JP3790355B2 - 吸収式冷凍装置の再生器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭化リチウムなどの水溶液を吸収液とする吸収サイクルを形成した吸収式冷凍装置の再生器の構造に関し、特に、運転開始等の過渡状態における吸収サイクルの安定性の向上に係る。
【0002】
【従来の技術】
吸収液の吸収サイクルを用いた家庭用の小型の吸収式冷凍装置では、高温再生器においてバーナで低濃度吸収液を加熱して沸騰させて中濃度吸収液と冷媒蒸気とに分離し、更に、低温再生器では中濃度吸収液を高温再生器の熱を利用して高濃度吸収液と冷媒蒸気とに分離する二重効用型の再生器が用いられる。ここで、高温再生器内で加熱された吸収液が沸騰するとき、高温の吸収液が飛散して高温再生器の壁の内壁面に付着すると、高温再生器の壁の腐食を招き易く、この腐食により、壁に貫通穴が形成されると、外部(大気)への洩れ(真空洩れ、吸収液の洩れ)が生じる恐れがある。
【0003】
このため、高温再生器の内壁面との間に高温再生器の壁の外壁面のうち外部(大気)に晒される部分の上端K(図2参照)を越えた上方まで、吸収液の上昇流路を形成させるための鍋状の容器を高温再生器内に配するとともに、高温再生器の内壁から内側に向かう鍔状の吸収液戻し板部材を上記吸収液の上昇流路の上方に設けることによって、上記吸収液の上昇流路を上昇した吸収液の進行方向を、吸収液戻し板部材で前記鍋状容器の内側へ変更するように流路を形成したものを本願出願人は先に提案した。
【0004】
これにより、上端Kより上方の吸収液戻し板部材までの区間における高温再生器の壁の内壁面はインヒビターを含んだ吸収液に常時浸されることになり、インヒビターの作用によって、高温再生器の壁のうち、外壁面が外気に晒されている部分の腐食を防止することができる。
尚、吸収液戻し板部材より上方の高温再生器の壁は、腐食が生じて貫通しても、内部洩れであり、大きな問題とならないため、前記吸収液の上昇流路形成による腐食対策は設けられていない。
【0005】
上記吸収サイクルにおいて、吸収器内の低濃度吸収液は吸収液ポンプによって高温再生器へ吐出され、高温再生器内で分離された冷媒蒸気は、吸収サイクル内の圧力差によって凝縮器へ供給され、高温再生器内で冷媒蒸気が分離された中濃度吸収液は、同じく吸収サイクル内の圧力差によって、鍋状容器内に開口した中濃度吸収液流路配管から高温再生器の外側に設けられた低温再生器内へと導かれる。
【0006】
上記のとおり構成された吸収式冷凍装置においては、高温再生器内で発生する冷媒蒸気の量に応じて高温再生器内の圧力が変化するとともに、高温再生器内から低温再生器への中濃度吸収液の供給量が変化する。この変化率に合わせるために、吸収液ポンプから高温再生器への供給量も高温再生器内圧力を間接的に表す高温再生器内の吸収液温度に比例して変化させて、鍋状容器内の液位を一定に保つよう制御をかけている。
【0007】
しかし、非定常時(運転開始初期や負荷変動時)に高温再生器内圧力と高温再生器内の吸収液温度が追随しない場合、あるいは、製品ばらつき(吸収液ポンプの吐出力ばらつきや中濃度吸収液流路管の圧力損失ばらつき等)により、鍋状容器内の液位を一定にできない場合がある。
【0008】
このような場合、鍋状容器内の吸収液の液位が高温再生器から低温再生器へと中濃度吸収液を導く中濃度吸収液流路の開口部より低くなると、高温再生器内の冷媒蒸気が低温再生器の中濃度吸収液を加熱する熱源として使用されないまま直接低温再生器を介して凝縮器へ供給されてしまうため、低温再生器が機能せず出力低下を招くという問題があり、逆に、吸収液の液位が鍔状の吸収液戻し部材より上方まで上昇すると、沸騰して上昇流路内を流れる吸収液中の冷媒蒸気の出口が液面で塞がれることになり、分離不良となって吸収液は噴き上げられ、高温再生器の冷媒貯留部(図1参照、10a)に吸収液が浸入し、出力低下を招く問題がある。
【0009】
従って、高温再生器で鍋状容器内の吸収液の液位の変動可能な範囲は、鍔状の吸収液戻し部材の位置と鍋状部材での中濃度吸収液流路の開口位置との高低差分となり、これが、前記吸収液の液位の変動に対して、冷媒蒸気の分離性能が確保できる余裕度となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のとおり、従来では、高温再生器における鍋状容器内の吸収液の液位の余裕度は、鍔状の吸収液戻し板部材の位置から、鍋状部材における中濃度吸収液流路の開口の位置までの高低差に限られていて、前記非定常時や製品ばらつきによって液位が変動して前記高低差内に収まりきらず、装置の出力低下が避けられなかった。
【0011】
本発明は、家庭用吸収式冷凍装置などの小型の吸収式冷凍装置において、量産時の機器の製造ばらつきに対しても確実に対応でき、定常運転時のみでなく、運転開始初期や負荷変動等の非定常時においても、能力低下を起こすことなく、安定した運転を確保することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、腐食を抑制するためのインヒビターを含む吸収液の吸収サイクルを形成した吸収式冷凍装置において吸収液を加熱して冷媒蒸気を分離する再生器であって、吸収液を加熱手段によって加熱して冷媒蒸気を分離させる高温再生器と、該高温再生器で冷媒蒸気が分離されて高濃度化した吸収液を前記高温再生器の熱によって再加熱して吸収液から冷媒蒸気を分離させる低温再生器とからなる二重効用型の再生器において、前記高温再生器は、前記吸収サイクル内で吸収液ポンプにより供給される吸収液を前記加熱手段によって加熱するための加熱タンクと、該加熱タンクの上方へ延設され、加熱された吸収液から冷媒蒸気を分離するための筒状の吸収液分離筒と、筒状の周壁を有し上方が開口し下方が閉塞した略鍋形状を呈するとともに、前記筒状の周壁の上下方向の中間部に前記周壁の内外を連通させる連通部が形成された部材であって、前記吸収液分離筒の内側に配置されて、前記吸収液分離筒の内側面と前記周壁との間で吸収液の上昇用流路を形成する分離筒内流路形成部材と、前記吸収液分離筒の内側で前記分離筒内流路形成部材の前記連通部の直上方を貫いて配置され、前記吸収液分離筒と前記分離筒内流路形成部材との間に冷媒蒸気を通過させるための冷媒蒸気通過穴が形成された略鍔状の部材であって、前記上昇流路を上昇した吸収液の進行方向を前記連通部から前記分離筒内流路形成部材の内側へ進路変更させるとともに、分離筒内流路形成部材内の吸収液の液位が高くなった場合には、前記冷媒蒸気通過穴に冷媒蒸気を通過させる下段鍔状部材と、前記分離筒内流路形成部材の前記周壁の上端より上方位置の前記吸収液分離筒の内周面から内側へ向かって前記周壁を越えて形成された鍔状部材であって、前記吸収液通過穴を通過して前記吸収液上昇流路を上昇した吸収液の進行方向を前記分離筒内流路形成部材の内側へ進路変更させる上段鍔状部材と、吸収液から分離された冷媒蒸気を回収するために前記吸収液分離筒の外側に前記吸収液分離筒を上方より覆って設けられたタンクであって、該タンクの壁面が前記低温再生器の加熱部を兼用する冷媒回収タンクと、前記分離筒内流路形成部材の前記連通部より下方に開口し、前記分離筒内流路形成部材内の吸収液を前記冷媒回収タンクの外側へ導くための二重効用用吸収液流路とを具備することを技術的手段とする。
【0013】
請求項2では、請求項1において、前記高温再生器及び前記低温再生器でそれぞれ分離された冷媒は、前記吸収サイクルにおける同一の凝縮器内へ供給されることを技術的手段とする。
【0014】
本発明では、吸収サイクル内では、吸収液ポンプの作動によって、吸収液及び冷媒蒸気が循環する。吸収液は、高温再生器へ供給されると、加熱タンクで加熱手段によって加熱され、加熱されて温度が十分に高くなった吸収液は、加熱タンクから上方へ延設された吸収液分離筒とその内側に配された分離筒内流路形成部材との間に形成された吸収液の上昇流路を上昇する。
【0015】
上昇流路を上昇した吸収液は、下段鍔状部材に衝突して吸収液分離筒の内側へ向かって進行方向が変更されて、分離筒内流路形成部材の周壁の連通部を通って、吸収液は分離筒内流路形成部材の内側へ流入し、分離した冷媒蒸気は上昇して冷媒回収タンク内に回収される。
【0016】
また、分離筒内流路形成部材の内側へ流入した吸収液の分離筒内流路形成部材内での液位が周壁の連通部より高くなった場合には、吸収液は下段鍔状部材に衝突して吸収液分離筒内側へ流入するに対して、冷媒蒸気は吸収液を伴った状態で下段鍔状部材の冷媒蒸気通過穴を通ってさらに上昇し、周壁の上端位置より上方位置に設けられた上段鍔状部材によって進行方向が変更されて、周壁を乗り越えて吸収液は分離筒内流路形成部材内へ流入し、分離した冷媒蒸気は上昇して冷媒回収タンク内に回収される。
分離筒内流路形成部材内に流入した吸収液は、周壁の連通部より下方で開口した二重効用用吸収液流路から、低温再生器へと導かれる。
【0017】
分離された冷媒蒸気は、冷媒回収タンクの壁面で低温再生器の吸収液と熱交換を行って凝縮して回収され、吸収サイクル内の凝縮器へ供給される際、圧力差により一部再沸して蒸気となり、凝縮器にてすべて凝縮され、その後、冷媒液となって蒸発器へ供給されて再び蒸発し、以後、吸収サイクル内の吸収器で吸収液に吸収されて循環する。
【0018】
上述したように冷媒回収タンクの壁面は、分離筒内流路形成部材から低温再生器へ供給された吸収液を加熱するための加熱部となっているため、低温再生器内の吸収液は、再加熱されて吸収液から冷媒蒸気が分離される。
低温再生器で分離された冷媒蒸気は、吸収サイクル内の凝縮器へ供給されて凝縮し、その後、冷媒液となって蒸発器へ供給されて再び蒸発し、以後、吸収サイクル内の吸収器で吸収液に吸収されて循環する。
低温再生器で冷媒蒸気が分離されて高濃度化した吸収液は、吸収サイクル内の吸収器へ供給されて、冷媒蒸気を吸収して低濃度化して、吸収液ポンプによって高温再生器へ戻されて、再び加熱される。
【0019】
上記の吸収サイクルの循環において、吸収サイクル内の圧力バランスが整い、上昇流路を上昇した吸収液の大半が下段鍔状部材に衝突して連通部から分離筒内流路形成部材内へ流入し、分離筒内流路形成部材内の吸収液の液位が、連通部より高くならない場合には、吸収液が連通部を通過する際に、冷媒蒸気が分離されている。
【0020】
これに対し、運転開始初期、室内機負荷変動時の吸収サイクル内の圧力が安定しない場合には、吸収液ポンプの吐出量によって吸収液位が機差によって上昇し、分離筒内流路形成部材内の吸収液の液位が連通部よりも高くなる。この場合、吸収液は下段鍔状部材に衝突して吸収液分離筒内側へ流入するに対して、冷媒蒸気は吸収液を伴った状態で下段鍔状部材の冷媒蒸気通過穴を通ってさらに上昇し、周壁の上端位置より上方位置に設けられた上段鍔状部材によって進行方向が変更されて、周壁を乗り越えて吸収液は分離筒内流路形成部材内へ流入し、分離した冷媒蒸気は上昇して冷媒回収タンク内に回収される。
分離筒内流路形成部材内に流入した吸収液は、周壁の連通部より下方で開口した二重効用用吸収液流路から、低温再生器へと導かれる。
【0021】
分離された冷媒蒸気は、冷媒回収タンクの壁面で低温再生器の吸収液と熱交換を行って凝縮して回収され、吸収サイクル内の凝縮器へ供給される際、圧力差により一部再沸して蒸気となり、凝縮器にてすべて凝縮され、その後、冷媒液となって蒸発器へ供給されて再び蒸発し、以後、吸収サイクル内の吸収器で吸収液に吸収されて循環する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関わる空調装置の実施例を示す。
空調装置は、吸収式冷凍装置としての室外機100と室内機RUとからなり、室外機100は、冷凍機本体101と冷却塔(クーリングタワー)CTとから構成される。なお、空調装置は、制御装置102により制御される。
【0023】
冷凍機本体101は、主にステンレスによって成形され、冷媒及び吸収液としての臭化リチウム水溶液の吸収サイクルを形成するもので、加熱手段としてのガスバーナBが下方に備えられた高温再生器1と、この高温再生器1の外側に被さるように配置された低温再生器2とからなる二重効用型の再生器と、さらに低温再生器2の外周に外側に向かって順に配置された吸収器3および蒸発器4と、低温再生器2の外周で吸収器3及び蒸発器4の上方に配置された凝縮器5とを、幾つかの通路で接続してなる。
なお、吸収液内には、ステンレスと臭化リチウムとの反応による腐食を抑制するためのインヒビターが含まれている。
【0024】
高温再生器1は、ガスバーナBによって加熱される加熱タンク11の上方に中濃度吸収液分離筒12を延長させて設け、中濃度吸収液分離筒12の上方からその外周に覆い被さるように縦型円筒形の気密性の冷媒回収タンク10が設けられている。
【0025】
中濃度吸収液分離筒12の内側下方には、図2に示すように、中濃度吸収液分離筒12の内壁とに間を置いて配置された鍋状部材13及び延長周壁14が設けられ、鍋状部材13及び延長周壁14と中濃度吸収液分離筒12の内壁との間には、加熱タンク11で加熱された吸収液が上昇するための吸収液上昇流路15が形成されている。
延長周壁14は筒状部材で、吸収液上昇流路15を上昇した吸収液を鍋状部材13の内側へ流入させるための流入部16を形成するために、鍋状部材13の周壁13aの上方延長上に鍋状部材13に対して間を置いて配置されている。
【0026】
延長周壁14の下縁には、中濃度吸収液分離筒12の内壁から中心へ向かった鍔状を呈する中間戻し板17が、鍋状部材13の周壁13aの上縁に対して間をおいて設けられている。
中間戻し板17は、図3に示すように、中心に中心開口17aを有し、中心開口17aを形成する内周縁は、鍋状部材15の底へ向かって傾斜しているとともに、中心開口17aの周囲にも、幾つかに分化された幅太の円弧形状を呈する円弧状開口17bを有している。
【0027】
これにより、中間戻し板17は、鍋状部材13内の吸収液の液位が流入部16より低い場合には、吸収液上昇流路15を上昇する吸収液の進行方向を中間戻し板17で鍋上部材13の内側へ変更させて、流入部16から鍋状部材13内へ流入させ、吸収液から冷媒蒸気を分離させる。
また、鍋状部材13内の吸収液の液位が流入部16より高くなった場合には、鍋状部材13の外側の吸収液上昇流路15を上昇する吸収液を中間戻し板17で流入部16から鍋上部材13の内側へ進路変更させるとともに、吸収液を伴った状態の冷媒蒸気を円弧状開口17bを通過させて、さらに流入部16より上方まで上昇させる。
【0028】
延長周壁14の上方には、冷媒蒸気が混ざった状態で吸収液上昇流路15を上昇した吸収液の進行方向を、延長周壁14を乗り越えさせてその内側へ変更するための上昇制限用鍔18が設けられている。上昇制限用鍔18は、中間戻し板17と同様に上昇した冷媒蒸気が混ざった吸収液を延長周壁14の内側へ戻し易くするために、中空の円錐状の傾斜部の周囲に円盤状部が備えられた板材からなる。
【0029】
鍋状部材13の周壁13aには、冷媒が分離されて濃化した中濃度吸収液を低温再生器2へ供給するための中濃度吸収液流路L1の流入口が開口しており、鍋状部材13の底部には、暖房運転時に、加熱された吸収液を蒸発器4内へ供給するための暖房用吸収液流路L4の流入口が開口している。
【0030】
冷媒回収タンク10内の下部内側には、中濃度吸収液分離筒12との間に断熱用間隙19aを形成するための冷媒仕切り筒19が中濃度吸収液分離筒12に接合されている。これにより、中濃度吸収液分離筒12内の熱が遮断され、冷媒回収タンク10内の冷媒が、吸収液上昇流路15内の高温の吸収液によって加熱されることがなくなる。
冷媒仕切り筒19の外側の冷媒回収タンク10内は、分離された冷媒液を貯留する冷媒貯留部10aとなっており、冷媒貯留部10aには凝縮器5と連通する冷媒流路L5の流入口が開口している。
【0031】
以上の構成により、高温再生器1では、加熱タンク11の内部に収容された低濃度吸収液をガスバーナBによって加熱して、低濃度吸収液中の冷媒としての水を蒸発させて冷媒蒸気(水蒸気)として中濃度吸収液分離筒12の外側へ分離させ、冷媒蒸気の蒸発により濃化した中濃度吸収液を中濃度吸収液分離筒12の内側の鍋状部材13内へ戻し、中濃度吸収液流路L1により低温再生器2へ供給する。また、分離した冷媒蒸気を冷媒回収タンク10で回収して、冷媒流路L5により凝縮器5へ供給する。
【0032】
低温再生器2は、冷媒回収タンク10の外周に偏心して設置した縦型円筒形の低温再生器ケース20を有し、低温再生器ケース20の天井の周囲には冷媒蒸気出口21が設けられている。
低温再生器ケース20の天井の頂部は、中濃度吸収液流路L1により熱交換器Hを介して中濃度吸収液分離筒12内の鍋状部材13内と連結されている。
【0033】
中濃度吸収液流路L1中には、鍋状部材13から低温再生器2へ流れる中濃度吸収液の流量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられていて、低温再生器ケース20内へは中濃度吸収液分離筒12との圧力差により中濃度吸収液が供給される。(低温再生器ケース20内では、約70mmHg、中濃度吸収液分離筒12内では約700mmHg)
【0034】
これにより、低温再生器2では、低温再生器ケース20内に供給された中濃度吸収液を、冷媒回収タンク10の外壁を熱源として再加熱し、中濃度吸収液は低温再生器ケース20の上部の気液分離部22で冷媒蒸気と高濃度吸収液とに分離され、高濃度吸収液は、高濃度吸収液受け部23に貯留される。
高濃度吸収液受け部23の底には、吸収器3と連通する高濃度吸収液流路L2の流入口が開口している。
【0035】
低温再生器ケース20の外周には、縦型円筒形で気密性の蒸発・吸収ケース30が下部に、凝縮器ケース50が上部にそれぞれ同心的に配されており、冷媒回収タンク10、低温再生器ケース20、蒸発・吸収ケース30は、底板で一体に溶接されて、冷凍機本体101を形成している。
なお、低温再生器ケース20内は、冷媒蒸気出口21および隙間5Aを介して凝縮器ケース50内と連通している。
【0036】
吸収器3は、蒸発・吸収ケース30内の内側部分と低温再生器ケース20との間に、銅管を縦型円筒状に巻設され内部を排熱用冷却水が流れる吸収管としてコイル状に巻かれた吸収コイル31が配置され、吸収コイル31の上方には、高濃度吸収液を吸収コイル31に散布するための高濃度吸収液散布具32が配置されている。
【0037】
高濃度吸収液散布具32は、熱交換器Hを介して低温再生器2の高濃度吸収液受け部23と連結された高濃度吸収液流路L2を介して供給される高濃度吸収液を受けて散布する。
【0038】
以上の構成により、吸収器3では、低温再生器2の高濃度吸収液受け部23の高濃度吸収液が圧力差により高濃度吸収液流路L2から流入し、流入した高濃度吸収液は、高濃度吸収液散布具32により吸収コイル31の上端に散布され、吸収コイル31の表面に付着して薄膜状になり、重力の作用で下方に流下し、水蒸気を吸収して低濃度吸収液となる。この水蒸気を吸収する際に吸収コイル31の表面で発熱するが、吸収コイル31を循環する排熱用冷却水により冷却される。尚、吸収液に吸収される水蒸気は、後述する蒸発器4で冷媒蒸気として発生したものである。
【0039】
吸収器3の底部33は、熱交換器Hおよび吸収液ポンプP1が装着された低濃度吸収液流路L3で加熱タンク11の底部と連結されており、吸収液ポンプP1の作動により吸収器3内の低濃度吸収液は加熱タンク11内へ供給される。
また吸収コイル31内には、冷房運転時に、冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が循環する。
【0040】
蒸発器4は、蒸発・吸収ケース30内の吸収コイル31の外周に設けた縦型円筒形で多数の連通口(図示なし)付きの仕切り板40の外周に、内部を冷暖房用の冷温水が流れる銅管からなる縦型円筒形の蒸発コイル41を配設し、その上方に冷媒液散布具42を取り付けてなる。尚、蒸発器4の底部43は、冷暖切替え弁6を有する暖房用吸収液流路L4により中濃度吸収液分離筒12内の鍋状部材13の底部と連通している。
【0041】
以上の構成により、蒸発器4では、冷房運転時に冷媒液散布具42より冷媒液(水)を蒸発コイル41の上に流下させると、流下された冷媒液は、表面張力で蒸発コイル41の表面を濡らして膜状となり、重力の作用で下方へ降下しながら低圧(例えば、6.5mmHg)となっている蒸発・吸収ケース30内で蒸発コイル41から気化熱を奪って蒸発し、蒸発コイル41内を流れる空調用の冷温水を冷却する。
【0042】
凝縮器5は、凝縮器ケース50の内部に冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が内部を循環する冷却コイル51を配設してなり、また、凝縮器ケース50内には、冷却コイル51によって冷却された冷媒蒸気が液化した冷媒液を受けるための皿状の冷媒液受け部52が設けられていて、冷媒液受け部52は、蒸発器4の冷媒液散布具42の上方に設けられて、供給される冷媒液の自己冷却により、冷媒液を冷却させる冷媒冷却器48と、冷媒液供給路L6によって連通して組付けられている。
【0043】
以上の構成を有する凝縮器5は、凝縮器ケース50が、冷媒流量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられた冷媒流路L5により冷媒回収タンク10の冷媒貯留部10aと連通するとともに、冷媒蒸気出口21および隙間5Aを介して低温再生器2とも連通しており、いずれも圧力差(凝縮器ケース内では約70mmHg)により冷媒が供給される。
【0044】
凝縮器5では、凝縮器ケース50内に供給された冷媒蒸気は、冷却コイル51により冷却されて液化する。液化した冷媒液は、冷媒液供給路L6から冷媒冷却器48を経て冷媒液散布具42に供給される。
尚、凝縮器ケース50内と冷媒冷却器48とは、冷媒弁7を備えた冷媒液流路L7によって連通しており、冷媒液の凍結の恐れのある場合に、冷媒弁7の開弁制御によって蒸発器4に冷媒液が供給されて、蒸発器4内の蒸気圧を高くすることにより凍結を防止する。
【0045】
以上の構成により、吸収液は、高温再生器1→中濃度吸収液流路L1→低温再生器2→高濃度吸収液流路L2→高濃度吸収液散布具32→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
また、冷媒は、高温再生器1(冷媒蒸気)→冷媒流路L5(冷媒蒸気)又は低温再生器2(冷媒蒸気)→凝縮器5(冷媒液)→冷媒供給路L6(冷媒液)又は冷媒液流路L7(冷媒液)→冷媒冷却器48→冷媒液散布具42(冷媒液)→蒸発器4(冷媒蒸気)→吸収器3(吸収液)→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
【0046】
上記、吸収液と熱交換する吸収器3の吸収コイル31と凝縮器5の冷却コイル51は、接続されて連続コイルを形成しており、連続コイルは、冷却水流路34によって冷却塔CTと接続されて冷却水循環路を形成している。
この冷却水循環路において、吸収コイル31の入口と冷却塔CTとの間の冷却水流路34には、連続コイル内へ冷却水を送り込むための冷却水ポンプP2が設けられており、冷却水ポンプP2の作動により連続コイルを通過する冷却水は、吸収コイル31で吸収熱を、冷却コイル51で凝縮熱をそれぞれ吸熱して比較的高温となって、冷却塔CTに供給される。
【0047】
上記の構成により、冷房運転時には、冷却水ポンプP2の作動により冷却塔CT内の冷却水が、冷却塔CT→冷却水ポンプP2→吸収コイル31→冷却コイル51→冷却塔CTの順に循環する。
冷却塔CTでは、落下する冷却水を大気中に一部蒸発させて、残りの冷却水を冷却する自己冷却がなされており、冷却水は、大気中に放熱して低温度になる排熱サイクルを形成している。なお、送風機Sからの送風により、水の蒸発を促進させている。
【0048】
蒸発器4の蒸発コイル41には、室内機RUに設けられた空調熱交換器44が冷温水流路47で連結されていて、冷温水流路47には、冷温水ポンプP3が設けられている。
以上の構成により、蒸発コイル41で低温度となった冷温水は、蒸発コイル41→冷温水流路47→空調熱交換器44→冷温水流路47→冷温水ポンプP3→蒸発コイル41の順で循環する。
【0049】
室内機RUには、空調熱交換器44が設けられているとともに、この熱交換器44に対して、室内空気を通過させて再び室内へ吹き出すブロワ46が備えられている。
【0050】
暖房用吸収液流路L4および冷暖切替え弁6は暖房運転用に設けられたもので、暖房運転時には冷暖切替え弁6を開弁し、吸収液ポンプP1を作動させる。
これにより、中濃度吸収液分離筒12内の鍋状部材13内の高温度の中濃度吸収液が蒸発器4内へ流入し、中濃度吸収液の高温蒸気(冷媒蒸気)によって蒸発コイル41内の冷温水が加熱され、加熱された蒸発コイル41内の冷温水は、冷温水ポンプP3の作動により冷温水流路47から空調用熱交換器44へ供給され、暖房の熱源となる。
蒸発器4内の中濃度吸収液は、仕切り板40の連通口から吸収器3側へ入り、低濃度吸収液流路L3を経て、吸収液ポンプP1により加熱タンク11へ戻される。
【0051】
以上の構成からなる本実施例の空調装置では、吸収サイクルにおいて吸収液を循環させるための吸収液ポンプP1と、蒸発コイル41で冷却または加熱された冷温水を冷温水流路47によって室内機RUの空調熱交換器44に循環させるための冷温水ポンプP3とが、同一のモータによって駆動されるタンデムポンプとして構成されていて、常に吸収液ポンプP1と冷温水ポンプP3とが同一回転数で回転する。
【0052】
次に、上記構成の空調装置を制御する制御装置102の制御動作について説明する。
制御装置102は、ガスバーナBの燃焼制御、吸収液ポンプP1および冷温水ポンプP3を駆動するタンデムポンプの制御、冷却水ポンプP2の制御、冷却塔CTの送風機Sの回転制御、室内機RUのブロワ46の制御、吸収サイクル内に設けられた各弁6、7の制御等により、空調装置の冷房運転、暖房運転の各制御を行う。ここでは、冷房運転についてのみ説明を行い、暖房運転についての説明を省略する。
【0053】
リモコン(図示なし)等の操作によって冷房運転の開始が指示されると、所定の冷房始動制御を行う。
冷房始動制御では、各弁6、7の閉弁制御を行い、ガスバーナBへの燃料供給路に設けられたガス電磁弁111、112及びガス比例弁113を開いてガスバーナBの点火を行い、ガスバーナBの着火後は、高温再生器1の吸収液温度(以下「HGE温度」という)を検知する吸収液温度サーミスタの検知するHGE温度が60℃以下の場合には、ガスバーナBのインプットが2500kcalの小インプットになるように、ガス比例弁および燃焼ファン114を制御し、HGE温度が60℃に達するまで待機する。
【0054】
HGE温度が60℃に達した後は、インプットを4800kcalにし、その後、HGE温度が80℃に達すると、冷却水ポンプP2を駆動する。
その後、HGE温度が100℃に達するまで待機し、HGE温度が100℃に達すると、タンデムポンプを駆動する。
これにより、吸収サイクル内を吸収液が循環し、吸収器3において吸収液が冷媒蒸気を吸収し、蒸発器4において冷媒液が蒸発すると、蒸発コイル41内を循環する冷温水の温度が次第に低下する。
【0055】
室内器RUに供給される冷温水の温度を検知するサーミスタ(図示なし)の検知温度が、所定の制御移行温度に低下すると、タンデムポンプをHGE温度に比例させる冷房比例制御へ移行する。
尚、冷却比例制御では、ガスバーナBのインプットを、室内機RUに供給される冷温水の温度が7℃になるように制御する。
その後、冷房比例運転において、使用者による冷房運転終了の操作が行われると、終了希釈運転を行った後、運転を終了する。
【0056】
以上の制御によって行われる冷房運転において、吸収サイクルの運転開始初期などの高温再生器1内及び低温再生器2内の温度が十分に高くなる前には、HGE温度が低いため吸収液ポンプP1(タンデムポンプ)は作動されない。
従って、ガスバーナBの加熱とともに吸収サイクル内の圧力差に基づいて吸収液および冷媒蒸気が吸収サイクル内を移動する。このとき、空調装置のばらつきなどによって、中濃度吸収液分離筒12内の吸収液の液位に差が生じる。
【0057】
そのとき、中濃度吸収液分離筒12内の液位が、鍋状部材13と延長周壁14との間の流入部16を越えて高くなった状態で、吸収液ポンプP1の作動が開始された場合には、加熱タンク11で加熱された吸収液は流入部16を通って鍋状部材13内に流入するのに対し、吸収液を伴った状態の冷媒蒸気は、吸収液上昇流路15を流入部16を越えてさらに上方まで上昇し、上昇制限用鍔18によって進行方向が内側へ変更されると、吸収液のみが延長周壁14を乗り越えて鍋状部材13内に流入する。
従って、加熱された吸収液中から冷媒蒸気を確実に分離させることができる。この場合、高温再生器1内へ供給された吸収液の一部は、吸収液上昇流路15の高い液位まで上昇しなければならなくなるが、中濃度吸収液分離筒12内の吸収液の液位は、吸収サイクル内の圧力差に応じて高くなったものであって、吸収液ポンプP1によって強制的に高い液位まで上昇させるものではないため、吸収液ポンプP1の吐出圧を吸収液の液位が流入部16より低い場合に対して大きくする必要がない。従って、吸収液ポンプP1の負担が増加することがない。
【0058】
一方、定常運転時には、高温再生器1内の温度が十分に高くなり、圧力も高くなるため、中濃度吸収液分離筒12内の吸収液の液位は、流入部16より下がり、吸収液上昇流路15を上昇する吸収液は、鍋状部材13の外側の吸収液上昇流路15のみを上昇して、中間戻し板17によって進行方向を中心側へ変更されて、流入部16から鍋状部材13内へ流入する。
【0059】
以上のとおり、本実施例では、加熱タンク11で加熱されて吸収液上昇流路15を上昇する吸収液は、そのときの高温再生器1内の圧力等に応じて、中間戻し板17又は上昇制限用鍔18の高さまで上昇することができるため、加熱された吸収液から冷媒蒸気を確実に分離させることができる。
また、吸収液が、延長周壁14を乗り越える高さまで吸収液上昇流路15を上昇する場合は、吸収サイクル内の圧力に応じて上昇するのであって、吸収液ポンプP1の吐出圧を高くするのではないため、吸収液ポンプP1に大きな吐出能力が要求されないため、吸収液ポンプP1の負担が増加することがなく、従来と同等の能力の吸収液ポンプP1を用いることができる。
【0060】
上記各実施例では、冷却水流路34の冷却塔CTを、冷却水の一部を蒸発させて冷却水を自己冷却する開放式のものとしたが、冷却水流路34を循環する冷却水が、大気に開放されていない密閉回路を形成した水冷装置又は空冷装置でもよい。
【0061】
上記実施例では、室内機RUに空調熱交換器44のみを設けたものを示したが、室内温度を下げないで除湿運転を行うために、空調熱交換器44で一旦冷却した空気を加熱する加熱用熱交換器を空調熱交換器44と並設させるようにしてもよい。
上記実施例では、吸収式冷凍装置を用いた空調装置を示したが、冷蔵庫、冷凍庫など、他の冷凍装置に用いてもよい。
上記実施例では、ガスバーナを用いたが、加熱源としては、石油バーナや、電気ヒータを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す空調装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例における高温再生器の要部を示す高温再生器の部分断面図である。
【図3】本発明の実施例における中間戻し板の形状を説明するための平面図である。
【符号の説明】
100 室外機(吸収式冷凍装置)
1 高温再生器
10 冷媒回収タンク
11 加熱タンク
12 中濃度吸収液分離筒(筒状の吸収液分離筒)
13 鍋状部材(分離筒内流路形成部材)
13a 周壁(筒状の周壁)
14 延長周壁(分離筒内流路形成部材)
15 吸収液上昇流路(上昇流路)
16 流入部(連通部)
17 中間戻し板(下段鍔状部材)
17b 円弧状開口(吸収液通過穴)
18 上昇制限用鍔(上段鍔状部材)
2 低温再生器
5 凝縮器
B ガスバーナ(加熱手段)
P1 吸収液ポンプ
L1 中濃度吸収液流路(二重効用用吸収液流路)
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭化リチウムなどの水溶液を吸収液とする吸収サイクルを形成した吸収式冷凍装置の再生器の構造に関し、特に、運転開始等の過渡状態における吸収サイクルの安定性の向上に係る。
【0002】
【従来の技術】
吸収液の吸収サイクルを用いた家庭用の小型の吸収式冷凍装置では、高温再生器においてバーナで低濃度吸収液を加熱して沸騰させて中濃度吸収液と冷媒蒸気とに分離し、更に、低温再生器では中濃度吸収液を高温再生器の熱を利用して高濃度吸収液と冷媒蒸気とに分離する二重効用型の再生器が用いられる。ここで、高温再生器内で加熱された吸収液が沸騰するとき、高温の吸収液が飛散して高温再生器の壁の内壁面に付着すると、高温再生器の壁の腐食を招き易く、この腐食により、壁に貫通穴が形成されると、外部(大気)への洩れ(真空洩れ、吸収液の洩れ)が生じる恐れがある。
【0003】
このため、高温再生器の内壁面との間に高温再生器の壁の外壁面のうち外部(大気)に晒される部分の上端K(図2参照)を越えた上方まで、吸収液の上昇流路を形成させるための鍋状の容器を高温再生器内に配するとともに、高温再生器の内壁から内側に向かう鍔状の吸収液戻し板部材を上記吸収液の上昇流路の上方に設けることによって、上記吸収液の上昇流路を上昇した吸収液の進行方向を、吸収液戻し板部材で前記鍋状容器の内側へ変更するように流路を形成したものを本願出願人は先に提案した。
【0004】
これにより、上端Kより上方の吸収液戻し板部材までの区間における高温再生器の壁の内壁面はインヒビターを含んだ吸収液に常時浸されることになり、インヒビターの作用によって、高温再生器の壁のうち、外壁面が外気に晒されている部分の腐食を防止することができる。
尚、吸収液戻し板部材より上方の高温再生器の壁は、腐食が生じて貫通しても、内部洩れであり、大きな問題とならないため、前記吸収液の上昇流路形成による腐食対策は設けられていない。
【0005】
上記吸収サイクルにおいて、吸収器内の低濃度吸収液は吸収液ポンプによって高温再生器へ吐出され、高温再生器内で分離された冷媒蒸気は、吸収サイクル内の圧力差によって凝縮器へ供給され、高温再生器内で冷媒蒸気が分離された中濃度吸収液は、同じく吸収サイクル内の圧力差によって、鍋状容器内に開口した中濃度吸収液流路配管から高温再生器の外側に設けられた低温再生器内へと導かれる。
【0006】
上記のとおり構成された吸収式冷凍装置においては、高温再生器内で発生する冷媒蒸気の量に応じて高温再生器内の圧力が変化するとともに、高温再生器内から低温再生器への中濃度吸収液の供給量が変化する。この変化率に合わせるために、吸収液ポンプから高温再生器への供給量も高温再生器内圧力を間接的に表す高温再生器内の吸収液温度に比例して変化させて、鍋状容器内の液位を一定に保つよう制御をかけている。
【0007】
しかし、非定常時(運転開始初期や負荷変動時)に高温再生器内圧力と高温再生器内の吸収液温度が追随しない場合、あるいは、製品ばらつき(吸収液ポンプの吐出力ばらつきや中濃度吸収液流路管の圧力損失ばらつき等)により、鍋状容器内の液位を一定にできない場合がある。
【0008】
このような場合、鍋状容器内の吸収液の液位が高温再生器から低温再生器へと中濃度吸収液を導く中濃度吸収液流路の開口部より低くなると、高温再生器内の冷媒蒸気が低温再生器の中濃度吸収液を加熱する熱源として使用されないまま直接低温再生器を介して凝縮器へ供給されてしまうため、低温再生器が機能せず出力低下を招くという問題があり、逆に、吸収液の液位が鍔状の吸収液戻し部材より上方まで上昇すると、沸騰して上昇流路内を流れる吸収液中の冷媒蒸気の出口が液面で塞がれることになり、分離不良となって吸収液は噴き上げられ、高温再生器の冷媒貯留部(図1参照、10a)に吸収液が浸入し、出力低下を招く問題がある。
【0009】
従って、高温再生器で鍋状容器内の吸収液の液位の変動可能な範囲は、鍔状の吸収液戻し部材の位置と鍋状部材での中濃度吸収液流路の開口位置との高低差分となり、これが、前記吸収液の液位の変動に対して、冷媒蒸気の分離性能が確保できる余裕度となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のとおり、従来では、高温再生器における鍋状容器内の吸収液の液位の余裕度は、鍔状の吸収液戻し板部材の位置から、鍋状部材における中濃度吸収液流路の開口の位置までの高低差に限られていて、前記非定常時や製品ばらつきによって液位が変動して前記高低差内に収まりきらず、装置の出力低下が避けられなかった。
【0011】
本発明は、家庭用吸収式冷凍装置などの小型の吸収式冷凍装置において、量産時の機器の製造ばらつきに対しても確実に対応でき、定常運転時のみでなく、運転開始初期や負荷変動等の非定常時においても、能力低下を起こすことなく、安定した運転を確保することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、腐食を抑制するためのインヒビターを含む吸収液の吸収サイクルを形成した吸収式冷凍装置において吸収液を加熱して冷媒蒸気を分離する再生器であって、吸収液を加熱手段によって加熱して冷媒蒸気を分離させる高温再生器と、該高温再生器で冷媒蒸気が分離されて高濃度化した吸収液を前記高温再生器の熱によって再加熱して吸収液から冷媒蒸気を分離させる低温再生器とからなる二重効用型の再生器において、前記高温再生器は、前記吸収サイクル内で吸収液ポンプにより供給される吸収液を前記加熱手段によって加熱するための加熱タンクと、該加熱タンクの上方へ延設され、加熱された吸収液から冷媒蒸気を分離するための筒状の吸収液分離筒と、筒状の周壁を有し上方が開口し下方が閉塞した略鍋形状を呈するとともに、前記筒状の周壁の上下方向の中間部に前記周壁の内外を連通させる連通部が形成された部材であって、前記吸収液分離筒の内側に配置されて、前記吸収液分離筒の内側面と前記周壁との間で吸収液の上昇用流路を形成する分離筒内流路形成部材と、前記吸収液分離筒の内側で前記分離筒内流路形成部材の前記連通部の直上方を貫いて配置され、前記吸収液分離筒と前記分離筒内流路形成部材との間に冷媒蒸気を通過させるための冷媒蒸気通過穴が形成された略鍔状の部材であって、前記上昇流路を上昇した吸収液の進行方向を前記連通部から前記分離筒内流路形成部材の内側へ進路変更させるとともに、分離筒内流路形成部材内の吸収液の液位が高くなった場合には、前記冷媒蒸気通過穴に冷媒蒸気を通過させる下段鍔状部材と、前記分離筒内流路形成部材の前記周壁の上端より上方位置の前記吸収液分離筒の内周面から内側へ向かって前記周壁を越えて形成された鍔状部材であって、前記吸収液通過穴を通過して前記吸収液上昇流路を上昇した吸収液の進行方向を前記分離筒内流路形成部材の内側へ進路変更させる上段鍔状部材と、吸収液から分離された冷媒蒸気を回収するために前記吸収液分離筒の外側に前記吸収液分離筒を上方より覆って設けられたタンクであって、該タンクの壁面が前記低温再生器の加熱部を兼用する冷媒回収タンクと、前記分離筒内流路形成部材の前記連通部より下方に開口し、前記分離筒内流路形成部材内の吸収液を前記冷媒回収タンクの外側へ導くための二重効用用吸収液流路とを具備することを技術的手段とする。
【0013】
請求項2では、請求項1において、前記高温再生器及び前記低温再生器でそれぞれ分離された冷媒は、前記吸収サイクルにおける同一の凝縮器内へ供給されることを技術的手段とする。
【0014】
本発明では、吸収サイクル内では、吸収液ポンプの作動によって、吸収液及び冷媒蒸気が循環する。吸収液は、高温再生器へ供給されると、加熱タンクで加熱手段によって加熱され、加熱されて温度が十分に高くなった吸収液は、加熱タンクから上方へ延設された吸収液分離筒とその内側に配された分離筒内流路形成部材との間に形成された吸収液の上昇流路を上昇する。
【0015】
上昇流路を上昇した吸収液は、下段鍔状部材に衝突して吸収液分離筒の内側へ向かって進行方向が変更されて、分離筒内流路形成部材の周壁の連通部を通って、吸収液は分離筒内流路形成部材の内側へ流入し、分離した冷媒蒸気は上昇して冷媒回収タンク内に回収される。
【0016】
また、分離筒内流路形成部材の内側へ流入した吸収液の分離筒内流路形成部材内での液位が周壁の連通部より高くなった場合には、吸収液は下段鍔状部材に衝突して吸収液分離筒内側へ流入するに対して、冷媒蒸気は吸収液を伴った状態で下段鍔状部材の冷媒蒸気通過穴を通ってさらに上昇し、周壁の上端位置より上方位置に設けられた上段鍔状部材によって進行方向が変更されて、周壁を乗り越えて吸収液は分離筒内流路形成部材内へ流入し、分離した冷媒蒸気は上昇して冷媒回収タンク内に回収される。
分離筒内流路形成部材内に流入した吸収液は、周壁の連通部より下方で開口した二重効用用吸収液流路から、低温再生器へと導かれる。
【0017】
分離された冷媒蒸気は、冷媒回収タンクの壁面で低温再生器の吸収液と熱交換を行って凝縮して回収され、吸収サイクル内の凝縮器へ供給される際、圧力差により一部再沸して蒸気となり、凝縮器にてすべて凝縮され、その後、冷媒液となって蒸発器へ供給されて再び蒸発し、以後、吸収サイクル内の吸収器で吸収液に吸収されて循環する。
【0018】
上述したように冷媒回収タンクの壁面は、分離筒内流路形成部材から低温再生器へ供給された吸収液を加熱するための加熱部となっているため、低温再生器内の吸収液は、再加熱されて吸収液から冷媒蒸気が分離される。
低温再生器で分離された冷媒蒸気は、吸収サイクル内の凝縮器へ供給されて凝縮し、その後、冷媒液となって蒸発器へ供給されて再び蒸発し、以後、吸収サイクル内の吸収器で吸収液に吸収されて循環する。
低温再生器で冷媒蒸気が分離されて高濃度化した吸収液は、吸収サイクル内の吸収器へ供給されて、冷媒蒸気を吸収して低濃度化して、吸収液ポンプによって高温再生器へ戻されて、再び加熱される。
【0019】
上記の吸収サイクルの循環において、吸収サイクル内の圧力バランスが整い、上昇流路を上昇した吸収液の大半が下段鍔状部材に衝突して連通部から分離筒内流路形成部材内へ流入し、分離筒内流路形成部材内の吸収液の液位が、連通部より高くならない場合には、吸収液が連通部を通過する際に、冷媒蒸気が分離されている。
【0020】
これに対し、運転開始初期、室内機負荷変動時の吸収サイクル内の圧力が安定しない場合には、吸収液ポンプの吐出量によって吸収液位が機差によって上昇し、分離筒内流路形成部材内の吸収液の液位が連通部よりも高くなる。この場合、吸収液は下段鍔状部材に衝突して吸収液分離筒内側へ流入するに対して、冷媒蒸気は吸収液を伴った状態で下段鍔状部材の冷媒蒸気通過穴を通ってさらに上昇し、周壁の上端位置より上方位置に設けられた上段鍔状部材によって進行方向が変更されて、周壁を乗り越えて吸収液は分離筒内流路形成部材内へ流入し、分離した冷媒蒸気は上昇して冷媒回収タンク内に回収される。
分離筒内流路形成部材内に流入した吸収液は、周壁の連通部より下方で開口した二重効用用吸収液流路から、低温再生器へと導かれる。
【0021】
分離された冷媒蒸気は、冷媒回収タンクの壁面で低温再生器の吸収液と熱交換を行って凝縮して回収され、吸収サイクル内の凝縮器へ供給される際、圧力差により一部再沸して蒸気となり、凝縮器にてすべて凝縮され、その後、冷媒液となって蒸発器へ供給されて再び蒸発し、以後、吸収サイクル内の吸収器で吸収液に吸収されて循環する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関わる空調装置の実施例を示す。
空調装置は、吸収式冷凍装置としての室外機100と室内機RUとからなり、室外機100は、冷凍機本体101と冷却塔(クーリングタワー)CTとから構成される。なお、空調装置は、制御装置102により制御される。
【0023】
冷凍機本体101は、主にステンレスによって成形され、冷媒及び吸収液としての臭化リチウム水溶液の吸収サイクルを形成するもので、加熱手段としてのガスバーナBが下方に備えられた高温再生器1と、この高温再生器1の外側に被さるように配置された低温再生器2とからなる二重効用型の再生器と、さらに低温再生器2の外周に外側に向かって順に配置された吸収器3および蒸発器4と、低温再生器2の外周で吸収器3及び蒸発器4の上方に配置された凝縮器5とを、幾つかの通路で接続してなる。
なお、吸収液内には、ステンレスと臭化リチウムとの反応による腐食を抑制するためのインヒビターが含まれている。
【0024】
高温再生器1は、ガスバーナBによって加熱される加熱タンク11の上方に中濃度吸収液分離筒12を延長させて設け、中濃度吸収液分離筒12の上方からその外周に覆い被さるように縦型円筒形の気密性の冷媒回収タンク10が設けられている。
【0025】
中濃度吸収液分離筒12の内側下方には、図2に示すように、中濃度吸収液分離筒12の内壁とに間を置いて配置された鍋状部材13及び延長周壁14が設けられ、鍋状部材13及び延長周壁14と中濃度吸収液分離筒12の内壁との間には、加熱タンク11で加熱された吸収液が上昇するための吸収液上昇流路15が形成されている。
延長周壁14は筒状部材で、吸収液上昇流路15を上昇した吸収液を鍋状部材13の内側へ流入させるための流入部16を形成するために、鍋状部材13の周壁13aの上方延長上に鍋状部材13に対して間を置いて配置されている。
【0026】
延長周壁14の下縁には、中濃度吸収液分離筒12の内壁から中心へ向かった鍔状を呈する中間戻し板17が、鍋状部材13の周壁13aの上縁に対して間をおいて設けられている。
中間戻し板17は、図3に示すように、中心に中心開口17aを有し、中心開口17aを形成する内周縁は、鍋状部材15の底へ向かって傾斜しているとともに、中心開口17aの周囲にも、幾つかに分化された幅太の円弧形状を呈する円弧状開口17bを有している。
【0027】
これにより、中間戻し板17は、鍋状部材13内の吸収液の液位が流入部16より低い場合には、吸収液上昇流路15を上昇する吸収液の進行方向を中間戻し板17で鍋上部材13の内側へ変更させて、流入部16から鍋状部材13内へ流入させ、吸収液から冷媒蒸気を分離させる。
また、鍋状部材13内の吸収液の液位が流入部16より高くなった場合には、鍋状部材13の外側の吸収液上昇流路15を上昇する吸収液を中間戻し板17で流入部16から鍋上部材13の内側へ進路変更させるとともに、吸収液を伴った状態の冷媒蒸気を円弧状開口17bを通過させて、さらに流入部16より上方まで上昇させる。
【0028】
延長周壁14の上方には、冷媒蒸気が混ざった状態で吸収液上昇流路15を上昇した吸収液の進行方向を、延長周壁14を乗り越えさせてその内側へ変更するための上昇制限用鍔18が設けられている。上昇制限用鍔18は、中間戻し板17と同様に上昇した冷媒蒸気が混ざった吸収液を延長周壁14の内側へ戻し易くするために、中空の円錐状の傾斜部の周囲に円盤状部が備えられた板材からなる。
【0029】
鍋状部材13の周壁13aには、冷媒が分離されて濃化した中濃度吸収液を低温再生器2へ供給するための中濃度吸収液流路L1の流入口が開口しており、鍋状部材13の底部には、暖房運転時に、加熱された吸収液を蒸発器4内へ供給するための暖房用吸収液流路L4の流入口が開口している。
【0030】
冷媒回収タンク10内の下部内側には、中濃度吸収液分離筒12との間に断熱用間隙19aを形成するための冷媒仕切り筒19が中濃度吸収液分離筒12に接合されている。これにより、中濃度吸収液分離筒12内の熱が遮断され、冷媒回収タンク10内の冷媒が、吸収液上昇流路15内の高温の吸収液によって加熱されることがなくなる。
冷媒仕切り筒19の外側の冷媒回収タンク10内は、分離された冷媒液を貯留する冷媒貯留部10aとなっており、冷媒貯留部10aには凝縮器5と連通する冷媒流路L5の流入口が開口している。
【0031】
以上の構成により、高温再生器1では、加熱タンク11の内部に収容された低濃度吸収液をガスバーナBによって加熱して、低濃度吸収液中の冷媒としての水を蒸発させて冷媒蒸気(水蒸気)として中濃度吸収液分離筒12の外側へ分離させ、冷媒蒸気の蒸発により濃化した中濃度吸収液を中濃度吸収液分離筒12の内側の鍋状部材13内へ戻し、中濃度吸収液流路L1により低温再生器2へ供給する。また、分離した冷媒蒸気を冷媒回収タンク10で回収して、冷媒流路L5により凝縮器5へ供給する。
【0032】
低温再生器2は、冷媒回収タンク10の外周に偏心して設置した縦型円筒形の低温再生器ケース20を有し、低温再生器ケース20の天井の周囲には冷媒蒸気出口21が設けられている。
低温再生器ケース20の天井の頂部は、中濃度吸収液流路L1により熱交換器Hを介して中濃度吸収液分離筒12内の鍋状部材13内と連結されている。
【0033】
中濃度吸収液流路L1中には、鍋状部材13から低温再生器2へ流れる中濃度吸収液の流量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられていて、低温再生器ケース20内へは中濃度吸収液分離筒12との圧力差により中濃度吸収液が供給される。(低温再生器ケース20内では、約70mmHg、中濃度吸収液分離筒12内では約700mmHg)
【0034】
これにより、低温再生器2では、低温再生器ケース20内に供給された中濃度吸収液を、冷媒回収タンク10の外壁を熱源として再加熱し、中濃度吸収液は低温再生器ケース20の上部の気液分離部22で冷媒蒸気と高濃度吸収液とに分離され、高濃度吸収液は、高濃度吸収液受け部23に貯留される。
高濃度吸収液受け部23の底には、吸収器3と連通する高濃度吸収液流路L2の流入口が開口している。
【0035】
低温再生器ケース20の外周には、縦型円筒形で気密性の蒸発・吸収ケース30が下部に、凝縮器ケース50が上部にそれぞれ同心的に配されており、冷媒回収タンク10、低温再生器ケース20、蒸発・吸収ケース30は、底板で一体に溶接されて、冷凍機本体101を形成している。
なお、低温再生器ケース20内は、冷媒蒸気出口21および隙間5Aを介して凝縮器ケース50内と連通している。
【0036】
吸収器3は、蒸発・吸収ケース30内の内側部分と低温再生器ケース20との間に、銅管を縦型円筒状に巻設され内部を排熱用冷却水が流れる吸収管としてコイル状に巻かれた吸収コイル31が配置され、吸収コイル31の上方には、高濃度吸収液を吸収コイル31に散布するための高濃度吸収液散布具32が配置されている。
【0037】
高濃度吸収液散布具32は、熱交換器Hを介して低温再生器2の高濃度吸収液受け部23と連結された高濃度吸収液流路L2を介して供給される高濃度吸収液を受けて散布する。
【0038】
以上の構成により、吸収器3では、低温再生器2の高濃度吸収液受け部23の高濃度吸収液が圧力差により高濃度吸収液流路L2から流入し、流入した高濃度吸収液は、高濃度吸収液散布具32により吸収コイル31の上端に散布され、吸収コイル31の表面に付着して薄膜状になり、重力の作用で下方に流下し、水蒸気を吸収して低濃度吸収液となる。この水蒸気を吸収する際に吸収コイル31の表面で発熱するが、吸収コイル31を循環する排熱用冷却水により冷却される。尚、吸収液に吸収される水蒸気は、後述する蒸発器4で冷媒蒸気として発生したものである。
【0039】
吸収器3の底部33は、熱交換器Hおよび吸収液ポンプP1が装着された低濃度吸収液流路L3で加熱タンク11の底部と連結されており、吸収液ポンプP1の作動により吸収器3内の低濃度吸収液は加熱タンク11内へ供給される。
また吸収コイル31内には、冷房運転時に、冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が循環する。
【0040】
蒸発器4は、蒸発・吸収ケース30内の吸収コイル31の外周に設けた縦型円筒形で多数の連通口(図示なし)付きの仕切り板40の外周に、内部を冷暖房用の冷温水が流れる銅管からなる縦型円筒形の蒸発コイル41を配設し、その上方に冷媒液散布具42を取り付けてなる。尚、蒸発器4の底部43は、冷暖切替え弁6を有する暖房用吸収液流路L4により中濃度吸収液分離筒12内の鍋状部材13の底部と連通している。
【0041】
以上の構成により、蒸発器4では、冷房運転時に冷媒液散布具42より冷媒液(水)を蒸発コイル41の上に流下させると、流下された冷媒液は、表面張力で蒸発コイル41の表面を濡らして膜状となり、重力の作用で下方へ降下しながら低圧(例えば、6.5mmHg)となっている蒸発・吸収ケース30内で蒸発コイル41から気化熱を奪って蒸発し、蒸発コイル41内を流れる空調用の冷温水を冷却する。
【0042】
凝縮器5は、凝縮器ケース50の内部に冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が内部を循環する冷却コイル51を配設してなり、また、凝縮器ケース50内には、冷却コイル51によって冷却された冷媒蒸気が液化した冷媒液を受けるための皿状の冷媒液受け部52が設けられていて、冷媒液受け部52は、蒸発器4の冷媒液散布具42の上方に設けられて、供給される冷媒液の自己冷却により、冷媒液を冷却させる冷媒冷却器48と、冷媒液供給路L6によって連通して組付けられている。
【0043】
以上の構成を有する凝縮器5は、凝縮器ケース50が、冷媒流量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられた冷媒流路L5により冷媒回収タンク10の冷媒貯留部10aと連通するとともに、冷媒蒸気出口21および隙間5Aを介して低温再生器2とも連通しており、いずれも圧力差(凝縮器ケース内では約70mmHg)により冷媒が供給される。
【0044】
凝縮器5では、凝縮器ケース50内に供給された冷媒蒸気は、冷却コイル51により冷却されて液化する。液化した冷媒液は、冷媒液供給路L6から冷媒冷却器48を経て冷媒液散布具42に供給される。
尚、凝縮器ケース50内と冷媒冷却器48とは、冷媒弁7を備えた冷媒液流路L7によって連通しており、冷媒液の凍結の恐れのある場合に、冷媒弁7の開弁制御によって蒸発器4に冷媒液が供給されて、蒸発器4内の蒸気圧を高くすることにより凍結を防止する。
【0045】
以上の構成により、吸収液は、高温再生器1→中濃度吸収液流路L1→低温再生器2→高濃度吸収液流路L2→高濃度吸収液散布具32→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
また、冷媒は、高温再生器1(冷媒蒸気)→冷媒流路L5(冷媒蒸気)又は低温再生器2(冷媒蒸気)→凝縮器5(冷媒液)→冷媒供給路L6(冷媒液)又は冷媒液流路L7(冷媒液)→冷媒冷却器48→冷媒液散布具42(冷媒液)→蒸発器4(冷媒蒸気)→吸収器3(吸収液)→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
【0046】
上記、吸収液と熱交換する吸収器3の吸収コイル31と凝縮器5の冷却コイル51は、接続されて連続コイルを形成しており、連続コイルは、冷却水流路34によって冷却塔CTと接続されて冷却水循環路を形成している。
この冷却水循環路において、吸収コイル31の入口と冷却塔CTとの間の冷却水流路34には、連続コイル内へ冷却水を送り込むための冷却水ポンプP2が設けられており、冷却水ポンプP2の作動により連続コイルを通過する冷却水は、吸収コイル31で吸収熱を、冷却コイル51で凝縮熱をそれぞれ吸熱して比較的高温となって、冷却塔CTに供給される。
【0047】
上記の構成により、冷房運転時には、冷却水ポンプP2の作動により冷却塔CT内の冷却水が、冷却塔CT→冷却水ポンプP2→吸収コイル31→冷却コイル51→冷却塔CTの順に循環する。
冷却塔CTでは、落下する冷却水を大気中に一部蒸発させて、残りの冷却水を冷却する自己冷却がなされており、冷却水は、大気中に放熱して低温度になる排熱サイクルを形成している。なお、送風機Sからの送風により、水の蒸発を促進させている。
【0048】
蒸発器4の蒸発コイル41には、室内機RUに設けられた空調熱交換器44が冷温水流路47で連結されていて、冷温水流路47には、冷温水ポンプP3が設けられている。
以上の構成により、蒸発コイル41で低温度となった冷温水は、蒸発コイル41→冷温水流路47→空調熱交換器44→冷温水流路47→冷温水ポンプP3→蒸発コイル41の順で循環する。
【0049】
室内機RUには、空調熱交換器44が設けられているとともに、この熱交換器44に対して、室内空気を通過させて再び室内へ吹き出すブロワ46が備えられている。
【0050】
暖房用吸収液流路L4および冷暖切替え弁6は暖房運転用に設けられたもので、暖房運転時には冷暖切替え弁6を開弁し、吸収液ポンプP1を作動させる。
これにより、中濃度吸収液分離筒12内の鍋状部材13内の高温度の中濃度吸収液が蒸発器4内へ流入し、中濃度吸収液の高温蒸気(冷媒蒸気)によって蒸発コイル41内の冷温水が加熱され、加熱された蒸発コイル41内の冷温水は、冷温水ポンプP3の作動により冷温水流路47から空調用熱交換器44へ供給され、暖房の熱源となる。
蒸発器4内の中濃度吸収液は、仕切り板40の連通口から吸収器3側へ入り、低濃度吸収液流路L3を経て、吸収液ポンプP1により加熱タンク11へ戻される。
【0051】
以上の構成からなる本実施例の空調装置では、吸収サイクルにおいて吸収液を循環させるための吸収液ポンプP1と、蒸発コイル41で冷却または加熱された冷温水を冷温水流路47によって室内機RUの空調熱交換器44に循環させるための冷温水ポンプP3とが、同一のモータによって駆動されるタンデムポンプとして構成されていて、常に吸収液ポンプP1と冷温水ポンプP3とが同一回転数で回転する。
【0052】
次に、上記構成の空調装置を制御する制御装置102の制御動作について説明する。
制御装置102は、ガスバーナBの燃焼制御、吸収液ポンプP1および冷温水ポンプP3を駆動するタンデムポンプの制御、冷却水ポンプP2の制御、冷却塔CTの送風機Sの回転制御、室内機RUのブロワ46の制御、吸収サイクル内に設けられた各弁6、7の制御等により、空調装置の冷房運転、暖房運転の各制御を行う。ここでは、冷房運転についてのみ説明を行い、暖房運転についての説明を省略する。
【0053】
リモコン(図示なし)等の操作によって冷房運転の開始が指示されると、所定の冷房始動制御を行う。
冷房始動制御では、各弁6、7の閉弁制御を行い、ガスバーナBへの燃料供給路に設けられたガス電磁弁111、112及びガス比例弁113を開いてガスバーナBの点火を行い、ガスバーナBの着火後は、高温再生器1の吸収液温度(以下「HGE温度」という)を検知する吸収液温度サーミスタの検知するHGE温度が60℃以下の場合には、ガスバーナBのインプットが2500kcalの小インプットになるように、ガス比例弁および燃焼ファン114を制御し、HGE温度が60℃に達するまで待機する。
【0054】
HGE温度が60℃に達した後は、インプットを4800kcalにし、その後、HGE温度が80℃に達すると、冷却水ポンプP2を駆動する。
その後、HGE温度が100℃に達するまで待機し、HGE温度が100℃に達すると、タンデムポンプを駆動する。
これにより、吸収サイクル内を吸収液が循環し、吸収器3において吸収液が冷媒蒸気を吸収し、蒸発器4において冷媒液が蒸発すると、蒸発コイル41内を循環する冷温水の温度が次第に低下する。
【0055】
室内器RUに供給される冷温水の温度を検知するサーミスタ(図示なし)の検知温度が、所定の制御移行温度に低下すると、タンデムポンプをHGE温度に比例させる冷房比例制御へ移行する。
尚、冷却比例制御では、ガスバーナBのインプットを、室内機RUに供給される冷温水の温度が7℃になるように制御する。
その後、冷房比例運転において、使用者による冷房運転終了の操作が行われると、終了希釈運転を行った後、運転を終了する。
【0056】
以上の制御によって行われる冷房運転において、吸収サイクルの運転開始初期などの高温再生器1内及び低温再生器2内の温度が十分に高くなる前には、HGE温度が低いため吸収液ポンプP1(タンデムポンプ)は作動されない。
従って、ガスバーナBの加熱とともに吸収サイクル内の圧力差に基づいて吸収液および冷媒蒸気が吸収サイクル内を移動する。このとき、空調装置のばらつきなどによって、中濃度吸収液分離筒12内の吸収液の液位に差が生じる。
【0057】
そのとき、中濃度吸収液分離筒12内の液位が、鍋状部材13と延長周壁14との間の流入部16を越えて高くなった状態で、吸収液ポンプP1の作動が開始された場合には、加熱タンク11で加熱された吸収液は流入部16を通って鍋状部材13内に流入するのに対し、吸収液を伴った状態の冷媒蒸気は、吸収液上昇流路15を流入部16を越えてさらに上方まで上昇し、上昇制限用鍔18によって進行方向が内側へ変更されると、吸収液のみが延長周壁14を乗り越えて鍋状部材13内に流入する。
従って、加熱された吸収液中から冷媒蒸気を確実に分離させることができる。この場合、高温再生器1内へ供給された吸収液の一部は、吸収液上昇流路15の高い液位まで上昇しなければならなくなるが、中濃度吸収液分離筒12内の吸収液の液位は、吸収サイクル内の圧力差に応じて高くなったものであって、吸収液ポンプP1によって強制的に高い液位まで上昇させるものではないため、吸収液ポンプP1の吐出圧を吸収液の液位が流入部16より低い場合に対して大きくする必要がない。従って、吸収液ポンプP1の負担が増加することがない。
【0058】
一方、定常運転時には、高温再生器1内の温度が十分に高くなり、圧力も高くなるため、中濃度吸収液分離筒12内の吸収液の液位は、流入部16より下がり、吸収液上昇流路15を上昇する吸収液は、鍋状部材13の外側の吸収液上昇流路15のみを上昇して、中間戻し板17によって進行方向を中心側へ変更されて、流入部16から鍋状部材13内へ流入する。
【0059】
以上のとおり、本実施例では、加熱タンク11で加熱されて吸収液上昇流路15を上昇する吸収液は、そのときの高温再生器1内の圧力等に応じて、中間戻し板17又は上昇制限用鍔18の高さまで上昇することができるため、加熱された吸収液から冷媒蒸気を確実に分離させることができる。
また、吸収液が、延長周壁14を乗り越える高さまで吸収液上昇流路15を上昇する場合は、吸収サイクル内の圧力に応じて上昇するのであって、吸収液ポンプP1の吐出圧を高くするのではないため、吸収液ポンプP1に大きな吐出能力が要求されないため、吸収液ポンプP1の負担が増加することがなく、従来と同等の能力の吸収液ポンプP1を用いることができる。
【0060】
上記各実施例では、冷却水流路34の冷却塔CTを、冷却水の一部を蒸発させて冷却水を自己冷却する開放式のものとしたが、冷却水流路34を循環する冷却水が、大気に開放されていない密閉回路を形成した水冷装置又は空冷装置でもよい。
【0061】
上記実施例では、室内機RUに空調熱交換器44のみを設けたものを示したが、室内温度を下げないで除湿運転を行うために、空調熱交換器44で一旦冷却した空気を加熱する加熱用熱交換器を空調熱交換器44と並設させるようにしてもよい。
上記実施例では、吸収式冷凍装置を用いた空調装置を示したが、冷蔵庫、冷凍庫など、他の冷凍装置に用いてもよい。
上記実施例では、ガスバーナを用いたが、加熱源としては、石油バーナや、電気ヒータを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す空調装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例における高温再生器の要部を示す高温再生器の部分断面図である。
【図3】本発明の実施例における中間戻し板の形状を説明するための平面図である。
【符号の説明】
100 室外機(吸収式冷凍装置)
1 高温再生器
10 冷媒回収タンク
11 加熱タンク
12 中濃度吸収液分離筒(筒状の吸収液分離筒)
13 鍋状部材(分離筒内流路形成部材)
13a 周壁(筒状の周壁)
14 延長周壁(分離筒内流路形成部材)
15 吸収液上昇流路(上昇流路)
16 流入部(連通部)
17 中間戻し板(下段鍔状部材)
17b 円弧状開口(吸収液通過穴)
18 上昇制限用鍔(上段鍔状部材)
2 低温再生器
5 凝縮器
B ガスバーナ(加熱手段)
P1 吸収液ポンプ
L1 中濃度吸収液流路(二重効用用吸収液流路)
Claims (2)
- 腐食を抑制するためのインヒビターを含む吸収液の吸収サイクルを形成した吸収式冷凍装置において吸収液を加熱して冷媒蒸気を分離する再生器であって、
吸収液を加熱手段によって加熱して冷媒蒸気を分離させる高温再生器と、該高温再生器で冷媒蒸気が分離されて高濃度化した吸収液を前記高温再生器の熱によって再加熱して吸収液から冷媒蒸気を分離させる低温再生器とからなる二重効用型の再生器において、
前記高温再生器は、
前記吸収サイクル内で吸収液ポンプにより供給される吸収液を前記加熱手段によって加熱するための加熱タンクと、
該加熱タンクの上方へ延設され、加熱された吸収液から冷媒蒸気を分離するための筒状の吸収液分離筒と、
筒状の周壁を有し上方が開口し下方が閉塞した略鍋形状を呈するとともに、前記筒状の周壁の上下方向の中間部に前記周壁の内外を連通させる連通部が形成された部材であって、前記吸収液分離筒の内側に配置されて、前記吸収液分離筒の内側面と前記周壁との間で吸収液の上昇用流路を形成する分離筒内流路形成部材と、
前記吸収液分離筒の内側で前記分離筒内流路形成部材の前記連通部の直上方を貫いて配置され、前記吸収液分離筒と前記分離筒内流路形成部材との間に冷媒蒸気を通過させるための冷媒蒸気通過穴が形成された略鍔状の部材であって、前記上昇流路を上昇した吸収液の進行方向を前記連通部から前記分離筒内流路形成部材の内側へ進路変更させるとともに、分離筒内流路形成部材内の吸収液の液位が高くなった場合には、前記冷媒蒸気通過穴に冷媒蒸気を通過させる下段鍔状部材と、
前記分離筒内流路形成部材の前記周壁の上端より上方位置の前記吸収液分離筒の内周面から内側へ向かって前記周壁を越えて形成された鍔状部材であって、前記吸収液通過穴を通過して前記吸収液上昇流路を上昇した吸収液の進行方向を前記分離筒内流路形成部材の内側へ進路変更させる上段鍔状部材と、
吸収液から分離された冷媒蒸気を回収するために前記吸収液分離筒の外側に前記吸収液分離筒を上方より覆って設けられたタンクであって、該タンクの壁面が前記低温再生器の加熱部を兼用する冷媒回収タンクと、
前記分離筒内流路形成部材の前記連通部より下方に開口し、前記分離筒内流路形成部材内の吸収液を前記冷媒回収タンクの外側へ導くための二重効用用吸収液流路と
を具備することを特徴とする吸収式冷凍装置の再生器。 - 前記高温再生器及び前記低温再生器でそれぞれ分離された冷媒は、前記吸収サイクルにおける同一の凝縮器内へ供給されることを特徴とする請求項1記載の吸収式冷凍装置の再生器。
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JPH11218367A JPH11218367A (ja) | 1999-08-10 |
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