JP2000220922A - 吸収式冷凍装置 - Google Patents

吸収式冷凍装置

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JP2000220922A
JP2000220922A JP11019028A JP1902899A JP2000220922A JP 2000220922 A JP2000220922 A JP 2000220922A JP 11019028 A JP11019028 A JP 11019028A JP 1902899 A JP1902899 A JP 1902899A JP 2000220922 A JP2000220922 A JP 2000220922A
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hydrogen gas
electric heater
gas storage
gas
absorption
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JP11019028A
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Yasuhei Hayashi
泰平 林
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Rinnai Corp
Original Assignee
Rinnai Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラジウムセルの脆化を防止し、長期間に亙
って安定して運転する。 【解決手段】 メインタンク部73の入口にガス貯蔵弁
72を設け、冷房運転の開始時には、ガス貯蔵弁72を
閉弁したままメインタンク部73に接続した水素ガス放
出器80の電気ヒータ84の通電を開始し、所定時間経
過後にガス貯蔵弁72の開閉制御を開始する。冷房運転
の終了時には、ガス貯蔵弁72の開閉制御のみを終了し
てガス貯蔵弁72を閉弁し、所定時間経過後に、電気ヒ
ータ84の通電を停止する。水素ガス放出管83の昇温
及び降温は、水素ガス放出用容器82内に水素ガスがな
いとき行われるため、脆化を防止できる。運転停止時、
待機中に電気ヒータ84を通電しないため、省エネでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臭化リチウムなど
の水溶液を吸収液とする吸収サイクルを形成した吸収式
冷凍装置における不凝縮性ガス(水素ガス)の保管及び
大気中への放出に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収サイクルを用いた吸収式冷凍装置と
して、例えば、再生器と蒸発器との間を連通する暖房用
吸収液流路中に冷暖切替え弁が設けられた吸収式空調装
置では、冷房運転時には、冷暖切替え弁が閉弁制御さ
れ、再生器においてバーナで低濃度吸収液を加熱して沸
騰させ、高濃度吸収液と冷媒蒸気とを分離し、冷媒蒸気
は凝縮器で冷却されて冷媒液となる。高濃度吸収液が吸
収器において吸収コイルの表面に散布され、また、冷媒
液が蒸発器において蒸発コイルに散布されると、蒸発コ
イル表面では、冷媒液が蒸発コイル内を通過する冷温水
から気化熱を奪って蒸発し、蒸発コイルで熱が奪われた
冷温水は、ポンプの作動により冷却対象に設けられた熱
交換器を循環して冷却対象における冷却源となる。熱交
換器で逆に温度が上昇した冷温水は、蒸発コイルで再び
冷却される。
【0003】吸収コイル表面では、高濃度吸収液が冷媒
蒸気を吸収して発熱する。吸収コイルの表面で吸収液が
冷媒蒸気を吸収する際に発生した熱は、吸収コイル内を
ポンプの作動により通過する排熱用冷却水により、外部
に設けられた冷却塔へ移動し、冷却塔で放出される。吸
収器において冷媒を吸収して低濃度化した吸収液は、吸
収液ポンプによって再生器に戻るように、吸収サイクル
が構成されている。他方、暖房運転時には、再生器と蒸
発器との間を連通する暖房用吸収液流路中に設けられた
冷暖切替え弁が開弁制御されて、再生器で加熱された高
温の吸収液が蒸発器へ供給されるため、蒸発コイル内の
冷温水が加熱されて暖房対象の加熱源となる。
【0004】上記構成において、吸収サイクルを構成す
る再生器等の各器具及び配管には、臭化リチウムに対し
て耐蝕性が強いステンレス材及び銅材が用いられてお
り、また、吸収液内には、各器具の腐食を防止するため
のインヒビター(腐食抑制剤)が含まれている。
【0005】しかし、これらによって吸収サイクル内の
各器具及び配管内の化学反応を完全に無くすことはでき
ず、吸収液と各構成器具との化学反応によって不凝縮性
ガス(具体的には水素ガスである)が発生し、吸収サイ
クルで低圧となっている吸収器内及び蒸発器内に蓄積さ
れる。吸収サイクル内の不凝縮性ガスは、特に冷房運転
において、冷却能力の低下を招く。
【0006】このため、吸収サイクル内で発生した不凝
縮性ガスを、運転時に蒸発器及び吸収器を内蔵する蒸発
吸収ケース内で抽気して、吸収サイクルから分岐したガ
ス貯蔵タンク内に保管し、さらに、装置の小型化の要求
からガス貯蔵タンクの容量を抑制するために、パラジウ
ム合金を用いたパラジウムセルによってガス貯蔵タンク
内の水素ガスを外部(大気中)へ放出する水素ガス放出
器を設けている。
【0007】水素ガス放出器は、例えば、管状を呈した
パラジウムセルを、ガス貯蔵タンクと連通した小容器に
貫通させて、管の外側は水素ガスが貯蔵された小容器内
に面し、管の内側が大気に開放されるようにしてろう付
けなどによって小容器に接合し、さらに、パラジウムセ
ルを昇温させるための電気ヒータなどを設けて、昇温し
たパラジウムセルによって小容器内の水素ガスがパラジ
ウムセルの管の内側へ透過して、管の内側を介して大気
気中へ放出させるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり構成され
た吸収式空調装置において、管状のパラジウムセルは、
水素雰囲気中での昇温、降温によって脆くなり易く、脆
化が著しい。このため、小容器が接合されたろう付け部
などでは、亀裂が発生し易くなり、高真空度を要求され
る吸収サイクルの維持に支障をきたす可能性がある。
【0009】従来、こうしたパラジウムセルを用いて水
素ガスを大気中へ放出するようにした吸収式冷凍装置
は、主に、常時電源が投入されているビルなどのオフィ
ス用のものであり、そうしたものでは、パラジウムセル
を昇温させるための電気ヒータにも、常時、電力が供給
されていて、水素雰囲気中での昇温、降温は行われない
ため、特別の対策は、一切施されていなかった。
【0010】しかしながら、吸収式冷凍装置を家庭用の
冷暖房用に用いる場合には、運転待機中の消費電力を極
力少なくすることが要求されるとともに、冷暖房を使わ
ない場合には、電源コンセントからコードが抜かれるこ
ともありうるため、パラジウムセルを電気ヒータによっ
て常時昇温させることができず、こうした使用条件でも
パラジウムセルの脆化を防ぐための有効な対策が必要で
ある。
【0011】本発明は、水素ガスを大気中に放出するた
めのパラジウムセルを備えた吸収式冷凍装置において、
パラジウムセルの脆化を防止し、長期間に亙って安定し
た運転を確保することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1で
は、冷媒を含む吸収液を加熱して該吸収液から冷媒蒸気
を分離させる再生器と、該再生器によって分離した前記
冷媒蒸気を冷却して凝縮させる凝縮器と、該凝縮器で凝
縮した冷媒を低圧下で蒸発させて冷却源とする蒸発器
と、該蒸発器を形成する蒸発吸収ケース内で前記蒸発器
に並設され、該蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を前記再生器
から供給される吸収液に吸収させる吸収器と、該吸収器
から前記再生器へ吸収液を戻すポンプとから吸収サイク
ルを形成し、前記蒸発吸収ケース内の不凝縮性ガスを抽
出する不凝縮性ガス抽気装置と、該不凝縮性ガス抽気装
置によって抽出した不凝縮性ガスを貯蔵する不凝縮性ガ
ス貯蔵タンクとを具備した吸収式冷凍装置において、前
記不凝縮性ガス抽気装置から前記不凝縮性ガス貯蔵タン
クへ不凝縮性ガスを導く不凝縮性ガス通路中に前記不凝
縮性ガス貯蔵タンクへの不凝縮性ガス移動を制御するガ
ス貯蔵弁を設け、パラジウム金属を含有した金属管から
なる水素ガス放出管を前記不凝縮性ガス貯蔵タンクと連
通した水素ガス放出用容器に貫通させるとともに、該水
素ガス放出管を昇温させるための電気ヒータを水素ガス
放出管に並設して前記水素ガス放出用容器内の水素ガス
を大気中に放出する水素ガス放出器を形成し、前記電気
ヒータの通電開始及び通電停止を、前記不凝縮性ガス貯
蔵タンク内の水素ガスが前記水素ガス放出器によって放
出された状態で行う電気ヒータ制御手段を具備したこと
を特徴とする。
【0013】請求項2は、請求項1において、前記電気
ヒータ制御手段は、前記電気ヒータの通電開始を前記ガ
ス貯蔵弁の開弁動作より所定時間先行して行い、前記電
気ヒータの通電停止を前記ガス貯蔵弁の閉弁動作より所
定時間遅延して行うことを特徴とする。請求項3は、請
求項2において、前記電気ヒータ制御手段は、前記電気
ヒータの通電を、吸収式冷凍装置の運転開始とともに開
始し、前記ガス貯蔵弁の開弁動作を、前記吸収式冷凍装
置の運転開始後、少なくとも所定時間経過してから行う
ことを特徴とする。
【0014】請求項4は、請求項1において、前記吸収
式冷凍装置は、冷暖切替え弁を有し前記再生器の高温吸
収液を前記蒸発器へ供給する暖房用吸収液流路を備え、
前記冷暖切替え弁を閉弁して冷房運転を行うとともに、
前記冷暖切替え弁を開弁して前記再生器の高温吸収液を
前記蒸発器へ供給して加熱源とする暖房運転を行う空調
装置を構成し、前記ガス貯蔵弁は、前記冷房運転におい
ては、運転開始後、所定時間経過してから一定の周期で
開弁状態と閉弁状態とを繰り返す開閉制御され、前記暖
房運転においては、常時閉弁される閉弁制御され、暖房
運転終了後には、一定の周期で開弁状態と閉弁状態とを
繰り返す開閉制御を所定回数行われ、前記電気ヒータ制
御手段は、前記各運転開始とともに前記電気ヒータの通
電を開始し、前記ガス貯蔵弁の各開閉制御における閉弁
動作終了後、所定時間経過後に、前記電気ヒータの通電
停止をそれぞれ行うことを特徴とする請求項1に記載の
吸収式冷凍装置。
【0015】
【発明の作用・効果】上記構成により、請求項1から3
の吸収式冷凍装置では、吸収サイクルが運転されると、
再生器においてバーナ等の加熱手段を用いて低濃度吸収
液を加熱して沸騰させ、高濃度吸収液と冷媒蒸気とを分
離し、分離された冷媒蒸気は凝縮器で冷却されて冷媒液
となる。蒸発器では、冷媒液が冷温水から気化熱を奪っ
て蒸発し、蒸発器で冷却された冷温水は、冷却対象に設
けられた熱交換器を循環して冷却対象における冷却源と
なる。吸収器では、高濃度吸収液が蒸発器で生じた冷媒
蒸気を吸収して低濃度吸収液となり、吸収器において冷
媒を吸収して低濃度化した吸収液は、ポンプによって再
生器に戻る。
【0016】以上の運転において、吸収液が再生器、吸
収器等の各器具を構成するステンレス材及び銅材と化学
反応を起こして、吸収液に凝縮しない不凝縮性ガスとし
ての水素ガスが発生し、その多くは、吸収サイクルの運
転時に低圧となっている蒸発吸収ケース内に蓄積され
る。蒸発吸収ケース内の不凝縮性ガスは、不凝縮性ガス
抽気装置によって抽出され、ガス貯蔵弁が開弁している
ときには、不凝縮性ガス通路を経て不凝縮性ガス貯蔵タ
ンク内に貯蔵される。
【0017】不凝縮性ガス貯蔵タンクには、パラジウム
金属を含有した水素ガス放出管と電気ヒータとを並設し
た水素ガス放出用容器が連通した水素ガス放出器が設け
られており、電気ヒータによって加熱されて水素ガス放
出管が昇温しているときには、水素ガス放出器内の水素
ガスはパラジウム金属による水素ガスの放出作用によっ
て水素ガス放出管から大気中へ放出される。
【0018】不凝縮性ガス通路にはガス貯蔵弁が設けら
れているため、運転の停止に関連させてガス貯蔵弁を閉
弁してからも、電気ヒータによる水素ガス放出管の加熱
を継続させておくことで、水素ガス放出用容器内及び不
凝縮性ガス貯蔵タンク内の水素ガスをすべて放出するこ
とができる。不凝縮性ガス貯蔵タンク内の水素ガスがす
べて放出されてなくなったころを見計らって、電気ヒー
タの通電を停止するように設定しておく。このとき、不
凝縮性ガス貯蔵タンク及び水素ガス放出用容器内には水
素ガスがなくなっているため、電気ヒータの通電を停止
しても、パラジウム金属を含有した水素ガス放出管が水
素雰囲気中で降温されることにはならない。従って、水
素ガス放出管の脆化を防止できる。
【0019】一方、吸収式冷凍装置の運転を開始する際
には、ガス貯蔵弁を閉弁したままで電気ヒータの通電開
始を行う。吸収式冷凍装置が停止している間は、ガス貯
蔵弁が閉弁状態に維持されており、水素ガスが不凝縮性
ガス貯蔵タンク内に貯蔵されていないため、水素ガス放
出管が電気ヒータの通電によって加熱されても、水素雰
囲気中で昇温することにはならない。従って、水素ガス
放出管の脆化を防止できる。運転の開始とともに電気ヒ
ータに通電されてから水素ガス放出管が十分に昇温した
ころを見計らって、ガス貯蔵弁を開弁させるようにして
おくと、それまでに抽出された不凝縮性ガスが不凝縮性
ガス貯蔵タンク内へ移動し、さらに、水素ガス放出用容
器内へ移動して、水素ガスは、昇温したパラジウム金属
の作用によって、大気中へ放出される。このように、電
気ヒータの通電開始と通電停止を、不凝縮性ガス貯蔵タ
ンク内に水素ガスがない状態で行うことによって、パラ
ジウム金属を含む水素ガス放出管の脆化を防止すること
ができ、水素ガス放出用容器と水素ガス放出管との接合
部などで亀裂が発生することがなく、高真空度を維持で
きるため、長期に亙って安定した運転を行うことができ
る。
【0020】請求項4の吸収式冷凍装置では、再生器の
高温吸収液を蒸発器へ供給する暖房用吸収液流路の冷暖
切替え弁を開閉することで冷房と暖房とを切り換える空
調装置となっており、電気ヒータの通電開始は、冷房
時、暖房時とも運転の開始とともに行われ、ガス貯蔵弁
の開弁は、冷房運転では、運転開始から所定時間が経過
してから行われ、暖房運転では、運転中にはガス貯蔵弁
は開弁されないが、運転終了後、所定回数だけ開閉制御
を行い、これにより、暖房運転中に発生した不凝縮性ガ
スを不凝縮性ガス貯蔵タンク内へ移動させる。また、電
気ヒータの通電停止は、冷房時、暖房時ともガス貯蔵弁
の閉弁後、所定時間が経過してから行う。この結果、不
凝縮性ガス貯蔵タンク内に水素ガスがない状態で水素ガ
ス放出管の昇温及び降温を行うことができるため、パラ
ジウム金属を含む水素ガス放出管の脆化を防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の吸収式冷凍装置
としての吸収式空調装置を示す。吸収式空調装置は、室
外機100と室内機RUとからなり、室外機100は、
冷凍機本体101と冷却塔(クーリングタワー)CTと
から構成される。なお、空調装置は、制御装置102に
より制御される。
【0022】冷凍機本体101は、主にステンレスによ
って成形され、冷媒及び吸収液としての臭化リチウム水
溶液の吸収サイクルを形成するもので、加熱源としての
ガスバーナBが下方に備えられた高温再生器1と、この
高温再生器1の外側に被さるように配置された低温再生
器2とからなる二重効用型の再生器と、さらに低温再生
器2の外周に向かって二重に配置された吸収器3および
蒸発器4と、低温再生器2の外周で吸収器3及び蒸発器
4の上方に配置された凝縮器5とを、幾つかの流路で接
続してなる。なお、吸収液内には、ステンレスと臭化リ
チウムとの反応による腐食を抑制するためのインヒビタ
ーが含まれている。
【0023】高温再生器1は、ガスバーナBによって加
熱される加熱タンク11の上方に中濃度吸収液分離筒1
2を延長させて設け、中濃度吸収液分離筒12の上方か
らその外周に覆い被さるように縦型円筒形の気密性の冷
媒回収タンク10が設けられている。
【0024】中濃度吸収液分離筒12の内側下方には、
中濃度吸収液分離筒12の内壁との間に間隔をおいて配
置された吸収液仕切り容器13が、その上縁の数カ所を
中濃度吸収液分離筒12の内側に接合されて設けられ、
中濃度吸収液分離筒12と吸収液仕切り容器13との間
には、加熱タンク11で加熱された吸収液が上昇する吸
収液上昇流路14が形成されている。吸収液仕切り容器
13の上方の中濃度吸収液分離筒12内には、吸収液上
昇流路14を上昇する中濃度吸収液を戻すための吸収液
戻し板15が設けられており、上述の中濃度吸収液分離
筒12は、この吸収液戻し板15の上方に位置する上方
部材と下方に位置する下方部材との上下2つの部材から
なるもので、これらが吸収液戻し板15に対して溶接に
よって接合されたものである。
【0025】吸収液仕切り容器13の側部には、冷媒が
分離されて高濃度化された中濃度吸収液を低温再生器2
へ供給するための中濃度吸収液流路L1の流入口が開口
しており、吸収液仕切り容器13の底部には、暖房運転
時に、加熱された吸収液を蒸発器4内へ供給するための
暖房用吸収液流路L4の流入口が開口している。
【0026】冷媒回収タンク10内の下部内側には、中
濃度吸収液分離筒12との間に断熱用間隙17aを形成
するための冷媒仕切り筒17が中濃度吸収液分離筒12
に接合されている。これにより、中濃度吸収液分離筒1
2内の熱が遮断され、冷媒回路タンク10内の冷媒が、
吸収液上昇流路14内の高温の吸収液によって加熱され
ることがない。冷媒仕切り筒17の外側の冷媒回収タン
ク10内は、分離された冷媒が貯留する冷媒貯留部10
aとなっており、冷媒貯留部10aには凝縮器5と連通
する冷媒流路L5の流入口が開口している。
【0027】以上の構成により、高温再生器1では、加
熱タンク11の内部に収容された低濃度吸収液をガスバ
ーナBによって加熱して、低濃度吸収液中の水を蒸発さ
せて冷媒蒸気(水蒸気)として中濃度吸収液分離筒12
の外側へ分離させ、冷媒蒸気の蒸発により濃化した中濃
度吸収液を中濃度吸収液分離筒12の内側の吸収液仕切
り容器13内へ戻し、中濃度吸収液流路L1により低温
再生器2へ供給する。また、分離した冷媒蒸気を冷媒回
収タンク10で回収して、冷媒流路L5により凝縮器5
へ供給する。
【0028】低温再生器2は、冷媒回収タンク10の外
周に偏心して設置した縦型円筒形の低温再生器ケース2
0を有し、低温再生器ケース20の天井の周囲には冷媒
蒸気出口21が設けられている。低温再生器ケース20
の天井の頂部は、中濃度吸収液流路L1により熱交換器
Hを介して中濃度吸収液分離筒12内の吸収液仕切り容
器13内と連結されている。
【0029】中濃度吸収液流路L1中には、吸収液仕切
り容器13から低温再生器2へ流れる中濃度吸収液の流
量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられ
ていて、低温再生器ケース20内へは中濃度吸収液分離
筒12との圧力差により中濃度吸収液が供給される。
(低温再生器ケース20内では、約70mmHg、中濃
度吸収液分離筒12内では約700mmHg)
【0030】これにより、低温再生器2では、低温再生
器ケース20内に供給された中濃度吸収液を、冷媒回収
タンク10の外壁を熱源として再加熱し、中濃度吸収液
は低温再生器ケース20の上部の気液分離部22で冷媒
蒸気と高濃度吸収液とに分離され、高濃度吸収液は、高
濃度吸収液受け部23に貯留される。高濃度吸収液受け
部23の底には、吸収器3と連通する高濃度吸収液流路
L2の流入口が開口している。
【0031】低温再生器ケース20の外周には、縦型円
筒形で気密性の蒸発・吸収ケース30が下部に、凝縮器
ケース50が上部にそれぞれ同心的に配されており、冷
媒回収タンク10、低温再生器ケース20、蒸発・吸収
ケース30は、底板部18に一体に溶接され、また、底
板部18の内側端は、中濃度吸収液分離筒12の下方部
材の外周面に溶接されて、冷凍機本体101を形成して
いる。なお、低温再生器ケース20は、冷媒蒸気出口2
1および隙間5Aを介して凝縮器ケース50内と連通し
ている。
【0032】吸収器3は、蒸発・吸収ケース30内の内
側部分内に縦型円筒状に巻設され内部を排熱用冷却水が
流れる吸収コイル31が配置され、吸収コイル31の上
方には、高濃度吸収液を吸収コイル31に散布するため
の高濃度吸収液散布具32が配置されている。
【0033】高濃度吸収液散布具32は、熱交換器Hを
介して低温再生器2の高濃度吸収液受け部23と連結さ
れた高濃度吸収液流路L2の開口部から供給される高濃
度吸収液を受けて散布し、吸収コイル31内には、冷房
運転時に、冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が循環
する。
【0034】吸収器3では、高濃度吸収液が圧力差によ
り高濃度吸収液流路L2から流入し、流入した高濃度吸
収液は、高濃度吸収液散布具32により吸収コイル31
の上端に散布され、吸収コイル31の表面に付着して薄
膜状になり、重力の作用で下方に流下し、蒸発器4で生
じた冷媒蒸気を吸収して低濃度吸収液となる。この冷媒
蒸気を吸収する際に吸収コイル31の表面で発熱する
が、吸収コイル31を循環する排熱用冷却水により冷却
される。尚、吸収液に吸収される水蒸気は、後述する蒸
発器4で冷媒蒸気として発生したものである。
【0035】吸収器3の底部33は、熱交換器Hおよび
吸収液ポンプP1が装着された低濃度吸収液流路L3で
加熱タンク11の底部と連結されており、吸収液ポンプ
P1の作動により吸収器3内の低濃度吸収液は熱交換器
Hを介して加熱タンク11内へ供給される。
【0036】吸収器3の内部には、吸収サイクル内で発
生した不凝縮性ガス(水素ガス)を吸い込むための抽気
装置としてのエジェクター60が設けられている。エジ
ェクター60は、吸収器3内に開口した吸引口61の延
長上に吸引口61より径が小さい吸導管62を設けると
ともに、吸引口61の内側に吸収液ポンプP1の吐出側
で低濃度吸収液流路L3と連通した吸収液吐出管63を
配して、吸収液ポンプP1の吐出圧によって吸収液吐出
管63の末端から吸収液が吸引口61に向かって吐出さ
れる際に、吸引口61との間の冷媒蒸気および不凝縮ガ
ス等の気体成分をいわゆるエゼクタ効果によって吸収液
内に吸い込み混合するようにした構造である。
【0037】エジェクター60から延長された吸導管6
2は、吸収器3の底部33に連通して設けられた略J字
(又は略U字)形状の有谷管状体からなる気液分離管6
4の内側に配されて、気液分離管64とともに気液分離
器を構成するもので、気液分離管64と同様に略J字
(又は略U字)形状を呈し、気液分離管64内の谷部6
5を経た位置で上向きに開口している。気液分離器の末
端となる気液分離管64の末端には、不凝縮性ガス貯蔵
器70が連通して接続されている。
【0038】不凝縮性ガス貯蔵器70は、谷部65を経
て気液分離管64の延長上に一体に形成された本発明の
不凝縮性ガス通路としてのサブタンク部71と、サブタ
ンク部71の上端に電磁弁からなるガス貯蔵弁72を介
して連通して設けられたメインタンク部73との複合タ
ンク構造を有する。
【0039】エジェクター60および不凝縮性ガス貯蔵
器70は、以上の構成により、吸収液ポンプP1の作動
中には、エジェクター60の吸収液吐出管63から吸引
口61へ向かって吐出される吸収液のエジェクター効果
によって、吸収器3内の蒸気冷媒および不凝縮性ガスを
エジェクター60の吸引口61から吸引し、吸導管62
内を吸収液と混合した状態で気液分離管64へ導き、気
液分離管64では不凝縮性ガスを吸収液から分離させ
て、ガス貯蔵弁72が閉弁している場合には、サブタン
ク部71に貯蔵する。また、ガス貯蔵弁72が開弁して
いる場合には、サブタンク部71内の不凝縮性ガスが、
ガス貯蔵弁72を通ってメインタンク部73内へ移動し
て貯蔵される。尚、吸引された蒸気冷媒は、吸導管62
内で吸収液に吸収され、気液分離管64からは主に不凝
縮性ガスが気体として分離する。
【0040】さらに、メインタンク部73の上方には、
図2に示すように、メインタンク部73内に貯蔵された
不凝縮性ガスの水素ガスを吸収サイクル外の大気中へ放
出するための水素ガス放出器80が設けられている。
【0041】水素ガス放出器80は、図3に示すよう
に、不凝縮性ガス貯蔵器70のメインタンク部73の上
部で上方に向かって延設された接続管路81を介してメ
インタンク部73と連通して設けられた円筒形状の水素
ガス放出用容器82内に、パラジウム金属を含むパラジ
ウム合金からなる水素ガス放出管83を貫通させて配し
たものである。
【0042】水素ガス放出管83は、管の内側を大気に
連通された状態で、水素ガス放出用容器82に対して、
ろう付けによって気密に接合されている。
【0043】水素ガス放出用容器82の外側には、水素
ガス放出管83を昇温させるための電気ヒータ84が設
けられており、水素ガス放出用容器82及び水素ガス放
出管83は、水素ガス放出管83の末端を除いて保温断
熱材85によって一体に覆われている。
【0044】水素ガス放出器80は、以上の構成によ
り、電気ヒータ84が通電されると、水素ガス放出用容
器82とともに水素ガス放出管83を加熱し、水素ガス
放出管83に含まれるパラジウム金属の作用により、水
素ガス放出用容器82内の水素ガスを水素ガス放出管8
3を透過させて、大気中へ放出させる。
【0045】蒸発器4は、蒸発・吸収ケース30内の吸
収コイル31の外周に設けた縦型円筒形で多数の連通口
(図示なし)付きの仕切壁40の外周に、内部を冷暖房
用の冷温水が流れる縦型円筒形の蒸発コイル41を配設
し、その上方に冷媒液散布具42を取り付けてなる。な
お、蒸発器4の底部43は、電磁弁からなる冷暖切替え
弁6を有する暖房用吸収液流路L4により中濃度吸収液
分離筒12の内側の吸収液仕切り容器13と連通してい
る。
【0046】蒸発器4では、冷房運転時に冷媒液散布具
42より冷媒液を蒸発コイル41の上に滴下させると、
滴下された冷媒液は、表面張力で蒸発コイル41の表面
を濡らして膜状となり、重力の作用で下方へ降下しなが
ら低圧(例えば、6.5mmHg)となっている蒸発・
吸収ケース30内で蒸発コイル41から気化熱を奪って
蒸発し、蒸発コイル41内を流れる空調用の冷温水を冷
却する。
【0047】凝縮器5は、凝縮器ケース50の内部に冷
却塔CTで冷却された排熱用冷却水が内部を循環してい
る冷却コイル51を配設してなる。凝縮器ケース50
は、冷媒流量を制限するためのオリフィス(図示なし)
が設けられた冷媒流路L5により冷媒回収タンク10の
冷媒貯留部10aと連通するとともに、冷媒蒸気出口2
1および隙間5Aを介して低温再生器2と連通してお
り、いずれも圧力差(凝縮器ケース内では約70mmH
g)により冷媒が供給される。
【0048】凝縮器5では、凝縮器ケース50に供給さ
れた冷媒蒸気が、冷却コイル51により冷却されて液化
する。凝縮器5の下部と蒸発器4の蒸発コイル41の上
方に配置された冷媒液散布具42とは、冷媒液供給路L
6で連通している。液化した冷媒液は、冷媒液供給路L
6及び冷媒冷却器52を経て冷媒液散布具42に供給さ
れる。
【0049】以上の構成により、吸収液は、高温再生器
1→中濃度吸収液流路L1→低温再生器2→高濃度吸収
液流路L2→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収
液流路L3→高温再生器1の順に循環する。また、冷媒
は、高温再生器1(冷媒蒸気)→冷媒流路L5(冷媒蒸
気)又は低温再生器2(冷媒蒸気)→凝縮器5(冷媒
液)→冷媒供給路L6(冷媒液)→冷媒冷却器52(冷
媒液)→冷媒液散布具42(冷媒液)→蒸発器4(冷媒
蒸気)→吸収器3(吸収液)→吸収液ポンプP1→低濃
度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
【0050】上記、吸収液と熱交換する吸収器3の吸収
コイル31と凝縮器5の冷却コイル51は、接続されて
連続コイルを形成しており、連続コイルは、冷却水流路
34によって冷却塔CTと接続されて冷却水循環路を形
成している。この冷却水循環路において、吸収コイル3
1の入口と冷却塔CTとの間の冷却水流路34には、連
続コイル内へ冷却水を送り込むための冷却水ポンプP2
が装着されており、冷却水ポンプP2の作動により連続
コイルを通過する冷却水は、吸収コイル31で吸収熱
を、冷却コイル51で凝縮熱をそれぞれ吸熱して比較的
高温となって、冷却塔CTに供給される。
【0051】上記の構成により、冷房運転時には、冷却
水ポンプP2の作動により冷却塔CT内の冷却水が、冷
却塔CT→冷却水ポンプP2→吸収コイル31→冷却コ
イル51→冷却塔CTの順に循環する。冷却塔CTで
は、落下する冷却水を大気中に一部蒸発させて、残りの
冷却水を冷却する自己冷却がなされており、冷却水は、
大気中に放熱して低温度になる排熱サイクルを形成して
いる。なお、冷却ファンSからの送風により、水の蒸発
を促進させている。
【0052】蒸発器4の蒸発コイル41には、室内機R
Uに設けられた空調熱交換器44へ冷温水を循環させる
冷温水流路47が連結されていて、冷温水流路47に
は、蒸発コイル41の上流側に冷温水ポンプP3が設け
られている。以上の構成により、蒸発コイル41で低温
度となった冷温水は、蒸発コイル41→冷温水流路47
→空調熱交換器44→冷温水流路47→冷温水ポンプP
3→蒸発コイル41の順で循環する。
【0053】室内機RUには、空調熱交換器44が設け
られているとともに、この空調熱交換器44に対して、
室内空気を通過させて再び室内へ吹き出すブロワ46が
備えられている。
【0054】なお、暖房用吸収液流路L4および冷暖切
替え弁6は、暖房運転用に設けられたもので、暖房運転
時には、冷暖切替え弁6を開弁し、吸収液ポンプP1を
作動させる。これにより、中濃度吸収液分離筒12内の
高温度の中濃度吸収液が、蒸発器4の底部43から蒸発
器4内へ流入し、蒸発コイル41内の冷温水が加熱さ
れ、加熱された蒸発コイル41内の冷温水は、冷温水ポ
ンプP3の作動により冷温水流路47から空調熱交換器
44へ供給され、暖房の熱源となる。蒸発器4内の中濃
度吸収液は、仕切板40の連通口から吸収器3側へ入
り、低濃度吸収液流路L3を経て、吸収液ポンプP1に
より加熱タンク11へ戻される。
【0055】次に、以上の構成からなる室外機100に
おいて、吸収器3内のエジェクター60から不凝縮性ガ
ス貯蔵器70までの間に設けられたガス貯蔵弁72及び
水素ガス放出器80に備えられた電気ヒータ84に関す
る制御装置102による制御について、吸収式空調装置
の運転と合わせて説明する。なお、上記構成において、
吸収液ポンプP1と冷温水ポンプP3は、同一モータに
よって駆動されるタンデムポンプを形成しており、吸収
液ポンプP1と冷温水ポンプP3は、常に同一回転す
る。
【0056】始めに、冷房運転について図4に基づいて
説明する。冷房運転開始の指示が行われると(ステップ
10においてYES)、ガスバーナBを点火し、吸収液
ポンプP1及び冷温水ポンプP3の駆動を開始し、冷却
水ポンプP2を駆動するとともに、電気ヒータ84の通
電を同時に開始する(ステップ11)。この運転開始時
には、後に説明するように、前回の運転終了時に、メイ
ンタンク部73および水素ガス放出器80内の水素ガス
がすべて放出された状態であって、メインタンク部73
および水素ガス放出器80内には、水素ガスは残ってい
ない。従って、電気ヒータ84が通電されて、水素ガス
放出用容器82及び水素ガス放出管83が加熱されて
も、水素ガス雰囲気中で昇温することにならないため、
水素ガス放出管83の脆化を引き起こさない。
【0057】高温再生器1では、加熱タンク11内の吸
収液が加熱され、吸収サイクル内を吸収液および冷媒が
循環を開始する。この運転初期には蒸発・吸収ケース3
0内の圧力が十分に低下していないため、蒸発・吸収ケ
ース30内の圧力が、不凝縮性ガス貯蔵器70のメイン
タンク部73内の圧力より高い場合があり、その場合
に、ガス貯蔵弁72が開弁状態になると、メインタンク
部73内に吸収液が押し込まれてしまう恐れがある。従
って、運転開始後、しばらくの間は、ガス貯蔵弁72は
閉弁状態に維持されている。
【0058】冷房運転を開始してから1時間が経過する
と(ステップ12においてYES)、ガス貯蔵弁72を
後述するように所定の周期で開閉させる開閉制御を開始
する(ステップ13)。このころには、加熱タンク11
で加熱される吸収液の温度が次第に上昇し、高温再生器
1内の吸収液温度が十分に高く(例えば130℃以上)
なり且つ蒸発器4内の冷媒液の温度が低下(例えば15
℃以下)していて、吸収サイクル内を循環する吸収液お
よび冷媒によって、吸収サイクルの作動が安定してい
て、吸収器3内の圧力がメインタンク部73内の圧力よ
り低くなっている。従って、ガス貯蔵弁73の開閉制御
を行うことで、ガス貯蔵弁72が開弁されても、吸収液
がメインタンク部73内へ入り込まない。
【0059】吸収サイクルでは、蒸発器4の蒸発コイル
41内で冷却された冷温水が、空調熱交換器44に供給
され、室内機RUではブロワ46により室内の冷房が行
われる。この冷房運転中に、吸収サイクルで発生した不
凝縮性ガスは、エジェクター60によって抽出されて、
ガス貯蔵弁72の閉弁中には、サブタンク部71内に貯
蔵され、ガス貯蔵弁72が開弁されると、サブタンク部
71内の不凝縮性ガスがメインタンク部73へ移動して
貯蔵される。
【0060】ガス貯蔵弁72の開閉制御は、ガス貯蔵弁
72への通電により10分間開弁させ、その後の50分
間は通電を停止した閉弁状態とし、冷房運転中にこれを
繰り返すものである。このように、ガス貯蔵弁72の通
電時間を非通電時間に対して短い時間に限定するのは、
ガス貯蔵弁72の通電が長時間に及ぶと、通電に伴う発
熱によって、ガス貯蔵弁72近傍の吸収液が晶析する恐
れがあるためである。本実施例では、通電時間を10分
とし、通電停止時間を50分とすることで、通電時の発
熱を通電停止の間に十分に鎮めることができるため、吸
収液の晶析はない。
【0061】一方、メインタンク部73内に貯蔵された
水素ガスは、接続管路81を経てメインタンク部73の
上方に位置する水素ガス放出器80へ移動する。このと
き、電気ヒータ84によって水素ガス放出器80の温度
が十分に上昇していて、その温度が安定しているため、
ガス貯蔵弁72が開弁されて水素ガスがメインタンク部
73および水素ガス放出器80内へ供給されても、水素
ガス放出管83の温度変化が水素ガス雰囲気中で起こら
ない。従って、水素ガス放出管83の脆化の心配はな
い。また、水素ガス放出器80内の水素ガスは、昇温し
た水素ガス放出管83のパラジウム金属の作用によっ
て、水素ガス放出用容器82内から水素ガス放出管83
の内側へ透過して、大気中に開放される。
【0062】冷房運転の停止が指示されると(ステップ
14においてYES)、ガスバーナBの燃焼を停止し、
ガス貯蔵弁72の通電を停止して開閉制御を終了して閉
弁する。このとき、その後、所定時間は、吸収サイクル
内の晶析を防止するために、吸収液ポンプP1、冷温水
ポンプP3及び冷却水ポンプP2を継続して作動させて
おき、その後にこれらを停止する(ステップ15)。ガ
ス貯蔵弁72を閉弁させてから1時間が経過するまでは
(ステップ16においてNO)、電気ヒータ84の通電
を継続しておき、ガス貯蔵弁72を閉弁した後、1時間
が経過したら(ステップ16においてYES)、それま
で継続して通電されていた電気ヒータ84の通電を停止
し(ステップ17)、冷房運転を終了する。
【0063】この結果、ガス貯蔵弁72を閉弁する前に
メインタンク部73内及び水素ガス放出器80内に貯蔵
されていた水素ガスは、ガス貯蔵弁72の閉弁後も通電
される電気ヒータ84によって加熱された水素ガス放出
管83のパラジウム金属の作用によって大気中へ放出さ
れ、この継続して電気ヒータ84が通電される1時間の
間にメインタンク部73内及び水素ガス放出器80内の
水素ガスはなくなる。従って、電気ヒータ84の通電が
停止されて、水素ガス放出管83が降温するときには、
水素ガス放出管83は水素ガスのない雰囲気中であるた
め、脆化を防止できる。図5に冷房運転時における電気
ヒータ84とガス貯蔵弁72の制御タイミングを図示す
る。
【0064】尚、冷房運転中には、吸収液ポンプP1と
冷温水ポンプP3(タンデムポンプ)は、高温再生器1
の加熱タンク11内の吸収液温度に比例した回転数に制
御されるが、冷却水ポンプP2は、回転数制御が行われ
ず、駆動の有無だけが制御され、一定回転数で回転す
る。
【0065】以上のとおり、冷房運転時には、運転開始
とともに電気ヒータ84の通電を開始し、運転終了時に
は、ガス貯蔵弁72を閉弁させてから少なくとも1時間
が経過するまでは、電気ヒータ84の通電を継続させる
ため、水素ガス放出器80の水素ガス放出管83が、水
素ガス雰囲気中で昇温及び降温することがなく、脆化を
防止できる。
【0066】次に、暖房運転について図6に基づいて説
明する。暖房運転では、暖房運転の開始の指示が行われ
ると(ステップ20においてYES)、所定の暖房運転
制御を行い、電気ヒータ84の通電を運転開始とともに
開始する(ステップ21)。暖房運転制御では、冷暖切
替え弁6を開弁して、ガスバーナBを燃焼し、吸収液ポ
ンプP1及び冷温水ポンプP3を駆動する。また、この
暖房運転中は、ガス貯蔵弁72を常時閉弁する。
【0067】これによって、加熱された吸収液が高温再
生器1から蒸発器4へ供給され、蒸発コイル41内を循
環する冷温水を加熱して、室内機RUにおいて空調熱交
換器44によって室内の暖房を行う。また、暖房運転中
に発生した不凝縮性ガスは、サブタンク部71内に貯蔵
される。このように、暖房運転中にはガス貯蔵弁72は
常時閉弁しているため、暖房運転時に高圧となる蒸発・
吸収ケース30と不凝縮性ガス貯蔵器70との圧力差に
より吸収液がメインタンク部73内へ入り込むことを防
止できるため、暖房運転時にサイクル中の吸収液循環量
が不足する不具合を発生させることがない。
【0068】また、電気ヒータ84が通電されることに
よって、水素ガス放出器80の温度が上昇するが、この
ときには、前回の運転終了時に、メインタンク部73お
よび水素ガス放出器80内の水素ガスがすべて放出され
た状態であって、メインタンク部73および水素ガス放
出器80内には、水素ガスは残っていない。従って、電
気ヒータ84が通電されて、水素ガス放出用容器82及
び水素ガス放出管83が加熱されても、水素ガス雰囲気
中で昇温することにならないため、水素ガス放出管83
の脆化を引き起こさない。
【0069】暖房運転停止が指示されると(ステップ2
2においてYES)、以上の暖房運転制御を終え、ガス
バーナBを消火し、吸収液ポンプP1を所定時間継続し
て運転した後、停止させる。以上の暖房運転を終了した
後、ガスバーナBの消火に伴って高温再生器1内の吸収
液の温度が次第に低下し、その温度が30℃以下になっ
たとき(ステップ23においてYES)、蒸発・吸収ケ
ース30内の圧力が十分に低下したと判断して、ガス貯
蔵弁72の開閉制御を開始する(ステップ24)。ここ
では、10分間の通電と50分間の通電停止とを2回繰
り返す。これにより、暖房運転中に発生した不凝縮性ガ
スを、メインタンク部73内に貯蔵することができ、ま
た、暖房運転中にガス貯蔵弁72の漏れによってメイン
タンク部73内に入り込んだ吸収液を吸収器3内へ戻す
ことができる。
【0070】尚、ガス貯蔵弁72の開閉制御を2回繰り
返すのは、上記漏れによって入り込んだ吸収液を戻す作
用は、水頭差によって行われるため緩慢であり10分以
上の時間を要するのに対し、ガス貯蔵弁72の通電に伴
う発熱による晶析を防止するためには、10分間の通電
時間が限界であるため、確実に吸収液を吸収器3内へ戻
す時間を確保するために、開閉制御を2回繰り返すこと
で20分間を確保するためである。
【0071】暖房運転中には、上記のとおり、ガス貯蔵
弁72が閉弁制御されているため、電気ヒータ84の通
電は基本的には不要となるが、暖房運転時には、ガス貯
蔵弁72の前後での差圧が非常に大きいため、不凝縮性
ガス(水素ガス)がガス貯蔵弁72を透過する可能性が
ある。従って、安全を図るために、暖房運転中にメイン
タンク部73及び水素ガス放出器80内に移動した水素
ガスを確実に大気中に放出させておくために、電気ヒー
タ84を暖房運転中にも継続して通電させているもので
ある。
【0072】暖房運転の終了時に、ガス貯蔵弁72の開
閉制御(10分開弁−50分閉弁)を2回繰り返したと
き(ステップ25においてYES)、電気ヒータ84の
通電を停止して(ステップ26)、暖房運転を終了す
る。図7に暖房運転時における電気ヒータ84とガス貯
蔵弁72の制御タイミングを図示する。
【0073】ステップ26の電気ヒータ84の通電を停
止させるときは、上記制御タイミングからみると、具体
的には、暖房運転終了時のガス貯蔵弁72の開閉制御に
おいて、ガス貯蔵弁72が2回目の開弁を終えて閉弁さ
れてから50分間が経過したときである。従って、メイ
ンタンク部73及び水素ガス放出器80内の水素ガス
は、すべて大気中に放出されていて、メインタンク部7
3及び水素ガス放出器80内の水素ガスは空の状態であ
る。このため、電気ヒータ84は、水素ガス雰囲気中で
ない状態にあって、降温することになり、脆化を防止で
きる。
【0074】以上のとおり、本発明によれば、水素ガス
を大気中に放出するための水素ガス放出器80の電気ヒ
ータ84は、水素ガス放出器80内に水素ガスがない状
態で通電開始及び通電停止されるため、水素ガス放出管
83は、常に、水素ガス雰囲気でない状態で、昇温及び
降温する。従って、パラジウム金属を含む水素ガス放出
管83が脆化することがなく、長期間に亙って安定した
吸収サイクルを維持できる。また、運転停止中には、電
気ヒータは通電されないため、待機中の消費電力を大幅
に削減できるとともに、運転停止中に電源コンセントの
引き抜きが行われても、脆化を引き起こすことがない。
【0075】上記実施例では、吸収サイクル内で発生し
た不凝縮性ガスを分離するための構造として、エジェク
ター60を用いたが、エジェクター60の代わりにサイ
ホン容器を用いてもよい。
【0076】上記各実施例では、冷却水流路34の冷却
塔CTを、冷却水の一部を蒸発させて冷却水を自己冷却
する開放式のものとしたが、冷却水流路34を循環する
冷却水が、大気に開放されていない密閉回路を形成した
水冷装置でもよい。上記実施例では、室内機RUに空調
熱交換器44のみを設けたものを示したが、室内温度を
下げないで除湿運転を行うために、空調熱交換器44で
一旦冷却した空気を加熱する加熱用熱交換器を空調熱交
換器44と並設させるようにしてもよい。また、床暖房
を行うようにした吸収式空調装置でもよい。尚、2重効
用に限らず、1重効用でもよい。また、加熱源はガスバ
ーナの他、電気ヒータや石油バーナでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収式空調装置としての吸収式空調装
置の概略構成図である。
【図2】吸収式空調装置における不凝縮性ガス貯蔵器及
び不凝縮性ガス放出器を示す正面図である。
【図3】水素ガス放出器を示す図で、(a)は正面断面
図、(b)は側面図である。
【図4】吸収式空調装置の冷房運転の制御動作を説明す
るための流れ図である。
【図5】吸収式空調装置の冷房運転における電気ヒータ
とガス貯蔵弁の制御を示すタイミングチャートである。
【図6】吸収式空調装置の暖房運転の制御動作を説明す
るための流れ図である。
【図7】吸収式空調装置の暖房運転における電気ヒータ
とガス貯蔵弁の制御を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 高温再生器(再生器) 2 低温再生器(再生器) 3 吸収器 4 蒸発器 5 凝縮器 6 冷暖切替え弁 60 エジェクター(不凝縮性ガス抽気装置) 71 サブタンク部(不凝縮性ガス通路) 72 ガス貯蔵弁 73 メインタンク部(不凝縮性ガス貯蔵タンク) 80 水素ガス放出器 81 水素ガス放出用容器 82 水素ガス放出管 84 電気ヒータ 100 室外機(吸収式冷凍装置) 102 制御装置(電気ヒータ制御手段) P1 吸収液ポンプ(ポンプ) L4 暖房用吸収液流路 B ガスバーナ(加熱源)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を含む吸収液を加熱して該吸収液か
    ら冷媒蒸気を分離させる再生器と、 該再生器によって分離した前記冷媒蒸気を冷却して凝縮
    させる凝縮器と、 該凝縮器で凝縮した冷媒を低圧下で蒸発させて冷却源と
    する蒸発器と、 該蒸発器を形成する蒸発吸収ケース内で前記蒸発器に並
    設され、該蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を前記再生器から
    供給される吸収液に吸収させる吸収器と、 該吸収器から前記再生器へ吸収液を戻すポンプとから吸
    収サイクルを形成し、 前記蒸発吸収ケース内の不凝縮性ガスを抽出する不凝縮
    性ガス抽気装置と、 該不凝縮性ガス抽気装置によって抽出した不凝縮性ガス
    を貯蔵する不凝縮性ガス貯蔵タンクとを具備した吸収式
    冷凍装置において、 前記不凝縮性ガス抽気装置から前記不凝縮性ガス貯蔵タ
    ンクへ不凝縮性ガスを導く不凝縮性ガス通路中に前記不
    凝縮性ガス貯蔵タンクへの不凝縮性ガス移動を制御する
    ガス貯蔵弁を設け、 パラジウム金属を含有した金属管からなる水素ガス放出
    管を前記不凝縮性ガス貯蔵タンクと連通した水素ガス放
    出用容器に貫通させるとともに、該水素ガス放出管を昇
    温させるための電気ヒータを水素ガス放出管に並設して
    前記水素ガス放出用容器内の水素ガスを大気中に放出す
    る水素ガス放出器を形成し、 前記電気ヒータの通電開始及び通電停止を、前記不凝縮
    性ガス貯蔵タンク内の水素ガスが前記水素ガス放出器に
    よって放出された状態で行う電気ヒータ制御手段を具備
    したことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  2. 【請求項2】 前記電気ヒータ制御手段は、 前記電気ヒータの通電開始を前記ガス貯蔵弁の開弁動作
    より所定時間先行して行い、 前記電気ヒータの通電停止を前記ガス貯蔵弁の閉弁動作
    より所定時間遅延して行うことを特徴とする請求項1記
    載の吸収式冷凍装置。
  3. 【請求項3】 前記電気ヒータ制御手段は、 前記電気ヒータの通電を、吸収式冷凍装置の運転開始と
    ともに開始し、 前記ガス貯蔵弁の開弁動作を、前記吸収式冷凍装置の運
    転開始後、少なくとも所定時間経過してから行うことを
    特徴とする請求項2記載の吸収式冷凍装置。
  4. 【請求項4】 前記吸収式冷凍装置は、 冷暖切替え弁を有し前記再生器の高温吸収液を前記蒸発
    器へ供給する暖房用吸収液流路を備え、前記冷暖切替え
    弁を閉弁して冷房運転を行うとともに、前記冷暖切替え
    弁を開弁して前記再生器の高温吸収液を前記蒸発器へ供
    給して加熱源とする暖房運転を行う空調装置を構成し、 前記ガス貯蔵弁は、 前記冷房運転においては、運転開始後、所定時間経過し
    てから一定の周期で開弁状態と閉弁状態とを繰り返す開
    閉制御され、 前記暖房運転においては、常時閉弁される閉弁制御さ
    れ、暖房運転終了後には、一定の周期で開弁状態と閉弁
    状態とを繰り返す開閉制御を所定回数行われ、 前記電気ヒータ制御手段は、 前記各運転開始とともに前記電気ヒータの通電を開始
    し、 前記ガス貯蔵弁の各開閉制御における閉弁動作終了後、
    所定時間経過後に、前記電気ヒータの通電停止をそれぞ
    れ行うことを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍装
    置。
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