JPH11201577A - 吸収式空調装置 - Google Patents

吸収式空調装置

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JPH11201577A
JPH11201577A JP10002279A JP227998A JPH11201577A JP H11201577 A JPH11201577 A JP H11201577A JP 10002279 A JP10002279 A JP 10002279A JP 227998 A JP227998 A JP 227998A JP H11201577 A JPH11201577 A JP H11201577A
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liquid
absorption
refrigerant
evaporator
heating
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Yasuhei Hayashi
泰平 林
Kaoru Kawamoto
薫 河本
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Osaka Gas Co Ltd
Rinnai Corp
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Osaka Gas Co Ltd
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各運転時の吸収液濃度及び蒸発・吸収ケース
内の吸収液の液面の高さを維持する。 【解決手段】 蒸発・吸収ケース30内にエジェクター
80を設けて不凝縮性ガスを抽出し、不凝縮性ガス貯蔵
器90に貯蔵する。冷房運転時には蒸発・吸収ケース3
0内の圧力が低くなり不凝縮性ガス貯蔵器90内に吸収
液は流入しない。暖房運転時には蒸発・吸収ケース30
内の圧力が不凝縮性ガス貯蔵器90内の圧力より高くな
り、吸収液が下方側タンク91内に流入するが、フロー
ト弁体97が吸収液に浮き、連通穴93が塞がれるため
上方側タンク92内には流入しない。冷房運転時は冷媒
液受け部52で冷媒液のみが貯留されて濃度が高くなっ
た吸収液が吸収サイクルを循環し、暖房運転時には下方
側タンク91内に低濃度の吸収液が流入して吸収液の循
環量が減るため、蒸発器4内の液位を下げることがで
き、蒸発器4内への吸収液の流入時に飛散しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臭化リチウムなど
の水溶液を吸収液とする吸収サイクルを形成するととも
に再生器から蒸発器へ吸収液を供給する暖房用の吸収液
流路を設けて、暖房用の吸収液流路中の弁の開閉によっ
て暖房運転と冷房運転とを切替える吸収式空調装置に関
し、特に、吸収サイクル内で発生する不凝縮性ガスの貯
蔵構造に係る。
【0002】
【従来の技術】吸収サイクルを用いた吸収式空調装置で
は、冷房運転時には、吸収サイクルにおいて、再生器で
バーナの加熱により沸騰した低濃度吸収液から冷媒蒸気
が分離され、冷媒蒸気は凝縮器で冷却されて冷媒液とな
り蒸発器へ供給される。再生器で冷媒蒸気が分離されて
高濃度となった吸収液は、吸収器へ供給される。吸収器
と蒸発器とは連通しており、冷媒液は蒸発器内で蒸発し
て熱を奪う冷却源となり、蒸発器内に配した冷温水配管
内を循環する冷温水を冷却して、室内機の空調用熱交換
器に循環させることで、室内の冷房を行う。吸収液は吸
収器で蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を吸収し、このときの
発熱を外部へ排出するために、吸収器内には熱交換用配
管が設けられていて、冷却水ポンプによって供給される
冷却水の通過によって外部へ排熱される。
【0003】暖房運転時には、上記構成の吸収サイクル
とは別に再生器と蒸発器とを連絡する吸収液流路中の冷
暖切替え弁を開弁し、バーナで加熱された吸収液を蒸発
器内へ供給することにより、蒸発器内の冷温水配管を通
過する冷温水を加熱して室内機へ循環させ、蒸発器へ供
給された吸収液は、吸収器を介して再生器へ戻される。
【0004】上記構成によって、冷房運転と暖房運転と
を切替えによって行うようにした吸収式空調装置では、
冷房運転に最適な吸収液濃度のままで暖房運転を行う
と、加熱された吸収液が吸収液の循環路の各所で晶析す
る恐れがある。このため、従来では、吸収液中の冷媒で
ある水の量を多くして、吸収液の濃度を吸収サイクル内
全体では冷房運転時に最適な濃度より低く抑えておき、
冷房運転時に凝縮器で冷却されて生じた冷媒液を凝縮器
内に一時的に貯留できるように、凝縮器内には容器状の
冷媒液貯留部が設けられている。
【0005】これにより、冷房運転時に吸収サイクル内
を吸収液が循環する際には、凝縮器で冷却されて生じた
冷媒液がそのまますべて蒸発器へ供給されるのではな
く、一部が凝縮器内で貯留されることによって、冷房運
転時における吸収サイクル内の実質的な吸収液濃度を高
くして冷房能力を確保し、暖房運転時には、冷媒液貯留
部と蒸発器とを連通させる冷媒液流路中の冷媒弁を開弁
することによって、冷媒液貯留部内の冷媒液をすべて蒸
発器内へ供給して、吸収器および再生器内の吸収液の濃
度を下げて上記晶析を防止している。
【0006】一方、暖房運転時には、再生器から蒸発器
内へ直接供給される高温の吸収液が、蒸発コイルに付着
しないようにする必要があるため、蒸発器内の暖房用吸
収液流路の開口部には、吐出する高温の吸収液の蒸発器
内への噴き出しを防止するための防止板(バッフル板)
が蒸発コイルの下方に設けられている。さらに、上記構
成において、吸収サイクルを構成する再生器等の各器具
および配管には、臭化リチウムに対して耐食性が強いス
テンレス材および銅材が用いられており、また、吸収液
内には、各器具の腐食を防止するためのインヒビター
(腐食抑制剤)が含まれている。しかし、これらによっ
て吸収サイクル内の各器具及び配管内の化学反応を完全
に無くすことはできず、吸収液と各構成器具との化学反
応によって不凝縮性ガス(具体的には水素ガス)が発生
し、長期間の使用の間に吸収サイクル内に蓄積される。
このため、吸収サイクル内で発生した不凝縮性ガスを、
運転時に蒸発吸収ケース内で抽気する不凝縮性ガス抽出
装置を設けて、ガス貯蔵室(ガス貯蔵タンク)内に保管
するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり構成され
た吸収式空調装置において、暖房運転時には、前記の如
く吸収液の濃度を下げて晶析防止するために、冷房運転
時に貯留された冷媒液を戻しているが、これによって暖
房運転時に循環する吸収液の絶対量が多くなり、再生器
から蒸発器内に供給されて滞留した高温の吸収液の液面
が高くなって蒸発コイルに達してしまったり、また、蒸
発器内の底部に滞留した高温の吸収液の液面が蒸発器内
に設けられた防止板を越えてしまう。吸収液の液面が防
止板より高いと、暖房運転時における吸収液の噴き出し
を防止するための防止板が蒸発器内に設けられていて
も、再生器で加熱された吸収液の沸騰により生じた冷媒
蒸気の気泡が吸収液に混入していることから、吸収液の
蒸発器内への吐出時に、気泡の吐出によって蒸発器内の
吸収液が防止板を越えて飛び散り、飛散した吸収液が蒸
発コイルに付着する不具合が生じ、蒸発コイルの腐食の
原因になる。尚、蒸発コイルや防止板を蒸発器の底面か
ら十分に高く設定することは装置が大きくなり、小型化
の要請に反してしまう。
【0008】本発明は、装置の小型化を図りつつ、暖房
運転時に吸収器および蒸発器内の吸収液の液位を適切に
維持して、吸収液が蒸発コイルに付着することを防止す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、請求項1
は、冷媒を含む吸収液を加熱手段により加熱して吸収液
から冷媒蒸気を分離させる再生器と、該再生器によって
分離した前記冷媒蒸気を冷却して凝縮させるとともに、
凝縮によって生じた冷媒液を貯留する冷媒液貯留部が設
けられた凝縮器と、該凝縮器の前記冷媒液貯留部に貯留
された冷媒液を低圧下で蒸発させて冷却源とする蒸発器
と、前記蒸発器と連通して設けられ、前記再生器で前記
冷媒蒸気が分離された吸収液に、前記蒸発器で蒸発した
冷媒蒸気を吸収させる吸収器と、前記吸収器から前記再
生器へ吸収液を戻すための吸収液ポンプとから吸収サイ
クルを形成し、室内機に設けられた空調用熱交換器との
間で冷温水を循環させるための冷温水循環回路を形成し
た熱交換用配管を前記蒸発器内に配するとともに、冷房
運転と暖房運転とを切り替えるための冷暖切替え弁を備
えた暖房用吸収液流路により前記再生器と前記蒸発器と
を接続した吸収式空調装置であって、冷房運転時には前
記冷暖切替え弁を閉弁制御し、暖房運転時には前記冷暖
切替え弁を開弁制御する運転制御手段を具備した吸収式
空調装置において、前記蒸発器及び吸収器を形成する蒸
発吸収ケース内の不凝縮性ガスを抽出する抽出部および
前記蒸発吸収ケースの底部と連通して設けられ前記抽出
部で抽出された不凝縮性ガスを吸収液から分離する気液
分離部とからなる不凝縮性ガス抽出装置と、下方ガス貯
蔵室とその上方に配置された上方ガス貯蔵室とを連通さ
せてなり、前記下方ガス貯蔵室の下端に前記不凝縮性ガ
ス抽出装置の前記気液分離部の端が接続された不凝縮性
ガス貯蔵タンクであって、前記下方ガス貯蔵室と前記上
方ガス貯蔵室との連通部に、吸収液に浮かぶ浮き弁体を
有し前記下方ガス貯蔵室から前記上方ガス貯蔵室へ向か
う吸収液を前記浮き弁体により遮断する逆止弁機構を設
けた二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクとを設けたことを技
術的手段とする。
【0010】この構成により、請求項1では、冷房運転
が行われると、吸収サイクル内で吸収液が循環し、ま
た、吸収液から分離された冷媒は、凝縮器から蒸発器、
吸収器へと循環する。この冷媒の循環路である凝縮器に
は、凝縮によって生じた冷媒液を貯留する冷媒液貯留部
が設けられているため、吸収器から再生器へと戻される
吸収液の濃度は、凝縮器の冷媒液貯留部に貯留された冷
媒液の分だけ濃縮された状態にある。蒸発吸収ケース内
には、不凝縮性ガスを抽出する不凝縮性ガス抽出装置が
設けられており、蒸発吸収ケースの底部で不凝縮性ガス
抽出装置を介して二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクと連通
しているが、吸収サイクルの作動によって吸収器内の圧
力は低くなっているため、蒸発吸収ケース内の吸収液
は、二室式不凝縮性ガス貯蔵タンク内へ流入しない。従
って、冷房運転時には、凝縮器内に貯留された冷媒液分
だけ少なくなって濃縮された吸収液が、吸収サイクル内
を循環する。
【0011】逆に、暖房運転が行われた場合には、再生
器で加熱された吸収液は、暖房用吸収液流路により再生
器から蒸発吸収ケース内の蒸発器へ直接供給されて、吸
収器を経て再び再生器へと戻され、凝縮器等の吸収サイ
クル内を循環しない。従って、暖房運転時には、吸収サ
イクル内に存在する吸収液は、吸収器および蒸発器と再
生器のみの間で循環し、凝縮器へは循環せず、冷媒液貯
留部で冷媒液が貯留されないため、あらかじめ装置内に
封入された濃度が低く冷房運転時に比べて多量の吸収液
が再生器、蒸発器、吸収器の順で循環することになる。
ここで、蒸発吸収ケースの底部は、二室式不凝縮性ガス
貯蔵タンクと連通しており、蒸発吸収ケース内の圧力は
高温の吸収液の蒸気圧によって二室式不凝縮性ガス貯蔵
タンク内の圧力より高くなっているため、蒸発吸収ケー
ス内の吸収液は、不凝縮性ガス抽出装置を介して二室式
不凝縮性ガス貯蔵タンク内へ流入する。
【0012】二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクは、蒸発吸
収ケースと連通した下方ガス貯蔵室と上方ガス貯蔵室と
の間の連通部に浮き弁体による逆止弁機構が設けられて
いるため、下方ガス貯蔵室内が吸収液で充填されると、
浮き弁体が逆止弁として作用し、上記連通部を封鎖す
る。このため、上方ガス貯蔵室内には、吸収液は流入し
ない。従って、再生器、蒸発器、吸収器を循環する吸収
液のうち、下方ガス貯蔵室の容積分の吸収液が減少し
て、蒸発吸収ケース内の吸収液の液位が低下する。
【0013】この結果、蒸発器等の小型化を図って、容
積、寸法などを小さくした場合であっても、暖房運転時
に再生器から高温の吸収液が蒸発器内へ供給されると
き、供給された吸収液の液面が蒸発器内の熱交換用配管
まで達しないから、該熱交換用配管に吸収液が付着する
ことがなく、腐食を防止できる。また、冷房運転時に
は、凝縮器内に冷媒液を貯留することによって、吸収サ
イクル内を循環する吸収液の実質的な濃度を高くするこ
とができるため、冷凍能力が低下することがないととも
に、暖房運転時においては吸収液の濃度が低くなって、
吸収液の晶析を招くことがなく、冷房運転時、暖房運転
時ともに、それぞれの運転に適した濃度で吸収液を循環
させることができる。
【0014】請求項2では、請求項1において、前記気
液分離部は、U字形状のU字管体を有し、該U字管体に
より前記蒸発吸収ケースの下部と前記下方ガス貯蔵室の
下部とを連通させることを技術的手段とする。請求項3
では、請求項1または2において、前記蒸発器における
前記暖房用吸収液流路の開口部には、供給される吸収液
の噴出を防止するための防止板が設けられたことを技術
的手段とする。これにより、請求項3では、上記蒸発吸
収ケース内の吸収液の液位の低下により、液面を防止板
より低い高さに確保でき、再生器から蒸発器内に供給さ
れる高温の吸収液が気泡を伴って防止板を越えて飛び散
り、蒸発器内の熱交換用配管に付着することがないか
ら、腐食を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に関わる吸収式空
調装置の実施例を示す。吸収式空調装置は、冷凍装置と
しての室外機100と室内機RUとからなり、室外機1
00は、冷凍機本体101と冷却塔(クーリングタワ
ー)CTとから構成される。なお、空調装置は、制御装
置102により制御される。
【0016】冷凍機本体101は、主にステンレスによ
って成形され、冷媒及び吸収液としての臭化リチウム水
溶液の吸収サイクルを形成するもので、加熱手段として
のガスバーナBが下方に備えられた高温再生器1と、こ
の高温再生器1の外側に被さるように配置された低温再
生器2とからなる二重効用型の再生器と、低温再生器2
の外周に順に配置された吸収器3および蒸発器4と、低
温再生器2の外周で吸収器3及び蒸発器4の上方に配置
された凝縮器5とを、幾つかの通路で接続してなる。な
お、吸収液内には、ステンレスと臭化リチウムとの反応
による腐食を抑制するためのインヒビター(腐食抑制
剤)が含まれている。
【0017】高温再生器1は、ガスバーナBによって加
熱される加熱タンク11の上方に中濃度吸収液分離筒1
2を延長させて設け、中濃度吸収液分離筒12の上方か
らその外側に覆い被さるように縦型円筒形の気密性の冷
媒回収タンク10が設けられている。中濃度吸収液分離
筒12の内側下方には、中濃度吸収液分離筒12の内壁
との間に間隔をおいて配置された吸収液仕切り容器13
が、その上縁の数カ所を中濃度吸収液分離筒12の内側
に接合させて設けられ、中濃度吸収液分離筒12と吸収
液仕切り容器13との間には、加熱タンク11で加熱さ
れた吸収液が上昇する筒状の吸収液上昇流路14が形成
されている。
【0018】吸収液仕切り容器13の上方の中濃度吸収
液分離筒12内には、吸収液上昇流路14を上昇する吸
収液を戻すための吸収液戻し板15が設けられており、
上述の中濃度吸収液分離筒12は、この吸収液戻し板1
5の上方に位置する上方部材と下方に位置する下方部材
との上下2つの部材からなるもので、これらが吸収液戻
し板15に対して溶接によって接合されたものである。
【0019】吸収液仕切り容器13の側部には、冷媒が
分離されて高濃度化された中濃度吸収液を低温再生器2
へ供給するための中濃度吸収液流路L1の流入口が開口
しており、吸収液仕切り容器13の底部には、暖房運転
時に、加熱された吸収液を蒸発器4内へ供給するための
暖房用吸収液流路L4の流入口が開口している。
【0020】冷媒回収タンク10内の下部内側には、中
濃度吸収液分離筒12との間に断熱用間隙17aを形成
して冷媒仕切り筒17が中濃度吸収液分離筒12に接合
されている。この断熱用間隙17aにより、中濃度吸収
液分離筒12内の熱が遮断され、後述する冷媒回収タン
ク10下方の冷媒貯留部10a内の冷媒液が、吸収液上
昇流路14内の高温の吸収液によって加熱されることを
防止している。
【0021】以上の構成により、高温再生器1では、加
熱タンク11の内部に供給された低濃度吸収液をガスバ
ーナBによって加熱すると、中濃度吸収液分離筒12と
吸収液仕切り容器13との間に形成された筒状の吸収液
上昇流路14を加熱された吸収液が上昇し、加熱により
低濃度吸収液中の冷媒としての水が蒸発して冷媒蒸気
(水蒸気)として分離して、冷媒蒸気の蒸発により濃化
した中濃度吸収液は、吸収液戻し板15によって内側へ
方向を転換されて吸収液仕切り容器13内へ戻される。
【0022】冷媒が分離されて高濃度化された中濃度吸
収液は、吸収液仕切り容器13の側部に開口した中濃度
吸収液流路L1から、低温再生器2へ供給される。冷媒
回収タンク10は、冷媒仕切り筒17の外側が、分離さ
れた冷媒が貯留する冷媒貯留部10aとなっており、冷
媒貯留部10aに貯留された冷媒は、冷媒流路L5から
凝縮器5へ供給される。
【0023】低温再生器2は、冷媒回収タンク10の外
周に偏心して設置した縦型円筒形の低温再生器ケース2
0を有し、低温再生器ケース20の天井の周囲には冷媒
蒸気出口21が設けられている。低温再生器ケース20
の天井の頂部は、中濃度吸収液流路L1により熱交換器
Hを介して中濃度吸収液分離筒12内の吸収液仕切り容
器13内と連結されている。
【0024】中濃度吸収液流路L1中には、吸収液仕切
り容器13から低温再生器2へ流れる中濃度吸収液の流
量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられ
ていて、低温再生器ケース20内へは中濃度吸収液分離
筒12との圧力差により中濃度吸収液が供給される。
(低温再生器ケース20内では、約70mmHg、中濃
度吸収液分離筒12内では約700mmHg)
【0025】これにより、低温再生器2では、低温再生
器ケース20内に供給された中濃度吸収液を、冷媒回収
タンク10の外壁を熱源として再加熱し、中濃度吸収液
は低温再生器ケース20の上部の気液分離部22で冷媒
蒸気と高濃度吸収液とに分離され、高濃度吸収液は、高
濃度吸収液受け部23に貯留される。高濃度吸収液受け
部23の底には、吸収器3と連通する高濃度吸収液流路
L2の流入口が開口している。
【0026】低温再生器ケース20の外周には、縦型円
筒形で気密性の蒸発・吸収ケース30が下部に、凝縮器
ケース50が上部にそれぞれ同心的に配されており、冷
媒回収タンク10、低温再生器ケース20、蒸発・吸収
ケース30は、底板部18に一体に溶接され、また、底
板部18の内側端は、中濃度吸収液分離筒12の下方部
材の外周面に溶接されて、冷凍機本体101を形成して
いる。なお、低温再生器ケース20内は、冷媒蒸気出口
21および隙間5Aを介して凝縮器ケース50内と連通
している。
【0027】吸収器3は、蒸発・吸収ケース30内の内
側部分に、銅管が縦型円筒状に巻設され内部に排熱用冷
却水が流れる吸収管としてコイル状に巻かれた吸収コイ
ル31が配置され、吸収コイル31の上方には、高濃度
吸収液を吸収コイル31に散布するための高濃度吸収液
散布具32が配置されている。吸収コイル31は、低温
再生器ケース20の外側に、捲回された銅管からなるも
ので、吸収コイル31の流入口は、冷却水流路34と接
続され、吸収コイル31の流出口は凝縮器5の冷却コイ
ル51の流入口に接続されている。
【0028】高濃度吸収液散布具32は、熱交換器Hを
介して低温再生器2の高濃度吸収液受け部23と連結さ
れた高濃度吸収液流路L2を介して供給される高濃度吸
収液を受けて溜めることによって自己冷却させる吸収液
冷却容器と、吸収液冷却容器で溜められた吸収液を巻設
された吸収コイル31の各周上に滴下させる。
【0029】以上の構成により、吸収器3では、低温再
生器2の高濃度吸収液受け部23の高濃度吸収液が圧力
差により高濃度吸収液流路L2から流入し、流入した高
濃度吸収液は、高濃度吸収液散布具32により吸収コイ
ル31の上端に散布され、吸収コイル31の表面に付着
して薄膜状になり、重力の作用で下方に流下し、水蒸気
を吸収して低濃度吸収液となる。この水蒸気を吸収する
際に吸収コイル31の表面で発熱するが、吸収コイル3
1を循環する排熱用冷却水により冷却される。尚、吸収
液に吸収される水蒸気は、後述する蒸発器4で冷媒蒸気
として発生したものである。
【0030】吸収器3の底部33は、熱交換器Hおよび
吸収液ポンプP1が装着された低濃度吸収液流路L3で
加熱タンク11の底部と連結されており、吸収液ポンプ
P1の作動により吸収器3内の低濃度吸収液は加熱タン
ク11内へ供給される。また吸収コイル31内には、冷
房運転時に、冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が、
凝縮器5の冷却コイル51を介して循環する。
【0031】吸収器3の内部には、吸収サイクル内で発
生した不凝縮性ガス(水素ガス)を吸い込むための抽気
装置としてのエジェクター80が設けられている。エジ
ェクター80は、吸収器3内に開口した吸引口81に連
続して吸引口81より径が小さい吸導管82を設けると
ともに、吸引口81の内側に吸収液ポンプP1の吐出側
と連通した吸収液吐出管83を配して、吸収液ポンプP
1の吐出圧によって吸収液吐出管83の末端から吸収液
が吸引口81に向かって吐出される際に、吸引口81と
の間の冷媒蒸気および不凝縮性ガス等の気体成分をいわ
ゆるエゼクタ効果によって吸収液内に吸い込み混合する
ようにした構造である。
【0032】吸導管82は、吸収器3の底部33に連通
して設けられた略J字(又は略U字)形状の有谷管状体
からなる気液分離管84の内側に配されて、気液分離管
84とともに気液分離器を構成するもので、気液分離管
84と同様に略J字(又は略U字)形状を呈し、気液分
離管84内の谷部85を経た位置で上向きに開口してい
る。気液分離器の末端となる気液分離管84の末端に
は、不凝縮性ガス貯蔵器90が接続されている。
【0033】不凝縮性ガス貯蔵器90は、下方側タンク
91と上方側タンク92とからなり、下方側タンク91
と上方側タンク92とは、連通穴93を有する隔壁94
によって分割されており、連通穴93には、逆止弁機構
95が備えられている。逆止弁機構95は、連通穴93
から下方側タンク91内へ向かって突出した筒状部96
内に、吸収液より比重の小さいシリコンゴム性で球体状
のフロート弁体97が配され、連通穴93の下方側に弁
座98が形成されたもので、筒状部96内の下部には、
フロート弁体97が筒状部96内から遊離しないように
するための遊離防止棒99が装着されている。
【0034】エジェクター80及び不凝縮性ガス貯蔵器
90は、以上の構成により、吸収液ポンプP1の作動中
には、エジェクター80の吸収液吐出管83から吸引口
81へ向かって吐出される吸収液のエゼクタ効果によっ
て、吸収器3内の冷媒蒸気および不凝縮性ガスをエジェ
クター80の吸引口81から吸引し、吸導管82内を吸
収液と混合した状態で気液分離管84へ導き、気液分離
管84では不凝縮性ガスを吸収液から分離させて、不凝
縮性ガス貯蔵器90の下方側タンク91内に貯蔵する。
尚、吸引された冷媒蒸気は、吸導管82内で吸収液に吸
収され、気液分離管84からは、不凝縮性ガスのみが気
体として分離する。
【0035】蒸発器4は、蒸発・吸収ケース30内の吸
収コイル31の外周に設けた縦型円筒形で多数の連通口
(図示なし)付きの仕切り板40の外周に、内部を冷暖
房用の冷温水が流れる銅管からなる縦型円筒形の蒸発コ
イル41を配設し、その上方に冷媒液散布具42を取り
付けてなる。尚、蒸発器4の底部43は、電磁式の冷暖
切替え弁6を有する暖房用吸収液流路L4により中濃度
吸収液分離筒12内の吸収液仕切り容器13の底部と連
通している。尚、蒸発器4内の暖房用吸収液流路L4の
開口部の内側には、暖房運転時に供給される吸収液が、
蒸発器4内へ噴出しないようにするために、図4に示す
ように、防止板(バッフル板)43Aが配されている。
【0036】以上の構成により、蒸発器4では、冷房運
転時に冷媒液散布具42より冷媒液(水)を蒸発コイル
41の上に流下させると、流下された冷媒液は、表面張
力で蒸発コイル41の表面を濡らして膜状となり、重力
の作用で下方へ降下しながら低圧(例えば、6.5mm
Hg)となっている蒸発・吸収ケース30内で蒸発コイ
ル41から気化熱を奪って蒸発し、蒸発コイル41内を
流れる空調用の冷温水を冷却する。
【0037】凝縮器5は、蒸発・吸収ケース30の上方
の開口を塞ぐようにして設けられた凝縮器ケース50の
内部に冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が内部を循
環する冷却コイル51を配設してなる。
【0038】凝縮器ケース50内には、冷却コイル51
によって冷却された冷媒蒸気が液化した冷媒液を凝縮器
ケース50から浮かした位置で受けるための皿状の冷媒
液受け部52が設けられていて、冷媒液受け部52は、
蒸発器4の冷媒液散布具42の上方に設けられて、供給
される冷媒液の自己冷却により冷媒液を冷却させる冷媒
冷却器48と、冷媒液供給路L6によって連通してい
る。以上の構造を有する凝縮器5は、冷媒流量を制限す
るためのオリフィス(図示なし)が設けられた冷媒流路
L5により冷媒回収タンク10の冷媒貯留部10aと連
通するとともに、冷媒蒸気出口21および隙間5Aを介
して低温再生器2とも連通しており、いずれも圧力差
(凝縮器ケース内では約70mmHg)により冷媒が供
給される。
【0039】冷房運転時において、凝縮器ケース50内
に供給された冷媒蒸気は、冷却コイル51により冷却さ
れて液化し、凝縮器5の下部に設けられた冷媒液受け部
52から蒸発器4内に配置された冷媒冷却器48へ冷媒
液供給路L6を介して供給される。冷媒液受け部52を
オーバーフローした冷媒液は、凝縮器ケース50の底に
よって形成される冷媒液貯留部53に貯留され、冷房運
転時に吸収サイクルを循環する吸収液の濃度を実質的に
高く維持して、冷房性能を向上させている。そして、冷
媒液貯留部53と冷媒冷却器48とは、冷媒弁7を備え
た冷媒液流路L7によって連通しており、冷媒液の凍結
の恐れのある場合に、冷媒弁7の開弁制御によって蒸発
器4に冷媒液が供給されて、蒸発器4内の蒸気圧を高く
することにより凍結を防止する。また、暖房運転の開始
時にも、冷媒弁7が開弁されて、冷房運転時に凝縮器5
の冷媒液貯留部53内に貯留された冷媒液が蒸発器4内
へ供給され、暖房運転時に加熱され循環する吸収液の濃
度を低く維持して、晶析が防止される。
【0040】以上の構成により、冷房運転時において、
吸収液は、高温再生器1→中濃度吸収液流路L1→低温
再生器2→高濃度吸収液流路L2→高濃度吸収液散布具
32→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路
L3→高温再生器1の順に循環する。また、冷媒は、高
温再生器1(冷媒蒸気)→冷媒流路L5(冷媒蒸気)又
は低温再生器2(冷媒蒸気)→凝縮器5(冷媒液)→冷
媒供給路L6(冷媒液)又は冷媒液流路L7(冷媒液)
→冷媒冷却器48→冷媒液散布具42(冷媒液)→蒸発
器4(冷媒蒸気)→吸収器3(吸収液)→吸収液ポンプ
P1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環
する。
【0041】上記、吸収液と熱交換する吸収器3の吸収
コイル31と凝縮器5の冷却コイル51は、接続されて
連続コイルを形成しており、連続コイルは、冷却水流路
34によって冷却塔CTと接続されて冷却水循環路を形
成している。この冷却水循環路において、吸収コイル3
1の入口と冷却塔CTとの間の冷却水流路34には、連
続コイル内へ冷却水を送り込むための冷却水ポンプP2
が設けられており、冷却水ポンプP2の作動により連続
コイルを通過する冷却水は、吸収コイル31で吸収熱
を、冷却コイル51で凝縮熱をそれぞれ吸熱して比較的
高温となって、冷却塔CTに供給される。
【0042】上記の構成により、冷房運転時には、冷却
水ポンプP2の作動により冷却塔CT内の冷却水が、冷
却塔CT→冷却水ポンプP2→吸収コイル31→冷却コ
イル51→冷却塔CTの順に循環する。冷却塔CTで
は、落下する冷却水を大気中に一部蒸発させて、残りの
冷却水を冷却する自己冷却がなされており、冷却水は、
大気中に放熱して低温度になる排熱サイクルを形成して
いる。なお、送風機Sからの送風により、水の蒸発を促
進させている。
【0043】蒸発器4の蒸発コイル41には、室内機R
Uに設けられた空調熱交換器44が冷温水流路47で連
結されていて、冷温水流路47には、冷温水ポンプP3
が設けられている。以上の構成により、蒸発コイル41
で低温度となった冷温水は、蒸発コイル41→冷温水流
路47→空調熱交換器44→冷温水流路47→冷温水ポ
ンプP3→蒸発コイル41の順で循環する。
【0044】室内機RUには、空調熱交換器44が設け
られているとともに、この熱交換器44に対して、室内
空気を通過させて再び室内へ吹き出すブロワ46が備え
られている。
【0045】暖房用吸収液流路L4および冷暖切替え弁
6は暖房運転用に設けられたもので、暖房運転時には冷
暖切替え弁6を開弁し、吸収液ポンプP1を作動させ
る。これにより、中濃度吸収液分離筒12内の吸収液仕
切り容器13内の高温度の中濃度吸収液が蒸発器4内へ
流入し、中濃度吸収液の高温蒸気(冷媒蒸気)によって
蒸発コイル41内の冷温水が加熱され、加熱された蒸発
コイル41内の冷温水は、冷温水ポンプP3の作動によ
り冷温水流路47から空調用熱交換器44へ供給され、
暖房の熱源となる。蒸発器4内の中濃度吸収液は、仕切
り板40の連通口40aから吸収器3側へ入り、低濃度
吸収液流路L3を経て、吸収液ポンプP1により加熱タ
ンク11へ戻される。
【0046】以上の構成からなる本実施例の空調装置で
は、吸収サイクルにおいて吸収液を循環させるための吸
収液ポンプP1と、蒸発器コイル41で冷却または加熱
された冷温水を冷温水流路47によって室内機RUの空
調用熱交換器44に循環させるための冷温水ポンプP3
とが、同一のモータによって駆動されるタンデムポンプ
として構成されていて、常に吸収液ポンプP1と冷温水
ポンプP3とが同時に同一回転数で回転する。
【0047】次に、以上の構成からなる室外機100に
おける不凝縮性ガスの貯蔵動作を説明する。 [冷房運転]冷房運転では、冷暖切替え弁6が閉弁され
ており、ガスバーナBが点火され、吸収液ポンプP1及
び冷温水ポンプP3が駆動されると、吸収液は、高温再
生器1→中濃度吸収液流路L1→低温再生器2→高濃度
吸収液流路L2→高濃度吸収液散布具32→吸収器3→
吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→高温再生器
1の順に循環する。また、冷媒は、高温再生器1(冷媒
蒸気)→冷媒流路L5(冷媒蒸気)又は低温再生器2
(冷媒蒸気)→凝縮器5(冷媒液)→冷媒供給路L6
(冷媒液)又は冷媒液流路L7(冷媒液)→冷媒冷却器
48→冷媒液散布具42(冷媒液)→蒸発器4(冷媒蒸
気)→吸収器3(吸収液)→吸収液ポンプP1→低濃度
吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
【0048】この循環によって、吸収サイクル内の冷媒
は、凝縮器5内の冷媒液貯留部53で貯留されるため、
吸収器3および高温再生器1内を循環する吸収液の実質
的な濃度は、凝縮器5の冷媒液貯留部53で貯留された
冷媒液の分だけ濃縮されて、高濃度になる。従って、吸
収サイクル内に封入しておく吸収液の濃度を、予め低く
しておくことで、冷房運転時に循環する吸収液の濃度を
最適にすることができる。
【0049】さらに吸収液は、不凝縮性ガス抽出装置で
あるエジェクター80および不凝縮性ガス貯蔵器90に
対して吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路L3→吸収
液吐出管83→吸導管82→気液分離管85→不凝縮性
ガス貯蔵器90の下方側タンク91→気液分離管85→
吸収器3→吸収液ポンプP1の順で循環する。この吸収
液の循環において、吸収サイクル内で発生した不凝縮性
ガスは、エジェクター80によって抽気され、不凝縮性
ガス貯蔵器90の下方側タンク91に流入する。このと
き、吸収器3および蒸発器4を形成する蒸発・吸収ケー
ス30内の圧力は、不凝縮性ガス貯蔵器90内の圧力と
同程度に低くなるため、図2に示すように、吸収器3内
の吸収液は下方側タンク91へ流入せず、下方側タンク
91内の液位は一定に保たれる。また、このとき、逆止
弁機構95のフロート弁体97は、弁座98から下方に
離れて筒状部96内で遊離防止棒99に係止されてい
て、連通穴93は開放状態にある。従って、下方側タン
ク91へ導かれた不凝縮性ガスは、逆止弁機構95を通
過して、上方側タンク92内へ流入して貯蔵される。
【0050】[暖房運転]暖房運転では、冷暖切替え弁
6が開弁される。従って、ガスバーナBが点火され、吸
収液ポンプP1及び冷温水ポンプP3の駆動されると、
吸収液は、高温再生器1→暖房用吸収液流路L4→蒸発
器4→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収液流路
L3→高温再生器1の順に循環する。暖房運転では冷却
水ポンプP2は駆動されず、凝縮器5で冷媒液は生成さ
れず、また、暖房運転の開始時に冷媒弁7が開弁して凝
縮器5の冷媒液貯留部53内に貯留された冷媒液は全て
冷媒液流路L7を介して蒸発器4内へ戻されるため、上
記暖房運転時の吸収液の循環では、予め設定された低濃
度の吸収液が循環する。従って、吸収液が高温になって
いても、循環流路中で、吸収液が晶析することがない。
【0051】また、暖房運転においても、吸収液は、不
凝縮性ガス抽出装置であるエジェクター80および不凝
縮性ガス貯蔵器90に対して吸収液ポンプP1→低濃度
吸収液流路L3→吸収液吐出管83→吸導管82→気液
分離管85→不凝縮性ガス抽出装置90の下方側タンク
91→気液分離管85→吸収器3→吸収液ポンプP1の
順で循環する。この吸収液の循環において、吸収サイク
ル内で発生した不凝縮性ガスは、エジェクター80によ
って抽気され、不凝縮性ガス貯蔵器90の下方側タンク
91に流入する。このとき、吸収器3および蒸発器4を
形成する蒸発・吸収ケース30内の圧力は、不凝縮性ガ
ス貯蔵器90内の圧力に対して高くなっている(例え
ば、200〜250mmHg)ため、図3に示すよう
に、吸収器3内の吸収液が、より低圧の不凝縮性ガス貯
蔵器90へ流入する。
【0052】不凝縮性ガス貯蔵器90へ流入した吸収液
が下方側タンク91内を満たすと、逆止弁機構95のフ
ロート弁体97は、流入した吸収液によって筒状部96
内を上方へ移動し、連通穴93の弁座98に密着し、遮
断されて、吸収液は上方側タンク92内には流入せず、
不凝縮性ガスの貯蔵スペースは上方側タンク92によっ
て確保される。この結果、不凝縮性ガス貯蔵器90の下
方側タンク91内には吸収液が充満し、この分、蒸発・
吸収ケース30内の吸収液が減少する。従って、凝縮器
5内の冷媒液貯留部53に冷却液が貯留されていないた
め冷房運転時より多くなっていた吸収液の過剰分が、下
方側タンク91内に貯留することによって、暖房運転時
においても、蒸発・吸収ケース30内の吸収液の液面が
高くならず、しかも、低濃度で循環させることができ
る。
【0053】暖房運転中にも、不凝縮性ガスはエジェク
ター80によって抽出され、下方側タンク91へ導かれ
る。下方側タンク91内の不凝縮性ガスが増加すると、
逆止弁機構95が開いて、不凝縮性ガスが上方タンク9
2へ移動して貯蔵される。
【0054】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、吸収サ
イクルにおいて、凝縮器5内の冷媒液貯留部53に冷媒
液を貯留することによって、冷房運転時には、吸収サイ
クルのうち吸収器3及び高温再生器1内の吸収液の濃度
を、冷房運転に適した濃度にして冷房性能を確保するこ
とができるとともに、暖房運転時は、吸収液の濃度が高
くならないため、晶析を防止することができる。また、
不凝縮性ガス貯蔵器90を下方側タンク91と上方側タ
ンク92の2室構造とし、これらのタンク91、92を
逆止弁機構95を介して連通させることにより、暖房運
転時には、下方側タンク91の容積分だけ、吸収液を吸
収器3等の循環路から減らすことができるため、蒸発・
吸収ケース30内つまりは蒸発器4内の吸収液の液位を
下げることができる。この結果、高温再生器1から蒸発
器4内へ供給される吸収液の液面と蒸発コイル41との
間には隙間Mが確保され、吸収液は蒸発コイル41に接
触しない。また、防止板43Aと液面との間には、隙間
Kが確保され、この隙間Kを通って高温再生器1から供
給される高温の吸収液内の蒸気が上方に抜けるため、蒸
気の混ざった吸収液の噴き上げは防止板43Aで阻止さ
れ吸収液が蒸発器4内で飛散することがない。従って、
室外機100の小型化を図って蒸発器4等の容積が小さ
くなった場合でも、蒸発コイル41に吸収液が付着し、
腐食することを防止できる。
【0055】図5に不凝縮性ガス貯蔵器90における逆
止弁機構95の他の実施例を示す。この実施例では、筒
状部96、遊離防止棒99を省略し、代わりにフロート
弁体97に係止フランジ97aを連結棒97bで連結し
て、フロート弁体97の遊離を防止している。
【0056】上記実施例では、不凝縮性ガス抽出装置と
してエジェクター80を用いたものを示したが、サイホ
ン式の不凝縮性ガス抽出装置を用いてもよい。上記実施
例では、室外機100に対して、単一の室内機RUのみ
を設けたものを示したが、複数の室内機RUを室外機1
00の蒸発コイル41に対して並列に接続してもよい。
上記各実施例では、冷却水流路34の冷却塔CTを、冷
却水の一部を蒸発させて冷却水を自己冷却する開放式の
ものとしたが、冷却水流路34を循環する冷却水が、大
気に開放されていない密閉回路を形成した水冷装置でも
よい。上記実施例では、室内機RUに空調熱交換器44
のみを設けたものを示したが、室内温度を下げないで除
湿運転を行うために、空調熱交換器44で一旦冷却した
空気を加熱する加熱用熱交換器を空調熱交換器44と並
設させるようにしてもよい。上記実施例では、2重効用
式で説明したが、1重効用式でもよい。また、加熱源と
しては、石油バーナや、電気ヒータを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す空調装置の概略構成図で
ある。
【図2】実施例における冷房運転時の不凝縮性ガス貯蔵
器の状態を説明するための部分断面図である。
【図3】実施例における暖房運転時の不凝縮性ガス貯蔵
器の状態を説明するための部分断面図である。
【図4】実施例における暖房運転時の蒸発・吸収ケース
内の吸収液の状態を説明するための部分断面図である。
【図5】本発明の不凝縮性ガス貯蔵器における逆止弁機
構の他の実施例を示す不凝縮性ガス貯蔵器の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 高温再生器 2 低温再生器 3 吸収器 30 蒸発・吸収ケース(吸収器ケース) 33 底部(吸収器の底部) 4 蒸発器 41 蒸発コイル(熱交換用配管) 43A 防止板 44 空調熱交換器(空調用熱交換器) 47 冷温水流路(冷温水循環回路) 5 凝縮器 52 冷媒液受け部 53 冷媒液貯留部 6 冷暖切替え弁 80 エジェクター(不凝縮性ガス抽出装置) 81 吸引口(抽出部) 84 気液分離管(気液分離部) 90 不凝縮性ガス貯蔵器(二室式不凝縮性ガス貯蔵タ
ンク) 91 下方側タンク(下方ガス貯蔵室) 92 上方側タンク(上方ガス貯蔵室) 93 連通穴(下方ガス貯蔵室と上方ガス貯蔵室との連
通部) 95 逆止弁 97 フロート弁体(浮き弁体) 102 制御装置(運転制御手段) B ガスバーナ(加熱手段) P1 吸収液ポンプ RU 室内機 L4 暖房用吸収液流路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を含む吸収液を加熱手段により加熱
    して吸収液から冷媒蒸気を分離させる再生器と、 該再生器によって分離した前記冷媒蒸気を冷却して凝縮
    させるとともに、凝縮によって生じた冷媒液を貯留する
    冷媒液貯留部が設けられた凝縮器と、 該凝縮器の前記冷媒液貯留部に貯留された冷媒液を低圧
    下で蒸発させて冷却源とする蒸発器と、 前記蒸発器と連通して設けられ、前記再生器で前記冷媒
    蒸気が分離された吸収液に、前記蒸発器で蒸発した冷媒
    蒸気を吸収させる吸収器と、 前記吸収器から前記再生器へ吸収液を戻すための吸収液
    ポンプとから吸収サイクルを形成し、 室内機に設けられた空調用熱交換器との間で冷温水を循
    環させるための冷温水循環回路を形成した熱交換用配管
    を前記蒸発器内に配するとともに、 冷房運転と暖房運転とを切り替えるための冷暖切替え弁
    を備えた暖房用吸収液流路により前記再生器と前記蒸発
    器とを接続した吸収式空調装置であって、 冷房運転時には前記冷暖切替え弁を閉弁制御し、暖房運
    転時には前記冷暖切替え弁を開弁制御する運転制御手段
    を具備した吸収式空調装置において、 前記蒸発器及び吸収器を形成する蒸発吸収ケース内の不
    凝縮性ガスを抽出する抽出部および前記蒸発吸収ケース
    の底部と連通して設けられ前記抽出部で抽出された不凝
    縮性ガスを吸収液から分離する気液分離部とからなる不
    凝縮性ガス抽出装置と、 下方ガス貯蔵室とその上方に配置された上方ガス貯蔵室
    とを連通させてなり、前記下方ガス貯蔵室の下端に前記
    不凝縮性ガス抽出装置の前記気液分離部の端が接続され
    た不凝縮性ガス貯蔵タンクであって、前記下方ガス貯蔵
    室と前記上方ガス貯蔵室との連通部に、吸収液に浮かぶ
    浮き弁体を有し前記下方ガス貯蔵室から前記上方ガス貯
    蔵室へ向かう吸収液を前記浮き弁体により遮断する逆止
    弁機構を設けた二室式不凝縮性ガス貯蔵タンクとを設け
    たことを特徴とする吸収式空調装置。
  2. 【請求項2】 前記気液分離部は、U字形状のU字管体
    を有し、該U字管体により前記蒸発吸収ケースの下部と
    前記下方ガス貯蔵室の下部とを連通させることを特徴と
    する請求項1に記載の吸収式空調装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発器における前記暖房用吸収液流
    路の開口部には、供給される吸収液の噴出を防止するた
    めの防止板が設けられたことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の吸収式空調装置。
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CN115289727A (zh) * 2022-07-27 2022-11-04 苏州海派特热能设备有限公司 动态联合节能除湿系统

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