JP2000220731A - 電動車両 - Google Patents

電動車両

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JP2000220731A
JP2000220731A JP11027183A JP2718399A JP2000220731A JP 2000220731 A JP2000220731 A JP 2000220731A JP 11027183 A JP11027183 A JP 11027183A JP 2718399 A JP2718399 A JP 2718399A JP 2000220731 A JP2000220731 A JP 2000220731A
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JP
Japan
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transmission
torque
speed
speed stage
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JP11027183A
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English (en)
Inventor
Koji Ando
孝司 安藤
Takeshi Asano
威 浅野
Kaoru Sawase
薫 澤瀬
Yuichi Nochida
祐一 後田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機の出力を変速手段による摩擦係合要素
の掴み換えにより変速して車輪側に伝達可能であって内
燃機関の出力をクラッチ手段により選択的に伝達軸に伝
達可能な電動車両において、電動機の出力を変速手段に
より低速段と高速段との間で変速して出力軸に伝達する
際、変速ショックなくスムーズに変速段を達成可能な電
動車両を提供する。 【解決手段】 変速手段(20)を低速段と高速段との間で
切り換える際には、制御手段により、低速段から高速段
への切換時に摩擦係合する高速段摩擦係合要素(25)の伝
達トルク量T2、即ち変速手段の出力トルクの減少量を
クラッチ手段(24)の伝達軸(21)側への伝達トルク量T3
で相殺するよう高速段摩擦係合要素(25)及びクラッチ手
段(24)の伝達トルク量T2,T3を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動車両に係り、
詳しくは、電動機の出力を摩擦係合要素の掴み換えによ
り変速して車輪側に伝達可能なパラレル式ハイブリッド
型車両に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、車両の駆動力源として電動
機(モータ)とともに内燃機関(エンジン)を搭載し、
電動機の出力と内燃機関の出力とを合わせて走行可能な
電動車両、即ちパラレル式ハイブリッド型車両が開発さ
れ実用化されている。このようなパラレル式ハイブリッ
ド型車両では、電動機のみを作動させる運転モード、電
動機と内燃機関とをともに作動させる運転モード等、複
数の運転モードで車両の走行が可能となっている。
【0003】そして、さらに、このようなパラレル式ハ
イブリッド型車両において、電動機の出力を変速機構
(トランスミッション)で摩擦係合要素の掴み換えによ
り変速して出力軸に伝達する構成のものが、特開平5−
229352号公報等により公知となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示されたパラレル式ハイブリッド型車両のように、電
動機の出力を変速する変速機構を備えた電動機付車両
は、電動機の小型化を図ることができる反面、如何に変
速ショックなくスムーズに変速機構を低速段と高速段と
の間で変速させるかが課題となる。
【0005】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、その目的とするところは、電動機の
出力を変速手段により低速段と高速段との間で変速して
出力軸に伝達する際、変速ショックなくスムーズに変速
段を達成可能な電動車両を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1の発明では、電動機の出力を変速手段
による摩擦係合要素の掴み換えにより変速して車輪側に
伝達可能であって内燃機関の出力をクラッチ手段により
選択的に伝達軸に伝達可能な電動車両において、変速手
段を低速段と高速段との間で切り換える際には、制御手
段により、低速段から高速段への切換時に摩擦係合する
高速段摩擦係合要素の伝達トルク量、即ち変速手段の出
力トルクの減少量とクラッチ手段の伝達軸側への伝達ト
ルク量とが略一致するよう高速段摩擦係合要素及びクラ
ッチ手段の伝達トルク量を制御する。
【0007】従って、例えば、電動機の出力を変速手段
により低速段から高速段に変速して出力軸に伝達する際
において、高速段摩擦係合要素に発生する伝達トルク量
がクラッチ手段の伝達トルク量、即ち内燃機関からの伝
達トルク量によって良好に相殺されることになり、当該
低速段から高速段への切換中、伝達軸に伝達される出力
トルクが略一定に保持される。これにより、内燃機関の
出力をも出力軸に付加した状態でありながら、変速ショ
ックなくスムーズに高速段が達成可能とされる。
【0008】また、請求項2の発明では、電動機の出力
を変速手段による摩擦係合要素の掴み換えにより変速し
て車輪側に伝達可能であって内燃機関の出力をクラッチ
手段により選択的に伝達軸に伝達可能な電動車両におい
て、変速手段を低速段と高速段との間で切り換える際に
は、制御手段により、低速段から高速段への切換時に摩
擦係合する高速段摩擦係合要素の伝達トルク量、即ち変
速手段の出力トルクの減少量と電動機の変速前からの伝
達トルク変化量に低速段達成時のギヤ比を乗算した値と
が略一致するよう高速段摩擦係合要素の伝達トルク量及
び電動機のトルクを制御する。
【0009】従って、例えば、電動機の出力を変速手段
により低速段から高速段に変速して出力軸に伝達する際
において、高速段摩擦係合要素に発生する伝達トルク量
が電動機の変速前からの伝達トルク変化量に低速段達成
時のギヤ比を乗算した値によって良好に相殺されること
になり、当該低速段から高速段への切換中、伝達軸に伝
達される出力トルクが変速前の低速段での値で略一定に
保持される。これにより、やはり、内燃機関の出力をも
出力軸に付加した状態でありながら、変速ショックなく
スムーズに高速段が達成可能とされる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づき説明する。図1を参照すると、電動車両の一
つであるパラレル式ハイブリッド型車両の概略構成図が
示されており、以下、同図に基づき本発明の電動車両の
構成を説明する。
【0011】同図に示すように、パラレル式ハイブリッ
ド型車両は駆動力源(パワープラント)としてエンジン
(内燃機関)1とモータジェネレータ(電動機)10を
搭載している。そして、当該パラレル式ハイブリッド型
車両では、エンジン1の出力軸2は、ダンパ装置3、回
転軸12を介して出力切換装置20に接続されており、
モータジェネレータ10の回転軸(伝達軸)13は、回
転軸12に外嵌されてやはり出力切換装置20に接続さ
れている。さらに、出力切換装置20は、出力軸(伝達
軸)21、自動変速機(T/M)38を介して駆動軸4
0に接続されており、当該駆動軸40にはデファレンシ
ャルギヤ42を介して車軸44が接続されている。そし
て、車軸44の両端には駆動輪として一対の車輪46,
46が接続されている。
【0012】エンジン1は、例えば水冷式ガソリンエン
ジンであり、車輪46,46を駆動させ車両を走行させ
ることの可能な十分な最大出力を有したエンジンであ
る。モータジェネレータ10はモータとしてもジェネレ
ータ、即ち発電機としても機能する電動モータであり、
回転軸12と一体にされたロータコイル14の回りをス
テータコイル(励磁コイル)16が取り巻くように構成
されている。つまり、モータジェネレータ10は、ステ
ータコイル16に通電して磁界を形成するとともにロー
タコイル14にも通電して磁界を発生させることで、回
転軸13を回転させるモータとして機能し、ステータコ
イル16に通電して磁界を形成する一方、回転軸13と
一体のロータコイル14を出力軸21を介して伝達され
る車輪46,46からの外力或いはエンジン1の出力に
より回転させ磁界を発生させることで、ロータコイル1
4に電流を生起させる発電機として機能する。
【0013】そして、当該モータジェネレータ10は、
モータとして機能させるときには、ロータコイル14へ
の通電量を変えることで出力トルクを変更でき、一方、
発電機として機能させるときには、ステータコイル16
への通電量を変えることで発電量を調節することが可能
とされている。なお、モータジェネレータ10は上述の
形式に限定されるものではなく、トルクを自在に制御で
きるものであれば如何なる形式のものであってもよい。
例えば、ロータにコイルを持たないモータであってもよ
い。
【0014】自動変速機(T/M)38は、回転軸12
の回転速度を減速或いは増速し、モータジェネレータ1
0側で生起される出力トルクを変更して車輪46,46
側へ伝達するものであり、ここでは、例えば無段自動変
速機が使用される。なお、無段自動変速機は公知であ
り、ここでは説明を省略する。出力切換装置20は、図
2に概略構成図を示すように、クラッチの断接によって
モータジェネレータ10の出力とエンジン1の出力とを
切り換える出力切換機構とモータジェネレータ10の出
力を2段階(低速段、高速段)に変速する変速機構(変
速手段)とから構成されている。
【0015】同図に示すように、出力切換装置20は、
主として油圧クラッチ(クラッチ手段)24、油圧クラ
ッチ(高速段摩擦係合要素)25、プラネタリギヤ26
及び油圧ブレーキ32とから構成されている。詳しく
は、油圧クラッチ24,25及び油圧ブレーキ32は、
構造は全て同一であり、油圧供給ユニット(図示せず)
からの油圧の供給を受けると摩擦係合板(クラッチ板)
の係合、即ち接続が行われ、抜圧されると摩擦係合板の
解放、即ち切断が行われるような一般によく知られた構
成のものである。
【0016】また、プラネタリギヤ26は、プラネット
ギヤ29がサンギヤ27と噛合するとともにリングギヤ
30と噛合するよう構成され、サンギヤ27の回りをキ
ャリア28に回転自在に固定されたプラネットギヤ29
がキャリア28とともにリングギヤ30に沿い公転する
ように構成された遊星歯車装置である。つまり、該プラ
ネタリギヤ26は、キャリア28を固定してサンギヤ2
7を回転させた場合に、リングギヤ30がプラネットギ
ヤ29を介して所定のギヤ比でサンギヤ27と逆方向に
回転するように構成されている。
【0017】そして、当該ハイブリッド型車両では、キ
ャリア28が出力軸21に接続されるとともに油圧クラ
ッチ25を介してリングギヤ30に接続されており、回
転軸12が油圧クラッチ24を介してキャリア28、即
ち出力軸21に接続されており、さらに回転軸13がサ
ンギヤ27に接続されている。また、リングギヤ30は
油圧ブレーキ32を介してハウジング34に接続されて
いる。
【0018】即ち、当該ハイブリッド型車両によれば、
油圧クラッチ24と油圧ブレーキ32とが解放される一
方、油圧クラッチ25が係合された状態では、高速段が
成立し、モータジェネレータ10によるモータ出力に対
し等速で車両を前進及び後進走行可能であり、油圧クラ
ッチ24と油圧クラッチ25とが解放される一方、油圧
ブレーキ32が係合された状態では、低速段が成立し、
モータ出力に対し低速、即ち高トルクで車両を前進及び
後進走行可能である。また、油圧ブレーキ32が解放さ
れる一方、油圧クラッチ24と油圧クラッチ25とが係
合された状態では、エンジン1によるエンジン出力或い
は高速段でのモータ出力にエンジン出力を加えた出力で
車両を前進走行可能であり、油圧クラッチ25が解放さ
れる一方、油圧クラッチ24と油圧ブレーキ32とが係
合された状態では、エンジン1によるエンジン出力或い
は低速段でのモータ出力にエンジン出力を加えた出力で
車両を前進走行可能である。
【0019】電子コントロールユニット(ECU)50
は、中央処理装置(CPU)等からなり、当該ハイブリ
ッド型車両の各種運転制御を司る主制御装置であり、そ
の入力側には、アクセルペダル52に接続されてアクセ
ルペダル52の操作量、即ち運転者の出力要求量である
アクセル開度θaccを検出するアクセルポジションセン
サ(APS)54、車速Vを検出する車速センサ60等
が接続されている。さらに、ECU50には、当該EC
U50及び各種駆動ユニット類を作動させるためのバッ
テリ(二次電池)70が接続されている。なお、当該バ
ッテリ70は、モータジェネレータ10が発電機として
機能したときには、ステータコイル16への通電量に応
じた発電電力が充電され蓄積されるよう接続されてい
る。
【0020】一方、ECU50の出力側には、上述した
モータジェネレータ10のロータコイル14及びステー
タコイル16や出力切換装置20に設けられた油圧供給
ユニットの電磁開閉弁等が接続されている。従って、こ
のように構成されたハイブリッド型車両では、通常は、
APS54からのアクセル開度情報θacc、及び車速セ
ンサ60からの車速情報Vに応じてモータジェネレータ
10やエンジン1の出力制御、即ち車両の加減速制御が
行われることになる。例えば、出力要求量が比較的小さ
いような場合にはモータジェネレータ10によるモータ
出力によってモータ走行が実施され、このとき、変速機
構は低速段とされる。また、出力要求量が大きいような
場合には、モータ出力とともにエンジン1によるエンジ
ン出力によって車両走行が行われる(エンジン+モータ
走行)。
【0021】ところで、当該ハイブリッド型車両では、
エンジン1を使用せずにモータ走行している場合には、
燃費の悪化等を防止するためにエンジン1は停止した状
態にされており、故に、エンジン出力を使用する場合に
は、油圧クラッチ24を係合させるとともにモータ出力
によってエンジン1を始動させる必要がある。しかしな
がら、上述したように、エンジン1の始動には大きなト
ルクが必要である一方、最近の傾向からモータジェネレ
ータ10は小型化している。従って、当該ハイブリッド
型車両にあっては、エンジン1の始動時において、油圧
クラッチ25を解放し油圧ブレーキ32を係合させて変
速機構を低速段とし、油圧クラッチ24を係合させるよ
うにしてモータジェネレータ10のトルクがエンジン1
に十分作用するようにし、その後エンジン1が始動した
ら、油圧ブレーキ32を解放し油圧クラッチ25を係合
させ、変速機構を通常の状態、即ち高速段に戻すように
している。これにより、エンジン1が十分なトルクで確
実に始動し、モータ出力とともにエンジン出力で車両走
行が可能となる。
【0022】ところが、出力切換装置20の変速機構を
低速段から高速段に変速する際には、エンジン出力も付
加されて出力軸21に伝達されているため、単純に油圧
ブレーキ32を解放して油圧クラッチ25を係合させる
だけでは、出力軸21に伝達される出力トルクが大きく
変動してしまう。そこで、本発明の電動車両では、出力
切換装置20の変速機構を低速段から高速段に変速する
際の当該出力トルクの変動を抑えるように図っている。
【0023】以下、上記のように構成された本発明の電
動車両の作用、即ち、ECU50が実行する、出力切換
装置20の変速機構を低速段から高速段に変速する際の
本発明に係る出力トルク制御(制御手段)について説明
する。先ず、第1実施形態について説明する。ECU5
0からの指令により、油圧クラッチ25が解放され油圧
ブレーキ32が係合されて変速機構が低速段とされ、さ
らに油圧クラッチ24が係合されると、エンジン1の始
動が行われる。さらに、当該第1実施形態では、その後
に一旦油圧クラッチ24を解放するようにする。
【0024】そして、この状態から、油圧ブレーキ32
の係合を徐々に解放し、油圧クラッチ25を徐々に係合
するようにして変速機構を高速段側に移行させ、油圧ク
ラッチ24を再び徐々に係合させるようにする。図3を
参照すると、このときのサンギヤ25(S)、リングギ
ヤ27(R)における各トルク量、及びキャリア26
(C)におけるトルク量、即ち出力トルクToがサンギ
ヤ25(S)とキャリア26(C)間のギヤ比をρとし
て模式的に示されているが、このように、変速機構が高
速段側に移行し始めた時点では、各受け持ちトルクは同
図に示すような関係となっている。なお、図中、Tmは
モータトルクを、T1は油圧ブレーキ32の伝達トルク
を、T2は油圧クラッチ25の伝達トルクを、T3は油圧
クラッチ24の伝達トルクを示しており、該油圧クラッ
チ24の伝達トルクT3は、この場合エンジントルクTe
を示している。
【0025】この関係をプラネタリギヤ26のバランス
に基づき{(トルク)×(腕の長さ)}の釣り合いの式
で示すと次式(1)のようになる。 ρ・Tm=1・(T1+T2) …(1) また、入出力トルクの釣り合いの式を示すと次式(2)の
ようになる。 Tm+T1+T2+T3=To+T2 …(2) さらに、これら式(1)及び式(2)から出力トルクToを左
辺として次式(3)が導かれる。
【0026】To=(1+ρ)・Tm−T2+T3 …(3) ところで、変速機構が低速段であって油圧ブレーキ32
が係合され油圧クラッチ25が解放され、さらに油圧ク
ラッチ24も解放されているとき、即ち変速機構の低速
段から高速段への変速開始時点においては、油圧クラッ
チ25の伝達トルクT2及び油圧クラッチ24の伝達ト
ルクT3は共に値0であり、この場合には、出力トルク
Toは式(3)より{To=(1+ρ)・Tm}である。
【0027】このことは、当該出力トルクTo{即ち、
To=(1+ρ)・Tm}を変速機構の変速中保持するよ
うにすれば、出力トルクToの変動は抑制できることを
意味している。そして、そのためには、式(3)より、モ
ータトルクTmを一定に保持して伝達トルクT2(高速段
摩擦係合要素の伝達トルク量)と伝達トルクT3(クラ
ッチ手段の伝達トルク量)とを互いに相殺するようにす
ればよいことがわかる。
【0028】従って、ここでは、変速中はモータトルク
Tmを一定に保持するようにし、さらに伝達トルクT2と
伝達トルクT3とを略一致させるようにして油圧クラッ
チ24と油圧クラッチ25の係合制御を行う。つまり、
油圧クラッチ24と油圧クラッチ25とを同じようにし
て徐々に係合させるようにする。なお、ここに、式(3)
において伝達トルクT3を値0とすると、出力トルクTo
は{To=(1+ρ)・Tm−T2}となり、伝達トルク
T2は、即ち変速機構を低速段から高速段に変速する際
の出力トルクToの減少量に相当している。故に、伝達
トルクT2と伝達トルクT3とを略一致させることは、つ
まり出力トルクToの減少量と伝達トルクT3とを略一致
させることを意味する。
【0029】このようにすれば、変速機構を低速段とし
てエンジン1を始動させた後、エンジン出力を付加しな
がら再び変速機構を高速段に戻す場合において、出力ト
ルクToを変動なく{(1+ρ)・Tm}に良好に保持可
能となる。つまり、図4を参照すると、当該制御結果、
即ちモータトルクTm(三点鎖線)を一定に保持し、伝
達トルクT2(破線)及び伝達トルクT3(一点鎖線)を
一致させるように制御した場合の出力トルクTo(実
線)の時間変化が示されているが、このように、伝達ト
ルクT2と伝達トルクT3とを略一致させるように制御す
ることで、エンジン出力を付加しながら変速機構を低速
段から高速段に変速する際において、出力トルクToを
変動なく{(1+ρ)・Tm}に良好に保持可能となる
のである。
【0030】これにより、モータトルクTmを一定に保
持するとともに伝達トルクT2と伝達トルクT3とを略一
致させるという簡単な制御でありながら、エンジン出力
を付加しながら変速機構を低速段から高速段に変速する
場合の変速ショックを確実になくすようにでき、スムー
ズに高速段を達成することが可能となり、車両の乗員が
違和感を覚えることを好適に防止することができること
になる。
【0031】なお、図4中には油圧ブレーキ32が受け
持つ伝達トルクT1(二点鎖線)の時間変化についても
併せて示してあるが、油圧ブレーキ32については、当
該伝達トルクT1の変化に応じて徐々に解放するように
すればよい。また、ここでは油圧ブレーキ32を使用し
ているが、これに代えてワンウェイクラッチを使用して
もよく、このようにすれば出力切換装置20をより一層
簡単な構成として本発明を実現できる。
【0032】ところで、上記第1実施形態では、エンジ
ン出力を付加しながら変速機構を低速段から高速段に変
速する場合について説明したが、これとは逆に、エンジ
ン出力を切り離しながら変速機構を高速段から低速段に
変速する場合であっても、本発明を好適に適用可能であ
る。次に第2実施形態について説明する。
【0033】上記第1実施形態ではモータトルクTmを
一定に保持して伝達トルクT2と伝達トルクT3とを略一
致させるようにしたが、伝達トルクT3を略一定に保持
してモータトルクTmと伝達トルクT2とを所定の関係に
保持するようにすることも可能であり、以下説明する。
ECU50からの指令により、油圧クラッチ25が解放
され油圧ブレーキ32が係合されて変速機構が低速段と
され、さらに油圧クラッチ24が係合されると、エンジ
ン1の始動が行われるが、当該第2実施形態では、油圧
クラッチ24は係合されたままに保持する。
【0034】そして、当該第2実施形態の場合には、こ
の状態から、油圧ブレーキ32の係合を徐々に解放し、
油圧クラッチ25を徐々に係合して変速機構を高速段側
に移行させる。このとき、油圧クラッチ25の係合が開
始された時点では、伝達トルクT2は値0である一方、
エンジントルクTeは伝達トルクT3として出力軸21に
伝達されている。
【0035】即ち、変速機構の低速段から高速段への変
速開始時点では、出力トルクToは式(3)より{To=
(1+ρ)・Tm+T3}である。つまり、変速機構の低
速段から高速段への変速開始直前のモータトルクTmを
Tm0とし、当該出力トルクTo{即ち、To=(1+ρ)
・Tm0+T3}を変速機構の変速中保持するようにして
も、出力トルクToの変動を抑制できることになる。
【0036】この場合、モータトルクTmの変化分をΔ
Tmとすると、式(3)より、次式(4)が導かれる。 To=(1+ρ)・(Tm0+ΔTm)−T2+T3 =(1+ρ)・Tm0+(1+ρ)・ΔTm−T2+T3 …(4) そして、出力トルクToの変動を抑制するためには、当
該式(4)から、伝達トルクT3、即ちエンジントルクTe
を一定に保持し、伝達トルクT2(高速段摩擦係合要素
の伝達トルク量)とモータトルクの変化分ΔTmにサン
ギヤ25とリングギヤ27間のギヤ比(1+ρ)を乗算
した値{(1+ρ)・ΔTm}(電動機の変速前からの
伝達トルク変化量に低速段達成時のギヤ比を乗算した
値)とを互いに相殺するようにすればよいことがわか
る。
【0037】従って、ここでは、変速中は伝達トルクT
3、即ちエンジントルクTeを一定に保持するようにし、
さらに伝達トルクT2、即ち出力トルクToの減少量と
{(1+ρ)・ΔTm}とを略一致させるようにしてモ
ータジェネレータ10によるモータトルクTmの制御と
油圧クラッチ25の係合とを徐々に行うようにする。こ
のようにすれば、変速機構を低速段としてエンジン1を
始動させた後、エンジン出力を付加しながら再び変速機
構を高速段に戻す場合において、出力トルクToを変動
なく{(1+ρ)・Tm0+T3}に良好に保持可能とな
る。
【0038】つまり、図5を参照すると、当該制御結
果、即ち伝達トルクT3(エンジントルクTe)を一定に
保持する一方、モータトルクTm(三点鎖線)を変化さ
せ、伝達トルクT2(破線)及びモータトルクTmの変化
分ΔTmによる{(1+ρ)・ΔTm}(一点鎖線)を一
致させるように制御した場合の出力トルクTo(実線)
の時間変化が示されているが、このように、伝達トルク
T2と{(1+ρ)・ΔTm}とを略一致させるように制
御するようにしても、エンジン出力を付加しながら変速
機構を低速段から高速段に変速する際において、出力ト
ルクToを変動なく良好に保持可能となるのである。
【0039】これにより、伝達トルクT3、即ちエンジ
ントルクTeを一定に保持するとともにモータトルクTm
の変化分ΔTmによる{(1+ρ)・ΔTm}と伝達トル
クT2とを略一致させるという簡単な制御でありなが
ら、当該第2実施形態においても上記第1実施形態の場
合と同様に、エンジン出力を付加しながら変速機構を低
速段から高速段に変速する場合の変速ショックを確実に
なくすようにでき、スムーズに高速段を達成することが
可能となり、車両の乗員が違和感を覚えることを好適に
防止することができることとなる。
【0040】なお、図5中には上記図4の場合と同様に
伝達トルクT1(二点鎖線)の時間変化についても併せ
て示してあるが、油圧ブレーキ32については、当該伝
達トルクT1に応じて上記同様に制御すればよい。ま
た、この場合にも、油圧ブレーキ32に代えてワンウェ
イクラッチを使用してもよく、これにより出力切換装置
20をより一層簡単な構成として本発明を実現できる。
【0041】ところで、上記第2実施形態では、変速機
構を低速段から高速段に変速する場合について説明した
が、これとは逆に、変速機構を高速段から低速段に変速
する場合であっても、本発明を好適に適用可能である。
また、上記各実施形態では、変速手段として2段変速式
のものを採用した例を示したが、3段以上の多段変速式
のものを採用してもよい。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1及び請求項2の電動車両によれば、電動機の出力
を変速手段による摩擦係合要素の掴み換えにより変速し
て車輪側に伝達可能であって内燃機関の出力をクラッチ
手段により選択的に伝達軸に伝達可能な電動車両におい
て、電動機の出力を変速手段により低速段と高速段との
間で変速して出力軸に伝達する際、高速段摩擦係合要素
に発生する伝達トルク量を良好に相殺して伝達軸に伝達
される出力トルクを略一定に保持でき、変速段を変速シ
ョックなくスムーズに達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動車両の概略構成図である。
【図2】図1中の出力切換装置を示す詳細図である。
【図3】変速機構の低速段から高速段への変速が開始さ
れた時点での変速サンギヤ25(S)、リングギヤ27
(R)における各トルク量、及びキャリア26(C)に
おけるトルク量、即ち出力トルクToをそれぞれ示す模
式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る出力トルク制御の
制御結果を示す図であって、モータトルクTm(三点鎖
線)を一定に保持し、伝達トルクT2(破線)及び伝達
トルクT3(一点鎖線)を一致させるように制御した場
合の出力トルクTo(実線)の時間変化を示すタイムチ
ャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る出力トルク制御の
制御結果を示す図であって、伝達トルクT3(エンジン
トルクTe)を一定に保持する一方、モータトルクTm
(三点鎖線)を変化させ、伝達トルクT2(破線)及び
モータトルクTmの変化分ΔTmによる{(1+ρ)・Δ
Tm}を一致させるように制御した場合の出力トルクTo
(実線)の時間変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 10 モータジェネレータ(電動機) 20 出力切換装置(変速手段) 21 出力軸(伝達軸) 24 油圧クラッチ(クラッチ手段) 25 油圧クラッチ(高速段摩擦係合要素) 26 プラネタリギヤ 32 油圧ブレーキ 50 電子コントロールユニット(ECU) 70 バッテリ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60L 15/20 F02D 29/00 H F02D 29/00 29/02 D 29/02 B60K 9/00 E F16D 48/02 F16D 25/14 640K (72)発明者 澤瀬 薫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 後田 祐一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両駆動用に設けられた内燃機関及び電
    動機と、 前記電動機の出力を駆動輪側に伝達する伝達軸と、 摩擦係合要素の摩擦係合状態の切り換えにより、前記電
    動機の出力を少なくとも2段以上の変速段で変速して前
    記伝達軸に伝達可能な変速手段と、 前記内燃機関の出力を選択的に前記伝達軸に伝達するク
    ラッチ手段と、 前記変速手段を低速段と高速段との間で切り換える際、
    低速段から高速段への切換時に摩擦係合する高速段摩擦
    係合要素の伝達トルク量に相当する前記変速手段の出力
    トルクの減少量と前記クラッチ手段の前記伝達軸側への
    伝達トルク量とが略一致するよう前記高速段摩擦係合要
    素及び前記クラッチ手段の伝達トルク量を制御する制御
    手段と、 を備えたことを特徴とする電動車両。
  2. 【請求項2】 車両駆動用に設けられた電動機と、 前記電動機の出力を駆動輪側に伝達する伝達軸と、 摩擦係合要素の摩擦係合状態の切り換えにより、前記電
    動機の出力を少なくとも2段以上の変速段で変速して前
    記伝達軸に伝達可能な変速手段と、 前記変速手段を低速段と高速段との間で切り換える際、
    低速段から高速段への切換時に摩擦係合する高速段摩擦
    係合要素の伝達トルク量に相当する前記変速手段の出力
    トルクの減少量と前記電動機の変速前からの伝達トルク
    変化量に低速段達成時のギヤ比を乗算した値とが略一致
    するよう前記高速段摩擦係合要素の伝達トルク量及び前
    記電動機のトルクを制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする電動車両。
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