JP2003194449A - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度帯を切換可能な貯蔵室を備えた冷蔵庫に
おいて、貯蔵室を仕切る断熱材の厚みを薄くして貯蔵量
を大きく取れるようにすること。 【解決手段】 冷蔵室５の内部に断熱材１５Ａで仕切ら
れた断熱貯蔵室１５を設け、この断熱貯蔵室１５に冷気
を供給する冷気供給ダクト１７ＢにダンパーＣＤを設け
るとともに、断熱貯蔵室１５には専用の冷気戻りダクト
２２を接続し、断熱貯蔵室内部の室温を検知する温度セ
ンサ２９によりダンパーＣＤを開閉させる制御装置を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパーにより室
温を冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで切換可能な温度切換
室を備えた冷蔵庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の冷蔵庫は、冷蔵室、冷凍室等の
貯蔵室とは別に、断熱材にて仕切られた温度切換室が設
けられており、この切換室を仕切る断熱材の厚みを大き
くしなければならないため、大型になる割には貯蔵量が
然程大きくならない欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、温度
帯を切換可能な貯蔵室を備えた冷蔵庫において、貯蔵室
を仕切る断熱材の厚みを薄くして貯蔵量を大きく取れる
ようにすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このため第１の発明は、
冷蔵室の内部に断熱材で仕切られた断熱貯蔵室を設け、
この断熱貯蔵室に冷気を供給する冷気供給ダクトにダン
パーを設けるとともに、断熱貯蔵室には専用の冷気戻り
ダクトを接続し、断熱貯蔵室内部の室温を検知する温度
センサにより前記ダンパーを開閉させる制御装置を備え
たことを特徴とする。

【０００５】また第２の発明は、第１の発明の冷蔵庫に
おいて、前記制御装置は、前記断熱貯蔵室の室温を冷凍
温度帯から冷蔵温度帯まで切換可能に制御することを特
徴とする。

【０００６】更に第３の発明は、冷蔵室と冷凍室とを備
え、冷蔵室と冷凍室とにそれぞれ冷気を供給する２つの
冷気供給ダクトにそれぞれ冷却器及び送風機を有する冷
蔵庫であって、冷蔵室の内部に断熱材で仕切られた断熱
貯蔵室を設け、冷蔵室に冷気を供給する冷気供給ダクト
から分岐して前記断熱貯蔵室に冷気を供給するダクトに
ダンパーを設けると共に、前記断熱貯蔵室には専用の冷
気戻りダクトを接続し、前記断熱貯蔵室内部の室温を検
知する温度センサにより前記ダンパーを開閉させる制御
装置を備えたことを特徴とする。

【０００７】また第４の発明は、第３の発明の冷蔵庫に
おいて、前記制御装置は、前記断熱貯蔵室の室温を冷凍
温度帯から冷蔵温度帯まで切換可能に制御することを特
徴とする。

【０００８】また、第５の発明は、第３又は第４の発明
の冷蔵庫において、前記制御装置は、冷凍室用の冷却器
のみに冷媒が流れているとき、もしくは圧縮機が停止し
ているときに前記ダンパーを開き、かつ冷蔵室用の送風
機を運転して前記断熱貯蔵室を加湿するようにしたこと
を特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき説明する。１はそれぞれ前面扉が設けられた複数
の食品貯蔵室から成る冷蔵庫本体で、外箱２と内箱３及
び両箱間に充填された発泡ウレタン等の断熱材４により
構成されている。この冷蔵庫本体１の内部は断熱作用の
ある仕切壁８、９、１０により仕切られ、上部より冷蔵
室５、野菜室６、第1冷凍室７Ａ及び第２冷凍室７Ｂを
備えている。

【００１０】前記冷蔵室５の前面開口は開閉可能な回動
式の冷蔵室扉１１により閉塞可能であり、野菜室６、第
１冷凍室７Ａ、第２冷凍室７Ｂは引出し式の野菜室扉１
２、第１冷凍室扉１３Ａ、第2冷凍室扉１３Ｂにより夫
々閉塞されている。前記の各扉は、夫々鋼板から成る扉
外箱と硬質樹脂材料から成る扉内箱との間に発泡ウレタ
ン等の断熱材を充填して構成される。

【００１１】前記冷蔵室５内の下部には、仕切壁８、
９、１０に比べて肉薄の断熱壁１５Ａにて区画された断
熱貯蔵室１５が設けられている。この断熱貯蔵室１５
は、後述するように、使用者の選択により例えば６℃程
度の温度環境（冷蔵）からマイナス７℃程度（冷凍）ま
での温度環境とすることができるようにしてある。

【００１２】前記冷蔵室５には所定間隔を存して食品等
を載置する複数の棚１９が配設され、本体背面とダクト
形成板１６Ａとにより形成されたダクト１７Ａの吹出口
１８から冷気が供給され、食品等を冷蔵保存することが
可能である。

【００１３】前記断熱貯蔵室１５には、ダクト１７から
分岐したダクト１７Ｂが接続され、ダクト１７Ａ及びダ
クト１７Ｂの分岐部にはそれぞれモータダンパーからな
る冷蔵室ダンパーＲＤ及び切換室ダンパーＣＤが設けら
れている。

【００１４】これらのダンパーＲＤ及びＣＤより手前の
ダクト１７には、第1冷却器２３Ａと第１送風機２４Ａ
が設けられ、断熱貯蔵室１５に接続された専用の冷気戻
りダクト２２が第１冷却器２３Ａより上流側のダクト１
７の冷気戻り口２５に接続されている。

【００１５】前記第１送風機２４Ａが運転すると、第１
冷却器２３Ａで冷却されたダクト１７の冷気は、分岐部
から冷蔵室ダンパーＲＤを通ってダクト１７Ａに入り、
吹出口１８から冷蔵室５に供給される。

【００１６】冷蔵室５を通過した冷気は、ダクト１７の
吹出口２０から流出した冷気と合流して野菜室６に供給
される。野菜室６の冷気は冷気戻り口２６からダクト１
７に戻る．そして、ダクト１７から切換室ダンパーＣＤ
を通ってダクト１７Ｂに入った冷気は断熱貯蔵室１５に
供給され、断熱貯蔵室１５の冷気は専用の冷気戻りダク
ト２２を通り、冷気戻り口２５からダクト１７に戻る．
前記冷凍室７Ａ及び７Ｂの後方部にダクト形成板１６Ｂ
と本体背壁との間に形成された第２のダクト２１内に第
２冷却器２３Ｂ及び第２送風機２４Ｂが設けられてい
る。

【００１７】第２送風機２４Ｂが運転すると、第２冷却
器２３Ｂにより冷却された冷気はダクト２１から分流し
て冷凍室７Ａ及び７Ｂに供給され、冷凍室７Ａ及び７Ｂ
の冷気はそれぞれダクト２１の第２冷却器２３Ｂの上流
側に戻される。

【００１８】尚、当該冷蔵庫には公知の冷凍サイクルユ
ニットが設けられる。従って、冷蔵庫本体１の底部に設
けられた圧縮機２７が冷媒を吸入圧縮して高温高圧に
し、この圧縮機２７からの高温高圧のガス状冷媒を凝縮
器が凝縮し、キャピラリーチューブにより低温低圧とな
った冷媒を前記冷却器２３Ａ及び２３Ｂに分流して気化
させた後、圧縮機２７に戻すようにしている。そして、
冷蔵室５、断熱貯蔵室１５及び第１冷凍室７Ａには、そ
れぞれ温度センサ２８、２９、３０が設けられ、後述す
る制御装置により圧縮機２７、第１送風機２４Ａ、第２
送風機２４Ｂ、冷蔵室ダンパーＲＤ及び切換室ダンパー
ＣＤを制御し、冷蔵室５の室温をプラス５℃程度の温度
帯にし、断熱貯蔵室１５を後述するようにマイナス７℃
の冷凍温度帯からプラス６℃の冷蔵温度帯までの温度に
切換制御し、冷凍室７Ａ及び７Ｂをマイナス１８℃程度
の温度帯に制御するようにしている。

【００１９】図２は冷蔵庫の制御装置のブロック図であ
る。マイクロコンピュータ（以下「マイコン」という）
３１の入力端子には、変更スイッチ３２、断熱貯蔵室１
５に設けられた切換室温度センサ２９を備えた切換室温
度検知手段３３、冷蔵室５に設けられた冷蔵室温度セン
サ２８を備えた冷蔵室温度検知手段３４、冷凍室７Ａに
設けられた冷凍室温度センサ３０を備えた冷凍室温度検
知手段３５が接続され、出力端子には駆動手段３６及び
回転数制御手段３７を介して圧縮機２７が接続され、駆
動手段３８及び回転数制御手段３９を介して第１送風機
２４Ａが接続され、駆動手段４０及び回転数制御手段４
１を介して第２送風機２４Ｂが接続され、駆動手段４２
を介して切換室ダンパーＣＤが接続され、駆動手段４３
を介して冷蔵室ダンパーＲＤが接続されている。

【００２０】以上の構成において、通常は前記冷凍室温
度センサ３０を備えた冷凍室温度検知手段３５によっ
て、前記圧縮機２７及び第２送風機２４Ｂが運転制御さ
れ、前記冷凍室７Ａ及び７Ｂがマイナス１８℃程度に維
持される。

【００２１】そして、断熱貯蔵室１５に設けられた切換
室温度センサ２９を備えた切換室温度検知手段３３によ
って切換室ダンパーＣＤが開閉制御されて冷気流入量が
制御され、断熱貯蔵室１５は室温が変更スイッチ３２で
指示された室温（マイナス７℃〜プラス６℃の間の温
度）になるように制御され、更に冷蔵室５に設けられた
冷蔵室温度センサ２８を備えた冷蔵室温度検知手段３４
によって冷蔵室ダンパーＲＤが開閉制御されて冷気流入
量が制御され、冷蔵室５もプラス５℃程度に維持され
る。

【００２２】このように、冷蔵室５の内部に断熱壁１５
Ａで仕切られた断熱貯蔵室１５を設け、断熱貯蔵室１５
の室温が変更スイッチ３２にて指示された温度になるよ
うに切換室ダンパーＣＤにてダクト１７Ｂに流入する冷
気の量を制御するようにしたので、断熱貯蔵室１５の室
温をマイナス７℃の冷凍温度帯からプラス６℃の冷蔵温
度帯まで幅広く、かつ緻密に温度制御することができ、
用途に応じて断熱貯蔵室１５の室温を切換えることがで
き、使い勝手が良い。

【００２３】しかも、冷蔵室５の中に断熱貯蔵室１５を
設けているので、断熱壁１５Ａの厚さを薄くすることが
でき、貯蔵室の内容積を大きくできることになる。

【００２４】また、断熱貯蔵室１５には、専用の冷気戻
りダクト２２を接続し、断熱貯蔵室１５の冷気と冷蔵室
５の冷気とを別々に戻すようにしたので、双方の温度差
が大きい場合でも、冷気戻り経路内で結露を生じる心配
がない。

【００２５】また、２つの冷却器２３Ａ及び２３Ｂを有
する冷蔵庫では、圧縮機２７が停止しているとき、もし
くは、第２冷却器２３Ｂのみに冷媒が供給されていると
きに、切換室ダンパーＣＤを開き、第１送風機２４Ａを
運転するようにすれば、第１冷却器２３Ａに付着した水
分を含む空気を断熱貯蔵室１５に供給して高湿状態にす
ることができ、断熱貯蔵室１５で野菜や果物を保存する
ことも可能である。

【００２６】以上本発明の実施形態について説明した
が、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替
例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸
脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包
含するものである。

【００２７】

【発明の効果】以上のように本発明は、冷蔵室の内部に
断熱材で仕切られた断熱貯蔵室を設け、断熱貯蔵室の室
温を検知し、ダンパーを制御して断熱貯蔵室に流入する
冷気の量を調整するようにしたので、断熱貯蔵室の室温
を冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで幅広く、かつ緻密に温
度制御することができ、用途に応じて断熱貯蔵室の室温
を切換えることができ、使い勝手が良いものであり、し
かも、断熱材の厚さを薄くすることができ、貯蔵室の内
容積を大きくとれるものである。

【００２８】また、断熱貯蔵室には、専用の冷気戻りダ
クトを接続してあるので、断熱貯蔵室と冷蔵室の温度差
が大きい場合でも、冷気戻り経路内で結露を生じる心配
がない。

【００２９】特に、２つの冷却器を有する冷蔵庫におい
ては、圧縮機が停止しているとき、もしくは、冷凍室用
の冷却器のみに冷媒が供給されているときに、断熱貯蔵
室用のダンパーを開き、冷蔵室用の送風機を運転するよ
うにすれば、冷蔵室用の冷却器に付着した水分を含む空
気を断熱貯蔵室に供給して高湿状態にすることができ、
断熱貯蔵室で野菜や果物を保存することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】冷蔵庫の縦断面図である。

【図２】冷蔵庫の制御ブロック図である。

【符号の説明】

５ 冷蔵室 ７Ａ、７Ｂ 冷凍室 １５ 断熱貯蔵室 １５Ａ 断熱壁（断熱材） １７ 冷気供給ダクト ２２ 冷気戻りダクト ２３Ａ、２３Ｂ 冷却器 ２４Ａ、２４Ｂ 送風機 ２７ 圧縮機 ２９ 温度センサ ＣＤ 切換室ダンパー（ダンパー）

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷蔵室の内部に断熱材で仕切られた断熱
   貯蔵室を設け、この断熱貯蔵室に冷気を供給する冷気供
   給ダクトにダンパーを設けるとともに、断熱貯蔵室には
   専用の冷気戻りダクトを接続し、断熱貯蔵室内部の室温
   を検知する温度センサにより前記ダンパーを開閉させる
   制御装置を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
2. 【請求項２】 前記制御装置は、前記断熱貯蔵室の室温
   を冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで切換可能に制御するこ
   とを特徴とする請求項１に記載の冷蔵庫。
3. 【請求項３】 冷蔵室と冷凍室とを備え、冷蔵室と冷凍
   室とにそれぞれ冷気を供給する２つの冷気供給ダクトに
   それぞれ冷却器及び送風機を有する冷蔵庫であって、冷
   蔵室の内部に断熱材で仕切られた断熱貯蔵室を設け、冷
   蔵室に冷気を供給する冷気供給ダクトから分岐して前記
   断熱貯蔵室に冷気を供給するダクトにダンパーを設ける
   と共に、前記断熱貯蔵室には専用の冷気戻りダクトを接
   続し、前記断熱貯蔵室内部の室温を検知する温度センサ
   により前記ダンパーを開閉させる制御装置を備えたこと
   を特徴とする冷蔵庫。
4. 【請求項４】 前記制御装置は、前記断熱貯蔵室の室温
   を冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで切換可能に制御するこ
   とを特徴とする請求項３に記載の冷蔵庫。
5. 【請求項５】 前記制御装置は、冷凍室用の冷却器のみ
   に冷媒が流れているとき、もしくは圧縮機が停止してい
   るときに前記ダンパーを開き、かつ冷蔵室用の送風機を
   運転して前記断熱貯蔵室を加湿するようにしたことを特
   徴とする請求項３又は請求項４に記載の冷蔵庫。