JP2000220417A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2000220417A
JP2000220417A JP2606699A JP2606699A JP2000220417A JP 2000220417 A JP2000220417 A JP 2000220417A JP 2606699 A JP2606699 A JP 2606699A JP 2606699 A JP2606699 A JP 2606699A JP 2000220417 A JP2000220417 A JP 2000220417A
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JP
Japan
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tube
oil passage
advance
oil
camshaft
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JP2606699A
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English (en)
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Takeshi Kotaka
剛 小鷹
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バルブの開閉タイミングが最も遅くされた状態
から同バルブの開閉タイミングを早くしていく場合にお
いて、可変バルブタイミング機構の応答性を向上するこ
とのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供
する。 【解決手段】進角側チューブ油路47は径線R1に沿っ
てチューブ15を貫通している。進角側半月油溝51は
カムシャフト11にその回転断面内において中心線O1
と対称に形成されている。進角側シャフト油路52はカ
ムシャフト11の内部に形成されている。カムシャフト
11は、最遅角状態において径線R1と中心線O1との
なす角度θDの大きさが、最進角状態において同径線R
1と中心線O1とのなす角度θPの大きさよりも小さく
なるようにチューブ15内に配置されている。そして、
最遅角状態における進角側チューブ油路47と進角側シ
ャフト油路52との間の距離L1は、最進角状態におけ
る同距離L2よりも短くされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転中
に同機関の気筒に設けられたバルブの開閉タイミングを
変更制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のバルブタイミング制御
装置としては、例えば図11〜図13に示されるものが
知られている。
【0003】図11は、従来のバルブタイミング制御装
置が備える吸気側カムシャフト111、並びに同カムシ
ャフト111に設けられたカムスプロケット112、ド
ライブギヤ113及び可変バルブタイミング機構114
等を示す断面図である。
【0004】同図に示されるように、吸気側カムシャフ
ト111はチューブ115に回動可能に挿入されてい
る。上記チューブ115は、そのジャーナル部115a
においてシリンダヘッド116の軸受け部116a及び
カムシャフトキャップ117の軸受け部117aによっ
て回転可能に支持されている。このチューブ115には
前記ドライブギヤ113が固定されている。このドライ
ブギヤ113は吸気側カムシャフト111と排気側カム
シャフトとを駆動連結するためのものである。また、上
記チューブ115には前記カムスプロケット112が固
定されている。このカムスプロケット112はタイミン
グチェーンを介して内燃機関の出力軸であるクランクシ
ャフトに設けられたクランクシャフトギヤと上記チュー
ブ115とを駆動連結するためのものである。
【0005】上記カムスプロケット112には、前記可
変バルブタイミング機構114が設けられている。この
可変バルブタイミング機構114は、チューブ115
(カムスプロケット112及びドライブギヤ113)と
吸気側カムシャフト111とを相対回動させることによ
り、吸気バルブの開閉タイミングを変更するためのもの
である。
【0006】すなわち、可変バルブタイミング機構11
4は、上記カムスプロケット112に一体に連結された
ハウジング121と、このハウジング121内に回動自
在に収容されたベーン体122とによって構成されてい
る。ベーン体122は、上記吸気側カムシャフト111
に一体に連結されている。上記ハウジング121には図
12に示すように複数の凹部123が形成されている。
一方、上記ベーン体122には複数のベーン124が形
成されている。そして、ベーン体122のハウジング1
21内への収容は、上記凹部123に上記ベーン124
が収容される態様でなされており、このように各凹部1
23を各ベーン124にて各々区画することにより各ベ
ーン124の両側に圧力室が形成される。このうち、吸
気側カムシャフト111の回転方向と同方向側に形成さ
れた圧力室は遅角側油圧室131となっており、また、
同回転方向と逆方向に形成された圧力室は進角側油圧室
132となっている。そして、形成された各油圧室13
1,132に対する油圧制御に基づきこれらハウジング
121とベーン体122との相対回転位相を変更するこ
とで、チューブ115(カムスプロケット112及びド
ライブギヤ113)と吸気側カムシャフト111とが相
対回動され、吸気バルブの開閉タイミングが変更され
る。
【0007】ここで、上記各油圧室131,132に対
する油圧制御に基づきベーン体122が吸気側カムシャ
フト111の回転方向と同方向に回動すると、同ベーン
体122が固定された吸気側カムシャフト111の回転
位相が上記カムスプロケット112(チューブ115及
びドライブギヤ113)に対して進められ、吸気バルブ
の開閉タイミングが早められる(進角制御)。
【0008】これに対して、ベーン体122が吸気側カ
ムシャフト111の回転方向と逆方向に回動すると、吸
気側カムシャフト111の回転位相が上記カムスプロケ
ット112(チューブ115及びドライブギヤ113)
に対して遅れ、吸気バルブの開閉タイミングが遅らされ
ることとなる(遅角制御)。
【0009】次に、前記進角側油圧室132及び遅角側
油圧室131に油を供給するための油圧通路を構成する
進角側・遅角側各油圧通路P1,P2について説明す
る。シリンダヘッド116の内部には進角側ヘッド油路
141及び遅角側ヘッド油路142が形成されており、
各ヘッド油路141,142はオイルコントロールバル
ブ、オイルポンプ等を介してオイルパンに接続可能とな
っている。
【0010】シリンダヘッド116の軸受け部116a
及びカムシャフトキャップ117の軸受け部117aに
は、上記進角側・遅角側各ヘッド油路141,142の
開口位置にそれぞれ対応して上記チューブ115(ジャ
ーナル部115a)の周方向に延びる油溝145,14
6が形成されており、これら各油溝145,146は前
記チューブ115のジャーナル部115aによって囲ま
れている。
【0011】チューブ115には、上記油溝145の形
成位置に対応した径線R11(図13参照)方向に貫通
する進角側チューブ油路147が形成されている。ま
た、チューブ115には、上記油溝146の形成位置に
対応した径線方向に貫通する遅角側チューブ油路148
が形成されている。そして、これら各チューブ油路14
7,148は前記吸気側カムシャフト111によって囲
まれている。
【0012】吸気側カムシャフト111には、上記進角
側チューブ油路147の開口位置に対応して、その回転
断面内において所定の中心線O11と対称に、略半月状
に切り欠き形成された進角側半月油溝151が形成され
ている。また、吸気側カムシャフト111の内部には、
この進角側半月油溝151の中心側において、同吸気側
カムシャフト111の軸線方向に伸び、先端側(図11
の右側)が前記進角側油圧室132へと連通される断面
円形の進角側シャフト油路152が形成されている。従
って、進角側ヘッド油路141から供給される油は、油
溝145、進角側チューブ油路147、進角側半月油溝
151及び進角側シャフト油路152を介して上記進角
側油圧室132に供給されている。そして、上記進角側
ヘッド油路141、油溝145、進角側チューブ油路1
47、進角側半月油溝151及び進角側シャフト油路1
52によって、前記進角側油圧通路P1が構成されてい
る。なお、進角側シャフト油路152は、その中心軸が
上記中心線O11と交わるように配置されている。
【0013】一方、吸気側カムシャフト111には、上
記遅角側チューブ油路148の開口位置に対応して、略
半月状に切り欠き形成された遅角側半月油溝153が形
成されている。また、吸気側カムシャフト111の内部
には、この遅角側半月油溝153の中心側において、同
吸気側カムシャフト111の軸線方向に伸び、先端側
(図11の右側)が前記遅角側油圧室131へと連通さ
れる断面円形の遅角側シャフト油路154が形成されて
いる。従って、遅角側ヘッド油路142から供給される
油は、油溝146、遅角側チューブ油路148、遅角側
半月油溝153及び遅角側シャフト油路154を介して
上記遅角側油圧室131に供給されている。そして、上
記遅角側ヘッド油路142、油溝146、遅角側チュー
ブ油路148、遅角側半月油溝153及び遅角側シャフ
ト油路154によって、前記遅角側油圧通路P2が構成
されている。
【0014】なお、上記各油圧室131,132に対す
る油の供給又は排出は、上記進角側・遅角側各油圧通路
P1,P2と、上記オイルポンプ及び上記オイルパンと
の連通状態を上記オイルコントロールバルブによって切
り替えることによって行っている。そして、上記各油圧
室131,132に対する油の供給又は排出を上記オイ
ルコントロールバルブによって選択的に切り替えること
により、前記ハウジング121とベーン体122との相
対回転位相を所要の位相に変更し、吸気バルブも所要の
開閉タイミングに制御している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のバル
ブタイミング制御装置においては、上記チューブ115
と上記吸気側カムシャフト111とは、遅角も進角もさ
れないときの位置を基準にして配置されている。すなわ
ち、図13(a)に示すように、吸気側カムシャフト1
11をチューブ115に対してその回転方向と逆方向に
最大限回動した状態(以下、「最遅角状態」という)に
おいて、前記経線R11と中心線O11とのなす角度の
大きさと、図13(c)に示すように、同吸気側カムシ
ャフト111をチューブ15に対してその回転方向と同
方向に最大限回動した状態(以下、「最進角状態」とい
う)において、前記経線R11と中心線O11とのなす
角度の大きさとは、同一の角度θ11となっている。ま
た、図13(b)に示すように、吸気側カムシャフト1
11をチューブ115に対して最進角状態での配置と最
遅角状態での配置との中間となるように配置し、進角も
遅角もしない状態(以下、「中立状態」という)におい
ては、上記中心線O11の方向は、経線R11の方向と
一致している。
【0016】このように、チューブ115の進角側チュ
ーブ油路147の方向(経線R11方向)と同吸気側カ
ムシャフト111が同チューブと同相にあるときの前記
中心線O11の方向とが一致するように配置しておくこ
とで、図13(a)(c)に示すように、最遅角状態及
び最進角状態において、上記進角側シャフト油路152
と進角側チューブ油路147との距離も長さL11で一
致している。従って、最遅角状態から吸気側カムシャフ
ト111をチューブ115に対して進角させていく場
合、及び、最進角状態から吸気側カムシャフト111を
チューブ115に対して遅角させていく場合において、
進角側チューブ油路147と進角側シャフト油路152
との間を流れる油の圧力損失も同等となっている。
【0017】ここで、最遅角状態から同吸気側カムシャ
フト111をチューブ115に対して進角させていく場
合には、その回転方向に更に回動させる必要があるた
め、より大きな駆動力(油圧力)が必要とされることが
発明者によって確認されている。しかし、駆動力はオイ
ルポンプ等の性能に制限されているため、このときに余
分に必要とされる駆動力の分だけ可変バルブタイミング
機構114の応答性が悪くなる。従って、このように余
分に必要とされる駆動力を補償するために、最遅角状態
から吸気側カムシャフト111をチューブ115に対し
て進角させていく場合において、上記圧力損失を低減し
て可変バルブタイミング機構114の応答性を改善する
ことが考えられる。
【0018】本発明の目的は、バルブの開閉タイミング
が最も遅くされた状態から同バルブの開閉タイミングを
早くしていく場合において、可変バルブタイミング機構
の応答性を向上することのできる内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、内燃機関の出力軸に駆動
連結されたチューブと、同チューブに回動可能に挿入さ
れてバルブを開閉駆動させるカムシャフトとを、可変バ
ルブタイミング機構により相対回動して同バルブの開閉
タイミングを早くするとき、同可変バルブタイミング機
構への油の供給は、同チューブに貫設され、そのカムシ
ャフト側は同チューブの所定の径線が通る位置に開口す
る進角側チューブ油路、同カムシャフトにその回転断面
内において所定の中心線と対称に形成された進角側対称
油路、及び、同進角側対称油路の中心側に開口して同カ
ムシャフトの内部に形成された進角側シャフト油路を介
してなされる内燃機関のバルブタイミング制御装置にお
いて、前記バルブの開閉タイミングが最も遅くなったと
きに前記径線と前記中心線とのなす角度の大きさを、同
バルブの開閉タイミングが最も早くなったときに同径線
と中心線とのなす角度の大きさよりも小さくし、同バル
ブの開閉タイミングが最も遅くなったときの前記進角側
チューブ油路と前記進角側シャフト油路との間の長さ
が、同バルブの開閉タイミングが最も早くなったときの
同進角側チューブ油路と進角側シャフト油路との間の長
さよりも短くなるようにしたことをその要旨とする。
【0020】同構成によれば、例えば上記バルブの開閉
タイミングが最も遅くなったときに上記径線と上記中心
線とのなす角度の大きさと、同バルブの開閉タイミング
が最も早くなったときに同径線と中心線とのなす角度の
大きさとを同等とし、これら各開閉タイミングにおける
上記進角側チューブ油路と上記進角側シャフト油路との
間の長さが同等となるようにした場合に比べ、同バルブ
の開閉タイミングが最も遅くなったときの同進角側チュ
ーブ油路と同進角側シャフト油路との間の長さは短くな
る。従って、上記バルブの開閉タイミングが最も遅くな
った状態から同開閉タイミングを早くしていくときに上
記進角側チューブ油路から上記進角側シャフト油路へと
流れる油の圧力損失は低減される。このため、上記バル
ブの開閉タイミングが最も遅くされた状態から同開閉タ
イミングを早くするときの可変バルブタイミング機構の
応答性は向上される。
【0021】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
進角側チューブ油路は前記チューブの回転断面内におい
て前記径線方向に対して傾斜した方向に形成されたこと
をその要旨とする。
【0022】同構成によれば、上記進角側チューブ油路
は上記チューブの回転断面内において上記径線方向に対
して傾斜した方向に形成されている。従って、上記進角
側チューブ油路を、例えば上記径線方向に沿って形成し
た場合に比べ、同進角側チューブ油路内を流れる油の圧
力(油圧力)が上記チューブ(カムシャフト)の回転に
伴う遠心力によって低減されることは抑制される。
【0023】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
進角側チューブ油路は、前記チューブとその軸受け部と
の間に周設された油溝に連通しており、該進角側チュー
ブ油路の該油溝側は前記径線方向に対して前記チューブ
の回転方向側に傾斜した方向に形成されたことをその要
旨とする。
【0024】同構成によれば、上記進角側チューブ油路
の上記油溝側は、上記径線に対して上記チューブの回転
方向側に傾斜して形成されている。従って、上記チュー
ブが回転している状態においては、上記油溝を上記回転
方向と反対方向に流れて上記進角側チューブ油路に流入
した油には、その流れを促進する方向に力が生じる。そ
して、この力により、上記進角側チューブ油路内を上記
油溝側から上記進角側対称油路側へと流れる油の圧力
(油圧力)は増幅される。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
内燃機関のバルブタイミング制御装置に具体化した第1
実施形態について図1〜図6に従って説明する。
【0026】図1は、本実施形態における内燃機関とし
ての自動車用エンジン(以下、「エンジン」という)の
バルブタイミング制御装置が備える吸気側カムシャフト
11、並びに同カムシャフト11に設けられたカムスプ
ロケット12、ドライブギヤ13及びベーン式可変バル
ブタイミング機構(以下、「VVT機構」という)14
等を示す断面図であり、図2及び図3はそれぞれ図1の
2−2線、3−3線に沿った断面図である。
【0027】図1に示されるように、吸気側カムシャフ
ト11は、その外径に応じた内径を有して略円筒状に形
成されたチューブ15に回動可能に挿入されている。上
記チューブ15の基端側(図1の左側)は、拡径部15
aによりその外周側が拡径されている。また、上記チュ
ーブ15の先端側(図1の右側)には、その外周側に広
がるフランジ15bが形成されている。なお、上記チュ
ーブ15の拡径部15aとフランジ15bとの間はジャ
ーナル部15cとなっている。
【0028】上記チューブ15は、そのジャーナル部1
5cにおいてシリンダヘッド16の上端面及びカムシャ
フトキャップ17によって回転可能に支持されている。
すなわち、図3に示されるように、チューブ15の下側
(図3の下側)半分は、同チューブ15の外径に応じた
内径にて上記シリンダヘッド16の上端面を半円形状に
切り欠かいて形成された軸受け部16aの上に支持され
ており、同チューブ15の上側(図3の上側)半分は、
同じくチューブ15の外径に応じた内径にて上記カムシ
ャフトキャップ17を半円形状に切り欠かいて形成され
た軸受け部17aによって覆われて支持されている。な
お、このように支持されたチューブ15の軸方向(図1
の左右方向)への移動は上記拡径部15aとフランジ1
5bとによって規制されている。
【0029】上記チューブ15の拡径部15aには前記
ドライブギヤ13が外嵌されて同チューブ15に固定さ
れている。このドライブギヤ13は図示しない排気側カ
ムシャフトに固着されたドリブンギヤと駆動連結されて
おり、上記吸気側カムシャフト11と同排気側カムシャ
フトとを駆動連結している。
【0030】一方、上記チューブ15のフランジ15b
の先端側(図1の右側)には上記吸気側カムシャフト1
1に対して回動可能にカムスプロケット12が固着され
ている。このカムスプロケット12は図示しないタイミ
ングチェーンを介してエンジンの出力軸であるクランク
シャフトに設けられたクランクシャフトギヤと駆動連結
されており、同クランクシャフトギヤと上記チューブ1
5とを駆動連結している。
【0031】以上により、クランクシャフト(クランク
シャフトギヤ)の回転は、カムスプロケット12(チュ
ーブ15)に伝達され、更にドライブギヤ13を介して
排気側カムシャフトに伝達されるようになっている。
【0032】上記カムスプロケット12の先端側(図1
の右側)には、前記VVT機構14が設けられている。
このVVT機構14は、チューブ15(カムスプロケッ
ト12及びドライブギヤ13)と吸気側カムシャフト1
1とを相対回動させることにより、吸気バルブの開閉タ
イミング(以下、「バルブタイミング」という)を変更
するためのものである。
【0033】VVT機構14は、上記カムスプロケット
12に一体に連結されたハウジング21と、このハウジ
ング21内に回動自在に収容され、ナット22によって
上記吸気側カムシャフト11に一体に締結されたベーン
体23とによって構成されている。
【0034】ハウジング21は、全体が有底円筒状を呈
しており、その底面21aをベーン体23の先端側(図
1の右側)側面が摺動するようになっている。そして、
このハウジング21とカムスプロケット12とは、吸気
側カムシャフト11を回転軸とした一体回転が可能とな
っている。また、ベーン体23は、上記ナット22によ
る締結によって、吸気側カムシャフト11と一体回転が
可能となっている。
【0035】図2に示されるように、VVT機構14の
ベーン体23は、同ベーン体23の中心に位置した円環
状をなして前記吸気側カムシャフト11に固定される固
定部24と、同固定部24の外周部に扇状に形成された
ベーン25とを備えている。
【0036】一方、ハウジング21には、吸気側カムシ
ャフト11の軸心に向けて突出した突状部26が形成さ
れている。この突状部26の内周面は前記固定部24の
外周面に摺接している。突状部26の対向する内壁の間
は凹部27となっている。前記ベーン25は凹部27内
に配置されており、同ベーン25の外周面はハウジング
21の内周面に摺接している。そして、ベーン25によ
って凹部27は、2つの圧力室に区画されている。この
うち、吸気側カムシャフト11の回転方向と同方向側に
形成された圧力室は遅角側油圧室31となっており、ま
た、上記回転方向と逆方向側に形成された圧力室は進角
側油圧室32となっている。
【0037】前記各油圧室31,32の内部には、後述
する各油圧通路P1,P2を通じて油が供給されるよう
になっており、ベーン体23は、これら各油圧室31,
32に供給された油の油圧の大きさに応じて、吸気側カ
ムシャフト11の軸回りの双方向に回動可能となってい
る。
【0038】ここで、ベーン体23が吸気側カムシャフ
ト11の回転方向と同方向(以下、この回転方向を「進
角回転方向」とする)に相対回動すると、同ベーン体2
3が固定された吸気側カムシャフト11の回転位相が上
記カムスプロケット12(チューブ15及びドライブギ
ヤ13)に対して進められ、バルブタイミングが早めら
れる。
【0039】これに対して、ベーン体23が吸気側カム
シャフト11の回転方向と逆方向(以下、この回転方向
を「遅角回転方向」とする)に相対回動すると、吸気側
カムシャフト11の回転位相が上記カムスプロケット1
2(チューブ15及びドライブギヤ13)に対して遅
れ、バルブタイミングが遅らされることとなる。
【0040】次に、前記進角側油圧室32及び遅角側油
圧室31に油を供給するための油圧通路を構成する進角
側・遅角側各油圧通路P1,P2、並びにこれら油圧通
路P1,P2を通じて油を供給するためのオイルポンプ
35及び前記油圧通路P1,P2の途中に設けられたオ
イルコントロールバルブ(以下、「OCV」という)3
6等について説明する。
【0041】シリンダヘッド16の内部には進角側ヘッ
ド油路41及び遅角側ヘッド油路42が形成されてお
り、各ヘッド油路41,42はOCV36、オイルポン
プ35、及びオイルストレーナ43を介してオイルパン
44に接続可能となっている。エンジンの運転に伴って
オイルポンプ35が駆動されると、オイルパン44に貯
留されている油はオイルストレーナ43を介してオイル
ポンプ35内に吸引されるとともに、同ポンプ35によ
り加圧されて吐出される。そして、吐出された油はOC
V36によって上記各ヘッド油路41,42へ選択的に
圧送される。
【0042】シリンダヘッド16の軸受け部16a及び
カムシャフトキャップ17の軸受け部17aには、上記
進角側・遅角側各ヘッド油路41,42の開口位置にそ
れぞれ対応して上記チューブ15(ジャーナル部15
c)の周方向に延びる油溝45,46が形成されており
(図1及び図3参照)、これら各油溝45,46は前記
チューブ15のジャーナル部15cによって囲まれてい
る。
【0043】チューブ15には、上記油溝45の形成位
置に対応した径線R1(図5参照)方向に貫通する進角
側チューブ油路47が形成されている。また、チューブ
15には、上記油溝46の形成位置に対応した径線R2
(図5参照)方向に貫通する遅角側チューブ油路48が
形成されている。そして、これら各チューブ油路47,
48は前記吸気側カムシャフト11によって囲まれてい
る。なお、図5に示されるように、上記遅角側チューブ
油路48の貫通方向(径線R2方向)は、進角側チュー
ブ油路47の貫通方向(径線R1方向)を時計回り方向
に約90度ほど回転した方向となっている。
【0044】吸気側カムシャフト11には、上記進角側
チューブ油路47の開口位置に対応して、その回転断面
内において所定の中心線O1と対称に、略半月状に切り
欠き形成された進角側対称油路としての進角側半月油溝
51が形成されている。また、吸気側カムシャフト11
の内部には、この進角側半月油溝51の中心側におい
て、同吸気側カムシャフト11の軸線方向に伸び、先端
側(図1の右側)が前記進角側油圧室32へと連通され
る断面円形の進角側シャフト油路52が形成されてい
る。従って、進角側ヘッド油路41から供給される油
は、油溝45、進角側チューブ油路47、進角側半月油
溝51及び進角側シャフト油路52を介して上記進角側
油圧室32に供給されている。そして、上記進角側ヘッ
ド油路41、油溝45、進角側チューブ油路47、進角
側半月油溝51及び進角側シャフト油路52によって、
前記進角側油圧通路P1が構成されている。なお、進角
側シャフト油路52は、その中心軸が上記中心線O1と
交わるように配置されている。
【0045】ここで、本実施形態における進角側シャフ
ト油路52は、前記進角側チューブ油路47に対して前
記吸気側カムシャフト11を進角させた側寄りに配置さ
れている。すなわち、図5(a)(イ)、(ハ)に最遅
角状態及び最進角状態をそれぞれ示すように、最遅角状
態において前記経線R1と中心線O1とのなす角度を角
度θDとし、最進角状態において同経線R1と中心線O
1とのなす角度を角度θPとすると、角度θDの大きさ
は角度θPの大きさよりも小さくなるように設定されて
いる。また、図5(a)(ロ)に示すように、中立状態
においては、上記中心線O1の方向は、経線R1の方向
を進角回転方向に角度θN回転させた方向となってい
る。ちなみに、角度θDと角度θPを加算した角度(θ
D+θP)は、チューブ15に対する吸気側カムシャフ
ト11の回動可能な範囲の角度となっている。
【0046】このように、進角側シャフト油路52を、
前記進角側チューブ油路47に対して前記吸気側カムシ
ャフト11を進角させた側寄りに配置しておくことで、
特に最遅角状態における同シャフト油路52と進角側チ
ューブ油路47との距離L1(図5(a)(イ)参照)
は、最進角状態における同距離L2(図5(a)(ハ)
参照)よりも短くなる。従って、最遅角状態から吸気側
カムシャフト11をチューブ15に対して進角させてい
く場合、進角側チューブ油路47から進角側シャフト油
路52へと流れる油の圧力損失は低減される。一般に、
吸気側カムシャフト11を進角回転方向に回動させてい
く場合には、その回転方向に更に回動させる必要がある
ため、より大きな駆動力(油圧力)が必要とされるが、
このように圧力損失を低減したことで、VVT機構14
の応答性は向上される。
【0047】一方、吸気側カムシャフト11には、上記
遅角側チューブ油路48の開口位置に対応して、その回
転断面内において所定の中心線O2と対称に、略半月状
に切り欠き形成された遅角側半月油溝53が形成されて
いる。なお、この中心線O2の方向は、図5に示される
ように、前記中心線O1の方向を時計回り方向に約90
度ほど回転した方向となっている。また、吸気側カムシ
ャフト11の内部には、この遅角側半月油溝53の中心
側において、同吸気側カムシャフト11の軸線方向に伸
び、先端側(図1の右側)が前記遅角側油圧室31へと
連通される断面円形の遅角側シャフト油路54が形成さ
れている。従って、遅角側ヘッド油路42から供給され
る油は、油溝46、遅角側チューブ油路48、遅角側半
月油溝53及び遅角側シャフト油路54を介して上記遅
角側油圧室31に供給されている。そして、上記遅角側
ヘッド油路42、油溝46、遅角側チューブ油路48、
遅角側半月油溝53及び遅角側シャフト油路54によっ
て、前記遅角側油圧通路P2が構成されている。なお、
遅角側シャフト油路54は、その中心軸が上記中心線O
2と交わるように配置されている。
【0048】前述のように、進角側シャフト油路52
は、前記進角側チューブ油路47に対して前記吸気側カ
ムシャフト11を進角させた側寄りに配置されているた
め、図5(b)(イ)〜(ハ)に示されるように、遅角
側シャフト油路54も、前記遅角側チューブ油路48に
対して同様に吸気側カムシャフト11を進角させた側寄
りに配置されている。なお、遅角側シャフト油路54
を、前記遅角側チューブ油路48に対して前記吸気側カ
ムシャフト11を進角させた側寄りに配置すると、最進
角状態において、同シャフト油路54と遅角側チューブ
油路48との距離は長くなるが、最進角状態から吸気側
カムシャフト11をチューブ15に対して遅角させてい
く場合、その回転方向と反対方向に戻すように回動させ
ればよいため、必要とされる駆動力(油圧力)は低減さ
れる。従って、VVT機構14の応答性は好適に維持さ
れる。
【0049】本実施形態では、前記OCV36によって
進角側・遅角側各油圧通路P1,P2と、オイルポンプ
35及びオイルパン44との連通状態を切り換えること
によって同オイルポンプ35から前記各油圧室31,3
2内へ油を供給し、あるいは同油圧室31,32内から
油を排出してオイルパン44に戻すようにしている。
【0050】次に、前記OCV36について図1及び図
4に基づき詳述する。図1に示すように、OCV36を
構成するケーシング60は、第1〜第5のポート61,
62,63,64,65を有している。第1のポート6
1は遅角側ヘッド油路42に連通され、第2のポート6
2は進角側ヘッド油路41に連通されている。また、第
3及び第4のポート63,64はオイルパン44に連通
され、第5のポート65はオイルポンプ35の吐出側に
連通されている。
【0051】ケーシング60の内部には串形のスプール
66が設けられている。このスプール66は円柱状をな
す4つの弁体67を有しており、その軸方向に往復動可
能となっている。また、ケーシング60には、スプール
66を図1に示す第1の作動位置と、図4に示す第2の
作動位置との間で移動させるための電磁ソレノイド68
が設けられている。また、ケーシング60内にはスプリ
ング69が設けられており、このスプリング69により
スプール66は第1の作動位置側へ向けて付勢されてい
る。
【0052】エンジンの運転状態を統括制御する電子制
御装置(以下「ECU」という)70は、電磁ソレノイ
ド68の駆動態様をデューティ制御する。すなわちEC
U70は、電磁ソレノイド68に対する通電を停止(デ
ューティ比が0%)することにより、スプール66の位
置を第1の作動位置に保持する。これにより、図1に示
すように、進角側ヘッド油路41が第2のポート62及
び第5のポート65を介してオイルポンプ35の吐出側
に接続される一方で、遅角側ヘッド油路42が第1のポ
ート61及び第3のポート63を介してオイルパン44
に接続される。その結果、進角側油圧室32内には進角
側油圧通路P1を通じて油が供給される一方で、遅角側
油圧室31内の油は遅角側油圧通路P2を通じてオイル
パン44に戻される。
【0053】また、ECU70は、電磁ソレノイド68
の駆動態様を100%のデューティ比で駆動することに
より、スプール66の位置を第2の作動位置に保持す
る。これにより、図4に示すように、遅角側ヘッド油路
42は第1のポート61及び第5のポート65を介して
オイルポンプ35の吐出側に接続され、進角側ヘッド油
路41は第2のポート62及び第4のポート64を介し
てオイルパン44に接続される。その結果、遅角側油圧
室31内には遅角側油圧通路P2を通じて油が供給され
る一方で、進角側油圧室32内の油は進角側油圧通路P
1を通じてオイルパン44に戻される。
【0054】更にECU70は、電磁ソレノイド68を
50%のデューティ比で駆動することにより、スプール
66の位置を中間位置に保持する。これにより、スプー
ル66の弁体67は、第1及び第2のポート61,62
を閉塞する。その結果、進角側油圧室32及び遅角側油
圧室31に対する油の供給及び排出は行われず、両油圧
室31,32の油圧は現在の状態に保持される。ちなみ
に、実際の上記油圧の保持のためには、VVT機構14
からの意図せぬ油の漏出分を補給するために、両油圧通
路P1,P2に適宜、油を供給している。
【0055】次に、本実施形態におけるバルブタイミン
グ、すなわちチューブ15に対する吸気側カムシャフト
11の相対回動の制御態様の一例について、図6を参照
して説明する。なお、同図6は、エンジンに設けられた
エアフローメータ及び回転数センサによりそれぞれ検出
される吸入空気量GA及びエンジン回転数NEに基づ
き、チューブ15に対して吸気側カムシャフト11を相
対回動させるときの目標角度VTTを示すマップであ
る。このマップは、前記ECU70が備えるメモリ内に
予め記憶されている。また、同図6に併せ記した曲線C
は、例えば40km/h(キロメートル毎時)で走行す
る自動車が、加速状態に移行した際にその加速性能を向
上するために設定される上記目標角度VTTの推移を示
したものである。なお、同図6に示した目標角度VTT
は、チューブ15に対して吸気側カムシャフト11を相
対回動させるときの実際の目標角度をクランクシャフト
の回転角度(°CA)に換算したものとして記載してい
る。そして、前記最遅角状態のときを角度0°CA、最
進角状態のときを角度60°CA、中立状態のときを角
度30°CAで表している。
【0056】同図6に示されるように、40km/hで
走行する自動車が、加速状態に移行すると、上記目標角
度VTTは、最遅角状態(角度0°CA)から最進角状
態(角度60°CA)へと移行する。この際、前述のよ
うに進角側チューブ油路47から進角側シャフト油路5
2へと流れる油の圧力損失を低減し、VVT機構14の
応答性を向上しているため、吸気側カムシャフト11は
上記目標角度VTTへと迅速に駆動される。これによ
り、自動車の加速性能も向上される。
【0057】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、最遅角状態から吸気側カムシャ
フト11をチューブ15に対して進角させていく場合
に、進角側チューブ油路47から進角側シャフト油路5
2へと流れる油の圧力損失を低減し、VVT機構14の
応答性を向上することができる。
【0058】(2)本実施形態では、吸気側カムシャフ
ト11を目標角度VTTへと迅速に駆動し、自動車の加
速性能を向上することができる。 (第2実施形態)以下、本発明を内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置に具体化した第2実施形態について図7
及び図8に従って説明する。
【0059】なお、説明の便宜上、前記第1実施形態と
同様の構成については同一の符号を付してその説明を一
部省略する。本実施形態においては、前記第1実施形態
の進角側チューブ油路47に代えて、チューブ15(吸
気側カムシャフト11)の回転方向側に傾斜された進角
側チューブ油路81としている。すなわち、図7にその
断面構造を示すように、進角側チューブ油路81の中心
側(進角側半月油溝51側)の開口位置と同外周側(油
溝45側)の開口位置とでなす直線F1の方向は、前記
経線R1の方向をチューブ15(吸気側カムシャフト1
1)の回転方向側に角度θ1だけ傾けた方向となってい
る。このような進角側チューブ油路81を採用した場合
の作用について以下に記載する。
【0060】図7に示されるように、チューブ15(吸
気側カムシャフト11)が回転している状態において
は、上記進角側チューブ油路81内を流れる油に対して
遠心力F(図8参照)が発生する。従って、吸気側カム
シャフト11を進角回転方向側に回動するために、上記
進角側チューブ油路81内を上記油溝45側から上記進
角側半月油溝51側へと流れる油の圧力(油圧力)は、
この遠心力Fによって低減される。上記進角側チューブ
油路81をチューブ15(吸気側カムシャフト11)の
回転方向側に傾斜したことで、遠心力Fによって低減さ
れる上記油圧力は力Fcosθ1に相当する油圧力に抑
制される。
【0061】また、上記進角側チューブ油路81をチュ
ーブ15(吸気側カムシャフト11)の回転方向側に傾
斜したことで、同チューブ15が回転している状態にお
いては、前記油溝45を上記回転方向と反対方向に流れ
て上記進角側チューブ油路81に流入した油には、その
流れを促進する方向に力fが生じる。そして、この力f
が直線F1となす角度を角度αとすると、同力fによ
り、上記進角側チューブ油路81内を上記油溝45側か
ら上記進角側半月油溝51側へと流れる油の圧力(油圧
力)は、力fcosαに相当する油圧力だけ増幅され
る。
【0062】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、前記第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え
て以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、進角側チューブ油路81を傾斜
したことで、チューブ15(吸気側カムシャフト11)
の回転に伴う遠心力Fによる進角側チューブ油路81内
を油溝45側から進角側半月油溝51側へと流れる油の
圧力(油圧力)の低減を抑制することができる。
【0063】(2)本実施形態では、進角側チューブ油
路81をチューブ15(吸気側カムシャフト11)の回
転方向側に傾斜したことで、進角側チューブ油路81内
を油溝45側から進角側半月油溝51側へと流れる油の
圧力(油圧力)を増幅することができる。
【0064】(3)本実施形態では、吸気側カムシャフ
ト11をチューブ15に対して進角させていく場合に、
VVT機構14の応答性を更に向上することができる。
尚、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるも
のではなく、次のように変更してもよい。
【0065】・前記第1実施形態においては、進角側シ
ャフト油路52が進角側チューブ油路47に対して吸気
側カムシャフト11を進角させた側寄りに配置されたこ
とで、遅角側シャフト油路54も、遅角側チューブ油路
48に対して同様に吸気側カムシャフト11を進角させ
た側寄りに配置された。これに対して、進角側シャフト
油路52が進角側チューブ油路47に対して吸気側カム
シャフト11を進角させた側寄りに配置されても、遅角
側シャフト油路54を、遅角側チューブ油路48に対し
て吸気側カムシャフト11を進角させた側寄りにするこ
となく配置しうるように同遅角側シャフト油路54及び
その周辺構造を形成しておいてもよい。
【0066】・前記第2実施形態においては、中心側
(進角側半月油溝51側)の開口位置と外周側(油溝4
5側)の開口位置とでなす直線F1の方向が、経線R1
の方向をチューブ15(吸気側カムシャフト11)の回
転方向側に角度θ1だけ傾けた方向となる進角側チュー
ブ油路81を採用した。これに対して、図9に示される
ように、経線R1方向に貫通して形成された油路82
と、同油路82の外周側(油溝45側)の開口位置にお
いて上記経線R1方向をチューブ15(吸気側カムシャ
フト11)の回転方向側に角度θ2だけ傾けた直線F2
の方向に形成された油路83からなる進角側チューブ油
路84を採用してもよい。この場合、特に油路83を流
れる油に対して、前記第2実施形態の(1)及び(2)
の効果と同様の効果を得ることができる。
【0067】・前記第2実施形態においては、中心側
(進角側半月油溝51側)の開口位置と外周側(油溝4
5側)の開口位置とでなす直線F1の方向が、経線R1
の方向をチューブ15(吸気側カムシャフト11)の回
転方向側に角度θ1だけ傾けた方向となる進角側チュー
ブ油路81を採用した。この進角側チューブ油路81に
加えて、図10に示されるように、進角側チューブ油路
81の外周側(油溝45側)の開口位置において上記直
線F1方向を更にチューブ15(吸気側カムシャフト1
1)の回転方向側に角度θ3だけ傾けた直線F3の方向
に油路85が形成された進角側チューブ油路86を採用
してもよい。この場合、特に油路85を流れる油に対し
て、前記第2実施形態の(1)及び(2)の効果を著し
く増大することができる。
【0068】・前記第2実施形態においては、中心側
(進角側半月油溝51側)の開口位置と外周側(油溝4
5側)の開口位置とでなす直線F1の方向が、経線R1
の方向をチューブ15(吸気側カムシャフト11)の回
転方向側に角度θ1だけ傾けた方向となる進角側チュー
ブ油路81を採用した。これに対して、上記直線F1の
方向が、経線R1の方向をチューブ15(吸気側カムシ
ャフト11)の回転方向と反対方向側に角度θ1だけ傾
けた方向となる進角側チューブ油路を採用してもよい。
【0069】・前記各実施形態においては、油溝45を
軸受け部16a,17a側に形成したが、これは吸気側
カムシャフトの周方向に伸びる油溝としてもよい。 ・前記各実施形態においては、略半月状の進角側半月油
溝51としたが、これは前記中心線O1と対称であり、
且つ、チューブ15に対する吸気側カムシャフト11の
回動範囲において進角側チューブ油路47と連通するの
であればその他の形状の油路であってもよい。
【0070】・VVT機構としてはベーン式のものに限
らずリングギヤ式のものなども適宜採用することができ
る。 ・前記第2実施形態においては、進角側シャフト油路5
2を進角側チューブ油路47に対して吸気側カムシャフ
ト11を進角させた側寄りに配置したものを採用した
が、このように配置しておく必要は必ずしもない。
【0071】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)内燃機関の出力軸に駆動連結されたチューブと、
同チューブに回動可能に挿入されてバルブを開閉駆動さ
せるカムシャフトとを、可変バルブタイミング機構によ
り相対回動して同バルブの開閉タイミングを早くすると
き、同可変バルブタイミング機構への油の供給は、同チ
ューブに貫設された進角側チューブ油路を介してなされ
る内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
進角側チューブ油路は前記チューブの回転断面内におい
てその径線方向に対して傾斜した方向に形成されたこと
を特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0072】同構成によれば、上記進角側チューブ油路
は上記チューブの回転断面内において上記径線方向に対
して傾斜した方向に形成されている。従って、上記進角
側チューブ油路を、例えば上記径線方向に沿って形成し
た場合に比べ、上記進角側チューブ油路内をチューブの
外周側から中心側へと流れる油の圧力(油圧力)が上記
チューブ(カムシャフト)の回転に伴う遠心力によって
低減されることは抑制される。
【0073】(ロ)上記(イ)において、前記進角側チ
ューブ油路は、前記チューブとその軸受け部との間に周
設された油溝に連通しており、該進角側チューブ油路の
該油溝側は前記径線方向に対して前記チューブの回転方
向側に傾斜した方向に形成されたことを特徴とする内燃
機関のバルブタイミング制御装置。
【0074】同構成によれば、上記進角側チューブ油路
の上記油溝側は、上記径線に対して上記チューブの回転
方向側に傾斜して形成されている。従って、上記チュー
ブが回転している状態においては、上記油溝を上記回転
方向と反対方向に流れて上記進角側チューブ油路に流入
した油には、その流れを促進する方向に力が生じる。そ
して、この力により、上記油溝側から上記進角側チュー
ブ油路内へと流れる油の圧力(油圧力)は増幅される。
【0075】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、バルブの開
閉タイミングが最も遅くなった状態から同開閉タイミン
グを早くしていくときに進角側油圧通路を進角側チュー
ブ油路から進角側シャフト油路へと流れる油の圧力損失
を低減し、可変バルブタイミング機構の応答性を向上す
ることができる。
【0076】請求項2に記載の発明では、上記進角側チ
ューブ油路内を流れる油の圧力(油圧力)がチューブ
(カムシャフト)の回転に伴う遠心力によって低減され
ることを抑制することができる。従って、バルブの開閉
タイミングを早くしていくときの可変バルブタイミング
機構の応答性を向上することができる。
【0077】請求項3に記載の発明では、上記チューブ
が回転している状態においては、上記進角側チューブ油
路内を上記油溝側から上記進角側対称油路側へと流れる
油の圧力(油圧力)を増幅することができる。従って、
バルブの開閉タイミングを早くしていくときの可変バル
ブタイミング機構の応答性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルブタイミング制御装置の第1
実施形態を示す断面図。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図。
【図3】図1の3−3線に沿った断面図。
【図4】OCVの作動状態の一例を示す部分断面図。
【図5】同実施形態の動作態様を示す断面図。
【図6】エンジン回転数及び吸入空気量と目標進角値と
の関係を示すマップ。
【図7】本発明に係るバルブタイミング制御装置の第2
実施形態を示す断面図。
【図8】図7を一部拡大して示す断面図。
【図9】同実施形態の他の他の構成例を示す断面図。
【図10】同実施形態の他の他の構成例を示す部分断面
図。
【図11】従来のバルブタイミング制御装置を示す断面
図。
【図12】図11の12−12線に沿った断面図。
【図13】同装置の動作態様を示す断面図。
【符号の説明】
11…カムシャフト、14…VVT機構、15…チュー
ブ、16a,17a…軸受け部、45…油溝、47,8
1,86…進角側チューブ油路、51…進角側半月油
路、52…進角側シャフト油路、83,85…油路、P
1…進角側油圧通路、P2…遅角側油圧通路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の出力軸に駆動連結されたチュ
    ーブと、同チューブに回動可能に挿入されてバルブを開
    閉駆動させるカムシャフトとを、可変バルブタイミング
    機構により相対回動して同バルブの開閉タイミングを早
    くするとき、同可変バルブタイミング機構への油の供給
    は、同チューブに貫設され、そのカムシャフト側は同チ
    ューブの所定の径線が通る位置に開口する進角側チュー
    ブ油路、同カムシャフトにその回転断面内において所定
    の中心線と対称に形成された進角側対称油路、及び、同
    進角側対称油路の中心側に開口して同カムシャフトの内
    部に形成された進角側シャフト油路を介してなされる内
    燃機関のバルブタイミング制御装置において、 前記バルブの開閉タイミングが最も遅くなったときに前
    記径線と前記中心線とのなす角度の大きさを、同バルブ
    の開閉タイミングが最も早くなったときに同径線と中心
    線とのなす角度の大きさよりも小さくし、同バルブの開
    閉タイミングが最も遅くなったときの前記進角側チュー
    ブ油路と前記進角側シャフト油路との間の長さが、同バ
    ルブの開閉タイミングが最も早くなったときの同進角側
    チューブ油路と進角側シャフト油路との間の長さよりも
    短くなるようにしたことを特徴とする内燃機関のバルブ
    タイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイ
    ミング制御装置において、 前記進角側チューブ油路は前記チューブの回転断面内に
    おいて前記径線方向に対して傾斜した方向に形成された
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の内燃機関のバルブタイ
    ミング制御装置において、 前記進角側チューブ油路は、前記チューブとその軸受け
    部との間に周設された油溝に連通しており、該進角側チ
    ューブ油路の該油溝側は前記径線方向に対して前記チュ
    ーブの回転方向側に傾斜した方向に形成されたことを特
    徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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