JP2000220070A - 熱可塑性ポリビニルアルコール系長繊維不織布およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリビニルアルコール系長繊維不織布およびその製造方法

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JP2000220070A JP1954399A JP1954399A JP2000220070A JP 2000220070 A JP2000220070 A JP 2000220070A JP 1954399 A JP1954399 A JP 1954399A JP 1954399 A JP1954399 A JP 1954399A JP 2000220070 A JP2000220070 A JP 2000220070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では到達できなかった溶融紡糸によ
る水溶解性、吸水性、水膨潤性など水に対して強い親和
性を示す水崩壊性PVA系長繊維不織布を提供する。 【解決手段】 粘度平均重合度が200〜500,鹸化
度が90〜99.99モル%,ビニルアルコールユニッ
トに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心
水酸基のモル分率が66〜99.9モル%であり、融点
が160℃〜230℃であるポリビニルアルコール
(A)からなり、かつ(A)100重量部に対してアル
カリ金属イオン(B)が0.0003〜1重量部含有さ
れていることを特徴とする熱可塑性ポリビニルアルコー
ル系長繊維不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の組成からなる
熱可塑性ポリビニルアルコール系長繊維不織布に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール(以下、P
VAと略称することもある)系繊維は湿式紡糸あるいは
乾式紡糸により工業的に製造されてきた。また、最近に
なり溶剤系湿式冷却ゲル紡糸法が採用され今までの方法
では困難であった多様な性能が可能となってきている。
PVAは、基本的に親水性のポリマーであって、その基
本骨格と分子構造、形態、各種変性により親水性の程度
を変えることができることが知られている。また、PV
Aは基本的に生分解性であることが確認されている。地
球環境的に、合成物を自然界といかに調和させるかが大
きな課題となりつつある現在、このような基本性能を有
するPVA系ポリマー及びPVA系繊維は大いに注目さ
れている。
【0003】しかしながら、これらの方法はいずれも溶
媒を含むPVA系溶液を細孔ノズルから紡出することか
ら、繊維成分の実質吐出量が低い、紡出した後で媒体除
去が必要であるなどの生産性が悪くならざるを得ない必
然性を持っている。また、作業環境上や災害防止、環境
汚染対策上から固有の大掛かりな製造設備が必要である
等の制約がある。
【0004】これに対して、溶融紡糸法は、原料ポリマ
ーを加熱溶融し、そのまま細孔ノズルから紡出させ、冷
却固化により繊維化する方法であるが、特に溶媒を使用
しないこと、高速紡糸が可能なこと、設備に汎用性があ
ること等から合理的である。
【0005】しかしながら、PVAの溶融紡糸法への適
用には二つの大きな基本的な障害があった。その障害の
一つはポリビニルアルコール自身は融点と熱分解温度と
が極めて接近しているために、溶融紡糸に必要な溶融状
態での安定性に欠けることであり、他の一つは水溶解
性、吸水性、水膨潤性など水に対して強い親和性を示す
繊維では油剤付与や延伸等の溶融紡糸後の製糸工程で通
常使用される水系の処理液による処理が、工程通過上大
きく制約されることである。
【0006】一方で、不織布の製造技術の観点から、熱
可塑性ポリマーについてこのように合理的な溶融紡糸法
を応用し、得られる長繊維を直接不織布に成形するいわ
ゆるスパンボンド不織布の製造技術は、原料ポリマーか
ら直接不織布が得られることから極めて合理的な製造方
法であり、広く採用されている。
【0007】一旦繊維を製造し、この繊維をカーディン
グして不織布とするいわゆる乾式不織布の製造において
は、該繊維の製造に適宜選択された油剤を繊維表面に付
着させることは、繊維の製造における各種工程通過性及
び不織ウェブ形成のカーディングのために必須であっ
て、通常この油剤付着は水系処理液で処理される。とこ
ろが、本発明のように水溶解性、吸水性、水膨潤性など
水に対して強い親和性を示す水崩壊性繊維の場合には、
水系処理液が使用できない。このため、有機溶媒系の特
殊配合処理液を使用し、大掛りな設備対策を実施したり
する必要があった。その結果、このような繊維を原料と
する不織布も所望の品質を確保して製造することには大
きな制約があったのである。
【0008】ところが、本発明の溶融紡糸によって得ら
れる長繊維を直接不織布に成形するスパンボンド方法の
場合には、原料ポリマーから直接不織布に成形するた
め、このような油剤処理が必要でなくなり、極めて合理
的な方法と言えるのである。そこで、本発明のように水
溶解性、吸水性、水膨潤性など水に対して強い親和性を
示す水崩壊性のPVA系繊維で構成された不織布を、溶
融紡糸法によるスパンボンド不織布の製造技術によって
製造可能とすることは、長年の課題となっていた。この
ように合理的な溶融紡糸法を利用したいわゆるスパンボ
ンド不織布の製造技術をPVA系長繊維不織布の製造に
適用しようとの試みは従来から検討されて来ている。
【0009】まず第一に、特開昭51−112980号
公報には平均重合度50〜300、残存酢酸基15〜8
0モル%の無水PVAを溶融押出したフイラメント群を
単独または他繊維のフイラメント群と引き揃えるか、あ
るいは別々に吸引ジェットにて引き取り、噴射気流によ
り非織性シート形成面上に吹付け堆積することを特徴と
するPVA系合成繊維不織布の製造方法が提案されてい
る。しかしながら、平均重合度50〜300、且つ残存
酢酸基15〜80モル%であるPVAはごく短時間であ
れば、不織布が得られないこともないが、加熱溶融して
いる間に、脱酢酸反応が起こり、発生した酢酸ガスのた
めに作業環境が劣悪になるだけでなく、分子間脱酢酸に
よる架橋のためにゲル化物が発生し、それによる溶融粘
度の上昇、紡出ポリマー流へのゲル混入とポリマー流の
切断、フィルター詰りなどのトラブルが発生し、工業生
産のレベルには至っていない。
【0010】次いで、特開平5−345013号公報に
は、50℃を超える温度でのみ水溶性であり、且つ50
℃以下では不溶性であるPVA繊維の独立型熱可塑性高
分子織物として、スパンボンド不織布すなわち長繊維不
織布が記載されている。しかしながら、該公報には、構
成ポリマーに関して、「後引出あるいは熱アニーリング
により高結晶化されたPVAホモポリマーからなる」と
か「本発明に適するのは、高結晶化され、全体的に鹸化
されたポリビニルアセテートである」との記載はある
が、構成ポリマーについてのこれ以上の記載はなく、溶
融紡糸法によるPVA系長繊維不織布の製造技術に関す
る具体的な方策が示されていない。
【0011】また、溶融紡糸直結のスパンボンド不織布
ではないが、PVA系長繊維不織布の事例として特開平
7−54257号公報には、単糸繊度が1デニール以上
5デニール以下であり、該長繊維の交絡部が付着量5重
量%以上25重量%以下の水溶性樹脂により接着され、
該不織布の水中溶解温度が60℃以上100℃以下であ
るPVA系長繊維不織布が記載されている。該公報に
は、PVA系ポリマーが水溶性ポリマーの中では、変性
基種類、変性量、変性基分布などによって水中溶解温度
が自由に制御でき、かつ好適製造条件を採用することに
より高強度、好適伸度の水溶性繊維が得られる。また、
該不織布を形成するPVA系長繊維はケン化度90%以
上99%以下のPVAを原料として公知の各種紡糸延伸
方法により製造できる、と記載されている。しかしなが
ら、該公報には、熱可塑性PVA系ポリマーに関する具
体的な記載はなく、本発明の溶融紡糸によるPVA系繊
維を示唆する何等の技術開示もない。
【0012】更に、特開平7−279026号公報に
は、融点が210℃以上であるPVA系ポリマー(A)
及び融点が210℃未満である水溶性ポリマー(B)か
らなり、(A)と(B)の重量比が98:2〜55:4
5の範囲内であり、(A)が海成分で(B)が島成分で
ある海島構造PVA長系繊維からなり、不織布を熱圧す
ることにより、低融点の島成分(B)が繊維表面に押し
出され、繊維間接着するPVA系長繊維不織布が提案さ
れている。
【0013】しかしながら、上記のように、特開平7−
54257号公報及び特開平7−279026号公報
は、巻き取った繊維を別の工程で不織布に成形する製造
方法によるPVA系長繊維不織布を開示したものであっ
て、本発明の溶融紡糸によるPVA系長繊維及び不織布
を示唆する何等の技術開示もしていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不織布とし
ての引張強度、引裂強度等の強度特性や厚さ、嵩高性等
の形態特性、あるいは柔軟性等の性能を特定することを
目的とするものではなく、本発明の目的は、上記の如く
PVAの重合度や鹸化度の変更また可塑剤等の添加など
の従来技術では到達できなかった溶融紡糸による水溶解
性、吸水性、水膨潤性など水に対して強い親和性を示す
水崩壊性PVA系長繊維不織布(いわゆるスパンボンド
不織布)とその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術では
非常に困難である溶融紡糸によるPVA系長繊維不織布
を、主として原料ポリマーの組成、構成を厳密に特定す
ることで可能せしめたものである。すなわち本発明は、
粘度平均重合度が200〜500,鹸化度が90〜9
9.99モル%,ビニルアルコールユニットに対するト
ライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル
分率が66〜99.9モル%であり、融点が160℃〜
230℃であるポリビニルアルコール(A)からなり、
かつ(A)100重量部に対してアルカリ金属イオン
(B)が0.0003〜1重量部含有されていることを
特徴とする熱可塑性ポリビニルアルコール系長繊維不織
布であり、また、本発明は、粘度平均重合度が200〜
500,鹸化度が90〜99.99モル%,ビニルアル
コールユニットに対するトライアッド表示による水酸基
3連鎖の中心水酸基のモル分率が66〜99.9モル%
であり、融点Tmが160〜230℃であるポリビニル
アルコールを紡糸口金温度Tm+10℃〜Tm+80℃
の温度下で溶融紡糸し、この紡出フィラメント群を吸引
噴射装置により牽引細化させた後、開繊フィラメントを
移動式捕集コンベア装置上に捕集堆積することにより、
長繊維ウェブを形成することを特徴とする熱可塑性ポリ
ビニルアルコール系長繊維不織布の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】なお、本発明のポリビニルアルコ
ール系長繊維不織布におけるポリビニルアルコールと
は、ポリビニルアルコールのホモポリマーは勿論のこ
と、例えば、共重合、末端変性、および後反応により官
能基を導入した変性ポリビニルアルコールも包含するも
のである。本発明に用いられるPVAの粘度平均重合度
(以下、単に重合度と略記する)は200〜500であ
り、230〜470が好ましく、250〜450が特に
好ましい。重合度が200未満の場合には紡糸時に十分
な曳糸性が得られず、繊維化できない。重合度が500
を越えると溶融粘度が高すぎて、紡糸ノズルから安定に
ポリマーを吐出することができない。
【0017】PVAの重合度(P)は、JIS−K67
26に準じて測定される。すなわち、PVAを鹸化し、
精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]か
ら次式により求められるものである。 P=([η]×103 /8.29)(1/0.62) 重合度が上記範囲にある時、本発明の目的がより好適に
達せられる。
【0018】本発明のPVAの鹸化度は90〜99.9
9モル%でなければならない。93〜99.98モル%
が好ましく、94〜99.97モル%がより好ましく、
96〜99.96モル%が特に好ましい。鹸化度が90
モル%未満の場合には、PVAの熱安定性が悪く、熱分
解やゲル化によって満足な溶融紡糸を行うことができ
ず、溶融紡糸と直結した本発明の長繊維不織布もできな
い。一方、鹸化度が99.99モル%よりも大きいPV
Aは安定に製造することができず、当然ながら、安定し
た繊維化とそれと直結した長繊維不織布化もできない。
【0019】本発明において、トライアッド表示による
水酸基3連鎖の中心水酸基とは、PVAのd6−DMS
O溶液での 500 MHz 1H−NMR(JEOL GX-500) 装置
による65℃測定での水酸基プロトンのトライアッドの
タクティシティを反映するピーク(I)を意味する。ピ
ーク(I)はPVAの水酸基のトライアッド表示のアイ
ソタクティシティ連鎖(4.54ppm)、ヘテロタクティシテ
ィ連鎖(4.36ppm)及びシンジオタクティシティ(4.13ppm)
の和で表され、全てのビニルアルコールユニットにおけ
る水酸基のピーク(II)はケミカルシフト4.05ppm 〜
4.70ppmの領域に現れることから、本発明のビニルアル
コールユニットに対するトライアッド表示による水酸基
3連鎖の中心水酸基のモル分率は、100×(I)/(I
I)で表されるものである。
【0020】本発明においては、水酸基3連鎖の中心水
酸基の量を制御することで、PVAの水溶性、吸湿性な
どの水に関わる諸物性、強度、伸度、弾性率など不織布
に関わる諸物性、融点、溶融粘度などの溶融紡糸性に関
わる諸物性を調節することができる。これは、トライア
ッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基は結晶性に富
み、PVAの特長を発現させるためと思われる。
【0021】本発明の不織布におけるPVAのトライア
ッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量は6
6〜99.9モル%であり、68〜99モル%が好まし
く、70〜97モル%がより好ましく、72〜96モル
%がさらに好ましく、74〜95モル%が特に好まし
い。PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中
心水酸基の含有量が66モル%未満である場合には、ポ
リマーの結晶性が低下し、繊維強度が低くなると同時
に、溶融紡糸時に繊維同士が膠着して繊維束化しやす
く、不織布の性能が低下する場合がある。PVAのトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量
が99.9モル%より大きい場合には、ポリマーの融点
が高いために溶融成形温度を更に高くする必要があり、
その結果、ポリマー溶融成形時の熱安定性が悪く、分
解、ゲル化、着色などのトラブルが発生する。
【0022】本発明に用いられるPVAの融点(Tm)
は160〜230℃であり、170〜227℃が好まし
く、180〜220℃が特に好ましい。融点が160℃
未満の場合にはPVAの結晶性が低下し、不織布構成繊
維の強度が低くなつて不織布自身の強度も低下する。場
合によっては溶融紡糸に必要な曳糸性がなくなったり、
熱分解が激しく発生したりして、不織布が得られなくな
ることもある。一方、融点が230℃を越えると、好適
な溶融粘度を確保するために溶融紡糸温度を高くしなけ
ればならなくなり、紡糸温度とPVAの分解温度が近づ
くために、安定した溶融紡糸ができなくなり、安定した
不織布の製造もできない。
【0023】PVAの融点は、DSCを用いて、窒素ガ
ス中で昇温速度10℃/分で250℃まで昇温後、室温
まで冷却し、再度昇温速度10℃/分で250℃まで昇
温した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピークト
ップの温度を意味する。
【0024】PVAは、ビニルエステル単位を鹸化する
ことにより得られる。ビニルエステル単位を形成するた
めのビニル化合物単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリ
ン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、
安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、およびバーサティ
ック酸ビニル等が挙げられ、これらの中でもPVAを得
る点からは酢酸ビニルが好ましい。
【0025】本発明の不織布を構成するPVA系長繊維
を構成する重合体は、ポリビニルアルコールのホモポリ
マーであっても、共重合単位を導入した変性PVAであ
ってもよいが、溶融紡糸性、繊維物性の観点から、共重
合単位を導入した変性PVAを用いることが好ましい。
共重合単量体の種類としては、例えば、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のα
−オレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸i−プロピル等のアクリル酸エステル類、メ
タクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル
酸i−プロピル等のメタクリル酸エステル類、アクリル
アミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタ
クリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニル
エーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリコー
ルビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等のヒ
ドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテー
ト、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、
ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オキシ
アルキレン基を有する単量体、ビニルトリメトキシシラ
ン等のビニルシリル類、酢酸イソプロペニル、3−ブテ
ン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキ
セン−1−オール、7−オクテン−1−オール、9−デ
セン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オー
ル等のヒドロキシ基含有のα−オレフィン類、フマール
酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フ
タル酸、無水トリメリット酸または無水イタコン酸等に
由来するカルボキシル基を有する単量体;エチレンスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等に
由来するスルホン酸基を有する単量体;ビニロキシエチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシブチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシエチ
ルジメチルアミン、ビニロキシメチルジエチルアミン、
N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、N−アクリルアミドジメチルアミン、アクリル
トリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルアミン、
アリルエチルアミン等に由来するカチオン基を有する単
量体が挙げられる。これらの単量体の含有量は、通常2
5モル%以下である。
【0026】これらの単量体の中でも、入手のしやすさ
などから、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、1−ヘキセン、等のα−オレフィン類、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビ
ニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリ
コールビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニ
ルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等
のヒドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテ
ート、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテ
ル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オ
キシアルキレン基を有する単量体、3−ブテン−1−オ
ール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−
オール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−
オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒド
ロキシ基含有のα−オレフィン類に由来する単量体が好
ましい。
【0027】特に、共重合性、溶融紡糸性および繊維の
水溶解性、吸水性、水膨潤性など水に対して強い親和性
を示す水崩壊性の観点から、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、イソブテンの炭素数4以下のα−オレフィン
類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類が
より好ましい。炭素数4以下のα−オレフィン類および
/またはビニルエーテル類に由来する単位は、PVA中
に1〜25モル%存在しているしていることが好まし
く、さらに3〜20モル%が好ましい。さらに、α−オ
レフィンがエチレンである場合において、繊維物性が高
くなることから、特にエチレン単位が3〜20モル%、
さらに好ましくは4〜15モル%導入された変性PVA
を使用することが好ましい。
【0028】本発明で使用するPVAは、塊状重合法、
溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法
が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコール
などの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が通常
採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコ
ールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられ
る。共重合に使用される開始剤としては、α、α´−ア
ゾビスイソブチルニトリル、2,2´−アゾビス(2,
4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、
n−プロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始
剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げら
れる。重合温度については、特に制限はないが、0℃〜
150℃の範囲が適当である。
【0029】本発明の不織布を構成する繊維におけるア
ルカリ金属イオン(B)の含有割合は、PVA(A)1
00重量部に対してナトリウムイオン換算で0.000
3〜1重量部であり、0.0003〜0.8重量部が好
ましく、0.0005〜0.6重量部がより好ましく、
0.0005〜0.5重量部が特に好ましい。アルカリ
金属イオンの含有割合が0.0003重量部未満は工業
的に製造困難である。またアルカリ金属イオンの含有量
が1重量部より多い場合には溶融紡糸時の分解及びゲル
化が著しく、安定に繊維化することができない。なお、
アルカリ金属イオンとしては、カリウムイオン、ナトリ
ウムイオン等が挙げられる。
【0030】本発明において、特定量のアルカリ金属イ
オン(B)をPVA中に含有させる方法は特に制限され
ず、PVAを重合した後にアルカリ金属イオン含有の化
合物を添加する方法、ビニルエステルの重合体を溶媒中
において鹸化するに際し、鹸化触媒としてアルカリイオ
ンを含有するアルカリ性物質を使用することによりPV
A中にアルカリ金属イオンを配合し、鹸化して得られた
PVAを洗浄液で戦場することにより、PVA中に含ま
れるアルカリ金属イオン含有量を制御する方法などが挙
げられるが、後者の方が好ましい。なお、アルカリ金属
イオンの含有量は原子吸光法で求めることができる。
【0031】鹸化触媒として使用するアルカリ性物質と
しては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが挙げ
られる。鹸化触媒に使用するアルカリ性物質のモル比
は、酢酸ビニル単位に対して0.004〜0.5が好ま
しく、0.005〜0.05が特に好ましい。鹸化触媒
は、鹸化反応の初期に一括添加しても良いし、鹸化反応
の途中で追加添加しても良い。鹸化反応の溶媒として
は、メタノール、酢酸メチル、ジエチルスルホキシド、
ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらの溶媒
の中でもメタノールが好ましく、含水率を0.001〜
1重量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率
を0.003〜0.9重量%に制御したメタノールがよ
り好ましく、含水率を0.005〜0.8重量%に制御
したメタノールが特に好ましい。洗浄液としては、メタ
ノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エステル、ヘキサ
ン、水などがあげられ、これらの中でもメタノール、酢
酸メチル、水の単独もしくは混合液がより好ましい。洗
浄液の量としては、アルカリ金属イオン(B)の含有割
合を満足するように設定されるが、通常、PVA100
重量部に対して、300〜10,000重量部が好まし
く、500〜5,000重量部がより好ましい。洗浄温
度としては、5〜80℃が好ましく、20〜70℃がよ
り好ましい。洗浄時間としては20分間〜10時間が好
ましく、1〜6時間がより好ましい。
【0032】また、本発明の目的や効果を損なわない範
囲で、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃
剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤を重合反応時、
またはその後の工程で添加することができる。特に熱安
定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安定剤、ヨ
ウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウム等のハ
ロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、溶融紡糸の
際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0033】また必要に応じて平均粒子径が0.01μ
m以上5μm以下の微粒子を0.05重量%以上10重
量%以下、重合反応時、またはその後の工程で添加する
ことができる。微粒子の種類は特には限定されず、たと
えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウムの不活性微粒子やリン化合物と金属化
合物とをPVAの重合反応系で反応析出せしめた内部析
出系微粒子などを挙げることができ、これらは単独で使
用しても2種以上併用してもよい。特に平均粒子径が
0.02μm以上1μm以下の無機微粒子が好ましく、
紡糸性、延伸性が向上する。
【0034】次に、本発明のポリビニルアルコールから
なる長繊維で構成された不織布の製造方法について説明
する。本発明の長繊維で構成された不織布は、溶融紡糸
と直結したいわゆるスパンボンド不織布の製造方法によ
って効率良く製造することができる。すなわち、溶融押
出機でPVAを溶融・混練し、溶融したポリマー流を紡
糸頭に導き、流量を計量し紡糸ノズル孔から吐出させ、
この吐出糸条を冷却装置により冷却せしめた後、エアジ
ェット・ノズルのような吸引装置を用いて、目的の繊度
となるように、1000〜6000m/分の糸条の引取
り速度に該当する速度で高速気流により牽引細化させた
後、開繊させながら移動式の捕集面の上に堆積させて不
織ウエブを形成させ、引き続きこのウエブを部分熱圧着
して巻き取ることによってPVA系長繊維不織布が得ら
れる。
【0035】本発明の不織布を製造するに際して、紡糸
口金温度はポリマーの融点Tmに対して(Tm+10
℃)〜(Tm+80℃)の範囲で溶融紡糸しなければな
らない。紡糸口金温度が(Tm+10℃)より低いとポ
リマーの溶融粘度が高すぎて、高速気流による曳糸・細
化性に劣り、(Tm+80℃)を越えるとPVAの熱分
解が起こり安定した紡糸ができない。なお、本発明にお
けるPVAの融点Tmとは、示差走査熱量計(DSC:
例えば Mettler社 TA3000)で観察される主吸熱ピークの
ピーク温度である。
【0036】本発明において、エアジェット・ノズルの
ような吸引装置を用いて吐出糸条を牽引細化させるに際
し、1000〜6000m/分の糸条の引取り速度に該
当する速度で高速気流により牽引細化させることが重要
である。吸引装置による糸条の引取り条件は、紡糸ノズ
ル孔から吐出する溶融ポリマーの溶融粘度、吐出速度、
紡糸ノズル温度、冷却条件などにより適宜選択するが、
1000m/分未満では、吐出糸条の冷却固化遅れによ
る隣接糸条間の融着が起こり、また糸条の配向・結晶化
が進まず、得られる不織布は、粗雑で機械的強度の低い
物になってしまい好ましくない。一方、6000m/分
を越えると、吐出糸条の曳糸・細化性が追随できず糸条
の切断が発生して、安定した不織布の製造ができない。
【0037】本発明では、このようにして得られたPV
Aの不織ウエブは部分的な熱圧融着により形態を保持す
る方法が採用される。具体的には、加熱された凹凸模様
の金属ロール(エンボスロール)と加熱平滑ロールとの
間に該ウエブを通して、部分的な熱圧着により長繊維同
士を結合させ、不織布としての形態安定化を図る。熱圧
着処理における加熱ロールの温度、熱圧する圧力、処理
速度、エンボスロールの模様等は目的に応じて適宜選択
することができる。本発明における不織布を構成するP
VA系長繊維は、水に対して活性であって水の存在下で
は見掛けの融点が低下することから、水を付与した後で
熱圧着処理を行う場合には、加熱ロールの温度を下げる
ことが可能である。
【0038】本発明の熱可塑性PVA系長繊維不織布
は、水溶解性、吸水性、水膨潤性など水に対して強い親
和性を示す水崩壊性であることを特長とするが、水溶性
であることがより望ましい。ここで、不織布の水崩壊性
とは、不織布が元のシートの形態を止めない状態になる
ことを言い、典型的には水によって不織布が溶解してし
まうこと、不織布を構成する繊維同士の結合が外れてシ
ートの形態を止めない状態、場合によっては吸水、膨潤
などにより収縮、湾曲、シワなどの歪みにより塊状にな
ることを示す。そして、本発明において不織布の水崩壊
性は、鹸化度が90〜99.99モル%、ビニルアルコ
ールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3
連鎖の中心水酸基のモル分率が66〜99.9モル%、
融点が160℃〜230℃であるPVA(A)からな
り、かつ(A)100重量部に対してアルカリ金属イオ
ン(B)が0.0003〜1重量部含有されてなるPV
A長繊維から構成される不織布を種々の条件で熱処理す
ることによって、水崩壊性の程度を変更することができ
る。また、不織布の水に対する溶解可能温度は、原料ポ
リマーの仕様以外に、紡糸引取り速度、ドラフト率等の
製糸条件や不織布にしてからの熱処理温度、時間等の熱
履歴によって、冷水で溶解する不織布から沸騰水でやっ
と溶解する不織布まで、自由に変えることができる。
【0039】本発明で使用される変性PVAは生分解性
を有しており、活性汚泥処理あるいは土中に埋めておく
と分解されて水と二酸化炭素になる。該PVAは水溶液
の状態で連続活性汚泥処理すると2日〜1ケ月でほぼ完
全に分解される。生分解性の点から該不織布を構成する
変性PVAの鹸化度は90〜99.99モル%が好まし
く、92〜99.98モル%がより好ましく、93〜9
9.97モル%が特に好ましい。また、該不織布を構成
する変性PVA中の1,2−グリコール結合含有量は
1.2〜2.0モル%が好ましく、1.25〜1.95
モル%がより好ましく、1.3〜1.9モル%が特に好
ましい。PVA中の1,2−グリコール結合含有量が
2.0モル%以上の場合にはPVAの熱安定性が悪くな
り、紡糸性が低下する場合がある。PVA中の1,2−
グリコール結合含有量はNMRのピークから求めること
ができる。鹸化度99.9モル%以上に鹸化後、十分に
メタノール洗浄を行い、次いで90℃下で2日間減圧乾
燥を行ったPVAをd6−DMSOに溶解し、トリフル
オロ酢酸を数滴加えた試料を500MHzのプロトンN
MR(JEOL GX−500)を用いて、80℃で測
定する。ビニルアルコール単位のメチン基由来のピーク
は3.2〜4.0ppm(積分値A)、1,2−グリコ
ール結合の1つのメチン基由来のピークは3.25pp
m(積分値B)に帰属され、次式で1,2−グリコール
結合含有量を算出できる。ここでEtは変性量(モル
%)を表す。 1,2-グリコール結合含有量(モル%)=100B/{100A/(10
0-Et)}
【0040】本発明の熱可塑性PVA系長繊維不織布の
肝心な点は、上記のように、従来困難であった溶融紡糸
方式を適用せしめ、合理的に親水性機能を有するPVA
系長繊維不織布を提供することにある。したがって、本
発明は、不織布を構成する長繊維の繊度や繊維断面形状
あるいは不織布の目付や引張強度、引裂強度等の強度特
性や厚さ、嵩高性等の形態特性、あるいは柔軟性等の特
性については特に制約されるものではなく、通常、設定
できる範囲内で適宜選択することができる。
【0041】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実
施例において、各物性値は次のようにして求めた。な
お、実施例中の部及び%はことわりのない限り重量に関
するものである。
【0042】[PVAの分析方法]PVAの分析方法は
特に記載のない限りはJIS−K6726に従った。変
性量は変性ポリビニルエステルあるいは変性PVAを用
いて、500MHz1H−NMR(JEOL GX−5
00)装置による測定から求めた。アルカリ金属イオン
の含有量は原子吸光法で求めた。
【0043】本発明のPVAのトライアッド表示による
3連鎖の水酸基量の割合は以下の測定により求めた。所
定の被検PVAを鹸化度99.5モル%以上に鹸化後、
十分にメタノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を
2日間したPVAを用いて、d6−DMSOに溶解した
後、500MHz 1H−NMR(JEOL GX−5
00)装置により65℃測定を行った。PVA中のビニ
ルアルコールユニットの水酸基由来のピークはケミカル
シフト4.05ppmから4.70ppmの領域に現
れ、この積分値をビニルアルコールユニット量(II)と
する。PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の
中心水酸基はそれぞれアイソタクティシティ連鎖の場合
4.54ppm,ヘテロタクティシティ連鎖の場合4.
36ppmおよびシンジオタクティシティ連鎖の場合
4.13ppmに現れる。この3者の積分値の和をトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基量(I)
とする。本発明のPVAのビニルアルコールユニットに
対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸
基のモル分率は、100×(I)/(II)で表される。
【0044】[融点]PVAの融点は、DSC(メトラ
ー社、TA3000)を用いて、窒素中、昇温速度10
℃/分で250℃まで昇温後、室温まで冷却し、再度昇
温速度10℃/分で250℃まで昇温した場合のPVA
の融点を示す吸熱ピークのピークトップの温度で表し
た。
【0045】[水崩壊性]本発明のPVA系長繊維不織
布の水中での崩壊とは、約0.1gの正方形の不織布試
料を採取、秤量した後、所定の温度に調整した1000
ccの蒸留水に投入し、時々かき混ぜながら、約30分
間放置する。その後、不織布試料の状態を観察し、不織
布シートの形状を保持していない場合、崩壊したと定義
する。不織布試料が、収縮、膨潤、湾曲等により塊状に
なり、不織布シートの形状を保持しているかどうか目視
では判断できない場合は、試料片を取り出し、乾燥した
後、秤量し、水投入前と比較し、重量減少が30%以上
あれば、崩壊したとみなした。
【0046】[不織布の目付]標準状態の不織布試料か
ら、タテ10cm×ヨコ10cmの試料片を採取し、各
試料片の重量を(g)を測定し、単位面積当りに換算し
て、不織布の目付(g/m2)とした。
【0047】[不織布の0−スパン時裂断長]JIS−
L−1096に記載の方法に準じて、試料つかみ間隔を
ほぼ0cm(0-SPUNと略称)、試料幅(=つかみ幅)5
cmとして,引張速度10cm/分で試料を伸長し、切
断時応力を試料幅と目付で割り、目付=100g/m2
当たりに換算して裂断長(km)とした。実用上の不織
布の引張強度はシート形成後の相互の繊維間の固定程度
によって変化する。本発明においては、不織布としての
所望の引張強度を達成できる繊維性能を保持しているか
どうかを評価する目的から0−スパン時裂断長を採用し
た。
【0048】実施例1 [エチレン変性PVAの製造]撹拌機、窒素導入口、エ
チレン導入口および開始剤添加口を備えた100L加圧
反応槽に酢酸ビニル29.0kgおよびメタノール3
1.0kgを仕込み、60℃に昇温した後30分間窒素
バブリングにより系中を窒素置換した。次いで反応槽圧
力が5.9kg/cm2 となるようにエチレンを導入仕
込みした。開始剤として2,2´−アゾビス(4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)を
メタノールに溶解した濃度2.8g/L溶液を調整し、
窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。上記
の重合槽内温を60℃に調整した後、上記の開始剤溶液
170mlを注入し重合を開始した。重合中はエチレン
を導入して反応槽圧力を5.9kg/cm2 に、重合温
度を60℃に維持し、上記の開始剤溶液を用いて610
ml/hrでAMVを連続添加して重合を実施した。1
0時間後に重合率が70%となったところで冷却して重
合を停止した。反応槽を解放して脱エチレンした後、窒
素ガスをバブリングして脱エチレンを完全に行った。次
いで減圧下に未反応酢酸ビニルモノマーを除去し、ポリ
酢酸ビニルのメタノール溶液とした。得られた該ポリ酢
酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が50%となる
ように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶液200
g(溶液中の酢酸ビニルユニットに対してモル比(M
R)0.10)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタ
ノール溶液)を添加して鹸化を行った。アルカリ添加後
約2分の後、系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、
60℃で1時間放置して鹸化を進行させた後、酢酸メチ
ル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。フ
ェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認
後、瀘別して得られた白色固体のPVAにメタノール1
000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄
操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られたPVA
を乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥PVAを得た。
【0049】得られたエチレン変性PVAの鹸化度は9
8.4モル%であった。また、該変性PVAを灰化させ
た後、酸に溶解したものを用いて原子吸光光度計により
測定したナトリウムの含有量は、変性PVA100重量
部に対して0.03重量部であった。また、重合後未反
応酢酸ビニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニ
ルのメタノール溶液をn−ヘキサンに添加して沈殿させ
たポリ酢酸ビニルを採取した後、該ポリ酢酸ビニルをア
セトンに溶解させ、再度n−ヘキサンに添加して沈殿さ
せる再沈精製を3回行った後、80℃で3日間減圧乾燥
を行って精製ポリ酢酸ビニルを得た。該ポリ酢酸ビニル
をd6−DMSOに溶解し、500MHzプロトンNM
R(JEOL GX−500)を用いて80℃で測定し
たところ、エチレンの含有量は10モル%であった。上
記のポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をアルカリモル比
0.5で鹸化した後、粉砕したものを60℃で5時間放
置して鹸化を進行させた後、メタノールソックスレーを
3日間実施し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って
精製されたエチレン変性PVAを得た。該PVAの平均
重合度を常法のJIS K6726に準じて測定したと
ころ330であった。該精製PVAの1,2−グリコー
ル結合量および水酸基3連鎖の水酸基の含有量を500
MHzプロトンNMR(JEOL GX−500)装置
による測定から前述のとおり求めたところ、それぞれ
1.50モル%および83モル%であった。さらに、該
精製された変性PVAの5%水溶液を調整し厚み10ミ
クロンのキャスト製フィルムを作成した。該フィルムを
80℃で1日間減圧乾燥を行った後に、DSC(メトラ
ー社、TA3000)を用いて、前述の方法によりPV
Aの融点を測定したところ206℃であった(表1)。
【0050】
【表1】
【0051】上記で得られたPVAを溶融押出機を用い
て240℃で溶融混練し、溶融ポリマー流を紡糸頭に導
き、孔径0.25mmで24孔を有する紡糸口金から吐
出させ、紡出糸条を20℃の冷却風で冷却しながら円型
吸引噴射装置に導き、実質3500m/分の引取り速度
で牽引細化させ、開繊したフィラメント群を移動式捕集
コンベア装置上に捕集堆積することにより、長繊維ウェ
ブを形成した。このウェブを、200℃に加熱した凹凸
柄エンボスロールとフラットロールとの間で、線圧20
kg/cmの圧力下で通過させ、エンボス部分熱圧着し
た、単繊維繊度が4デニールの長繊維からなる、目付3
0g/m2の長繊維不織布を得た。この不織布は65℃
の温水に投入したところ、もとの不織布形態を止めず溶
解した。紡糸状態、得られた不織布の状態、不織布のタ
テ方向の0−スパン時の裂断長、水崩壊性等の評価結果
はまとめて表2に記載した。なお、表中の記号の意味は
次ぎの通り。 ◎:極めて良好 ○:良好 △:やや難あり ×:
不良
【0052】
【表2】
【0053】実施例2〜16 実施例1で用いたPVAの代わりに表1に示すPVAを
用い、表2に示した紡糸温度以外は実施例1と全く同じ
条件下にてPVA長繊維からなる不織ウェブを得た後、
設定したエンボス処理温度にして部分熱圧着して長繊維
不織布とした。紡糸性および得られた不織ウェブの状
態、エンボス処理して得られた不織布タテ方向の0−ス
パン時の裂断長、水崩壊性、総合評価結果を表2に示
す。
【0054】実施例17〜19 実施例1で得られた不織布を、所定温度の熱風乾燥機中
に入れて30分間熱処理した結果を表3に示す。熱処理
によって、水への溶解性は低下するが、繊維膨潤により
繊維間接着が外れ易くなっており、水崩壊性は維持して
いる。例えば、実施例19では65℃の水中への溶解率
(重量減少率)はほぼ0であるが、水中から取り出し、
乾燥した後の試料不織布は強度が増大している。このこ
とと、繊維間接着が外れ易くなっていることから、水中
で繊維は膨潤しているものと推察する。
【0055】
【表3】
【0056】比較例1〜5 実施例1で用いたPVAの代わりに表1に示すPVAを
用い、表2に示した紡糸温度以外は実施例1と全く同じ
条件下にてPVA長繊維からなる不織ウェブを得た後、
設定したエンボス処理温度にして部分熱圧着して長繊維
不織布とした。紡糸性および得られた不織ウェブの状
態、エンボス処理して得られた不織布タテ方向の0−ス
パン時の裂断長、水崩壊性、総合評価結果を表2に示
す。比較例1に示したPVAを用いると、溶融粘度が高
すぎるために安定な紡糸孔からの吐出が出来ず、不織ウ
ェブ形成もできなかった。紡糸頭の温度を270℃まで
上げると見掛けの溶融粘度は低下するが、分解とゲル化
が発生し、更に状況は悪化した。比較例2のPVAを用
いたものは、溶融粘度が低すぎて、ドリップ状の吐出も
混在して安定な繊維形成ができず、不織ウェブ形成もで
きなかった。比較例3では、PVAの熱分解による酢酸
を含むガス発生とゲル化のため、断糸が多発し、不織ウ
ェブ形成に至らなかった。比較例4では、250℃の紡
糸頭の温度ではポリマー融点と近いために溶融粘度が高
すぎる。そこで、270℃まで紡糸頭の温度を上げると
見掛けの溶融粘度は低下するが、分解とゲル化が発生
し、更に状況は悪化した。比較例5では、PVAの結晶
性が低下するためと思われるが、隣接する紡出フィラメ
ント同士が膠着した。これを解除できないまま不織ウェ
ブ形成されたため、目の荒いシートにしかならなかっ
た。
【0057】比較例6 実施例1で用いたPVAを製造する際に、実施例1と同
様のメタノール洗浄を4回実施した後、さらにメタノー
ル/水=90/10の混合溶液で洗浄を3回実施しナト
リウムイオンの含有量を0.0001重量部としたPV
Aを用いて、実施例1と同様に紡糸を試みた。その結
果、極短時間(約5分)で断糸が多発し、不織布を巻き
取るまで至らなかった。溶融粘度が上昇したことから、
溶融系内でのゲル状物の発生によると思われる。
【0058】比較例7 実施例1で用いたPVAを製造する際に、メタノール洗
浄を実施せずにナトリウムイオンの含有量を1.4重量
部としたPVAを用いて実施例1と同様に紡糸を試みた
が、熱分解して安定紡糸ができなかった。
【0059】比較例8〜12 実施例1で用いたPVAの代わりに表1に示すPVAを
用い、表2に示した紡糸温度以外は実施例1と全く同じ
条件下にてPVA長繊維からなる不織ウェブを得た後、
設定したエンボス処理温度にして部分熱圧着して長繊維
不織布とした。紡糸性および得られた不織ウェブの状
態、エンボス処理して得られた不織布タテ方向の0−ス
パン時の裂断長、水崩壊性、総合評価結果を表2に示
す。比較例8に示したPVAを用いると、PVAが熱分
解・ゲル化して紡糸性が悪く極短時間(約5分)で断糸
が多発し、不織布を巻き取るまで至らなかった。比較例
9では、紡糸温度200℃では曳糸性が悪くて繊維化で
きず、また不織ウェブ形成もできなかった。紡糸頭の温
度を240℃とすることで見掛けの溶融粘度は低下する
が、分解とゲル化が発生し、断糸が多発し、不織ウェブ
が形成できなかった。比較例10及び比較例11では、
紡糸性は良好であり、不織布の状態も良好であったが、
本発明の目的とする水崩壊性が不足していて不適であっ
た。比較例12では、従来検討されたと同様の低重合度
且つ低鹸化度のPVAを用いた。紡糸温度220℃とし
て溶融紡糸を試みたが、最初から熱分解とゲル化が発生
し、繊維化に至らなかった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均重合度が200〜500,鹸化
    度が90〜99.99モル%,ビニルアルコールユニッ
    トに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心
    水酸基のモル分率が66〜99.9モル%であり、融点
    が160℃〜230℃であるポリビニルアルコール
    (A)からなり、かつ(A)100重量部に対してアル
    カリ金属イオン(B)が0.0003〜1重量部含有さ
    れていることを特徴とする熱可塑性ポリビニルアルコー
    ル系長繊維不織布。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールが、炭素数4以下
    のαオレフィン単位および/またはビニルエーテル単位
    を1〜25モル%含有する変性ポリビニルアルコールで
    ある請求項1に記載の熱可塑性ポリビニルアルコール系
    長繊維不織布。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールがエチレン単位を
    3〜20モル%含有する変性ポリビニルアルコールであ
    る請求項2に記載の熱可塑性ポリビニルアルコール系長
    繊維不織布。
  4. 【請求項4】 1,2−グリコール結合の含有量が1.
    2〜2.0モル%である請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の熱可塑性ポリビニルアルコール系長繊維不織布。
  5. 【請求項5】 部分的な熱圧融着により形態を保持して
    なる請求項1〜4のいずれか1項に記載の長繊維不織
    布。
  6. 【請求項6】 不織布が水崩壊性である請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の長繊維不織布。
  7. 【請求項7】 粘度平均重合度が200〜500,鹸化
    度が90〜99.99モル%,ビニルアルコールユニッ
    トに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心
    水酸基のモル分率が66〜99.9モル%であり、融点
    Tmが160〜230℃であるポリビニルアルコールを
    紡糸口金温度Tm+10℃〜Tm+80℃の温度下で溶
    融紡糸し、この紡出フィラメント群を吸引噴射装置によ
    り牽引細化させた後、開繊フィラメントを移動式捕集コ
    ンベア装置上に捕集堆積することにより、長繊維ウェブ
    を形成することを特徴とする熱可塑性ポリビニルアルコ
    ール系長繊維不織布の製造方法。
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