JP2000220742A - 金属ガスケット - Google Patents

金属ガスケット

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JP2000220742A
JP2000220742A JP11023230A JP2323099A JP2000220742A JP 2000220742 A JP2000220742 A JP 2000220742A JP 11023230 A JP11023230 A JP 11023230A JP 2323099 A JP2323099 A JP 2323099A JP 2000220742 A JP2000220742 A JP 2000220742A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダブロック及びチェーンケースカバーと
の熱膨張変形の相違に追従してそれらの上のシリンダヘ
ッドとの間のシール効果を長期間にわたって保証すると
ともに、製造コストが安価な金属ガスケットを提供す
る。 【解決手段】副板54と、この副板の上部及び下部に積
層した薄肉金属板からなる上部基板50及び下部基板5
2とで構成され、隣合うシリンダブロック2及びチェー
ンケースカバー4とそれらの上のシリンダヘッド70と
の間に介在する金属ガスケット40である。この金属ガ
スケットは、副板及び前記下部基板の両者に、シリンダ
ブロック及びチェーンケースカバーの接合部10の上部
を跨ぐ位置に同心の孔60、62を形成している。ま
た、副板の板厚と略同一厚さに設定した嵌入弾性部64
aと、この嵌入弾性部の下部から突出して下部基板の板
厚より大きな厚さに設定した突出弾性部64bとを有す
る弾性体からなるシール部材64を、嵌入弾性部を副板
の孔に嵌入し、突出弾性部が前記下部基板の孔を通過し
て接合部の上面で圧縮変形するように装着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属ガスケット
に係り、更に詳しくは、異種材料からなるシリンダブロ
ック及びチェーンケースカバーと、それらの上のシリン
ダヘッドとの間に介在してこれらを好適にシールし得る
金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンその他の内燃
機関を構成するシリンダブロックとこの上に取り付けら
れたシリンダヘッドとの接合面には、この接合面から燃
焼ガス、冷却水、潤滑油等の流体の漏洩を防止するた
め、種々のガスケットを介装する。従来、このようなガ
スケットとしては、アスベスト材、化学繊維或いはカー
ボンシート材等から形成された所謂ソフトガスケットが
提供されていたが、耐熱性、耐圧縮性、耐久性に富み、
良好な復元性(バネ特性)及び熱電導性を有する金属ガ
スケットが広く使用されるようになってきている。
【0003】ところで、近年の内燃機関の急速な技術革
新により、エンジンの小型軽量化、高出力化、省燃費化
等の開発が進んでおり、例えば、バルブ数を一気筒当た
り従来の2個に対して4〜5個に増加し、このバルブを
作動させるカム軸を従来の1本に対して2本と増加し、
このカム軸を高速度で回転させることにより、吸入効率
及び排気効率を向上させることが可能となる。
【0004】ここで、カム軸を回転駆動する方式として
は、一般には駆動時の騒音が小さく、給油作業が不要で
あるベルト駆動方式が採用されていたが、ベルト駆動方
式に用いるタイミングベルトは、高負荷に対する耐久性
に乏しく、また、チェーンの改良によって駆動時の騒音
が低減していることから、近年、チェーン駆動方式によ
るエンジンに転換する傾向がある。
【0005】チェーン駆動方式は、良好な駆動を持続す
るため、チェーンに適宜給油を行う必要がある。そこ
で、チェーン駆動方式のエンジンは、オイルの飛散を防
ぎ駆動時の騒音を極力低減するために、図12に示すよ
うに、シリンダブロック2と、カム軸駆動用チェーンを
収納するチェーンケースカバー4とを別体に制作してい
る。
【0006】通常、シリンダブロック2は鋳鉄を素材と
して鋳造により成形したものであり、チェーンケースカ
バー4はアルミニウムを素材として鋳造により成形した
ものであり、水平断面コ字状のチェーンケースカバー2
をシリンダボア6を備えたシリンダブロック2の側面に
当接し、各々の下部を締結ボルトで結合することにより
チェーン走行用の空間8を形成している。また、シリン
ダブロック2及びチェーンケースカバー4の上部接合面
2a、4a上に金属ガスケットを配置しシリンダヘッド
を載置した後に、シリンダブロック2及びチェーンケー
スカバー4をシリンダヘッドに締結ボルトで結合してい
る。
【0007】ところで、アルミニウム製のチェーンケー
スカバー4は、鋳鉄製のシリンダブロック2より熱膨張
による変形が大きく、この熱膨張変形を考慮してチェー
ンケースカバー4の上部接合面4aをシリンダブロック
2の上部接合面2aより低く設定しているので、シリン
ダブロック2及びチェーンケースカバー4の接合部10
には段差12が生じる。
【0008】そのため、接合部10の段差12と金属ガ
スケットとの間には僅かな隙間が生じ、チェーンケース
カバー4内でカム軸駆動のためにチェーンが走行するに
伴って潤滑油等の油が撥ね飛ばされると、その油が前記
隙間からチェーンケースカバー4外部に漏れ出るおそれ
がある。そこで、接合部10の段差12を埋め込む金属
ガスケットとして、図13及び図14に示す構造のもの
が知られている。
【0009】この金属ガスケット14は、3枚の金属製
薄板(上部基板16及び下部基板18とこれらの間に配
置した副板20)を積層した部材であり、チェーン走行
用の空間8に対応するチェーン開口孔22を設けてい
る。この金属ガスケット14の上部基板16及び下部基
板18にはチェーン開口孔22に沿ってビード24、2
6が形成されている。そして、下部基板18のビード2
6には、シリンダブロック2及びチェーンケースカバー
4の接合部10を跨ぐ位置に打抜き孔28が形成されて
いる。また、副板20の接合部10を跨ぐ位置の下面に
は、横断面略台形状のゴム弾性体からなるシール部材3
0がモールド固定され、前記打抜き孔28内に位置して
いる。
【0010】この金属ガスケット14をシリンダブロッ
ク2及びチェーンケースカバー4の上部接合面2a、4
aとシリンダヘッドとの間に介在すると、ビード24、
26が弾性変形しつつ、打抜き孔28から下方に突出し
たシール部材30が圧縮変形しながら接合部10の段差
12を埋め、シリンダブロック2及びチェーンケースカ
バー4と金属ガスケット14との間の隙間発生を防止す
るようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記金属ガス
ケット14は、副板20の特定位置に小さな形状のシー
ル部材30をモールド固定しなければならず、その作業
に多くの手間と時間を要してしまうので、金属ガスケッ
ト14の製造コストが高くなるおそれがある。また、シ
ール部材30の弾性圧縮率は最大でも40%前後が限度
であり、板厚が0.20mm程度の薄板の下部基板18を
使用すると、シール部材30の弾性圧縮率が仮に50%
であっても、厚さが0.30mm程度の小さな体積のシー
ル部材30となってしまう。そのため、エンジン停止時
の温度低下によって大きな段差12が発生すると、小さ
な体積のシール部材30では段差12を確実に埋めるこ
とができず、シール効果が十分に行われないおそれがあ
る。
【0012】また、エンジン駆動時の温度上昇によって
段差12がゼロとなる場合には、シール部材30が過度
の圧縮状態となって早期に劣化するおそれがある。本発
明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、異種材料
からなるシリンダブロック及びチェーンケースカバー
と、それらの上のシリンダヘッドとの間に介装し、シリ
ンダブロック及びチェーンケースカバーとの熱膨張変形
の相違に追従し、シリンダブロック及びチェーンケース
カバーとそれらの上のシリンダヘッドとの間のシール効
果を長期間にわたって保証するとともに、製造コストが
安価な金属ガスケットを提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1記載の金属ガスケットは、金属製
の副板と、この副板より薄肉の弾性変形自在な金属板と
して前記副板の上部及び下部に積層した上部基板及び下
部基板とで構成され、隣合うシリンダブロック及びチェ
ーンケースカバーとそれらの上のシリンダヘッドとの間
に介在して前記シリンダブロック及び前記チェーンケー
スカバーと前記シリンダヘッド間をシールする金属ガス
ケットにおいて、前記副板及び前記下部基板の両者に、
前記シリンダブロック及び前記チェーンケースカバーの
接合部の上部を跨ぐ位置に同心の孔を形成するととも
に、前記副板の板厚と略同一厚さに設定した嵌入弾性部
と、この嵌入弾性部の下部から突出して前記下部基板の
板厚より大きな厚さに設定した突出弾性部とを有する弾
性体からなるシール部材を、前記嵌入弾性部を前記副板
の孔に嵌入し、前記突出弾性部が前記下部基板の孔を通
過して前記接合部の上面で圧縮変形するように装着し
た。
【0014】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の金属ガスケットにおいて、前記下部基板の孔を、前
記副板の孔より小さな孔形状に形成し、前記シール部材
の突出弾性部を、前記突出弾性部の下部にくびれ部を設
けて前記下部基板の孔より小さな形状で突出するように
形成した。また、請求項3記載の発明は、請求項1又は
2記載の金属ガスケットにおいて、少なくとも前記嵌入
弾性部の上面に凹部を形成して当該凹部と前記上部基板
の下面との間に所定容積の閉塞空間を画成するととも
に、前記閉塞空間の容積が前記突出弾性部の圧縮変形分
の体積と略同一となるように、前記凹部の形状を適宜設
定した。
【0015】さらに、請求項4記載の発明は、請求項1
乃至3の何れかに記載の金属ガスケットにおいて、少な
くとも前記上部基板に、前記シリンダブロック及び前記
チェーンケースカバーの接合部の上部を跨いでいる位置
にビードを形成した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。なお、図12に示した構成と同一構
成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。図
1に示す第1施形態の金属ガスケット40は、シリンダ
ブロック2のシリンダボアに対応したシリンダボア42
と、シリンダブロック2とシリンダヘッドとを結合する
締結ボルトの配設位置に合わせたボルト孔44と、チェ
ーン走行用の空間8の上部開口部に対応したチェーン開
口孔46と、チェーンケースカバー4とシリンダヘッド
とを結合する締結ボルトの配設位置に合わせたボルト孔
48とを備えたガスケットである。
【0017】この金属ガスケット40は、図2に示すよ
うに、金属製薄板の上部基板50及び下部基板52と、
これら上部基板50及び下部基板52の間に配置した金
属製の副板54とからなる3層構造の部材であり、上部
基板50にはチェーン開口孔46に沿って上部ビード5
6が形成されているとともに、下部基板52にもチェー
ン開口孔46に沿って下部ビード58が形成されてい
る。
【0018】また、副板54及び下部基板52には、図
3にも示すように、シリンダブロック2及びチェーンケ
ースカバー4の接合部10を跨ぐ位置に、上部及び下部
ビード56、58が延在する方向に長軸方向を向けた長
円形状の第1打抜き孔60及び第2打ち抜き孔62が形
成されている。また、第1打抜き孔60の長孔形,又は
長方形状は、第2打抜き孔62の形状より大きく設定さ
れている。
【0019】そして、第1打抜き孔60に嵌入したシー
ル部材64が、副板54から下方に突出した状態で配設
されている。このシール部材64は、シリコーンゴム、
フロロシリコンゴム、フッ素ゴム、NBR(アクリロニ
トリルブタジエンゴム)等からなる弾性体であり、図4
に示すように、外周形状を第1打抜き孔60の内周形状
と略同一に形成した嵌入弾性部64aと、この嵌入弾性
部64aの下部からくびれ部64cを設けた後に下方に
突出し、第2打抜き孔62の内周形状より小さな楕円形
状に形成した突出弾性部64bとを備えた部材である。
また、嵌入弾性部64aの上面には、所定深さで凹んだ
凹溝64dが形成されている。
【0020】そして、本実施形態の金属ガスケット40
を組み立てる際には、シール部材64の嵌入弾性部64
aを、副板54の第1打抜き孔60に嵌入し、突出弾性
部64bを下部基板52の第2打抜き孔62内に挿入し
てから上部基板50、下部基板52及び副板54を層状
に固定する。このような構造のシール部材64を副板5
4に配設すると、副板54に対するシール部材64の固
定作業が第1打抜き孔60への嵌入弾性部64aの嵌入
作業だけとなり、短時間で簡単にシール部材64の固定
作業が完了するので、金属ガスケット40の製造コスト
を大幅に低減することができる。
【0021】しかも、下部基板52の第2打抜き孔62
の形状を嵌入弾性部64aより小さい形状としているた
め、シール部材64が第1打抜き孔60内から脱落しよ
うとしても、シール部材64のくびれ部64が第2打抜
き孔62の上部周縁に当接してシール部材64の脱落を
確実に防止するので、高品質の金属ガスケット40を提
供することができる。
【0022】ここで、シール部材64の嵌入弾性部64
aの厚さt1 は、副板54の板厚をT1 とすると、T1
+0.0mm 〜 T1 +0.1mmに設定している。ま
た、突出弾性部64bの厚さt2 は、下部基板52の板
厚をT2 とすると、T2 +0.4mm 〜 T2 +0.5
mmに設定している。そして、副板54の板厚を0.6mm
とし、下部基板52の板厚を0.2mmとすると、本実施
形態のシール部材64は、厚さが少なくとも1.2mm以
上となり、図10に示した従来のシール部材(副板の下
面にモールド固定され、厚さが0.3mm程度の体積が小
さなシール部材)30と比較して、体積が大きなシール
部材となる。
【0023】次に、図5は、エンジン停止時におけるシ
リンダブロック2及びチェーンケースカバー4とシリン
ダヘッド70との間に介装した金属ガスケット40の配
置状態を示すものである。なお、この図の符号72は、
シリンダブロック2及びチェーンケースカバー4の接合
端面の表面凹凸等による接合不良を防止する端面用ガス
ケットである。この端面用ガスケット72は、シリンダ
ブロック2の上部接合面2aとチェーンケースカバー4
aの上部接合面4aよりも上方に突出すると、隣合うシ
リンダブロック2及びチェーンケースカバー4の上にシ
リンダヘッド70を結合した際に、その突出した部分が
折れ曲がって精密な接合状態が損なわれるので、上部接
合面2a、4aより下方となるように組付けられてい
る。また、端面用ガスケット72上において段差12を
矯正するように配設されている符号74の部材は軟質シ
ール剤である。
【0024】図5では、チェーンケースカバー4が低温
状態となっているので、シリンダブロック2及びチェー
ンケースカバー4の接合部10に大きな段差12が生じ
る。このとき、段差12を跨ぐように配設されている金
属ガスケット40のシール部材64は、その上面に形成
した凹溝64dと上部基板50の下面との間に閉塞空間
64eを画成する。そして、シール部材64は、突出弾
性部64bが弾性圧縮されながら段差12の全域を埋め
込んでいくが、突出弾性部64bの弾性圧縮による体積
減少分は、閉塞空間64eの容積が小さくなるように嵌
入弾性部64aが変形することにより吸収されていく。
このように、シール部材64は、殆ど大きな体積が変化
せずに段差12上に密接するので、シリンダブロック2
及びチェーンケースカバー4とシリンダヘッド70の間
の隙間発生を確実に防止する。
【0025】また、図6は、エンジン駆動時における金
属ガスケット40の形状を示すものであり、チェーンケ
ースカバー4が高温状態となって熱膨張変形するので、
シリンダブロック2及びチェーンケースカバー4の接合
部10の高さが略同一となって段差12が無くなる。こ
のとき、シール部材64の突出弾性部64bがさらに圧
縮状態となるが、その突出弾性部64bの圧縮による体
積減少分は、閉塞空間64eの容積をさらに小さくした
嵌入弾性部64aの変形によって吸収される。このよう
に、段差12が無くなっても、シール部材64は殆ど体
積が変化せず固くならないので、隙間発生を確実に防止
するとともに、過度の圧縮状態による早期劣化を回避す
ることができる。
【0026】したがって、本実施形態の金属ガスケット
40は、熱の影響に伴ってシリンダブロック2及びチェ
ーンケースカバー4の接合部10の段差12が大きくな
っても、或いは段差12が無くなっても、シール部材6
4が、大きな体積を保持して弾性圧縮した状態で隙間発
生を防止するので、良好なシール状態を維持することが
できる。
【0027】また、若し、変形したシール部材64の弾
性圧縮率が低下しても、弾性変形状態で配設されている
上部基板50の上部ビード56が、自身の弾性復元力に
よってシート部材64を押圧して最適な弾性圧縮率を付
与するので、良好なシール状態を長期に渡って維持する
ことができる。さらに、図7に示すものは、他の実施形
態のシール部材80を示すものである。
【0028】本実施形態のシール部材80は、外周形状
を副板54の第1打抜き孔60の内周形状と略同一に形
成した嵌入弾性部80aと、この嵌入弾性部80aの下
部からくびれ部80cを設けた後に下方に突出し、下部
基板52の第2打抜き孔62の内周形状より小さな楕円
形状に形成した突出弾性部80bとを備えた弾性部材で
ある。そして、嵌入弾性部80aの上面には、互いに平
行に延在して所定深さで凹んでいる2本の上部凹溝80
dが形成されているとともに、突出弾性部80bの下面
にも、1本の下部凹溝80eが形成されている。
【0029】上記構成のシール部材80を使用すると、
上部凹溝80dと上部基板50の下面との間と、下部凹
溝80eと軟質シール剤との間の両者に、容積の大きな
閉塞空間が画成される。このように容積の大きな閉塞空
間が画成されると、弾性圧縮によって突出弾性部64b
に大きな体積減少分が発生しても、十分にその体積減少
分を吸収することができ、突出弾性部64bの厚さをさ
らに増大した、即ち、さらに大きな体積のシール部材8
0を得ることができる。したがって、さらに大きな体積
のシール部材80を備えることにより、耐久性とシール
状態を長期に渡って維持することが可能な金属ガスケッ
ト40を提供することができる。
【0030】次に、図8及び図9は、第2実施形態の金
属ガスケットを示すものである。なお、図1から図6に
示した第1実施形態の金属ガスケット40と同一構成部
分には、同一符号を付してその説明を省略する。本実施
形態の金属ガスケット81は、上部基板82及び下部基
板84と、これら上部基板82及び下部基板84の間に
配置した金属製の副板86とからなる3層構造の板材を
備えており、副板86には、接合部10のシリンダブロ
ック2の接合面2bからチェーンケースカバー4の上面
4aに向けて延在する長孔形状の第1打抜き孔88が形
成されている。
【0031】また、下部基板84にも、第1打抜き孔8
8に対応してシリンダブロック2の接合面2bからチェ
ーンケースカバー4の上面4aに向けて延在する長孔形
状の第2打抜き孔90が形成されている。ここで、第2
打抜き孔90は、接合面2b側の孔縁部以外の3方の孔
縁部90a、90b、90cが、副板88の第1打抜き
孔88の内側に位置して孔幅を狭くした形状となってい
る。
【0032】そして、第1打抜き孔88内に装着した弾
性体からなる直方体形状のシール部材92が、副板54
から下方に突出した状態で配設されている。このような
構造の金属ガスケット81によると、前述した第1実施
形態の金属ガスケット40と同様の効果を得ることがで
きるとともに、副板86の第1打抜き孔88及び下部基
板52の第2打抜き孔90を、シリンダブロック2の接
合面2bからチェーンケースカバー4側に延在するよう
に形成しているので、圧縮変形するシール部材92がシ
リンダブロック2のコーナ(図9で示す符号2c)に係
合して劣化することが防止され、シール部材92は、温
度変化による段差12の有無の変形に追従して何の抵抗
もなくスムーズに変形するので、良好なシール状態を長
期に渡って維持することができる。
【0033】また、シール部材92を製作が容易な直方
体形状としても、第1打抜き孔88より小さな孔幅とし
た第2打抜き孔90の孔縁部90a、90b、90cが
シール部材92の脱落を確実に防止するので、高品質の
金属ガスケット81を提供することができる。なお、第
1打抜き孔88に対して第2打抜き孔90の孔幅を狭く
する他の形状として、図10に示すように、第2打抜き
孔90の接合面2b側の孔縁部以外の互いに対向してい
る2方の孔縁部90a、90cを第1打抜き孔88の内
側に位置して孔幅を狭くする形状や、図11に示すよう
に、第2打抜き孔90の接合面2b側の孔縁部以外の3
方から内側に向けて突起縁90d、90e、90fを設
けて孔幅を狭くする形状があり、いずれの形状であって
もシール部材92の脱落を確実に防止するので、高品質
の金属ガスケット81を提供することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の金
属ガスケットによると、弾性体からなるシール部材を、
副板の板厚と略同一厚さに設定した嵌入弾性部と、この
嵌入弾性部の下部から突出して前記下部基板の板厚より
大きな厚さに設定した突出弾性部とで構成したので、従
来のシール部材と比較して厚さ及び体積が大きなシール
部材となる。このシール部材の嵌入弾性部を、副板のシ
リンダブロック及びチェーンケースカバーの接合部の上
部を跨ぐ位置に形成した孔に嵌入し、前記突出弾性部が
下部基板に形成した孔を通過して接合部の上面で圧縮変
形させるようにしたことで、温度変化による接合部の段
差の有無の変形に追従して、シール部材がほとんど体積
が変化せずに柔軟に弾性変形するので、接合部に隙間が
生じることがなく常に良好なシール状態を維持すること
ができる。
【0035】また、副板に対するシール部材の固定作業
が副板の孔へ嵌入弾性部を嵌入する作業だけとなり、短
時間で簡単にシール部材の固定作業が完了するので、金
属ガスケットの製造コストを大幅に低減することができ
る。また、請求項2記載の発明によると、請求項1記載
の効果を得ることができるとともに、下部基板の孔の形
状をシール部材の嵌入弾性部より小さい形状としている
ため、嵌入弾性部が副板の孔内から脱落しようとして
も、シール部材のくびれ部が下部基板の孔の上部周縁に
当接してシール部材の脱落を確実に防止することがで
き、高品質の金属ガスケットを提供することができる。
【0036】また、請求項3記載の発明によると、副板
及び下部基板の孔を、シリンダブロックの接合面からチ
ェーンケースカバーに延在するように形成したので、圧
縮変形するシール部材がシリンダブロックのコーナに係
合して劣化することが防止され、シール部材は、温度変
化による段差の有無の変形に追従して何の抵抗もなくス
ムーズに変形するので、良好なシール状態を長期に渡っ
て維持することができる。それとともに、下部基板の孔
を、シリンダブロックの接合面側の孔縁部が副板の孔縁
部と一致し、その下部基板の他の位置の孔縁部の一部、
或いは全域を副板の孔の内側に位置して孔幅を狭くした
形状としているので、シール部材が副板の孔内から脱落
しようとしても、下部基板の孔の孔縁部がシール部材の
脱落を確実に防止することができ、高品質の金属ガスケ
ットを提供することができる。
【0037】また、請求項4記載の発明によると、請求
項1乃至3の何れかに記載の効果を得ることができると
ともに、接合部の上部との当接によるシール部材の突出
弾性部の体積減少分を、嵌入弾性部の上面に形成した凹
部と上部基板の下面との間に画成した閉塞空間で吸収す
るので、シール部材は、過圧縮状態とならず、常に大き
な体積を維持することができ、耐久性とシール状態を長
期に渡って維持することができる。
【0038】さらに、請求項5記載の発明によると、請
求項1乃至4の何れかに記載の効果を得ることができる
とともに、若し、変形しているシール部材の弾性圧縮率
が低下していても、シリンダブロック及びチェーンケー
スカバーの接合部を跨いでいる位置に設けた上部基板の
ビードが、自身の弾性復元力によってシート部材を押圧
して最適な弾性圧縮率を付与するので、良好なシール状
態を長期に渡って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の金属ガスケットを
示す要部平面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】図1の符号III で示す丸印部分を拡大した図で
ある。
【図4】第1実施形態係るシール部材の他の実施形態を
示す斜視図である。
【図5】シリンダブロック及びチェーンケースカバーの
接合部に段差が生じているときの第1実施形態の金属ガ
スケットのシール状態を示す図である。
【図6】シリンダブロック及びチェーンケースカバーの
接合部に段差が生じていないときの第1実施形態の金属
ガスケットのシール状態を示す図である。
【図7】本発明に係るシール部材の第2実施形態を示す
斜視図である。
【図8】本発明に係る第2実施形態の金属ガスケットを
示す平面図である。
【図9】シリンダブロック及びチェーンケースカバーの
接合部に段差が生じているときの第2実施形態の金属ガ
スケットのシール状態を示す図である。
【図10】第2実施形態の金属ガスケットの第1変形例
を示す平面図である。
【図11】第2実施形態の金属ガスケットの第2変形例
を示す平面図である。
【図12】シリンダブロック及びチェーンケースカバー
の接合状態を示す斜視図である。
【図13】従来の金属ガスケットを示す要部平面図であ
る。
【図14】図13のX −X 線矢視図である。
【符号の説明】
2 シリンダブロック 4 チェーンケースカバー 10 接合部 12 段差 40 金属ガスケット 50、82 上部基板 52、84 下部基板 54、86 副板 56 上部ビード(ビード) 58 下部ビード(ビード) 60、88 第1打抜き孔(副板に形成した孔) 62、90 第2打抜き孔(下部基板に形成した孔) 90a、90b、90c、90d、90e、90f 孔
縁部 64、80、92 シール部材 64a、80a 嵌入弾性部 64b、80b 突出弾性部 64c、80c くびれ部 64d、80d、80e 凹溝(凹部) 64e 閉塞空間 70 シリンダヘッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の副板と、この副板より薄肉の弾
    性変形自在な金属板として前記副板の上部及び下部に積
    層した上部基板及び下部基板とで構成され、隣合うシリ
    ンダブロック及びチェーンケースカバーとそれらの上の
    シリンダヘッドとの間に介在して前記シリンダブロック
    及び前記チェーンケースカバーと前記シリンダヘッド間
    をシールする金属ガスケットにおいて、 前記副板及び前記下部基板の両者に、前記シリンダブロ
    ック及び前記チェーンケースカバーの接合部の上部を跨
    ぐ位置に同心の孔を形成するとともに、前記副板の板厚
    と略同一厚さに設定した嵌入弾性部と、この嵌入弾性部
    の下部から突出して前記下部基板の板厚より大きな厚さ
    に設定した突出弾性部とを有する弾性体からなるシール
    部材を、前記嵌入弾性部を前記副板の孔に嵌入し、前記
    突出弾性部が前記下部基板の孔を通過して前記接合部の
    上面で圧縮変形するように装着したことを特徴とする金
    属ガスケット。
  2. 【請求項2】 前記下部基板の孔を、前記副板の孔より
    小さな孔形状に形成し、前記シール部材の突出弾性部
    を、前記突出弾性部の下部にくびれ部を設けて前記下部
    基板の孔より小さな形状で突出するように形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の金属ガスケット。
  3. 【請求項3】 金属製の副板と、この副板より薄肉の弾
    性変形自在な金属板として前記副板の上部及び下部に積
    層した上部基板及び下部基板とで構成され、隣合うシリ
    ンダブロック及びチェーンケースカバーとそれらの上の
    シリンダヘッドとの間に介在して前記シリンダブロック
    及び前記チェーンケースカバーと前記シリンダヘッド間
    をシールする金属ガスケットにおいて、 前記副板及び前記下部基板の両者に、前記シリンダブロ
    ック及び前記チェーンケースカバーの接合部のシリンダ
    ブロックの接合面からチェーンケースカバー側に延びる
    孔を形成し、前記下部基板の孔は、前記シリンダブロッ
    クの接合面側の孔縁部が前記副板の孔縁部と一致し、該
    下部基板の他の位置の孔縁部の一部、或いは全域が前記
    副板の孔の内側に位置して孔幅を狭くした形状となって
    いるとともに、前記副板の板厚と略同一厚さに設定した
    嵌入弾性部と、この嵌入弾性部の下部から突出して前記
    下部基板の板厚より大きな厚さに設定した突出弾性部と
    を有する弾性体からなるシール部材を、前記嵌入弾性部
    を前記副板の孔に嵌入し、前記突出弾性部が前記下部基
    板の孔を通過して前記接合部の上面で圧縮変形するよう
    に装着したことを特徴とする金属ガスケット。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記嵌入弾性部の上面に凹部
    を形成して当該凹部と前記上部基板の下面との間に所定
    容積の閉塞空間を画成するとともに、前記閉塞空間の容
    積が前記突出弾性部の圧縮変形分の体積と略同一となる
    ように、前記凹部の形状を適宜設定したことを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れかに記載の金属ガスケット。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記上部基板に、前記シリン
    ダブロック及び前記チェーンケースカバーの接合部を跨
    いでいる位置にビードを形成したことを特徴とする請求
    項1乃至4の何れかに記載の金属ガスケット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002071026A (ja) * 2000-08-31 2002-03-08 Taiho Kogyo Co Ltd シリンダヘッドガスケット
JP2011012741A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Toyota Motor Corp エンジンのシール構造及びそのシール構造に使用されるガスケット
CN114876662A (zh) * 2022-06-10 2022-08-09 哈尔滨东安汽车动力股份有限公司 一种基于nvh优化的同步链罩壳吸能装置

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