JP2002174142A - シリンダヘッドガスケット - Google Patents

シリンダヘッドガスケット

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JP2002174142A JP2000372045A JP2000372045A JP2002174142A JP 2002174142 A JP2002174142 A JP 2002174142A JP 2000372045 A JP2000372045 A JP 2000372045A JP 2000372045 A JP2000372045 A JP 2000372045A JP 2002174142 A JP2002174142 A JP 2002174142A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 シリンダヘッドガスケット1は、第1ガ
スケット基板5および第2ガスケット基板6と、これら
の間に介在させたインナー板7とを備えている。インナ
ー板7には、燃焼室孔12を囲繞して、かつシリンダラ
イナー3の上端面3Aの上方側に環状段部7Aを形成し
ている。また、両ガスケット基板5、6には、シリンダ
ブロック2の上面6Aの上方位置にフルビード部5A、
6Aを形成している。シリンダライナー3上に設けた低
面圧部が、シリンダライナー3の上端面3Aを適度な面
圧で押さえることによって、シリンダライナー3が沈み
込んだり、せり出したりするのを防止することができ
る。 【効果】 シール性が良好なシリンダヘッドガスケット
1を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンに用いられ
るシリンダヘッドガスケットに関し、より詳しくはシリ
ンダブロックの貫通孔にシリンダライナーを圧入したエ
ンジンに用いて好適なシリンダヘッドガスケットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用のエンジンとして、シリ
ンダブロックに貫通孔を形成し、その貫通孔に円筒状の
シリンダライナーを圧入したものは知られている。この
ような従来のエンジンにおいては、シリンダブロックの
貫通孔にシリンダライナーを圧入した後、そのシリンダ
ライナーの上端面をフライス盤で切削するようにしてあ
り、それによって、シリンダライナーの上端面がシリン
ダブロックの上面と同一平面となるように配慮してい
る。このようなシリンダライナーを装着した従来のエン
ジンにおいても、シリンダブロックとシリンダヘッドと
の間にシリンダヘッドガスケットを介在させて、それら
の間のシールを維持するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなシリンダライナーを装着したエンジンに用いら
れるシリンダヘッドガスケットにおいては、次のような
欠点が指摘されていたものである。すなわち、上述した
エンジンにおいては、まずシリンダヘッドガスケットの
組付前の時点において、シリンダライナーの上面はシリ
ンダブロックの上面に対して完全に同一平面上に位置し
ているわけではなく、シリンダライナーが突き出た状態
であったり、沈み込んだ状態であったり、シリンダボア
周囲で両者が混在した状態であったりすることがある。
従来のシリンダヘッドガスケットではシリンダライナー
の有無についてはほとんど考慮されておらず、シリンダ
ライナーとシリンダブロックとの境界に関係なく、シリ
ンダボア周囲にシム、グロメット、折返し等の厚肉部を
設けることによって高面圧を発生させる構造であった。
そのため、このようなシリンダライナーの上端面の凹凸
により、凸部では面圧が高くなりすぎ、凹部では低くな
りすぎるため、初期のシール性が不安定になるという問
題があった。ところで、シリンダライナーはシリンダブ
ロックに対して、若干のテーパをもって圧入されてい
る。一方、エンジンが運転されて加熱されると、圧入さ
れたシリンダライナーの締付力が低下するため、この状
態においてシリンダヘッドガスケットがシリンダライナ
ーの上端面を押す力(シリンダライナー部分の面圧)が
強すぎると、その強すぎる部分においてライナーが沈み
込んでしまうという問題があった。この締付力の低下
は、例えば鋳鉄製のシリンダライナーとアルミ製のシリ
ンダブロックのように、材質の違いによる熱膨張差に起
因するものと考えられ、温度が高くなるほど締付力は低
下する。特に排気側やボア間が高温となるため、この部
分にシリンダライナーの沈み込みを生じ易い。他方、運
転加熱時に低下したシリンダライナー締付力は、エンジ
ンが停止した冷却時には増加して元へ戻ろうとする。こ
の状態においてシリンダヘッドガスケットがシリンダラ
イナーの上端面を押す力(シリンダライナー部分の面
圧)が弱すぎると、その弱すぎる部分は加熱時とは逆に
シリンダライナーがせり出してくるという問題があっ
た。このせり出しは、シリンダライナーがシリンダブロ
ックへに圧入するために、若干のテーパをもっているこ
とに起因する。そして、上記のように、エンジンの加熱
によりシリンダライナーが沈み、冷却によりせり出すこ
とが繰り返されると、シリンダライナーやシリンダブロ
ックの摩耗によって徐々にシリンダライナー締付力が低
下し、シリンダライナーががたつくことによるピストン
の焼付き等の不具合を生じる可能性があった。上記の課
題に対して、シリンダボア周囲にシム、グロメット、折
返し等の厚肉部を設けた従来のシリンダヘッドガスケッ
トでは、シリンダライナーの上方側となる箇所に厚肉に
よる高面圧を形成する構造であった。そのため、このよ
うな従来のものでは、高温部分でシリンダライナーの沈
み込みを生じてしまい、ガス漏れを起こしたり、ビード
ストッパの効果がなくなってビードに過度の力が加わる
ことによってビードが割れたり、沈み込みによって生じ
た段差の端部との干渉により、シリンダヘッドガスケッ
トが損傷するという不具合があった。また上下一対の基
板とそれらの間にスペーサを介在させた構成の従来のガ
スケットでは、スペーサ部分全体に面圧を発生させ、ビ
ードの面圧を増強すると共に、エンジンの運転によるシ
リンダヘッド、シリンダブロックの振動を押さえる効果
を有するが、スペーサのみによって生じる面圧は絶対的
に低く、シリンダライナー部分を押さえる力が弱いとい
う欠点があった。そして面圧を上げるためにスペーサの
板厚を厚くすると、今度は逆にスペーサ部分全体の面圧
が上がってしまい、ボア変形を生じたり、エンジンオイ
ルの消費が増加したり、ピストンの摩擦抵抗が増加する
といった欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した事情に鑑み、本
発明は、シリンダブロックのシリンダボアに合わせて穿
設した燃焼室孔を有するガスケット基板を備え、貫通孔
に圧入したシリンダライナーによって上記シリンダボア
を構成したシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に
介在されるシリンダヘッドガスケットにおいて、上記シ
リンダライナーの上端面の上方側となる箇所に上記燃焼
室孔を囲繞して低面圧部を設けるとともに、上記低面圧
部を囲繞してシリンダブロックの上面の上方側となる箇
所に少なくとも1箇所の高面圧部を設けて、上記シリン
ダブロックとシリンダヘッドを連結した際に、上記シリ
ンダライナーの上端面の上方側に位置する低面圧部の面
圧が上記高面圧部の面圧よりも低くなるように構成した
ものである。
【0005】上述した構成によれば、まず初期段階にお
いては、シリンダライナー部分とシリンダブロック部分
とのそれぞれを、ある程度独立して設計できるので、シ
リンダヘッドガスケットの面圧や形状(段差およびビー
ドの高さ、立上り角度、幅)をシリンダライナー部分及
びシリンダブロック部分それぞれの適正な値に設定で
き、従って、シリンダライナーの上端面の凹凸に対して
も十分なシール性を確保できると共に、設計の自由度が
大きくなるので、様々な機種のエンジンにも対応するこ
とができる。そして運転時においては、シリンダライナ
ー上に設けた低面圧部が、シリンダライナーの上端面を
適度な力(面圧)で押さえることによって、シリンダラ
イナーが沈み込まないようにできると共に、冷却時にお
けるシリンダライナーのせり出しを防止することができ
る。また、この低面圧部が1次シールとして機能し、シ
リンダライナーの外側に設けた高面圧部が2次シールと
して機能して、多重にシールすることができるため、仮
に上記1次シール部として低面圧部からガスが漏れたと
しても、2次シール部分である高面圧部でそれを完全に
シールすることができる。したがって、従来に比較して
シール性が良好なシリンダヘッドガスケットを提供する
ことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を直列4気筒エンジ
ン用のシリンダヘッドガスケット1に適用した実施例に
ついて説明する。なお、図2に示すように、本実施例の
シリンダヘッドガスケット1を適用するエンジンのシリ
ンダブロック2には、ピストンの数に合わせた貫通孔2
Aを穿設してあり、これら各貫通孔2Aに円筒形のシリ
ンダライナー3を圧入している。つまり、本実施例のシ
リンダヘッドガスケット1を適用するエンジンは、シリ
ンダライナー3の内部によってシリンダボア4を構成し
たものが前提となっている。図1ないし図2において、
本実施例のシリンダヘッドガスケット1は、上面側(上
方側)に位置する第1ガスケット基板5および下面側
(下方側)に位置する第2ガスケット基板6と、それら
の間に介在させたインナー板7と、このインナー板7の
上面を覆って設けたスペーサ8とから構成している。上
記両ガスケット基板5、6とインナー板7およびスペー
サ8は、後述する水孔11の位置で従来公知の連結手段
(例えばランスロック等)によって相互に一体に連結さ
れている。なお、スペーサ8とインナー板7を溶接し
て、そのインナー板7を両ガスケット基板5、6を水孔
11の位置でランスロック等で連結しても良い。また、
必要に応じて両ガスケット基板5、6およびインナー板
7のいずれか一つ以上の面にゴム層を設けても良い。シ
リンダヘッドガスケット1は、従来周知のように、下方
側のシリンダブロック2と図示しない上方側のシリンダ
ヘッドとの間に介在されて、締結ボルトによってシリン
ダヘッドとシリンダブロック2とを一体に連結すること
により、それらの間に挟持されて両者間をシールするよ
うになっている。上述したように、シリンダブロック2
に穿設した複数の貫通孔2Aにシリンダライナー3を圧
入して、それら各シリンダライナー3によってそれぞれ
シリンダボア4を構成している。図1に示すように、上
記両ガスケット基板5、6とインナー板7およびスペー
サ8には、シリンダブロック2のシリンダボア4に合わ
せて穿設した4箇所の燃焼室孔12と、図示しない締結
ボルトが貫通される複数のボルト孔13と、さらに冷却
水が流通する複数の水孔11とをそれぞれ形成してい
る。
【0007】インナー板7は全域を同一厚さとしたZn
めっき鋼板(例えばSPCC材+Znめっき)から構成
してあり、また、スペーサ8は全域を同一厚さとした比
較的軟質のSUS材(例えばSUS304)から構成し
ている。このスペーサ8はインナー板7の上面を覆って
いるので、インナー板7の上面と第1ガスケット基板5
との間で挟持されるようになっている。このインナー板
7の厚さを変更することにより、シリンダヘッドガスケ
ット1全体の厚さを調整できるようになっている。な
お、インナー板7の硬さはHv90〜230程度が好ま
しく、スペーサ8の硬さはHv170〜270程度が好
ましい。さらに、本実施例のインナー板7には、上記燃
焼室孔12を囲繞して、かつ下面側へ膨出する環状段部
7Aを形成している。この環状段部7Aの幅(放射方向
の寸法)D1は、シリンダライナー3の幅2.40mm
に対して1.20mmに設定してあり、また、この環状
段部7Aが下方側へ膨出する膨出量は0.06mmに設
定している。なお、環状段部7Aの幅は、シリンダライ
ナー3の幅の30〜70%程度に設定するのが好まし
く、50%程度に設定するのがより好ましい。また、環
状段部7Aの膨出量は、0.03から0.13mm程度
に設定するのが好ましい。そして、本実施例において
は、上記インナー板7に環状段部7Aを形成する位置
は、上記シリンダライナー3の上端面3Aの上方となる
位置に形成している。次に、本実施例における両ガスケ
ット基板5、6は、全域を同一厚さとした、比較的硬質
でばね性を有するSUS材(例えばSUS301)によ
って構成しており、第1ガスケット基板5には、燃焼室
孔12とインナー板7の環状段部7Aを囲繞して下面側
(スペーサ8の上面側)にむけて膨出する断面円弧状の
フルビード部5Aを形成している。なお、両ガスケット
基板5、6の硬さはHv350〜500程度が好まし
い。
【0008】また、第2ガスケット基板6にも、燃焼室
孔12とインナー板7の環状段部7Aを囲繞して上面側
(インナー板7の下面7B側)にむけて膨出する断面円
弧状のフルビード部6Aを形成している。これら両フル
ビード部5Aおよび6Aの幅(図面上の左右方向寸法)
と膨出量はともに同一に設定している。両フルビード部
5A、6Aの幅は、2.60mmに設定してあり、ま
た、両フルビード部5A、6Aの膨出量は、0.18m
mに設定している。また、燃焼室孔12の周縁部からフ
ルビード部5Aの頂部5A’までの寸法と、燃焼室孔1
2の周縁部からフルビード部6Aの頂部6A’までの寸
法は同じ寸法に設定している。なお、両フルビード部5
A、6Aの幅は、上記環状段部7Aの幅D1の2倍程度
の寸法であればよく、1.60〜3.50mm程度に設
定するのが好ましい。より好ましくは2.00〜2.8
0mmである。また、両フルビード部5A、6Aの膨出
量は、上記環状段部7Aの膨出量の3倍程度の寸法であ
ればよく、0.09〜0.30mm程度に設定するのが
好ましい。さらに、両フルビード部5A、6Aの幅およ
び膨出量は、必ずしも同じ寸法である必要はなく、必要
に応じてこれらの寸法を設定すればよいことはもちろん
である。本実施例においては、上記両フルビード部5
A、6Aを、環状段部7Aの外方側で、かつシリンダブ
ロック2の上面2Bの上方となる位置に形成している。
そして、本実施例のシリンダヘッドガスケット1をシリ
ンダブロック2とシリンダヘッドとの間に介在させて、
それらを連結した際に、図3に示すように、上記環状段
部7Aを設けた箇所の面圧が低くなるとともに、上記両
フルビード部5A、6Aの内外の縁部となる箇所の面圧
が高くなるようにしている。そして、上記環状段部7A
によって面圧が低くなる箇所を本実施例では低面圧部と
する一方、上記両フルビード部5A、6Aの内外の縁部
となる箇所を高面圧部としている。図3から理解できる
ように、低面圧部の面圧(7Aの領域の面圧)は、高面
圧部の面圧(両フルビード部5A、6Aの内外の縁部の
面圧)よりも低いが、低面圧部の分布範囲はシリンダボ
アの放射方向において、高面圧部よりも広くなるように
している。また、本実施例においては、上記スペーサ8
は、燃焼室孔12の位置から両フルビード部5A、6A
の外方側に至る領域にわたって設けている。これによ
り、本実施例のシリンダヘッドガスケット1において
は、図3に示すように、上記低面圧部および高面圧部を
含めたスペーサ8を配置した領域において、スペーサ8
の外方側となる領域に比較して、所定量だけ一様に面圧
が高くなるように構成している。
【0009】以上のように構成したシリンダヘッドガス
ケット1をシリンダヘッドとシリンダブロック2との間
に介在させて締結ボルトによって一体に連結すると、両
フルビード部5A、6Aが上下方向から圧縮されて変形
するようになっている。そして、フルビード部5Aの頂
部5A’がスペーサ8の上面に密着するとともに、該ス
ペーサ8の下面がインナー板7の上面に密着するととも
に、フルビード部6Aの頂部6A’がインナー板7の下
面7Bに密着するようになっている。また、環状段部7
Aは下方側の第2ガスケット基板6の上面に密着し、こ
の環状段部7Aの隣接内外の位置となるインナー板7の
上面とその上方側の第1ガスケット基板5の下面とによ
ってそれらの間のスペーサ8が挟持されるようになって
いる。また、第1ガスケット基板5の上面がシリンダヘ
ッド側の下面と密着し、第2ガスケット基板6の下面が
シリンダブロック2の上面2Bおよびシリンダライナー
3の上端面3Aと密着する様になっている。このよう
に、本実施例では、上記低面圧部としての環状段部7A
を設けた箇所を1次シールとするとともに、上記高面圧
部となる箇所を2次シールおよび3次シールとして機能
させて、多重のシール部を形成するようにしている。こ
のようにして、シリンダヘッドガスケット1によってシ
リンダヘッドとシリンダブロック2との間のシールを維
持するようになっている。また、この状態においては、
図3に示すように、シリンダヘッドガスケット1の環状
段部7Aを設けた箇所(低面圧部)の面圧、すなわちシ
リンダライナー3の上方側となる箇所の面圧は、両フル
ビード部5A、6Aにおける内外の縁部の箇所(高面圧
部)の面圧よりも低くなっている。また、これらの位置
を含めたスペーサ8を設けた領域においては、スペーサ
8よりも外方側となる領域に比較して、面圧が所定量だ
け一様に高くなっている。このような本実施例のシリン
ダヘッドガスケット1においては、まず初期段階におい
ては、シリンダライナー3の上方となる部分とシリンダ
ブロック2の上方となる部分とのそれぞれを、ある程度
独立して設計できるので、シリンダヘッドガスケット1
の面圧や形状(段差およびビードの高さ、立上り角度、
幅)をシリンダライナー3の部分及びシリンダブロック
2の部分のそれぞれの適正な値に設定できる。そのた
め、シリンダライナー3の上端面3Aの凹凸に対しても
十分なシール性を確保できると共に、設計の自由度が大
きくなるので、様々な機種のエンジンにも対応すること
ができる。そして運転時においては、シリンダライナー
3上に設けた低面圧部としての環状段部7Aの箇所が、
シリンダライナー3の上端面を適度な力で押さえること
によって、シリンダライナー3が貫通孔2A内で沈み込
まないようにできると共に、エンジン冷却時におけるシ
リンダライナー3のせり出し(浮き上がり)を防止する
ことができる。また、低面圧部が1次シールとして機能
するとともに高面圧部が2次シールおよび3次シールと
して機能するため、仮に上記1次シール部として低面
圧部からガスが漏れたとしても、2次シール部および3
次シール部としての高面圧部によってそれを完全にシー
ルすることができる。したがって、従来に比較して、シ
ール性が良好なシリンダヘッドガスケット1を提供する
ことができる。さらに、本実施例のシリンダヘッドガス
ケット1はシリンダライナー3における上端面3Aの上
方となる箇所に上記低面圧部としての環状段部7Aを形
成しているので、シリンダヘッドとシリンダブロック2
とを連結した際に、上記環状段部7Aの面圧が低くな
る。そのため、シリンダヘッドとシリンダブロック2と
を連結した際に、従来のものよりもシリンダライナー3
の上端面3Aに対して作用する面圧が減少する。そのた
め、シリンダヘッドとシリンダブロック2の連結時にお
いて、シリンダライナー3が貫通孔2A内で沈み込むこ
とを抑制することができる。つまり、シリンダヘッドと
シリンダブロック2の連結時において、シリンダライナ
ー3の上端面と貫通孔2Aの上端部との間に段差が生じ
ることを抑制することができ、この点からも従来と比較
して、シール性が良好なシリンダヘッドガスケット1を
提供することができる。
【0010】(第2実施例)次に、図4は本発明の第2
実施例を示したものである。この第2実施例は、上記第
1実施例においてインナー板7の上面側に配置していた
スペーサ8をインナー板7の下面側に配置したものであ
る。その他の構成は、上記第1実施例のものと同じなの
で、それらの構成の説明は省略する。このような第2実
施例の構成であっても上記第1実施例と同様の作用効果
を得ることができる。
【0011】(第3実施例)次に、図5は本発明の第3
実施例を示したものである。この第3実施例は、両ガス
ケット基板5、6に設けたフルビード部5A、6Aの膨
出方向を上記第1実施例のものとは逆にしたものであ
る。すなわち、第1ガスケット基板5のフルビード部5
Aは、上面側に向けて膨出させてあり、第2ガスケット
基板6のフルビード部6Aは下面側に向けて膨出させて
いる。その他の構成は、上記第1実施例のものと同じな
ので、それらの構成の説明は省略する。このような第3
実施例の構成であっても上記第1実施例と同様の作用効
果を得ることができる。
【0012】(第4実施例)次に、図6は本発明の第4
実施例を示したものである。この第4実施例は、上記第
1実施例の構成を前提として、両ガスケット基板5、6
のフルビード部5A、6Aの隣接外方位置にハーフビー
ド部5C、6Cを形成したものである。第1ガスケット
基板5のハーフビード部5Cは、その外方側の縁部が内
方側の縁部よりも低くなるように形成してあり、他方、
第2ガスケット基板6のハーフビード部6Cは、その外
方側の縁部が内方側の縁部よりも高くなるように形成し
ている。その他の構成は上記第1実施例のものと同じな
ので、それらの構成の説明は省略する。このような第4
実施例の構成であっても上記第1実施例と同様の作用効
果を得ることができる。
【0013】(第5実施例)次に、図7は本発明の第5
実施例を示したものである。この第5実施例は、図2に
示した第1実施例における第1ガスケット基板5のフル
ビード部5Aの膨出方向を図2と逆にしたものである。
すなわち、この第5実施例における第1ガスケット基板
5のフルビード部5Aは、上面側に向けて膨出するよう
に形成している。その他の構成は、上記第1実施例と同
じなので、それらの構成の説明は省略する。このような
第5実施例の構成であっても上記第1実施例と同様の作
用効果を得ることができる。
【0014】(第6実施例)次に、図8は本発明の第6
実施例を示したものである。この第6実施例は、上記図
6に示した第4実施例におけるスペーサ8の設置領域を
小さくしたものである。すなわち、この第6実施例のス
ペーサ8は、燃焼室孔12から両フルビード部5A、6
Aの少し外方となる位置にわたって設けてあり、スペー
サ8の外方側の縁部はハーフビード5C、6Cの領域ま
で到達しないように構成している。その他の構成は、上
記第4実施例と同じなので、それらの構成の説明は省略
する。このような第6実施例の構成であっても上記第1
実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来に
比較してシール性が良好なシリンダヘッドガスケットを
提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面図。
【図2】図1のII−II線に沿う要部の断面図。
【図3】上記図2に示したシリンダヘッドガスケットを
シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介在させた
際の面圧の分布状態を示す図。
【図4】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図5】本発明の第3施例を示す断面図。
【図6】本発明の第4施例を示す断面図。
【図7】本発明の第5施例を示す断面図。
【図8】本発明の第6施例を示す断面図。
【符号の説明】
1…シリンダヘッドガスケット 2…シリンダ
ブロック 2A…貫通孔 3…シリンダ
ライナー 5…第1ガスケット基板 5A…フルビ
ード部 6…第2ガスケット基板 6A…フルビ
ード部 7…インナー板 7A…環状段
部 8…スペーサ 12…燃焼室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックのシリンダボアに合わ
    せて穿設した燃焼室孔を有するガスケット基板を備え、
    貫通孔に圧入したシリンダライナーによって上記シリン
    ダボアを構成したシリンダブロックとシリンダヘッドと
    の間に介在されるシリンダヘッドガスケットにおいて、 上記シリンダライナーの上端面の上方側となる箇所に上
    記燃焼室孔を囲繞して低面圧部を設けるとともに、上記
    低面圧部を囲繞してシリンダブロックの上面の上方側と
    なる箇所に少なくとも1箇所の高面圧部を設けて、 上記シリンダブロックとシリンダヘッドを連結した際
    に、上記シリンダライナーの上端面の上方側に位置する
    低面圧部の面圧が上記高面圧部の面圧よりも低くなるよ
    うに構成したことを特徴とするシリンダヘッドガスケッ
    ト。
  2. 【請求項2】 上記低面圧部の放射方向の幅は、上記高
    面圧部の放射方向の幅よりも大きく設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドガスケッ
    ト。
  3. 【請求項3】 上記ガスケット基板は、積層して配置さ
    れ上面側に位置する第1ガスケット基板と下面側に位置
    する第2ガスケット基板からなり、また、これら両ガス
    ケット基板の間にインナー板を設けてあり、さらに、上
    記いずれかの一方のガスケット基板とインナー板との間
    で、かつ上記シリンダライナーの上面の上方側およびそ
    の隣接外方位置となるシリンダブロックの上面の上方側
    にわたる領域にスペーサを設けて、 該スペーサを設けた領域の面圧を、その領域よりも外方
    側となる領域の面圧よりも所定の値だけ高くなるように
    構成したことを特徴とする請求項1および請求項2に記
    載のシリンダヘッドガスケット。
  4. 【請求項4】 上記インナー板におけるシリンダライナ
    ーの上面の上方側となる箇所に、上記燃焼室孔を囲繞し
    て下面側へ膨出する環状段部を形成し、この環状段部を
    設けた箇所を上記低面圧部として構成し、 第1ガスケット基板に、シリンダブロックの上面の位置
    で、かつ上記環状段部を囲繞する位置に環状の第1フル
    ビード部を形成し、 第2ガスケット基板に、上記第1フルビード部の位置に
    合わせて環状の第2フルビード部を形成して、これら両
    ガスケット基板の両フルビード部によって上記高面圧部
    を構成し、 さらに、上記スペーサを、上記燃焼室孔から両フルビー
    ド部に至る領域にわたって配置したことを特徴とする請
    求項3に記載のシリンダヘッドガスケット。
  5. 【請求項5】 インナー板におけるシリンダライナーの
    上面の上方側となる箇所に燃焼室孔を囲繞して、下面側
    へ膨出する環状段部を形成して、この環状段部を設けた
    箇所によって上記低面圧部を構成し、 第1ガスケット基板に、シリンダブロックの上面の位置
    で、かつ上記環状段部を囲繞する位置に下面側へ向けて
    膨出する環状の第1フルビード部を形成するとともに、
    この第1フルビード部を囲繞してその隣接外方位置に第
    1ハーフビード部を形成し、 第2ガスケット基板に、上記第1フルビード部の位置に
    合わせて、上面側へ膨出する環状の第2フルビード部を
    形成するとともに、この第2フルビード部を囲繞してそ
    の隣接外方位置に第2ハーフビード部を形成し、上記両
    フルビード部および上記両ハーフビード部によって上記
    高面圧部を構成し、 さらに、上記スペーサを、上記燃焼室孔から上記両フル
    ビード部に至る領域にわたって配置したことを特徴とす
    る請求項3に記載のシリンダヘッドガスケット。
  6. 【請求項6】 上記スペーサを、上記燃焼室孔から上記
    ハーフビード部に至る領域に配置したことを特徴とする
    請求項5に記載のシリンダヘッドガスケット。
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