JP2000220918A - 吸収式冷凍装置 - Google Patents

吸収式冷凍装置

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JP2000220918A
JP2000220918A JP11018572A JP1857299A JP2000220918A JP 2000220918 A JP2000220918 A JP 2000220918A JP 11018572 A JP11018572 A JP 11018572A JP 1857299 A JP1857299 A JP 1857299A JP 2000220918 A JP2000220918 A JP 2000220918A
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absorption
hydrogen
gas
liquid
refrigerant
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JP11018572A
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Naoto Nomura
直人 野邑
Katsuto Ikeda
克人 池田
Toshihiro Furuhashi
俊洋 古橋
Yasunari Furukawa
泰成 古川
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Osaka Gas Co Ltd
Rinnai Corp
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Rinnai Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸蔵合金の取扱いを容易にし、水素吸蔵
合金の吸蔵性能を低下させない。 【解決手段】 不凝縮性ガスを貯蔵する不凝縮性ガス貯
蔵器70のメインタンク部73の上方に設けた水素貯蔵
器80内に、短環状形状の複数の水素貯蔵合金83を設
け、その中心の中心部材85の挿入穴内にセラミックヒ
ータ84を挿入する。セラミックヒータ84を通電する
と、水素吸蔵合金83の内側から熱が伝わって温度が上
がり、表面の酸化膜が破壊され活性化される。また、水
分が凝縮しないため、その表面に水分が付着せず水膜を
生じないため、水素ガスの吸蔵性能が確保できる。水素
貯蔵器80の中心部にセラミックヒータ84が配される
ため、水素吸蔵合金83への伝熱効率が良く、電力消費
を抑制できる。水素貯蔵器80の外側に設ける断熱材の
量が少なくてよい。水素吸蔵合金83の数で吸蔵量を調
整できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臭化リチウムなど
の水溶液を吸収液とする吸収サイクルを形成した吸収式
冷凍装置における不凝縮性ガス(水素ガス)の保管に関
する。
【0002】
【従来の技術】吸収サイクルを用いた吸収式冷凍装置と
して、例えば、再生器と蒸発器との間を連通する暖房用
吸収液流路中に冷暖切替え弁が設けられた吸収式空調装
置では、冷房運転時には、冷暖切替え弁が閉弁制御さ
れ、再生器においてバーナで低濃度吸収液を加熱して沸
騰させ、高濃度吸収液と冷媒蒸気とを分離し、冷媒蒸気
は凝縮器で冷却されて冷媒液となる。高濃度吸収液が吸
収器において吸収コイルの表面に散布され、また、冷媒
液が蒸発器において蒸発コイルに散布されると、蒸発コ
イル表面では、冷媒液が蒸発コイル内を通過する冷温水
から気化熱を奪って蒸発し、蒸発コイルで熱が奪われた
冷温水は、ポンプの作動により冷却対象に設けられた熱
交換器を循環して冷却対象における冷却源となる。熱交
換器で逆に温度が上昇した冷温水は、蒸発コイルで再び
冷却される。
【0003】吸収コイル表面では、高濃度吸収液が冷媒
蒸気を吸収して発熱する。吸収コイルの表面で吸収液が
冷媒蒸気を吸収する際に発生した熱は、吸収コイル内を
ポンプの作動により通過する排熱用冷却水により、外部
に設けられた冷却塔へ移動し、冷却塔で放出される。吸
収器において冷媒を吸収して低濃度化した吸収液は、吸
収液ポンプによって再生器に戻るように、吸収サイクル
が構成されている。他方、暖房運転時には、再生器と蒸
発器との間を連通する暖房用吸収液流路中に設けられた
冷暖切替え弁が開弁制御されて、再生器で加熱された高
温の吸収液が蒸発器へ供給されるため、蒸発コイル内の
冷温水が加熱されて暖房対象の加熱源となる。
【0004】上記構成において、吸収サイクルを構成す
る再生器等の各器具及び配管には、臭化リチウムに対し
て耐蝕性が強いステンレス材及び銅材が用いられてお
り、また、吸収液内には、各器具の腐食を防止するため
のインヒビター(腐食抑制剤)が含まれている。
【0005】しかし、これらによって吸収サイクル内の
各器具及び配管内の化学反応を完全に無くすことはでき
ず、吸収液と各構成器具との化学反応によって不凝縮性
ガス(具体的には水素ガスである)が発生し、長期間の
使用の間に吸収サイクルで低圧となっている吸収器内及
び蒸発器内に蓄積される。吸収サイクル内の不凝縮性ガ
スは、特に冷房運転において、冷却能力の低下を招く。
【0006】このため、吸収サイクル内で発生した不凝
縮性ガスを、運転時に蒸発器及び吸収器を内蔵する蒸発
吸収ケース内で抽気して、吸収サイクルから分岐したガ
ス貯蔵タンク内に保管したり、さらに、装置の小型化の
要求からガス貯蔵タンクの容量を抑制するために水素吸
蔵合金によって水素ガスを吸蔵させるなどしている。
【0007】ガス貯蔵タンク内に貯蔵されたり水素吸蔵
合金に吸蔵された水素ガスは、例えば、10年程度の周
期で行われる吸収式空調装置の保守作業時に、ガス貯蔵
室内の不凝縮性ガスを真空ポンプで吸引することで吸収
サイクル外へ排出したり、加熱することで水素ガスを透
過させるパラジウムセルを用いて、運転時にパラジウム
セルを加熱させることによってガス貯蔵タンクなどから
機外へ放出することで、吸収式空調装置の長期間の使用
を可能にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり構成され
た吸収式空調装置において、例えば、水素吸蔵合金によ
って水素ガスを吸蔵する装置では、水素吸蔵合金の表面
が水素ガスを吸蔵するのに適した活性化状態を維持しな
ければならず、吸収サイクル内に水素吸蔵合金を配置す
るのに際して水素吸蔵合金の表面に形成される酸化膜を
取り除く必要があり、そのために真空中で水素吸蔵合金
を加熱する初期活性化処理が必要となるとともに、酸化
膜を取り除くための活性化処理後の取扱いにおいても、
再度酸化膜が生じることがないように、保管、組付け等
において細心の注意が必要となり、生産性向上の障害と
なりやすい。
【0009】また、吸収サイクル内に装着された後の水
素吸蔵合金にあっては、その表面に吸収サイクル内の水
分が結露するなどして付着して、水膜が水素吸蔵合金の
表面を覆うと、水素吸蔵合金の水素ガス吸蔵性能が低下
し、十分に水素ガスを吸蔵しなくなる。このため、装置
に組み込まれた後の運転時に、電気ヒータを用いて水素
吸蔵合金を加熱して、水素吸蔵合金の表面に生じた酸化
膜を破壊するとともに、その表面に水膜が生じないよう
にすることが考えられている。
【0010】しかし、水素吸蔵合金の表面温度を、水膜
が生じないような温度(例えば、150℃)に加熱する
ためには、大きな熱を発生する電気ヒータが必要にな
り、消費電力が増加する恐れがあるとともに、発生した
熱を有効に利用し、放熱ロスを防止するためには、水素
吸蔵合金の周囲に断熱材を設ける必要があり、装置の価
格上昇を抑制できないという問題がある。
【0011】本発明は、不凝縮性ガスである水素ガスを
吸蔵するため水素吸蔵合金を設けた吸収式冷凍装置にお
いて、水素吸蔵合金の活性化を図るための電気ヒータを
設けるに当たって、電気ヒータの消費電力を抑制すると
ともに、装置の低価格化を図ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1で
は、冷媒を含む吸収液を加熱して該吸収液から冷媒蒸気
を分離させる再生器と、該再生器によって分離した前記
冷媒蒸気を冷却して凝縮させる凝縮器と、該凝縮器で凝
縮した冷媒を低圧下で蒸発させて冷却源とする蒸発器
と、該蒸発器を形成する蒸発吸収ケース内で前記蒸発器
に並設され、該蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を前記再生器
から供給される吸収液に吸収させる吸収器と、該吸収器
から前記再生器へ吸収液を戻すポンプとから吸収サイク
ルを形成し、前記蒸発吸収ケース内の不凝縮性ガスを抽
出して不凝縮性ガス貯蔵タンク内に貯蔵する不凝縮性ガ
ス抽気装置を具備した吸収式冷凍装置において、筒状の
中空部を中心に有する水素吸蔵合金と、該水素吸蔵合金
の前記中空部内に配された電気ヒータとからなり前記不
凝縮性ガス貯蔵タンク内の水素ガスを吸蔵する水素ガス
吸蔵器を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項2では、請求項1において、前記水
素吸蔵合金は、中心部に中空穴を有する複数の短環状部
材を、前記中空穴が連通するように重層又は積層して配
列されたことを特徴とする。請求項3では、請求項2に
おいて、前記水素ガス吸蔵器は、前記水素吸蔵合金を構
成する前記短環状部材を串刺し状に重層又は積層するた
めの案内用筒部材を前記中空穴の内側に備え、前記電気
ヒータは、前記案内用筒部材を介在してその内側に配さ
れたことを特徴とする。
【0014】請求項4では、請求項1、2、3におい
て、前記水素ガス貯蔵器を前記不凝縮性ガス貯蔵タンク
内に設けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の作用・効果】上記構成により、請求項1の吸収
式冷凍装置では、吸収サイクルが運転されると、再生器
においてバーナ等の加熱手段を用いて低濃度吸収液を加
熱して沸騰させ、高濃度吸収液と冷媒蒸気とを分離し、
分離された冷媒蒸気は凝縮器で冷却されて冷媒液とな
る。蒸発器では、冷媒液が冷温水から気化熱を奪って蒸
発し、蒸発器で冷却された冷温水は、冷却対象に設けら
れた熱交換器を循環して冷却対象における冷却源とな
る。吸収器では、高濃度吸収液が蒸発器で生じた冷媒蒸
気を吸収して低濃度吸収液となり、吸収器において冷媒
を吸収して低濃度化した吸収液は、ポンプによって再生
器に戻る。
【0016】以上の運転において、吸収液が再生器、吸
収器等の各器具を構成するステンレス材及び銅材と化学
反応を起こして、吸収液に凝縮しない不凝縮性ガスとし
ての水素ガスが発生し、その多くは、吸収サイクルの運
転時に低圧となっている蒸発吸収ケース内に蓄積され
る。蒸発吸収ケース内の不凝縮性ガスは、不凝縮性ガス
抽気装置によって抽出されて不凝縮性ガス貯蔵タンク内
に貯蔵される。
【0017】水素ガス吸蔵器は、筒状の中空部を中心に
有する水素吸蔵合金が、水素吸蔵合金の中空部内に配さ
れた電気ヒータによって加熱されるため、水素吸蔵合金
の表面の酸化膜が破壊されるとともに、吸収サイクル内
の水分が水素吸蔵合金の表面で凝結して水膜となること
がないため、常に、活性化された状態で、水素ガスを確
実に吸蔵する。ここで、電気ヒータは、水素吸蔵合金の
中空部に配されていて、電気ヒータが発した熱は、水素
吸蔵合金を中心部から外側へ向かって伝達される。従っ
て、電気ヒータが発生した熱が効率良く水素吸蔵合金へ
伝わるため、電気ヒータに過剰な容量が必要なく、消費
電力を抑制できる。また、加熱された水素吸蔵合金から
外部へ放射される熱を防ぐために設ける断熱材は、水素
吸蔵合金としては最も温度の低い部分である外周部分の
熱を防ぐだけでよいため、断熱材の厚みを小さくするこ
とができる。従って、低価格化を図ることができる。
【0018】請求項2の吸収式冷凍装置では、水素吸蔵
合金は、中心部に中空穴を有する複数の短環状部材が重
層又は積層して配列されている。水素吸蔵合金による水
素ガスの吸蔵能力は、水素吸蔵合金の重量に比例する
が、反面、水素吸蔵合金は高価である。このため、水素
吸蔵合金を短環状部材の小単体として製造加工してお
き、水素吸蔵合金を搭載する装置の冷凍能力に応じて、
短環状部材の水素吸蔵合金の数を設定することで、水素
ガスの吸蔵能力の設定が容易となる。従って、特殊成分
の合金である水素吸蔵合金については、同一規格の短環
状部材の水素吸蔵合金のみを製造しておき、搭載機器に
応じて水素吸蔵合金を収容するケーシング等の設計変更
をするだけで、様々な能力の吸収式冷凍装置に対して、
容易に対応が可能となり、製造経費を削減することがで
きる。
【0019】請求項3では、水素吸蔵合金を構成する短
環状部材を串刺し状に重層又は積層するための案内用筒
部材を連通して中空穴内に備えている。短環状部材とし
て形成された水素吸蔵合金を案内用筒部材によってあら
かじめ集合させておくことで、電気ヒータに短環状部材
を直接集合させて配列させるよりも、取扱いが容易にな
り、生産性が向上する。また、案内用筒部材を介して電
気ヒータの熱が伝導することになるため、水素吸蔵合金
における短環状部材の数が異なる場合であっても、案内
用筒部材の大きさ及び熱容量を利用して、電気ヒータの
熱を各短環状部材に伝達させることができるため、電気
ヒータの仕様を装置の能力に応じて変更しなくても、同
一の電気ヒータによって必要な熱を各短環状部材に伝達
させることが容易となる。従って、能力の異なる装置に
対しても、同一の電気ヒータを共用ヒータとして用いる
ことができるため、製造コストを抑制できる。
【0020】請求項4では、水素ガス貯蔵器を不凝縮性
ガス貯蔵タンク内に設けたため、不凝縮性ガス貯蔵タン
ク内の略真空空間が、外部への断熱空間として作用する
ため、水素吸蔵合金の内側の電気ヒータから発せられる
熱を断熱するための断熱構造を別途設けることが不要と
なり、断熱材等の必要がなく、安価となる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の吸収式冷凍装置
としての吸収式空調装置を示す。吸収式空調装置は、室
外機100と室内機RUとからなり、室外機100は、
冷凍機本体101と冷却塔(クーリングタワー)CTと
から構成される。なお、空調装置は、制御装置102に
より制御される。
【0022】冷凍機本体101は、主にステンレスによ
って成形され、冷媒及び吸収液としての臭化リチウム水
溶液の吸収サイクルを形成するもので、加熱源としての
ガスバーナBが下方に備えられた高温再生器1と、この
高温再生器1の外側に被さるように配置された低温再生
器2とからなる二重効用型の再生器と、さらに低温再生
器2の外周に向かって二重に配置された吸収器3および
蒸発器4と、低温再生器2の外周で吸収器3及び蒸発器
4の上方に配置された凝縮器5とを、幾つかの流路で接
続してなる。なお、吸収液内には、ステンレスと臭化リ
チウムとの反応による腐食を抑制するためのインヒビタ
ーが含まれている。
【0023】高温再生器1は、ガスバーナBによって加
熱される加熱タンク11の上方に中濃度吸収液分離筒1
2を延長させて設け、中濃度吸収液分離筒12の上方か
らその外周に覆い被さるように縦型円筒形の気密性の冷
媒回収タンク10が設けられている。
【0024】中濃度吸収液分離筒12の内側下方には、
中濃度吸収液分離筒12の内壁との間に間隔をおいて配
置された吸収液仕切り容器13が、その上縁の数カ所を
中濃度吸収液分離筒12の内側に接合されて設けられ、
中濃度吸収液分離筒12と吸収液仕切り容器13との間
には、加熱タンク11で加熱された吸収液が上昇する吸
収液上昇流路14が形成されている。吸収液仕切り容器
13の上方の中濃度吸収液分離筒12内には、吸収液上
昇流路14を上昇する中濃度吸収液を戻すための吸収液
戻し板15が設けられており、上述の中濃度吸収液分離
筒12は、この吸収液戻し板15の上方に位置する上方
部材と下方に位置する下方部材との上下2つの部材から
なるもので、これらが吸収液戻し板15に対して溶接に
よって接合されたものである。
【0025】吸収液仕切り容器13の側部には、冷媒が
分離されて高濃度化された中濃度吸収液を低温再生器2
へ供給するための中濃度吸収液流路L1の流入口が開口
しており、吸収液仕切り容器13の底部には、暖房運転
時に、加熱された吸収液を蒸発器4内へ供給するための
暖房用吸収液流路L4の流入口が開口している。
【0026】冷媒回収タンク10内の下部内側には、中
濃度吸収液分離筒12との間に断熱用間隙17aを形成
するための冷媒仕切り筒17が中濃度吸収液分離筒12
に接合されている。これにより、中濃度吸収液分離筒1
2内の熱が遮断され、冷媒回路タンク10内の冷媒が、
吸収液上昇流路14内の高温の吸収液によって加熱され
ることがない。冷媒仕切り筒17の外側の冷媒回収タン
ク10内は、分離された冷媒が貯留する冷媒貯留部10
aとなっており、冷媒貯留部10aには凝縮器5と連通
する冷媒流路L5の流入口が開口している。
【0027】以上の構成により、高温再生器1では、加
熱タンク11の内部に収容された低濃度吸収液をガスバ
ーナBによって加熱して、低濃度吸収液中の水を蒸発さ
せて冷媒蒸気(水蒸気)として中濃度吸収液分離筒12
の外側へ分離させ、冷媒蒸気の蒸発により濃化した中濃
度吸収液を中濃度吸収液分離筒12の内側の吸収液仕切
り容器13内へ戻し、中濃度吸収液流路L1により低温
再生器2へ供給する。また、分離した冷媒蒸気を冷媒回
収タンク10で回収して、冷媒流路L5により凝縮器5
へ供給する。
【0028】低温再生器2は、冷媒回収タンク10の外
周に偏心して設置した縦型円筒形の低温再生器ケース2
0を有し、低温再生器ケース20の天井の周囲には冷媒
蒸気出口21が設けられている。低温再生器ケース20
の天井の頂部は、中濃度吸収液流路L1により熱交換器
Hを介して中濃度吸収液分離筒12内の吸収液仕切り容
器13内と連結されている。
【0029】中濃度吸収液流路L1中には、吸収液仕切
り容器13から低温再生器2へ流れる中濃度吸収液の流
量を制限するためのオリフィス(図示なし)が設けられ
ていて、低温再生器ケース20内へは中濃度吸収液分離
筒12との圧力差により中濃度吸収液が供給される。
(低温再生器ケース20内では、約70mmHg、中濃
度吸収液分離筒12内では約700mmHg)
【0030】これにより、低温再生器2では、低温再生
器ケース20内に供給された中濃度吸収液を、冷媒回収
タンク10の外壁を熱源として再加熱し、中濃度吸収液
は低温再生器ケース20の上部の気液分離部22で冷媒
蒸気と高濃度吸収液とに分離され、高濃度吸収液は、高
濃度吸収液受け部23に貯留される。高濃度吸収液受け
部23の底には、吸収器3と連通する高濃度吸収液流路
L2の流入口が開口している。
【0031】低温再生器ケース20の外周には、縦型円
筒形で気密性の蒸発・吸収ケース30が下部に、凝縮器
ケース50が上部にそれぞれ同心的に配されており、冷
媒回収タンク10、低温再生器ケース20、蒸発・吸収
ケース30は、底板部18に一体に溶接され、また、底
板部18の内側端は、中濃度吸収液分離筒12の下方部
材の外周面に溶接されて、冷凍機本体101を形成して
いる。なお、低温再生器ケース20は、冷媒蒸気出口2
1および隙間5Aを介して凝縮器ケース50内と連通し
ている。
【0032】吸収器3は、蒸発・吸収ケース30内の内
側部分内に縦型円筒状に巻設され内部を排熱用冷却水が
流れる吸収コイル31が配置され、吸収コイル31の上
方には、高濃度吸収液を吸収コイル31に散布するため
の高濃度吸収液散布具32が配置されている。
【0033】高濃度吸収液散布具32は、熱交換器Hを
介して低温再生器2の高濃度吸収液受け部23と連結さ
れた高濃度吸収液流路L2の開口部から供給される高濃
度吸収液を受けて散布し、吸収コイル31内には、冷房
運転時に、冷却塔CTで冷却された排熱用冷却水が循環
する。
【0034】吸収器3では、高濃度吸収液が圧力差によ
り高濃度吸収液流路L2から流入し、流入した高濃度吸
収液は、高濃度吸収液散布具32により吸収コイル31
の上端に散布され、吸収コイル31の表面に付着して薄
膜状になり、重力の作用で下方に流下し、蒸発器4で生
じた冷媒蒸気を吸収して低濃度吸収液となる。この冷媒
蒸気を吸収する際に吸収コイル31の表面で発熱する
が、吸収コイル31を循環する排熱用冷却水により冷却
される。尚、吸収液に吸収される水蒸気は、後述する蒸
発器4で冷媒蒸気として発生したものである。
【0035】吸収器3の底部33は、熱交換器Hおよび
吸収液ポンプP1が装着された低濃度吸収液流路L3で
加熱タンク11の底部と連結されており、吸収液ポンプ
P1の作動により吸収器3内の低濃度吸収液は熱交換器
Hを介して加熱タンク11内へ供給される。
【0036】吸収器3の内部には、吸収サイクル内で発
生した不凝縮性ガス(水素ガス)を吸い込むための抽気
装置としてのエジェクター60が設けられている。エジ
ェクター60は、吸収器3内に開口した吸引口61の延
長上に吸引口61より径が小さい吸導管62を設けると
ともに、吸引口61の内側に吸収液ポンプP1の吐出側
で低濃度吸収液流路L3と連通した吸収液吐出管63を
配して、吸収液ポンプP1の吐出圧によって吸収液吐出
管63の末端から吸収液が吸引口61に向かって吐出さ
れる際に、吸引口61との間の冷媒蒸気および不凝縮ガ
ス等の気体成分をいわゆるエゼクタ効果によって吸収液
内に吸い込み混合するようにした構造である。
【0037】エジェクター60から延長された吸導管6
2は、吸収器3の底部33に連通して設けられた略J字
(又は略U字)形状の有谷管状体からなる気液分離管6
4の内側に配されて、気液分離管64とともに気液分離
器を構成するもので、気液分離管64と同様に略J字
(又は略U字)形状を呈し、気液分離管64内の谷部6
5を経た位置で上向きに開口している。気液分離器の末
端となる気液分離管64の末端には、不凝縮性ガス貯蔵
器70が連通して接続されている。
【0038】不凝縮性ガス貯蔵器70は、谷部65を経
て気液分離管64の延長上に一体に形成されたサブタン
ク部71と、サブタンク部71の上端に電磁弁からなる
ガス貯蔵弁72を介して連通して設けられたメインタン
ク部73との複合タンク構造を有する。
【0039】エジェクター60および不凝縮性ガス貯蔵
器70は、以上の構成により、吸収液ポンプP1の作動
中には、エジェクター60の吸収液吐出管63から吸引
口61へ向かって吐出される吸収液のエジェクター効果
によって、吸収器3内の蒸気冷媒および不凝縮性ガスを
エジェクター60の吸引口61から吸引し、吸導管62
内を吸収液と混合した状態で気液分離管64へ導き、気
液分離管64では不凝縮性ガスを吸収液から分離させ
て、ガス貯蔵弁72が閉弁している場合には、サブタン
ク部71に貯蔵する。また、ガス貯蔵弁72が開弁して
いる場合には、サブタンク部71内の不凝縮性ガスが、
ガス貯蔵弁72を通ってメインタンク部73内へ移動し
て貯蔵される。尚、吸引された蒸気冷媒は、吸導管62
内で吸収液に吸収され、気液分離管64からは主に不凝
縮性ガスが気体として分離する。
【0040】さらに、メインタンク部73の上方には、
図2に示すように、メインタンク部73内に貯蔵された
不凝縮性ガスの水素ガスを小容量にして保管するための
水素貯蔵器80とメインタンク部73内に貯蔵された不
凝縮性ガスをメインタンク部73の外へ排出するための
各種機器を接続するための接続機構90が設けられてい
る。
【0041】水素貯蔵器80は、図3、図4に示すよう
に、不凝縮性ガス貯蔵器70のメインタンク部73の上
部で上方に向かって延設されたL字管81を介してメイ
ンタンク部73と連通して設けられた円筒形状の貯蔵器
ケーシング82内に、複数個の短環形状の水素吸蔵合金
83を配したものである。水素貯蔵器80の中心には、
水素吸蔵合金83を加熱するためのセラミックヒータ8
4を挿入するための挿入穴85aが形成された金属製の
中心部材85が設けられており、各水素吸蔵合金83の
中心穴を中心部材85が串刺し状に貫通して、複数の水
素吸蔵合金83は積層されている。セラミックヒータ8
4は、中心部材85の挿入穴85a内に挿入されると、
図5に示すように、中心部材85の挿入穴85aの入口
外側に形成された環状溝86に嵌め合わせられる止め金
具87によって脱落不能に固定される。尚、貯蔵器ケー
シング82の外側には、ガラスウール等による断熱材
(図示なし)が貯蔵器ケーシング82を取り巻くように
して設けられ、保温効果を奏している。
【0042】以上の構造により、水素貯蔵器80は、中
心部材85の挿入穴85a内に配されたセラミックヒー
タ84で発生した熱が、中心部材85を介して外側の水
素吸蔵合金83へ伝達されて温度が上昇し、その表面に
酸化膜等が生じている場合には、破壊されて表面が活性
化される。また、吸収サイクルの運転中には、水素吸蔵
合金83の表面温度が高くなるため、吸収サイクル内の
冷媒蒸気が表面に結露して水膜を形成することがなくな
り、常に、活性化状態を維持することができる。
【0043】接続機構90は、図6に示すように、メイ
ンタンク部73と接続された接続管91の末端がケーシ
ング92の内側に配置されており、その末端外側が山形
状に成形されている。ケーシング92内には、この山形
状の末端に対して、その外側からメタルタッチで封止す
るための凹部を有する封止部材93が配され、封止部材
93の略球状の頭部は、開閉用ねじ94に嵌合されてい
る。開閉用ねじ94の締めつけ側の回転により、封止部
材93は接続管91の末端を外側から封止して気密を確
保する。逆転回転では、接続管91の末端を開放し、接
続管91の末端近傍でケーシング92の側方に接続され
た接続継管95と連通可能にする。
【0044】接続継管95は、吸収式空調装置のメンテ
ナンスを行う際等に、不凝縮性ガス貯蔵器70内の不凝
縮性ガスを吸引するための真空ポンプを接続するための
継管で、通常は、封鎖用の封止ねじ96によって封鎖さ
れている。
【0045】蒸発器4は、蒸発・吸収ケース30内の吸
収コイル31の外周に設けた縦型円筒形で多数の連通口
(図示なし)付きの仕切壁40の外周に、内部を冷暖房
用の冷温水が流れる縦型円筒形の蒸発コイル41を配設
し、その上方に冷媒液散布具42を取り付けてなる。な
お、蒸発器4の底部43は、電磁弁からなる冷暖切替え
弁6を有する暖房用吸収液流路L4により中濃度吸収液
分離筒12の内側の吸収液仕切り容器13と連通してい
る。
【0046】蒸発器4では、冷房運転時に冷媒液散布具
42より冷媒液を蒸発コイル41の上に滴下させると、
滴下された冷媒液は、表面張力で蒸発コイル41の表面
を濡らして膜状となり、重力の作用で下方へ降下しなが
ら低圧(例えば、6.5mmHg)となっている蒸発・
吸収ケース30内で蒸発コイル41から気化熱を奪って
蒸発し、蒸発コイル41内を流れる空調用の冷温水を冷
却する。
【0047】凝縮器5は、凝縮器ケース50の内部に冷
却塔CTで冷却された排熱用冷却水が内部を循環してい
る冷却コイル51を配設してなる。凝縮器ケース50
は、冷媒流量を制限するためのオリフィス(図示なし)
が設けられた冷媒流路L5により冷媒回収タンク10の
冷媒貯留部10aと連通するとともに、冷媒蒸気出口2
1および隙間5Aを介して低温再生器2と連通してお
り、いずれも圧力差(凝縮器ケース内では約70mmH
g)により冷媒が供給される。
【0048】凝縮器5では、凝縮器ケース50に供給さ
れた冷媒蒸気が、冷却コイル51により冷却されて液化
する。凝縮器5の下部と蒸発器4の蒸発コイル41の上
方に配置された冷媒液散布具42とは、冷媒液供給路L
6で連通している。液化した冷媒液は、冷媒液供給路L
6及び冷媒冷却器52を経て冷媒液散布具42に供給さ
れる。
【0049】以上の構成により、吸収液は、高温再生器
1→中濃度吸収液流路L1→低温再生器2→高濃度吸収
液流路L2→吸収器3→吸収液ポンプP1→低濃度吸収
液流路L3→高温再生器1の順に循環する。また、冷媒
は、高温再生器1(冷媒蒸気)→冷媒流路L5(冷媒蒸
気)又は低温再生器2(冷媒蒸気)→凝縮器5(冷媒
液)→冷媒供給路L6(冷媒液)→冷媒冷却器52(冷
媒液)→冷媒液散布具42(冷媒液)→蒸発器4(冷媒
蒸気)→吸収器3(吸収液)→吸収液ポンプP1→低濃
度吸収液流路L3→高温再生器1の順に循環する。
【0050】上記、吸収液と熱交換する吸収器3の吸収
コイル31と凝縮器5の冷却コイル51は、接続されて
連続コイルを形成しており、連続コイルは、冷却水流路
34によって冷却塔CTと接続されて冷却水循環路を形
成している。この冷却水循環路において、吸収コイル3
1の入口と冷却塔CTとの間の冷却水流路34には、連
続コイル内へ冷却水を送り込むための冷却水ポンプP2
が装着されており、冷却水ポンプP2の作動により連続
コイルを通過する冷却水は、吸収コイル31で吸収熱
を、冷却コイル51で凝縮熱をそれぞれ吸熱して比較的
高温となって、冷却塔CTに供給される。
【0051】上記の構成により、冷房運転時には、冷却
水ポンプP2の作動により冷却塔CT内の冷却水が、冷
却塔CT→冷却水ポンプP2→吸収コイル31→冷却コ
イル51→冷却塔CTの順に循環する。冷却塔CTで
は、落下する冷却水を大気中に一部蒸発させて、残りの
冷却水を冷却する自己冷却がなされており、冷却水は、
大気中に放熱して低温度になる排熱サイクルを形成して
いる。なお、冷却ファンSからの送風により、水の蒸発
を促進させている。
【0052】蒸発器4の蒸発コイル41には、室内機R
Uに設けられた空調熱交換器44が冷温水流路47で連
結されていて、冷温水流路47には、冷温水ポンプP3
が設けられている。以上の構成により、蒸発コイル41
で低温度となった冷温水は、蒸発コイル41→冷温水流
路47→空調熱交換器44→冷温水流路47→冷温水ポ
ンプP3→蒸発コイル41の順で循環する。
【0053】室内機RUには、空調熱交換器44が設け
られているとともに、この空調熱交換器44に対して、
室内空気を通過させて再び室内へ吹き出すブロワ46が
備えられている。
【0054】なお、暖房用吸収液流路L4および冷暖切
替え弁6は、暖房運転用に設けられたもので、暖房運転
時には、冷暖切替え弁6を開弁し、吸収液ポンプP1を
作動させる。これにより、中濃度吸収液分離筒12内の
高温度の中濃度吸収液が、蒸発器4の底部43から蒸発
器4内へ流入し、蒸発コイル41内の冷温水が加熱さ
れ、加熱された蒸発コイル41内の冷温水は、冷温水ポ
ンプP3の作動により冷温水流路47から空調熱交換器
44へ供給され、暖房の熱源となる。蒸発器4内の中濃
度吸収液は、仕切板40の連通口から吸収器3側へ入
り、低濃度吸収液流路L3を経て、吸収液ポンプP1に
より加熱タンク11へ戻される。
【0055】次に、以上の構成からなる室外機100に
おいて、吸収器3内のエジェクター60から不凝縮性ガ
ス貯蔵器70までの間に設けられたガス貯蔵弁72とセ
ラミックヒータ84に関する制御装置102による制御
について、吸収式空調装置の運転と合わせて説明する。
なお、上記構成において、吸収液ポンプP1と冷温水ポ
ンプP3は、同一モータによって駆動されるタンデムポ
ンプを形成しており、吸収液ポンプP1と冷温水ポンプ
P3は、常に同一回転する。
【0056】始めに、冷房運転について図7に基づいて
説明する。冷房運転開始の指示が行われると(ステップ
10においてYES)、ガスバーナBを点火し、吸収液
ポンプP1及び冷温水ポンプP3の駆動を開始し、冷却
水ポンプP2を駆動するとともに、セラミックヒータ8
4の通電を同時に開始する(ステップ11)。
【0057】高温再生器1では、加熱タンク11内の吸
収液が加熱され、吸収サイクル内を吸収液および冷媒が
循環を開始する。この運転初期には、蒸発・吸収ケース
30内の圧力が十分に低下していないため、蒸発・吸収
ケース30内の圧力が、不凝縮性ガス貯蔵器70のメイ
ンタンク部73内の圧力より高い場合があり、その場合
に、ガス貯蔵弁72が開弁状態になると、メインタンク
部73内に吸収液が押し込まれてしまう恐れがある。従
って、ここでは、ガス貯蔵弁72はまだ閉弁されてい
る。
【0058】加熱タンク11で加熱される吸収液の温度
が次第に上昇し、高温再生器1内の吸収液温度が130
℃以上になり且つ蒸発器4内の冷媒液の温度が15℃以
下になると(ステップ12においてYES)、ガス貯蔵
弁72を後述するように開閉させる開閉制御を開始する
(ステップ13)。このとき、吸収サイクル内を循環す
る吸収液および冷媒によって、吸収サイクルの作動が安
定していて、吸収器3内の圧力がメインタンク部73内
の圧力より低くなっているため、ガス貯蔵弁72が開弁
されても、吸収液がメインタンク部73内へ入り込まな
い。
【0059】吸収サイクルでは、蒸発器4の蒸発コイル
41内で冷却された冷温水が、空調熱交換器44に供給
され、室内機RUではブロワ46により室内の冷房が行
われる。この冷房運転中に、吸収サイクルで発生した不
凝縮性ガスは、エジェクター60によって抽出されて、
ガス貯蔵弁72の閉弁中には、サブタンク部71内に貯
蔵され、ガス貯蔵弁72が開弁されると、サブタンク部
71内の不凝縮性ガスがメインタンク部73へ移動して
貯蔵される。
【0060】ガス貯蔵弁72の開閉制御は、ガス貯蔵弁
72への通電により10分間開弁させ、その後の50分
間は通電を停止した閉弁状態とし、冷房運転中にこれを
繰り返すものである。このように、ガス貯蔵弁72の通
電時間を非通電時間に対して短い時間に限定するのは、
ガス貯蔵弁72の通電が長時間に及ぶと、通電に伴う発
熱によって、ガス貯蔵弁72近傍の吸収液が晶析する恐
れがあるためである。本実施例では、通電時間を10分
とし、通電停止時間を50分とすることで、通電時の発
熱を通電停止の間に十分に鎮めることができるため、吸
収液の晶析はない。
【0061】一方、メインタンク部73内に貯蔵された
水素ガスは、L字管81を経て水素貯蔵器80の水素吸
蔵合金83に吸蔵される。ここで、水素吸蔵合金83
は、セラミックヒータ84によって加熱されているた
め、その表面が常に活性化されているため、貯蔵器ケー
シング82内へ流入した水素ガスを確実に吸蔵すること
ができる。
【0062】冷房運転の停止が指示されると(ステップ
14においてYES)、ガスバーナBの燃焼を停止し、
ガス貯蔵弁72の通電を停止して閉弁する。このとき、
その後、所定時間は、吸収サイクル内の晶析を防止する
ために、吸収液ポンプP1、冷温水ポンプP3及び冷却
水ポンプP2をを継続して作動させておき、その後にこ
れらを停止して(ステップ15)、同時に、セラミック
ヒータ84の通電を停止して、冷房運転を終了する。以
上のとおり、冷房運転時には、吸収サイクル内が安定す
るまでの間は、ガス貯蔵弁72を閉じておいて、安定し
てからは、一定の周期でガス貯蔵弁72を開閉制御す
る。これによって、ガス貯蔵弁72の開弁時に、不凝縮
性ガスをメインタンク部73内へ捕集することができる
とともに、ガス貯蔵弁72の通電に伴う発熱による吸収
液の晶析を防止することができる。
【0063】尚、吸収液ポンプP1と冷温水ポンプP3
は、冷房運転時には、高温再生器1の加熱タンク11内
の吸収液温度に比例した回転数に制御されるが、冷却水
ポンプP2は、回転数制御が行われず、駆動の有無だけ
が制御され、一定回転数で回転する。従って、例えば、
セラミックヒータ84の通電を冷却水ポンプP2の駆動
と同期させるために、セラミックヒータ84の通電回路
を冷却水ポンプP2の駆動用回路と同一の通電回路で構
成しておけば、回路構成が簡略化できるとともに、セラ
ミックヒータ84の通電のための制御構成を新たに設け
る必要がないため、安価な装置でありながら、冷房運転
時に水素ガスの吸蔵を確実に行う装置とすることができ
る。
【0064】次に、暖房運転について図8に基づいて説
明する。暖房運転では、暖房運転の開始の指示が行われ
ると(ステップ20においてYES)、所定の暖房運転
制御を行う(ステップ21)。暖房運転制御では、冷暖
切替え弁6を開弁して、ガスバーナBを燃焼し、吸収液
ポンプP1及び冷温水ポンプP3を駆動する。この暖房
運転中は、ガス貯蔵弁72を常時閉弁する。これによっ
て、加熱された吸収液が高温再生器1から蒸発器4へ供
給され、蒸発コイル41内を循環する冷温水を加熱し
て、室内機RUにおいて空調熱交換器44によって室内
の暖房を行う。また、暖房運転中に発生した不凝縮性ガ
スは、サブタンク部71内に貯蔵される。
【0065】このように、暖房運転中にはガス貯蔵弁7
2は常時閉弁しているため、暖房運転時に高圧となる蒸
発・吸収ケース30と不凝縮性ガス貯蔵器70との圧力
差により吸収液がメインタンク部73内へ入り込むこと
を防止できるため、暖房運転時にサイクル中の吸収液循
環量が不足する不具合を発生させることがない。従っ
て、吸収液のメインタンク部73への流入を防ぐため
に、蒸発・吸収ケース30とメインタンク部73との高
低差を大きくしなくてもよいため、吸収式空調装置の小
型化を図ることができる。
【0066】暖房運転停止が指示されると(ステップ2
2においてYES)、以上の暖房運転制御を終え、ガス
バーナBを消火し、吸収液ポンプP1を所定時間継続し
て運転した後、停止させる。以上の暖房運転を終了した
後、ガスバーナBの消火に伴って高温再生器1内の吸収
液の温度が次第に低下し、その温度が30℃以下になっ
たとき(ステップ23においてYES)、蒸発・吸収ケ
ース30内の圧力が十分に低下したと判断して、ガス貯
蔵弁72の開閉制御を開始する(ステップ24)。ここ
では、10分間の通電と50分間の通電停止とを2回繰
り返す。これにより、暖房運転中に発生した不凝縮性ガ
スを、メインタンク部73内に貯蔵することができ、ま
た、暖房運転中にガス貯蔵弁72の漏れによってメイン
タンク部73内に入り込んだ吸収液を吸収器3内へ戻す
ことができる。尚、ガス貯蔵弁72の開閉制御を2回繰
り返すのは、上記漏れによって入り込んだ吸収液を戻す
作用は、水頭差によって行われるため緩慢であり10分
以上の時間を要するのに対し、ガス貯蔵弁72の通電に
伴う発熱による晶析を防止するためには、10分間の通
電時間が限界であるため、確実に吸収液を吸収器3内へ
戻す時間を確保するために、開閉制御を2回繰り返する
ことで20分間を確保するためである。
【0067】以上の暖房運転では、冷却水ポンプP2は
駆動されず、冷却水ポンプP2の駆動と同期するように
回路構成されたセラミックヒータ84は、暖房運転中に
は通電されない。従って、暖房運転中には、水素貯蔵器
80の水素吸蔵合金83の表面に水膜が生じる場合があ
りうるため、水素ガスの吸蔵が円滑に行われない場合も
ありうる。しかし、暖房運転では、高温再生器1で加熱
された吸収液を蒸発器4へ供給して、吸収液の熱によっ
て蒸発コイル41内の冷温水を加熱するため、加熱効率
の低下は生じることがなく、暖房運転に支障を与えるこ
とがない。従って、暖房運転中に、セラミックヒータ8
4の通電が行われない分だけ、電力消費量を抑制するこ
ができる。
【0068】以上のとおり、本発明によれば、吸収サイ
クル内で発生した不凝縮性ガスは、吸収器3内でエジェ
クター60によって吸い込まれて、不凝縮性ガス貯蔵器
70に貯蔵される。さらに、不凝縮性ガス貯蔵器70内
の水素ガスは、水素貯蔵器80内の水素吸蔵合金83に
吸蔵されるが、水素吸蔵合金83には、冷房運転時に通
電されるセラミックヒータ84が備えられているため、
その表面が常に活性化されて、水素ガスを確実に吸蔵さ
せることができる。従って、冷房運転時に、蒸発・吸収
ケース30内の不凝縮性ガスによって冷房能力が低下す
ることがない。
【0069】上記実施例では、冷房運転と暖房運転にお
ける冷却水ポンプP2の駆動状態の違いを利用して、セ
ラミックヒータ84の通電制御を行うようにしたが、同
じく、冷房運転時のみに駆動される冷却塔CTの冷却フ
ァンSの駆動回路を利用して、冷房運転に同期させてセ
ラミックヒータ84の通電回路を構成してもよい。
【0070】図9に第2実施例を示す。図9に示した第
2実施例では、水素貯蔵器80をメインタンク部73と
別体で設けないで、不凝縮性ガス貯蔵器70のメインタ
ンク部73の内部に、水素吸蔵合金83を配している。
ここでも、水素吸蔵合金83の中心部にセラミックヒー
タ84が挿入される。
【0071】この実施例では、貯蔵器ケーシング82が
不要であるとともに、メインタンク部73内の略真空空
間が水素吸蔵合金83の周囲を覆っていて、外部への断
熱空間となっているため、断熱材が不要となる。
【0072】上記実施例では、水素貯蔵器80を不凝縮
性ガス貯蔵器70に固定したものを示したが、不凝縮性
ガス貯蔵器70に対して着脱可能に設けてもよい。その
場合、例えば、接続機構90で着脱するようにしてもよ
い。
【0073】上記実施例では、吸収サイクル内で発生し
た不凝縮性ガスを分離するための構造として、エジェク
ター60を用いたが、エジェクター60の代わりにサイ
ホン容器を用いてもよい。上記実施例では、セラミック
ヒータ84を用いたが、シーズヒータを用いてもよい。
【0074】上記各実施例では、冷却水流路34の冷却
塔CTを、冷却水の一部を蒸発させて冷却水を自己冷却
する開放式のものとしたが、冷却水流路34を循環する
冷却水が、大気に開放されていない密閉回路を形成した
水冷装置でもよい。上記実施例では、室内機RUに空調
熱交換器44のみを設けたものを示したが、室内温度を
下げないで除湿運転を行うために、空調熱交換器44で
一旦冷却した空気を加熱する加熱用熱交換器を空調熱交
換器44と並設させるようにしてもよい。また、床暖房
を行うようにした吸収式空調装置でもよい。尚、2重効
用に限らず、1重効用でもよい。また、加熱源はガスバ
ーナの他、電気ヒータや石油バーナでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収式空調装置としての吸収式空調装
置の概略構成図である。
【図2】吸収式空調装置における不凝縮性ガス貯蔵器を
示す正面図である。
【図3】不凝縮性ガス貯蔵器の水素貯蔵器を示す図で、
(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図4】不凝縮性ガス貯蔵器の水素貯蔵器の貯蔵器ケー
シングとセラミックヒータとの組付け構造を説明するた
めの組付け図である。
【図5】不凝縮性ガス貯蔵器の水素貯蔵器を示す斜視図
である。
【図6】不凝縮性ガス貯蔵器の接続機構を示す図で、
(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図7】吸収式空調装置の冷房運転の制御動作を説明す
るための流れ図である。
【図8】吸収式空調装置の暖房運転の制御動作を説明す
るための流れ図である。
【図9】第2実施例を示す不凝縮性ガス貯蔵器の正面断
面図である。
【符号の説明】
1 高温再生器(再生器) 2 低温再生器(再生器) 3 吸収器 4 蒸発器 5 凝縮器 60 エジェクター(不凝縮性ガス抽気装置) 73 メインタンク部(不凝縮性ガス貯蔵タンク) 80 水素貯蔵器(水素ガス吸蔵器) 83 水素吸蔵合金(短環状部材) 84 セラミックヒータ(電気ヒータ) 85 中心部材(案内用筒部材) 100 室外機(吸収式冷凍装置) 102 制御装置(ヒータ制御手段) L4 暖房用吸収液流路(暖房運転用吸収液管路) P1 吸収液ポンプ(ポンプ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 克人 愛知県名古屋市中川区福住町2番26号 リ ンナイ株式会社内 (72)発明者 古橋 俊洋 愛知県名古屋市中川区福住町2番26号 リ ンナイ株式会社内 (72)発明者 古川 泰成 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を含む吸収液を加熱して該吸収液か
    ら冷媒蒸気を分離させる再生器と、 該再生器によって分離した前記冷媒蒸気を冷却して凝縮
    させる凝縮器と、 該凝縮器で凝縮した冷媒を低圧下で蒸発させて冷却源と
    する蒸発器と、 該蒸発器を形成する蒸発吸収ケース内で前記蒸発器に並
    設され、該蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を前記再生器から
    供給される吸収液に吸収させる吸収器と、 該吸収器から前記再生器へ吸収液を戻すポンプとから吸
    収サイクルを形成し、前記蒸発吸収ケース内の不凝縮性
    ガスを抽出して不凝縮性ガス貯蔵タンク内に貯蔵する不
    凝縮性ガス抽気装置を具備した吸収式冷凍装置におい
    て、 筒状の中空部を中心に有する水素吸蔵合金と、 該水素吸蔵合金の前記中空部内に配された電気ヒータと
    からなり前記不凝縮性ガス貯蔵タンク内の水素ガスを吸
    蔵する水素ガス吸蔵器を設けたことを特徴とする吸収式
    冷凍装置。
  2. 【請求項2】 前記水素吸蔵合金は、中心部に中空穴を
    有する複数の短環状部材を、前記中空穴が連通するよう
    に重層又は積層して配列されたことを特徴とする請求項
    1記載の吸収式冷凍装置。
  3. 【請求項3】 前記水素ガス吸蔵器は、 前記水素吸蔵合金を構成する前記短環状部材を串刺し状
    に重層又は積層するための案内用筒部材を前記中空穴の
    内側に備え、前記電気ヒータは、前記案内用筒部材を介
    在してその内側に配されたことを特徴とする請求項2記
    載の吸収式冷凍装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3の吸収式冷凍装置にお
    いて、 前記水素ガス貯蔵器を前記不凝縮性ガス貯蔵タンク内に
    設けたことを特徴とする吸収式冷凍装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107270603A (zh) * 2017-07-05 2017-10-20 东莞市鑫焘机械有限公司 环保节能风冷冷水机

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CN107270603A (zh) * 2017-07-05 2017-10-20 东莞市鑫焘机械有限公司 环保节能风冷冷水机

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