせ低温化する必要があり
(例えば−30℃)、冷凍サイクルの効率(冷凍能力/
入力)が低下して電力消費が増大するという問題点があ
った。
【0019】また、冷凍室3よりも貯蔵温度の高い冷蔵
室2、野菜室10、低温室11に対しては必要以上に低
温の冷気が供給されることになって貯蔵食品の乾燥を促
進したり、冷気吐出口16、18の近傍に部分的な過冷
却を発生させたりして収納食品の貯蔵品質を低下させる
という問題点があった。
【0020】また、冷蔵室2内前部は扉4の開閉や扉4
の周囲の吸熱などによる熱影響で貯蔵温度がもともと高
くなりやすいが、冷気吐出風路15が冷蔵室2内の後部
に設けられているため冷気吐出口16からの吐出冷気が
前部に届きにくく、冷蔵室2内の温度むらがさらに拡大
して室内前部は温度が高く室内後部は温度が低くなり、
収納食品の貯蔵品質が安定化しないという問題点もあっ
た。
【0021】また、照明装置27が冷蔵室2内の背面に
設けられているため、室内後方からの照明のみで照度む
らが生じ、特に食品の収納量が多いときなどには前方を
遮られて照明が室内に行き届かない場合があるという不
都合もあった。
【0022】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、その第1の目的は、上部に冷蔵室、下部に冷凍室
を設けたものにおいて、適切な冷凍サイクル構成と簡素
な風路構成で冷却効率の高い省電力型の冷蔵庫を提供す
ることである。
【0023】また、本発明の第2の目的は、簡素な風路
構成で内容積を有効に確保することである。
【0024】また、本発明の第3の目的は、使用者の手
が届きやすく、使用頻度が高い収納範囲の使い勝手を改
善し、また利便性を向上させることである。
【0025】また、本発明の第4の目的は、収納食品の
温度上昇、温度むら、乾燥などを抑えて貯蔵品質を高め
ることである。
【0026】また、本発明の第5の目的は、冷蔵室内に
効率のよい照明装置を備えた冷蔵庫を提供することであ
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の冷蔵庫は断熱区画壁によって、本体上部に
冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の上
方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室内に垂直
方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた第
1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面に
冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方にあ
って冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機械
室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂直
方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた第
2の送風機よりなるものである。
【0028】これにより、適切な冷凍サイクル構成と簡
素な風路構成で冷却効率の高い省電力型の冷蔵庫や内容
積効率の高い冷蔵庫を提供することができる。また、使
用頻度の高い収納範囲の使い勝手を改善し、利便性を向
上させることができる。また、収納食品の温度上昇、温
度むら、乾燥を抑えて貯蔵品質を高めることができる。
【0029】また、本発明の冷蔵庫は、第1の冷却室の
両側部に設けられ第1の蒸発器、冷気吐出風路とは区画
して形成された透光板に覆われた略L字状の照明室と、
この照明室内に設けた少なくとも一対の照明装置とより
なるものである。
【0030】これにより、冷蔵室内の照明のむらが少な
くなり、食品の収納状態に関わらず室内が見やすく照明
される。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、断熱区画壁によって、本体上部に複数の棚を備えた
冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の上
方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室内に垂直
方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた第
1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面に
冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方にあ
って冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機械
室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂直
方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた第
2の送風機よりなるものであり、冷蔵室は第1の蒸発器
及び第1の送風機、冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送
風機でそれぞれの貯蔵温度に見合って冷却されて冷凍サ
イクルの効率が高まり、さらに冷却風路もそれぞれの室
内で簡素化されて冷却効率が高まって電力消費が低減す
る。
【0032】また、風路が簡素化されて有効な内容積が
拡大する。また、冷凍室後部の第2の蒸発器が小型化で
きて断熱区画壁の位置が下げられ、従来使い勝手の悪か
った冷蔵室上方後部及び天部に冷気吐出風路と第1の蒸
発器を収納したため、使用者の手の届きやすい使用頻度
の高い収納範囲の使い勝手が改善される。
【0033】また、冷蔵室は室内温度に合わせて専用の
蒸発器で蒸発温度を高くできる分蒸気圧差が縮小され、
収納食品の乾燥も抑制される。さらに、冷蔵室温度に見
合った冷気温度で、冷蔵室の上部前面より冷気が吐出さ
れるため室内前部の温度上昇、室内後部の過冷却も抑制
されて貯蔵品質が安定する。また、冷凍室も専用の蒸発
器で冷蔵室とは独立して冷却されるため冷蔵室の影響を
直接受けず温度上昇の少ない安定した貯蔵品質が得られ
る。
【0034】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明にさらに、第1の冷却室の両側部に設けられ第1
の蒸発器、冷気吐出風路とは区画して形成された透光板
に覆われた略L字状の照明室と、この照明室内に設けた
少なくとも一対の照明装置とよりなるものであり、冷蔵
室内の天部及び上方後部より室内に効率よく光が照射さ
れて照度むらが少なくなり、食品の収納状態に関わらず
室内が見やすく照明される。
【0035】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、一対の照明装置を略L字状の照明室の
折曲部近傍に備えたものであり、照明装置が一対でも光
がL字状の透光板に行きわたり合理的に照明が行われ
る。
【0036】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、第1の冷
却室の下端面を棚と略同一面になるよう配置したもので
あり、棚の奧部に無効スペースを作らず、外観上の見栄
えも害さない。
【0037】請求項5に記載の発明は、請求項1から請
求項4のいずれか一項に記載の発明にさらに、第1の冷
却室の下端面より段差部を形成し、冷蔵室背面に沿って
下方に延出する冷気吸入風路を設けたものであり、冷気
吐出風路からの吐出冷気を、室内を有効に冷却した後に
回収する。
【0038】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、棚で上下に区画された収納区画に対応
して冷気吸入風路に冷気吸入口を設けたものであり、冷
気吐出風路からの吐出冷気を、各収納区画内を有効に冷
却した後に回収する。
【0039】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明にさらに、野菜、果物等を収納する野菜室を設け
て、第1の蒸発器および第1の送風機で冷却するよう構
成したものであり、冷蔵室より設定温度が高い分、蒸発
温度の高い第1の蒸発器によっても安定した冷却能力が
確保でき、蒸発温度が高い分蒸気圧差が縮小され乾燥も
抑制される。
【0040】請求項8に記載の発明は、請求項1または
7に記載の発明において、冷蔵室内の少なくとも本体側
収納部の温度設定を0〜3℃の低温度帯としたものであ
り、温度依存性の高い魚、肉、野菜などの生鮮食品の貯
蔵が特別な冷却風路構成やダンパー装置などの温度制御
装置を用いずに冷蔵室内で行える。
【0041】請求項9に記載の発明は、請求項1または
7に記載の発明にさらに、生鮮食品等を収納する低温室
と、第2の蒸発器から第2の送風機で送られた冷気を調
節するダンパー装置を設けて、前記ダンパー装置で前記
低温室を温度制御するよう構成したものであり、冷凍室
冷却用の第2の蒸発器で蒸発温度の低い冷気が供給され
て低温室の冷却能力が安定し、蒸発温度の高い第1の蒸
発器に低温室の冷却を依存しないことにより冷蔵室の過
冷却が防止される。
【0042】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の発明において、冷蔵室と冷凍室間に、上下は断熱区
画壁、奥部はダンパー装置を備えた風路制御盤、前部は
独立した断熱扉でそれぞれ区画形成された低温室を設け
たものであり、使い易い高さで独立して食品の出し入れ
ができて使い勝手がよく、周囲を断熱材で囲まれて貯蔵
温度の安定性が高まる。さらに、風路制御盤を使いにく
い奥部に納めたことで冷蔵室下部の収納性が高まる。
【0043】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の発明において、低温室をダンパー装置で冷蔵温度
帯から冷凍温度帯まで温度切換可能な温度切換室とした
ものであり、使用者の食生活に合わせて食品貯蔵の自由
度が高まり、冷凍室冷却用の第2の蒸発器で冷却するた
め温度切換を無理なく行う能力が得られる。
【0044】請求項12に記載の発明は、請求項1また
は7または8に記載の発明において、第1の蒸発器に冷
媒が循環しない時にも、第1の送風機を運転するよう構
成したものであり、冷媒循環時に第1の蒸発器についた
霜を冷蔵室内の空気で融解し、室内へ還元することによ
って冷蔵室内の湿度が高められる。
【0045】請求項13に記載の発明は、請求項1また
は12に記載の発明において、圧縮機、凝縮器、第1の
減圧器、切換弁、第1の蒸発器、第2の蒸発器を環状に
接続した第1の冷媒回路と、前記冷媒回路の前記切換弁
と前記第1の減圧器の間より第2の減圧器を介して前記
第2の蒸発器にバイパスし、圧縮機、凝縮器、第1の減
圧器、切換弁、第2の減圧器、第2の蒸発器を環状に接
続した第2の冷媒回路を構成した冷凍サイクルを備えた
ものであり、冷蔵室と冷凍室の冷却回路の切り換えを切
換弁一つで簡便に行え、第1、第2の減圧器の減圧量設
定により第1の蒸発器の蒸発温度を高めて冷蔵室の吐出
冷気温度と設定室温との差を縮められる。
【0046】
【実施例】以下、本発明による冷蔵庫の実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0047】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
よる冷蔵庫の斜視図、図2は同実施例による冷蔵庫の断
面図、図3は同実施例による冷蔵庫の冷凍サイクル図で
ある。
【0048】図1、図2において、32は冷蔵庫本体で
あり、鋼板製の外箱33、樹脂製の内箱34と前記外箱
33、内箱34間に充填された断熱材35により構成さ
れている。36は前記冷蔵庫本体32内を上下に区画す
る断熱区画壁であり、上部に冷蔵室37、下部に冷凍室
38を区画形成している。39は前記冷蔵室37の開口
面に開閉自在に取付けられた回転式の扉であり、その室
内側に本体側収納部40に対向して扉収納部41が設け
られている。42は前記冷凍室38内の開口面に開閉自
在に取付けられた引き出し式の扉であり、室内側の収納
容器43を一体に引き出せるよう構成されている。
【0049】44は前記冷蔵室37内の天部から上方後
部にかけて水平部と垂直部で略L字状に形成された第1
の冷却室であり、垂直部に設けた第1の蒸発器45と前
記第1の蒸発器45の上方に設けた第1の送風機46、
前記第1の蒸発器45の下方形成した冷気吸入口47
と、水平部に設けられ前面に冷気吐出口48を形成した
冷気吐出風路49より構成されている。また、50は前
記第1の冷却室44の両側部に隔壁51に隔てられて水
平部と垂直部で略L字状に形成された照明室であり、水
平部と垂直部にそれぞれ左右一対の照明装置52、53
が設けられている。54は前記照明室50の前面を覆い
照明装置52、53の光を透過させる略L字状の透光板
である。
【0050】また、55は冷蔵室37内の本体側収納部
40に適当な間隔をおいて設けられ複数の収納区画56
を形成する棚であり、前記第1の冷却室44の下端面は
前記棚55の一つと略同一面になるよう設置されてい
る。
【0051】57は冷蔵室37内の本体側収納部40の
下部に設けた野菜室であり、室内を高湿に維持するため
の透湿膜などの調湿手段58を備えている。59は前記
野菜室56の上部に設けた貯蔵室である。
【0052】60は前記冷凍室38の後部に垂直方向に
設けられた第2の冷却室であり、内部に第2の蒸発器6
1と前記第2の蒸発器61の上方に設けた第2の送風機
62により構成されている。
【0053】63、64は前記冷蔵室37、冷凍室38
内の温度を検出して温度制御装置(図示せず)を通じて
各室の温度を適温に維持させる温度検出器である。ま
た、65は前記冷蔵庫本体32の下部後方に区画形成し
た機械室であり、66は前記機械室65内に設けた冷凍
サイクルの圧縮機、67は凝縮器である。
【0054】また、図3において68は毛細管などの第
1の減圧器、69は前記第1の減圧器68の下流に設け
られて冷媒流路を切り換える切換弁、70は前記切換弁
69から分岐された下流に設けられた第2の減圧器であ
る。そして、前記圧縮機66、凝縮器67、第1の減圧
器68、切換弁69、第1の蒸発器45、第2の蒸発器
61の順に環状に接続されて閉ループの第1の冷媒回路
71が構成されている。また、前記切換弁69の切り換
え作用により前記第2の減圧器70を介して前記第2の
蒸発器61にバイパスされ、圧縮機66、凝縮器67、
第1の減圧器68、切換弁69、第2の減圧器70、第
2の蒸発器61の順に環状に接続される閉ループの第2
の冷媒回路72が構成されている。
【0055】以上のように構成された冷蔵庫について、
次にその作用について説明する。
【0056】冷凍室38の温度検出器64が設定値より
高ければ、圧縮機66が運転され、圧縮機66によって
高圧に圧縮された冷媒は凝縮器67で放熱されて液冷媒
となり、第1の減圧器68を通過する間に減圧されて切
換弁69に達する。このときまず、冷蔵室37内の温度
検出器63が設定値より高い温度を検出していれば切換
弁69は第1の冷媒回路71側に切り換えられており冷
媒は圧縮機66、凝縮器67、第1の減圧器68、切換
弁69、第1の蒸発器45、第2の蒸発器61と循環
し、第1の蒸発器45で第1の冷却室44内の熱を吸収
して一部が膨張気化し、続いて第2の蒸発器で第2の冷
却室内の熱を吸収して膨張気化する。気化した冷媒は圧
縮機66に帰還し、この作用を繰り返して冷蔵室37及
び冷凍室38内の冷却が行われる。
【0057】すなわち、第1の蒸発器45の吸熱作用で
周囲の空気が冷却されて生じた冷気は、第1の送風機4
6の強制通風作用によって第1の冷却室44内の冷気吐
出風路49を通過して前面の冷気吐出口48より冷蔵室
37の上部前面に吐出される。吐出された冷気は本体側
収納部40の各収納区画56や野菜室57、貯蔵室59
および扉収納部41を冷却した後、第1の冷却室44の
下端に設けた冷気吸入口47より第1の冷却室44内に
戻される。
【0058】そして、温度検出器63の温度が設定値に
低下するまで第1の送風機46の運転が続けられ、その
後設定値に上昇するまで停止し、この作用を断続的に繰
り返して冷蔵室37の室内が所定値(例えば4℃)に冷
却維持される。
【0059】このように、冷蔵室37内の冷却を、従来
のように冷凍室内に設けた一つの蒸発器から長大な風路
を介してまたダンパー装置を通過させて行なわず、冷蔵
室上方後部及び天部に設けた略L字状の第1の冷却室4
4内に専用の第1の蒸発器45と冷気吐出風路49を組
み込んで冷却するため、風路が簡素化されて有効な内容
積が拡大する。また、従来使い勝手の悪かった冷蔵室上
方後部及び天部に第1の冷却室44を設けたため実質的
な内容積への影響はさらに軽減され、使用者の手の届き
やすい使用頻度の高い収納範囲の使い勝手が改善され
る。
【0060】さらに、第1の冷却室44の下端面は棚5
5と略同一面上になるよう設けられているため、収納区
画56の奧部に中途半端な高さの実質上利用できない無
駄なスペースを作ることもなく、外観上の見栄えもよ
い。
【0061】また、冷蔵室37は専用の第1の蒸発器4
5を設けているため、第1の減圧器68の減圧量を適当
に設定することにより室内温度に合わせて蒸発温度を高
くでき、室内と第1の蒸発器45の蒸気圧差が縮小され
る。そのため、収納食品の乾燥が抑制され貯蔵品質が高
まる。
【0062】また、冷蔵室37の上部前面に設けた冷気
吐出口48より、従来に比べて室内温度近寄った温度の
冷気が吐出されるため室内前部の温度上昇、室内後部の
過冷却が抑制され、従来前部が高く、後部が低いという
室内の温度むらが縮小されて貯蔵品質が安定する。さら
に、冷凍室38とは独立して冷却されるため、第2の蒸
発器61の除霜による温度上昇の影響を受けず貯蔵品質
が高まる。
【0063】また、冷蔵室37内の乾燥が抑制されるこ
とによって、野菜室57、貯蔵室59の周囲の雰囲気も
低湿度にならず室内の乾燥が抑制される。このため、野
菜室57は調湿手段58の調湿作用とも相まって高湿の
条件下で野菜、果物などの貯蔵ができ、貯蔵室59も
肉、魚など乾燥を嫌う生鮮食品の区分管理に利用すると
便利である。
【0064】一方、第2の蒸発器61の吸熱作用で周囲
の空気が冷却されて生じた冷気は、第2の送風機62の
強制通風作用によって第2の冷却室60より冷凍室38
内に吐出される。吐出された冷気は収納容器43内を冷
却した後、第2の冷却室60に戻される。この冷却作用
は温度検出器64が設定値に冷却されるまで行われ、設
定値に到達すると圧縮機66、第2の送風機62も停止
する。そして、温度が設定値まで上昇すると再び圧縮機
66、第2の送風機62が運転され、以後この作用を断
続的に繰り返して冷凍室38の室内が所定値(例えば−
18℃)に冷却維持される。このように冷凍室38も専
用の第2の蒸発器61で冷蔵室37とは独立して冷却さ
れるため、貯蔵温度が高く、収納負荷の多い冷蔵室37
の影響を直接受けず安定した貯蔵品質が得られる。
【0065】また、冷凍室専用の蒸発器とすることで冷
凍室後部の第2の蒸発器が小型化できて冷蔵室37と冷
凍室38間の断熱区画壁36の位置が下げられ、その結
果、冷蔵室37内の使いやすい高さの収納範囲(中央部
及び下部)が拡大して使い勝手が向上する。
【0066】次に、圧縮機66の運転中に冷蔵室38の
温度検出器63が設定値より低くなれば切換弁69は第
2の冷媒回路72側に切り換えられ、冷媒は圧縮機6
6、凝縮器67、第1の減圧器68、切換弁69、第2
の減圧器70、第2の蒸発器61と循環し、第2の蒸発
器61で第2の冷却室60内の熱を吸収して膨張気化す
る。気化した冷媒は圧縮機66に帰還し、この循環作用
を繰り返して第2の蒸発器61のみが冷却作用を発揮す
る。このため第2の送風機62の運転とともに冷凍室3
8のみが単独で冷却され、冷凍室の温度検出器64が設
定値まで低下して圧縮機66、第2の送風機62が停止
するか、冷蔵室の温度検出器63が設定値まで上昇して
第1の冷媒回路71側に切り換えられるまで続けられ
る。
【0067】そして、この作用を断続的に繰り返して冷
凍室38の室内が所定値(例えば−18℃)に冷却維持
される。このように冷凍室38も第2の減圧器70の減
圧量を適当に設定することによって、単独冷却時に第2
の蒸発器61の蒸発温度を低めに設定でき、冷気温度を
下げて冷却能力を高められる。このため、冷凍室38内
の収納食品の温度上昇も抑制できて安定した貯蔵品質が
得られる。
【0068】このように、冷蔵室37は第1の蒸発器4
5及び第1の送風機46、冷凍室38は第2の蒸発器6
1及び第2の送風機62でそれぞれの貯蔵温度に見合っ
た冷気温度で冷却されるため、特に冷蔵室冷却時の蒸発
温度を高くできることによって冷凍サイクルの効率が高
まり、さらに冷却風路もそれぞれの室内で簡素化されて
冷却効率が高まり電力消費を低減させることができる。
【0069】なお、第1の蒸発器45の蒸発温度をさら
に高めるために第1の減圧器68の減圧量を小さく、第
2の減圧器70の減圧量大きくする組み合わせにしても
よく、第1の減圧器68の減圧量を小さくした上で、第
1の蒸発器45と第2の蒸発器61の間にもう一つ減圧
器を追加して第2の蒸発器61の蒸発温度を引き下げて
もよい。冷凍サイクルの効率向上と食品の貯蔵品質向上
の目標度合いに応じて適当な組み合わせと設定を選択す
ればよい。また、切換弁69は第1の冷媒回路71と第
2の冷媒回路72を択一的に切り換える例えば三方弁で
もよく、弁開時は第1の冷媒回路71側に抵抗差でほと
んど流れ、弁閉時は第2の冷媒回路72側にのみ流れる
よう構成して安価な二方弁を利用してもよい。
【0070】また、冷蔵室37内において、扉39の開
放時に合わせて第1の冷却室44の両側部にL字状に設
けた照明室50内の照明装置52,53が点灯される。
このとき、水平部に備えた左右一対の照明装置52は透
光板54を介して冷蔵室37の上部前面より下方に向け
て光を照射する。一方、垂直部に備えた左右一対の照明
装置53は透光板54を介して冷蔵室37の上部奧面よ
り下方に向けて光を照射する。
【0071】このため、冷蔵室内が立体的に照明されて
前面から奧面にかけて照明のむらが少なくなり、従来の
室内奧面からのみの照明のように手前に置かれた収納物
によって照明が遮られてしまうこともない。そして、第
1の冷却室44の構造体を利用してコンパクトに照明を
組み込んでいるためスペースが有効活用でき、L字状の
照明で外観的な見栄えもよく、また製造工程での組立も
簡単に行える。
【0072】(実施例2)図4は、本発明の実施例2に
よる冷蔵庫の斜視図、図5は同実施例による冷蔵庫の断
面図である。
【0073】なお、以後の実施例については、実施例1
と共通する部分については実施例1の説明をもってこれ
を省略し、異なる構成についてのみ新しい符号を付して
説明する。
【0074】図4において、73は冷蔵庫本体であり、
74は冷蔵室37内の上方後部から天部にかけて水平部
と垂直部で略L字状に形成された第1の冷却室であり、
垂直部に設けた第1の蒸発器45と前記第1の蒸発器4
5の上方に設けた第1の送風機46、前記第1の蒸発器
45の下方形成した冷気吸入口47と、水平部に設けら
れ前面に冷気吐出口48を形成した冷気吐出風路49よ
り構成されている。また、50は前記第1の冷却室44
の両側部に隔壁51に隔てられて水平部と垂直部で略L
字状に形成された照明室であり、前記照明室50の折曲
部近傍に左右一対の照明装置75が設けられている。5
4は前記照明室50の前面を覆い照明装置75の光を透
過させる略L字状の透光板である。
【0075】以上のような構成において、冷蔵室の扉3
9の開放時に合わせて第1の冷却室74の両側部にL字
状に設けた照明室50内の照明装置75が点灯される。
このとき照明室50の折曲部近傍に設けた左右一対の照
明装置75は冷蔵室37の上方後部より下方に向けて光
を照射するが、透光板54が照明装置75の設置位置よ
り冷蔵室天面と上部奧面にわたってL字状に設けられて
いるため冷蔵室37の上部前面と上部奧面より立体的に
照明される。
【0076】このため、照明装置が一対のみであっても
冷蔵室内の前面から奧面にかけて照明のむらが少なくな
り、従来の室内奧面からのみの照明のように手前に置か
れた収納物によって照明が遮られてしまうこともなく効
率の高い合理的な照明が可能となる。そして、第1の冷
却室44の構造体を利用してコンパクトに照明を組み込
んでいるためスペースが有効活用でき、L字状の照明で
外観的な見栄えもよく、また製造工程での組立も簡単に
行える。
【0077】(実施例3)図1、図2において、冷蔵室
37の本体側収納部40の温度設定が0〜3℃の低温度
帯になるよう設定されている。
【0078】このような構成において、本体側収納部4
0に収納される食品のすべてが低温貯蔵されて貯蔵性が
高まるほか、貯蔵室59は乾燥が抑制される環境に加え
て低温に維持され肉、魚などの区分貯蔵に一層適合して
貯蔵期間が延長できる。また、野菜室57も低温に維持
されるため大半の野菜、果物は呼吸作用や蒸散作用が抑
制されて長期の貯蔵が可能となる。このように、温度依
存性の高い肉、魚、野菜などの生鮮食品の貯蔵が特別な
冷却風路構成やダンパー装置などの温度制御装置を用い
ずに冷蔵室内で行うことができる。
【0079】なお、冷気吐出口48の風向を扉向きとし
て、扉収納部41も同様の低温帯とすることも可能であ
るが、直接口にする飲料品などの温度を下げすぎない配
慮が必要であれば本体側寄りの風向設定で、もともと温
度分布的に高い扉収納部41と本体側収納部40の温度
区分管理が行える。
【0080】(実施例4)図1、図2、図3において、
冷凍サイクルが第2の冷媒回路72を循環し第1の蒸発
器45に冷媒が流れていないとき、または圧縮機66が
停止して第1の蒸発器45に冷媒が流れていないときに
第1の送風機46が所定時間運転されるよう構成されて
いる。
【0081】このような構成において、冷蔵室37の冷
却中、すなわち第1の蒸発器45に冷媒が流れている間
は冷蔵室37内や冷蔵庫外から空気中の水分が第1の蒸
発器45に霜として着霜し、第1の蒸発器45に冷媒が
流れていないときに第1の送風機46を運転すれば付着
した霜が冷蔵室内の空気によって融解し、空気中に水分
として還元される。そして、この湿り空気を冷蔵室37
内に循環させることによって冷蔵室37内の湿度が高く
保たれる。
【0082】このため、冷蔵室37内や野菜室57、貯
蔵室59内に貯蔵される食品の乾燥が一層抑制され、さ
らなる貯蔵期間の延長や貯蔵品質の向上が可能となる。
【0083】なお、第1の送風機46の運転時間は湿度
の必要度合いや電力消費への影響度を考慮して定めれば
よく、運転時間で規定するのでなく第1の蒸発器45の
温度上昇値で規定するなどの方法をとってもよい。
【0084】(実施例5)図6は、本発明の実施例5に
よる冷蔵庫の斜視図、図7は同実施例による冷蔵庫の断
面図である。
【0085】図6、図7において、76は冷蔵庫本体で
あり、77は冷蔵室37の背面で第1の冷却室74の下
端に段差部を設けて接続した背面板である。前記背面板
77の裏面空間には冷気吸入風路78が上下にわたって
形成されており、その上端は第1の冷却室の冷気吸入口
47に連通し、下端は貯蔵室59および野菜室57の後
部空間に連通している。また、79は収納区画56に対
応して前記背面板77に形成した冷気吸入口である。
【0086】このような構成において、冷蔵室37の上
部前面の冷気吐出口48より吐出された冷気は下部に行
き渡って野菜室57,貯蔵室59を冷却した後冷気吸入
風路78に回収され第1の蒸発器45に戻される。ま
た、各収納区画56を冷却した冷気は奧部の冷気吸入口
79よりそれぞれ吸入されて同じく後冷気吸入風路78
を通って第1の蒸発器45に戻される。
【0087】このため、吐出冷気が冷蔵室37の上部で
第1の冷却室74に回収されてしまうことがなく、冷蔵
室37の下部まで確実に冷却作用を行ってから帰還する
ため冷却効率が高い。また、本体側収納部40の各収納
区画56もまんべんなく冷気が循環するため冷却むらが
生じにくく収納食品の貯蔵品質が安定する。
【0088】さらには、背面板77の裏面空間に形成す
るのが従来のように吐出風路でなく、冷蔵室内温度と近
似した温度の空気が通過する吸入風路であるため背面板
77の裏面に断熱材を必要とせず冷気吸入風路78の厚
みを薄くできる。このため冷蔵室37内の有効スペース
の侵害が少なくて済む。なお、冷気吸入風路は冷蔵室内
温度と近似しているため風路内に照明装置を設けること
も可能であり、冷蔵室中央部付近から下部にかけての照
明を強化したい場合に有効である。
【0089】(実施例6)図8は、本発明の実施例6に
よる冷蔵庫の断面図である。
【0090】図8において、80は冷蔵庫本体であり、
断熱区画壁81によって上部に冷蔵室82、下部に冷凍
室83を区画形成している。前記冷蔵室82内の天部か
ら上方後部にかけては水平部と垂直部で略L字状に形成
された前記第1の冷却室74が設けられている。また、
冷凍室83内の後部には垂直方向に前記第2の冷却室6
0が設けられている。
【0091】84は前記冷蔵室82の底部に設けられ主
として肉、魚介類等の生鮮食品を貯蔵する低温室であ
る。85は前記冷蔵室82内において前記低温室84の
上部に設けた野菜室であり、86は低温室84の後方に
設けた風路制御盤である。そして、前記風路制御盤86
の内部には前記低温室84への冷気供給量を調節して室
内温度を所定値(例えば0℃)に維持させるダンパー装
置87と、前記ダンパー装置87を介在して、前記冷凍
室83の第2の冷却室60内において第2の送風機62
の吐出側に連通する冷気吐出風路88を備えている。ま
た、89は前記低温室84を冷却した冷気を前記第2の
蒸発器61に帰還させる冷気吸入風路である。
【0092】また、90、91、92は前記冷蔵室8
2、冷凍室83、低温室84内の温度を検出して温度制
御装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温に維持さ
せる温度検出器である。
【0093】以上のように構成された冷蔵庫について、
次にその作用について説明する。
【0094】冷凍室83の温度検出器91が設定値より
高ければ、圧縮機66が運転され、このとき、冷蔵室8
2内の温度検出器90が設定値より高い温度を検出して
いれば冷媒は第1の蒸発器45、第2の蒸発器61に循
環し、第1の送風機46、第2の送風機62の強制通風
作用によって冷蔵室82、冷凍室83が冷却される。
【0095】冷蔵室82内の冷却は、第1の冷却室74
内の冷気吐出風路49を介して前面の冷気吐出口48よ
り冷蔵室82の上部前面に吐出されることによって行わ
れる。吐出された冷気は冷蔵室内前部より下方に降下
し、後部より冷気吸入口47を介して第1の冷却室74
内に回収される。このとき、野菜室85も同時に第1の
蒸発器45と第1の送風機46の冷却作用によって冷却
され、例えば冷蔵室82は4℃に野菜室85は6℃に維
持される。
【0096】一方、第2の冷却室60内に設けた第2の
蒸発器61で冷却された冷気は冷凍室83内に吐出され
て冷凍室83を例えば−18℃に冷却する。そして、冷
却された冷気の一部は、第2の送風機62の強制通風作
用で冷気吐出風路88に送り込まれる。そして、低温室
84内の温度検出器92の温度が設定値より高ければ、
ダンパー装置87が開放して冷気が吐出されて低温室8
4内が冷却され、冷気吸入風路89より第2の蒸発器6
1に戻される。その後温度検出器92の温度が設定値に
低下するとダンパー装置87が閉じ冷却作用を停止す
る。この作用を断続的に繰り返して低温室37の室内が
所定値(例えば0℃)に冷却維持される。
【0097】このように、低温室84内の冷却を冷凍室
83内に設けた第2の蒸発器61と第2の送風機62の
冷却作用に基づいて行わせるため、冷凍室冷却用の低い
蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用することがで
き、低温室84の温度を所望の低温度帯にたやすく維持
できる。このため、肉、魚介類など温度依存性の高い生
鮮食品の貯蔵が安定して行え貯蔵品質を一層高められ
る。また、例えば−3℃のパーシャルフリージングなど
より低温の設定にすることもでき、生鮮食品の長期間の
貯蔵も可能となって食生活の自由度が広がる。さらに、
蒸発温度の高い第1の蒸発器45に低温室84の冷却を
依存しないことにより、第1の蒸発器45の冷却時間が
長くなって冷蔵室82が必要以上に過冷却されるのを防
止できる (実施例7)図9は、本発明の実施例7による冷蔵庫の
断面図である。
【0098】図9において、93は冷蔵庫本体であり、
断熱区画壁94によって上部に回転式の断熱扉95を備
えた冷蔵室96とその下部に引出式の断熱扉97、収納
容器98を備えた野菜室99、下部に引き出し式の断熱
扉100、収納容器101を備えた冷凍室102とその
上部に引き出し式の断熱扉103、収納容器104を備
えた低温室105を区画形成している。
【0099】ここで、前記冷蔵室96内の天部から上方
後部にかけては水平部と垂直部で略L字状に形成された
前記第1の冷却室74が設けられている。また、冷凍室
102内の後部には垂直方向に前記第2の冷却室60が
設けられている。
【0100】そして、前記低温室105と冷凍室102
の間には断熱区画壁106が設けられ、前記低温室10
5の後方には断熱構成された風路制御盤107が設けら
れている。前記風路制御盤107の内部には前記低温室
105への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例
えば0℃)に維持させるダンパー装置108と、前記ダ
ンパー装置108を介在して、前記冷凍室102の第2
の冷却室60内において第2の送風機62の吐出側に連
通する冷気吐出風路109を備えている。また、110
は前記低温室105を冷却した冷気を前記第2の蒸発器
61に帰還させる冷気吸入風路である。
【0101】また、111、112、113は前記冷蔵
室96、冷凍室102、低温室105内の温度を検出し
て温度制御装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温
に維持させる温度検出器である。
【0102】以上のように構成された冷蔵庫について、
次にその作用について説明する。
【0103】冷凍室102の温度検出器112が設定値
より高ければ、圧縮機66が運転され、このとき、冷蔵
室96内の温度検出器111が設定値より高い温度を検
出していれば冷媒は第1の蒸発器45、第2の蒸発器6
1に循環し、第1の送風機46、第2の送風機62の強
制通風作用によって冷蔵室96、冷凍室102が冷却さ
れる。
【0104】冷蔵室96内の冷却は、第1の冷却室74
内の冷気吐出風路49を介して前面の冷気吐出口48よ
り冷蔵室96の上部前面に吐出されることによって行わ
れる。吐出された冷気は冷蔵室内前部より下方に降下
し、後部より冷気吸入口47を介して第1の冷却室74
内に回収される。このとき、野菜室99も同時に第1の
蒸発器45と第1の送風機46の冷却作用によって冷却
され、例えば冷蔵室96は4℃に野菜室99は6℃に維
持される。
【0105】一方、第2の冷却室60内に設けた第2の
蒸発器61で冷却された冷気は冷凍室102内に吐出さ
れて冷凍室102を例えば−18℃に冷却する。そし
て、第2の蒸発器61で冷却された冷気の一部は、第2
の送風機62の強制通風作用で冷気吐出風路109に送
り込まれる。そして、低温室105内の温度検出器11
2の温度が設定値より高ければ、ダンパー装置108が
開放して冷気が吐出されて低温室105内が冷却され、
冷気吸入風路110より第2の蒸発器61に戻される。
その後温度検出器112の温度が設定値に低下するとダ
ンパー装置108が閉じ冷却作用を停止する。この作用
を断続的に繰り返して低温室105の室内が所定値(例
えば0℃)に冷却維持される。
【0106】このように、低温室105内の冷却を冷凍
室102内に設けた第2の蒸発器61と第2の送風機6
2の冷却作用に基づいて行わせるため、冷凍室冷却用の
低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用することが
でき、低温室105の温度を所望の低温度帯にたやすく
維持できる。
【0107】また、低温室105は、上下は断熱区画壁
94、106に、前部は断熱扉103に、奧部は断熱性
を有した風路制御盤107に囲まれているため外部から
の熱影響を受けにくく安定した温度管理が行える。この
ため、肉、魚介類など温度依存性の高い生鮮食品の貯蔵
が安定して行え貯蔵品質を一層高められる。また、例え
ば−3℃のパーシャルフリージングなどより低温の設定
にすることもでき、生鮮食品の長期間の貯蔵も可能とな
って食生活の自由度が広がる。
【0108】さらに、低温室105に独立した専用の扉
103を設けて収納容器104を引き出して使う構成と
したことで、使い易い高さで独立して食品の出し入れが
できて使い勝手がよく、風路制御盤107を使いにくい
奥部に納めたことで冷蔵室96下部の収納性が高まり、
本実施例においては野菜室99の奥行きが十分確保でき
て収納性が高められる。
【0109】(実施例8)図9の低温室105におい
て、図示しないスイッチなどの温度切換装置でダンパー
装置108の開放率を変化させて冷蔵温度帯から冷凍温
度帯まで温度切換可能な温度切換室としたものであり、
使用者の任意の温度帯選択により温度検出器112の検
出温度に基づいてダンパー装置108が開閉動作を繰り
返して所望の温度帯に室内を冷却維持する。
【0110】このため、冷凍室102内に設けた第2の
蒸発器61と第2の送風機62の冷却作用に基づくため
冷凍室冷却用の低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を
利用することができ、冷蔵から冷凍まで幅広い温度帯を
無理なく切り換えられる冷却能力が得られる。そして、
使用者の食生活に合わせて食品貯蔵の自由度が高められ
る。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明は、断熱区画壁によって、本体上部に複数の棚を備え
た冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の
上方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室内に垂
直方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた
第1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面
に冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方に
あって冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機
械室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂
直方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた
第2の送風機よりなるものであり、冷蔵室は第1の蒸発
器及び第1の送風機、冷凍室は第2の蒸発器及び第2の
送風機でそれぞれの貯蔵温度に見合って冷却されて冷凍
サイクルの効率が高まり、さらに冷却風路もそれぞれの
室内で簡素化されて冷却効率が高まって電力消費を低減
させることができる。
【0112】また、風路が簡素化されて有効な内容積が
拡大する。従来使い勝手の悪かった冷蔵室上方後部及び
天部に第1の冷却室を設けたため実質的な内容積への影
響はさらに軽減され、使用者の手の届きやすい使用頻度
の高い収納範囲の使い勝手が改善される。
【0113】また、冷凍室専用の蒸発器とすることで冷
凍室後部の第2の蒸発器が小型化でき、冷蔵室内の使い
やすい高さの収納範囲(中央部及び下部)が拡大して使
い勝手が向上する。
【0114】また、冷蔵室は専用の第1の蒸発器を設け
ているため室内温度に合わせて蒸発温度を高くでき、収
納食品の乾燥が抑制され貯蔵品質が高まる。
【0115】また、冷蔵室内前部の温度上昇、室内後部
の過冷却が抑制され、従来前部が高く、後部が低いとい
う室内の温度むらが縮小されて貯蔵品質が安定する。さ
らに、冷凍室とは独立して冷却されるため、第2の蒸発
器の除霜による温度上昇の影響を受けず貯蔵品質が高ま
る。
【0116】また、冷凍室も専用の第2の蒸発器で冷蔵
室とは独立して冷却されるため、貯蔵温度が高く、収納
負荷の多い冷蔵室の影響を直接受けず安定した貯蔵品質
が得られる。
【0117】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明にさらに、第1の冷却室の両側部に設けられ第1
の蒸発器、冷気吐出風路とは区画して形成された透光板
に覆われた略L字状の照明室と、この照明室内に設けた
少なくとも一対の照明装置とよりなるものであり、冷蔵
室内が立体的に照明されて前面から奧面にかけて照明の
むらが少なくなり、従来の室内奧面からのみの照明のよ
うに手前に置かれた収納物によって照明が遮られてしま
うこともない。そして、第1の冷却室の構造体を利用し
てコンパクトに照明を組み込んでいるためスペースが有
効活用でき、外観的な見栄えもよく、また製造工程での
組立も簡単に行える。
【0118】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、一対の照明装置を略L字状の照明室の
折曲部近傍に備えたものであり、透光板が照明装置の設
置位置より冷蔵室天面と上部奧面にわたってL字状に設
けられているため冷蔵室の上部前面と上部奧面より立体
的に照明される。このため、照明装置が一対のみであっ
ても冷蔵室内の前面から奧面にかけて照明のむらが少な
くなり、効率の高い合理的な照明が可能となる。
【0119】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、第1の冷
却室の下端面を棚と略同一面になるよう配置したもので
あり、棚の奧部に中途半端な無効スペースを作らず、外
観上の見栄えも害さない。
【0120】請求項5に記載の発明は、請求項1から請
求項4のいずれか一項に記載の発明にさらに、第1の冷
却室の下端面より段差部を形成し、冷蔵室背面に沿って
下方に延出する冷気吸入風路を設けたものであり、冷気
が冷蔵室の下部まで確実に冷却作用を行ってから帰還す
るため冷却効率が高い。
【0121】さらには、断熱材を必要とせず風路の厚み
を薄くできるため冷蔵室内の有効スペースの侵害が少な
くて済む。
【0122】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、棚で上下に区画された収納区画に対応
して冷気吸入風路に冷気吸入口を設けたものであり、本
体側収納部の各収納区画もまんべんなく冷気が循環する
ため冷却むらが生じにくく収納食品の貯蔵品質が安定す
る。
【0123】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明にさらに、野菜、果物等を収納する野菜室を設け
て、第1の蒸発器および第1の送風機で冷却するよう構
成したものであり、冷蔵室より設定温度が高くい分、蒸
発温度の高い第1の蒸発器によっても安定した冷却能力
が確保でき、蒸発温度が高い分蒸気圧差が縮小され乾燥
も抑制されて貯蔵品質が高まる。
【0124】請求項8に記載の発明は、請求項1または
7に記載の発明において、冷蔵室内の少なくとも本体側
収納部の温度設定を0〜3℃の低温度帯としたものであ
り、温度依存性の高い肉、魚、野菜などの生鮮食品の貯
蔵が特別な冷却風路構成やダンパー装置などの温度制御
装置を用いずに冷蔵室内で行うことができる。
【0125】請求項9に記載の発明は、請求項1または
7に記載の発明にさらに、生鮮食品等を収納する低温室
と、第2の蒸発器から第2の送風機で送られた冷気を調
節するダンパー装置を設けて、前記ダンパー装置で前記
低温室を温度制御するよう構成したものであり、冷凍室
冷却用の低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用す
ることができ、低温室の温度を所望の低温度帯にたやす
く維持できる。このため、肉、魚介類など温度依存性の
高い生鮮食品の貯蔵が安定して行え貯蔵品質を一層高め
られる。さらに、蒸発温度の高い第1の蒸発器に低温室
の冷却を依存しないことにより、第1の蒸発器の冷却時
間が必要以上に長くならず冷蔵室が過冷却されない。
【0126】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の発明において、冷蔵室と冷凍室間に、上下は断熱区
画壁、奥部はダンパー装置を備えた風路制御盤、前部は
独立した断熱扉でそれぞれ区画形成された低温室を設け
たものであり、冷凍室冷却用の低い蒸発温度で熱交換し
た低温の冷気を利用することができ、低温室の温度を所
望の低温度帯にたやすく維持できる。
【0127】また、周囲を断熱材で囲まれて外部からの
熱影響を受けにくく、安定した温度管理が行える。この
ため、肉、魚介類など温度依存性の高い生鮮食品の長期
間の貯蔵も可能となって食生活の自由度が広がる。
【0128】さらに、使い易い高さで独立して食品の出
し入れができて使い勝手がよく、風路制御盤を使いにく
い奥部に納めたことで冷蔵室下部の収納性が高められ
る。
【0129】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の発明において、低温室をダンパー装置で冷蔵温度
帯から冷凍温度帯まで温度切換可能な温度切換室とした
ものであり、冷凍室冷却用の第2の蒸発器で冷却するた
め冷蔵から冷凍まで幅広い温度帯を無理なく温度切換す
る冷却能力が得られ、使用者の食生活に合わせて食品貯
蔵の自由度が高まる。
【0130】請求項12に記載の発明は、請求項1また
は7または8に記載の発明において、第1の蒸発器に冷
媒が循環しない時にも、第1の送風機を運転するよう構
成したものであり、冷媒循環時に第1の蒸発器についた
霜を冷蔵室内の空気で融解し、室内へ還元することによ
って冷蔵室内の湿度が高められる。そして、冷蔵室内に
貯蔵される食品の乾燥が一層抑制され、さらなる貯蔵期
間の延長や貯蔵品質の向上が可能となる。
【0131】請求項13に記載の発明は、請求項1また
は12に記載の発明において、圧縮機、凝縮器、第1の
減圧器、切換弁、第1の蒸発器、第2の蒸発器を環状に
接続した第1の冷媒回路と、前記冷媒回路の前記切換弁
と前記第1の減圧器の間より第2の減圧器を介して前記
第2の蒸発器にバイパスし、圧縮機、凝縮器、第1の減
圧器、切換弁、第2の減圧器、第2の蒸発器を環状に接
続した第2の冷媒回路を構成した冷凍サイクルを備えた
ものであり、冷蔵室と冷凍室の冷却回路の切換を切換弁
一つで簡便に行え、冷凍サイクルの効率向上による電力
消費の低減や冷蔵室、冷凍室の貯蔵品質の向上が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷蔵庫の実施例1の斜視図
【図2】本発明による冷蔵庫の実施例1の断面図
【図3】本発明による冷蔵庫の実施例1の冷凍サイクル
【図4】本発明による冷蔵庫の実施例2の斜視図
【図5】本発明による冷蔵庫の実施例2の断面図
【図6】本発明による冷蔵庫の実施例5の斜視図
【図7】本発明による冷蔵庫の実施例5の断面図
【図8】本発明による冷蔵庫の実施例6の断面図
【図9】本発明による冷蔵庫の実施例7の断面図
【図10】従来例の冷蔵庫の断面図
【図11】従来例の冷蔵庫の冷凍サイクル図
【符号の説明】
32 冷蔵庫本体 36 断熱区画壁 37 冷蔵室 38 冷凍室 40 本体側収納部 44 第1の冷却室 45 第1の蒸発器 46 第1の送風機 48 冷気吐出口 49 冷気吐出風路 50 照明室 52、53 照明装置 54 透光板 55 棚 57 野菜室 60 第2の冷却室 61 第2の蒸発器 62 第2の送風機 66 圧縮機 67 凝縮器 68 第1の減圧器 69 切換弁 70 第2の減圧器 71 第1の冷媒回路 72 第2の冷媒回路 74 第1の冷却室 75 照明装置 78 冷気吸入風路 79 冷気吸入口 81 断熱区画壁 82 冷蔵室 83 冷凍室 84 低温室 87 ダンパー装置 92 低温室の温度検出器 94 断熱区画壁 96 冷蔵室 102 冷凍室 103 断熱扉 105 低温室 106 断熱区画壁 107 風路制御盤 108 ダンパー装置 113 低温室の温度検出器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月26日(2000.1.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 冷蔵庫
【特許請求の範囲】
【請求項】 第1の冷却室の両側部に設けられ第1の
蒸発器、冷気吐出風路とは区画して形成された側面から
見て略L字状の照明室と、前記照明室を室内側より覆う
透光板と、前記照明室内に設けた少なくとも一対の照明
装置とを設けた請求項1または請求項2に記載の冷蔵
庫。
【請求項】 一対の照明装置を照明室の折曲部近傍に
備えた請求項に記載の冷蔵庫。
【請求項】 第1の冷却室の下端面を棚と略同一面に
なるよう配置した請求項1から請求項のいずれか一項
に記載の冷蔵庫。
【請求項】 第1の冷却室の下端面より段差部を形成
し、冷蔵室背面に沿って下方に延出する冷気吸入風路を
設けた請求項1から請求項のいずれか一項に記載の冷
蔵庫。
【請求項】 棚で上下に区画された収納区画に対応し
て冷気吸入風路に冷気吸入口を設けた請求項に記載の
冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上部に冷蔵室、下
部に冷凍室を設けた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の冷蔵庫は、収納する食品に応じた
複数の温度に管理された貯蔵室を設けている。従来は、
上部に冷凍室、中央に冷蔵室、下部に野菜室を配置した
ものが主流であったが、最近では使い易さを重視して、
上部に冷蔵室、中央、下部に冷凍室または野菜室を配置
した冷蔵庫が提案されて主流になっている。このうち従
来の一例として、特開平5−71850号公報に開示さ
れているものがある。
【0003】以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵
庫を説明する。
【0004】図10は従来の冷蔵庫の断面図であり、図
11は従来の冷蔵庫の冷凍サイクル図である。
【0005】図10において、1は冷蔵庫本体、2は前
記本体1の上部に設けた冷蔵室、3は下部に設けた冷凍
室であり、4は前記冷蔵室2の前面開口部に開閉自在に
取り付けた扉、5は前記冷凍室3の前面開口部に開閉自
在に取り付けた扉、6は前記冷蔵室2と冷凍室3を区画
形成する断熱区画壁である。7は前記冷凍室3の後部に
設けられた冷却室で、内部に冷凍サイクルの蒸発器8及
び強制循環用の送風機9を備えている。
【0006】10は前記冷蔵室2内の下部に設けた野菜
室、11は主として肉、魚介類等の生鮮食品を貯蔵する
低温室である。12は前記野菜室10及び低温室11の
後方に設けた風路制御盤であり、内部に、前記冷蔵室2
への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例えば4
℃)に維持させるダンパー装置13と、前記低温室11
への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例えば0
℃)に維持させるダンパー装置14を備えている。
【0007】15は前記冷却室7から冷凍室3への冷気
吐出口、16は前記冷凍室3から冷却室7への冷気吸入
口である。17は背面板18で覆われて前記冷蔵室2の
後部に設けられ、前記冷却室7から前記ダンパー装置1
3を介して前記冷蔵室2へ連通する冷気吐出風路、19
は前記冷気吐出風路17より前記冷蔵室2内に開口する
冷気吐出口である。20は前記冷却室7から前記ダンパ
ー装置14を介して前記低温室11に連通する冷気吐出
風路、21は前記冷気吐出風路20より前記低温室11
に開口する冷気吐出口である。また、22は前記冷蔵室
2より前記冷却室7に連通する冷気吸入風路である。2
3は前記冷蔵室2内に開口した前記冷気吸入風路22の
冷気吸入口であり、前記野菜室10の後部に設けられ前
記冷蔵室2、野菜室10及び低温室11内を冷却した冷
気を吸入するよう構成されている。
【0008】24、25、26はそれぞれ前記冷蔵室
2、冷凍室3、低温室11内の温度を検出して温度制御
装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温に維持させ
る温度検出器である。27は前記冷蔵室2の背面板18
の裏面空間に前記冷気吐出風路17とは断熱区画された
空間に設けられた照明装置であり、前記冷蔵室の扉4の
開放時に連動して点灯されるよう構成されている。ま
た、28は前記冷蔵庫本体1の下部後方に区画形成した
機械室であり、29は前記機械室28内に設けた冷凍サ
イクルの圧縮機、30は凝縮器である。
【0009】また、図11において31は毛細管などの
減圧器であり、前記圧縮機29、凝縮器30、蒸発器8
とともに環状に接続されて閉ループの冷凍サイクルを構
成している。
【0010】以上のように構成された冷蔵庫について、
次にその作用を説明する。
【0011】圧縮機29によって高圧に圧縮された冷媒
は凝縮器30で放熱されて液冷媒となり、減圧器31を
通過する間に減圧されて蒸発器8内で冷却室7内の熱を
吸収して膨張気化する。気化した冷媒は圧縮機29に帰
還し、この作用を繰り返して冷蔵庫庫内の冷却が行われ
る。
【0012】すなわち、蒸発器8の吸熱作用で周囲の空
気が冷却されて生じた冷気は、送風機9によって、一部
は冷気吐出口15より冷凍室3内に送り込まれ、室内を
冷却した後冷気吸入口16より冷却室7に戻される。温
度検出器24の温度が設定値に低下するまで圧縮機2
9、送風機9の運転が続けられ、その後設定値に上昇す
るまで双方ともに停止し、この作用を断続的に繰り返し
て室内が所定値(例えば−18℃)に冷却維持される。
【0013】また、一部の冷気は冷気吐出風路17を通
じて冷気吐出口19より冷蔵室2内に送り込まれ、室内
を冷却した後冷気吸入口23より冷気吸入風路22を通
じて冷却室7に戻される。この時、温度検出器24の温
度が設定値に低下するまでダンパー装置13が開放さ
れ、その後設定値に上昇するまで閉鎖され、この作用を
断続的に繰り返して室内が所定値(例えば4℃)に冷却
維持される。併せて、野菜室10は外周からの間接冷却
で室内の乾燥を防止しながら所定値(例えば6℃)に冷
却維持される。
【0014】一方、さらに一部の冷気は冷気吐出風路2
0を通じて冷気吐出口21より低温室11内に送り込ま
れ、室内を冷却した後冷気吸入口23より冷気吸入風路
22に合流して冷却室7に戻される。この時、温度検出
器26の温度が設定値に低下するまでダンパー装置14
が開放され、その後設定値に上昇するまで閉鎖され、こ
の作用を断続的に繰り返して室内が所定値(例えば0
℃)に冷却維持される。
【0015】また、冷蔵室の扉4が開放されると、照明
装置27が点灯され冷蔵室2内を後部より照明する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、一つの蒸発器8と送風機9ですべての室を
冷却するために、特に冷却負荷の大きい冷蔵室2と冷却
室7を連通する冷気吐出風路15及び冷気吸入風路19
が長大化し、風路抵抗の増加や熱損失などによって冷却
効率が低下するという問題点があった。さらに、冷気吐
出風路15は冷蔵室2内との温度差が大きいために相当
の断熱構造が必要なことも含めて、風路に費やす容積が
増加して食品を収納する有効な内容積が小さくなるとい
う問題点もあった。
【0017】また、一つの蒸発器8で冷却能力を確保す
るために蒸発器8の寸法を高さ方向に大きくする必要が
あり、その結果冷蔵室2と冷凍室3間の断熱区画壁6の
位置が高くなって冷蔵室2内の使いやすい高さの収納範
囲(中央部及び下部)が圧縮され、使い勝手が悪くなる
という問題点があった。
【0018】また、一つの蒸発器8で貯蔵温度の異なる
複数の室を冷却するため蒸発器8の蒸発温度の設計を最
も温度の低い冷凍室3に合わせ低温化する必要があり
(例えば−30℃)、冷凍サイクルの効率(冷凍能力/
入力)が低下して電力消費が増大するという問題点があ
った。
【0019】また、冷凍室3よりも貯蔵温度の高い冷蔵
室2、野菜室10、低温室11に対しては必要以上に低
温の冷気が供給されることになって貯蔵食品の乾燥を促
進したり、冷気吐出口16、18の近傍に部分的な過冷
却を発生させたりして収納食品の貯蔵品質を低下させる
という問題点があった。
【0020】また、冷蔵室2内前部は扉4の開閉や扉4
の周囲の吸熱などによる熱影響で貯蔵温度がもともと高
くなりやすいが、冷気吐出風路15が冷蔵室2内の後部
に設けられているため冷気吐出口16からの吐出冷気が
前部に届きにくく、冷蔵室2内の温度むらがさらに拡大
して室内前部は温度が高く室内後部は温度が低くなり、
収納食品の貯蔵品質が安定化しないという問題点もあっ
た。
【0021】また、照明装置27が冷蔵室2内の背面に
設けられているため、室内後方からの照明のみで照度む
らが生じ、特に食品の収納量が多いときなどには前方を
遮られて照明が室内に行き届かない場合があるという不
都合もあった。
【0022】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、その第1の目的は、上部に冷蔵室、下部に冷凍室
を設けたものにおいて、適切な冷凍サイクル構成と簡素
な風路構成で冷却効率の高い省電力型の冷蔵庫を提供す
ることである。
【0023】また、本発明の第2の目的は、簡素な風路
構成で内容積を有効に確保することである。
【0024】また、本発明の第3の目的は、使用者の手
が届きやすく、使用頻度が高い収納範囲の使い勝手を改
善し、また利便性を向上させることである。
【0025】また、本発明の第4の目的は、収納食品の
温度上昇、温度むら、乾燥などを抑えて貯蔵品質を高め
ることである。
【0026】また、本発明の第5の目的は、冷蔵室内に
効率のよい照明装置を備えた冷蔵庫を提供することであ
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の冷蔵庫は断熱区画壁によって、本体上部に
冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の上
方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室内に垂直
方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた第
1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面に
冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方にあ
って冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機械
室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂直
方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた第
2の送風機よりなるものである。
【0028】これにより、適切な冷凍サイクル構成と簡
素な風路構成で冷却効率の高い省電力型の冷蔵庫や内容
積効率の高い冷蔵庫を提供することができる。また、使
用頻度の高い収納範囲の使い勝手を改善し、利便性を向
上させることができる。また、収納食品の温度上昇、温
度むら、乾燥を抑えて貯蔵品質を高めることができる。
【0029】また、本発明の冷蔵庫は、第1の冷却室の
両側部に設けられ第1の蒸発器、冷気吐出風路とは区画
して形成された透光板に覆われた略L字状の照明室と、
この照明室内に設けた少なくとも一対の照明装置とより
なるものである。
【0030】これにより、冷蔵室内の照明のむらが少な
くなり、食品の収納状態に関わらず室内が見やすく照明
される。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、断熱区画壁によって、本体上部に複数の棚を備えた
冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の上
方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室内に垂直
方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた第
1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面に
冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方にあ
って冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機械
室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂直
方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた第
2の送風機よりなるものであり、冷蔵室は第1の蒸発器
及び第1の送風機、冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送
風機でそれぞれの貯蔵温度に見合って冷却されて冷凍サ
イクルの効率が高まり、さらに冷却風路もそれぞれの室
内で簡素化されて冷却効率が高まって電力消費が低減す
る。
【0032】また、風路が簡素化されて有効な内容積が
拡大する。また、冷凍室後部の第2の蒸発器が小型化で
きて断熱区画壁の位置が下げられ、従来使い勝手の悪か
った冷蔵室上方後部及び天部に冷気吐出風路と第1の蒸
発器を収納したため、使用者の手の届きやすい使用頻度
の高い収納範囲の使い勝手が改善される。
【0033】また、冷蔵室は室内温度に合わせて専用の
蒸発器で蒸発温度を高くできる分蒸気圧差が縮小され、
収納食品の乾燥も抑制される。さらに、冷蔵室温度に見
合った冷気温度で、冷蔵室の上部前面より冷気が吐出さ
れるため室内前部の温度上昇、室内後部の過冷却も抑制
されて貯蔵品質が安定する。また、冷凍室も専用の蒸発
器で冷蔵室とは独立して冷却されるため冷蔵室の影響を
直接受けず温度上昇の少ない安定した貯蔵品質が得られ
る。
【0034】請求項2に記載の発明は、断熱区画壁によ
り上部に複数の棚を備えた冷蔵室とその下に野菜室を、
下部に冷凍室を区画形成して各室に独立した扉を設け、
冷蔵室の上方後部から天部にかけて設けた第1の冷却室
内の垂直方向に第1の蒸発器と第1の送風機を設け、第
1の冷却室内の上部に冷気吐出風路と前面に形成した冷
気吐出口を備え、冷蔵庫本体の下部後方の機械室上方で
冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内の垂直方向に第2
の蒸発器と第2の送風機を設け、第1の蒸発器及び第1
の送風機で冷蔵室と野菜室を冷却し、第2の蒸発器及び
第2の送風機で冷凍室を冷却するよう構成したものであ
り、冷蔵室と野菜室は第1の蒸発器及び第1の送風機、
冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送風機でそれぞれの貯
蔵温度に見合って冷却されて冷凍サイクルの効率が高ま
ると同時に冷蔵室と野菜室は室内温度に合わせて専用の
蒸発器で蒸発温度を高くできる分、蒸気圧差が縮小さ
れ、収納食品の乾燥も抑制される。
【0035】また、風路が簡素化されて特に野菜室の奥
面の無効スペースが排除されて収納容積が拡大するとと
もに、冷蔵庫の中央部の使いやすい高さで独立した扉を
備え野菜室の使い勝手が改善される。
【0036】請求項に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の発明にさらに、第1の冷却室の両側部
に設けられ第1の蒸発器、冷気吐出風路とは区画して形
成された透光板に覆われた略L字状の照明室と、この照
明室内に設けた少なくとも一対の照明装置とよりなるも
のであり、冷蔵室内の天部及び上方後部より室内に効率
よく光が照射されて照度むらが少なくなり、食品の収納
状態に関わらず室内が見やすく照明される。
【0037】請求項に記載の発明は、請求項に記載
の発明において、一対の照明装置を略L字状の照明室の
折曲部近傍に備えたものであり、照明装置が一対でも光
がL字状の透光板に行きわたり合理的に照明が行われ
る。
【0038】請求項に記載の発明は、請求項1から請
求項のいずれか一項に記載の発明において、第1の冷
却室の下端面を棚と略同一面になるよう配置したもので
あり、棚の奧部に無効スペースを作らず、外観上の見栄
えも害さない。
【0039】請求項に記載の発明は、請求項1から請
求項のいずれか一項に記載の発明にさらに、第1の冷
却室の下端面より段差部を形成し、冷蔵室背面に沿って
下方に延出する冷気吸入風路を設けたものであり、冷気
吐出風路からの吐出冷気を、室内を有効に冷却した後に
回収する。
【0040】請求項に記載の発明は、請求項に記載
の発明において、棚で上下に区画された収納区画に対応
して冷気吸入風路に冷気吸入口を設けたものであり、冷
気吐出風路からの吐出冷気を、各収納区画内を有効に冷
却した後に回収する。
【0041】請求項に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の発明において、冷蔵室内の少なくとも
本体側収納部の温度設定を0〜3℃の低温度帯としたも
のであり、温度依存性の高い魚、肉、野菜などの生鮮食
品の貯蔵が特別な冷却風路構成やダンパー装置などの温
度制御装置を用いずに冷蔵室内で行える。
【0042】請求項9に記載の発明は、請求項に記載
の発明に、さらに、生鮮食品等を収納する低温室と、第
2の蒸発器から第2の送風機で送られた冷気を調節する
ダンパー装置を設けて、前記ダンパー装置で前記低温室
を温度制御するよう構成したものであり、冷凍室冷却用
の第2の蒸発器で蒸発温度の低い冷気が供給されて低温
室の冷却能力が安定し、蒸発温度の高い第1の蒸発器に
低温室の冷却を依存しないことにより冷蔵室の過冷却が
防止される。
【0043】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の発明において、冷蔵室と冷凍室間に、上下は断熱区
画壁、奥部はダンパー装置を備えた風路制御盤、前部は
独立した断熱扉でそれぞれ区画形成された低温室を設け
たものであり、使い易い高さで独立して食品の出し入れ
ができて使い勝手がよく、周囲を断熱材で囲まれて貯蔵
温度の安定性が高まる。さらに、風路制御盤を使いにく
い奥部に納めたことで冷蔵室下部の収納性が高まる。
【0044】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の発明において、低温室をダンパー装置で冷蔵温度
帯から冷凍温度帯まで温度切換可能な温度切換室とした
ものであり、使用者の食生活に合わせて食品貯蔵の自由
度が高まり、冷凍室冷却用の第2の蒸発器で冷却するた
め温度切換を無理なく行う能力が得られる。
【0045】請求項12に記載の発明は、請求項1また
請求項2または請求項8に記載の発明において、第1
の蒸発器に冷媒が循環しない時にも、第1の送風機を運
転するよう構成したものであり、冷媒循環時に第1の蒸
発器についた霜を冷蔵室内の空気で融解し、室内へ還元
することによって冷蔵室内の湿度が高められる。
【0046】請求項13に記載の発明は、請求項1また
請求項2または請求項12に記載の発明において、圧
縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第1の蒸発器、
第2の蒸発器を環状に接続した第1の冷媒回路と、前記
冷媒回路の前記切換弁と前記第1の減圧器の間より第2
の減圧器を介して前記第2の蒸発器にバイパスし、圧縮
機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第2の減圧器、第
2の蒸発器を環状に接続した第2の冷媒回路を構成した
冷凍サイクルを備えたものであり、冷蔵室と冷凍室の冷
却回路の切り換えを切換弁一つで簡便に行え、第1、第
2の減圧器の減圧量設定により第1の蒸発器の蒸発温度
を高めて冷蔵室の吐出冷気温度と設定室温との差を縮め
られる。
【0047】
【実施例】以下、本発明による冷蔵庫の実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0048】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
よる冷蔵庫の斜視図、図2は同実施例による冷蔵庫の断
面図、図3は同実施例による冷蔵庫の冷凍サイクル図で
ある。
【0049】図1、図2において、32は冷蔵庫本体で
あり、鋼板製の外箱33、樹脂製の内箱34と前記外箱
33、内箱34間に充填された断熱材35により構成さ
れている。36は前記冷蔵庫本体32内を上下に区画す
る断熱区画壁であり、上部に冷蔵室37、下部に冷凍室
38を区画形成している。39は前記冷蔵室37の開口
面に開閉自在に取付けられた回転式の扉であり、その室
内側に本体側収納部40に対向して扉収納部41が設け
られている。42は前記冷凍室38内の開口面に開閉自
在に取付けられた引き出し式の扉であり、室内側の収納
容器43を一体に引き出せるよう構成されている。
【0050】44は前記冷蔵室37内の天部から上方後
部にかけて水平部と垂直部で略L字状に形成された第1
の冷却室であり、垂直部に設けた第1の蒸発器45と前
記第1の蒸発器45の上方に設けた第1の送風機46、
前記第1の蒸発器45の下方形成した冷気吸入口47
と、水平部に設けられ前面に冷気吐出口48を形成した
冷気吐出風路49より構成されている。また、50は前
記第1の冷却室44の両側部に隔壁51に隔てられて水
平部と垂直部で略L字状に形成された照明室であり、水
平部と垂直部にそれぞれ左右一対の照明装置52、53
が設けられている。54は前記照明室50の前面を覆い
照明装置52、53の光を透過させる略L字状の透光板
である。
【0051】また、55は冷蔵室37内の本体側収納部
40に適当な間隔をおいて設けられ複数の収納区画56
を形成する棚であり、前記第1の冷却室44の下端面は
前記棚55の一つと略同一面になるよう設置されてい
る。
【0052】57は冷蔵室37内の本体側収納部40の
下部に設けた野菜室であり、室内を高湿に維持するため
の透湿膜などの調湿手段58を備えている。59は前記
野菜室56の上部に設けた貯蔵室である。
【0053】60は前記冷凍室38の後部に垂直方向に
設けられた第2の冷却室であり、内部に第2の蒸発器6
1と前記第2の蒸発器61の上方に設けた第2の送風機
62により構成されている。
【0054】63、64は前記冷蔵室37、冷凍室38
内の温度を検出して温度制御装置(図示せず)を通じて
各室の温度を適温に維持させる温度検出器である。ま
た、65は前記冷蔵庫本体32の下部後方に区画形成し
た機械室であり、66は前記機械室65内に設けた冷凍
サイクルの圧縮機、67は凝縮器である。
【0055】また、図3において68は毛細管などの第
1の減圧器、69は前記第1の減圧器68の下流に設け
られて冷媒流路を切り換える切換弁、70は前記切換弁
69から分岐された下流に設けられた第2の減圧器であ
る。そして、前記圧縮機66、凝縮器67、第1の減圧
器68、切換弁69、第1の蒸発器45、第2の蒸発器
61の順に環状に接続されて閉ループの第1の冷媒回路
71が構成されている。また、前記切換弁69の切り換
え作用により前記第2の減圧器70を介して前記第2の
蒸発器61にバイパスされ、圧縮機66、凝縮器67、
第1の減圧器68、切換弁69、第2の減圧器70、第
2の蒸発器61の順に環状に接続される閉ループの第2
の冷媒回路72が構成されている。
【0056】以上のように構成された冷蔵庫について、
次にその作用について説明する。
【0057】冷凍室38の温度検出器64が設定値より
高ければ、圧縮機66が運転され、圧縮機66によって
高圧に圧縮された冷媒は凝縮器67で放熱されて液冷媒
となり、第1の減圧器68を通過する間に減圧されて切
換弁69に達する。このときまず、冷蔵室37内の温度
検出器63が設定値より高い温度を検出していれば切換
弁69は第1の冷媒回路71側に切り換えられており冷
媒は圧縮機66、凝縮器67、第1の減圧器68、切換
弁69、第1の蒸発器45、第2の蒸発器61と循環
し、第1の蒸発器45で第1の冷却室44内の熱を吸収
して一部が膨張気化し、続いて第2の蒸発器で第2の冷
却室内の熱を吸収して膨張気化する。気化した冷媒は圧
縮機66に帰還し、この作用を繰り返して冷蔵室37及
び冷凍室38内の冷却が行われる。
【0058】すなわち、第1の蒸発器45の吸熱作用で
周囲の空気が冷却されて生じた冷気は、第1の送風機4
6の強制通風作用によって第1の冷却室44内の冷気吐
出風路49を通過して前面の冷気吐出口48より冷蔵室
37の上部前面に吐出される。吐出された冷気は本体側
収納部40の各収納区画56や野菜室57、貯蔵室59
および扉収納部41を冷却した後、第1の冷却室44の
下端に設けた冷気吸入口47より第1の冷却室44内に
戻される。
【0059】そして、温度検出器63の温度が設定値に
低下するまで第1の送風機46の運転が続けられ、その
後設定値に上昇するまで停止し、この作用を断続的に繰
り返して冷蔵室37の室内が所定値(例えば4℃)に冷
却維持される。
【0060】このように、冷蔵室37内の冷却を、従来
のように冷凍室内に設けた一つの蒸発器から長大な風路
を介してまたダンパー装置を通過させて行なわず、冷蔵
室上方後部及び天部に設けた略L字状の第1の冷却室4
4内に専用の第1の蒸発器45と冷気吐出風路49を組
み込んで冷却するため、風路が簡素化されて有効な内容
積が拡大する。また、従来使い勝手の悪かった冷蔵室上
方後部及び天部に第1の冷却室44を設けたため実質的
な内容積への影響はさらに軽減され、使用者の手の届き
やすい使用頻度の高い収納範囲の使い勝手が改善され
る。
【0061】さらに、第1の冷却室44の下端面は棚5
5と略同一面上になるよう設けられているため、収納区
画56の奧部に中途半端な高さの実質上利用できない無
駄なスペースを作ることもなく、外観上の見栄えもよ
い。
【0062】また、冷蔵室37は専用の第1の蒸発器4
5を設けているため、第1の減圧器68の減圧量を適当
に設定することにより室内温度に合わせて蒸発温度を高
くでき、室内と第1の蒸発器45の蒸気圧差が縮小され
る。そのため、収納食品の乾燥が抑制され貯蔵品質が高
まる。
【0063】また、冷蔵室37の上部前面に設けた冷気
吐出口48より、従来に比べて室内温度近寄った温度の
冷気が吐出されるため室内前部の温度上昇、室内後部の
過冷却が抑制され、従来前部が高く、後部が低いという
室内の温度むらが縮小されて貯蔵品質が安定する。さら
に、冷凍室38とは独立して冷却されるため、第2の蒸
発器61の除霜による温度上昇の影響を受けず貯蔵品質
が高まる。
【0064】また、冷蔵室37内の乾燥が抑制されるこ
とによって、野菜室57、貯蔵室59の周囲の雰囲気も
低湿度にならず室内の乾燥が抑制される。このため、野
菜室57は調湿手段58の調湿作用とも相まって高湿の
条件下で野菜、果物などの貯蔵ができ、貯蔵室59も
肉、魚など乾燥を嫌う生鮮食品の区分管理に利用すると
便利である。
【0065】一方、第2の蒸発器61の吸熱作用で周囲
の空気が冷却されて生じた冷気は、第2の送風機62の
強制通風作用によって第2の冷却室60より冷凍室38
内に吐出される。吐出された冷気は収納容器43内を冷
却した後、第2の冷却室60に戻される。この冷却作用
は温度検出器64が設定値に冷却されるまで行われ、設
定値に到達すると圧縮機66、第2の送風機62も停止
する。そして、温度が設定値まで上昇すると再び圧縮機
66、第2の送風機62が運転され、以後この作用を断
続的に繰り返して冷凍室38の室内が所定値(例えば−
18℃)に冷却維持される。このように冷凍室38も専
用の第2の蒸発器61で冷蔵室37とは独立して冷却さ
れるため、貯蔵温度が高く、収納負荷の多い冷蔵室37
の影響を直接受けず安定した貯蔵品質が得られる。
【0066】また、冷凍室専用の蒸発器とすることで冷
凍室後部の第2の蒸発器が小型化できて冷蔵室37と冷
凍室38間の断熱区画壁36の位置が下げられ、その結
果、冷蔵室37内の使いやすい高さの収納範囲(中央部
及び下部)が拡大して使い勝手が向上する。
【0067】次に、圧縮機66の運転中に冷蔵室38の
温度検出器63が設定値より低くなれば切換弁69は第
2の冷媒回路72側に切り換えられ、冷媒は圧縮機6
6、凝縮器67、第1の減圧器68、切換弁69、第2
の減圧器70、第2の蒸発器61と循環し、第2の蒸発
器61で第2の冷却室60内の熱を吸収して膨張気化す
る。気化した冷媒は圧縮機66に帰還し、この循環作用
を繰り返して第2の蒸発器61のみが冷却作用を発揮す
る。このため第2の送風機62の運転とともに冷凍室3
8のみが単独で冷却され、冷凍室の温度検出器64が設
定値まで低下して圧縮機66、第2の送風機62が停止
するか、冷蔵室の温度検出器63が設定値まで上昇して
第1の冷媒回路71側に切り換えられるまで続けられ
る。
【0068】そして、この作用を断続的に繰り返して冷
凍室38の室内が所定値(例えば−18℃)に冷却維持
される。このように冷凍室38も第2の減圧器70の減
圧量を適当に設定することによって、単独冷却時に第2
の蒸発器61の蒸発温度を低めに設定でき、冷気温度を
下げて冷却能力を高められる。このため、冷凍室38内
の収納食品の温度上昇も抑制できて安定した貯蔵品質が
得られる。
【0069】このように、冷蔵室37は第1の蒸発器4
5及び第1の送風機46、冷凍室38は第2の蒸発器6
1及び第2の送風機62でそれぞれの貯蔵温度に見合っ
た冷気温度で冷却されるため、特に冷蔵室冷却時の蒸発
温度を高くできることによって冷凍サイクルの効率が高
まり、さらに冷却風路もそれぞれの室内で簡素化されて
冷却効率が高まり電力消費を低減させることができる。
【0070】なお、第1の蒸発器45の蒸発温度をさら
に高めるために第1の減圧器68の減圧量を小さく、第
2の減圧器70の減圧量大きくする組み合わせにしても
よく、第1の減圧器68の減圧量を小さくした上で、第
1の蒸発器45と第2の蒸発器61の間にもう一つ減圧
器を追加して第2の蒸発器61の蒸発温度を引き下げて
もよい。冷凍サイクルの効率向上と食品の貯蔵品質向上
の目標度合いに応じて適当な組み合わせと設定を選択す
ればよい。また、切換弁69は第1の冷媒回路71と第
2の冷媒回路72を択一的に切り換える例えば三方弁で
もよく、弁開時は第1の冷媒回路71側に抵抗差でほと
んど流れ、弁閉時は第2の冷媒回路72側にのみ流れる
よう構成して安価な二方弁を利用してもよい。
【0071】また、冷蔵室37内において、扉39の開
放時に合わせて第1の冷却室44の両側部にL字状に設
けた照明室50内の照明装置52,53が点灯される。
このとき、水平部に備えた左右一対の照明装置52は透
光板54を介して冷蔵室37の上部前面より下方に向け
て光を照射する。一方、垂直部に備えた左右一対の照明
装置53は透光板54を介して冷蔵室37の上部奧面よ
り下方に向けて光を照射する。
【0072】このため、冷蔵室内が立体的に照明されて
前面から奧面にかけて照明のむらが少なくなり、従来の
室内奧面からのみの照明のように手前に置かれた収納物
によって照明が遮られてしまうこともない。そして、第
1の冷却室44の構造体を利用してコンパクトに照明を
組み込んでいるためスペースが有効活用でき、L字状の
照明で外観的な見栄えもよく、また製造工程での組立も
簡単に行える。
【0073】(実施例2)図4は、本発明の実施例2に
よる冷蔵庫の斜視図、図5は同実施例による冷蔵庫の断
面図である。
【0074】なお、以後の実施例については、実施例1
と共通する部分については実施例1の説明をもってこれ
を省略し、異なる構成についてのみ新しい符号を付して
説明する。
【0075】図4において、73は冷蔵庫本体であり、
74は冷蔵室37内の上方後部から天部にかけて水平部
と垂直部で略L字状に形成された第1の冷却室であり、
垂直部に設けた第1の蒸発器45と前記第1の蒸発器4
5の上方に設けた第1の送風機46、前記第1の蒸発器
45の下方形成した冷気吸入口47と、水平部に設けら
れ前面に冷気吐出口48を形成した冷気吐出風路49よ
り構成されている。また、50は前記第1の冷却室44
の両側部に隔壁51に隔てられて水平部と垂直部で略L
字状に形成された照明室であり、前記照明室50の折曲
部近傍に左右一対の照明装置75が設けられている。5
4は前記照明室50の前面を覆い照明装置75の光を透
過させる略L字状の透光板である。
【0076】以上のような構成において、冷蔵室の扉3
9の開放時に合わせて第1の冷却室74の両側部にL字
状に設けた照明室50内の照明装置75が点灯される。
このとき照明室50の折曲部近傍に設けた左右一対の照
明装置75は冷蔵室37の上方後部より下方に向けて光
を照射するが、透光板54が照明装置75の設置位置よ
り冷蔵室天面と上部奧面にわたってL字状に設けられて
いるため冷蔵室37の上部前面と上部奧面より立体的に
照明される。
【0077】このため、照明装置が一対のみであっても
冷蔵室内の前面から奧面にかけて照明のむらが少なくな
り、従来の室内奧面からのみの照明のように手前に置か
れた収納物によって照明が遮られてしまうこともなく効
率の高い合理的な照明が可能となる。そして、第1の冷
却室44の構造体を利用してコンパクトに照明を組み込
んでいるためスペースが有効活用でき、L字状の照明で
外観的な見栄えもよく、また製造工程での組立も簡単に
行える。
【0078】(実施例3)図1、図2において、冷蔵室
37の本体側収納部40の温度設定が0〜3℃の低温度
帯になるよう設定されている。
【0079】このような構成において、本体側収納部4
0に収納される食品のすべてが低温貯蔵されて貯蔵性が
高まるほか、貯蔵室59は乾燥が抑制される環境に加え
て低温に維持され肉、魚などの区分貯蔵に一層適合して
貯蔵期間が延長できる。また、野菜室57も低温に維持
されるため大半の野菜、果物は呼吸作用や蒸散作用が抑
制されて長期の貯蔵が可能となる。このように、温度依
存性の高い肉、魚、野菜などの生鮮食品の貯蔵が特別な
冷却風路構成やダンパー装置などの温度制御装置を用い
ずに冷蔵室内で行うことができる。
【0080】なお、冷気吐出口48の風向を扉向きとし
て、扉収納部41も同様の低温帯とすることも可能であ
るが、直接口にする飲料品などの温度を下げすぎない配
慮が必要であれば本体側寄りの風向設定で、もともと温
度分布的に高い扉収納部41と本体側収納部40の温度
区分管理が行える。
【0081】(実施例4)図1、図2、図3において、
冷凍サイクルが第2の冷媒回路72を循環し第1の蒸発
器45に冷媒が流れていないとき、または圧縮機66が
停止して第1の蒸発器45に冷媒が流れていないときに
第1の送風機46が所定時間運転されるよう構成されて
いる。
【0082】このような構成において、冷蔵室37の冷
却中、すなわち第1の蒸発器45に冷媒が流れている間
は冷蔵室37内や冷蔵庫外から空気中の水分が第1の蒸
発器45に霜として着霜し、第1の蒸発器45に冷媒が
流れていないときに第1の送風機46を運転すれば付着
した霜が冷蔵室内の空気によって融解し、空気中に水分
として還元される。そして、この湿り空気を冷蔵室37
内に循環させることによって冷蔵室37内の湿度が高く
保たれる。
【0083】このため、冷蔵室37内や野菜室57、貯
蔵室59内に貯蔵される食品の乾燥が一層抑制され、さ
らなる貯蔵期間の延長や貯蔵品質の向上が可能となる。
【0084】なお、第1の送風機46の運転時間は湿度
の必要度合いや電力消費への影響度を考慮して定めれば
よく、運転時間で規定するのでなく第1の蒸発器45の
温度上昇値で規定するなどの方法をとってもよい。
【0085】(実施例5)図6は、本発明の実施例5に
よる冷蔵庫の斜視図、図7は同実施例による冷蔵庫の断
面図である。
【0086】図6、図7において、76は冷蔵庫本体で
あり、77は冷蔵室37の背面で第1の冷却室74の下
端に段差部を設けて接続した背面板である。前記背面板
77の裏面空間には冷気吸入風路78が上下にわたって
形成されており、その上端は第1の冷却室の冷気吸入口
47に連通し、下端は貯蔵室59および野菜室57の後
部空間に連通している。また、79は収納区画56に対
応して前記背面板77に形成した冷気吸入口である。
【0087】このような構成において、冷蔵室37の上
部前面の冷気吐出口48より吐出された冷気は下部に行
き渡って野菜室57,貯蔵室59を冷却した後冷気吸入
風路78に回収され第1の蒸発器45に戻される。ま
た、各収納区画56を冷却した冷気は奧部の冷気吸入口
79よりそれぞれ吸入されて同じく後冷気吸入風路78
を通って第1の蒸発器45に戻される。
【0088】このため、吐出冷気が冷蔵室37の上部で
第1の冷却室74に回収されてしまうことがなく、冷蔵
室37の下部まで確実に冷却作用を行ってから帰還する
ため冷却効率が高い。また、本体側収納部40の各収納
区画56もまんべんなく冷気が循環するため冷却むらが
生じにくく収納食品の貯蔵品質が安定する。
【0089】さらには、背面板77の裏面空間に形成す
るのが従来のように吐出風路でなく、冷蔵室内温度と近
似した温度の空気が通過する吸入風路であるため背面板
77の裏面に断熱材を必要とせず冷気吸入風路78の厚
みを薄くできる。このため冷蔵室37内の有効スペース
の侵害が少なくて済む。なお、冷気吸入風路は冷蔵室内
温度と近似しているため風路内に照明装置を設けること
も可能であり、冷蔵室中央部付近から下部にかけての照
明を強化したい場合に有効である。
【0090】(実施例6)図8は、本発明の実施例6に
よる冷蔵庫の断面図である。
【0091】図8において、80は冷蔵庫本体であり、
断熱区画壁81によって上部に冷蔵室82、下部に冷凍
室83を区画形成している。前記冷蔵室82内の天部か
ら上方後部にかけては水平部と垂直部で略L字状に形成
された前記第1の冷却室74が設けられている。また、
冷凍室83内の後部には垂直方向に前記第2の冷却室6
0が設けられている。
【0092】84は前記冷蔵室82の底部に設けられ主
として肉、魚介類等の生鮮食品を貯蔵する低温室であ
る。85は前記冷蔵室82内において前記低温室84の
上部に設けた野菜室であり、86は低温室84の後方に
設けた風路制御盤である。そして、前記風路制御盤86
の内部には前記低温室84への冷気供給量を調節して室
内温度を所定値(例えば0℃)に維持させるダンパー装
置87と、前記ダンパー装置87を介在して、前記冷凍
室83の第2の冷却室60内において第2の送風機62
の吐出側に連通する冷気吐出風路88を備えている。ま
た、89は前記低温室84を冷却した冷気を前記第2の
蒸発器61に帰還させる冷気吸入風路である。
【0093】また、90、91、92は前記冷蔵室8
2、冷凍室83、低温室84内の温度を検出して温度制
御装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温に維持さ
せる温度検出器である。
【0094】以上のように構成された冷蔵庫について、
次にその作用について説明する。
【0095】冷凍室83の温度検出器91が設定値より
高ければ、圧縮機66が運転され、このとき、冷蔵室8
2内の温度検出器90が設定値より高い温度を検出して
いれば冷媒は第1の蒸発器45、第2の蒸発器61に循
環し、第1の送風機46、第2の送風機62の強制通風
作用によって冷蔵室82、冷凍室83が冷却される。
【0096】冷蔵室82内の冷却は、第1の冷却室74
内の冷気吐出風路49を介して前面の冷気吐出口48よ
り冷蔵室82の上部前面に吐出されることによって行わ
れる。吐出された冷気は冷蔵室内前部より下方に降下
し、後部より冷気吸入口47を介して第1の冷却室74
内に回収される。このとき、野菜室85も同時に第1の
蒸発器45と第1の送風機46の冷却作用によって冷却
され、例えば冷蔵室82は4℃に野菜室85は6℃に維
持される。
【0097】一方、第2の冷却室60内に設けた第2の
蒸発器61で冷却された冷気は冷凍室83内に吐出され
て冷凍室83を例えば−18℃に冷却する。そして、冷
却された冷気の一部は、第2の送風機62の強制通風作
用で冷気吐出風路88に送り込まれる。そして、低温室
84内の温度検出器92の温度が設定値より高ければ、
ダンパー装置87が開放して冷気が吐出されて低温室8
4内が冷却され、冷気吸入風路89より第2の蒸発器6
1に戻される。その後温度検出器92の温度が設定値に
低下するとダンパー装置87が閉じ冷却作用を停止す
る。この作用を断続的に繰り返して低温室37の室内が
所定値(例えば0℃)に冷却維持される。
【0098】このように、低温室84内の冷却を冷凍室
83内に設けた第2の蒸発器61と第2の送風機62の
冷却作用に基づいて行わせるため、冷凍室冷却用の低い
蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用することがで
き、低温室84の温度を所望の低温度帯にたやすく維持
できる。このため、肉、魚介類など温度依存性の高い生
鮮食品の貯蔵が安定して行え貯蔵品質を一層高められ
る。また、例えば−3℃のパーシャルフリージングなど
より低温の設定にすることもでき、生鮮食品の長期間の
貯蔵も可能となって食生活の自由度が広がる。さらに、
蒸発温度の高い第1の蒸発器45に低温室84の冷却を
依存しないことにより、第1の蒸発器45の冷却時間が
長くなって冷蔵室82が必要以上に過冷却されるのを防
止できる。
【0099】(実施例7)図9は、本発明の実施例7に
よる冷蔵庫の断面図である。
【0100】図9において、93は冷蔵庫本体であり、
断熱区画壁94によって上部に回転式の断熱扉95を備
えた冷蔵室96とその下部に引出式の断熱扉97、収納
容器98を備えた野菜室99、下部に引き出し式の断熱
扉100、収納容器101を備えた冷凍室102とその
上部に引き出し式の断熱扉103、収納容器104を備
えた低温室105を区画形成している。
【0101】ここで、前記冷蔵室96内の天部から上方
後部にかけては水平部と垂直部で略L字状に形成された
前記第1の冷却室74が設けられている。また、冷凍室
102内の後部には垂直方向に前記第2の冷却室60が
設けられている。
【0102】そして、前記低温室105と冷凍室102
の間には断熱区画壁106が設けられ、前記低温室10
5の後方には断熱構成された風路制御盤107が設けら
れている。前記風路制御盤107の内部には前記低温室
105への冷気供給量を調節して室内温度を所定値(例
えば0℃)に維持させるダンパー装置108と、前記ダ
ンパー装置108を介在して、前記冷凍室102の第2
の冷却室60内において第2の送風機62の吐出側に連
通する冷気吐出風路109を備えている。また、110
は前記低温室105を冷却した冷気を前記第2の蒸発器
61に帰還させる冷気吸入風路である。
【0103】また、111、112、113は前記冷蔵
室96、冷凍室102、低温室105内の温度を検出し
て温度制御装置(図示せず)を通じて各室の温度を適温
に維持させる温度検出器である。
【0104】以上のように構成された冷蔵庫について、
次にその作用について説明する。
【0105】冷凍室102の温度検出器112が設定値
より高ければ、圧縮機66が運転され、このとき、冷蔵
室96内の温度検出器111が設定値より高い温度を検
出していれば冷媒は第1の蒸発器45、第2の蒸発器6
1に循環し、第1の送風機46、第2の送風機62の強
制通風作用によって冷蔵室96、冷凍室102が冷却さ
れる。
【0106】冷蔵室96内の冷却は、第1の冷却室74
内の冷気吐出風路49を介して前面の冷気吐出口48よ
り冷蔵室96の上部前面に吐出されることによって行わ
れる。吐出された冷気は冷蔵室内前部より下方に降下
し、後部より冷気吸入口47を介して第1の冷却室74
内に回収される。このとき、野菜室99も同時に第1の
蒸発器45と第1の送風機46の冷却作用によって冷却
され、例えば冷蔵室96は4℃に野菜室99は6℃に維
持される。
【0107】一方、第2の冷却室60内に設けた第2の
蒸発器61で冷却された冷気は冷凍室102内に吐出さ
れて冷凍室102を例えば−18℃に冷却する。そし
て、第2の蒸発器61で冷却された冷気の一部は、第2
の送風機62の強制通風作用で冷気吐出風路109に送
り込まれる。そして、低温室105内の温度検出器11
2の温度が設定値より高ければ、ダンパー装置108が
開放して冷気が吐出されて低温室105内が冷却され、
冷気吸入風路110より第2の蒸発器61に戻される。
その後温度検出器112の温度が設定値に低下するとダ
ンパー装置108が閉じ冷却作用を停止する。この作用
を断続的に繰り返して低温室105の室内が所定値(例
えば0℃)に冷却維持される。
【0108】このように、低温室105内の冷却を冷凍
室102内に設けた第2の蒸発器61と第2の送風機6
2の冷却作用に基づいて行わせるため、冷凍室冷却用の
低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用することが
でき、低温室105の温度を所望の低温度帯にたやすく
維持できる。
【0109】また、低温室105は、上下は断熱区画壁
94、106に、前部は断熱扉103に、奧部は断熱性
を有した風路制御盤107に囲まれているため外部から
の熱影響を受けにくく安定した温度管理が行える。この
ため、肉、魚介類など温度依存性の高い生鮮食品の貯蔵
が安定して行え貯蔵品質を一層高められる。また、例え
ば−3℃のパーシャルフリージングなどより低温の設定
にすることもでき、生鮮食品の長期間の貯蔵も可能とな
って食生活の自由度が広がる。
【0110】さらに、低温室105に独立した専用の扉
103を設けて収納容器104を引き出して使う構成と
したことで、使い易い高さで独立して食品の出し入れが
できて使い勝手がよく、風路制御盤107を使いにくい
奥部に納めたことで冷蔵室96下部の収納性が高まり、
本実施例においては野菜室99の奥行きが十分確保でき
て収納性が高められる。
【0111】(実施例8)図9の低温室105におい
て、図示しないスイッチなどの温度切換装置でダンパー
装置108の開放率を変化させて冷蔵温度帯から冷凍温
度帯まで温度切換可能な温度切換室としたものであり、
使用者の任意の温度帯選択により温度検出器112の検
出温度に基づいてダンパー装置108が開閉動作を繰り
返して所望の温度帯に室内を冷却維持する。
【0112】このため、冷凍室102内に設けた第2の
蒸発器61と第2の送風機62の冷却作用に基づくため
冷凍室冷却用の低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を
利用することができ、冷蔵から冷凍まで幅広い温度帯を
無理なく切り換えられる冷却能力が得られる。そして、
使用者の食生活に合わせて食品貯蔵の自由度が高められ
る。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明は、断熱区画壁によって、本体上部に複数の棚を備え
た冷蔵室を、本体下部に冷凍室を区画形成し、冷蔵室の
上方後部と天部に設けた略L字状の第1の冷却室に垂直
方向に設置された第1の蒸発器及びその上方に設けた第
1の送風機と、第1の冷却室内の上部に形成され前面に
冷気吐出口を備えた冷気吐出風路と、本体下部後方にあ
って冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、この機械
室の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内に垂直
方向に設置された第2の蒸発器及びその上方に設けた第
2の送風機よりなるものであり、冷蔵室は第1の蒸発器
及び第1の送風機、冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送
風機でそれぞれの貯蔵温度に見合って冷却されて冷凍サ
イクルの効率が高まり、さらに冷却風路もそれぞれの室
内で簡素化されて冷却効率が高まって電力消費を低減さ
せることができる。
【0114】また、風路が簡素化されて有効な内容積が
拡大する。従来使い勝手の悪かった冷蔵室上方後部及び
天部に第1の冷却室を設けたため実質的な内容積への影
響はさらに軽減され、使用者の手の届きやすい使用頻度
の高い収納範囲の使い勝手が改善される。
【0115】また、冷凍室専用の蒸発器とすることで冷
凍室後部の第2の蒸発器が小型化でき、冷蔵室内の使い
やすい高さの収納範囲(中央部及び下部)が拡大して使
い勝手が向上する。
【0116】また、冷蔵室は専用の第1の蒸発器を設け
ているため室内温度に合わせて蒸発温度を高くでき、収
納食品の乾燥が抑制され貯蔵品質が高まる。
【0117】また、冷蔵室内前部の温度上昇、室内後部
の過冷却が抑制され、従来前部が高く、後部が低いとい
う室内の温度むらが縮小されて貯蔵品質が安定する。さ
らに、冷凍室とは独立して冷却されるため、第2の蒸発
器の除霜による温度上昇の影響を受けず貯蔵品質が高ま
る。
【0118】また、冷凍室も専用の第2の蒸発器で冷蔵
室とは独立して冷却されるため、貯蔵温度が高く、収納
負荷の多い冷蔵室の影響を直接受けず安定した貯蔵品質
が得られる。
【0119】請求項2に記載の発明は、断熱区画壁によ
り上部に複数の棚を備えた冷蔵室とその下に野菜室を、
下部に冷凍室を区画形成して各室に独立した扉を設け、
冷蔵室の上方後部から天部にかけて設けた第1の冷却室
内の垂直方向に第1の蒸発器と第1の送風機を設け、第
1の冷却室内の上部に冷気吐出風路と前面に形成した冷
気吐出口を備え、冷蔵庫本体の下部後方の機械室上方で
冷凍室の後方に設けた第2の冷却室内の垂直方向に第2
の蒸発器と第2の送風機を設け、第1の蒸発器及び第1
の送風機で冷蔵室と野菜室を冷却し、第2の蒸発器及び
第2の送風機で冷凍室を冷却するよう構成したものであ
り、冷蔵室と野菜室は第1の蒸発器及び第1の送風機、
冷凍室は第2の蒸発器及び第2の送風機でそれぞれの貯
蔵温度に見合って冷却されて冷凍サイクルの効率が高ま
ると同時に冷蔵室と野菜室は室内温度に合わせて専用の
蒸発器で蒸発温度を高くできる分、蒸気圧差が縮小さ
れ、収納食品の乾燥も抑制される
【0120】また、風路が簡素化されて特に野菜室の奥
面の無効スペースが排除されて収納容積が拡大するとと
もに、冷蔵庫の中央部の使いやすい高さで独立した扉を
備え野菜室の使い勝手が改善される。
【0121】請求項に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の発明に、さらに、第1の冷却室の両側
部に設けられ第1の蒸発器、冷気吐出風路とは区画して
形成された透光板に覆われた略L字状の照明室と、この
照明室内に設けた少なくとも一対の照明装置とよりなる
ものであり、冷蔵室内が立体的に照明されて前面から奧
面にかけて照明のむらが少なくなり、従来の室内奧面か
らのみの照明のように手前に置かれた収納物によって照
明が遮られてしまうこともない。そして、第1の冷却室
の構造体を利用してコンパクトに照明を組み込んでいる
ためスペースが有効活用でき、外観的な見栄えもよく、
また製造工程での組立も簡単に行える。
【0122】請求項に記載の発明は、請求項に記載
の発明において、一対の照明装置を略L字状の照明室の
折曲部近傍に備えたものであり、透光板が照明装置の設
置位置より冷蔵室天面と上部奧面にわたってL字状に設
けられているため冷蔵室の上部前面と上部奧面より立体
的に照明される。このため、照明装置が一対のみであっ
ても冷蔵室内の前面から奧面にかけて照明のむらが少な
くなり、効率の高い合理的な照明が可能となる。
【0123】請求項に記載の発明は、請求項1から請
求項のいずれか一項に記載の発明において、第1の冷
却室の下端面を棚と略同一面になるよう配置したもので
あり、棚の奧部に中途半端な無効スペースを作らず、外
観上の見栄えも害さない。
【0124】請求項に記載の発明は、請求項1から請
求項のいずれか一項に記載の発明にさらに、第1の冷
却室の下端面より段差部を形成し、冷蔵室背面に沿って
下方に延出する冷気吸入風路を設けたものであり、冷気
が冷蔵室の下部まで確実に冷却作用を行ってから帰還す
るため冷却効率が高い。
【0125】さらには、断熱材を必要とせず風路の厚み
を薄くできるため冷蔵室内の有効スペースの侵害が少な
くて済む。
【0126】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、棚で上下に区画された収納区画に対応
して冷気吸入風路に冷気吸入口を設けたものであり、本
体側収納部の各収納区画もまんべんなく冷気が循環する
ため冷却むらが生じにくく収納食品の貯蔵品質が安定す
る。
【0127】請求項に記載の発明は、請求項1または
に記載の発明において、冷蔵室内の少なくとも本体側
収納部の温度設定を0〜3℃の低温度帯としたものであ
り、温度依存性の高い肉、魚、野菜などの生鮮食品の貯
蔵が特別な冷却風路構成やダンパー装置などの温度制御
装置を用いずに冷蔵室内で行うことができる。
【0128】請求項9に記載の発明は、請求項1または
に記載の発明にさらに、生鮮食品等を収納する低温室
と、第2の蒸発器から第2の送風機で送られた冷気を調
節するダンパー装置を設けて、前記ダンパー装置で前記
低温室を温度制御するよう構成したものであり、冷凍室
冷却用の低い蒸発温度で熱交換した低温の冷気を利用す
ることができ、低温室の温度を所望の低温度帯にたやす
く維持できる。このため、肉、魚介類など温度依存性の
高い生鮮食品の貯蔵が安定して行え貯蔵品質を一層高め
られる。さらに、蒸発温度の高い第1の蒸発器に低温室
の冷却を依存しないことにより、第1の蒸発器の冷却時
間が必要以上に長くならず冷蔵室が過冷却されない。
【0129】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の発明において、冷蔵室と冷凍室間に、上下は断熱区
画壁、奥部はダンパー装置を備えた風路制御盤、前部は
独立した断熱扉でそれぞれ区画形成された低温室を設け
たものであり、冷凍室冷却用の低い蒸発温度で熱交換し
た低温の冷気を利用することができ、低温室の温度を所
望の低温度帯にたやすく維持できる。
【0130】また、周囲を断熱材で囲まれて外部からの
熱影響を受けにくく、安定した温度管理が行える。この
ため、肉、魚介類など温度依存性の高い生鮮食品の長期
間の貯蔵も可能となって食生活の自由度が広がる。
【0131】さらに、使い易い高さで独立して食品の出
し入れができて使い勝手がよく、風路制御盤を使いにく
い奥部に納めたことで冷蔵室下部の収納性が高められ
る。
【0132】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の発明において、低温室をダンパー装置で冷蔵温度
帯から冷凍温度帯まで温度切換可能な温度切換室とした
ものであり、冷凍室冷却用の第2の蒸発器で冷却するた
め冷蔵から冷凍まで幅広い温度帯を無理なく温度切換す
る冷却能力が得られ、使用者の食生活に合わせて食品貯
蔵の自由度が高まる。
【0133】請求項12に記載の発明は、請求項1また
請求項2または請求項8に記載の発明において、第1
の蒸発器に冷媒が循環しない時にも、第1の送風機を運
転するよう構成したものであり、冷媒循環時に第1の蒸
発器についた霜を冷蔵室内の空気で融解し、室内へ還元
することによって冷蔵室内の湿度が高められる。そし
て、冷蔵室内に貯蔵される食品の乾燥が一層抑制され、
さらなる貯蔵期間の延長や貯蔵品質の向上が可能とな
る。
【0134】請求項13に記載の発明は、請求項1また
請求項2または請求項12に記載の発明において、圧
縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第1の蒸発器、
第2の蒸発器を環状に接続した第1の冷媒回路と、前記
冷媒回路の前記切換弁と前記第1の減圧器の間より第2
の減圧器を介して前記第2の蒸発器にバイパスし、圧縮
機、凝縮器、第1の減圧器、切換弁、第2の減圧器、第
2の蒸発器を環状に接続した第2の冷媒回路を構成した
冷凍サイクルを備えたものであり、冷蔵室と冷凍室の冷
却回路の切換を切換弁一つで簡便に行え、冷凍サイクル
の効率向上による電力消費の低減や冷蔵室、冷凍室の貯
蔵品質の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷蔵庫の実施例1の斜視図
【図2】本発明による冷蔵庫の実施例1の断面図
【図3】本発明による冷蔵庫の実施例1の冷凍サイクル
【図4】本発明による冷蔵庫の実施例2の斜視図
【図5】本発明による冷蔵庫の実施例2の断面図
【図6】本発明による冷蔵庫の実施例5の斜視図
【図7】本発明による冷蔵庫の実施例5の断面図
【図8】本発明による冷蔵庫の実施例6の断面図
【図9】本発明による冷蔵庫の実施例7の断面図
【図10】従来例の冷蔵庫の断面図
【図11】従来例の冷蔵庫の冷凍サイクル図
【符号の説明】 32 冷蔵庫本体 36 断熱区画壁 37 冷蔵室 38 冷凍室 40 本体側収納部 44 第1の冷却室 45 第1の蒸発器 46 第1の送風機 48 冷気吐出口 49 冷気吐出風路 50 照明室 52、53 照明装置 54 透光板 55 棚 57 野菜室 60 第2の冷却室 61 第2の蒸発器 62 第2の送風機 66 圧縮機 67 凝縮器 68 第1の減圧器 69 切換弁 70 第2の減圧器 71 第1の冷媒回路 72 第2の冷媒回路 74 第1の冷却室 75 照明装置 78 冷気吸入風路 79 冷気吸入口 81 断熱区画壁 82 冷蔵室 83 冷凍室 84 低温室 87 ダンパー装置 92 低温室の温度検出器 94 断熱区画壁 96 冷蔵室 102 冷凍室 103 断熱扉 105 低温室 106 断熱区画壁 107 風路制御盤 108 ダンパー装置 113 低温室の温度検出器

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷蔵庫本体内を上下に区画する断熱区画
    壁と、前記断熱区画壁によって、前記冷蔵庫本体上部に
    区画形成され複数の棚を備えた冷蔵室と、前記冷蔵庫本
    体下部に区画形成された冷凍室と、前記冷蔵室の上方後
    部から天部にかけて設けた第1の冷却室と、前記第1の
    冷却室内の後部に垂直方向に設置された第1の蒸発器
    と、前記第1の蒸発器の上方に設けた第1の送風機と、
    前記第1の冷却室内の上部に形成され前記冷蔵室内の天
    部に設けた冷気吐出風路と、前記冷気吐出風路の前面に
    形成した冷気吐出口と、前記冷蔵庫本体下部後方にあっ
    て冷凍サイクルの圧縮機を備えた機械室と、前記機械室
    の上方で冷凍室の後方に設けた第2の冷却室と、前記第
    2の冷却室内に垂直方向に設置された第2の蒸発器と、
    前記第2の蒸発器の上方に設けた第2の送風機とを設け
    た冷蔵庫。
  2. 【請求項2】 第1の冷却室の両側部に設けられ第1の
    蒸発器、冷気吐出風路とは区画して形成された側面から
    見て略L字状の照明室と、前記照明室を室内側より覆う
    透光板と、前記照明室内に設けた少なくとも一対の照明
    装置とを設けた請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 【請求項3】 一対の照明装置を照明室の折曲部近傍に
    備えた請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 【請求項4】 第1の冷却室の下端面を棚と略同一面に
    なるよう配置した請求項1から請求項3のいずれか一項
    に記載の冷蔵庫。
  5. 【請求項5】 第1の冷却室の下端面より段差部を形成
    し、冷蔵室背面に沿って下方に延出する冷気吸入風路を
    設けた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷
    蔵庫。
  6. 【請求項6】 棚で上下に区画された収納区画に対応し
    て冷気吸入風路に冷気吸入口を設けた請求項5に記載の
    冷蔵庫。
  7. 【請求項7】 野菜、果物等を収納する野菜室を設け
    て、第1の蒸発器および第1の送風機で冷却するよう構
    成した請求項1に記載の冷蔵庫。
  8. 【請求項8】 冷蔵室内の少なくとも冷蔵庫本体側収納
    部の温度設定を0〜3℃の低温度帯とした請求項1また
    は7に記載の冷蔵庫。
  9. 【請求項9】 生鮮食品等を収納する低温室と、第2の
    蒸発器から第2の送風機で送られた冷気を調節するダン
    パー装置を設けて、前記ダンパー装置で前記低温室を温
    度制御するよう構成した請求項1または7に記載の冷蔵
    庫。
  10. 【請求項10】 冷蔵室と冷凍室間に、上下は断熱区画
    壁、奥部はダンパー装置を備えた風路制御盤、前部は独
    立した断熱扉でそれぞれ区画形成された低温室を設けた
    請求項9に記載の冷蔵庫。
  11. 【請求項11】 低温室は、ダンパー装置で冷蔵温度帯
    から冷凍温度帯まで温度切換可能な温度切換室とした請
    求項10に記載の冷蔵庫。
  12. 【請求項12】 第1の蒸発器に冷媒が循環しない時に
    も、第1の送風機を運転するよう構成した請求項1また
    は7または8に記載の冷蔵庫。
  13. 【請求項13】 圧縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換
    弁、第1の蒸発器、第2の蒸発器を環状に接続した第1
    の冷媒回路と、前記冷媒回路の前記切換弁と前記第1の
    減圧器の間より第2の減圧器を介して前記第2の蒸発器
    にバイパスし、圧縮機、凝縮器、第1の減圧器、切換
    弁、第2の減圧器、第2の蒸発器を環状に接続した第2
    の冷媒回路を構成した冷凍サイクルを備えた請求項1ま
    たは12に記載の冷蔵庫。
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