JP3920978B2 - 吸収式空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭化リチウムなどの水溶液を吸収液とする吸収サイクルを形成するとともに再生器から蒸発器へ吸収液を供給する暖房用の吸収液流路を設けて、暖房用の吸収液流路中の弁の開閉によって暖房運転と冷房運転とを切替える吸収式空調装置に関し、特に、吸収サイクル内で発生する不凝縮性ガスの貯蔵構造に係る。
【0002】
【従来の技術】
吸収サイクルを用いた吸収式空調装置では、冷房運転時には、吸収サイクルにおいて、再生器でバーナの加熱により沸騰した低濃度吸収液から冷媒蒸気が分離され、冷媒蒸気は凝縮器で冷却されて冷媒液となり蒸発器へ供給される。再生器で冷媒蒸気が分離されて高濃度となった吸収液は、吸収器へ供給される。吸収器と蒸発器とは連通しており、冷媒液は蒸発器内で蒸発して熱を奪う冷却源となり、蒸発器内に配した冷温水配管内を循環する冷温水を冷却して、室内機の空調用熱交換器に循環させることで、室内の冷房を行う。
吸収液は吸収器で蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を吸収し、このときの発熱を外部へ排出するために、吸収器内には熱交換用配管が設けられていて、冷却水ポンプによって供給される冷却水の通過によって外部へ排熱される。
【0003】
暖房運転時には、上記構成の吸収サイクルとは別に再生器と蒸発器とを連絡する吸収液流路中の冷暖切替え弁を開弁し、バーナで加熱された吸収液を蒸発器内へ供給することにより、蒸発器内の冷温水配管を通過する冷温水を加熱して室内機へ循環させ、蒸発器へ供給された吸収液は、吸収器を介して再生器へ戻される。
【0004】
上記構成によって、冷房運転と暖房運転とを切替えによって行うようにした吸収式空調装置では、冷房運転に最適な吸収液濃度のままで暖房運転を行うと、加熱された吸収液が吸収液の循環路の各所で晶析する恐れがある。このため、従来では、吸収液中の冷媒である水の量を多くして、吸収液の濃度を吸収サイクル内全体では冷房運転時に最適な濃度より低く抑えておき、冷房運転時に凝縮器で冷却されて生じた冷媒液を凝縮器内に一時的に貯留できるように、凝縮器内には容器状の冷媒液貯留部が設けられている。
【0005】
これにより、冷房運転時に吸収サイクル内を吸収液が循環する際には、凝縮器で冷却されて生じた冷媒液がそのまますべて蒸発器へ供給されるのではなく、一部が凝縮器内で貯留されることによって、冷房運転時における吸収サイクル内の実質的な吸収液濃度を高くして冷房能力を確保し、暖房運転時には、冷媒液貯留部と蒸発器とを連通させる冷媒液流路中の冷媒弁を開弁することによって、冷媒液貯留部内の冷媒液をすべて蒸発器内へ供給して、吸収器および再生器内の吸収液の濃度を下げて上記晶析を防止している。
【0006】
一方、暖房運転時には、再生器から蒸発器内へ直接供給される高温の吸収液が、蒸発コイルに付着しないようにする必要があるため、蒸発器内の暖房用吸収液流路の開口部には、吐出する高温の吸収液の蒸発器内への噴き出しを防止するための防止板(バッフル板)が蒸発コイルの下方に設けられている。
さらに、上記構成において、吸収サイクルを構成する再生器等の各器具および配管には、臭化リチウムに対して耐食性が強いステンレス材および銅材が用いられており、また、吸収液内には、各器具の腐食を防止するためのインヒビター(腐食抑制剤)が含まれている。
しかし、これらによって吸収サイクル内の各器具及び配管内の化学反応を完全に無くすことはできず、吸収液と各構成器具との化学反応によって不凝縮性ガス(具体的には水素ガス)が発生し、長期間の使用の間に吸収サイクル内に蓄積される。
このため、吸収サイクル内で発生した不凝縮性ガスを、運転時に蒸発吸収ケース内で抽気する不凝縮性ガス抽出装置を設けて、ガス貯蔵室(ガス貯蔵タンク)内に保管するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のとおり構成された吸収式空調装置において、暖房運転時には、前記の如く吸収液の濃度を下げて晶析防止するために、冷房運転時に貯留された冷媒液を戻しているが、これによって暖房運転時に循環する吸収液の絶対量が多くなり、再生器から蒸発器内に供給されて滞留した高温の吸収液の液面が高くなって蒸発コイルに達してしまったり、また、蒸発器内の底部に滞留した高温の吸収液の液面が蒸発器内に設けられた防止板を越えてしまう。
吸収液の液面が防止板より高いと、暖房運転時における吸収液の噴き出しを防止するための防止板が蒸発器内に設けられていても、再生器で加熱された吸収液の沸騰により生じた冷媒蒸気の気泡が吸収液に混入していることから、吸収液の蒸発器内への吐出時に、気泡の吐出によって蒸発器内の吸収液が防止板を越えて飛び散り、飛散した吸収液が蒸発コイルに付着する不具合が生じ、蒸発コイルの腐食の原因になる。
尚、蒸発コイルや防止板を蒸発器の底面から十分に高く設定することは装置が大きくなり、小型化の要請に反してしまう。
【0008】
本発明は、装置の小型化を図りつつ、暖房運転時に吸収器および蒸発器内の吸収液の液位を適切に維持して、吸収液が蒸発コイルに付着することを防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1では、冷媒を含む吸収液を加熱手段により加熱して吸収液から冷媒蒸気を分離させる再生器と、該再生器によって分離した前記冷媒蒸気を冷却して凝縮させるとともに、凝縮によって生じた冷媒液を貯留する冷媒液貯留部が設けられた凝縮器と、
該凝縮器の前記冷媒液貯留部に貯留された冷媒液を低圧下で蒸発させて冷却源とする蒸発器と、前記蒸発器と連通して設けられ、前記再生器で前記冷媒蒸気が分離された吸収液に、前記蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を吸収させる吸収器と、前記吸収器から前記再生器へ吸収液を戻すための吸収液ポンプとから吸収サイクルを形成し、室内機に設けられた空調用熱交換器との間で冷温水を循環させるための冷温水循環回路を形成した熱交換用配管を前記蒸発器内に配するとともに、冷房運転と暖房運転とを切り替えるための冷暖切替え弁を備えた暖房用吸収液流路により前記再生器と前記蒸発器とを接続した吸収式空調装置であって、冷房運転時には前記冷暖切替え弁を閉弁制御し、暖房運転時には前記冷暖切替え弁を開弁制御する運転制御手段を具備した吸収式空調装置において、前記蒸発器及び吸収器を形成する蒸発吸収ケース内の不凝縮性ガスを抽出する抽出部および前記蒸発吸収ケースの底部と連通して設けられ、前記抽出部で抽出された不凝縮性ガスを吸収液から分離する気液分離部とからなる不凝縮性ガス抽出装置と、連通部を有する隔壁により上下に分割して形成した上方ガス貯蔵室と下方ガス貯蔵室とを有し、前記下方ガス貯蔵室の下端に、前記不凝縮性ガス抽出装置の前記気液分離部の端が接続された不凝縮性ガス貯蔵タンクであって、前記下方ガス貯蔵室が吸収液で満たされると、前記隔壁の前記連通部に配された浮き弁体が吸収液に浮いて前記連通部に密着し、前記下方ガス貯蔵室から前記上方ガス貯蔵室へ向かう吸収液を遮断する逆止弁機構を設けた二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクとを設けたことを技術的手段とする。
【0010】
この構成により、請求項1では、冷房運転が行われると、吸収サイクル内で吸収液が循環し、また、吸収液から分離された冷媒は、凝縮器から蒸発器、吸収器へと循環する。この冷媒の循環路である凝縮器には、凝縮によって生じた冷媒液を貯留する冷媒液貯留部が設けられているため、吸収器から再生器へと戻される吸収液の濃度は、凝縮器の冷媒液貯留部に貯留された冷媒液の分だけ濃縮された状態にある。
蒸発吸収ケース内には、不凝縮性ガスを抽出する不凝縮性ガス抽出装置が設けられており、蒸発吸収ケースの底部で不凝縮性ガス抽出装置を介して二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクと連通しているが、吸収サイクルの作動によって吸収器内の圧力は低くなっているため、蒸発吸収ケース内の吸収液は、二室式不凝縮性ガス貯蔵タンク内へ流入しない。
従って、冷房運転時には、凝縮器内に貯留された冷媒液分だけ少なくなって濃縮された吸収液が、吸収サイクル内を循環する。
【0011】
逆に、暖房運転が行われた場合には、再生器で加熱された吸収液は、暖房用吸収液流路により再生器から蒸発吸収ケース内の蒸発器へ直接供給されて、吸収器を経て再び再生器へと戻され、凝縮器等の吸収サイクル内を循環しない。従って、暖房運転時には、吸収サイクル内に存在する吸収液は、吸収器および蒸発器と再生器のみの間で循環し、凝縮器へは循環せず、冷媒液貯留部で冷媒液が貯留されないため、あらかじめ装置内に封入された濃度が低く冷房運転時に比べて多量の吸収液が再生器、蒸発器、吸収器の順で循環することになる。
ここで、蒸発吸収ケースの底部は、二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクと連通しており、蒸発吸収ケース内の圧力は高温の吸収液の蒸気圧によって二室式不凝縮性ガス貯蔵タンク内の圧力より高くなっているため、蒸発吸収ケース内の吸収液は、不凝縮性ガス抽出装置を介して二室式不凝縮性ガス貯蔵タンク内へ流入する。
【0012】
二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクは、上方ガス貯蔵室と下方ガス貯蔵室とを上下に分割する隔壁の連通部に、浮き弁体からなる逆止弁機構が設けられている。このため、下方ガス貯蔵室内が吸収液で充填されると、浮き弁体が逆止弁として作用し、上記連通部を封鎖するので、上方ガス貯蔵室内には吸収液が流入しない。
従って、再生器、蒸発器、吸収器を循環する吸収液のうち、下方ガス貯蔵室の容積分の吸収液が減少して、蒸発吸収ケース内の吸収液の液位が低下する。
【0013】
この結果、蒸発器等の小型化を図って、容積、寸法などを小さくした場合であっても、暖房運転時に再生器から高温の吸収液が蒸発器内へ供給されるとき、供給された吸収液の液面が蒸発器内の熱交換用配管まで達しないから、該熱交換用配管に吸収液が付着することがなく、腐食を防止できる。
また、冷房運転時には、凝縮器内に冷媒液を貯留することによって、吸収サイクル内を循環する吸収液の実質的な濃度を高くすることができるため、冷凍能力が低下することがないとともに、暖房運転時においては吸収液の濃度が低くなって、吸収液の晶析を招くことがなく、冷房運転時、暖房運転時ともに、それぞれの運転に適した濃度で吸収液を循環させることができる。
【0014】
請求項2では、請求項1において、前記気液分離部は、U字形状のU字管体を有し、該U字管体により前記蒸発吸収ケースの下部と前記下方ガス貯蔵室の下部とを連通させることを技術的手段とする。
請求項3では、請求項1または2において、前記蒸発器における前記暖房用吸収液流路の開口部には、供給される吸収液の噴出を防止するための防止板が設けられたことを技術的手段とする。
これにより、請求項3では、上記蒸発吸収ケース内の吸収液の液位の低下により、液面を防止板より低い高さに確保でき、再生器から蒸発器内に供給される高温の吸収液が気泡を伴って防止板を越えて飛び散り、蒸発器内の熱交換用配管に付着することがないから、腐食を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関わる吸収式空調装置の実施例を示す。
吸収式空調装置は、冷凍装置としての室外機100と室内機RUとからなり、室外機100は、冷凍機本体101と冷却塔(クーリングタワー)CTとから構成される。なお、空調装置は、制御装置102により制御される。
【0016】
冷凍機本体101は、主にステンレスによって成形され、冷媒及び吸収液としての臭化リチウム水溶液の吸収サイクルを形成するもので、加熱手段としてのガスバーナBが下方に備えられた高温再生器1と、この高温再生器1の外側に被さるように配置された低温再生器2とからなる二重効用型の再生器と、低温再生器2の外周に順に配置された吸収器3および蒸発器4と、低温再生器2の外周で吸収器3及び蒸発器4の上方に配置された凝縮器5とを、幾つかの通路で接続してなる。なお、吸収液内には、ステンレスと臭化リチウムとの反応による腐食を抑制するためのインヒビター(腐食抑制剤)が含まれている。
【0017】
高温再生器1は、ガスバーナBによって加熱される加熱タンク11の上方に中濃度吸収液分離筒12を延長させて設け、中濃度吸収液分離筒12の上方からその外側に覆い被さるように縦型円筒形の気密性の冷媒回収タンク10が設けられている。
中濃度吸収液分離筒12の内側下方には、中濃度吸収液分離筒12の内壁との間に間隔をおいて配置された吸収液仕切り容器13が、その上縁の数カ所を中濃度吸収液分離筒12の内側に接合させて設けられ、中濃度吸収液分離筒12と吸収液仕切り容器13との間には、加熱タンク11で加熱された吸収液が上昇する筒状の吸収液上昇流路14が形成されている。
【0018】
吸収液仕切り容器13の上方の中濃度吸収液分離筒12内には、吸収液上昇流路14を上昇する吸収液を戻すための吸収液戻し板15が設けられており、上述の中濃度吸収液分離筒12は、この吸収液戻し板15の上方に位置する上方部材と下方に位置する下方部材との上下2つの部材からなるもので、これらが吸収液戻し板15に対して溶接によって接合されたものである。
【0019】
吸収液仕切り容器13の側部には、冷媒が分離されて高濃度化された中濃度吸収液を低温再生器2へ供給するための中濃度吸収液流路L1の流入口が開口しており、吸収液仕切り容器13の底部には、暖房運転時に、加熱された吸収液を蒸発器4内へ供給するための暖房用吸収液流路L4の流入口が開口している。
【0020】
冷媒回収タンク10内の下部内側には、中濃度吸収液分離筒12との間に断熱用間隙17aを形成して冷媒仕切り筒17が中濃度吸収液分離筒12に接合されている。この断熱用間隙17aにより、中濃度吸収液分離筒12内の熱が遮断され、後述する冷媒回収タンク10下方の冷媒貯留部10a内の冷媒液が、吸収液上昇流路14内の高温の吸収液によって加熱されることを防止している。
【0021】
以上の構成により、高温再生器1では、加熱タンク11の内部に供給された低濃度吸収液をガスバーナBによって加熱すると、中濃度吸収液分離筒12と吸収液仕切り容器13との間に形成された筒状の吸収液上昇流路14を加熱された吸収液が上昇し、加熱により低濃度吸収液中の冷媒としての水が蒸発して冷媒蒸気(水蒸気)として分離して、冷媒蒸気の蒸発により濃化した中濃度吸収液は、吸収液戻し板15によって内側へ方向を転換されて吸収液仕切り容器13内へ戻される。
【0022】
冷媒が分離されて高濃度化された中濃度吸収液は、吸収液仕切り容器13の側部に開口した中濃度吸収液流路L1から、低温再生器2へ供給される。
冷媒回収タンク10は、冷媒仕切り筒17の外側が、分離された冷媒が貯留する冷媒貯留部10aとなっており、冷媒貯留部10aに貯留された冷媒は、冷媒流路L5から凝縮器5へ供給される。
【0023】
低温再生器2は、冷媒回収タンク10の外周に偏心して設置した縦型円筒形の低温再生器ケース20を有し、低温再生器ケース20の天井の周囲には冷媒蒸気出口21が設けられている。
低温再生器ケース20の天井の頂部は、中濃度吸収液流路L1により熱交換器Hを介して中濃度吸収液分離筒12内の吸収液仕切り容器13内と連結されている。
【0024】
中濃度吸収液流路L1中には、吸収液仕切り容器13から低温再生器2へ流れる中濃度吸収液の流量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられていて、低温再生器ケース20内へは中濃度吸収液分離筒12との圧力差により中濃度吸収液が供給される。(低温再生器ケース20内では、約70mmHg、中濃度吸収液分離筒12内では約700mmHg)
【0025】
これにより、低温再生器2では、低温再生器ケース20内に供給された中濃度吸収液を、冷媒回収タンク10の外壁を熱源として再加熱し、中濃度吸収液は低温再生器ケース20の上部の気液分離部22で冷媒蒸気と高濃度吸収液とに分離され、高濃度吸収液は、高濃度吸収液受け部23に貯留される。
高濃度吸収液受け部23の底には、吸収器3と連通する高濃度吸収液流路L2の流入口が開口している。
【0026】
低温再生器ケース20の外周には、縦型円筒形で気密性の蒸発・吸収ケース30が下部に、凝縮器ケース50が上部にそれぞれ同心的に配されており、冷媒回収タンク10、低温再生器ケース20および蒸発・吸収ケース30は、底板部18に一体に溶接され、また、底板部18の内側端は、中濃度吸収液分離筒12の下方部材の外周面に溶接されて、冷凍機本体101を形成している。
なお、低温再生器ケース20内は、冷媒蒸気出口21および隙間5Aを介して凝縮器ケース50内と連通している。蒸発・吸収ケース30の表記は、蒸発と吸収との間にドットの無い蒸発吸収ケース30の文言と同一である。
【0027】
吸収器3は、蒸発・吸収ケース30内の内側部分に、銅管が縦型円筒状に巻設され内部に排熱用冷却水が流れる吸収管としてコイル状に巻かれた吸収コイル31が配置され、吸収コイル31の上方には、高濃度吸収液を吸収コイル31に散布するための高濃度吸収液散布具32が配置されている。
吸収コイル31は、低温再生器ケース20の外側に、捲回された銅管からなるもので、吸収コイル31の流入口は、冷却水流路34と接続され、吸収コイル31の流出口は凝縮器5の冷却コイル51の流入口に接続されている。
【0028】
高濃度吸収液散布具32は、熱交換器Hを介して低温再生器2の高濃度吸収液受け部23と連結された高濃度吸収液流路L2を介して供給される高濃度吸収液を受けて溜めることによって自己冷却させる吸収液冷却容器と、吸収液冷却容器で溜められた吸収液を巻設された吸収コイル31の各周上に滴下させる。
【0029】
以上の構成により、吸収器3では、低温再生器2の高濃度吸収液受け部23の高濃度吸収液が圧力差により高濃度吸収液流路L2から流入し、流入した高濃度吸収液は、高濃度吸収液散布具32により吸収コイル31の上端に散布され、吸収コイル31の表面に付着して薄膜状になり、重力の作用で下方に流下し、水蒸気を吸収して低濃度吸収液となる。この水蒸気を吸収する際に吸収コイル31の表面で発熱するが、吸収コイル31を循環する排熱用冷却水により冷却される。尚、吸収液に吸収される水蒸気は、後述する蒸発器4で冷媒蒸気として発生したものである。
【0030】
吸収器3の底部33は、熱交換器Hおよび吸収液ポンプP1が装着された低濃度吸収液流路L3で加熱タンク11の底部と連結されており、吸収液ポンプP1の作動により吸収器3内の低濃度吸収液は加熱タンク11内へ供給される。
また吸収コイル31内には、冷房運転時に、冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が、凝縮器5の冷却コイル51を介して循環する。
【0031】
吸収器3の内部には、吸収サイクル内で発生した不凝縮性ガス(水素ガス)を吸い込むための抽気装置としてのエジェクター80が設けられている。
エジェクター80は、吸収器3内に開口した吸引口81に連続して吸引口81より径が小さい吸導管82を設けるとともに、吸引口81の内側に吸収液ポンプP1の吐出側と連通した吸収液吐出管83を配して、吸収液ポンプP1の吐出圧によって吸収液吐出管83の末端から吸収液が吸引口81に向かって吐出される際に、吸引口81との間の冷媒蒸気および不凝縮性ガス等の気体成分をいわゆるエゼクタ効果によって吸収液内に吸い込み混合するようにした構造である。
【0032】
吸導管82は、吸収器3の底部33に連通して設けられた略J字(又は略U字)形状の有谷管状体からなる気液分離管84の内側に配されて、気液分離管84とともに気液分離器を構成するもので、気液分離管84と同様に略J字(又は略U字)形状を呈し、気液分離管84内の谷部85を経た位置で上向きに開口している。谷部85は気液分離管84と一体的になっているため、以後、気液分離管に谷部の番号85を付することがある。
気液分離器の末端、すなわち、気液分離管84の末端には、不凝縮性ガス貯蔵器90が接続されている。
【0033】
不凝縮性ガス貯蔵器90は、下方側タンク91と上方側タンク92とからなり、下方側タンク91と上方側タンク92とは、連通穴93を有する隔壁94によって分割されており、連通穴93には、逆止弁機構95が備えられている。
逆止弁機構95は、連通穴93から下方側タンク91内へ向かって突出した筒状部96内に、吸収液より比重の小さいシリコンゴム性で球体状のフロート弁体97が配され、連通穴93の下方側に弁座98が形成されたもので、筒状部96内の下部には、フロート弁体97が筒状部96内から遊離しないようにするための遊離防止棒99が装着されている。
【0034】
エジェクター80及び不凝縮性ガス貯蔵器90は、以上の構成により、吸収液ポンプP1の作動中には、エジェクター80の吸収液吐出管83から吸引口81へ向かって吐出される吸収液のエゼクタ効果によって、吸収器3内の冷媒蒸気および不凝縮性ガスをエジェクター80の吸引口81から吸引し、吸導管82内を吸収液と混合した状態で気液分離管84へ導き、気液分離管84では不凝縮性ガスを吸収液から分離させて、不凝縮性ガス貯蔵器90の下方側タンク91内に貯蔵する。
尚、吸引された冷媒蒸気は、吸導管82内で吸収液に吸収され、気液分離管84からは、不凝縮性ガスのみが気体として分離する。
【0035】
蒸発器4は、蒸発・吸収ケース30内の吸収コイル31の外周に設けた縦型円筒形で多数の連通口(図示なし)付きの仕切り板40の外周に、内部を冷暖房用の冷温水が流れる銅管からなる縦型円筒形の蒸発コイル41を配設し、その上方に冷媒液散布具42を取り付けてなる。尚、蒸発器4の底部43は、電磁式の冷暖切替え弁6を有する暖房用吸収液流路L4により中濃度吸収液分離筒12内の吸収液仕切り容器13の底部と連通している。
尚、蒸発器4内の暖房用吸収液流路L4の開口部の内側には、暖房運転時に供給される吸収液が、蒸発器4内へ噴出しないようにするために、図4に示すように、防止板(バッフル板)43Aが配されている。
【0036】
以上の構成により、蒸発器4では、冷房運転時に冷媒液散布具42より冷媒液(水)を蒸発コイル41の上に流下させると、流下された冷媒液は、表面張力で蒸発コイル41の表面を濡らして膜状となり、重力の作用で下方へ降下しながら低圧(例えば、6.5mmHg)となっている蒸発・吸収ケース30内で蒸発コイル41から気化熱を奪って蒸発し、蒸発コイル41内を流れる空調用の冷温水を冷却する。
【0037】
凝縮器5は、蒸発・吸収ケース30の上方の開口を塞ぐようにして設けられた凝縮器ケース50の内部に冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が内部を循環する冷却コイル51を配設してなる。
【0038】
凝縮器ケース50内には、冷却コイル51によって冷却された冷媒蒸気が液化した冷媒液を凝縮器ケース50から浮かした位置で受けるための皿状の冷媒液受け部52が設けられていて、冷媒液受け部52は、蒸発器4の冷媒液散布具42の上方に設けられて、供給される冷媒液の自己冷却により冷媒液を冷却させる冷媒冷却器48と、冷媒液供給路L6によって連通している。
以上の構造を有する凝縮器5は、冷媒流量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられた冷媒流路L5により冷媒回収タンク10の冷媒貯留部10aと連通するとともに、冷媒蒸気出口21および隙間5Aを介して低温再生器2とも連通しており、いずれも圧力差(凝縮器ケース内では約70mmHg)により冷媒が供給される。
【0039】
冷房運転時において、凝縮器ケース50内に供給された冷媒蒸気は、冷却コイル51により冷却されて液化し、凝縮器5の下部に設けられた冷媒液受け部52から蒸発器4内に配置された冷媒冷却器48へ冷媒液供給路L6を介して供給される。冷媒液受け部52をオーバーフローした冷媒液は、凝縮器ケース50の底によって形成される冷媒液貯留部53に貯留され、冷房運転時に吸収サイクルを循環する吸収液の濃度を実質的に高く維持して、冷房性能を向上させている。そして、冷媒液貯留部53と冷媒冷却器48とは、冷媒弁7を備えた冷媒液流路L7によって連通しており、冷媒液の凍結の恐れのある場合に、冷媒弁7の開弁制御によって蒸発器4に冷媒液が供給されて、蒸発器4内の蒸気圧を高くすることにより凍結を防止する。
また、暖房運転の開始時にも、冷媒弁7が開弁されて、冷房運転時に凝縮器5の冷媒液貯留部53内に貯留された冷媒液が蒸発器4内へ供給され、暖房運転時に加熱され循環する吸収液の濃度を低く維持して、晶析が防止される。
【0040】
以上の構成により、冷房運転時において、吸収液は、高温再生器1→中濃度吸収液流路L1→低温再生器2→高濃度吸収液流路L2→高濃度吸収液散布具32→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
また、冷媒は、高温再生器1(冷媒蒸気)→冷媒流路L5(冷媒蒸気)又は低温再生器2(冷媒蒸気)→凝縮器5(冷媒液)→冷媒供給路L6(冷媒液)又は冷媒液流路L7(冷媒液)→冷媒冷却器48→冷媒液散布具42(冷媒液)→蒸発器4(冷媒蒸気)→吸収器3(吸収液)→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
【0041】
上記、吸収液と熱交換する吸収器3の吸収コイル31と凝縮器5の冷却コイル51は、接続されて連続コイルを形成しており、連続コイルは、冷却水流路34によって冷却塔CTと接続されて冷却水循環路を形成している。
この冷却水循環路において、吸収コイル31の入口と冷却塔CTとの間の冷却水流路34には、連続コイル内へ冷却水を送り込むための冷却水ポンプP2が設けられており、冷却水ポンプP2の作動により連続コイルを通過する冷却水は、吸収コイル31で吸収熱を、冷却コイル51で凝縮熱をそれぞれ吸熱して比較的高温となって、冷却塔CTに供給される。
【0042】
上記の構成により、冷房運転時には、冷却水ポンプP2の作動により冷却塔CT内の冷却水が、冷却塔CT→冷却水ポンプP2→吸収コイル31→冷却コイル51→冷却塔CTの順に循環する。
冷却塔CTでは、落下する冷却水を大気中に一部蒸発させて、残りの冷却水を冷却する自己冷却がなされており、冷却水は、大気中に放熱して低温度になる排熱サイクルを形成している。なお、送風機Sからの送風により、水の蒸発を促進させている。
【0043】
蒸発器4の蒸発コイル41には、室内機RUに設けられた空調熱交換器44が冷温水流路47で連結されていて、冷温水流路47には、冷温水ポンプP3が設けられている。
以上の構成により、蒸発コイル41で低温度となった冷温水は、蒸発コイル41→冷温水流路47→空調熱交換器44→冷温水流路47→冷温水ポンプP3→蒸発コイル41の順で循環する。
【0044】
室内機RUには、空調熱交換器44が設けられているとともに、この熱交換器44に対して、室内空気を通過させて再び室内へ吹き出すブロワ46が備えられている。
【0045】
暖房用吸収液流路L4および冷暖切替え弁6は暖房運転用に設けられたもので、暖房運転時には冷暖切替え弁6を開弁し、吸収液ポンプP1を作動させる。
これにより、中濃度吸収液分離筒12内の吸収液仕切り容器13内の高温度の中濃度吸収液が蒸発器4内へ流入し、中濃度吸収液の高温蒸気(冷媒蒸気)によって蒸発コイル41内の冷温水が加熱され、加熱された蒸発コイル41内の冷温水は、冷温水ポンプP3の作動により冷温水流路47から空調用熱交換器44へ供給され、暖房の熱源となる。
蒸発器4内の中濃度吸収液は、仕切り板40の連通口40aから吸収器3側へ入り、低濃度吸収液流路L3を経て、吸収液ポンプP1により加熱タンク11へ戻される。
【0046】
以上の構成からなる本実施例の空調装置では、吸収サイクルにおいて吸収液を循環させるための吸収液ポンプP1と、蒸発器コイル41で冷却または加熱された冷温水を冷温水流路47によって室内機RUの空調用熱交換器44に循環させるための冷温水ポンプP3とが、同一のモータによって駆動されるタンデムポンプとして構成されていて、常に吸収液ポンプP1と冷温水ポンプP3とが同時に同一回転数で回転する。
【0047】
次に、以上の構成からなる室外機100における不凝縮性ガスの貯蔵動作を説明する。
[冷房運転]
冷房運転では、冷暖切替え弁6が閉弁されており、ガスバーナBが点火され、吸収液ポンプP1及び冷温水ポンプP3が駆動されると、吸収液は、高温再生器1→中濃度吸収液流路L1→低温再生器2→高濃度吸収液流路L2→高濃度吸収液散布具32→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
また、冷媒は、高温再生器1(冷媒蒸気)→冷媒流路L5(冷媒蒸気)又は低温再生器2(冷媒蒸気)→凝縮器5(冷媒液)→冷媒供給路L6(冷媒液)又は冷媒液流路L7(冷媒液)→冷媒冷却器48→冷媒液散布具42(冷媒液)→蒸発器4(冷媒蒸気)→吸収器3(吸収液)→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
【0048】
この循環によって、吸収サイクル内の冷媒は、凝縮器5内の冷媒液貯留部53で貯留されるため、吸収器3および高温再生器1内を循環する吸収液の実質的な濃度は、凝縮器5の冷媒液貯留部53で貯留された冷媒液の分だけ濃縮されて、高濃度になる。従って、吸収サイクル内に封入しておく吸収液の濃度を、予め低くしておくことで、冷房運転時に循環する吸収液の濃度を最適にすることができる。
【0049】
さらに吸収液は、不凝縮性ガス抽出装置であるエジェクター80および不凝縮性ガス貯蔵器90に対して吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→吸収液吐出管83→吸導管82→気液分離管85→不凝縮性ガス貯蔵器90の下方側タンク91→気液分離管85→吸収器3→吸収液ポンプP1の順で循環する。
この吸収液の循環において、吸収サイクル内で発生した不凝縮性ガスは、エジェクター80によって抽気され、不凝縮性ガス貯蔵器90の下方側タンク91に流入する。このとき、吸収器3および蒸発器4を形成する蒸発・吸収ケース30内の圧力は、不凝縮性ガス貯蔵器90内の圧力と同程度に低くなるため、図2に示すように、吸収器3内の吸収液は下方側タンク91へ流入せず、下方側タンク91内の液位は一定に保たれる。また、このとき、逆止弁機構95のフロート弁体97は、弁座98から下方に離れて筒状部96内で遊離防止棒99に係止されていて、連通穴93は開放状態にある。従って、下方側タンク91へ導かれた不凝縮性ガスは、逆止弁機構95を通過して、上方側タンク92内へ流入して貯蔵される。
【0050】
[暖房運転]
暖房運転では、冷暖切替え弁6が開弁される。従って、ガスバーナBが点火され、吸収液ポンプP1及び冷温水ポンプP3の駆動されると、吸収液は、高温再生器1→暖房用吸収液流路L4→蒸発器4→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
暖房運転では冷却水ポンプP2は駆動されず、凝縮器5で冷媒液は生成されず、また、暖房運転の開始時に冷媒弁7が開弁して凝縮器5の冷媒液貯留部53内に貯留された冷媒液は全て冷媒液流路L7を介して蒸発器4内へ戻されるため、上記暖房運転時の吸収液の循環では、予め設定された低濃度の吸収液が循環する。従って、吸収液が高温になっていても、循環流路中で、吸収液が晶析することがない。
【0051】
また、暖房運転においても、吸収液は、不凝縮性ガス抽出装置であるエジェクター80および不凝縮性ガス貯蔵器90に対して吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→吸収液吐出管83→吸導管82→気液分離管85→不凝縮性ガス抽出装置90の下方側タンク91→気液分離管85→吸収器3→吸収液ポンプP1の順で循環する。
この吸収液の循環において、吸収サイクル内で発生した不凝縮性ガスは、エジェクター80によって抽気され、不凝縮性ガス貯蔵器90の下方側タンク91に流入する。
このとき、吸収器3および蒸発器4を形成する蒸発・吸収ケース30内の圧力は、不凝縮性ガス貯蔵器90内の圧力に対して高くなっている(例えば、200〜250mmHg)ため、図3に示すように、吸収器3内の吸収液が、より低圧の不凝縮性ガス貯蔵器90へ流入する。
【0052】
不凝縮性ガス貯蔵器90へ流入した吸収液が下方側タンク91内を満たすと、逆止弁機構95のフロート弁体97は、流入した吸収液によって筒状部96内を上方へ移動し、連通穴93の弁座98に密着し、遮断されて、吸収液は上方側タンク92内には流入せず、不凝縮性ガスの貯蔵スペースは上方側タンク92によって確保される。この結果、不凝縮性ガス貯蔵器90の下方側タンク91内には吸収液が充満し、この分、蒸発・吸収ケース30内の吸収液が減少する。従って、凝縮器5内の冷媒液貯留部53に冷却液が貯留されていないため冷房運転時より多くなっていた吸収液の過剰分が、下方側タンク91内に貯留することによって、暖房運転時においても、蒸発・吸収ケース30内の吸収液の液面が高くならず、しかも、低濃度で循環させることができる。
【0053】
暖房運転中にも、不凝縮性ガスはエジェクター80によって抽出され、下方側タンク91へ導かれる。下方側タンク91内の不凝縮性ガスが増加すると、逆止弁機構95が開いて、不凝縮性ガスが上方タンク92へ移動して貯蔵される。
【0054】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、吸収サイクルにおいて、凝縮器5内の冷媒液貯留部53に冷媒液を貯留することによって、冷房運転時には、吸収サイクルのうち吸収器3及び高温再生器1内の吸収液の濃度を、冷房運転に適した濃度にして冷房性能を確保することができるとともに、暖房運転時は、吸収液の濃度が高くならないため、晶析を防止することができる。
また、不凝縮性ガス貯蔵器90を下方側タンク91と上方側タンク92の2室構造とし、これらのタンク91、92を逆止弁機構95を介して連通させることにより、暖房運転時には、下方側タンク91の容積分だけ、吸収液を吸収器3等の循環路から減らすことができるため、蒸発・吸収ケース30内つまりは蒸発器4内の吸収液の液位を下げることができる。この結果、高温再生器1から蒸発器4内へ供給される吸収液の液面と蒸発コイル41との間には隙間Mが確保され、吸収液は蒸発コイル41に接触しない。また、防止板43Aと液面との間には、隙間Kが確保され、この隙間Kを通って高温再生器1から供給される高温の吸収液内の蒸気が上方に抜けるため、蒸気の混ざった吸収液の噴き上げは防止板43Aで阻止され吸収液が蒸発器4内で飛散することがない。従って、室外機100の小型化を図って蒸発器4等の容積が小さくなった場合でも、蒸発コイル41に吸収液が付着し、腐食することを防止できる。
【0055】
図5に不凝縮性ガス貯蔵器90における逆止弁機構95の他の実施例を示す。この実施例では、筒状部96、遊離防止棒99を省略し、代わりにフロート弁体97に係止フランジ97aを連結棒97bで連結して、フロート弁体97の遊離を防止している。
【0056】
上記実施例では、不凝縮性ガス抽出装置としてエジェクター80を用いたものを示したが、サイホン式の不凝縮性ガス抽出装置を用いてもよい。
上記実施例では、室外機100に対して、単一の室内機RUのみを設けたものを示したが、複数の室内機RUを室外機100の蒸発コイル41に対して並列に接続してもよい。
上記各実施例では、冷却水流路34の冷却塔CTを、冷却水の一部を蒸発させて冷却水を自己冷却する開放式のものとしたが、冷却水流路34を循環する冷却水が、大気に開放されていない密閉回路を形成した水冷装置でもよい。
上記実施例では、室内機RUに空調熱交換器44のみを設けたものを示したが、室内温度を下げないで除湿運転を行うために、空調熱交換器44で一旦冷却した空気を加熱する加熱用熱交換器を空調熱交換器44と並設させるようにしてもよい。
上記実施例では、2重効用式で説明したが、1重効用式でもよい。また、加熱源としては、石油バーナや、電気ヒータを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す空調装置の概略構成図である。
【図2】実施例における冷房運転時の不凝縮性ガス貯蔵器の状態を説明するための部分断面図である。
【図3】実施例における暖房運転時の不凝縮性ガス貯蔵器の状態を説明するための部分断面図である。
【図4】実施例における暖房運転時の蒸発・吸収ケース内の吸収液の状態を説明するための部分断面図である。
【図5】本発明の不凝縮性ガス貯蔵器における逆止弁機構の他の実施例を示す不凝縮性ガス貯蔵器の断面図である。
【符号の説明】
1 高温再生器
2 低温再生器
3 吸収器
30 蒸発・吸収ケース(吸収器ケース)
33 底部(吸収器の底部)
4 蒸発器
41 蒸発コイル(熱交換用配管)
43A 防止板
44 空調熱交換器(空調用熱交換器)
47 冷温水流路(冷温水循環回路)
5 凝縮器
52 冷媒液受け部
53 冷媒液貯留部
6 冷暖切替え弁
80 エジェクター(不凝縮性ガス抽出装置)
81 吸引口(抽出部)
84 気液分離管(気液分離部)
85 気液分離管の谷部
90 不凝縮性ガス貯蔵器(二室式不凝縮性ガス貯蔵タンク)
91 下方側タンク(下方ガス貯蔵室)
92 上方側タンク(上方ガス貯蔵室)
93 連通穴(下方ガス貯蔵室と上方ガス貯蔵室との連通部)
94 隔壁
95 逆止弁機構
97 フロート弁体(浮き弁体、逆止弁機構)
102 制御装置(運転制御手段)
B ガスバーナ(加熱手段)
P1 吸収液ポンプ
RU 室内機
L4 暖房用吸収液流路
Claims (3)
- 冷媒を含む吸収液を加熱手段により加熱して吸収液から冷媒蒸気を分離させる再生器と、
該再生器によって分離した前記冷媒蒸気を冷却して凝縮させるとともに、凝縮によって生じた冷媒液を貯留する冷媒液貯留部が設けられた凝縮器と、
該凝縮器の前記冷媒液貯留部に貯留された冷媒液を低圧下で蒸発させて冷却源とする蒸発器と、
前記蒸発器と連通して設けられ、前記再生器で前記冷媒蒸気が分離された吸収液に、前記蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を吸収させる吸収器と、
前記吸収器から前記再生器へ吸収液を戻すための吸収液ポンプとから吸収サイクルを形成し、
室内機に設けられた空調用熱交換器との間で冷温水を循環させるための冷温水循環回路を形成した熱交換用配管を前記蒸発器内に配するとともに、
冷房運転と暖房運転とを切り替えるための冷暖切替え弁を備えた暖房用吸収液流路により前記再生器と前記蒸発器とを接続した吸収式空調装置であって、
冷房運転時には前記冷暖切替え弁を閉弁制御し、暖房運転時には前記冷暖切替え弁を開弁制御する運転制御手段を具備した吸収式空調装置において、
前記蒸発器及び吸収器を形成する蒸発吸収ケース内の不凝縮性ガスを抽出する抽出部および前記蒸発吸収ケースの底部と連通して設けられ、前記抽出部で抽出された不凝縮性ガスを吸収液から分離する気液分離部とからなる不凝縮性ガス抽出装置と、
連通部を有する隔壁により上下に分割して形成した上方ガス貯蔵室と下方ガス貯蔵室とを有し、前記下方ガス貯蔵室の下端に、前記不凝縮性ガス抽出装置の前記気液分離部の端が接続された不凝縮性ガス貯蔵タンクであって、前記下方ガス貯蔵室が吸収液で満たされると、前記隔壁の前記連通部に配された浮き弁体が吸収液に浮いて前記連通部に密着し、前記下方ガス貯蔵室から前記上方ガス貯蔵室へ向かう吸収液を遮断する逆止弁機構を設けた二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクとを設けたことを特徴とする吸収式空調装置。 - 前記気液分離部は、U字形状のU字管体を有し、該U字管体により前記蒸発吸収ケースの下部と前記下方ガス貯蔵室の下部とを連通させることを特徴とする請求項1に記載の吸収式空調装置。
- 前記蒸発器における前記暖房用吸収液流路の開口部には、供給される吸収液の噴出を防止するための防止板が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の吸収式空調装置。
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